JP2001293502A - 継ぎ目無し管の圧延制御方法及び圧延装置 - Google Patents

継ぎ目無し管の圧延制御方法及び圧延装置

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JP2001293502A JP2000112645A JP2000112645A JP2001293502A JP 2001293502 A JP2001293502 A JP 2001293502A JP 2000112645 A JP2000112645 A JP 2000112645A JP 2000112645 A JP2000112645 A JP 2000112645A JP 2001293502 A JP2001293502 A JP 2001293502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マンドレルミルの出側において管肉厚及び管
長さを所望の値に圧延し得る継ぎ目無し管の圧延制御方
法及び圧延装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係る圧延装置は、複数の孔型ロ
ール14スタンドを具備し、該孔型ロールスタンドが形
成するロール孔型配列内にマンドレルバー13を配置
し、管12を圧延するマンドレルミル11と、マンドレ
ルミル11の最終2スタンドのうち少なくとも1つ以上
のロール14で、マンドレルバー13の半径とマンドレ
ルミル11出側の目標平均肉厚との和よりもロール孔型
の溝底部の曲率半径が大きいときは、ロール14の溝底
部の肉厚をマンドレルミル11出側の目標平均肉厚より
小さく設定し、前記曲率半径が小さいときには、前記溝
底部の肉厚を前記目標平均肉厚より大きく設定して圧延
するようにロール14のギャップを調整するための演算
装置15及びロール圧下装置16を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンドレルミルに
おいて、管肉厚及び管長さを所望の値に圧延する継ぎ目
無し管の圧延制御方法及び圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、マンネスマン−マンドレルミル
方式による継ぎ目無し鋼管の製造方法を示す説明図であ
る。図2に示すように、継ぎ目無し鋼管の製造に際して
は、まずビレット51を、加熱炉52で1200〜13
00℃まで加熱する。次に、加熱されたビレット51を
ピアサー53で穿孔圧延して中空素管54とする。この
中空素管54に芯金棒55(以降、芯金棒55をマンド
レルバーという)を挿入し、マンドレルミル56で延伸
圧延して管肉厚を調整する。その後マンドレルバー55
を抽出し、サイザー又はストレッチレデューサー等の絞
り圧延機57で管を所定の径に成形し、製品寸法に仕上
げる。マンドレルミル56では、複数個のスタンド#
1,…,#Nにおいて、中空素管54を外側から孔型ロ
ール58で、内側からマンドレルバー55でそれぞれ拘
束し、圧延方向に垂直な面内で90°ずつ交差した部分
の肉厚を交互に圧延する。
【0003】ここで、マンドレルミル56の各スタンド
のうち、素管54の各部位を圧延する最終のスタンド
(つまり、当該スタンドの孔型の溝底部で圧延された素
管の部位がそれ以降のマンドレルミル56のどのスタン
ドでも圧延されない場合)は、一般に、マンドレルミル
の仕上げスタンドと称されている。
【0004】マンドレルミル56で所定の肉厚を得るに
は、マンドレルミル56の仕上げスタンドの孔型ロール
58の孔型溝底径と、使用するマンドレルバー55の外
径とにより幾何学的に決定される間隔(ロールギャッ
プ)によって肉厚が決まるため、マンドレルミル56の
仕上げスタンドの孔型ロール58の孔型溝底径とマンド
レルバー55の外径とを一義的に決定する必要がある。
したがって、継ぎ目無し鋼管の仕上げ肉厚が異なる場合
には、それに応じて別のマンドレルバー55に交換する
等、その都度径の異なるマンドレルバー55を使用する
必要がある。これは、溝底径の異なる孔型ロール58に
交換するよりも、マンドレルバー55を交換する方が容
易なためである。
【0005】しかしながら、製造するすべての肉厚に対
応するマンドレルバー55を準備することは、マンドレ
ルバー55の置き場の確保や製造コストの観点から現実
的ではない。そこで、マンドレルバー55の製造コスト
が比較的安い小径管の場合には、マンドレルミル56で
は例えば肉厚0.5mmピッチで管を製造し、後続する
絞り圧延機で管肉厚を微調整することにより、所望の肉
厚にすることがなされている。一方、マンドレルバー5
5の製造コストが高い中径管や大径管では、マンドレル
ミル56で製造する肉厚のピッチをさらに大きくする必
要があり、絞り圧延機での調整可能範囲を超えるピッチ
になる。そこで、製造の対象となる管寸法のうち、微小
に異なる複数の肉厚に対しては同一のマンドレルバー5
5を使用し、マンドレルミル56のロールギャップを変
更することにより孔型溝底間距離を調整して製造する方
法が提案されている。
【0006】従来、マンドレルミルのロールギャップを
調整する一般的な方法として、特開平8−71613号
公報の実施例に開示された方法が知られている。すなわ
ち、マンドレルミルにおいて肉厚25mmの管を製造す
る際、直径が97mmのマンドレルバーを用いた場合に
は、孔型溝底半径を73.5mm(孔型溝底間距離は1
47mm)に設定して圧延し、直径が87mmのマンド
レルバーを用いた場合には、前記孔型溝底間距離を13
7mmに変更して圧延する。つまり、前記いずれの場合
においても、孔型ロールの溝底部とマンドレルバーとに
より幾何学的に決定される間隔を、マンドレルミル出側
での目標とする肉厚である25mmに設定する方法であ
る。
【0007】また、通常、素管を孔型ロールで圧延した
とき、ロールで圧延されないフランジ部の肉厚が、素管
の肉厚より小さくなるというフランジ減肉と称する現象
が知られている。つまり、仕上第1スタンドで仕上げた
肉厚が、仕上第2スタンドのフランジ部の減肉によりさ
らに薄くなるが、この影響を防止するべく、前記孔型ロ
ールの溝底部とマンドレルバーにより幾何学的に決定さ
れる間隔をマンドレルミル出側の目標とする肉厚より大
きく設定する方法(特開平8−71611号公報)が知
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、マンドレルミ
ルのロールギャップを変更した場合には、管の周方向に
偏肉が発生する。なぜならば、孔型ロールの孔型径と使
用するマンドレルバーの外径とにより幾何学的に決定さ
れる間隔によって肉厚が決まるため、所定のロールギャ
ップ以外では一対の孔型ロールで形成される孔型径(形
状)が変化し、これに伴って前記間隔も周方向で変化す
るからである。
【0009】上記現象を、真円孔型の孔型ロールの仕上
げスタンドロールを例にとって模式的に示したのが図3
である。以下、図3のロール孔型の最も深い部分をロー
ルの溝底部63、2つのロールに挟まれ肉厚圧下をして
いないロール孔型の開口部をフランジ部64という。図
3(a)は、一対の孔型ロール61とマンドレルバー6
2とから形成される間隔が円周方向で均一、つまり円周
方向で肉厚が均一となる場合を示す。また、図3(b)
は、ロールギャップを締めた場合に円周方向で肉厚が不
均一となる場合を示す。図3(b)の場合には、孔型ロ
ール61の溝底部63に相当する部分で孔型ロール61
とマンドレルバー62との間隔が一番小さくなり、孔型
ロール61のフランジ部64側に進むにつれて、孔型ロ
ール61とマンドレルバー62との間隔は広くなる。し
たがって、圧延された管は、孔型ロール61の溝底部6
3で最小になり、フランジ部64に向かって厚肉とな
る。
【0010】このため、特開平8−71613号公報の
実施例に開示された従来の方法では、孔型ロールの溝底
部の肉厚はマンドレルミル出側での目標とする肉厚に合
致するが、孔型ロールのフランジ部に向かって厚肉とな
るため、管の平均肉厚はマンドレルミル出側での目標と
する肉厚より厚めになるという問題がある。
【0011】また、管の製造プロセスでは、通常、注文
された管のうち、同一外径で同一肉厚の管については、
複数の管を取り合わせて1本の管として圧延し、圧延後
に注文された長さに切り分けることがなされている。こ
こで、圧延された管の長さが目標より短くなると、圧延
された管から予定数の注文品を切り分けることができな
くなり、注文品を再度圧延することを余儀なくされる。
このため、管長さを目標通りに圧延することは重要な課
題である。
【0012】一方、管の重量は、管の断面積と長さの積
に等しいことから、管の長さと管の肉厚とは反比例の関
係にある。ところが、特開平8−71613号公報の実
施例に開示された従来の方法では、管の平均肉厚はマン
ドレルミル出側での目標とする肉厚より厚くなるため、
管の長さはマンドレルミル出側での目標とする長さより
短くなり、前記課題を解決できないという問題がある。
【0013】また、特開平8−71611号公報に記載
の方法についても、特開平8−71613号公報の実施
例に開示された方法に比べて偏肉を抑制できるものの、
特開平8−71613号公報の実施例と同様に、管平均
肉厚が目標より厚くなり、管長さが目標に比べ短くなる
という問題を有している。一方、図3(b)とは逆に、
ギャップを基準位置より開いた場合も、同様の理由によ
り、従来法では管肉厚が目標よりも薄くなる(管長さが
長くなる)という問題を有している。
【0014】本発明は、斯かるマンドレルミルにおける
従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、マン
ドレルミルの出側において管肉厚及び管長さを所望の値
に圧延し得る継ぎ目無し管の圧延制御方法及び圧延装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】マンドレルミル仕上スタ
ンドのロールギャップを変更して、マンドレルミル出側
での管平均肉厚及び管長さを所望の値に圧延するには、
マンドレルミル仕上げスタンドでの管周方向の肉厚分布
を予測し、管断面積を正確に算出する必要がある。
【0016】ここで、ロールギャップを基準位置より閉
めた場合には、圧延された管の肉厚は、孔型ロールの溝
底部で最小になり、孔型ロールとマンドレルバーとの間
に管材が充満している範囲内で、フランジ部に向かって
厚肉になる。逆に、ロールギャップを基準位置より開い
た場合には、圧延された管の肉厚は、孔型ロールの溝底
部では厚いが、孔型ロールとマンドレルバーとの間に管
材が充満している範囲内で、フランジ部に向かって薄く
なる。そして、孔型ロールとマンドレルバーとの間に管
材が充満していない部分では、ロールギャップの位置に
よらず、前述したようにフランジ減肉が生じる。このた
め、仕上スタンドでの管周方向の肉厚分布を予測するに
は、管材とマンドレルバーとが離れる点、管材と孔型ロ
ールとが離れる点、及びフランジ減肉量を正確に予測す
る必要があるが、これらの特性値は、仕上げスタンドで
の管肉厚の圧下量や管周長の絞り量によって異なるだけ
でなく、材料とマンドレルバーとの摩擦係数や、スタン
ド間の張力状態によっても異なる。よって、一般的に前
記特性値の予測は難しいものである。
【0017】そこで本発明者らは、マンドレルミル仕上
げスタンドのロールギャップ変更量及びマンドレルバー
径の変更量と、管平均肉厚との関係について鋭意調査を
行った。その結果、マンドレルミルの仕上スタンドの孔
型の溝底部の曲率半径をR[mm]、マンドレルバーの
直径をDM[mm]、孔型の溝底部の肉厚をTG[m
m]としたとき、マンドレルミル出側の平均肉厚の変化
量(平均肉厚−溝底部の肉厚)ΔT[mm]は、次式で
表すパラメータで整理できることを見出した。 2×(R−TG)−DM ・・・(1)
【0018】図4に、マンドレルミル出側の平均肉厚の
変化量ΔT(孔型の溝底部の肉厚と等しいときΔT=0
とした)と、上記パラメータ2×(R−TG)−DM
との関係を示す。図4に示すように、パラメータ2×
(R−TG)−DM が大きくなるにつれて、マンドレ
ルミル出側の平均肉厚の変化量ΔTも大きくなる。これ
は、次式(2)で表される仕上げスタンドで圧延した後
の溝底部の管内径 2×(R’−TG) R’:溝底部の管外半径 ・・・(2) がDMに等しいことから、パラメータ2×(R−TG)
−DM が大きいと、溝底部の管外半径を、孔型の溝底
部の曲率半径Rより小さくして圧延することになり、圧
延された管は、図3(b)に示すようにフランジ部に向
かって、より厚肉になるためである。逆にパラメータ2
×(R−TG)−DM が小さいと、同様の理由で、圧
延された管はフランジ部に向かって、より薄肉になる。
【0019】したがって、マンドレルミルの出側におい
て管平均肉厚及び管長さを所望の値に圧延するには、パ
ラメータ2×(R−TG)−DMが0より大きいとき
は、マンドレルミルの仕上スタンドのロールの溝底部の
肉厚を、マンドレルミル出側の目標平均肉厚より小さく
設定すればよいということになる。逆に、パラメータ2
×(R−TG)−DMが0より小さいときは、マンドレ
ルミルの仕上スタンドのロールの溝底部の肉厚を、マン
ドレルミル出側の目標平均肉厚より大きく設定すればよ
い。なお、図4に示す例は、2ロールマンドレルミルの
場合であるが、3ロールマンドレルミルや4ロールマン
ドレルミル等であっても、同様の考え方をすることがで
きる。
【0020】次に、前記のように、マンドレルミルの仕
上スタンドのロールの溝底部の肉厚を、パラメータ2×
(R−TG)−DMが0より大きいときはマンドレルミ
ル出側の目標平均肉厚より小さく設定し、0より小さい
ときはマンドレルミル出側の目標平均肉厚より大きく設
定する際、ロールの溝底部の目標肉厚の変更量の望まし
い範囲について調査、発案した結果を説明する。
【0021】図4に示すマンドレルミル出側の平均肉厚
の変化量ΔTと、パラメータ2×(R−TG)−DMと
の関係は、略次式(3)のように表すことができる。 ΔT=T−TG={2×(R−TG)−DM}×0.055 ・・・(3) なお、式(3)の関係は、仕上げスタンドのロール溝底
部の孔型が真円のときには、管肉厚や材質によらず成立
している。
【0022】ここで、式(3)を変形すると次式(4)
となる。 TG=T−{2×(R−T)−DM}×0.055 −2×(T−TG)×0.055 ・・・(4) 上記式(4)の第2項{2×(R−T)−DM}×0.
055に比べ、第3項2×(T−TG)×0.055≒
0.1×{2×(R−T)−DM}×0.055は十分
小さいため、近似的に次式(5)の関係が成り立つ。 TG=T−{2×(R−T)−DM}×0.055 ・・・(5)
【0023】さらに、マンドレルミルの出側において管
長さを所望の値に圧延するには、(T−TG)/{2×
(R−T)−DM}をどのような範囲にすればよいかを
調査した結果を図5に示す。図5において、横軸は(T
−TG)/{2×(R−T)−DM}と0.055との
差を、縦軸は長さ偏差率の絶対値としている。図5か
ら、長さ偏差率を1%未満にするには、(T−TG)/
{2×(R−T)−DM}を次の範囲にする必要がある
ことを見出した。 0.03<(T−TG)/{2×(R−T)−DM}<0.08 ・・・(6)
【0024】したがって、マンドレルミルの出側におい
て、管長さの所望の値からの偏差を1%未満にして圧延
するには、マンドレルミルの仕上スタンドのロールの溝
底部の目標肉厚をTG[mm]、マンドレルミル出側の
目標平均肉厚をT[mm]、孔型の溝底部の曲率半径を
R[mm]、芯金棒の直径をDM[mm]としたとき、
マンドレルミルの仕上スタンドのロールの溝底部の目標
肉厚TGを次の範囲に設定して圧延すればよい。(A)
2×(R−T)−DM>0のとき T−{2×(R−T)−DM}×0.08 < TG < T−{2×(R−T)−DM}×0.03 ・・・(7 ) (B)2×(R−T)−DM<0のとき T−{2×(R−T)−DM}×0.03 < TG < T−{2×(R−T)−DM}×0.08 ・・・(8 )
【0025】以上の説明は、マンドレルミル仕上各スタ
ンドの孔型の溝底の肉厚を、全て同一設定した場合につ
いてしたものであるが、例えば特開平5−138209
号公報に示されるように、所定の理由により、マンドレ
ルミル仕上各スタンドの孔型の溝底の肉厚が互いに異な
る場合がある。以下、マンドレルミル仕上各スタンドの
孔型の溝底の肉厚が互いに異なる場合に、ロールの溝底
部の目標肉厚の変更量の望ましい範囲について調査、発
案した結果を説明する。
【0026】図6に示すように、マンドレルミルの仕上
第iスタンドのj方向のロールの溝底部の肉厚をTG
(i,j)[mm]とした場合、TG(i,j)の最大
値と最小値との差をΔTF[mm]とする。この△TF
の値を変更した場合における、マンドレルミル出側の平
均肉厚の変化量ΔT(孔型の溝底部の肉厚の平均値E
[TG(i,j)]と等しいとき△T=0とした)と、
パラメータ2×(R−E[TG(i,j)])−DMと
の関係を図7に示す。なお、図7の例は、2ロールマン
ドレルミルの場合であるが、3ロールマンドレルミルや
4ロールマンドレルミル等であっても、同様の考え方を
することができる。
【0027】図7に示すように、グラフの傾きは、図4
に示す式(3)の場合とほぼ同じであるものの、マンド
レルミル出側の平均肉厚の変化量ΔTと、パラメータ2
×(R−E[TG(i,j)])−DMとの関係は、Δ
TF=0以外の場合、図4に比べて若干オフセットを有
する。
【0028】前記オフセット量(図7のグラフのy切
片)とΔTFとの関係を図8に示す。図8及び図7よ
り、マンドレルミル出側の平均肉厚の変化量ΔT(孔型
の溝底部の肉厚と等しいときΔT=0とした)と、パラ
メータ2×(R−E[TG(i,j)])−DMとの関
係は、ほぼ次式のように表すことができる。 ΔT=T−E[TG(i,j)] ={2×(R−E[TG(i,j)])−DM}×0.055 −ΔTF×0.05 ・・・(9 )
【0029】よって、前述したΔTF=0の場合と同様
の考察により、ロールの溝底部の目標肉厚TG(i,
j)[mm]の望ましい範囲は、マンドレルミル出側の
目標平均肉厚をT[mm]、孔型の溝底部の曲率半径を
R[mm]、芯金棒の直径をDM[mm]としたとき、
次式のようになる。(A)2×(R−T)−DM>0の
とき T−{2×(R−T)−DM}×0.08+ΔTF×0.05 < E[TG(i,j)] < T−{2×(R−T)−DM}×0.03+ΔTF×0.05 ・・・(10 ) (B)2×(R−T)−DM<0のとき T−{2×(R−T)−DM}×0.03+ΔTF×0.05 < E[TG(i,j)] < T−{2×(R−T)−DM}×0.08+ΔTF×0.05 ・・・(11 )
【0030】本発明は、本発明者らが見出した上記新し
い知見により案出されたものであり、マンドレルミルの
出側において管肉厚及び管長さを所望の値に圧延し得る
継ぎ目無し管の圧延制御方法及び圧延装置を提供するも
のである。
【0031】すなわち、本願の第1発明は、複数の孔型
ロールスタンドを具備し、該孔型ロールスタンドが形成
するロール孔型配列内にマンドレルバーを配置し、管を
圧延するマンドレルミルにおいて、該マンドレルミルの
最終2スタンドのうち少なくとも1つ以上のロールで、
前記マンドレルバーの半径と前記マンドレルミル出側の
目標平均肉厚との和よりもロール孔型の溝底部の曲率半
径が大きいとき、前記ロールの溝底部の肉厚を前記マン
ドレルミル出側の目標平均肉厚より小さく設定して圧延
することを特徴とする継ぎ目無し管の圧延制御方法であ
る。
【0032】本願の第2発明は、複数の孔型ロールスタ
ンドを具備し、該孔型ロールスタンドが形成するロール
孔型配列内にマンドレルバーを配置し、管を圧延するマ
ンドレルミルにおいて、該マンドレルミルの最終2スタ
ンドのうち少なくとも1つ以上のロールで、前記マンド
レルバーの半径と前記マンドレルミル出側の目標平均肉
厚との和よりもロール孔型の溝底部の曲率半径が小さい
とき、前記ロールの溝底部の肉厚を前記マンドレルミル
出側の目標平均肉厚より大きく設定して圧延することを
特徴とする継ぎ目無し管の圧延制御方法である。
【0033】本願の第3発明は、前記第1発明におい
て、前記マンドレルミルの最終2スタンドのロールの溝
底部の肉厚をTG[mm]、前記マンドレルミル出側の
目標平均肉厚をT[mm]、前記ロール孔型の溝底部の
曲率半径をR[mm]、前記マンドレルバーの直径をD
M[mm]としたとき、前記TGを次の範囲に設定して
圧延することを特徴とする継ぎ目無し管の圧延制御方法
である。 T−[2×(R−T)−DM]×0.08< TG <T−[2×(R−T)−DM]
×0.03
【0034】本願の第4発明は、前記第2発明におい
て、前記マンドレルミルの最終2スタンドのロールの溝
底部の肉厚をTG[mm]、前記マンドレルミル出側の
目標平均肉厚をT[mm]、前記ロール孔型の溝底部の
曲率半径をR[mm]、前記マンドレルバーの直径をD
M[mm]としたとき、前記TGを次の範囲に設定して
圧延することを特徴とする継ぎ目無し管の圧延制御方法
である。 T−[2×(R−T)−DM]×0.03< TG <T−[2×(R−T)−DM]
×0.08
【0035】本願の第5発明は、前記第1発明におい
て、前記マンドレルミルの最終2スタンドのうち第iス
タンドのj方向のロールの溝底部の肉厚をTG(i,
j)[mm]、前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚
をT[mm]、前記ロール孔型の溝底部の曲率半径をR
[mm]、前記マンドレルバーの直径をDM[mm]と
したとき、前記TG(i,j)の平均値E[TG(i,
j)]を次の範囲に設定して圧延することを特徴とする
継ぎ目無し管の圧延制御方法である。
【数3】
【0036】本願の第6発明は、前記第2発明におい
て、前記マンドレルミルの最終2スタンドのうち第iス
タンドのj方向のロールの溝底部の肉厚をTG(i,
j)[mm]、前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚
をT[mm]、前記ロール孔型の溝底部の曲率半径をR
[mm]、前記マンドレルバーの直径をDM[mm]と
したとき、前記TG(i,j)の平均値E[TG(i,
j)]を次の範囲に設定して圧延することを特徴とする
継ぎ目無し管の圧延制御方法である。
【数4】
【0037】本願の第7発明は、複数の孔型ロールスタ
ンドを具備し、該孔型ロールスタンドが形成するロール
孔型配列内にマンドレルバーを配置し、管を圧延するマ
ンドレルミルと、該マンドレルミルの最終2スタンドの
うち少なくとも1つ以上のロールで、前記マンドレルバ
ーの半径と前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚との
和よりもロール孔型の溝底部の曲率半径が大きいとき、
前記ロールの溝底部の肉厚を前記マンドレルミル出側の
目標平均肉厚より小さく設定して圧延するように前記ロ
ールのギャップを調整する圧延制御装置とを備えること
を特徴とする継ぎ目無し管の圧延装置である。
【0038】本願の第8発明は、複数の孔型ロールスタ
ンドを具備し、該孔型ロールスタンドが形成するロール
孔型配列内にマンドレルバーを配置し、管を圧延するマ
ンドレルミルと、該マンドレルミルの最終2スタンドの
うち少なくとも1つ以上のロールで、前記マンドレルバ
ーの半径と前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚との
和よりもロール孔型の溝底部の曲率半径が小さいとき、
前記ロールの溝底部の肉厚を前記マンドレルミル出側の
目標平均肉厚より大きく設定して圧延するように前記ロ
ールのギャップを調整する圧延制御装置とを備えること
を特徴とする継ぎ目無し管の圧延装置である。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照して説明する。まず、本願の第1発
明、第2発明、第3発明、第4発明、第7発明及び第8
発明に係る第1の実施形態について、図1に基づき説明
する。
【0040】図1において、11は複数個のスタンド#
1,・・・,#Nからなるマンドレルミル、12はピアサ
ーで穿孔された中空素管(素管)、13はマンドレルバ
ー、14はマンドレルミルの圧延ロールをそれぞれ示
す。ピアサーで穿孔された素管12は、内部にマンドレ
ルバー13が挿入され、マンドレルバー13の後端が保
持装置(図示せず)によって一定速度に保持された状態
で、マンドレルミル11においてマンドレルバー13と
複数の孔型圧延ロール14とにより延伸圧延される。
【0041】また、図1において、15は演算装置、1
6はマンドレルミル11の仕上げスタンドの各ロール圧
下装置である。演算装置15及び圧下装置16によっ
て、本願の第7発明及び第8発明における圧延制御装置
が構成されている。演算装置15は、マンドレルミル1
1の出側目標管肉厚T[mm]、マンドレルミル11の
仕上スタンドの孔型溝底部の曲率半径R[mm]、マン
ドレルバー13の外径DM[mm]から、予め与えられ
た下記の式(12)に基づいて、マンドレルミル11の
仕上スタンドにおける適切な孔型の溝底の管肉厚TG
[mm]を計算する。さらに、演算装置15は、前記適
切な管肉厚TGを与えるために必要なマンドレルミル1
1の仕上げスタンドの圧下位置を算出する。 TG=T−{2×(R−T)−DM}×0.055 ・・・(12)
【0042】演算装置15には、式(12)が予め組み
込まれている。演算装置15は、前述のように、式(1
2)に基づいてマンドレルミル11の仕上げスタンドで
与えるべき孔型の溝底の管肉厚TGを計算し、該計算さ
れたTGからマンドレルミル11の仕上げスタンドの必
要なギャップを下記式(13)によって算出し、該算出
されたギャップをマンドレルミル11の仕上げスタンド
の各ロール圧下装置16に指令する。圧下装置16は、
前記指令に基づきギャップを調整する。 G=G0+2×TG+DM−D0 ・・・(13) ここで、G :マント゛レルミル仕上げスタント゛で与えるべきキ゛ャッフ
゜ G0:標準時(孔型設計時)のマント゛レルミル仕上げスタント゛のキ
゛ャッフ゜ D0:標準時(孔型設計時)の孔型の溝底間距離
【0043】以上のように、演算装置15は、式(1
2)に基づき、マンドレルミル11の出側において管肉
厚および管長さを所望の値に圧延するために必要なマン
ドレルミル11仕上げスタンドのギャップを演算し、マ
ンドレルミル11仕上げスタンドの各ロール圧下装置1
6に指令し、ギャップを調整する。したがって、マンド
レルミル11の仕上げスタンドの孔型の溝底の管肉厚
は、前述した式(7)又は式(8)を満たし、2×(R
−T)−DMが正の場合にはマンドレルミル11仕上げ
スタンドのロールの溝底部の薄肉部とフランジ側の厚肉
部とが相殺される。また、2×(R−T)−DMが負の
場合にはマンドレルミル11仕上げスタンドのロールの
溝底部の厚肉部とフランジ側の薄肉部とが相殺され、管
12の管肉厚及び管長さを所望の値に圧延することがで
きる。
【0044】次に、本願の第5発明および第6発明に係
る第2の実施形態について、前述した第1の実施形態と
同様に、図1に基づいて説明する。
【0045】本実施形態では、演算装置15は、マンド
レルミル11の出側目標管肉厚T[mm]、マンドレル
ミル11の仕上スタンドの孔型の溝底部の曲率半径R
[mm]、マンドレルバーの外径DM[mm]、マンド
レルミル11の仕上#Nスタンド(Nはマンドレルミル
で肉厚圧下するスタンド数)の孔型の溝底の肉厚と仕上
#N−1スタンドの孔型の溝底の肉厚との差ΔTF[m
m]から、予め与えられた下記の式(14)に基づい
て、マンドレルミル11の仕上スタンドにおける適切な
孔型の溝底の管肉厚TG(i)[mm](iはスタンド
番号であり,NまたはN−1)を計算する。さらに、演
算装置15は、前記適切な管肉厚TG(i)を与えるた
めに必要なマンドレルミル11の仕上げスタンドの圧下
位置を算出する。 TG(N) =TG_E+ΔTF/2 ・・・(14) TG(N−1)=TG_E−ΔTF/2 TG_E=T−{2×(R−T)−DM}×0.055
+ΔTF×0.05 ここで、TG−E=E[TG(N),TG(N−
1)],E[・]は平均値
【0046】演算装置15には、式(14)が予め組み
込まれている。演算装置15は、前述のように、式(1
4)に基づいてマンドレルミル11の仕上げスタンドで
与えるべき孔型の溝底の管肉厚TG(i)を計算し、該
計算されたTG(i)からマンドレルミル11の仕上げ
スタンドの必要なギャップを前記式(13)によって算
出し、該算出されたギャップをマンドレルミル11の仕
上げスタンドの各ロール圧下装置16に指令する。圧下
装置16は、前記指令に基づきギャップを調整する。
【0047】以上のように、演算装置15は、式(1
4)に基づき、マンドレルミル11の出側において管肉
厚および管長さを所望の値に圧延するために必要なマン
ドレルミル11仕上げスタンドのギャップを演算し、マ
ンドレルミル11仕上げスタンドの各ロール圧下装置1
6に指令し、ギャップを調整する。したがって、マンド
レルミル11の仕上げスタンドの孔型の溝底の管肉厚
は、前述した式(10)又は式(11)を満たし、2×
(R−T)−DMが正の場合にはマンドレルミル11仕
上げスタンドのロールの溝底部の薄肉部とフランジ側の
厚肉部とが相殺される。2×(R−T)−DMが負の場
合にはマンドレルミル11仕上げスタンドのロールの溝
底部の厚肉部とフランジ側の薄肉部とが相殺され、管1
2の管肉厚および管長さを所望の値に圧延することがで
きる。
【0048】なお,ロールギャップの設定精度には多少
のばらつきがあるため、孔型の溝底の肉厚を正確に式
(12)及び式(14)の値にすることは難しいが、図
5より、長さ偏差率を1%未満にするには、孔型の溝底
の肉厚を式(7)(又は式(8))及び式(10)(又
は式(11))の範囲とすれば足りる。
【0049】また、第1の実施形態及び第2の実施形態
において、マンドレルミル11は、2ロールマンドレル
ミルとしたが、3ロールマンドレルミルや2スタンド以
上の4ロールマンドレルミル等であっても、同様の方法
で、マンドレルミルの出側において管肉厚及び管長さを
所望の値に圧延することが可能である。
【0050】以下、実施例を説明することにより、本発
明の特徴をより一層明らかにする。 (1)試験1 まず、外径320.0mm、肉厚17.0mmの素管
を、圧下方向を交互に90°交差させて連続配置された
5スタンドの2ロールミルで圧延するマンドレルミルに
おいて、#4、#5スタンドの溝底肉厚が等しくなるよ
うにロールギャップを設定し、外径が260mmのマン
ドレルバーを用いて、外径276.0mm、肉厚7.0
mmに延伸圧延する場合の実施例及び比較例を示す。
【0051】(実施例1:本発明法A)式(12)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0052】(実施例2:本発明法B)下記の式(1
5)に基づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべ
き孔型の溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から
前記マンドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを
式(13)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタ
ンドのギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延
した。 TG=T−{2×(R−T)−DM}×0.02 ・・・(15)
【0053】(比較例1:従来法)孔型ロールの溝底部
とマンドレルバーにより幾何学的に決定される間隔を、
マンドレルミル出側での目標とする肉厚に設定する特開
平8−71613号公報の実施例に開示された従来法で
圧延した。
【0054】上記本発明法A、本発明法B、及び従来法
のそれぞれについて管長さ精度を比較した結果を表1に
示す。ここで、管長さ精度は下記の式(16)によって
計算した。 ΔL=(L−L0)/L0×l00[%] ・・・(16) ここで、 ΔL:管長さ精度[%],L:マンドレルミル出側実績
管長さ[m] L0:マンドレルミル出側目標管長さ[m]
【表1】
【0055】表1に示すように、マンドレルミルのギャ
ップを調整した本発明法A及びBによれば、従来法と比
較して、管長さ精度が0.6%以上改善された。
【0056】(2)試験2 次に、外径320.0mm、肉厚17.0mmの素管
を、圧下方向を交互に90°交差させて連続配置された
5スタンドの2ロールミルで圧延するマンドレルミルに
おいて、#4、#5スタンドの溝底肉厚が等しくなるよ
うにロールギャップを設定し、外径が258mmのマン
ドレルバーを用いて、外径276.0mm、肉厚7.0
mmに延伸圧延する場合の実施例及び比較例を示す。
【0057】(実施例3:本発明法A)式(12)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0058】(実施例4:本発明法B)式(15)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0059】(比較例2:従来法)孔型ロールの溝底部
とマンドレルバーにより幾何学的に決定される間隔を、
マンドレルミル出側での目標とする肉厚に設定する特開
平8−71613号公報の実施例に開示された従来法で
圧延した。
【0060】上記本発明法A、本発明法B、及び従来法
のそれぞれについて管長さ精度を比較した結果を表2に
示す。
【表2】
【0061】本試験2における圧延条件は、試験1にお
ける圧延条件に比べて圧延に使用したマンドレルバーの
外径が小さいために、式(1)のパラメータが大きいこ
とになる。式(1)のパラメータが大きい場合、表2に
示すように、従来法では管長さ精度が極めて悪くなる。
一方、マンドレルミルのギャップを調整した本発明法A
及びBによれば、従来法と比較して、管長さ精度が1.
1%以上改善された。特に、孔型の溝底の肉厚が式
(7)又は式(8)の範囲に入るように調整した本発明
法Aでは、管長さ精度を0.5%以内に抑えることがで
き、所望の管長さを得ることができた。
【0062】(3)試験3 次に、外径320.0mm、肉厚17.0mmの素管
を、圧下方向を交互に90°交差させて連続配置された
5スタンドの2ロールミルで圧延するマンドレルミルに
おいて、#4、#5スタンドの溝底肉厚が等しくなるよ
うにロールギャップを設定し、外径が264mmのマン
ドレルバーを用いて、外径276.0mm、肉厚7.0
mmに延伸圧延する場合の実施例及び比較例を示す。
【0063】(実施例5:本発明法A)式(12)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0064】(実施例6:本発明法B)式(15)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0065】(比較例3:従来法)孔型ロールの溝底部
とマンドレルバーにより幾何学的に決定される間隔を、
マンドレルミル出側での目標とする肉厚に設定する特開
平8−71613号公報の実施例に開示された従来法で
圧延した。
【0066】上記本発明法A、本発明法B、及び従来法
のそれぞれについて管長さ精度を比較した結果を表3に
示す。
【表3】 表3に示すように、マンドレルミルのギャップを調整し
た本発明法A及びBによれば、従来法と比較して、管長
さ精度が0.6%以上改善された。
【0067】(4)試験4 次に、外径320.0mm、肉厚17.0mmの素管
を、圧下方向を交互に90°交差させて連続配置された
5スタンドの2ロールミルで圧延するマンドレルミルに
おいて、#4スタンドの孔型の溝底の肉厚と、♯5スタ
ンドの孔型の溝底の肉厚との差が0.5mmとなるよう
にロールギャップを設定し、外径が258mmのマンド
レルバーを用いて、外径276.0mm、肉厚7.0m
mに延伸圧延する場合の実施例及び比較例を示す。
【0068】(実施例7:本発明法C)式(14)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0069】(実施例8:本発明法D)下記の式(1
7)に基づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべ
き孔型の溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から
前記マンドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを
式(13)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタ
ンドのギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延
した。 TG(N) =TG_E+ΔTF/2 ・・・(17) TG(N−1)=TG_E−ΔTF/2 TG_E=T−{2×(R−T)−DM}×0.055
【0070】(比較例4:従来法)#4スタンド及び♯
5スタンドの孔型の溝底の肉厚の平均値をマンドレルミ
ル出側での目標とする肉厚に設定する従来法で圧延し
た。
【0071】上記本発明法C、本発明法D、及び従来法
のそれぞれについて管長さ精度を比較した結果を表4に
示す。
【表4】
【0072】表4に示すように、マンドレルミルのギャ
ップを調整した本発明法C及びDによれば、従来法と比
較して、管長さ精度が2.0%以上改善された。特に、
孔型の溝底の肉厚が式(10)又は式(11)の範囲に
入るように調整した本発明法Cでは、管長さ精度を0.
5%以内に抑えることができ、所望の管長さを得ること
ができた。
【0073】(5)試験5 最後に、外径320.0mm、肉厚17.0mmの素管
を、圧下方向を交互に90°交差させて連続配置された
5スタンドの2ロールミルで圧延するマンドレルミルに
おいて、#4スタンドの孔型の溝底の肉厚と、#5スタ
ンドの孔型の溝底の肉厚との差が0.5mmとなるよう
にロールギャップを設定し、外径が264mmのマンド
レルバーを用いて、外径276.0mm,肉厚7.0m
mに延伸圧延する場合の実施例及び比較例を示す。
【0074】(実施例9:本発明法C)式(14)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0075】(実施例10:本発明法D)式(17)に基
づきマンドレルミル仕上げスタンドで与えるべき孔型の
溝底の管肉厚を計算し、計算された管肉厚から前記マン
ドレルミル仕上げスタンドの必要なギャップを式(1
3)によって計算し、マンドレルミル仕上げスタンドの
ギャップを調整して、マンドレルミルで延伸圧延した。
【0076】(比較例5:従来法)#4スタンド及び♯
5スタンドの孔型の溝底の肉厚の平均値をマンドレルミ
ル出側での目標とする肉厚に設定する従来法で圧延し
た。
【0077】上記本発明法C、本発明法D、及び従来法
のそれぞれについて管長さ精度を比較した結果を表5に
示す。
【表5】
【0078】表5に示すように、マンドレルミルのギャ
ップを調整した本発明法C及びDによれば、従来法と比
較して、管長さ精度が1.5%以上改善された。
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明によれば、マ
ンドレルミル仕上げスタンドの各ロールのギャップを、
マンドレルバーの半径及びマンドレルミル出側の目標平
均肉厚の和と、ロール孔型の溝底部の曲率半径との大小
に応じて調整することにより、従来よりも、管肉厚及び
管長さが所望する値に近づくように圧延することができ
るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施形態に係る圧延装置
示す概略構成図である。
【図2】 図2は、マンネスマンーマンドレルミル方式
による継ぎ目無し鋼管の製造工程の説明図である。
【図3】 図3は、真円孔型ロールでのロールギャップ
と孔型形状との関係を示し、(a)は孔型ロールとマン
ドレルバーの間隔が円周方向で均一の場合、(b)はロ
ールギャップを締めた場合をそれぞれ表す。
【図4】 図4は、マンドレルミルの仕上げスタンドの
各ロールの溝底の肉厚を全て等しく設定した場合におけ
るパラメータ2×(R−TG)−DMと、マンドレルミ
ル出側の平均肉厚の変化量との関係を示すグラフであ
る。
【図5】 図5は、マンドレルミルの仕上スタンドのロ
ールの溝底の肉厚と、マンドレルミル出側の平均肉厚と
の差が、マンドレルミル出側の管長さの偏差率にどのよ
うな影響を与えるかを示すグラフである。
【図6】 図6は、マンドレルミルの仕上げスタンドの
ロールの溝底の肉厚TG(i,j)の説明図である。
【図7】 図7は、マンドレルミルの仕上げスタンドの
各ロールの溝底の肉厚を互いに異なる値に設定した場合
における、パラメータ2×(R−TG)−DMと、マン
ドレルミル出側の平均肉厚の変化量との関係を示すグラ
フである。
【図8】 図8は、マンドレルミルの仕上げ第1スタン
ドのロールの溝底の肉厚とマンドレルミルの仕上げ第2
スタンドのロールの溝底の肉厚との偏差と、マンドレル
ミル出側の平均肉厚の変化量の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11,56 マンドレルミル 12,54,93 素管 13,55,62,92 マンドレルバー 14,58,61,91 マンドレルミルの圧延ロール 15 演算装置 16 マンドレルミルの圧延ロール
の圧下装置 51 ビレット 52 加熱炉 53 ピアサー 57 絞り圧延機 63 溝底部 64 フランジ部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の孔型ロールスタンドを具備し、該
    孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマン
    ドレルバーを配置し、管を圧延するマンドレルミルにお
    いて、 該マンドレルミルの最終2スタンドのうち少なくとも1
    つ以上のロールで、前記マンドレルバーの半径と前記マ
    ンドレルミル出側の目標平均肉厚との和よりもロール孔
    型の溝底部の曲率半径が大きいとき、前記ロールの溝底
    部の肉厚を前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚より
    小さく設定して圧延することを特徴とする継ぎ目無し管
    の圧延制御方法。
  2. 【請求項2】 複数の孔型ロールスタンドを具備し、該
    孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマン
    ドレルバーを配置し、管を圧延するマンドレルミルにお
    いて、 該マンドレルミルの最終2スタンドのうち少なくとも1
    つ以上のロールで、前記マンドレルバーの半径と前記マ
    ンドレルミル出側の目標平均肉厚との和よりもロール孔
    型の溝底部の曲率半径が小さいとき、前記ロールの溝底
    部の肉厚を前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚より
    大きく設定して圧延することを特徴とする継ぎ目無し管
    の圧延制御方法。
  3. 【請求項3】 前記マンドレルミルの最終2スタンドの
    ロールの溝底部の肉厚をTG[mm]、前記マンドレル
    ミル出側の目標平均肉厚をT[mm]、前記ロール孔型
    の溝底部の曲率半径をR[mm]、前記マンドレルバー
    の直径をDM[mm]としたとき、前記TGを次の範囲
    に設定して圧延することを特徴とする請求項1に記載の
    継ぎ目無し管の圧延制御方法。 T−[2×(R−T)−DM]×0.08< TG <T−[2×(R−T)−DM]
    ×0.03
  4. 【請求項4】 前記マンドレルミルの最終2スタンドの
    ロールの溝底部の肉厚をTG[mm]、前記マンドレル
    ミル出側の目標平均肉厚をT[mm]、前記ロール孔型
    の溝底部の曲率半径をR[mm]、前記マンドレルバー
    の直径をDM[mm]としたとき、前記TGを次の範囲
    に設定して圧延することを特徴とする請求項2に記載の
    継ぎ目無し管の圧延制御方法。 T−[2×(R−T)−DM]×0.03< TG <T−[2×(R−T)−DM]
    ×0.08
  5. 【請求項5】 前記マンドレルミルの最終2スタンドの
    うち第iスタンドのj方向のロールの溝底部の肉厚をT
    G(i,j)[mm]、前記マンドレルミル出側の目標
    平均肉厚をT[mm]、前記ロール孔型の溝底部の曲率
    半径をR[mm]、前記マンドレルバーの直径をDM
    [mm]としたとき、前記TG(i,j)の平均値E
    [TG(i,j)]を次の範囲に設定して圧延すること
    を特徴とする請求項1に記載の継ぎ目無し管の圧延制御
    方法。 【数1】
  6. 【請求項6】 前記マンドレルミルの最終2スタンドの
    うち第iスタンドのj方向のロールの溝底部の肉厚をT
    G(i,j)[mm]、前記マンドレルミル出側の目標
    平均肉厚をT[mm]、前記ロール孔型の溝底部の曲率
    半径をR[mm]、前記マンドレルバーの直径をDM
    [mm]としたとき、前記TG(i,j)の平均値E
    [TG(i,j)]を次の範囲に設定して圧延すること
    を特徴とする請求項2に記載の継ぎ目無し管の圧延制御
    方法。 【数2】
  7. 【請求項7】 複数の孔型ロールスタンドを具備し、該
    孔型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマン
    ドレルバーを配置し、管を圧延するマンドレルミルと、
    該マンドレルミルの最終2スタンドのうち少なくとも1
    つ以上のロールで、前記マンドレルバーの半径と前記マ
    ンドレルミル出側の目標平均肉厚との和よりもロール孔
    型の溝底部の曲率半径が大きいとき、前記ロールの溝底
    部の肉厚を前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚より
    小さく設定して圧延するように前記ロールのギャップを
    調整する圧延制御装置とを備えることを特徴とする継ぎ
    目無し管の圧延装置。
  8. 【請求項8】複数の孔型ロールスタンドを具備し、該孔
    型ロールスタンドが形成するロール孔型配列内にマンド
    レルバーを配置し、管を圧延するマンドレルミルと、 該マンドレルミルの最終2スタンドのうち少なくとも1
    つ以上のロールで、前記マンドレルバーの半径と前記マ
    ンドレルミル出側の目標平均肉厚との和よりもロール孔
    型の溝底部の曲率半径が小さいとき、前記ロールの溝底
    部の肉厚を前記マンドレルミル出側の目標平均肉厚より
    大きく設定して圧延するように前記ロールのギャップを
    調整する圧延制御装置とを備えることを特徴とする継ぎ
    目無し管の圧延装置。
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