JP3473553B2 - 中空体の製造方法、製造装置、製管装置及び製管方法 - Google Patents
中空体の製造方法、製造装置、製管装置及び製管方法Info
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Description
法、製造装置及び製管方法に関する。具体的には、本発
明は、例えば、延伸圧延機及び定径圧延機を利用した継
目無管の製管方法及び製管装置に関するものである。
程を模式的に示す説明図である。同図に示すように、加
熱炉1から抽出された高温に加熱された圧延素材である
ビレット2は、穿孔圧延機3へ搬送されて中空素管4に
穿孔圧延される。さらに、穿孔された中空素管4は、例
えばマンドレルミルやプラグミル等の延伸圧延機5へ搬
送されて、外径絞り圧延が可能な肉厚になるまで延伸圧
延を行われる。そして、延伸圧延を行われた管は、最終
的に、定径圧延機6やストレッチレデューサミル等によ
り所定の外径、肉厚及び長さを有する継目無鋼管7に仕
上げられる。
ける板幅及び板厚と同様に、管外径及び管肉厚に関して
高い寸法精度が要求されることから、管の平均肉厚を目
標値に高精度で制御するために管長さも重要な評価指標
の一つとして用いられる。具体的には、定径圧延機6や
延伸圧延機5の出側には、継目無鋼管7の管長さを測定
可能な長さ計8、9が配置され、定径圧延及び延伸圧延
それぞれの前後における管長さの測定結果に基づいてそ
れぞれの圧延の圧延条件の設定値を変更することによっ
て、管長さを制御することが、これまでにも行われてき
た。
は、長さ計8を用いて定径圧延後の管の測定値と目標値
との偏差を求め、この偏差に基づいて定径圧延機6の次
材に対する圧延条件、すなわち圧延ロールの回転数の設
定値を変更することにより、定径圧延後における管長さ
を目標値に一致させる発明が開示されている。また、長
さ計9を用いて延伸圧延機5の出側における管長さの測
定値と目標値との偏差を求め、この偏差に基づいて延伸
圧延機5の次材に対する圧延条件の設定値を変更するこ
とも行われていた。
は、延伸圧延を行われる前の中空素管の重量及び温度
と、中空素管の内部に挿入されるマンドレルバーの摩擦
特性等に基づいて、延伸圧延の圧延条件、すなわち圧下
ロールのロール周速度比の設定値を変更することによ
り、延伸圧延後の中空素管の管長さの精度を向上する発
明が開示されている。
の従来の技術によっても、定径圧延後の管長さ及び管端
部の肉厚をいずれもを目標値に高精度で制御すること
は、極めて難しい。
により開示された発明では、定径圧延機の圧延ロールの
回転数を変更することになるが、この変更により、定径
圧延時に管に付与される軸方向張力が変動する。このた
め、この発明によって定径圧延後における管長さを目標
長さに高精度で制御することができたとしても、軸方向
張力の変動により、定径圧延時に張力が作用しない管端
部の肉厚がこの管端部以外の一般部の肉厚よりも増加す
る肉厚変動が発生してしまう。
の設定値が基準設定値である場合には、経験的若しくは
理論的に定径圧延機での管端部の増肉量を把握すること
が可能であるため、定径圧延による管端部の増肉を抑制
するために、延伸圧延の際にこの増肉分を見込んで管端
部の肉厚を一般部の肉厚よりも薄く圧延する管端肉厚圧
下制御を行うことによって予め管端部を薄肉化しておく
ことにより、定径圧延機での増肉分を相殺することは可
能である。
端部の肉厚の制御量は、定径圧延機の圧延ロールの回転
数の変更とは何ら関係なく設定される。このため、定径
圧延機の圧延ロールの回転数の設定値が基準設定値と異
なると、延伸圧延による管端部の肉厚の圧下制御量と定
径圧延による管端部の増肉量とが一致しない。したがっ
て、例えば定径圧延機の圧延ロールの回転数の設定が基
準設定値よりも張力を増加する方向へずれている場合に
は、定径圧延後の管端部の肉厚が一般部より増肉し,一
方、張力を減ずる方向へずれている場合には、定径圧延
後の管端部の肉厚が一般部よりも減肉してしまう。この
ため、いずれの場合にも、管端部の肉厚が目標範囲から
大きく逸脱して公差外れを起こしてしまう。管端部の肉
厚が公差外れを起こすと、公差外れ部の切り下げや手入
れが必要となり、さらに、手入れが困難な場合には、製
管不良材として廃棄せざるを得なくなり、いずれにして
も大幅な歩留まりの低下を招いてしまう。
り開示された発明は、延伸圧延の圧延条件の設定値を変
更することによって延伸圧延の後における管長さの精度
の向上を図るものであり、確かに、延伸圧延の後におけ
る管長さの精度を向上させることは可能である。しか
し、延伸圧延に引き続いて行われる定径圧延により管長
さが変動すると、得られる製品の管長さを目標範囲内と
することができない。このため、定径圧延の際に発生し
た管長さの変動を抑制するためには、前述した特公昭5
1−43469号公報により開示された発明と同様に、
定径圧延機の圧延ロールの回転数を変更する必要が生じ
てしまい、やはり、管端部の肉厚変動を生じてしまう。
からのずれを解消するために定径圧延の圧延条件の設定
値を変更すると、定径圧延後の管端部の肉厚の変動が発
生する。一方、延伸圧延機の出側における管長さの偏差
に基づいて延伸圧延の圧延条件の設定値を変更すると、
定径圧延後の管長さの精度が十分に得られない。
長さ及び管端肉厚をいずれも目標値に高精度で一致させ
ることができる、例えば継目無管等の中空体の製造方法
及び製造装置を提供することである。
延の圧延条件の設定を変更すること、すなわち、定径圧
延の圧延条件は変更せずに延伸圧延機の圧延ロールの圧
下位置の設定値および回転数の設定値を変更することに
より、定径圧延後の管端部の肉厚の変動を確実に抑制で
きること、及び(ii)定径圧延後の管についての管長
さの測定値を用いることによって管長さを正確に制御で
きること、という新規かつ重要な知見に基づいてなされ
たものである。
の最終目標寸法に基づいて予め設定された第1の圧延条
件にしたがってこの被圧延材の長さを増加するとともに
肉厚を低減する第1の圧延を行った後、最終目標寸法に
基づいて予め設定された第2の圧延条件にしたがって第
1の圧延を行われた被圧延材の外寸を最終目標値に接近
若しくは一致させる第2の圧延を行うことを、複数の被
圧延材について順次行って中空体を製造する際に、第2
の圧延を行われた後の被圧延材の寸法とこの被圧延材の
目標値との偏差に基づいて、予め設定された第1の圧延
条件を変更することを特徴とする中空体の製造方法であ
る。
標寸法に基づいて予め設定された延伸圧延条件にしたが
ってこの中空素管の長さを増加するとともに肉厚を低減
する延伸圧延を行った後、最終目標寸法に基づいて予め
設定された定径圧延条件にしたがって延伸圧延を行われ
た管の外径を目標値に接近若しくは一致させる定径圧延
を行うことを、複数の中空素管について順次行って製管
を行う際に、定径圧延を行われた後の管の寸法とこの管
の目標値との偏差に基づいて、予め設定された延伸圧延
条件を変更することを特徴とする製管方法である。
管端部の肉厚を公差内に維持したままで定径圧延の後に
おける管長さの精度を著しく向上することができる。こ
れらの本発明にかかる製管方法では、延伸圧延後の中空
素管の寸法に基づいて予め設定された延伸圧延条件を変
更するのであるが、例えば薄肉材からなる場合には中空
素管が潜在的に有する誤差が大きく、延伸圧延の変更後
の圧延条件が基準値と大きくかけ離れてしまうおそれが
あり、圧延スケジュールの適正さを勘案すると好ましく
ない。そこで、このような場合には、さらに、定径圧延
を行われた管の偏差に基づいて、予め設定された定径圧
延条件を変更することが、望ましい。この場合、定径圧
延条件は、定径圧延を行う圧延ロールの回転数であるこ
とが例示される。
伸圧延条件が、延伸圧延を行う圧延ロールの圧下量及び
/又は回転数であることが例示される。また、これらの
本発明にかかる製管方法では、定径圧延条件が、定径圧
延を行う圧延ロールの回転数であることが例示される。
この定径圧延条件としては、定径圧延機の圧延ロールの
回転数であり、例えば、先頭スタンド及び最終スタンド
それぞれの回転数比を変更し、中間スタンドの回転数
は、各スタンド間の張力バランスに基づいて適宜変更す
ればよい。先頭スタンド及び最終スタンドそれぞれの回
転数比が大きくなると、定径圧延機での長さ伸び量が大
きくなり、逆に、回転数比が小さくなると長さ伸び量は
小さくなる。この回転数比と長さ伸び量との関係は、延
伸圧延機の場合と同様に、実験もしくは理論式によって
容易に求められる。
ら大きくかけ離れることは、管端部の肉厚変動を招くた
めに、避けたほうが望ましい。この管端部の肉厚変動量
は、回転数比の変更量にほぼ比例することが既に知られ
ており、延伸圧延後の中空素管の肉厚寸法公差に応じ
て、変更可能範囲を基準値に対して±α%以内とするこ
とにより、管端部での肉厚公差外れを防止することがで
きる。このように定径圧延機の設定変更を一定値内に制
限した場合に定径圧延機の必要設定変更量が制限範囲を
超えると、管長さを目標長さに制御することができなく
なるが、この場合には、延伸圧延機の圧延条件をこれに
応じて適宜変更すれば、何ら問題なく定径圧延後の管の
管長さ精度を維持することができる。
方法によれば、定径圧延後の被圧延材の寸法に基づい
て、延伸圧延機の圧延条件と、必要に応じて定径圧延機
の圧延条件とを変更することによって、管端部における
肉厚変動を防止しながら管長さを目標値に制御すること
ができるが、特に極薄肉材の圧延時には、延伸圧延機の
設定値の変更可能量に限界があり定径圧延機の圧延条件
を制限範囲外まで変更する必要が生じることもある。こ
のような場合には、管端部における肉厚変動を防止する
ために、定径圧延機の設定変更量に応じて、管端部に対
する延伸圧延機の圧延ロールの圧下位置を再度変更する
こと、すなわち変更された定径圧延条件に基づいて、変
更された延伸圧延条件のうちの管端に対する延伸圧延条
件を、さらに変更することにより、極薄肉材の圧延の際
にも、管端部における肉厚変動を防止しながら管長さを
目標値に確実に制御することができる。
に基づいて予め設定された延伸圧延条件にしたがってこ
の中空素管の長さを増加するとともに肉厚を低減する延
伸圧延を行った後、最終目標寸法に基づいて予め設定さ
れた定径圧延条件にしたがって延伸圧延を行われた中空
素管の外径を最終目標値に接近若しくは一致させる定径
圧延を行うことを、複数の中空素管について順次行って
製管する際に、中空素管の厚みに応じて、定径圧延を行
われた後の管の寸法に基づいて予め設定された延伸圧延
条件を変更すること、定径圧延を行われた後の管の寸法
に基づいて予め設定された延伸圧延条件及び定径圧延条
件を変更すること、又は、定径圧延を行われた後の管の
寸法に基づいて予め設定された延伸圧延条件及び定径圧
延条件を変更した後に変更された定径圧延条件に基づい
て変更された延伸圧延条件のうちの中空素管の端部に対
する延伸圧延条件をさらに変更することのいずれかを選
択して行うことを特徴とする製管方法である。
の被圧延材の最終目標寸法に基づいて予め設定された第
1の圧延条件にしたがってこの被圧延材の長さを増加す
るとともに肉厚を低減する第1の圧延を行う第1の圧延
機と、被圧延材の最終目標寸法に基づいて予め設定され
た第2の圧延条件にしたがって第1の圧延を行われた被
圧延材の外寸を最終目標値に接近若しくは一致させる第
2の圧延を行う第2の圧延機と、第2の圧延を行われた
後の被圧延材の寸法と被圧延材の目標値との偏差に基づ
いて、予め設定された第1の圧延条件を変更すること
を、複数の被圧延材について順次行う制御装置とを組み
合わせて備えることを特徴とする中空体の製造装置であ
る。
に基づいて予め設定された延伸圧延条件にしたがって中
空素管の長さを増加するとともに肉厚を低減する延伸圧
延を行う延伸圧延機と、最終目標寸法に基づいて予め設
定された定径圧延条件にしたがって延伸圧延を行われた
中空素管の外寸を最終目標値に接近若しくは一致させる
定径圧延を行う定径圧延機と、定径圧延を行われた後の
管の寸法とこの管の目標値との偏差に基づいて、予め設
定された延伸圧延条件を変更することを、複数の中空素
管について順次行う制御装置とを組み合わせて備えるこ
とを特徴とする製管装置である。
が、さらに、定径圧延を行われた後の管の寸法とこの管
の目標値との偏差に基づいて定径圧延条件を変更するこ
とが望ましい。
明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明す
る。なお、以降の説明では、継目無管の製造に本発明を
適用した場合を例にとる。
を一部省略するとともに簡略化して示す説明図である。
同図に示すように、本実施形態の製造装置10は、第1
の圧延機11と、第2の圧延機21と、制御装置31と
を備えており、これらにより、多数本の中空素管40に
対して、順次、第1の圧延機11による第1の圧延と、
第2の圧延機21による第2の圧延とが順次連続して行
われている。以下、本実施形態の製造装置10のこれら
の構成要素について順次説明する。
1の圧延機11として、8基のスタンドがタンデムに配
置されたマンドレルミルを用いた。なお、説明の便宜
上、図1では3基のスタンドがタンデムに配置された状
態を示している。スタンドF6が上流側のスタンドであ
り、スタンドF8が出側の最終スタンドである。以降の
説明では、スタンドF6〜F8について説明し、スタン
ドF1〜F5については説明を省略する。
延機(図示しない)により穿孔された、中空の被圧延材
である中空素管40に芯金棒43を挿入した後、マンド
レルミル11により延伸圧延が行われる。
型の圧延ロール12a、12bからなるロール対、孔型
の圧延ロール13a、13bからなるロール対、孔型の
圧延ロール14a、14bからなるロール対が、それぞ
れ設けられる。
対と、圧延ロール14a、14bからなるロール対の圧
下方向は、いずれも、垂直方向であり、一方、圧延ロー
ル13a、13bからなるロール対の圧下方向は、水平
方向である。このように、各圧延ロール対は、隣接する
スタンド間で圧下方向が90度異なる方向になるよう
に、配設される。
〜F8の圧延ロール12a、12b、13a、13b、
14a,14bは、後述する圧下量制御装置15により
各圧下量が制御され、また後述する回転数制御装置16
により各回転数が制御される。
〜F8の圧延ロール12a〜14bは、中空素管40の
最終目標寸法に基づいて、この中空素管40の延伸圧延
前に、延伸圧延条件すなわち圧下量及び回転数を設定さ
れており、予め設定されたこの延伸圧延条件にしたがっ
て延伸圧延を第1の圧延として行うことにより、中空素
管40の長さを増加するとともに肉厚を低減する。
として、延伸圧延を行う圧延ロール12a〜14bの圧
下量及び回転数の双方を用いた場合を例にとったが、本
発明はこの形態に限定されるものではなく、これらのう
ちの一方を延伸圧延条件として用いる場合にも適用され
る。
は、周知慣用のものであるため、マンドレルミル11に
関するこれ以上の説明は省略する。本実施形態における
第1の圧延機11は、以上のように構成される。
2の圧延機21として、9基のスタンドF1〜F9がタ
ンデムに配置された3ロールからなるサイザを用いた。
F1が入側の最初の第1スタンドであり、以下順に、第
2スタンドF2、第3スタンドF3、第4スタンドF
4、第5スタンドF5、第6スタンドF6、第7スタン
ドF7、第8スタンドF8、さらに最終スタンドF9が
それぞれ配置されている。なお、図1では、図面を簡略
化して理解を容易にするために、第1スタンドF1〜第
6スタンドF6は図示を省略してある。このため、以降
の説明は、第7スタンドF7〜最終スタンドF9につい
て行う。
の孔型ロールを有する。すなわち、第7スタンドF7
は、孔型の圧延ロール22a、22b、22cを有し、
第8スタンドF8は、孔型の圧延ロール23a、23
b、23cを有し、さらに、最終スタンドF9は、孔型
ロール24a、24b、24cを有する。
3c、24a〜24cは、いずれも、周知慣用のロール
支持機構(図示しない)によって、各圧延ロール22a
〜22c、23a〜23c、24a〜24cの回転軸と
直交する圧下方向へ移動自在に軸支されている。また、
各圧延ロール22a〜22c、23a〜23c、24a
〜24cは、隣接する各スタンドF7〜F9毎に、ロー
ル圧下方向が120度ずつ異なるように、交互に配置さ
れる。
圧延ロール22a〜22c、23a〜23c、24a〜
24cは、後述する回転数制御装置25により各回転数
が制御される。
圧延ロール22a〜22c、23a〜23c、24a〜
24cは、中空素管40の最終目標寸法に基づいて、マ
ンドレルミル11により延伸圧延を行われた管41bの
定径圧延前に、定径圧延条件すなわちロール回転数を予
め設定されており、予め設定されたこの定径圧延条件に
したがって定径圧延を行うことにより、管41bの外径
を目標値に接近若しくは一致させる。このように、サイ
ザ21により、予め設定された定径圧延条件にしたがっ
て、延伸圧延を行われた管41bの外径を目標値に接近
若しくは一致させる定径圧延が、第2の圧延として行わ
れる。
用のものであるため、サイザ21に関するこれ以上の説
明は省略する。本実施形態における第2の圧延機11
は、以上のように構成される。
御構成を抽出して示す説明図である。本実施形態の製造
装置10は制御装置31を有する。本実施形態では、制
御装置31は、比較器32と、演算器33と、圧下量制
御装置15及び回転数制御装置16と、回転数制御装置
25とを有する。
た継目無鋼管42の管長さを測定する測定器34が設け
られる。測定器34による継目無鋼管42の管長さの測
定値l1 は、比較器32に入力される。また、比較器3
2には、製管ラインプロセスコンピュータ35から、こ
の継目無鋼管42の管長さの目標値l2 が入力される。
比較器32では、測定値l1 と目標値l2 との偏差Δl
が算出される。比較器32は、算出した偏差Δlを、演
算器33に入力する。
マンドレルミル11の必要設定変更量を算出する数学モ
デル式が組み込まれている。演算器33は、この数学モ
デル式を用いて、入力された偏差Δlに基づいて必要設
定変更量を算出し、圧下量制御装置15に変更圧下量制
御信号C6〜C8を出力し、予め設定してある圧延ロー
ル12a〜14bの圧下量の設定値を変更して、次材の
延伸圧延を行う。また、演算器33は、数学モデル式を
用いて、入力された偏差Δlに基づいて必要設定変更量
を算出し、回転数制御装置16に変更回転数制御信号R
6〜R8を出力し、予め設定してある圧延ロール12a
〜14bの回転数の設定値を変更して、次材の延伸圧延
を行う。
は、先行材の定径圧延後の管長さの目標値との偏差に基
づいて、後行材以降の設定変更を行う学習制御方式であ
る。例えば、i番目の管の定径圧延後の管長さの偏差を
△Li とし,(i+1)番目の管の延伸圧延の圧延ロー
ル12a〜14bの圧下位置変更量を△Si+1 とし、回
転数変更量を△Ni+1 とすると、 △Si+1 =f1 (△Li ) ・・・・・(1) △Ni+1 =f2 (△Si+1) ・・・・・(2) により与えられる。
ロール12a〜14bの圧下位置変更量との関係式であ
り、実験式より求めてもよく、または理論式から求めて
もよい。また、△Li は、サイザ21の出側の長さ偏差
を示しているが、目標長さで除した値を用いることによ
り、その値のままで、マンドレルミル11の設定変更量
の演算に反映させることができる。
圧延ロール12a〜14bの圧下位置を変更した際に必
要となる回転数変更量を算出するための関係式である。
なお、(2)式を用いる場合には、各スタンドF6〜F
8間の張力バランスが圧下位置変更によって変動しない
ように計算する。関数f2 も、関数f1 と同様に、実験
式でもよいし、または理論式から求めてもよい。
は、定径圧延を行われた後の継目無鋼管42の管長さに
基づいて、予め設定された延伸圧延条件、すなわちマン
ドレルミル11の圧延ロール12a〜14bの圧下量及
び回転数を変更することで、多数の中空素管40を継目
無鋼管42に製管することができる。
たように構成される。次に、本実施形態の製造装置10
を用いて、継目無鋼管42を製造する状況を経時的に説
明する。
の被圧延材である中空素管40の最終目標寸法に基づい
て予め設定された第1の圧延条件である延伸圧延条件に
したがって、中空素管40の長さを増加するとともに肉
厚を低減する第1の圧延である延伸圧延を、行う。
の最終目標寸法に基づいて予め設定された第2の圧延条
件である定径圧延条件にしたがって、延伸圧延を行われ
た管41bの外径を最終目標値に接近若しくは一致させ
る第2の圧延である定径圧延を行うことにより、継目無
鋼管42を製造する。
管42の管長さを管長さ測定器34により測定し、制御
装置31により、継目無鋼管42の管長さの目標値との
偏差Δlに基づいて、次の中空素管40の圧延の際の、
マンドレルミル11の各圧延ロール12a〜14bの圧
下量及び回転数それぞれの設定値を、前述した(1)式
及び(2)式に基づいて変更して設定し、変更して設定
した新たな延伸圧延条件で延伸圧延を行う。
繰り返し行う。この本実施形態により、管端部の肉厚を
公差範囲内に維持したままでサイザ21による定径圧延
の後における管長さの精度を著しく向上することができ
る。
態を説明する。なお、以降の説明は、前述した第1の実
施形態と相違する部分について行うこととし、共通する
部分については、同一の図中符号を付すことにより、重
複する説明を省略する。
示す説明図である。第1実施形態では、サイザ21によ
る定径圧延後の継目無鋼管42の管長さに基づいて予め
設定された延伸圧延条件を変更するものであるが、例え
ば、中空素管40が薄肉材からなる場合、中空素管40
が潜在的に有する誤差が大きく、変更後の新たな延伸圧
延条件が基準値と大きくかけ離れてしまうおそれがあ
り、圧延スケジュールの適正さを勘案すると好ましくな
いことがある。そこで、このような場合には、さらに、
サイザ21により定径圧延を行われた後の継目無鋼管4
2の管長さの目標値との偏差Δlに基づいて、予め設定
された定径圧延条件、例えば、サイザ21の圧延ロール
22a〜22c、23a〜23c、24a〜24cの回
転数を変更することが、望ましい。
c、24a〜24cの回転数を変更するには、図1にお
いて、演算器33が、圧下量制御装置15及び回転数制
御装置16に出力する制御信号R6〜8、C6〜C8の
大小に基づいて、変更後の新たな延伸圧延条件が基準値
と大きくかけ離れているか否かを判断し、大きくかけ離
れていると判断した場合には、後述する(3)式により
回転数制御装置25に制御信号を出力することにより、
圧延ロール22a〜22c、23a〜23c、24a〜
24cの回転数を変更する。
3は、数学モデルによりサイザ21を通過した継目無鋼
管42の管長さの偏差Δlに基づいて、マンドレルミル
11及びサイザ21それぞれの設定変更量を算出する。
ドF1と最終スタンドF9との回転数比Rn で代表され
るが、その設定変更量△Rn は(3) 式で計算される。 △Rni+1=f3 (△Li ) ・・・・・(3) ここで、関数f3 は、管長さの偏差Δlと、サイザ11
の圧延ロール22a〜22c、23a〜23c、24a
〜24cの回転数比設定変更量との関係式であり、実験
式から求めてもよいし、または理論式から求めてもよ
い。
変更量の配分は、まずサイザ21の設定変更を優先し、
先頭スタンドF1と最終スタンドF9との回転数比の変
更で基準値±α%以内となる制限を設ける。設定変更量
を計算した結果、基準値±α%を超えるような設定変更
が必要となる場合には、サイザ21の設定変更量を上限
もしくは下限に設定し、残りの必要補正量をマンドレル
ミル11の設定変更を行うことにより補償する。基準値
αの設定は、この製造装置10により製管の対象となる
継目無鋼管42の肉厚公差を勘案して、これら全ての継
目無鋼管42に対して公差外れが生じない範囲で設定す
る。
から大きくかけ離れることは、管端部の肉厚変動を招く
ために、避けたほうが望ましい。この管端部の肉厚変動
量は、回転数比の変更量にほぼ比例することが既に知ら
れており、定径圧延後の継目無鋼管42の肉厚寸法公差
に応じて、変更可能範囲を基準値に対して±α%以内と
することにより、管端部での肉厚公差外れを防止するこ
とができる。
は、先頭スタンドF1及び最終スタンドF9それぞれの
回転数比を変更したときの各スタンド間の張力バランス
に基づいて、適宜変更すればよい。先頭スタンドF1及
び最終スタンドF9それぞれの回転数比が大きくなる
と、サイザ21での長さ伸び量が大きくなり、逆に、回
転数比が小さくなると長さ伸び量は小さくなる。この回
転数比と長さ伸び量との関係は、マンドレルミル11の
場合と同様に、実験もしくは理論式によって容易に求め
られる。
よれば、定径圧延後の継目無鋼管42の寸法に基づい
て、マンドレルミル21の圧延条件と、サイザ21の圧
延条件とを変更することによって、管端部における肉厚
変動を防止しながら管長さを目標値に制御することがで
きる。
ある場合には、マンドレルミル11の設定値の変更可能
量に限界があり、サイザ21の圧延条件を制限範囲外ま
で変更する必要が生じることがある。このような場合に
は、管端部における肉厚変動を防止するために、サイザ
21の設定変更量に応じて、管端部に対するマンドレル
ミル11の圧延ロール12a〜14bの圧下位置を再度
変更すること、すなわち変更された定径圧延条件に基づ
いて、変更された延伸圧延条件のうちの管端に対する延
伸圧延条件を、さらに変更することにより、極薄肉材の
圧延の際にも、管端部における肉厚変動を防止しながら
管長さを目標値に確実に制御することができる。
示す説明図である。同図に示すように、本実施形態が図
3の装置と相違するのは、マンドレルミル11の圧下量
制御装置15及び回転数制御装置16とともに管端肉厚
圧下制御の設定変更器17が組み込まれた点と、演算器
33内の数学モデルによりサイザ21後の管長さ偏差に
基づいて、サイザ21の設定変更量と、管端(後端側)
に対する延伸圧延時のマンドレルミル11の各圧延ロー
ル12a〜14bの圧下制御設定変更量を算出する点で
ある。
る一般部の圧下位置及び回転数は変更しないので、サイ
ザ21の設定変更量に制限は設けない。ただし、そのま
までは管端の肉厚に変動が生じるため、変動分を相殺す
るために、管端に対するマンドレルミル11の各圧延ロ
ール12a〜14bの設定変更量を算出する。
回転数比変更量△Rni+1は、前述した(3)式により求
めることができる。回転数比変更量△Rni+1と管端部肉
厚変化量△WTi+1 との関係は、下記(4)式に示すよ
うに、ほぼ線形であることが知られている。
ンであり、管の寸法や鋼種等に依存するため、実験式を
用いたり、理論式で推測することにより、求められる。
だけ変化する際におけるマンドレルミル11における管
端部肉厚制御設定に関しては、数多くの技術が既に開示
されており、周知であるため、これ以上の説明は省略す
る。
ンドレルミルの圧延安定性を優先したい薄肉材の圧延で
は第3実施形態を、中肉材の圧延では第2実施形態を、
さらに、サイザ21の回転数比設定変更による長さ制御
が困難な厚肉材の圧延では第1実施形態を、といったよ
うに、圧延条件に応じて制御系の構成を適宜変更するこ
とにより、製管状況に応じた適切な圧延条件を設定する
ことができる。
発明の効果をさらに具体的に説明する。
レルミル11での圧下量変更が容易な中肉材からなる同
じ寸法の継目無鋼管を製造する条件下で、前述した第1
の実施の形態にかかる本発明例と従来技術(特公昭59
−16847号公報により開示された発明)とを実施
し、得られた継目無鋼管42の管長さ及び管端肉厚の精
度を比較した。目標値は、管外径300mm、管肉厚1
5mmであり、本発明例では128本製管し、従来技術
では142本製管した。
にグラフで示す。図5(a)は長さ精度の頻度を示し、
図5(b)は(管端部肉厚−中央部肉厚)の頻度を示
す。図5(a)に示すように、管長さの精度の比較で
は、本発明例と従来技術とで大差の無い結果が得られ
た。しかし、図5(b)に示すように、従来技術では、
管中央部の肉厚と管端部の肉厚との差が生じているにも
関わらず、本発明例ではサイザ21の回転数比を変更し
ないために、管中央部の肉厚と管端部の肉厚との差を低
いレベルに抑制できた。
m、管肉厚10mmの薄肉材であり、第2の実施の形態
にかかる本発明例では150本製管し、従来技術では1
88本製管したこと以外は、実施例1と同様にして、得
られた継目無鋼管42の管長さ及び管端肉厚の精度を比
較した。
制するため、サイザ21の各圧延ロール22a〜22
c、23a〜23c、24a〜24cの回転数比設定変
更制限は、通常操業時の基準値±2%とした。回転数比
の基準値は、通常操業時に管端部の肉厚変動が生じない
ように定めた。
にグラフで示す。図6(a)は長さ精度の頻度を示し、
図6(b)は(管端部肉厚−中央部肉厚)の頻度を示
す。図6(a)に示すように、定径圧延後の管長さ精度
の比較では、本発明例との従来技術とで大差の無い結果
が得られた。しかし、管端部肉厚変動に関しては、図6
(b)に示すように、従来技術よりも、回転数比変更制
限を設けた本発明例のほうが、肉厚変動を低レベルに抑
制することができた。
m、管肉厚6.0mmの、マンドレルミル11での圧下
量変更が困難な超薄肉材であり、第3の実施の形態にか
かる本発明例では173本製管し、従来技術では169
本製管したこと以外は、実施例1と同様にして、得られ
た継目無鋼管42の管長さ及び管端肉厚の精度を比較し
た。
にグラフで示す。図7(a)は長さ精度の頻度を示し、
図7(b)は(管端部肉厚−中央部肉厚)の頻度を示
す。図7(a)に示すように、定径圧延後の管長さ精度
の比較では、本発明例と従来技術とで大差の無い結果が
得られた。しかし、図7(b)に示すように、従来技術
では管中央部と管端部との肉厚差が生じているにも関わ
らず、本発明例を適用した場合には延伸圧延での管端肉
厚圧下制御量の変更を併用することにより、管端におけ
る肉厚変動を低レベルに抑制することができた。
り、定径圧延後の管長さ及び管端肉厚をいずれも目標値
に高精度で一致させることができる、例えば継目無管等
の中空体の製造方法及び製造装置を提供することができ
た。
さを得ることができるようになり、製管工程の歩留まり
を向上することができる。かかる効果を有する本発明の
意義は、極めて著しい。
するとともに簡略化して示す説明図である。
説明図である。
説明図である。
説明図である。
説明図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 中空の被圧延材の最終目標寸法に基づい
て予め設定された第1の圧延条件にしたがって該被圧延
材の長さを増加するとともに肉厚を低減する第1の圧延
を行った後、前記最終目標寸法に基づいて予め設定され
た第2の圧延条件にしたがって前記第1の圧延を行われ
た前記被圧延材の外寸を最終目標値に接近若しくは一致
させる第2の圧延を行うことを、複数の被圧延材につい
て順次行って中空体を製造する際に、前記第2の圧延を
行われた後の被圧延材の寸法と該被圧延材の目標値との
偏差に基づいて、前記予め設定された第1の圧延条件を
変更することを特徴とする中空体の製造方法。 - 【請求項2】 中空素管の最終目標寸法に基づいて予め
設定された延伸圧延条件にしたがって該中空素管の長さ
を増加するとともに肉厚を低減する延伸圧延を行った
後、前記最終目標寸法に基づいて予め設定された定径圧
延条件にしたがって前記延伸圧延を行われた管の外径を
目標値に接近若しくは一致させる定径圧延を行うこと
を、複数の中空素管について順次行って製管を行う際
に、前記定径圧延を行われた後の管の寸法と該管の目標
値との偏差に基づいて、前記予め設定された延伸圧延条
件を変更することを特徴とする製管方法。 - 【請求項3】 さらに、前記定径圧延を行われた後の管
の偏差に基づいて、前記予め設定された定径圧延条件を
変更することを特徴とする請求項2に記載された製管方
法。 - 【請求項4】 変更された前記定径圧延条件に基づい
て、変更された前記延伸圧延条件のうちの管端に対する
延伸圧延条件を、さらに変更することを特徴とする請求
項3に記載された製管方法。 - 【請求項5】 中空素管の最終目標寸法に基づいて予め
設定された延伸圧延条件にしたがって該中空素管の長さ
を増加するとともに肉厚を低減する延伸圧延を行った
後、前記最終目標寸法に基づいて予め設定された定径圧
延条件にしたがって前記延伸圧延を行われた中空素管の
外径を最終目標値に接近若しくは一致させる定径圧延を
行うことを、複数の中空素管について順次行って製管す
る際に、 前記中空素管の厚みに応じて、前記定径圧延を行われた
後の管の寸法に基づいて前記予め設定された延伸圧延条
件を変更すること、前記定径圧延を行われた後の管の寸
法に基づいて前記予め設定された延伸圧延条件及び定径
圧延条件を変更すること、又は、前記定径圧延を行われ
た後の管の寸法に基づいて前記予め設定された延伸圧延
条件及び定径圧延条件を変更した後に変更された該定径
圧延条件に基づいて変更された延伸圧延条件のうちの中
空素管の端部に対する延伸圧延条件をさらに変更するこ
とのいずれかを選択して行うこと を特徴とする製管方法。 - 【請求項6】 前記延伸圧延条件は、前記延伸圧延を行
う圧延ロールの圧下量及び/又は回転数であることを特
徴とする請求項2から請求項5までのいずれか1項に記
載された製管方法。 - 【請求項7】 前記定径圧延条件は、前記定径圧延を行
う圧延ロールの回転数であることを特徴とする請求項2
から請求項6までのいずれか1項に記載された製管方
法。 - 【請求項8】 中空の被圧延材の最終目標寸法に基づい
て予め設定された第1の圧延条件にしたがって該被圧延
材の長さを増加するとともに肉厚を低減する第1の圧延
を行う第1の圧延機と、 前記最終目標寸法に基づいて予め設定された第2の圧延
条件にしたがって前記第1の圧延を行われた前記被圧延
材の外寸を最終目標値に接近若しくは一致させる第2の
圧延を行う第2の圧延機と、 前記第2の圧延を行われた後の被圧延材の寸法と該被圧
延材の目標値との偏差に基づいて、前記予め設定された
第1の圧延条件を変更することを、複数の被圧延材につ
いて順次行う制御装置と を組み合わせて備えることを特徴とする中空体の製造装
置。 - 【請求項9】 中空素管の最終目標寸法に基づいて予め
設定された延伸圧延条件にしたがって該中空素管の長さ
を増加するとともに肉厚を低減する延伸圧延を行う延伸
圧延機と、 前記最終目標寸法に基づいて予め設定された定径圧延条
件にしたがって前記延伸圧延を行 われた前記中空素管の
外寸を最終目標値に接近若しくは一致させる定径圧延を
行う定径圧延機と、前記定径圧延を行われた後の管の寸法と該管の目標値と
の偏差に基づいて、前記予め設定された延伸圧延条件を
変更することを、複数の中空素管について順次行う制御
装置と を組み合わせて備えることを特徴とする製管装置。 - 【請求項10】 前記制御装置は、さらに、前記偏差に
基づいて前記定径圧延条件を変更する請求項9に記載さ
れた製管装置。
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JP2000191118A JP3473553B2 (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | 中空体の製造方法、製造装置、製管装置及び製管方法 |
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