JPH0871616A - 継目無管の圧延装置および圧延制御方法 - Google Patents

継目無管の圧延装置および圧延制御方法

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JPH0871616A
JPH0871616A JP6234223A JP23422394A JPH0871616A JP H0871616 A JPH0871616 A JP H0871616A JP 6234223 A JP6234223 A JP 6234223A JP 23422394 A JP23422394 A JP 23422394A JP H0871616 A JPH0871616 A JP H0871616A
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JP
Japan
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stand
mandrel
rolling
mill
stands
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JP6234223A
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Masayuki Yamada
将之 山田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 最終スタンドの孔型ロールの設定ギャップの
精度向上を実現する。 【構成】 最終のスタンド5を除く各スタンド3を一対
の孔型ロール2からなるスタンドで構成し、隣接するス
タンド3は圧下方向を交互に90°交差させて連続配置
し、最終のスタンド5には直前スタンド3に対して圧下
方向を45°傾斜させた4つの孔型ロール4からなるス
タンドを配置したマンドレルミル1と、該マンドレルミ
ル1の後に直列配置されたマンドレルバー8から管10
を引き抜くためのエキストラクター6を配置したリトラ
クト方式のマンドレルミルにおいて、マンドレルミル1
とエキストラクター6の間に熱間肉厚測定装置11を配
置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サイザーまたはエキ
ストラクターをマンドレルミルと直列に配列したリトラ
クトマンドレルミルにおいて、管周方向の偏肉を減少で
きる継目無鋼管の圧延制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マンネスマン−マンドレル方式による継
目無管の製造は、図6に示すとおり、素材の丸ビレット
61を回転炉床式加熱炉62で1200〜1260℃に
加熱したのち、穿孔機63でプラグとロールにより穿孔
圧延して中空素管64とする。この段階での中空素管6
4は、外径が数サイズで、肉厚も製品に比較して非常に
厚肉である。次に中空素管64の内面にマンドレルバー
65を串状に挿入し、5〜8スタンドからなるマンドレ
ルミル66で外面を孔型ロールで拘束して延伸圧延し、
所定の肉厚まで減肉する。その後、マンドレルバー65
を抽出したのち、母管67を最終のサイザーまたはスト
レッチレデューサー等の絞り圧延機68で所定外径に成
形圧延して製品69が得られる。
【0003】上記マンドレルミルは、マンドレルバーの
引抜き操作方法によってフルフロート方式、セミフロー
ト方式およびリトラクト方式の3種類に大別される。フ
ルフロート方式は、マンドレルバーの速度を全く拘束せ
ず、マンドレルバーと母管は一体となって後面へ搬送さ
れ、横送り後にマンドレルバーが引抜かれる。セミフロ
ート方式は、圧延終了直前までマンドレルバーの速度を
強制的に制御し、以降はフルフロート方式と同様にマン
ドレルバーと母管は一体となって後面へ搬送され、横送
り後にストリッパによってマンドレルバーが引抜かれ
る。リトラクト方式は、圧延中マンドレルバーの速度を
強制的に制御し、母管はマンドレルミルの後に配置され
たサイザーまたはエキストラクター(以下単にサイザー
という)によりグリップされ、一方マンドレルバーは元
の位置に引戻されることにより、母管とマンドレルバー
を分離する。
【0004】上記マンドレルミルにおけるマンドレルバ
ーの抽出方法には、現在2種類の方法がある。その一つ
は、マンドレルバーを挿入した状態で母管をマンドレル
ミル出口まで搬送したのち、マンドレルバーの挿入され
た母管を横送りし、ストリッパ(100〜400Ton
の引抜き力を有するチェーン付き抽出機)によりマンド
レルバー後端に設けたネックをストリッパーのダイに引
っ掛けて引き抜く方法である。この方法は、外径17
7.8mm以下の製品を製造するラインで採用されてお
り、圧延のサイクルタイムが13〜25secと速く生
産性の高いミルで採用されている。また、この方法は、
母管を延伸圧延終了からストリッパーまで横送りする工
程が必要で、この間10〜30secの時間を要するた
め、母管の温度低下によるマンドレルバーへの焼ばめが
発生する。この母管の温度低下によるマンドレルバーへ
の焼バメを防止するには、マンドレルミル最終スタンド
に真円カリバーの外径サイジングロールを配置し、マン
ドレルバーと母管とのクリアランスを適当に取る方法を
採用するのが一般的である。
【0005】一方、二つ目は、リトラクトマンドレルミ
ルの後方に適当な距離を離してサイザーを配置し、管が
圧延中にサイザーによる外径圧下を加えながら管をグリ
ップしてパスライン出口に送り出し、母管の圧延終了後
にマンドレルバーの後方を保持しているリテーナーによ
ってマンドレルバーを入口側に引戻すことにより母管を
マンドレルバーから抽出する方法である。この場合は、
マンドレルミルで圧延中にサイザーによる外径圧下が開
始されるため、一つ目の方法のように母管の冷却による
焼バメが発生せず、リトラクトマンドレルミルの最終ス
タンドにはサイジングロールを使用しない。
【0006】上記リトラクト方式のマンドレルミルで
は、孔型ロールとマンドレルバーとの間隙により管を所
定の肉厚に仕上げる。その際に肉厚のばらつきを可及的
に少なくするには、孔型ロールの孔型径と使用するマン
ドレルバー外径により幾何学的に決定される間隔によっ
て肉厚が決まるため、孔型ロールの孔型径とマンドレル
バー外径とが一義的に決定される。したがって、継目無
管の仕上げ肉厚が異なる場合には、それに応じて別のマ
ンドレルバーに交換するなど、その都度径の異なるマン
ドレルバーを使用しなければならない。それは、孔型ロ
ールを交換するよりも、マンドレルバーを交換する方が
簡単であるためである。
【0007】また、マンドレルミルのロールギャップを
変更した場合には、円周方向に偏肉が発生する。それ
は、孔型ロールの孔型径と使用するマンドレルバー外径
により幾何学的に決定される間隔によって肉厚が決まる
ため、ある一定のロールギャップ以外では一対の孔型ロ
ールで形成される孔型径(形状)が変化し、これに伴っ
て前記間隔も円周方向で変化するからである。これを真
円孔型の孔型ロールの仕上げスタンドを例にとって模式
的に示したのが図7である。図7(a)は、一対の孔型
ロール71とマンドレルバー72とから形成される間隔
が円周方向で均一、つまり円周方向で肉厚が均一となる
場合、図7(b)は、ロールギャップを締めた場合に円
周方向で肉厚が不均一となる場合をそれぞれ示す。図7
(b)の場合には、孔型ロール71の溝底部に相当する
部分で孔型ロール71とマンドレルバー72の間隙が一
番小さくなり、孔型ロール71のフランジ側に進むにつ
れて、孔型ロール71とマンドレルバー72の間隙は広
くなる。したがって、圧延された管は、孔型ロール71
の溝底部で最小になり、フランジ部に向かって厚肉にな
る。
【0008】マンドレルミルの仕上げスタンドは、通常
2スタンドからなり、同じ曲率の孔型ロールを使い、ロ
ールギャップも同じに設定するのが一般的である。マン
ドレルミルの隣接するスタンドは、圧下方向が交互に9
0°交差しているため、仕上げ2スタンド後の管の肉厚
は、仕上げ2スタンドの孔型ロール溝底部に相当する部
分が最小肉厚で、そこから45°ずれた位置が最大肉厚
となる肉厚分布となる。そのため、マンドレルミルで周
方向の偏肉を防止するには、仕上げ肉厚のピッチに応じ
た外径を有する多数の寸法のマンドレルバーを保有して
おく必要があり、数多くのマンドレルバーが必要とな
り、製造コストが高くなる。
【0009】上記マンドレルミルにおける周方向の偏肉
対策としては、最終仕上げスタンドを除く圧延スタンド
が、圧下方向を交互に90°交差させた対向2ロールス
タンドからなり、最終仕上げスタンドは全ロールが駆動
または無駆動で圧下方向を直前段の圧延スタンドの圧下
方向に対して45°傾斜させた4ロールスタンドからな
るマンドレルミル(特開昭62−28011号公報)、
同一径のマンドレルバーを使用し、素管を、圧下方向を
交互に90°交差させて連続配置された2スタンド以上
の2ロールミルで圧延し、次いで前記2ロールミルの圧
下方向に対し45°傾斜した4方向からロールミルで圧
延して管形状を整形し、かつ各ロールミルのロール圧下
量を変えることにより、鋼管の仕上がり肉厚を変更する
方法(特開平6−87008号公報)等が提案されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−28
011号公報、特開平6−87008号公報に開示の方
法は、4個のロールからなる最終スタンドにて前段2ロ
ールスタンドで発生する溝底から45°方向の最大肉厚
部分を減肉させることによって、肉厚を均一化させるも
のである。ところが、実際には、このような4個のロー
ルからなる圧延において問題となるのが、孔型ロールの
ギャップの設定精度である。前段2ロールスタンドの孔
型ロール溝底から45°方向に発生する肉厚偏差は、
0.3〜2.0mmであり、孔型ロールの設定ギャップ
の精度としては±0.1mmが必要となる。しかし、こ
のような設定ギャップの精度は、従来のマンドレルミル
では到底得られない精度である。したがって、上記特開
昭62−28011号公報、特開平6−87008号公
報に開示の方法を実施するには、圧延中の孔型ロールの
設定ギャップを目標の精度以下にするための方法が必要
となってくる。また、4個のロールからなるスタンドの
設定ギャップは、前段の仕上げスタンドでの肉厚分布に
よって異なるものであり、仕上げスタンドの孔型ロール
のギャップのバラツキの影響を大きく受ける。したがっ
て、仕上げスタンドの孔型ロールのギャップの設定は、
従来よりも高精度にする必要がある。
【0011】この発明の目的は、リトラクトマンドレル
ミルにおける一対の孔型ロールの仕上げ2スタンドと4
個の孔型ロールからなる最終スタンドの孔型ロールの設
定ギャップの精度向上を実現できる継目無管の圧延装置
および圧延制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を行った。その結果、マンド
レルミルにおいて圧延中のロールギャップを精度良く測
定することは、約1000℃の熱間の材料がすぐ近傍を
通り、ロール冷却水などが飛び交う環境下で不可能であ
ること、管の熱間圧延において圧延直後の管の肉厚を測
定する方法としてγ線による測定方法が知られているこ
と、γ線による管の肉厚測定結果に基づいてロールのギ
ャップ設定値を推測することによって、最終スタンドの
孔型ロールの設定ギャップの精度向上を実現できること
を究明し、この発明に到達した。
【0013】すなわち本願の第1発明は、最終のスタン
ドを除く各スタンドを一対の孔型ロールからなるスタン
ドで構成し、隣接するスタンドは圧下方向を交互に90
°交差させて連続配置し、最終のスタンドには直前スタ
ンドに対して圧下方向を45°傾斜させた4つの孔型ロ
ールからなるスタンドを配置したマンドレルミルと、該
マンドレルミルの後に直列配置されたマンドレルバーか
ら管を引き抜くためのエキストラクターを配置したリト
ラクト方式のマンドレルミルにおいて、マンドレルミル
とエキストラクターの間に熱間肉厚測定装置を配置した
ことを特徴とする継目無管の圧延装置である。
【0014】また、本願の第2発明は、最終のスタンド
を除く各スタンドを一対の孔型ロールからなるスタンド
で構成し、隣接するスタンドは圧下方向を交互に90°
交差させて連続配置し、最終のスタンドには直前スタン
ドに対して圧下方向を45°傾斜させた4つの孔型ロー
ルからなるスタンドを配置したマンドレルミルと、該マ
ンドレルミルの後に直列配置されたマンドレルバーから
管を引き抜くためのエキストラクターを配置したリトラ
クト方式のマンドレルミルにおいて、マンドレルミルと
エキストラクターの間に熱間肉厚測定装置を最終3スタ
ンドの圧下方向に配置し、該熱間肉厚測定装置で測定さ
れた最終3スタンドの圧下方向の肉厚測定結果に基づ
き、マンドレルミルの最終3スタンドのロールギャップ
を調整するギャップ制御部を設けたことを特徴とする継
目無管の圧延装置である。
【0015】さらに、本願の第3発明は、最終のスタン
ドを除く各スタンドを一対の孔型ロールからなるスタン
ドで構成し、隣接するスタンドは圧下方向を交互に90
°交差させて連続配置し、最終のスタンドには直前2ス
タンドの圧下方向と圧下方向を45°傾斜させた4つの
孔型ロールからなるスタンドを配置したマンドレルミル
と、該マンドレルミルの後に直列配置されたマンドレル
バーから管を引き抜くためのエキストラクターを配置し
たリトラクト方式のマンドレルミルにおいて、マンドレ
ルミルとエキストラクターの間に設置した熱間肉厚測定
装置で測定した最終3スタンドの圧下方向の肉厚測定結
果に基づき、マンドレルミルの最終3スタンドのロール
ギャップを調整することを特徴とする継目無管の圧延制
御方法である。
【0016】
【作用】本願の第1発明においては、マンドレルミルと
エキストラクターの間に熱間肉厚測定装置を配置したこ
とによって、マンドレルミルで圧延後の母管の肉厚測定
を行うことができ、その母管の肉厚測定結果に基づいて
ロールのギャップ設定値を推測することができ、その推
測結果に基づいてマンドレルミルの一対の孔型ロールの
仕上げ2スタンドと4個の孔型ロールからなる最終スタ
ンドのロールギャップを制御することが可能となり、ロ
ールの溝底方向の肉厚分布は均一化されて母管の周方向
における偏肉を抑制することができ、マンドレルバーの
使用本数を大幅に削減することができる。
【0017】また、本願の第2発明においては、マンド
レルミルとエキストラクターの間に熱間肉厚測定装置を
最終3スタンドの圧下方向に配置し、該熱間肉厚測定装
置で測定された最終3スタンドの圧下方向の肉厚測定結
果に基づき、マンドレルミルの最終3スタンドのロール
ギャップを調整するギャップ制御部を設けたことによっ
て、熱間肉厚測定装置によって測定されたマンドレルミ
ルで圧延後の母管の最終3スタンドの圧下方向の肉厚測
定結果に基づき、ギャップ制御部が最終3スタンドのロ
ールギャップを調整するから、ロールの溝底方向の肉厚
分布は均一化されて母管の周方向における偏肉を抑制す
ることができ、マンドレルバーの使用本数を大幅に削減
することができる。
【0018】さらに、本願の第3発明においては、マン
ドレルミルとエキストラクターの間に設置した熱間肉厚
測定装置で測定した最終3スタンドの圧下方向の肉厚測
定結果に基づき、マンドレルミルの最終3スタンドのロ
ールギャップを調整することによって、ロールの溝底方
向の肉厚分布は均一化されて母管の周方向における偏肉
を抑制することができ、マンドレルバーの使用本数を大
幅に削減することができる。
【0019】この発明における熱間肉厚測定装置として
は、熱間圧延において圧延直後の管肉厚を測定できれば
よく、特に限定されないが、熱間の管圧延において実績
のあるγ線による方法が推奨される。γ線による熱間肉
厚測定は、図3に示すとおり、母管の両側にγ線発光器
31とγ線受光器32を配置し、円周方向の透過した部
分T1とT2の2か所の肉厚の和(T1+T2)を求める。
このような熱間肉厚測定装置を、円周の4つの方向に設
置して測定する。その方向は、図4に示すとおり、一対
孔型ロールからなる2つの仕上げスタンドの溝底方向
(2方向)a、bと、4個の孔型ロールからなる最終ス
タンドの溝底方向(2方向)c、dの4つの方向であ
る。なお、この発明における4個の孔型ロールからなる
最終スタンドとは、4個の孔型ロールからなる1スタン
ドまたは2個の孔型ロールからなる2スタンドを90°
圧下方向を替えて配置した場合でも同様の結果が得られ
るので、これら双方を含むものである。所定のギャップ
にした場合の溝底部の肉厚をTmとすると、それに対応
した方向の肉厚の測定結果をS1(透過した部分の2か
所の和)とすると、{(2×Tm)−S1}が設定ギャ
ップと実際の圧延ギャップとの差になるので、この差が
零となるようにギャップ調整を行う。これを一対の孔型
ロールからなる仕上げの2スタンドと4個の孔型ロール
からなる最終スタンドに対して行う。このギャップ調整
によってそれぞれのロールの溝底方向の肉厚分布は、均
一となる。このようなロールギャップ制御を圧延中の一
本の間で実施するとともに、次の圧延材のプリセットに
も適用する。
【0020】
【実施例】
実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1ないし図
2に基づいて説明する。図1はこの発明の圧延装置列の
例を示す全体説明図、図2はこの発明の継目無管の圧延
制御方法の系統図である。図1ないし図2において、1
はマンドレルミルで、一対の孔型ロール2からなる複数
のロールスタンド3と、ロールスタンド3の直後の4個
の孔型ロール4からなるロールスタンド5とを配置して
なる。6はマンドレルミル1の後に直列配置したエキス
トラクター、7は素管で、マンドレルバー8を串状に挿
入したのち、マンドレルバー8の後端を保持装置9によ
って一定速度に保持してマンドレルミル1で延伸圧延さ
れ、マンドレルミル1での圧延完了後マンドレルバー8
を停止し、母管10はエキストラクター6によりマンド
レルバー8から引き抜かれるよう構成されている。
【0021】11はマンドレルミル1とエキストラクタ
ー6との間に配置した熱間肉厚測定装置で、前記図3、
4に示すとおり、母管10の円周4方向、すなわち最終
前段仕上げスタンド3nの一対の孔型ロール2の溝底方
向a、最終前々段仕上げスタンド3n−1の一対の孔型
ロール2の溝底方向bおよび最終スタンド5の4個の孔
型ロール4の溝底方向c、d方向にそれぞれγ線発光器
31とγ線受光器32とを設置してなる。12は肉厚制
御装置で、熱間肉厚測定装置11から入力される母管1
0の円周4方向、すなわち最終前段仕上げスタンド3n
の一対の孔型ロール2の溝底方向a、最終前々段仕上げ
スタンド3n−1の一対の孔型ロール2の溝底方向bお
よび最終スタンド5の4個の孔型ロール4の溝底方向
c、d方向の肉厚測定結果に基づいて、a〜d方向の各
肉厚測定結果S1(T1+T2)と所定ギャップの溝底部
の肉厚Tmとを比較演算{(2×Tm)−S1}し、そ
の差が零となるよう最終前段仕上げスタンド3nの圧下
装置13、最終前々段仕上げスタンド3n−1の圧下装
置14および最終スタンド5の圧下装置15、16に指
令し、ロールギャップを調整するよう構成されている。
【0022】上記のとおり構成したことによって、マン
ドレルミル1で延伸圧延された母管10の周方向の肉厚
分布に偏肉が発生すると、母管10の円周4方向に設置
したγ線発光器31とγ線受光器32からなる熱間肉厚
測定装置11によって測定され、肉厚制御装置12に出
力される。肉厚制御装置12は、熱間肉厚測定装置11
から入力されると所定ギャップ時の溝底部の肉厚Tmと
を比較演算{(2×Tm)−S1}し、その差が零とな
るよう最終前段仕上げスタンド3nの圧下装置13、最
終前々段仕上げスタンド3n−1の圧下装置14および
最終ロールスタンド5の圧下装置15、16に指令し、
ロールギャップを調整するから、最終前段仕上げスタン
ド3n、最終前々段仕上げスタンド3n−1および最終
スタンド5のロールの溝底方向の肉厚分布は均一化さ
れ、母管10の周方向における偏肉を抑制することがで
き、マンドレルバー8の使用本数を大幅に削減すること
ができる。
【0023】実施例2 モデルミルを用い、外径90.0mm、肉厚15.0m
mの素管をマンドレルミルで外径70.0mm、肉厚1
0.0mmに延伸圧延したのち、エキストラクターによ
り外径60mm、肉厚10.8mmに圧延する場合にお
いて、マンドレルミルで延伸圧延したのち母管の肉厚
を、マンドレルミルの最終前段仕上げスタンドの孔型ロ
ールの溝底方向、最終前々段仕上げスタンドの孔型ロー
ルの溝底方向および最終スタンド3の4個の孔型ロール
の溝底方向で測定し、その肉厚測定結果に基づいて、各
方向の各肉厚測定結果S1(T1+T2)と所定のロール
ギャップ時の各溝底部の肉厚Tmとを比較演算{(2×
Tm)−S1}し、その差が零となるよう最終前段仕上
げスタンド、最終前々段仕上げスタンドおよび最終スタ
ンドのロールギャップを調整した本発明法と、ロールギ
ャップを調整しない従来法のそれぞれについて、肉厚分
布を比較した。その結果を図5に示す。
【0024】マンドレルミルとエキストラクターの間で
母管の4方向、すなわち、図4に示すとおり、マンドレ
ルミルの最終前段仕上げスタンドの孔型ロールの溝底方
向a、最終前々段仕上げスタンドの孔型ロールの溝底方
向bおよび最終スタンドの4個の孔型ロールの溝底方向
c、d方向で肉厚を測定し、ロールギャップを制御した
本発明法の場合は、図5(b)に示すとおり、円周方向
の肉厚分布が改善され、目標肉厚10.8mmに対して
±0.15mmと均一な肉厚分布となっている。これに
対しロールギャップを調整しない従来法の場合は、図5
(a)に示すとおり、目標肉厚10.8mmに対して+
0.65mm、−0.33mmと円周方向の肉厚分布の
バラツキが大きい。
【0025】さらに、本発明の効果を確認するため、肉
厚測定を行わず、ロールギャップを調整しない従来法の
場合、マンドレルミルとエキストラクターの間で母管の
2方向、すなわち図4に示すマンドレルミルの最終前段
仕上げスタンドの孔型ロールの溝底方向a、最終前々段
仕上げスタンドの孔型ロールの溝底方向bで肉厚を測定
し、ロールギャップを制御した本発明法の場合、最終ス
タンドの4個の孔型ロールの溝底方向c、d方向で肉厚
を測定し、ロールギャップを制御した本発明法の場合お
よび母管の2方向、すなわちマンドレルミルの最終前段
仕上げスタンドの孔型ロールの溝底方向a、最終前々段
仕上げスタンドの孔型ロールの溝底方向bおよび最終ス
タンドの4個の孔型ロールの溝底方向c、d方向で肉厚
を測定し、ロールギャップを制御した本発明法の場合の
それぞれについて、肉厚分布を測定し、偏肉率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示すとおり、2方向で肉厚測定を行
ってロールギャップを調整した本発明例の実験No.2
〜3は、肉厚測定を行わない実験No.1の従来法に比
較し、偏肉率は2%前後改善されている。さらに、4方
向で肉厚測定を行ってロールギャップを調整した本発明
例の実験No.4は、さらに大幅に偏肉率は改善されて
いる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明によれば、
マンドレルミルとエキストラクターとの間に肉厚計を設
置し、その測定結果に基づき、マンドレルミルの最終3
スタンドのロールギャップを調整することにより、円周
方向の肉厚分布の均一なものが得られ、マンドレルバー
の使用本数を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の圧延装置列の例を示す全体説明図で
ある。
【図2】この発明の継目無管の圧延制御方法の系統図で
ある。
【図3】γ線による熱間肉厚測定の原理を示す説明図で
ある。
【図4】γ線による熱間肉厚測定の方向を示す説明図で
ある。
【図5】実施例2における従来法と本発明法の円周方向
位置と肉厚との関係を示すグラフである。
【図6】マンネスマン−マンドレル方式による継目無管
の製造工程の説明図である。
【図7】真円孔型ロールでのロールギャップと孔型形状
を示すもので、(a)図は孔型ロールとマンドレルバー
との間隔が円周方向で均一の場合、(b)図はロールギ
ャップを締めた場合を示す。
【符号の説明】
1、66 マンドレルミル 2、4 孔型ロール 3、5 ロールスタンド 6 エキストラクター 7、64 中空素管 8、65、72 マンドレルバー 9 保持装置 10、67 母管 11 熱間肉厚測定装置 12 肉厚制御装置 13、14、15、16 圧下装置 31 γ線発光器 32 γ線受光器 61 丸ビレット 62 回転炉床式加熱炉 63 穿孔機 68 絞り圧延機 71 孔型ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21C 45/00 51/00 K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終のスタンドを除く各スタンドを一対
    の孔型ロールからなるスタンドで構成し、隣接するスタ
    ンドは圧下方向を交互に90°交差させて連続配置し、
    最終のスタンドには直前スタンドに対して圧下方向を4
    5°傾斜させた4つの孔型ロールからなるスタンドを配
    置したマンドレルミルと、該マンドレルミルの後に直列
    配置されたマンドレルバーから管を引き抜くためのエキ
    ストラクターを配置したリトラクト方式のマンドレルミ
    ルにおいて、マンドレルミルとエキストラクターの間に
    熱間肉厚測定装置を配置したことを特徴とする継目無管
    の圧延装置。
  2. 【請求項2】 最終のスタンドを除く各スタンドを一対
    の孔型ロールからなるスタンドで構成し、隣接するスタ
    ンドは圧下方向を交互に90°交差させて連続配置し、
    最終のスタンドには直前スタンドに対して圧下方向を4
    5°傾斜させた4つの孔型ロールからなるスタンドを配
    置したマンドレルミルと、該マンドレルミルの後に直列
    配置されたマンドレルバーから管を引き抜くためのエキ
    ストラクターを配置したリトラクト方式のマンドレルミ
    ルにおいて、マンドレルミルとエキストラクターの間に
    熱間肉厚測定装置を最終3スタンドの圧下方向に配置
    し、該熱間肉厚測定装置で測定された最終3スタンドの
    圧下方向の肉厚測定結果に基づき、マンドレルミルの最
    終3スタンドのロールギャップを調整するギャップ制御
    部を設けたことを特徴とする継目無管の圧延装置。
  3. 【請求項3】 最終のスタンドを除く各スタンドを一対
    の孔型ロールからなるスタンドで構成し、隣接するスタ
    ンドは圧下方向を交互に90°交差させて連続配置し、
    最終のスタンドには直前2スタンドの圧下方向と圧下方
    向を45°傾斜させた4つの孔型ロールからなるスタン
    ドを配置したマンドレルミルと、該マンドレルミルの後
    に直列配置されたマンドレルバーから管を引き抜くため
    のエキストラクターを配置したリトラクト方式のマンド
    レルミルにおいて、マンドレルミルとエキストラクター
    の間に設置した熱間肉厚測定装置で測定した最終3スタ
    ンドの圧下方向の肉厚測定結果に基づき、マンドレルミ
    ルの最終3スタンドのロールギャップを調整することを
    特徴とする継目無管の圧延制御方法。
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