JP4474744B2 - 金属管の絞り圧延方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属管の絞り圧延方法に係り、とくに、4ロール式タンデム圧延機による絞り圧延で生じる内面角張りを確実に軽減でき、かつ外面疵発生を防止できる金属管の絞り圧延方法に関する。
なお、本発明では、4ロール式圧延スタンドのロール位相を、つぎのように定義する。圧延パスラインを中心軸とし、この中心軸を下端とする半鉛直面を基準面とし、この基準面に重なり基準面から中心軸の回りに圧延機入側から見て右向きに角度90°まで(90°は含まない)回転する面を動径面としてその各位置における基準面とのなす角度を動径面の位相とする極座標系において、各スタンドについてどれかのロールの胴央断面が一致する動径面の位相を当該スタンドのロール位相と定義する。
【0002】
【従来の技術】
寸法の金属管を製品外径にまで仕上げる絞り圧延には、一般に、nロール式タンデム圧延機が用いられる。この圧延機は、圧延パスラインまわりの円周方向にn本のカリバロールを配置してなるスタンドを複数スタンド配列して構成され、スタンド間張力を付与しながら内面工具なしで、中空管の外径、肉厚を所定の寸法に仕上げるものである。この種の圧延機では、製品の外径、肉厚により、使用するスタンド数、スタンド間張力を調整して、同一外径の素管から高能率に各種製品寸法にまで仕上げることができる。
【0003】
nロール式タンデム圧延機では、絞り加工を円周方向に均等に付与するために、従来、スタンド間のロール位相差を180 °/nに設定している。例えば最も多用される3ロール式タンデム圧延機では、図3に示すようにロール位相差が60°に設定される。このため、とくにt/D(t;肉厚、D;外径)が大きく縮径率が大きい場合、内面角張り又は内面N角張り(N=2n)が顕在化して円周方向の肉厚不均一が大きくなり、製品内面形状が悪くなるという問題がある。n=3の場合の内面六角張りの例を図4(a)に示す。なお、図4(b)にはn=4の場合の内面八角張りの例を示す。
【0004】
こうした内面角張りの軽減対策としては、
▲1▼縮径率を小さくする、
▲2▼スタンド間張力を増す、
▲3▼ロールカリバ形状を真円化する、
などが知られている。しかし、縮径率を小さくすると、圧延能率が悪くなり、またスタンド間張力を増すと、製品の先後端増肉部の長さが長くなって歩留りが低下するという問題がある。また、ロールカリバ形状を真円化すると、ロールエッジ部での材料の噛出しが大きくなって製品に外面疵を発生させやすいという問題がある。
【0005】
一方、特開昭61-216811 号公報には、スタンド間ロール位相差を180 °/nおよび90°/n(n=2、3)として絞り圧延する方法が開示されている。これは、内面角張りの角数を従来の2倍に(2ロールでは4角から8角に、3ロールでは6角から12角に)し、内面をより真円形状に近づけて円周方向の肉厚偏差を緩和しようとするものである。
【0006】
また、特開平8-300012号公報には、各ロールスタンドの圧延パスラインまわりの円周方向に3個のロールを120 度間隔で配置する3ロール絞り圧延において、ロールスタンドのロールを圧延パスラインに直交する面内で9°〜15°の倍数の角度変位(ロール位相)を持たせて配置して圧延する方法が開示されている。この方法により、内面24角張りを作って内面をより真円形状に近づけることができるとしている。
【0007】
また、特開平8-300012号公報には、9°〜15°の倍数の角度変位(ロール位相)を持たせて配置された各ロールスタンドを任意の数のペアに分け、ペア内の角度変位は60°とし、隣接ペア同士の角度変位は30°以上とする方法も開示され、この方法により、管の加工量が大きい場合のねじれによる内面形状の乱れを抑制できるとしている。また、特開平8-300012号公報には、ペア内の角度変位は60°とし、隣接ペア同士の角度変位は30°以上としたサイクルを2サイクル以上繰り返す方法が記載され、これにより、圧延加工量の大きいロールスタンド全域において管のねじれを緩和できるとしている。
【0008】
また、特開2000-94007号公報には、3ロールタンデム圧延機による絞り圧延に際し、第1〜第8スタンドに対し各スタンドのロール位相を互いに異なり、且つ各スタンド間のロール位相を第1種を60°、第2種を30°、45°、75°、90°のいずれかとし、先頭のスタンド間から順次第1種と第2種とが交互に繰り返される金属管の絞り圧延方法が開示されている。
【0009】
また、特開2000-94008号公報には、3ロールタンデム圧延機による絞り圧延に際し、第1スタンドからの合計縮径率が所定値以上に到達するスタンドまでのスタンドに対し、各スタンドのロール位相を互いに異なり、且つ各スタンド間のロール位相を第1種を60°、第2種を30°、45°、75°、90°のいずれかとし、先頭のスタンド間から順次第1種と第2種とが交互に繰り返し、さらに各スタンドのロール楕円率を縮径率と関係する式の値以下に調整して、絞り圧延する金属管の絞り圧延方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術は、いずれも2ロール式あるいは3ロール式タンデム圧延機を用いた金属管の絞り圧延方法であり、本発明者らの詳細な検討によれば、これらの絞り圧延方法で製造された製品管は、素管の寸法精度や表面品質に厳しい要求がある加工方法を経る部品の製造には適用しにくいことが判明した。このような加工方法としては、例えば、ハイドロフォーミング、スエージング等がある。
【0011】
2ロール式あるいは3ロール式絞り圧延機で縮径圧延する場合、被圧延材(金属管)はロールのフランジ部から接触しはじめ縮径されるため、ロールフランジ間で噛出しが発生しやすく、倒れ込み、段きずなど表面品質が低下する場合が多い。とくに、高生産性を目的として縮径率を6%/パス以上とする絞り圧延の場合に顕著となる。
【0012】
また、2ロール式あるいは3ロール式絞り圧延機では、使用するロールのロールカリバーが深いため、角張り分散の目的で隣接するスタンド間のロール位相差を小さくすると、前スタンドでロールのフランジ部近くで圧延された部位が、次スタンドでもまたロールのフランジ部方向に簡単に回転して圧延される場合が多い。このため、角張りを分散させにくく、寸法精度が向上しにくいという問題があった。また、このようなロールでは、カリバーが深いことにより、ロール周速差に起因する焼付き、エッジマーク等の発生が助長されるという問題もある。さらに、このようなロールカリバーが深いことにより、偏肉の発生が助長されることにもなる。
【0013】
本発明者らは、詳細な検討から、これらの問題が、2ロール式あるいは3ロール式タンデム圧延機を用いる金属管の縮径圧延における本質的な問題であるという認識を得るに至った。そして、例えば、ハイドロフォーミング加工に適した厳しい寸法精度や表面品質を有する金属管を、2ロール式あるいは3ロール式タンデム圧延機を用いて製造することは問題点が多すぎ、極めて難しいという結論に達した。
【0014】
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、内面角張りを確実に軽微化し、厳しい寸法精度を満足し、しかも優れた表面品質を有する金属管の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、まず2ロール式あるいは3ロール式絞り圧延機に代えて、4ロール式絞り圧延機を用いることを思い至った。そこで、2ロール式あるいは3ロール式絞り圧延機と4ロール式絞り圧延機との比較を行い、4ロール式絞り圧延機の利点について検討した。
【0016】
4ロール式絞り圧延機による縮径圧延では、被圧延材(金属管)はロールフランジ部よりロールカリバー底から接触しはじめる。このため、縮径率が大きくなっても噛出しの発生は少ない。また、4ロール式絞り圧延機のロールカリバーは浅く、スタンド間のロール位相差が30°未満と少なくても、スタンド間での被圧延材の回転はない。したがって、4ロール式絞り圧延機による縮径圧延では、スタンド間のロール位相差を小さくすることができ、角張りの分散を可能とする。さらに、4ロール式絞り圧延機によれば、2ロール式あるいは3ロール式絞り圧延機に比べ、偏肉の発生も少ない。
【0017】
本発明者らは、このような4ロール式絞り圧延機を複数台連続して配列した4ロール式タンデム圧延機を用いて、各スタンドのロール位相を適切に配列することにより、内面角張りを確実に軽微化でき、しかも表面性状にも優れる金属管を製造できることを見いだした。
本発明は、上記した知見に基づいて、さらに検討を加えて完成したものである。
【0019】
すなわち、本発明は、圧延パスラインまわりの円周方向に4個のカリバロールを配置する圧延スタンドを8スタンド以上連続して配列してなるタンデム圧延機を用いて絞り圧延を行う金属管の絞り圧延方法において、各スタンドのロール位相を11.25 °の倍数の位相とするとともに、前記8スタンド以上連続して配列された圧延スタンドを2スタンドごとのペアに分け、各ペアのうち連続する4ペアのロール位相配列を、次()、()、()の条件
)各スタンドのロール位相が互いに異なる。
)各ペア内のロール位相差が45°である。
)隣接するペア間のロール位相差が15°以上75°以下である。
を満足するロール位相設定とし、該ロール位相設定を少なくとも1サイクル以上配列することを特徴とする金属管の絞り圧延方法であり、また、本発明では、累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間で、前記条件()、()、()を満足する連続する4ペアのロール位相設定を少なくとも1サイクル配列して絞り圧延を行うことが好ましく、また、本発明では、累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間で、該スタンド間のスタンド数が8を超え、かつ8の倍数でないときは、前記条件()、()、()を、さらに該スタンド間の8または8の倍数を超える各スタンドで、満足させることが好ましく、また、本発明では、前記累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間を、素管からの合計累積縮径率が40%または60%に達する第1スタンドから第jスタンドまでのスタンド間とするのが好ましい。
【0020】
また、本発明は、圧延パスラインまわりの円周方向に4個のカリバロールを配置する圧延スタンドを12スタンド以上連続して配列してなるタンデム圧延機を用いて絞り圧延を行う金属管の絞り圧延方法において、各スタンドのロール位相を7.5 °の倍数の位相とするとともに、前記12スタンド以上連続して配列された圧延スタンドを2スタンドごとのペアに分け、各ペアのうち連続する6ペアのロール位相配列を、次()、()、()の条件
)各スタンドのロール位相が互いに異なる。
)各ペア内のロール位相差が45°である。
)隣接するペア間のロール位相差が15°以上75°以下である。
を満足するロール位相設定とし、該ロール位相設定を少なくとも1サイクル以上配列することを特徴とする金属管の絞り圧延方法であり、また、本発明では、累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間で、前記条件()、()、()を満足する連続する6ペアのロール位相設定を少なくとも1サイクル配列して絞り圧延を行うことが好ましく、また、本発明では、累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間で、該スタンド間のスタンド数が12を超え、かつ12の倍数でないときは、前記条件()、()、()を、さらに該スタンド間の12または12の倍数を超える各スタンドで、満足させることが好ましく、また、本発明では、前記累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間を、素管からの合計累積縮径率が40%または60%に達する第1スタンドから第jスタンドまでのスタンド間とするのが好ましい。
【0021】
なお、縮径率とは、各スタンドでの縮径量(入側外径と出側外径の差)の対入側外径比をいう。また、第iスタンドから第jスタンドまでの累積縮径率Ri,j は、次(1)式で定義される。
i,j (%)={(Di −Dj * )/Di }×100 ……(1)
ここで、Ri,j :第iスタンドから第jスタンドまでの累積縮径率(%)
i :第iスタンドの入側外径
j * :第jスタンドの出側外径
なお、合計縮径率R1,j (%)は、第1スタンド入側外径(素管外径)D1 と第jスタンド出側外径Dj * の差の対素管外径比である。
【0022】
1,j (%)={(D1 −Dj * )/D1 }×100 ……(2)
ここで、R1,j :第1スタンドから第jスタンドまでの累積縮径率(%)
1 :素管外径
j * :第jスタンドの出側外径
【0023】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の限定理由について説明する。
本発明者らは、16スタンド構成の4ロール式実験圧延機を用い、各スタンドのロール位相を7.5 °を最小単位として種々変更して金属管圧延実験を行い、スタンド出側での偏肉発生状況、表面疵発生状況を調査した。なお、4ロール式圧延スタンドでのロール位相については、前記した定義のとおりとした。
【0024】
2スタンドを用い、隣接するスタンド間のロール位相差を変化し、縮径圧延を行った結果、隣接するスタンド間のロール位相差を15〜75°の範囲内の値とすることにより、管捩じれの発生が見られず、偏肉が分散することが判明した。一方、隣接するスタンド間のロール位相差を、この範囲外の値とすると管捩れや偏肉の発生が認められた。
【0025】
また、8スタンドを用い、各スタンドのロール位相を11.25 °の倍数の位相で、かつ互いに異なる値とし、さらに、各スタンドを2スタンドごとのペアに分け、各ペア内のロール位相を45°とし、かつ隣接するペア間でのロール位相差を15°以上75°以下とする、A群のうちのひとつとしたロール位相配列とすることにより、内面32角張りが得られ偏肉が極めて減少することが判明した。ここで、A群は、0°、11.25 °、22.5°、33.75 °、45°、56.25 °、67.5°、78.75 °である。なお、8スタンド中に同じロール位相を持つスタンドが存在すると内面32角張りは得られない。
【0026】
すなわち、連続8スタンドの4ロール式絞り圧延機を用いて、偏肉が少なく、外面疵を発生させずに表面状況の優れた金属管を製造するためには、各スタンドのロール位相を互いに異なるものとし、あるいはさらに各スタンドを2スタンドごとのペアに分け、各ペア内のロール位相を45°とし、かつ各スタンド間の位相差、あるいは隣接するペア間でのロール位相差を15°以上75°以下とするロール位相設定とする必要がある。なお、スタンド間のロール位相差は、当該スタンド間で相前後するスタンド同士のロール位相の差の絶対値である。
【0027】
図1は、本発明に従う第1〜第8スタンドのロール配置の一例を示す模式図である。図中のφはロール位相、Δφはロール位相差である。
なお、連続する8スタンドは、必ずしも第1スタンドからの必要はなく、第1スタンドから数スタンドが予備縮径段階である場合には、予備縮径後の本縮径段階での連続8スタンドとするのが好ましい。
【0028】
また、12スタンドを用い、各スタンドのロール位相を7.5 °の倍数の位相で、かつ互いに異なる値とし、さらに、各スタンドを2スタンドごとのペアに分け、各ペア内のロール位相を45°とし、かつ隣接するペア間でのの位相差を15°以上75°以下とする、B群のうちのひとつとしたロール位相配列とすることにより、内面48角張りが得られ偏肉が極めて減少することが判明した。ここで、B群は、0°、7.5 °、15°、22.5°、30°、37.5°、45°、52.5°、60°、67.5°、75°、82.5°である。なお、12スタンド中に同じロール位相を持つスタンドが存在すると内面48角張りは得られない。
【0029】
なお、連続する12スタンドは、必ずしも第1スタンドからの必要はなく、第1スタンドから数スタンドが予備縮径段階である場合には、予備縮径後の本縮径段階での連続12スタンドとするのが好ましいのは、連続する8スタンドの場合と同様である。
本発明では、スタンド数が8の倍数、あるいは12の倍数の場合、8スタンド毎あるいは12スタンド毎に繰り返し前記したロール位相設定とすることにより、内面8角張りがなく、表面状況の優れた管圧延製品を得ることができる。しかし、スタンド数が8の倍数でない場合、あるいは12の倍数でない場合には、合計縮径率がこの「所定値」以上に到達するまでのスタンドで内面8角張りの形成を抑制しておくことが好ましい。
【0030】
本発明者らの検討によれば、通常のロール位相差45°とした絞り圧延では、合計縮径率が所定値を超えてからは内面形状が変わり難くなるため、内面8角張りの増大は顕著でなくなる。すなわち、合計縮径率がこの「所定値」以上に到達するまでのスタンドで内面8角張りの形成を抑制しておく必要がある。なお、第1スタンドから数スタンドが予備縮径段階である場合には、内面8角張りの形成を抑制するスタンドは、予備縮径後の本縮径段階での累積縮径率がこの「所定値」以上に到着するまでのスタンドとしてもよい。
【0031】
すなわち、合計縮径率、あるいは累積縮径率が所定値に達するスタンド間ごとに、前記した条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定を連続する4ペアまたは6ペアごとに、少なくとも1サイクル配列して絞り圧延を行うのが好ましい。
例えば、合計縮径率(累積縮径率)が所定値以上に達するスタンド番号をKとすると、Kが8以下の場合には、第1〜第8スタンドのロール位相設定を前記した条件()、()、()を満足するロール位相設定とし、一方、Kが8を超える場合には、第1〜第8スタンドにおいて、条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定を1サイクル配列し、更に第9〜第Kスタンド内の、順次8スタンド毎に括り得るスタンド群の各々に、前記した条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定を1サイクル以上配列するとともに、前記括りが不能なスタンド群のロール位相設定を、前記した条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定とするのが好ましい。
【0032】
例えば、全20スタンドの絞り圧延機でK=11であれば、第1〜第8スタンドのロール位相設定に本発明のロール位相設定を1サイクル配列し、さらに第9〜第11スタンドを、前記した条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定とする。第12〜第20スタンドについては従来通り、Δφ=45°としてもよいが、第8〜第11スタンドに連続して前記した条件()、()、()を満足させる方がより好ましい。
【0033】
また、各スタンドを8スタンドに括ることに代えて、12スタンドごとに括り、各スタンドを7.5 °の倍数とするロール位相とし、かつ連続12スタンドに前記した条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定としても何ら問題はない。
また、例えば、第1、第2スタンドが縮径率の低い予備スタンドである場合には、第3スタンド以降の本縮径スタンドを対象にして本発明のロール位相設定をしてもよい。
【0034】
合計縮径率(累積縮径率)が所定値以上に達するスタンド間で、8スタンドごとあるいは12スタンドごとに条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定サイクルを1サイクル以上配列しない場合には、その後にいかなる縮径圧延を行ってもハイドロフォーム等による強加工の拡管に耐えることができるに充分な寸法精度の金属管とすることができない。ハイドロフォーム等による強加工の拡管によりくびれ等が発生し、欠陥製品となる。
【0035】
なお、本発明では、上記した合計縮径率、あるいは累積縮径率の所定値を60%、あるいは40%とするのが好ましい。合計縮径率、あるいは累積縮径率が60%を超えるまでに、条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定サイクルを1サイクル以上配列しない場合には、内面8角張りの抑制に顕著な効果が得られない。合計縮径率、あるいは累積縮径率が40%以上となるまでに、条件()、()、()を満足する本発明のロール位相設定サイクルを1サイクル以上配列すると、偏肉率はさらに低下する。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
各スタンドのロール楕円率(図2に定義)を2.5 %、ロール位相φ,ロール位相差Δφ,合計縮径率Rを、表1に示す通りに設定した10スタンドの4ロール式タンデム圧延機を用い、JIS−STKM11A相当の素管(外径60.3mm、平均肉厚2.6 mm)を、第1スタンド入側材料温度850 ℃、最終スタンド出側材料速度150m/minとして絞り圧延し製品管(外径23.8mm、平均肉厚2.5 mm)とした。これら製品管について、偏肉率、および外面疵の発生状況を調査した。
【0037】
偏肉率は、管長手方向に垂直な断面(管長さ5mあたり1ヶ所、計25箇所)で切断し、該断面の最大肉厚、最小肉厚をマイクロメーターで測定した。偏肉率は、これらの値を使用し、次式
{(最大肉厚−最小肉厚)/平均肉厚}×100 (%)
により算出した。
【0038】
また、外面疵発生状況は、製品管の外面を肉眼で、全長にわたり、観察し、管5m長さあたり4個以上の表面欠陥が存在する場合に外面疵発生有りとした。なお、表面欠陥が4個未満は無しとした。
これらの結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0004474744
【0040】
本発明例は、いずれも偏肉率が小さく、外面疵の発生もなく、寸法精度および表面性状に優れた製品管となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例では、偏肉率が大きく、外面疵の発生も認められた。
(実施例2)
各スタンドのロール楕円率を1.5 %、ロール位相φ,ロール位相差Δφ,合計縮径率Rを表2に示す通りに設定した20スタンドの4ロール式タンデム圧延機を用い、JIS−STKM13A相当の素管(外径114.3 mm、平均肉厚3.5mm )を、第1スタンド入側材料温度750 ℃、最終スタンド出側材料速度250m/minとして絞り圧延した製品管(外径36.2mm、平均肉厚3.3mm )とした。
【0041】
これら製品管について、実施例1と同様に、偏肉率および外面疵発生状況を調査した。
これらの結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
Figure 0004474744
【0043】
【表3】
Figure 0004474744
【0044】
本発明例は、いずれも偏肉率が小さく、外面疵の発生もなく、寸法精度および表面性状に優れた製品管となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例では、偏肉率が大きく、外面疵の発生も認められた。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、4ロール式タンデム圧延機による絞り圧延に際して各スタンドのロール位相を適切に設定することができ、外面疵の発生もなく、表面品質を低下させることなく、偏肉の原因である内面角張りを効果的に軽減して製品管の寸法精度を向上でき、厳しい加工を施される部品向けの使途に適用することができるようになり、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う各スタンドのロール配置の一例を示す模式図である。
【図2】ロール楕円率の定義説明図である。
【図3】従来の3ロール式絞り圧延機でのロール配置を示す模式図である。
【図4】内面6角張り、内面8角張りを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ロール
2 金属管(鋼管)

Claims (5)

  1. 圧延パスラインまわりの円周方向に4個のカリバロールを配置する圧延スタンドを8スタンド以上連続して配列してなるタンデム圧延機を用いて絞り圧延を行う金属管の絞り圧延方法において、各スタンドのロール位相を11.25 °の倍数の位相とするとともに、前記8スタンド以上連続して配列された圧延スタンドを2スタンドごとのペアに分け、各ペアのうち連続する4ペアのロール位相配列を、下記()、()、()の条件を満足するロール位相設定とし、該ロール位相設定を少なくとも1サイクル以上配列することを特徴とする金属管の絞り圧延方法。

    )各スタンドのロール位相が互いに異なる。
    )各ペア内のロール位相差が45°である。
    )隣接するペア間のロール位相差が15°以上75°以下である。
  2. 累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間で、前記条件()、()、()を満足する連続する4ペアのロール位相設定を少なくとも1サイクル配列して絞り圧延を行うことを特徴とする請求項に記載の金属管の絞り圧延方法。
  3. 累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間で、該スタンド間のスタンド数が8を超え、かつ8の倍数でないときは、前記条件()、()、()を、さらに該スタンド間の8または8の倍数を超える各スタンドで、満足させることを特徴とする請求項に記載の金属管の絞り圧延方法。
  4. 前記8に代えて12とし、前記11.25 °に代えて7.5 °とし、前記4ペアに代えて6ペアとする請求項ないしのいずれかに記載の金属管の絞り圧延方法。
  5. 前記累積縮径率が40%または60%に達する第iスタンドから第jスタンドまでのスタンド間を、素管からの合計縮径率が40%または60%に達する第1スタンドから第jスタンドまでのスタンド間とする請求項2ないし4のいずれかに記載の金属管の絞り圧延方法。
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