JP2001246405A - 孔型圧延ロールの切削方法 - Google Patents

孔型圧延ロールの切削方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】外径絞り圧延機の圧延ロールの運用を最適に
し、ロール切削原単位を大幅に向上させることができ
る。 【解決手段】(1) ロールギャップ調整機構を有する孔型
圧延機に用いられる圧延ロールの切削方法であって、ロ
ールギャップ(Gi)を所定量にして、ロール圧下位置
(Si)を設定した状態でスタンドに組み込まれたロール
の孔型を切削し、切削されたロールを当該スタンドで切
削時のロール圧下位置でそのまま使用する孔型圧延ロー
ルの切削方法である。 (2) 上記(1)の方法では、ロールの切削回数を重ねるに
従いロールギャップが狭くなるように、ロール圧下位置
を設定するのが望ましい。また、ストレッチレデューサ
或いはサイザー等を対象とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管または棒鋼等
の孔型圧延に用いられる圧延ロールの切削方法に関し、
さらに詳しくは、マンネスマン製管による継目無鋼管の
製造において、延伸圧延された中空素管を外径絞り圧延
する孔型圧延ロールの運用に最適な切削方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】継目無鋼管を熱間で製造する方法とし
て、いわゆるマンネスマン製管法が広く採用されてい
る。この製管方法は、高温度に加熱された中実の丸ビレ
ットを被圧延材とし、この丸ビレットを穿孔圧延機(い
わゆる、ピアサ)に供給して、その軸心部に穿孔を設け
て中空素管を得る。次いで、得られた中空素管をそのま
ま、あるいは必要に応じて上記穿孔圧延機と同一構成の
エロンゲータに通して拡径、薄肉化せしめた後、プラグ
ミル、マンドレルミルなどの後続する延伸圧延装置に供
給して延伸圧延する。その後、外径絞り圧延機としてス
トレッチレデューサ或いはサイザー等に通し、さらに精
整工程を経て製品となる継目無鋼管を製造する方法であ
る。
【0003】継目無鋼管の最終圧延として用いられる外
径絞り圧延機では、寸法精度とともに、外径加工度も要
求されることから、3ロールのストレッチレデューサ或
いはサイザーが採用されている。このような3ロール外
径絞り圧延機では、圧延方向に垂直な面内でそれぞれの
圧延ロールの圧下方向のなす角度が120°になるように
スタンドが配設される。
【0004】そして、隣接するスタンド間では、相互の
ロールの圧下方向が60°の交差角を有するように交互配
置されており、加工度に応じてスタンド数が定められ
る。通常、メインロールスタンドおよび仕上ロールスタ
ンドから構成され、5〜24スタンドが設けられて、延伸
圧延後に供給された中空素管を絞り圧延して、外径の圧
下と肉厚調整を行って、所定の製品寸法に仕上げる。
【0005】上述の通り、外径絞り圧延機は、マンネス
マン製管における最終圧延工程で用いられるので、各ス
タンドに組み込まれている圧延ロールの表面状況および
摩耗状態は、そのまま鋼管製品の外表面品質や寸法精度
に重要な影響を及ぼすことになる。一般的に、孔型圧延
ロールとしてチルドロールが多用されているが、同ロー
ル材では圧延本数が3,000〜4,000本に達するようになる
と、圧延ロールの表面に肌荒れ、焼付が生じ易くなると
同時に、摩耗によってロール孔型径が0.1〜0.2mm程度大
きくなる。このように圧延ロールの性状や寸法が圧延に
ともなって変化すると、仕上鋼管の寸法が変動し、鋼管
製品の品質が不安定になるので、これらを防ぐため、孔
型圧延ロールの切削による再生が必要になる。
【0006】3ロール外径絞り圧延機に用いられる孔型
圧延ロールの切削には、3ロールを同時に切削できるよ
うに、専用旋盤を用いて円盤砥石で切削する方法があ
る。
【0007】図1は、円盤砥石を用いて孔型圧延ロール
の孔型を切削する方法を説明する図である。円盤砥石2
を用いる切削方法では、ロール中心からオフセットLを
取ったところに位置するように円盤砥石2を設けて、円
盤砥石2と圧延ロール1とを回転させながら切削する。
このとき、円盤砥石2の外径とオフセットLを適宜調整
することによって、任意の楕円率のロール孔型を形成す
ることができる。
【0008】従来から実施されている孔型圧延ロールを
再生するための切削方法について説明する。具体的に
は、外径210mmの素管を絞り圧延して仕上外径177.8mmの
鋼管を製管する場合について説明するが、この製管に用
いられる孔型圧延ロールの諸元例を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】中空素管の外径絞り圧延に用いられる孔型
圧延ロールは、隣接するスタンドでロールの圧下方向が
60°の交差角をもたせて、No.1〜5スタンドからなる
メインロールスタンドとNo.6、7スタンドからなる仕
上ロールスタンドに組み込まれる。前述の通り、3ロー
ル外径絞り圧延機に組み込まれた孔型圧延ロールは、圧
延本数が3,000本を超えるになると、ロール表面の肌荒
れやエッジ部に焼き付けが発生し易くなり、これらを再
生するために切削が行われる。
【0011】従来の切削方法では、切削の都度、ロール
外径が小さくなるため、圧延される中空素管の外径が大
きい上流側のスタンドに組み込まなければならない。そ
こで、特定スタンドに組み込まれた圧延ロールを切削す
る場合には、当該ロールのエッジ部半径Aiおよび溝底部
半径Biより大きな孔型寸法の圧延ロールに切削する必要
がある。このため、例えば、No.3スタンドに組み込ま
れた圧延ロールは、No.2スタンドの圧延ロールに切削
するか、全く異なった製管工程に用いられ、諸元も異な
るメインロールスタンドまたは仕上ロールスタンドで用
いられる圧延ロールに切削される。
【0012】表1に示す孔型圧延ロールの諸元例によれ
ば、外径加工度が0.2〜2.80%であり、No.iスタンドの
圧延ロールを順次No.i-1スタンドの圧延ロールに切削す
る場合には、ロール1個当たりの平均切削量は(D1
7)/(7−1)で表され、具体的な数値として4.23mm
となる。これを圧延本数3,000本で換算すると、1.41mm/
1000本のロール切削原単位となる。
【0013】最近では、圧延ロールの切削原単位を大幅
に改善させるため、特開平7−214111号公報では、メイ
ンロールスタンドの圧延ロールを当該スタンドと前段ス
タンドとの中間ロールに切削するようにした3ロールレ
デューサのロール運用方法が提案されている。提案され
た運用方法によれば、No.iスタンドの圧延ロールからN
o.i-1スタンドの圧延ロールに切削する前に、2回程度
中間ロールの孔型寸法に切削し運用することができる。
このため、表1に示す孔型圧延ロールでは、平均切削量
は4.23mm/(3,000本×3)で計算されることから、0.47
mm/1,000本のロール切削原単位に改善されるとしてい
る。
【0014】しかしながら、上記の公報で提案されたロ
ール運用方法では、仕上ロールスタンドは仕上鋼管の製
品外径を決める重要なスタンドであるため、中間ロール
の孔型寸法に切削することができない。このため、メイ
ンロールスタンドの圧延ロールの切削にともなって、切
削された圧延ロールに対応した、仕上ロールスタンドで
用いられる新たな圧延ロールを準備しなければならない
と言う問題がある。
【0015】さらに、中間ロールの切削に対応して、仕
上ロールスタンド用として新たな圧延ロールを準備した
としても、最終仕上げスタンドまたはその直前のスタン
ドでは、ロールエッジ焼付を防止し、寸法精度を確保す
るため、圧延ロール切削前後で極端な加工度の変動を避
けなければならない。このような場合には、仕上ロール
スタンドのスタンド数を増加しなければならないと言う
問題もある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、従来から
実施されていたロール切削方法では、当該スタンドに組
み込まれていた圧延ロールは、前段スタンドの孔型寸法
に切削していたため、必然的に多量の切削が発生し、ロ
ール切削原単位を悪化させていた。また、新たに提案さ
れた中間ロールの孔型寸法に切削するロール運用方法に
あっても、仕上ロールスタンドに組み込まれた圧延ロー
ルに適用することができず、場合によってはスタンド数
を増加しなければならないと言う問題も発生する。
【0017】本発明は、従来の圧延ロールの切削方法に
おける問題点を解決して、ストレッチレデューサ或いは
サイザーに代表される外径絞り圧延機で製造される仕上
鋼管の表面品質や寸法精度を悪化させることなく、ロー
ル切削原単位を大幅に向上させることができる孔型圧延
ロールの切削方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】前述した従来のロール切
削方法は、いずれも被圧延材の圧下量を調整するための
ロールギャップ調整機構を有しない外径絞り圧延機を前
提としたものである。上述の特開平7−214111号公報で
提案されたロール運用方法において、仕上ロールスタン
ドにロールギャップ調整機構を有したハウジングを適用
することも検討したが、いずれにしても製管寸法毎に仕
上ロールスタンド用として圧延ロールを保有しなければ
ならず、運用上困難であるとされた。
【0019】3ロール外径絞り圧延機は、所定の寸法精
度が確保できると同時に、2ロール圧延機に比較して高
い外径加工度が得られることから、製管段取りの集約に
よる生産性の向上を図ることができる。ところが、一般
的に2ロール孔型圧延機に比べて、3ロール孔型圧延機
では構造が繁雑になることから、ロールギャップ調整機
構を有しない場合が多い。
【0020】だが、最近のように、スタンド当たりの外
径加工度を確保して、さらにマンドレルミルの段取り集
約を図り、高効率生産が要請されるとともに、一層の寸
法精度が求められるようになると、3ロール孔型圧延機
であっても、仕上ロールスタンドのみでなく、メインロ
ールスタンドにおいても、ロールギャップ調整機構を具
備することが必須となっている。
【0021】今後、さらに多品種少量生産を対象とする
高効率化を達成するには、ロールギャップ調整機構を備
えた孔型圧延機を前提として、これに用いられる圧延ロ
ールの切削原単位を改善して、製造コストを大幅に削減
できる孔型圧延ロールの切削方法を開発する必要があ
る。本発明は、このような開発要請に基づいて完成され
たものであり、下記の(1)〜(2)の孔型圧延ロールの切削
方法を要旨としている。 (1) ロールギャップ調整機構を有する、複数個のロール
スタンドで構成された孔型圧延機に用いられる圧延ロー
ルの切削方法であって、ロールギャップを所定量にし
て、ロール圧下位置を設定した状態でスタンドに組み込
まれたロールの孔型を切削し、切削されたロールを当該
スタンドで切削時に設定されたロール圧下位置でそのま
ま使用することを特徴とする孔型圧延ロールの切削方法
である。 (2) 上記(1)の孔型圧延ロールの切削方法では、ロール
の切削回数を重ねるに従いロールギャップが狭くなるよ
うに、ロール圧下位置を設定するのが望ましい。また、
上記孔型圧延機は3ロール外径絞り圧延機として、スト
レッチレデューサ或いはサイザーを対象とすることがで
きる。
【0022】本発明における説明では、継目無鋼管の製
造に採用される孔型圧延機での圧延ロールの切削方法を
説明しているが、本発明方法が対象とするのは、単に、
これらに限定されるものではなく、例えば、棒鋼等の孔
型圧延に用いられる圧延ロールにも適用することが可能
である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の切削方法では、ロールギ
ャップ調整機構を装備する孔型圧延機で用いられる圧延
ロールを対象としている。そして、メインロールスタン
ドおよび仕上ロールスタンドのロールギャップを所定量
にして、ロール圧下位置を設定したのち、各スタンドの
圧延ロールを切削し、切削されたロールを切削時に組み
込まれていたスタンドで、切削時に設定されたロール圧
下位置でそのまま使用することを特徴としている。
【0024】図2は、本発明の圧延ロール切削時におけ
るスタンドのロール圧下位置およびロールギャップの設
定状況を説明する図である。同図では、3ロールによる
孔型圧延の構成を示しており、ロール1a、1b、1cの圧下
方向のなす角度が120°になるように構成されている。N
o.iスタンドにおける圧延ロールの孔型寸法は、エッジ
部半径Ai、および溝底部半径Biによって規定される。
【0025】No.iスタンドのロール圧下位置は、ロー
ル回転軸の位置調整によって設定され、標準ロール圧下
位置Si 0を中心として、それよりロール間隔を開いたロ
ール圧下位置Si +と、またはロール間隔を閉じたロール
圧下位置Si -とが示されている。さらに、これらの中間
位置も、ロール回転軸の位置を調整することによって、
必要に応じて設定することができる。
【0026】ロールギャップは、同図において、ロール
エッジ部の端部が互いに平行な対面となっており、その
平行面間の間隔を指し、ロール圧下位置の設定によって
定まる。すなわち、ロール圧下位置Si +のときにはロー
ルギャップGi +となり、次に標準ロール圧下位置Si 0のと
きにはロールギャップGi 0となり、最後にロール圧下位
置Si -のときにはロールギャップGi -となる。このよう
に、ロール圧下位置をSi +からSi -へ変化させることによ
って、ロールギャップは狭くなる。
【0027】ロールギャップ調整機構を活用し、複数回
にわたって圧延ロールの切削を行う場合には、ロールの
切削回数を重ねるに従い、ロールギャップが狭くなるよ
うにロール圧下位置を設定すればよい。例えば、圧延ロ
ールの一回目切削時には、ロール圧下位置Si +に設定
し、ロールギャップGi +と広くした状態で圧延ロールの
孔型寸法に切削すればよい。このとき切削される孔型寸
法は、No.iスタンドに組み込まれる新品ロールのエッ
ジ部半径Aiおよび溝底部半径Biである。
【0028】次に、2回目切削時には、ロールの表面性
状や摩耗状況によって変動するが、ロールギャップが狭
くなるように、例えば、ロールギャップGi 0と狭めて、
ロール圧下位置Si 0に設定し、圧延ロールの孔型寸法に
切削する。さらに、3回目切削時には、もっとロールギ
ャップが狭くなるように、ロールギャップGi -として、
ロール圧下位置Si -に設定し、圧延ロールの孔型寸法に
切削する。
【0029】上述の通り、圧延ロールの切削回数を重ね
るに従って、ロール圧下位置をSi +→Si 0→Si -と設定し
て、ロールギャップをGi +→Gi 0→Gi -と狭めるようにす
れば、同一ロールであっても複数回にわたって切削代を
確保することができる。このときに切削される圧延ロー
ルの孔型寸法は、新品ロールの孔型寸法と同じとする。
【0030】そして、当該スタンドに組み込まれたまま
切削された圧延ロールは、中空素管の孔型圧延時に、切
削時新たに設定されたロール圧下位置、すなわち、新た
なロールギャップの設定をそのままに採用することによ
って、ロール切削前、すなわち、新品ロールを用いたと
同様の表面品質状況、および寸法精度の仕上鋼管を製造
することができる。
【0031】
【実施例】本発明の圧延ロールの切削方法の効果を、具
体的な実施例に基づいて説明する。本実施例では、マン
ドレルミルで延伸圧延された低合金鋼素管を絞り圧延前
に外径210mmから圧延後仕上外径177.8mmに製管する孔型
圧延プロセスを対象とした。このとき用いたNo.1〜7
スタンドの孔型圧延ロールの諸元例は、前記表1に示し
た通りである。
【0032】本実施例のプロセスでは、圧延の進捗にと
もなって5回の切削を実施し、そのうちメインロールス
タンドのNo.3スタンドに組み込まれた圧延ロールの切
削状況を表2に示す。
【0033】メインロールスタンドNo.3に組み込まれ
た圧延ロールの孔型寸法は、表1に示すように、エッジ
部半径A3=93.16mm、溝底部半径B3=96.77mmである。
ロール材質はチルドロールであり、圧延本数3,000〜4,0
00本にて約0.1〜0.2mmの摩耗が生じ、かつ、ロール肌荒
れ、ロールエッジ部の焼付きが発生したため、圧延本数
が3,000本を超える毎に、ロール径(直径)で0.5mm以上
の切削が必要になる。このため、本発明例では余裕をも
たせるため、3,000本の圧延本数毎にロール径で1.0mmの
切削を行った。
【0034】
【表2】
【0035】圧延ロールの1回目切削時には、ロール圧
下位置を標準ロール圧下位置より1.0mm開けた状態(S3
+1.0)で設定し、このときのロールギャップ
(G3 +1.0)は6.73mmとして、エッジ部半径A3、溝底部
半径B3を切削する。1回目切削後の圧延では、No.3ス
タンドをロール圧下位置S3 +1.0、ロールギャップG3
+1.0で設定すれば所定品質の仕上鋼管が得られる。
【0036】同様に、圧延ロールの2回目切削時には、
ロール圧下位置を標準ロール圧下位置より0.5mm開けた
状態(S3 +0.5)で設定し、このときのロールギャップ
(G3 + 0.5)は5.87mmとして、エッジ部半径A3、溝底部
半径B3を切削する。また、2回目切削後の圧延で、ロ
ール圧下位置S3 +0.5、ロールギャップG3 +0.5で設定す
れば、優れた品質の仕上鋼管が製造される。
【0037】引き続き、3回目〜5回目切削時にも、表
2に示すように、ロール圧下位置をS3 0〜S3 -1.0に、
またロールギャップをG3 0〜G3 -1.0に設定してエッジ
部半径A3=93.16mm、溝底部半径B3=96.77mmが確保で
きるように切削を行う。そして、切削後の圧延におい
て、同様のロール圧下位置およびロールギャップの設定
を行うことによって、仕上圧延された鋼管表面の品質、
寸法精度および操業能率について、新品ロールまたは1
回目の切削ロールを用いた場合と全く同等の結果を得る
ことができる。
【0038】本実施例のNo.3スタンドにおけるロール
切削原単位は、下記の式から換算される。ただし、式中
のD2、D3は前記表1に示すNo.2、3ロール平均径を
示す。
【0039】(D2−D3)/3,000本×5 上式から換算して、ロール切削原単位0.376mm/1,000本
となり、従来の切削方に比べ、著しく改善されることが
分かる。さらに、本発明の切削方法では、5回目の切削
後は、No.2スタンドに組み込まれる圧延ロール(A3
102.01mm、B3=99.56mm)に改削が出きるので、一層の
ロール切削原単位の改善が期待できる。
【0040】また、本実施例では、ロール圧下位置の変
更量ΔSi=0.5mmと余裕を持たせたが、所定本数の圧延
後にロール表面性状が良好であれば、さらにΔSiを減
少させることによって、さらなるロール切削原単位の向
上が図れる。
【0041】
【発明の効果】本発明の孔型圧延ロールの切削方法によ
れば、ストレッチレデューサ或いはサイザー等に代表さ
れる外径絞り圧延機で製造される仕上鋼管の表面品質や
寸法精度を悪化させることなく、ロール切削原単位を大
幅に向上させることができる。しかも、多品種少量生産
に最適な切削方法であるから、いずれの製造分野におい
ても、熱間圧延費用の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円盤砥石を用いて孔型圧延ロールの孔型を切削
する方法を説明する図である。
【図2】本発明の圧延ロール切削時におけるスタンドの
ロール圧下位置およびロールギャップの設定状況を説明
する図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c:孔型圧延ロール 2:円盤砥石

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロールギャップ調整機構を有する、複数個
    のロールスタンドで構成された孔型圧延機に用いられる
    圧延ロールの切削方法であって、ロールギャップを所定
    量にして、ロール圧下位置を設定した状態でスタンドに
    組み込まれたロールの孔型を切削し、切削されたロール
    を当該スタンドで切削時に設定されたロール圧下位置で
    そのまま使用することを特徴とする孔型圧延ロールの切
    削方法。
  2. 【請求項2】ロールの切削回数を重ねるに従いロールギ
    ャップが狭くなるように、上記ロール圧下位置を設定す
    ることを特徴とする請求項1記載の孔型圧延ロールの切
    削方法。
  3. 【請求項3】上記孔型圧延機が3ロール外径絞り圧延機
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の孔型圧延ロールの切削方法。
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