JP3310427B2 - H形鋼の圧延方法 - Google Patents

H形鋼の圧延方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、H形鋼のウェブ高さ
を圧延中に自在に変更し様々なウエブ高さになるH形鋼
を圧延するのに有利な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウェブとフランジを備えるH形鋼は、ブ
レークダウン圧延機と粗ユニバーサル圧延機、エッジャ
ー圧延機および仕上げユニバーサル圧延機を順次配置し
た圧延機列(図5参照)にて、もしくは圧延能率の向上
をはかるためにエッジャー圧延機の後方に第2粗ユニバ
ーサル圧延機を配置した圧延機列(図6参照)にて製造
され、このうち仕上げユニバーサル圧延機を除いてはリ
バース圧延を実施しているのが一般的であった。
【0003】そして、後者の圧延機列においては、仕上
ユニバーサル圧延機を除いて、いわゆるタンデム圧延が
行えるように各圧延機を近接した構成にしているのが一
般的であった。
【0004】ブレークダウン圧延機においては素材はほ
ぼH形形状に圧延され(図7)、引き続く粗ユニバーサ
ル圧延機では上下1対の水平ロールにて素材のウェブが
圧下されるとともに左右1対の垂直ロールにてフランジ
部が圧下され(図8)、さらにそのパス間のエッジャ圧
延機によってフランジ幅が圧下される(このような工程
は複数回にわたって繰返し行われる)(図9)。
【0005】これらの圧延によって素材は製品寸法に近
い形状にまで圧延されることになるが、かかる素材はそ
のフランジ部における内面疵を防止する観点からロール
端に傾斜を有するロールにて圧延されるため、素材のフ
ランジにも同様の傾斜がついた形状になっている。
【0006】仕上げユニバーサル圧延機では、ロールの
幅端に傾斜のない水平ロールおよび垂直ロールにて素材
を製品寸法に仕上げるとともに、フランジ部の傾斜を解
消するような圧延が行われる。(図10)。
【0007】ところで、このような圧延機列を使用して
サイズの異なるH形鋼を圧延すべく、ウェブの厚さやフ
ランジの厚さを変更する場合においては、ユニバーサル
圧延機の各ロールの位置を変えることによって対応して
いたが、ウェブの内幅に関しては水平ロールの幅と等し
くなるため、ウェブの内幅を変更するような圧延を行な
うに際しては同一のロールでは対応できないため、その
交換を必要としていた。
【0008】実操業における圧延機のロール交換は、多
大な時間と工数を必要とするために、できる限りその交
換はしないようにして多種類の製品を作り分けるように
するのが普通であるが、このようにして製造されたH形
鋼はウェブ高さが同一の呼称サイズであってもウェブ内
幅が一定であり、フランジ厚さの変化によってウェブ高
さが異なるいわゆる内法が一定したものになっていた。
【0009】従って、このようなH形鋼を例えば建築用
鋼材として柱や梁に使用する場合などにおいては、フラ
ンジ外面を相互に併せて使用するときなどに段差が生じ
る不具合があり、この段差をなくすためにプレートを挿
入することが不可欠であって施工性の面で著しい欠点が
あった。
【0010】上述の理由から建築用鋼材として用いるH
形鋼についてはプレートを溶接して作ったいわゆる外法
一定の溶接H形鋼(以下、これを溶接H形鋼と記す)が
用いられるが、この溶接H形鋼は製造コスト、販売価格
が圧延によって製造したH形鋼よりも高く、外法一定の
H形鋼を圧延によって安価に製造できる方法の開発が望
まれていた。
【0011】この点に関する技術としては、例えば、特
開昭59-202101 号公報のように、仕上げユニバーサル圧
延の前で斜行ロールによってウェブ高さを拡大するよう
にした圧延方法が提案されてはいる。しかしながら、こ
の方法では従来の圧延設備列に加えて傾斜ロール式の圧
延機を設置する必要があり、設備コストの上昇が避けら
れない。
【0012】このような欠点を是正するためのものとし
て、特開平2-80102 号公報には、仕上げユニバーサル圧
延機に幅可変式の分割型水平ロールを組み込み、このロ
ールのロール幅を粗ユニバーサルミルのそれ(素材のウ
ェブ内幅に等しい)よりも狭くしてウェブ内幅を縮小す
るようにした圧延方法が開示されており (図11) 、ま
た、特開昭60-118301 号には、仕上げ圧延機の水平ロー
ルのロール幅を素材よりも広く設定してウェブの内幅を
拡大すようにした方法が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記の圧延方法におけ
る問題点は、ウェブ内幅を大幅に縮小あるいは拡大しよ
うとするときに圧延材に形状不良などのトラブルが発生
しやすいことがあげられる。
【0014】例えば、特開平2-80102 号公報のような方
法においては、圧延中にウェブが座屈し製品の中心の偏
りが大きくなる (図12) 。また、特開昭60-118301 号公
報のようなウエブを拡大する方式のものでは、フランジ
部が座屈して外側へ倒れ、圧延不能になるおそれがあっ
た (図13) 。
【0015】このような事情のために上記の技術におい
ては、1パス当たりのウェブ内幅の縮小量あるいは拡大
量には限界があり、しかも、ウエブ内幅を縮小する方式
では、その縮小を仕上げユニバーサル圧延機で1パスし
か行なえないため、ウェブ内幅の大幅な変更は不可能で
あった。
【0016】仮に、このウェブ内幅の変更限界がさらに
広がれば外法一定H形鋼の製造にとどまらず、例えば現
状50mm刻みで設定されているH形鋼シリーズの2シリー
ズ分をロールの交換なしで圧延することが可能になり、
製造能率の向上効果は非常に大きい。
【0017】ウェブ内幅をさらに大きく変更する手段と
しては上記の拡縮圧延を多段階に実施することも有効で
あるけれども、仕上げユニバーサル圧延をリバース圧延
として多段拡縮を実施することは前述したようにウエブ
に対しフランジが傾斜していないため、フランジ内面に
傷を発生させやすく現実的ではない。
【0018】フランジ内面に傷を発生させることなし大
幅な拡大あるいは縮小圧延を行うには、仕上げユニバー
サル圧延の前段で幅可変ロールを有する粗ユニバーサル
圧延機で圧延するのが最も良いと考えられる。
【0019】そして、そのためには粗ユニバーサル圧延
機を2基有する圧延設備列において、一方の粗ユニバー
サル圧延機、例えば第2のユニバーサル圧延機に幅可変
水平ロールを配置するのが最も有利である。というの
は、このような圧延設備例を採用することにより、新規
に圧延機を新設することなしに幅広い拡縮圧延を実施す
ることができるからであり、また、上記の圧延設備列を
使用する場合には、第2の粗ユニバーサル圧延機の幅可
変式水平ロールにて素材のウェブの内幅を大きく減ずる
と、その中央部に段差を生じてしまうが、幅固定式の水
平ロールを備えた第1のユニバーサル圧延機と交互に圧
延することができるのでウェブ段差が生じてもそれを逐
一解消しながら圧延することができるためである。
【0020】すなわち、このような圧延機列においては
水平ロールのロール幅を等しく設定した第1,第2の粗
ユニバーサル圧延機(およびその中間に配したエッジャ
ー圧延機)で素材のタンデムリバース圧延を行い、その
最終パスにおいて第2のユニバーサル圧延機の水平ロー
ルのロール幅を第1のユニバーサル圧延機のそれより小
さくあるいは大きくしてウェブ内幅の第1段階目の変更
を行ない、そして、さらに仕上げユニバーサル圧延機に
てウェブ内幅の第2段階目の変更を行うことによってウ
ェブ内幅の拡縮限界を2倍に拡大することができるから
である。
【0021】しかしながら上記の圧延方法においても多
少の問題が残されていた。すなわち、第1,第2の粗ユ
ニバーサル圧延機による圧延では幅可変水平ロールの有
無により、素材のウェブ中央部において段差の発生とそ
の解消が繰り返えされる。粗圧延段階の初期においては
ウェブの厚みが厚いため、とくに大きな問題はないが、
ウェブの厚さが薄くなるとウェブが素材の長手方向に沿
って座屈し波 (この波を以下ウエブ波という) が発生す
る (図14) 。
【0022】この理由については以下のように考えられ
る。
【0023】ウェブの中央部に段差のある素材を、中実
の水平ロールで解消しようとする場合、その中央部と端
部では圧下率差が生ずる (図15a) 。この時、中央部の
圧下率は高いために中央部の伸びが端部よりも大きくな
り、ウェブ中央部において長手方向に沿い圧縮応力が作
用し、これが、ウエブの座屈応力を超えるときに座屈が
発生する。
【0024】一方、素材のウェブに段差が発生する過程
においても上記と逆にウェブ端部に圧縮応力が作用する
が、この場合はウェブ端部はフランジ部に近接している
ために座屈限界応力は大きく、普通はウエブが座屈する
ようなことはない (図15b)。
【0025】ウエブの中央部における座屈を回避するに
は幅可変水平ロールを有する粗ユニバーサル圧延機の圧
下率を非常に小さくして圧延するか、あるいは厚さ方向
の圧下を行なわないようにしてウェブ段差の発生を回避
することが考えられるが、このような方法では第1の粗
ユニバーサル圧延機1基で粗圧延を行わなければならな
くなり、圧延能率の低下は避けられない。
【0026】この発明の目的は、上述したような事情に
鑑みてなされたものであって、圧延能率を損なうことな
しにウェブ内幅を大幅に変更(縮小あるいは拡大)でき
る新規な圧延方法を提供しようとするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明は、固定幅の水
平ロールを有する第1粗ユニバーサル圧延機と、幅可変
式の分割型水平ロールを有する第2粗ユニバーサル圧延
機をタンデムに配してなる粗圧延機群と、幅可変式の分
割型水平ロールを有する仕上げユニバーサル圧延機を配
してなる圧延機を用い、第1粗ユニバーサル圧延機およ
び第2粗ユニバーサル圧延機によるタンデムリバース圧
延を行うとともに、第2粗ユニバーサル圧延機での最終
圧延における水平ロールのロール幅と仕上げユニバーサ
ル圧延機での圧延における水平ロールのロール幅を適宜
に調整することにより、被圧延材のウエブ内幅を多段階
に分けて拡大あるいは縮小するH形鋼の圧延において、
前記タンデムリバース圧延機につき、第2粗ユニバーサ
ル圧延機により2パス連続して圧延した時の被圧延材の
フランジの圧下率をウエブの圧下率より2〜5%だけ大
きくすることを特徴とするH形鋼の圧延方法である。
【0028】図1は、この発明を実施するのに用いて好
適な設備のレイアウトを示したものであって、図におけ
る番号1はブレークダウン圧延機、2は固定幅の水平ロ
ールを有する第1粗ユニバーサル圧延機、3は幅可変式
の分割型水平ロールを有する第2粗ユニバーサル圧延機
であって、この第2粗ユニバーサル圧延機と第1粗ユニ
バーサル圧延機2との間にエッジャ圧延機4を配置する
ことができる。また、5は仕上げユニバーサル圧延機で
あって、この仕上げユニバーサル圧延機5にも幅可変式
の分割型水平ロールが配置される。
【0029】ブレークダウン圧延機1によって概略H形
に圧延された素材は、まず、固定幅になる中実の水平ロ
ールを有する第1粗ユニバーサル圧延機2と幅可変式の
分割型水平ロールを有する第2粗ユニバーサル圧延機3
によるタンデムリバース圧延によって (第2粗ユニバー
サル圧延機のロール幅は第1粗ユニバーサル圧延機のロ
ール幅と等しくする) ウエブ波を回避しつつ、ほぼ製品
寸法になるまで圧下される。
【0030】そして、第2粗ユニバーサル圧延機3によ
る圧下の最終パスにおいては、それに備える水平ロール
のロール幅を変更してウエブ内幅の拡大あるいは縮小を
行ない、引き続く仕上げユニバーサル圧延機5では、水
平ロールのロール幅をさらに異なった幅に設定しておい
て第2段目のウェブ内幅の拡縮を実施しつつ仕上げ成形
を行って所定の寸法形状になるH形鋼に仕上げる。
【0031】
【作用】発明者らの実験によると幅可変の分割型水平ロ
ールを用いた粗圧延工程において生ずるウェブの段差
は、この段差を圧下するパスでのフランジ圧下率をウェ
ブ圧下率よりも大きくすることで小さくなり、ウェブ波
が発生しにくくなることが見いだされた。
【0032】この実験による詳細を図2〜4を用いて説
明する。なお、この実験は、外法一定H形鋼の中で最も
ウェブ厚さの薄い(すなわちウェブ波が最も発生しやす
い)ウェブ厚6mmで、ウェブ高さが550 mm、製品のフラ
ンジ厚さはそれぞれ9,12,16mmのサイズになるように
圧延を行なった場合のものである。
【0033】固定幅の水平ロールを有する第1粗ユニバ
ーサル圧延機2(以下単にU1で示す)と幅可変式の水
平ロールを有する第2粗ユニバーサル圧延機3(以下単
にU2で示す)でタンデム圧延を実施(U1、U2で素
材のウエブ、フランジの圧下率を種々変更しながら圧
下)し、途中でU2→U1方向のパスにおいて圧延を中
止してU1−U2間でウエブに発生している段差を測定
し、また、ウエブ、フランジの厚さに関しては、圧延前
の圧延荷重から予め求めておいたミル定数によって測定
し、U1、U2における各部の圧下率を計算した。
【0034】この実験で、ウェブの発生段差比率(段差
量/U2後のウェブ端部の厚さ)はフランジとウェブの圧
下率差に最も大きく影響し、図2のように圧下率差が大
きくなるほど減少することが分かった。
【0035】ここに、図2の発生段差比率は、U2を2パ
ス連続して圧延したあとの発生段差比率である。という
のは図1の圧延機配列からも明らかなように、タンデム
リバース圧延を行なうとパスの順序はU1-U2-U2-U1 の繰
返しになるからである。
【0036】次に、U1での圧延前、後のウェブ段差減少
比率(U2後の段差比率−U1後の段差比率)とU1でのウェ
ブ、フランジの平均圧下率との関係について、U1後にウ
エブ波が発生しなかったものを○記号で、ウェブ波の発
生したものを●記号でプロットした結果を図3に示す。
【0037】この結果によればウェブ段差減少比率はU1
パスでのウェブ,フランジ圧下率差にあまり影響され
ず、平均圧下率に最も大きく影響することが明らかであ
る。
【0038】そして、同図からは明らかでないがウエブ
波発生限界は、同一データをU1パス後のウエブ厚みを
横軸に、段差減少比率を縦軸にしてプロットしなおした
場合に図4のようになって、ウエブ厚さとウエブ波が発
生する限界の段差減少比率の限界が明確となる。
【0039】したがって、この実験から、ウエブ波が発
生しない段差減少比率は、ウエブ厚さが最も薄い条件
(6mm)において、約0.01 (1%)であることが分か
る。
【0040】以上の結果から、U2パスで許容される発生
段差比率は、上記の倍の0.02(2%)であることが理解
される。
【0041】U2パスで許容される発生段差比率が0.02と
なる理由は、前にも説明したようにこの発明に適合する
圧延方式はタンデムリバース圧延であるため、U1パスは
2回連続して行なわれ、2回目のU1パスにおいて段差が
すべて解消できれば次パス以降の圧延に影響が残らない
ためである。したがって、図2よりフランジ圧下率−ウ
ェブ圧下率の差を2%以上として圧延すればU1パスでウ
ェブ波を発生させずに圧延可能となる。
【0042】ただ、圧下率差を無限に大きくすることは
得策でない。というのは、幅可変式の水平ロールは構造
上ロールの幅方向に対する強度が弱いが、フランジの圧
下率をウェブのそれよりも大きくしていくと垂直ロール
のロール荷重が増大し、これが幅可変式水平ロールのロ
ール幅方向に作用するためである。
【0043】図2によれば圧下率差が5%以上になると
ウェブ段差の発生量はほとんど0となり、ウェブ波発生
の危険性はなくなるのでこれ以上圧下率差を大きくする
のは無意味であるばかりでなく、幅可変ロールの損傷を
招くおそれがあるので、5%以下にして圧延するのが好
ましいといえる。
【0044】ここに、フランジ−ウェブの間で圧下率差
を設け、ウェブ段差を解消する公知技術としては特開昭
59-137101 号公報があるが、この発明との違いは次のと
おりである。
【0045】すなわち、上記の公知技術は、幅可変式の
分割水平ロールを用いたユニバーサル圧延時にウェブ段
差を問題ないレベルまで極力低減しようとする考えに基
づいてなされているのに対して、この発明においては多
少のウェブ段差はその後の段差解消圧延において許され
る範囲であればよく、ウェブ段差がほとんどないレベル
までにする必要はないと言う考えに基づいてなされてい
る。
【0046】したがって両者においては、条件の範囲に
おいて大差がある。例えば公知技術のものにおいては、
フランジの圧下率をウェブの圧下率の1.2 倍以上とする
ことが示されているが、ウェブの圧下率は通常20%以上
とするのでフランジの圧下率は24%以上となり、その差
は4%以上となる。この発明ではその範囲は2〜5%と
なっている。
【0047】
【実施例】上掲図1に示した設備を使用して、ウェブ高
が550 mm, フランジ幅が200mm ,ウェブ厚さが6mm,フ
ランジ厚さが12mm(いずれも製品呼称サイズ)になるH
形鋼を下記の条件で圧延し、得られたH形鋼の品質につ
いて調査した。
【0048】圧延条件 粗ユニバーサル圧延は合計3往復半(全14パス)、U1
パスでのフランジ−ウェブ圧下率差はほぼ0に設定、U2
パスでのフランジ−ウェブ圧下率差を同一材料で各パス
一律となるように設定、
【0049】表1に、その結果(U2パスでのフランジ−
ウエブ圧下率差を種ゝ変更した場合のおける結果)を示
す。なお、表1におけるフランジ−ウェブ圧下率差は各
パスの圧延荷重と予め求めておいたミル定数から各パス
の出側厚みを求めて計算し、U2全パスの平均値を示した
ものである。
【0050】
【表1】
【0051】表1より明らかなようにフランジ−ウェブ
圧下率差(U2パスにおける)を2〜5%とした場合にお
いてはウェブ波の発生は全くなく、安定して圧延できる
ことが確認された。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ウエブ高さの拡縮範囲を大幅に拡大でき、効率よく
H形鋼を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するのに用いて好適な設備のレ
イアウトを示した図である。
【図2】フランジ−ウエブ圧下率差と発生段差比率の関
係を示したグラフである。
【図3】ウエブ、フランジ平均圧下率とウエブ段差減少
比率の関係を示したグラフである。
【図4】U1パス圧延後のウエブ厚さとウエブ段差減少比
率の関係を示したグラフである。
【図5】従来の圧延設備のレイアウトを示した図であ
る。
【図6】従来の圧延設備のレイアウトを示した図であ
る。
【図7】素材の断面形状を示した図である。
【図8】粗圧延機による圧延状況を示した図である。
【図9】エッジャ圧延機による圧延状況を示した図であ
る。
【図10】仕上げユニバーサル圧延機による圧延状況を
示した図である。
【図11】素材のウエブの縮小状況の説明図である。
【図12】中心の偏り状況の説明図である。
【図13】フランジ部の座屈状況の説明図である。
【図14】a, bはウエブ波の状況を示した図である。
【図15】aはウエブの大さを解消した状況を、bはウ
エブに段差が形成された状況をそれぞれ示した図であ
る。
【符号の説明】
1 ブレークダウン圧延機 2 第1粗ユニバーサル圧延機 3 第2粗ユニバーサル圧延機 4 エッジャ圧延機 5 仕上げユニバーサル圧延機 6 ブレークダウン圧延機 7 粗ユニバーサル圧延機 8 エッジャ圧延機 9 仕上げユニバーサル圧延機 10 第2粗ユニバーサル圧延機 11 素材 12 固定幅水平ロール 13 垂直ーロール 14 エッジャロール 15 幅可変式の分割水平ロール 16 垂直ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 宏之 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平5−200401(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 11/00 B21B 13/10 B21B 27/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定幅の水平ロールを有する第1粗ユニ
    バーサル圧延機と、 幅可変式の分割型水平ロールを有する第2粗ユニバーサ
    ル圧延機をタンデムに配してなる粗圧延機群と、 幅可変式の分割型水平ロールを有する仕上げユニバーサ
    ル圧延機を配してなる圧延機を用い、 第1粗ユニバーサル圧延機および第2粗ユニバーサル圧
    延機によるタンデムリバース圧延を行うとともに、第2
    粗ユニバーサル圧延機での最終圧延における水平ロール
    のロール幅と仕上げユニバーサル圧延機での圧延におけ
    る水平ロールのロール幅を適宜に調整することにより、
    被圧延材のウエブ内幅を多段階に分けて拡大あるいは縮
    小するH形鋼の圧延において、 前記タンデムリバース圧延につき、第2粗ユニバーサル
    圧延機により2パス連続して圧延した時の被圧延材のフ
    ランジの圧下率をウエブの圧下率より2〜5%だけ大き
    くすることを特徴とするH形鋼の圧延方法。
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