JP5553763B2 - 複合有機エレクトロルミネッセンス材料 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の材料からなるフラッシュ蒸着に適した有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料及びその製造方法に関する。
特許文献1には、真空環境中での物理的蒸着は、例えばOLEDデバイスで用いられているような有機材料の薄膜を堆積させるのに一般に利用されている方法であることが記載されている。しかし、有機材料は、望ましい気化温度又はそれに近い温度に長時間にわたって維持したとき、分解することがしばしばあり、特に、感受性のある有機材料をより高温にすると、粒子構造が変化し、それに伴って材料の性質が変化する可能性があることが指摘されている。
一般的な真空蒸着法は、るつぼと呼ばれる蒸着源の中に有機材料を入れ、真空内で高温に加熱することにより材料を蒸発させ基板上に有機材料を成膜する。このため、るつぼ内にある材料すべてが常時高温加熱されるため材料劣化が促進する。また、真空雰囲気中で蒸発させるため材料の蒸発方向を制御することが難しく、実際に成膜に寄与する材料の利用効率を高めることが課題となっている。
そこで、フラッシュ蒸着法という蒸着手段が注目されている。
特許文献2には、フラッシュ蒸着法を用いた、有機薄膜電界発光素子の有機薄膜を得る方法が開示されている。
フラッシュ蒸着法は、材料を加熱した蒸着源に供給して、急速に蒸発させることにより、基板表面に有機化合物の蒸着薄膜(有機薄膜)を得る方法である。
フラッシュ蒸着は、材料収納容器に保持した有機薄膜用材料を、スクリュー部を通して、300〜600℃に加熱した加熱蒸発部に落下させ、該材料を一気に蒸発させる。蒸発した材料を加熱した加熱導管を経てあらかじめ設置された基板に向けて出力することにより、基板上に有機材料を成膜する。フラッシュ蒸着による加熱は、加熱蒸発部に材料を落下させて行うため、常時材料が加熱されるという問題がない。また、加熱・昇華した材料の進行方向を制御することができるため、材料の成膜への寄与率を高めることができるため注目されている。
有機EL素子は一般的に、発光能のある有機化合物(以下、発光材料という。)を含有する発光層を、一対の電極に挟持したものであり、一方の電極からは電子が注入され、もう一方の電極からは正孔が注入され、注入された電子と正孔が、発光層内で再結合するときに発光が生じる。一般的な有機EL素子は陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極の順に積層されており、発光層、正孔輸送層及び電子輸送層はそれぞれ有機材料を数ナノ〜数十ナノメートルのオーダーの膜厚で成膜することにより形成する。発光層は通常、励起子を形成するホスト材料に少量のドーパント材料(蛍光材料、燐光材料)を混合したものが使用される。
特許文献1には、蒸着材料を高温下に曝す時間が短縮された蒸着装置及び蒸着方法が開示されている。この装置には、開口部を有するマニホールドが設置されており、気化した有機材料をマニホールドに導入した後、その開口部を通して基板に蒸着材料を供給し、堆積する。
特許文献2,3には、フラッシュ蒸着法を用いた有機薄膜電界発光素子の有機薄膜の製造法が開示されている。特許文献2では、メノー乳鉢等でよく混合して得た混合材料を加熱した蒸着源に供給して、急速に蒸発させることにより、基板表面に有機薄膜を形成する方法が開示されている。しかし、この方法では、蒸着源に落下する前に、均一さが損なわれることがある。この場合、フィーダーから落下される各材料の比率が時間とともに変化するため、製造される有機EL素子の均一性が確保できない。
特表2008−519904号公報 US2007/0248753 特開2008−530733号公報
上記問題に鑑み、本発明の目的は、フラッシュ蒸着に適した複数の材料からなる複合有機EL材料及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の複合有機EL材料等が提供される。
1.第一の材料と第二の材料を含む2以上の材料が接着している粒子からなる複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
2.第一の材料が、第二の材料で被覆されている粒子からなる複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
3.前記第一の材料がホスト材料であり、前記第二の材料がドーパント材料である1又は2に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
4.前記第一の材料は、アントラセン誘導体及びナフタセン誘導体からなる群から選択され、前記第二の材料は、芳香族アミン誘導体、ペリフランテン誘導体及びピロメテン誘導体から選択される1〜3のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
5.平均粒径が20〜(540−3σ)μmの粒子である1〜4のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
(ここでσは、前記複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。)
6.平均粒径が20〜(200−3σ)μmの粒子である5に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
(ここでσは、前記複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。)
7.平均粒径が20〜80μmの粒子である1〜4のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
8.粒径10μm以下の粒子の含有量が10重量%以下である1〜7のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料。
9.第一の材料と第二の材料を含む2以上の材料を小粒子化し、
小粒子化した材料を接着して粒子化する、
複合有機エレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
10.第一の材料と第二の材料を小粒子化し、
小粒子化した第一の材料を、小粒子化した第二の材料で被覆する、
複合有機エレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
11.小粒子化により第二の材料の平均粒径を3〜30μmにする10に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
12.被覆をメカノフュージョン法により行う10又は11に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
13.小粒子化した第一の材料を分級して、第一の材料に含まれる粒径10μm以下の粒子を10重量%以下にする9〜12のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
14.1〜8のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス材料を用いる蒸着方法。
本発明によれば、フラッシュ蒸着に適した複数の材料からなる複合有機EL材料及びその製造方法が提供できる。
第一の材料が第二の材料で被覆されている粒子を示す図である。 第一の材料が第二の材料で被覆されている他の粒子を示す図である。 第一の材料が第二の材料で被覆されている他の粒子を示す図である。 第一の材料と第二の材料が接着している他の粒子を示す図である。 第一の材料と第二の材料が接着している他の粒子を示す図である。 第一の材料と第二の材料が接着している他の粒子を示す図である。 本発明の製造方法に用いることのできるメカノフュージョン装置を示す図である。 フラッシュ蒸着装置を示す図である。 図3Aに示すフラッシュ蒸着装置の材料収納容器とスクリュー部を示す図である。 有機EL素子を示す図である。 実施例1で得られた複合有機EL材料の写真である。 実施例2で得られた複合有機EL材料の写真である。 実施例1で得られた複合有機EL材料の粒径分布を表す図である。
(1)複合有機EL材料
本発明の複合有機EL材料(以下、複合材料と略記する場合がある。)は、複数の材料が接着している粒子の集合体である。接着とは1粒子に複数の材料を互いに強固に結合して含むものをいう。また、本発明の複合有機EL材料は、上記の第一の材料が第二の材料で被覆されている粒子の集合体である。被覆とは1粒子に、第1の材料及び第2の材料が、第1の材料を第2の材料により強固に結合して覆っている状態で存在するものをいう。複数の材料は、好ましくは、アントラセン誘導体及びナフタセン誘導体からなる群から選択される第一の材料と、芳香族アミン誘導体、ペリフランテン誘導体及びピロメテン誘導体から選択される第二の材料を含み、これらの化合物以外の化合物も含むことができる。本発明の複合有機EL材料は、第一の材料が、第二の材料だけで被覆されているものも、第二の材料に加えて他の材料と共に被覆されていているものも含む。
尚、本発明の複合有機EL材料は、接着又は被覆されていない第一の材料及び/又は第二の材料の粒子を含んでいてよい。
2つの材料が接着又は被覆している粒子として、例えば、図1Aに示すように第一の材料100の全面を第二の材料101が被覆してもよく、図1Bに示すように第一の材料100の一部の面を第二の材料101が被覆してもよく、図1Cに示すように第一材料100の表面のくぼみに第二の材料101が入りこんで被覆してもよい。また、図1D〜1Fのように第一の材料と第二の材料が全体に混ざり合って互いに接着していてもよい。図1Dでは溶融された粒子の形状を残した第二の材料の複数の粒子が第一の材料の1粒子の中に含まれたものである。図1Eでは第一の材料と第二の材料の複数の微粒子が完全に溶融しないで粒子の形状を残して接着し粒子を形成している。図1Fでは第一の材料と第二の材料が分散した状態で互いに接着して粒子を形成している。
尚、3以上の材料からなる場合、図1A〜1Cでは、第二の材料と他の材料が第一の材料を被覆し、図1D〜1Fでは3以上の材料が混合されて互いに接着している。
本発明の複合有機EL材料は、平均粒径は好ましくは20〜(540−3σ)μm、より好ましくは20〜(200−3σ)μm、特に好ましくは20〜80μmである。ここで、σは、複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。
このような複合材料は、流動性が高く、フラッシュ蒸着装置に用いるときスクリュー部内での材料の詰まりが少ない。
本発明において平均粒径はレーザー回折(Mie散乱理論)法によって測定する。レーザー回折式粒度分布測定装置、マイクロトラック社製MT−3300EXIIを用いることができる。充分な量の複合材料をサンプルとして採取し粒径分布を求める。Mie散乱理論により測定される粒径は、粒子の位置で切った断面の一端から他端の長さである。粒径の小さい方から大きい方へ存在量を積算していき、累積存在量50%となる粒径を平均粒径とする。
図1A〜1Cのように、第一の材料が第二の材料で被覆されるとき、第一の材料は粒子状であり様々な形をとり得る。例えば、略球状、略楕円体、略多面体等の粒子状である。
複数の材料が接着している複合材料又は一方が他方を被覆している複合材料は、両者を単に混合して得た混合材料に比べて、材料間の接着が強い。このため、複合材料をフラッシュ蒸着に用いるとき、昇華までの過程において複合材料が分離し難い。このため、層内における複数の材料の組成比の変動が少ない。
本発明の複合材料を構成する材料として、有機EL素子に使用できる材料を用いることができる。例えば、有機発光材料、正孔輸送・注入材料、電子輸送・注入材料等である。具体的には、有機EL素子を構成する層として、層を構成する複数の材料を均一に混合して用いることができる。
第一の材料を第二の材料で被覆するとき、通常、第一の材料を主成分とし、第二の材料を副成分とする。発光層用の複合材料としては、該層を構成するホスト材料とドーパント材料を、それぞれ第一の材料と第二の材料として用いることが好ましい。この場合、ホスト材料とドーパント材料の配合量は、質量比で99.5:0.5〜70:30の範囲であると、ドーパントの配合効果、例えば、発光効率の向上が得られ、一方、濃度消光が生じる可能性が低いため好ましい。この観点から、より好ましくは95:5〜85:15である。尚、ドーパントを複数用いることができる。
ホスト材料は、発光効率等の点で、好ましくはジアリールアントラセン誘導体又はジアリールナフタセン誘導体、より好ましくはナフチルアントラセン誘導体、特に好ましくは置換基としてポリフェニル基を有するナフチルアントラセン誘導体である。ここで、ポリフェニル基とは、置換されてもよいビフェニル、ターフェニル、クアテルフェニル、キンクフェニルから構成される置換基のことである。
また、ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体が好ましい。縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ナフタセン誘導体、ピレン誘導体、ペンタセン誘導体等が、発光効率や発光寿命の点でさらに好ましい。
また、ホスト材料は、縮合多環芳香族化合物が挙げられる。縮合多環芳香族化合物としては、ナフタレン化合物、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物が挙げられる。
また、ホスト材料は、含ヘテロ環化合物が挙げられる。含ヘテロ環化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ラダー型フラン化合物、ピリミジン誘導体が挙げられる。
ドーパント材料としては、その機能を有するものであれば、特に限定されないが、発光効率等の点で、芳香族アミン誘導体が好ましい。芳香族アミン誘導体としては、置換されてもよいアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体が好ましい。このような化合物として、例えば、アリールアミノ基を有する、ピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンが挙げられる。アリールアミノ基を有するピレン化合物が特に好ましい。
また、ドーパント材料として、スチリルアミン化合物も好ましい。スチリルアミン化合物としては、例えば、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンが挙げられる。ここでスチリルアミンとは、置換されてもよいアリールアミンに少なくとも1つのアリールビニル基が置換されている化合物のことであり、前記アリールビニル基は置換されていてもよく、置換基としてはアリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基、アリールアミノ基があり、これらの置換基にはさらに置換基を保有してもよい。また、ピロメテン誘導体が挙げられる。
また、ドーパント材料として、金属錯体も好ましい。金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体が挙げられる。
ホスト材料及びドーパント材料は、蒸着に適したものとして分子量200〜2000の範囲にあるものが好ましい。さらに分子量200〜1500の範囲にあるものが好ましい。さらに分子量500〜1000の範囲にあるものがより好ましい。
(2)フラッシュ蒸着
本発明の複合材料は、複数の材料が均一に分散していて、かつ互いに強固に結合して分離しにくいので、フラッシュ蒸着装置に使用するのに適している。
フラッシュ蒸着法は、材料を加熱した蒸着源に供給して、急速に蒸発させることにより、基板表面に有機化合物の蒸着薄膜(有機薄膜)を得る方法である。
図3Aにフラッシュ蒸着装置の一例を示す。フラッシュ蒸着装置5において、材料収納容器10内に保持した材料11を、スクリュー部21を介し材料供給部20から加熱蒸発部40へ微量落下させる。加熱蒸発部40は加熱されており落下した材料11を一気に蒸発させる。蒸発した材料は、加熱蒸発部40と加熱蒸気分配部60を接続する加熱導管80を通過し加熱蒸気分配部60に供給される。材料は蒸気のまま加熱蒸気出力部61から、設置台51に設置される基板50へ向けて放出される。放出された蒸気は基板50に堆積し、基板50に材料が成膜する。
フラッシュ蒸着を行う際に使用する加熱蒸発部40には、タングステン線、モリブデン線、タンタル線、レニウム線及びニッケル線等のコニカルバスケット型、石英製、アルミナ製及びグラファイト製等のるつぼ又はタングステン製、タンタル製又はモリブデン製のボート等を使用することができる。フラッシュ蒸着は、通常300〜600℃、好ましくは400〜600℃に加熱した蒸着源に落下させ、複合材料を一気に蒸発させることにより、基板正面へ蒸着する前の複合材料とほぼ同一の組成の蒸着薄膜を作成することができる。フラッシュ蒸着法の蒸着条件は、複合材料の構成成分により異なるが、一般に蒸着源加熱温度300〜600℃、真空度10−5〜10−2Pa、蒸着速度5〜50nm/秒、基板温度−200〜+300℃、膜厚0.005〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
図3Bは材料収納容器10とスクリュー部21を示す。スクリュー部21はスクリュー保持部22とその中にあるスクリュー23からなる。スクリュー23を回転させることにより材料収納容器10内の材料11のうち微量をスクリュー23に保持し、スクリューの回転によって出力口(図示せず)からスクリューに保持された微量の材料を放出落下させる。スクリューはブレード24と溝部25からなり、微量の材料は溝部25及びブレード24とスクリュー保持部22との隙間を通過し出力口まで移動する。装置が起動すると、スクリューが回転し、単位時間あたり略一定の量で材料収納容器10内に保持された材料11が落下を始める(例えば4〜8mg/分)。
有機材料の蒸着成膜は、30cm×40cm〜73cm×92cmのガラス基板、樹脂基板等の基板上に1Å/s〜10Å/s程度の速度で行われることが必要とされる。例えば、40cm×40cmの大きさのガラス基板上に蒸着速度d=10Å/sで成膜する場合、毎秒V=1.6×10−11の体積の材料が蒸着源から供給されることになるので、同程度の量の材料が材料供給部20から断続的に供給される。
特許文献3のフラッシュ蒸着装置においては材料供給部に開口部が形成されており、開口部の大きさと粒子の粒径の関係を粉体工学上考慮する必要がある。また、開口部だけでなく、材料が通過できるスクリュー部の口径との関係を考慮する必要がある。
毎秒あたり一定体積Vの粒子を供給するためには、体積Vを超えるような粒径の粒子は存在できない。存在したとすると、その粒子1個が供給されたときには瞬間的に蒸着速度がdより大きくなり、時間的な膜厚変動の要因となる。従って粒子の粒径には蒸着速度に依存する一定の上限値が存在する。例えば、蒸着速度をd=10Å/sとするときには、粒子の粒径は約5.4×10−4m(540μm)以下の粒子である必要がある。
統計学の正規分布の理論から、複合有機EL材料の粒径分布が正規分布に従うとすると平均粒径の値から粒径分布の標準偏差(σ)の値の三倍の値を加算した値以上の値をもつ粒子は全体の0.26%である。上記で述べた取りうる粒径の最大値をL(=540μm)とすると、Lは平均粒径に少なくとも標準偏差(σ)の値の3倍以上加算した値となる。従って、複合有機EL材料の平均粒径はL−3σ以下であることが望ましい。
本願における複合有機EL材料は、スクリューを円滑に通過し、蒸着装置へ安定的に通過できるため、粒径が所定範囲に十分な粒子量が存在する粒子群であることが求められる。そのため、複合有機EL材料の粒径が正規分布又は類似正規分布に従うことが望ましい。類似正規分布という用語は、粒径分布曲線が正確に正規分布に従わないが、正規分布曲線とほぼ同一に最大頻度を示す一つのピークを中心として左右に急激に減少する分布を意味するが、この用語は、分布曲線の両端のうち少なくとも一端が切断された形を含む反面、二頂の分布のように2つ以上の最大頻度ピークを有する分布を排除する意味で用いられる。ここでいう2つ以上の最大頻度ピークは最大のものから50%以下の値をもつピーク値は含まない。
通常、発光層中のドーパントの含有率としては、0.1モル%〜30モル%程度の値が選択される。ホスト材料とドーパント材料の分子量、比重がそれほど変わらない場合、ホスト材料に対してドーパント材料の体積比は約0.001〜0.3であることが好ましい。従って、ドーパント材料の粒径はホスト材料の粒径の0.1〜0.9程度に小さくなる必要がある。ホスト材料とドーパント材料を別々の供給装置により供給するとき、ドーパント材料の量をホスト材料の0.001〜0.3に制御して供給する必要がある。そのためには蒸着装置のスクリューの材料が通過する部分の口径や材料供給部の開口を小さくし、さらにドーパント材料の粒径をホスト材料よりも小さくする。粒径が小さくなると粒子と装置の間の接触表面積が増し、摩擦力が高くなる。この理由によりスクリュー内部での流動度が低下し、スクリュー部内及び開口部における目詰まりを起こし、かえって量の制御性が損なわれる。
一方、1つの材料供給装置のみで両材料を供給するときには、微小体積の蒸着であるがゆえに、ホスト粒子及びドーパント粒子のスクリューを通過する割合は変化し、蒸着源に供給されるホスト材料とドーパント材料の組成比は常に変化し、成膜された有機EL素子の発光特性に影響を与える程充分にばらつく。またスクリューにより材料が外力を受けるため、粒径の相違から粒径の小さいドーパント粒子はスクリュー部にたまりやすい一方、粒径の大きなホスト粒子はスクリューにより押し出されやすい。従って、所望の比率で平均粒径の異なるホスト材料及びドーパント材料を容器内に入れたとしても材料供給装置から蒸着源に供給される混合材料の組成比を一定に保持する制御を行うことは困難である。
しかしながら、本発明の複合材料は、ホスト材料とドーパント材料が強く付着し共に移動するので、1つの材料供給装置のみで供給しても組成比をほぼ一定にすることができる。また、ドーパント材料のために材料供給装置の開口部を小さくする必要もない。
川北公夫ら著の「粉体工学(基礎編)」(槇書店)によると、粉体の流動性にはその粒度、粒子形状、粒度分布、表面状態等が影響し、口径Dbと粒子径Dpの関係においてDb/Dp>10でも流出量は一様でなく不連続流となる(126〜128頁)。スクリュー部から一定量の材料を出力するためには、粒子径は材料が通過できる装置の管の口径をRとするとおよそR/10より大きいことが望ましい。
毎分1000Å(毎秒1.6nm)で蒸着するには、毎秒一粒子がスクリュー部から出ると考えると、その粒子は540μmの粒径となる。粒径がこれより小さいとしても、出力される材料の体積は同じなので口径(スクリューの材料が通過できる部分の径)は、540μm程度は必要となる。
スクリューの回転数を上げ、材料移動速度を上げれば、口径を小さくできるが、安定的に供給しようとすると、口径はその1ケタの範囲、100μm〜1000μmにする必要がある。
一般的にスクリュー部による口径は100μm〜1000μmであるので、粒子径は10μm以上であることが望ましい。ただし、10μm以下の粒子はあってもよく、その量が少ない方がよい。従って、複合材料中の粒径10μm以下の粒子量は、10体積%以下であることが望ましい。
また、「粉体工学(基礎編)」(槇書店)によると、Db/Dp<5でも流出量は一定しない。このことから粒子径は200μm以下であることが望ましい。ただし、200μm以上の粒子はあってもよく、その量が少ない方がよい。
図3Bのスクリュー部21では、溝部25とスクリュー保持部22の内壁によって形成される空間が口径Rとなる。
材料供給装置が特許文献3に記載されているような微小な開口部を有し、当該開口部が溝部25とスクリュー保持部22の内壁によって形成される空間よりも小さい場合には、粉体の流動度による影響は開口部に依存するため開口部の径を口径Rとする。
粉体の流動度は、力学的な測定方法により測定が可能である。例えばシスメックス社(株)の粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT4により、比エネルギー、内部摩擦角力、付着力等を測定することができる。これらの数値が高いほど流動性が悪いことを示す。ここで、比エネルギーは、粉体を流動させるためエネルギー値であり、内部摩擦角は、加重に比例して変化する粉体のせん断強度であり、付着力とは、粉体を圧縮した時の固まりやすさの指標である。
粉体の流動性が悪いということは、スクリュー部内で材料がつまったり、スクリュー部からの吐出量が一定せず変化しやすくなることを示す。
(3)複合有機EL材料の製造方法
本発明の複合材料は、各材料の小粒子化工程及びその後に行われる接着/被覆工程の順で製造することができる。原料の材料が十分に細かい場合、例えば、後述する平均粒径以下の場合には、小粒子化工程を省くことができる。必要により、接着/被覆工程の前に、小粒子化工程を経た粉体から微粉を除去する分級工程を加入する。
[小粒子化工程]
必要により各材料を小粒子化する。複数の材料を混合した状態で小粒子化してもよいが、好ましくはそれぞれの材料を独立して小粒子化を行う。
小粒子化は、粉砕により行うことが一般的であるが、溶液からの再沈殿等の方法によっても達成できる。
粉砕方法としては、従来知られた方法を採用することができる。例えば、乳鉢を用いて粉砕する。しかしより微細に粉砕するためには粉砕機を使用するのが好ましい。粉砕条件を種々設定することにより、様々な粒径の材料を得ることができる。
第一の材料を第二の材料で被覆するとき、好ましくは第一の材料の平均粒径を20〜80μm、第二の材料の平均粒径を3〜30μmとする。均一な混合材料を得るため、第二の材料の平均粒径は小さい方が好ましい。
[分級工程]
複合有機EL材料に含まれる微粉は、フラッシュ蒸着装置のスクリュー部の目詰まりの原因となる場合がある。このため、第一の材料を第二の材料で接着/被覆するとき、小粒子化後に、微粉を取り除くために第一の材料を分級することが好ましい。分級には、従来知られた方法を採用することができる。例えば、篩又は後記するマルチプレックスを使用して分級する。第二の材料が主成分でないとき、微粉除去は必ずしも必要ではない。また、製造後に、即ち接着工程や被覆工程を経た後に、複合材料全体を分級してもよい。
[接着/被覆工程]
必要により小粒子化して得られた、あるいは小粒子化後に分級して得られた、第一の材料と第二の材料を混合し、接着又は被覆して複合有機EL材料を得る。
下記に例示する方法で接着及び被覆をしても全ての粒子が複合化されている必要はない。本発明の複合有機EL材料には、接着又は被覆されていない第一の材料及び/又は第二の材料の粒子を含んでいてよい。
第一の材料と第二の材料を接着又は被覆する手段は特に限定されず、例えば溶融混合やメカノフュージョン法を用いることができる。
一般に、メカノフュージョン法を用いた場合、図1A〜1Cに示すように第一の材料が第二の材料で被覆される状態となり、溶融混合の場合は、図1D〜1Fに示すように第一の材料と第二の材料が混合して互いに接着した状態となる。
材料の熱劣化を防ぐ観点から、メカノフュージョンの利用が好ましい。
メカノフュージョンは、複数の異なる粒子に強い機械的エネルギーを与えてメカノケミカル的な反応を起こさせて、複合粒子を製造する手法である。ただし、本発明においては複合粒子、例えば被覆粒子が得られれば足り、メカノケミカル反応は必須ではない。メカノフュージョンにおいて、材料同士を機械的に表面にこすりつけて複合化する方法、装置は特に限定されない。
メカノフュージョンによる複合化に用いる装置としては、一方の材料を他方の材料の表面に効率的にこすりつけ接着や被覆が得られるに足る剪断力を与えることができる装置が好ましい。このような装置としては、メカノフュージョン装置、ボールミル、撹拌ミル、遊星ミル、高速回転粉砕機、ジェット粉砕機、剪断ミル、又はローラーミル等が好ましく挙げられる。特にメカノフュージョン装置、ボールミル、剪断ミルが好ましい。
以下、本発明の複合材料を効率的に製造できる、メカノフュージョン装置(図2)ついて説明する。
まず、回転する容器の内壁に遠心力により両粉体を固定させる。これらの粉体は中心軸に固定されたインナーピース2で瞬間的に圧密される。その後、この作用を受けた粉体はスクレーバ3によりかきとられる。これらの動作が高速で繰り返されることにより圧密作用と剪断作用が活用されて粒子複合化がなされる。その結果、メカノフュージョン現象により両粒子が接着してなる凝集体として混合材料が得られる。このようにして形成された混合材料は、従来の方法により形成した混合材料、即ち静電気的引力やファンデルワース力により一体化された凝集体よりも、粒子間の接着力が強い。
メカノフュージョン装置は、図2に示したように、ケーシング1内に原料を投入し、ケーシング1を回転させて、原料をケーシング1内周壁に遠心力で押し付けると共に、インナーピース2とケーシング1との間で剪断力を与え、第一材料の表面に第二材料を付着させる。ケーシング1の内周壁とインナーピース2との間で改質(接着)された原料は、インナーピース2後方に固定されたスクレーバー3で掻き落とされ、再度上記剪断力が与えられる処理が繰り返される。尚、ケーシング1は、摩擦熱による異常昇温を避けるために冷却される。即ち、メカノフュージョンは、回転するケーシング1と固定されたインナーピース2によって粉体粒子に圧縮、剪断、序枠作用を与えることができる。スクレーバー3は、インナーピース2とケーシング1の間で圧縮された粉体をケーシング1から掻き落とすためにある。この装置は、複数の素材粒子に機械的エネルギーを加えて、表面融合、分散・混合、粒径制御を行うことができる。尚、実際の運転では、モーター動力とインナーピース部での粉体粒子の温度を測定して、運転の目安とする。
ここで、上記ケーシング1の回転数、及びケーシング1とインナーピース2との間のクリアランスSは、適宜選択される。AM−15F型メカノフュージョン装置(ホソカワミクロン社製)の場合、回転数は投入する原料によって適宜選択されるが、300〜10,000rpm、特に800〜4,000rpmであることが好ましく、クリアランスは0.1〜10mm、特に0.5〜5mmであることが好ましい。
上記処理、即ち小粒子化、分級、複合化(接着及び被覆)は、非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。この非酸化性雰囲気としては、窒素ガス、アルゴンガス、これらの混合ガスとすることができる。
溶融混合する場合は、例えば、混合材料をフラスコに入れ、フラスコ内の空気を窒素置換し、マントルヒータ等を用いて複数材料のうち最も低い融点を有する材料の融点以上の温度に設定し3〜4時間加熱し攪拌する。この後冷却することにより溶融状態の複合材料を得る。温度は材料の熱分解をおこさないように、できるだけ低い方が好ましい。最も低い融点を有する材料の融点〜融点+20℃であることが好ましい。好ましくは融点+5℃〜融点+15℃であることが好ましい。
ホストの融点がドーパントの融点より低い場合には、ホストの融点より高い温度にすればよい。ドーパントの融点より高い温度まで加熱してもよいし加熱しなくてもよい。
冷却して室温に所定時間置くことにより飴状の固体を得る。これを粉砕することにより粉体を得る。粉砕は乳鉢により手粉砕してもよいし、粉砕機にて粉砕してもよい。
ホストの融点がドーパントの融点より低く、ホストの融点とドーパントの融点の間で加熱した場合には、図1Dのような複合材料が得られる。
ホスト及びドーパントの融点が近い場合等には混合状態がホスト及びドーパントの判別が困難である図1Fのような複合材料が得られる。
また、結晶状態の一部を保持しつつホストの融点付近で加熱した場合には、図1Eのような複合材料が得られる。ホスト及びドーパント材料は、溶融混合に適したものとして融点100〜500℃であることが好ましい。さらに融点200〜300℃であることが好ましい。
溶媒により一部又は両方の材料を溶かして混合する方法もとりうる。例えば、混合材料をフラスコに入れ、溶媒を滴下し攪拌する。この後貧溶媒を滴下することにより複合材料を得る。片方のみを溶かす溶媒を用いてもよいし、両方を溶かす溶媒を用いてもよい。
[複合化の判定]
強固に結合していることは、即ち容易にそれぞれの材料粒子に分離することなく、結合状態を保持することを意味する。従って、複数の材料が接着していることを判定するためには、複合有機EL材料の平均粒径程度の粒径をもつ1粒子を抽出し、その粒子の第1の材料と第2の材料の濃度比が第1の材料及び第2の材料の接着又は被覆工程前の混合比程度であることを確認することにより特定できる。接着又は被覆工程前の混合比程度とは、接着又は被覆工程前の混合比の±10%の範囲にある混合比を意味する。好ましくは混合比の±5%の範囲にある混合比を意味する。平均粒径程度の粒径とは、平均粒径の±10μmの範囲にある粒径を意味する。また、濃度比の測定は、HPLC等により測定することができる。
また、以下の操作を行ってもよい。10個程度の平均粒径程度の粒子を抽出し当該粒子群の濃度を測定する。この操作を3回以上繰り返し接着又は被覆工程前の混合比程度であることを確認することにより特定できる。この特定方法は少量の粒子を精度よく濃度測定できない場合に有効である。
複数の材料が被覆していることを判定するためには、複合有機EL材料の平均粒径程度の粒径をもつ1粒子を抽出し、その粒子を蛍光顕微鏡で観察した際に、1粒子全体の領域のうち、60%以上の領域で第二の材料の発光色が観測されることを意味する。好ましくは80%以上の領域で第二の材料の発光色が観測されることを意味する。蛍光顕微鏡にて写真を画像処理によりそれぞれの材料の発光に対応した色領域において2値化した画像の2種の領域の面積比を算出することにより測定することができる。
(4)有機EL素子
図4は有機EL素子を模式的に示したものである。1は基板であり、通常、ガラス又はプラスチックシート又はフィルムからなる。2は陽極、3は発光層を含む有機薄膜層、4は陰極である。有機EL素子は、陽極2、有機薄膜層3、陰極4からなる。有機薄膜層3において、陽極2と発光層との間に、正孔注入層や正孔輸送層を設けてもよく、陰極4と発光層との間に、電子注入層や電子輸送層を設けてもよい。さらに、必要に応じて、電荷障壁層(正孔障壁層、電子障壁層)等を設けることができる。
まず、基板(図4における1)について説明する。
基板は有機EL素子の支持体となる部材である。基板の材料としては、電気絶縁性の石英やガラスの板、プラスチックシート又はフィルム、金属薄膜等が用いられ、その種類には特に限定されない。また、透明であっても不透明であってもよいが、基板側から光を取り出す場合には、基板は透明であることが好ましい。好ましい透明な基板としては、ガラス、石英、透明プラスチックフィルム等を挙げることができる。
ガラスや石英の表面は、フォトマスクグレードの研磨面であることが好ましい。また、この石英やガラスはアルカリ含有量の少ない高体積抵抗(350℃において10Ωm以上)のものが好ましい。
基板の厚みは0.01〜10mm程度、好ましくは0.1〜5mm程度である。用途によっては、フレキシブルな基板を用いてもよい。
プラスチックシート又はフィルム用の素材の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はこれらの誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ジアクリルフタレート樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びこれらの2つ又は3つ以上の共重合体、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。特に好ましいプラスチックシート又はフィルム用の素材としては、ポリビニルフロライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の透湿度の小さいフッ素系高分子化合物が挙げられる。プラスチックフィルムは単層でもよく、複層構造でもよい。
プラスチックシート又はフィルムを使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機EL素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、プラスチックシート又はフィルム製の基板の上に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
基板としてプラスチックシート又はフィルムを用いることにより、有機ELパネルが可撓性になるとともに、重くて割れやすく、大面積化が難しいという欠点が解消される。
次に、陽極(図4における2)について説明する。
陽極としては、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質として好ましく用いる。このような電極物質の具体例としては、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の金属酸化物、ヨウ化銅等のハロゲン化金属、カーボンブラック又はポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等からなる導電性透明材料が挙げられる。
また、In−ZnO等、非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極は、これらの電極物質から、蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成して作製できる。パターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷、コーティング等湿式製膜法を用いることもできる。陽極の厚みは、光透過率、抵抗等の特性を制御するために、材料によりかなり異なるが、通常500nm以下、好ましくは10〜200nmである。
次に、有機薄膜層(図4における3)について説明する。
有機薄膜層は、陽極と陰極の間に挟持され、例えば、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層のような組み合わせからなる。
有機薄膜層を構成する発光層に含有される発光材料も特に制限されず、ホスト材料又はドーピング材料としては、アントラセン化合物、フェナンスレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、トリフェニレン化合物、クリセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、ペリレン化合物、フタロペリレン化合物、ナフタロペリレン化合物、ナフタセン化合物、ペンタセン化合物、ペリフランテン化合物のような多環芳香族化合物、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ポルフィリン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、クマリン系色素、ピラン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体、希土類系燐光発光性錯体(例えば、Ir錯体)及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子のような高分子材料等が挙げられ、これらは単独でも2種類以上の混合物として用いてもよい。
これらの化合物のうちからホスト材料とドーパント材料を選択する。好ましいホスト材料としては、前記のジアリールアントラセン誘導体やジアリールナフタセン誘導体が挙げられる。また、好ましいドーパント材料としては、前記の芳香族アミン化合物やスチリルアミン化合物を挙げることができる。好ましくはホスト材料を70〜99.5重量%、ドーピング材料を0.5〜30重量%含むようにする。
発光層の厚みは通常、0.5〜500nm、好ましくは0.5〜200nmである。
発光層は、本発明のホスト材料及びドーパント材料からなる複合材料を用いて、フラッシュ蒸着により成膜できる。有機薄膜層には複数の発光層が設けられる場合があるが、それぞれがフラッシュ蒸着により形成されてもよく、一部のみがフラッシュ蒸着により形成されてもよい。
正孔注入層、正孔輸送層、電荷障壁層に用いる材料としては、通常、有機EL素子に使用する材料を用いることができる。具体的には、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー等を挙げることができる。電子輸送層に用いる材料としては、通常、有機EL素子に使用する材料を用いることができる。例えば8−ヒドロキシキノリン又はこの誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はこの誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを挙げることができる。これらの層の厚みや形成方法も、有機EL素子に通常用いられる厚みや方法を採用すればよい。正孔注入層、正孔輸送層、電荷障壁層が複数の材料で構成される場合、本発明の複合有機EL材料を好適に用いることができる。
次に、陰極(図4における4)について説明する。
陰極としては、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質として好ましく用いる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム/弗化リチウム混合物、希土類金属等が挙げられる。例えばこれらの電極材料を、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、有機薄膜層上に薄膜として形成することによって陰極を作製することができる。陰極の膜厚は、材料により異なるが、通常1μm以下、好ましくは1nm〜500nmである。
有機EL素子は電流を流すことによって発光層が発光する素子で、厚みは通常1μm以下である。陽極と陰極の間に、有機EL素子を1個又は複数個狭持してもよい。光は陽極側の面、あるいは陰極側の面から取り出す。図4における陽極2と陰極4の位置が入れ替わっていてもよい。
実施例1
ホスト材料H1(第一の材料)とドーパント材料D1(第二の材料)を92.5:7.5(重量%)で用いた。H1は融点273℃、分子量506のアントラセン誘導体である。また、D1は融点458℃、分子量956のアリールアミノ基を有する縮合芳香族環誘導体を用いた。また、H1の発光の主ピーク波長は422nmであり、D1の発光の主ピーク波長は507nmである。
ホスト材料は粉砕機(機器名:ホソカワミクロン社製ファインインパクトミル「100UPZ」)を用いて13600rpmで粉砕した。ドーパント材料も同じ粉砕機を用いて13600rpmで粉砕した。さらに、ホスト材料についてはマルチプレックス(機器名:ホソカワアルピネ社マルチプレックスジグザグ分級機)を使用して分級して、粒径が10μm以下の粒子をカットした。このときそれぞれの粒子の含有量(重量%)をレーザー回折式粒度分布測定装置、マイクロトラック社製MT−3300EXIIにより測定した。ホスト材料の平均粒径は、34μmであり、ドーパント材料は29.4μmであった。このようにして得られたホスト材料及びドーパント材料を、ホソカワミクロン社製のメカノフュージョン装置により回転数3000rpmで複合化した。
得られた複合有機EL材料粉体の、平均粒径及び粒径10μm以下の粒子の含有量(重量%)をレーザー回折式粒度分布測定装置、マイクロトラック社製MT−3300EXIIにより測定した。測定した分布図を図6に示す。粒径の標準偏差は13.7であった。また、この複合有機EL材料から約1ミリグラムを異なる位置から5サンプル取出し、ドーパントの濃度(ドーパント材料の組成比)をHPLCにより測定し、5サンプル間のドーパント濃度の標準偏差を求めた。結果を表1及び表2に示す。
また、任意抽出した1粒子をHPLCによりドーパント濃度を測定した結果、7.64%、7.57%、7.58%、7.63%、7.67%であった。混合比からの変動は、−1.9%、0.9%、−1.1%、−1.7%、−2.3%であり、±5%以内であった。
得られた複合有機EL材料の写真を図5Aに示す。この写真で茶色の部分がドーパントであり、ホストがドーパントで被覆されているのが分かる。
画像は、ユニオン光学のDZ3に対物レンズZC50を装着して撮影した。CCDは、SONY製3CCDカラービデオカメラ DXC−390を使用して静止画を得た。また、得られた上記複合有機EL材料について、同じ装置を用いて励起フィルタ:420〜490nm、接眼側吸収フィルタ:520nm〜を用いて撮影した。得られた写真を画像処理してホストの発光波長に一致する青領域とドーパントの発光波長に一致する緑領域を2値化した結果、その面積比は青領域:緑領域=17:83であり、80%以上の領域でドーパント材料D1の発光色が観測された。
実施例2
実施例1で用いたホスト材料H1、ドーパント材料D1を92.5:7.5重量%で用いた。フラスコ内にこれら材料を入れ、マントルヒータにて350℃で4〜5時間熱し溶融混合した。その後室温に置き、乳鉢にて粉砕して、有機EL材料を作製した。測定結果を表1に示す。
得られた複合有機EL材料の写真を図5Bに示す。この写真に示される粒子は、図1Fに示されるようにホストとドーパントが分散した状態で存在している。
比較例1
ホスト材料H1(第一の材料)とドーパント材料D1(第二の材料)を92.5:7.5(重量%)で用いた。ホスト材料H1及びドーパント材料D1をそれぞれ粉砕した。いずれも分級は行わなかった。それぞれの平均粒径は、73μm及び10μmとした。これらの材料をメカノフュージョン装置を用いずに混合した。測定結果を表1に示す。
また、得られた上記複合有機EL材料について、同じ装置を用いて励起フィルタ:420〜490nm、接眼側吸収フィルタ:520nm〜を用いて撮影した。得られた写真を画像処理してホストの発光波長に一致する青領域とドーパントの発光波長に一致する緑領域を2値化した結果、その面積比は青領域:緑領域=93:7であり、ドーパント材料D1の発光色の領域は60%未満であった。
ホスト材料H1及びドーパント材料D1をメカノフュージョンにより混合した実施例1及び溶融混合した実施例2はいずれもドーパント濃度のバラツキ(標準偏差)が単に混合した比較例1の混合材料のものよりも小さいのでフラッシュ蒸着においてスクリュー部から出力される複合材料の組成比の時間変化は小さいものと予想できる。さらにメカノフュージョンに比べ溶融混合のドーパント濃度バラツキは小さいので溶融混合の方がフラッシュ蒸着においてスクリュー部から出力される複合材料の組成比の時間変化は小さいものと予想できる。
実施例3
ホスト材料、ドーパント材料として、化合物H2,D2(99:1(重量%))を用いた。H2は融点370℃、分子量684のナフタセン誘導体である。D2は融点310℃、分子量956のペリフランテン誘導体である。
粉砕後、メカノフュージョン装置を用いて回転数3000rpmで混合した。測定結果を表1に示す。
実施例4
メカノフュージョン装置を用いて回転数7000rpmで混合した以外は実施例3と同様に有機EL材料を作製した。測定結果を表1に示す。
比較例2
メカノフュージョン装置を用いず混合した以外は実施例3と同様に有機EL材料を作製した。測定結果を表1に示す。
ホスト材料及びドーパント材料としてH2、D2を使用した場合は、H1、D1を使用した場合と比較して、ドーパント濃度のばらつきはほぼ同程度の傾向を示す。従って、メカノフュージョンを用いて製造した材料は、メカノフュージョンを用いずに製造した材料よりもフラッシュ蒸着においてスクリュー部から出力される複合材料の組成比の時間変化は小さいものと予想できる。また、メカノフュージョン装置の回転数が3000rpmよりも7000rpmの方がホスト及びドーパントの結合力が高くなると考えられ、ドーパント濃度のバラツキも小さい。このためフラッシュ蒸着においてスクリュー部から出力される複合材料の組成比の時間変化はより小さいものと予想できる。しかしながら、H2、D2の混合材料は粉体の粒径が小さいため、流動性に乏しいと考えられる。
実施例5
ホスト材料H1の粉砕後に分級を行わず粒径が10μm以上の粒子をカットしなかった以外は実施例1と同様に有機EL材料を作製した。粒径10μm以下の粒子の含有量(重量%)を測定し、その結果を表2に示した。
複合材料中の10μm以下の粒子の含有量は、実施例1は製造時に分級して5.8体積%としたが、実施例5は分級しないため粒径10μm以下の粒子の含有量が相対的に高い。
また、得られた複合材料の流動度について、シスメックス社の粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT4を用いて、比エネルギー、内部摩擦角、付着力を測定した。結果を表2に示す。
比エネルギーは、粉体を流動させるためエネルギー値であり、10μm以下の粒子量が多い実施例5の方が大きな値を示している。
内部摩擦角は、加重に比例して変化する粉体のせん断強度であり、10μm以下の粒子量が多い実施例5の方が大きな値を示している。
付着力とは、粉体を圧縮した時の固まりやすさの指標であり、10μm以下の粒子量が多い実施例5の方が大きな値を示している。
よって実施例5の複合材料の方が実施例1に比べ流動性が低く、実施例1の方がフラッシュ蒸着におけるスクリュー部から出力される複合材料の時間変化はより小さいものと予想できる。
本発明の複合有機EL材料は、有機EL素子の製造、特に有機EL素子の発光層の製造に用いることができる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献の内容を全てここに援用する。

Claims (16)

  1. 第一の材料と第二の材料を含む2以上の材料が接着している粒子からなり、平均粒径が20〜(540−3σ)μmである複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
    (ここでσは、前記複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。)
  2. 第一の材料が、第二の材料で被覆されている粒子からなり、平均粒径が20〜(540−3σ)μmである複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
    (ここでσは、前記複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。)
  3. 前記第一の材料がホスト材料であり、前記第二の材料がドーパント材料である請求項1又は2に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
  4. 前記第一の材料と前記第二の材料の分子量が200〜2000の範囲である請求項3記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
  5. 前記第一の材料は、アントラセン誘導体及びナフタセン誘導体からなる群から選択され、前記第二の材料は、芳香族アミン誘導体、ペリフランテン誘導体及びピロメテン誘導体から選択される請求項1〜4のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
  6. 平均粒径が20〜(200−3σ)μmである請求項1〜5のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
    (ここでσは、前記複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。)
  7. 平均粒径が20〜80μmである請求項1〜のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
  8. 粒径10μm以下の粒子の含有量が10重量%以下である請求項1〜のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料。
  9. 第一の材料と第二の材料を含む2以上の材料を小粒子化し、
    小粒子化した材料を接着して粒子化する、
    複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の製造方法であって、
    前記複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の平均粒径が20〜(540−3σ)μmである製造方法
    (ここでσは、前記複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。)
  10. 第一の材料と第二の材料を小粒子化し、
    小粒子化した第一の材料を、小粒子化した第二の材料で被覆する、
    複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の製造方法であって、
    前記複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の平均粒径が20〜(540−3σ)μmである製造方法
    (ここでσは、前記複合有機エレクトロルミネッセンス材料の粒子の粒径分布の標準偏差である。)
  11. 小粒子化により第二の材料の平均粒径を3〜30μmにする請求項10に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の製造方法。
  12. 被覆をメカノフュージョン法により行う請求項10又は11に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の製造方法。
  13. 小粒子化した第一の材料を分級して、第一の材料に含まれる粒径10μm以下の粒子を10重量%以下にする請求項12のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の製造方法。
  14. 前記第一の材料がホスト材料であり、前記第二の材料がドーパント材料である請求項13のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の製造方法。
  15. 前記第一の材料と前記第二の材料の分子量が200〜2000の範囲である請求項14に記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料の製造方法。
  16. 請求項1〜のいずれかに記載の複合有機エレクトロルミネッセンス用蒸着材料を用いる蒸着方法。
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