JP2009212238A - 有機電界発光素子およびその製造方法等 - Google Patents

有機電界発光素子およびその製造方法等 Download PDF

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康之 後藤
Mitsuharu Noto
光治 納戸
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泉 柿木
Akihito Uda
明史 宇田
Yukari Matsushio
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Abstract

【課題】発光効率に優れる有機EL素子、および生産性よく製造し得る製造方法を提供する。
【解決手段】電極の間に一層または複数層の有機化合物層を有し、当該有機化合物層は下記一般式(1)(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)に表される有機化合物に酸化亜鉛粒子が分散されている。
Figure 2009212238

【選択図】なし

Description

本発明は有機電界発光素子(以下「有機EL素子」という。)にかかり、更に詳しくは、陽極と陰極との間に一層または複数層の有機化合物層を備える有機EL素子において、少なくとも一層にリン原子を含む有機化合物を主材料とする電子輸送層に酸化亜鉛粒子を分散することにより、低電圧で発光させることができる有機EL素子に関する。
また、本発明は、前記有機EL素子に使用する有機・無機複合半導体材料、及び液状材料に関する。更には、前記有機EL素子の製造方法に関する。
有機半導体材料、または有機半導体材料と有機・無機複合半導体材料を用いた有機半導体素子には、有機EL素子、有機トランジスタ、有機太陽電池などがある。このうち、発光性有機層(以下「発光層」という。)が、陰極と陽極との間に設けられた有機EL素子は、無機電界発光素子に比べて駆動印加電圧を大幅に低下させることができるだけでなく、多彩な発光色の素子が作製可能である。
現在、より高性能な有機EL素子を得るため、陰極と発光層との間や陽極と発光層との間に種々の層を設けるデバイス構造が提案されており、活発な研究が行われている。
このような有機EL素子の一つに、陰極と発光層との間に設けられる電子輸送層や、さらに電子輸送層と陰極との間に設けられる電子注入層を備えたものがあるが、かかる電子輸送層や電子注入層の性能は、デバイス特性に大きく左右するためにその改良が急がれている。
例えば、電子輸送性の有機化合物と、仕事関数の低い金属であるアルカリ金属、アルカリ土類金属(特許文献1)又はアルカリ金属を含む金属化合物(特許文献2)とを共蒸着することにより電子注入層中に金属化合物を混入させ、電子注入層の特性の改善を図る技術が提案されている。
特開平10−270171号公報 特開2005−63910号公報
しかし、特許文献1で用いられるアルカリ金属、アルカリ土類金属は、空気中の水分で水酸化物となって劣化し、また、水に接触すると激しく燃焼する等、非常に取り扱いが難しく、特許文献2で用いられるアルカリ金属を含む化合物も潮解性であり、同様に取り扱いが難しいという課題がある。
また、電子注入層を真空蒸着法により成膜するため、大掛かりな設備を必要とし、2種以上の材料を同時に蒸着する際の蒸着速度の精密な調整が困難であり、生産性に劣るという課題もある。
本発明者等は、アルカリ金属、アルカリ土類金属のような取扱いが難しい金属ではなく、取扱いが容易な金属について研究を重ね、酸化亜鉛に着目し、リン原子を含む有機化合物を主材料とする電子輸送層に酸化亜鉛粒子を分散することにより、有機EL素子を低電圧で駆動できることを見いだし本発明を完成するに至った。
なお、酸化亜鉛は、電子輸送層に添加することに効果があるが、電子輸送層が発光層を兼ねる場合も同様の効果が期待できる。
そこで本発明の目的は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びその化合物を用いず、安定な酸化亜鉛を有機化合物と複合化し、電子注入性および電子輸送性が高い有機・無機複合半導体材料、かかる有機・無機複合半導体材料を溶媒に溶かした液状材料、かかる有機・無機複合半導体材料を用いた発光効率に優れる有機EL素子、かかる有機EL素子を生産性よく製造し得る製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
陽極から注入される正孔と陰極から注入される電子との再結合により発光する有機電界発光素子であって、
上記電極の間に一層または複数層の有機化合物層を有し、当該有機化合物層は下記一般式(1)(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)に表される有機化合物に酸化亜鉛粒子が分散されている一層を有する、有機EL素子である。
Figure 2009212238
本発明は、下記一般式(1)
Figure 2009212238
(式中、Ar、ArおよびAr、は互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)
で表される化合物と酸化亜鉛粒子を有する、有機・無機複合半導体材料である。
本発明は、下記一般式(1)
Figure 2009212238
(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)
で表される化合物と、酸化亜鉛粒子と、溶媒とを含む、有機・無機複合半導体の液状材料である。
本願発明は、陽極から注入される正孔と陰極から注入される電子との再結合により発光する電界発光素子の前記上記電極の間に一層または複数層の有機化合物層を有し、当該有機化合物層の少なくとも一層に、下記一般式(1)(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)に表される有機化合物に酸化亜鉛粒子が分散された、有機EL素子を製造する方法であって、
下記一般式(1)
Figure 2009212238
で表される化合物と、酸化亜鉛と、溶媒とを含む液状材料を調製する第1の工程と、前記液状材料を供給した後、乾燥して前記電子輸送層を形成する第2の工程を有する、有機EL素子の製造方法である。
本発明によれば、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びその化合物を用いず、安定な酸化亜鉛を有機化合物と複合化し、電子注入性および電子輸送性が高い有機・無機複合半導体材料、かかる有機・無機複合半導体材料を溶媒に溶かした液状材料、かかる有機・無機複合半導体材料を用いた発光効率に優れる有機EL素子、かかる有機EL素子を生産性よく製造し得る製造方法を提供できる。
本発明を図に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1、図2は、本発明に係る有機EL素子の実施の形態を模式的に表した説明図である。
図1に示す有機EL素子1は、透明性基板100、陽極101、発光層102、有機化合物に酸化亜鉛粒子が分散された電子輸送層103、陰極104を積層した構造である。
図2に示す有機EL素子2は、透明性基板200、陽極201、単層又は複数層の正孔輸送層(正孔注入層を含むこともできる。)202、発光層203、有機化合物に酸化亜鉛粒子が分散された電子輸送層204、陰極205を積層した構造である。
前記有機EL素子の構造は例示であって、本発明はこれらの構造の有機EL素子に限定されるものではない。従って、正孔阻止層や正孔注入層を有するものを使用することもできる。
基板は、陽極側、陰極側のどちらか一方の外側に付加される。素子内で生成した光を素子外へ取り出すために陽極、陰極のどちらか又は両方が透明である。用いる基板が不透明の場合、基板の反対側の電極は透明である。
下記に有機EL素子の構成要素について更に詳細に説明する。
(透光性基板100、200)
本発明の有機EL素子は、通常、透光性基板上に形成される。透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。
透光性基板の材料は、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英などのガラス、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフィド、ポリスルホンなどポリマーが挙げられる。
その厚さは、少なくとも有機EL素子を支持し得る程度であればよく、例えば0.05〜10mm程度である。
(陽極101、201)
陽極は、正孔を正孔輸送層または発光層に注入する機能を有するものであり、4.5eV以上の仕事関数を有する材料からなるのが好ましい。
陽極の材料は、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、金、銀、白金、銅などが挙げられる。
陽極は、これらの電極材料を用いて、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、スパッタリング法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
発光層からの発光を陽極側から取り出す場合には、陽極の発光に対する透過率は10%より大きくすることが好ましく、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。
陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μmであり、10〜200nmが好ましい。
(陰極104、205)
陰極(背面電極)は、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせた合金等、さらには、前記陽極に用いた材料を挙げることができる。成膜方法は、真空蒸着、スパッタリング法、ゾルゲル法により薄膜に形成したもの等を挙げることができる。
(発光層102、203)
発光層は、(1)電界印加時に陽極または正孔注入層より正孔を注入し、陰極または電子注入層より電子を注入する注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、および(3)電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる発光機能を併せもつ。
但し、正孔の注入され易さと電子の注入され易さに違いがあってもよく、また正孔と電子の移動度で表される輸送能に大小があってもよいが、どちらか一方の電荷を移動することが好ましい。
本発明の有機EL素子は、公知の発光材で形成される発光層が用いられる。
また、発光層は、必要に応じて正孔輸送材料、電子輸送材料、ポリマーバインダーを含有してもよい。
発光層は、公知の発光材料およびドーピング材料を併用することができる。
発光材料としては、例えば、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレンおよび蛍光色素などが挙げられる。
ドーピング材料としては、例えば、りん光発光性の化合物が挙げられ、ホスト材料にカルバゾール環を含む化合物が特に好ましい。
りん光発光性のドーピング材料は、三重項励起子から発光することのできる化合物であり、三重項励起子から発光する限り特に限定されないが、Ir、Ru、Pd、Pt、OsおよびReからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む金属錯体であることが好ましく、ポルフィリン金属錯体およびオルトメタル化金属錯体が特に好ましい。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
ポルフィリン金属錯体としては、ポルフィリン白金錯体が特に好ましい。
オルトメタル化金属錯体を形成する配位子としては種々のものがあり、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体などが特に好ましい。これらの誘導体は必要に応じて置換基を有してもよく、フッ素化物、トリフルオロメチル基を導入したものが、青色系ドーパントとして特に好ましい。さらに補助配位子としてアセチルアセトナート、ピクリン酸などの上記配位子以外の配位子を有していてもよい。
カルバゾール環を含む化合物からなるりん光発光に好適なホストは、その励起状態からりん光発光性の化合物へエネルギー移動が起こる結果、りん光発光性の化合物を発光させる機能を有する化合物である。ホスト化合物としては励起子エネルギーをりん光発光性の化合物にエネルギー移動できる化合物ならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。カルバゾール環以外に任意の複素環などを有していてもよい。
ホスト化合物としては、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェンなどの導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などの高分子化合物などが挙げられ、これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
りん光発光性のドーピング材料の発光層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜70重量%であり、1〜30質量%が特に好ましい。
りん光発光性のドーピング材料の含有量が0.1重量%未満では発光が微弱であり、その含有効果が十分に発揮され難く、70重量%を超える場合には、濃度消光と言われる現象が顕著になり素子性能が低下することがある。
発光層は、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法、インクジェット法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
発光層は、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された薄膜などの分子堆積膜であることが特に好ましい。分子堆積膜は、通常、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違やそれに起因する機能的な相違により区分することができる。
また、発光層は、例えば、特開昭57−51781号公報(文献3)に開示されているような、樹脂などの結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法などにより薄膜化することによっても形成することができる。
発光層の膜厚は、通常5〜100nmであり、7〜80nmが好ましく、10〜60nmがより好ましい。5nm未満では発光層の形成が困難になることがあり、色度の調整が困難になるおそれがあり、60nmを超える場合には駆動電圧が上昇するおそれがある。
(正孔輸送層202)
正孔輸送層(正孔注入層を含むこともでき、その場合は2層を合わせて正孔輸送帯域ということもある)は、発光層への正孔の注入を補助(促進)し、発光領域まで輸送する層であり、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが通常5.5eV以下と小さい材料からなるのが好ましい。また、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、正孔の移動度が、例えば10〜10V/cmの電界印加時に、少なくとも10−4cm/V・秒であるものが好ましい。
このような材料としては、例えば、次のようなものが挙げられる。なお、括弧内は参照の文献を示す。
トリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書)
オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書)
イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報)
ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報)
ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同55−74546号公報)
フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報)
アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書)
アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書)
オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書)
スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報)
フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報)
ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報、同55−52063号公報、同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報、同57−148749号公報、特開平2−311591号公報)
スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同第61−228451号公報、同61−14642号公報、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93455号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報)
シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)
ポリシラン系(特開平2−204996号公報)
アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)
導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー、特開平1−211399号公報)
ポルフィリン化合物(特開昭63−2956965号公報)
芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報、芳香族第三級アミン化合物が特に好ましい)
2個の縮合芳香族環を分子内に有する、例えば、4,4’−ビス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)(米国特許第5,061,569号明細書)
トリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)(特開平4−308688号公報)
P型Si、P型SiCなどの無機化合物
正孔輸送層は、真空蒸着法、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、LB法などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
正孔注入層および正孔輸送層の膜厚は、通常、5nm〜5μmである。
(電子輸送層103、204)
前記したように、本発明者は、リン原子を含む有機化合物を主材料とする電子輸送層において、その電子輸送特性と、これを用いて作製した有機EL素子の特性の向上を図るべく鋭意検討を重ねた。その結果、下記一般式(1)
Figure 2009212238
(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。)
で表される化合物を主材料とする電子輸送層中に、酸化亜鉛粒子を混入することにより、有機EL素子の発光特性(発光輝度の上昇、駆動電圧の低下、発光効率の向上等)の向上を図り得ることを見出したのである。
この発光輝度の上昇および駆動電圧の低下は、次のような要因により生じるものであると推察される。即ち、酸化亜鉛は、一般式(1)の中で一部が凝集し電子を流す伝導体として働いている。さらに、一般式(1)で表される化合物は電子輸送性をもち、発光層へと電子を注入する働きをしていると推察される。
なお、この推察が仮に正鵠を得ていないとしても本発明の完成或いは本発明に基づく特許権の内容に些かも影響を与えるものではない。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、電子輸送層を、下記一般式(1)
Figure 2009212238
(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。)
で表される化合物と、酸化亜鉛粒子を含む材料を主材料として構成したことに特徴を有する。
一般式(1)で表される化合物は、リン原子及び酸素原子を有しているため、酸化亜鉛粒子の表面に結合でき酸化亜鉛粒子との相互作用を高めることができ、さらに界面活性剤としても働き、分散性の向上に寄与され長期的に安定な薄膜を形成できる。
ここで、一般式(1)中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。
芳香族環基の炭素数は、特に限定されないが、2〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましい。具体的には、ベンゼン環(フェニル基)などの単環式の芳香族炭化水素基、チオフェン環、トリアジン環、フラン環、ピラジン環、ピリジン環、チアゾール環、イミダゾール環、ピリミジン環などの単環式の複素環基、ナフタレン環、アントラセン環などの縮合多環式の芳香族炭化水素基、チエノ[3,2−b]フラン環などの縮合多環式の複素環基、ビフェニル環、ターフェニル環などの環集合式の芳香族炭化水素基、ビチオフェン環、ビフラン環などの環集合式の複素環基、アクリジン環、イソキノリン環、インドール環、カルバゾール環、カルボリン環、キノリン環、ジベンゾフラン環、シンノリン環、チオナフテン環、1,10−フェナントロリン環、フェノチアジン環、プリン環、ベンゾフラン環、シロール環などの芳香族環と複素環との組み合わせからなるものが挙げられる。これらのうち、特にベンゼン環(フェニル基)が好ましい。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができ、発光効率、耐久性および寿命に優れた、電子注入性および電子輸送性に優れた有機EL素子を提供することができる。
かかる芳香族環基に結合し得る置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基、ジアリールホスフィニル基、アルコキシ基または下記一般式(2)
Figure 2009212238
(式中、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有してもよい芳香族環基を示す。)
で表される基などが挙げられる。
これらの置換基のうち、一般式(2)で表される化合物が好ましい。これにより、発光効率、耐久性および寿命に優れた、電子注入性および電子輸送性に優れた電界発光素子を提供することができる。
アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。また、当該置換基が結合するベンゼン環の炭素原子と共に互いに一緒になって置換または無置換の芳香環を形成することもできる。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができる。なお、当該芳香環が置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基およびジアリールホスフィニル基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基が挙げられ、これらは無置換でも置換されていてもよい。なお、置換されている場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基およびジアリールホスフィニル基などが挙げられる。
ジアリールホスフィニル基のアリールは、前記アリール基と同様である。
アルコキシル基の炭素数は、特に限定されないが、1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができる。
一般式(2)中のArおよびArの芳香族環基、芳香族環基に置換し得る置換基は、前記Ar、ArおよびArで説明した基と同様であるが、特に、フェニル基が好ましい。これにより、一般式(1)で表される化合物の構造をより安定にすることができ、発光効率、耐久性および寿命に優れた、電子注入性および電子輸送性に優れた有機EL素子を提供することができる。
以上説明した、一般式(1)で表される化合物のAr、ArおよびAr芳香族環基およびそれに置換し得る置換基を組み合わせ、一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。なお、以下の具体例はあくまでも代表的なものであり、特にこれらに限定されるものではない。
(I):一般式(2)で表される置換基を1つ有する化合物
Figure 2009212238
(II):一般式(2)で表される置換基を2つ有する化合物
Figure 2009212238
Figure 2009212238
Figure 2009212238
(III):一般式(2)で表される置換基を3つ有する化合物
Figure 2009212238
Figure 2009212238
Figure 2009212238
一般式(1)で表される化合物の含有量は、電子輸送層の構成材料に対して、10〜90wt%であることが好ましい。さらに、膜質及び駆動電圧の観点から30〜80wt%であることが好ましい。
なお、一般式(1)で表される化合物は、公知の方法、例えば、WO2005/104628に記載された方法により合成することができる。
一方、酸化亜鉛の調整方法は、気相成長法(CVD法、PVD法、蒸発法等)、液相法(ゾルゲル法、アルコキシド法等)、個相法(粉砕法等)等の既知の方法を用い合成された、粉体またはゾルが使用できる。ここで、粉体またはゾル中の酸化亜鉛の粒子は、0.1〜100nmのものが用いることができ、さらに好ましくは、1〜50nmのものが用いることができる。酸化亜鉛粒子が、1nm以下のものは化学的に不安定であり素子の安定性の点で好ましくなく、50nmを超えると薄膜の平滑性が悪くなり電極同士が接触しやすくなり好ましくない。
電子輸送層103、204は、一般式(1)で表される化合物と酸化亜鉛粒子を主材料としていることが好ましく、電子輸送層の構成材料に対して当該材料を31〜100wt%含んでいることがより好ましく、50〜100wt%含んでいることが最も好ましい。これにより、電子注入性および電子輸送性が向上し、発光効率および耐久性に優れる有機EL素子を得ることができる。
電子輸送層103、204を構成する一般式(1)で表される化合物と酸化亜鉛粒子とを含む材料は、電子注入性、電子輸送性が高く、耐久性および寿命に優れるため、各種デバイスの半導体材料としても有機・無機複合半導体材料としても用いることができる。
また、これら有機・無機複合材料に溶媒を含ませることにより、各種液状材料としても用いることができる。かかる溶媒としては、電界発光素子に用いた場合に発光層102、203を膨潤または溶解し難いものが好ましい。これにより、発光材料の変質・劣化や、発光層102、203が溶解し、膜厚が極端に減少することを防止することができる。その結果、有機EL素子の発光効率の低下を防止することができる。
また、金属化合物を容易に溶解して金属イオンを解離するものが好ましい。具体的には、プロトン性極性溶媒を用いるのが好適である。プロトン性極性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の単価アルコール、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールのようなアルコール類、酢酸、ギ酸、(メタ)アクリル酸のようなカルボン酸類、エチレンジアミン、ジエチルアミンのようなアミン類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類、フェノール、p−ブチルフェノールのようなフェノール類、アセチルアセトン、マロン酸ジエチルのような活性メチレン化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、界面活性剤を添加することにより酸化亜鉛粒子の溶媒への分散性を向上できる。界面活性剤は、200℃以下の沸点を持つものであれば、特にこだわらないが、例えば、直鎖及び分岐の炭素数1〜8の第1級アミン、直鎖及び分岐の炭素数2〜10の第2級アミン、直鎖及び分岐の炭素数3〜12の第3級アミン等が使用することができる。特に溶解性の点で、第1級アミンが好ましく、その中でも沸点の点でn−プロピルアミン、n−ブチルアミン等が好ましい。
界面活性剤の添加量は、溶媒に対し0.1〜10vol%が用いることができる。さらに好ましくは、0.5%〜5vol%である。
このような有機・無機複合膜は、陰極上または、発光層上に以下の方法により形成され電界発光素子に用いられる。
(a)第1の工程
まず、前記したような一般式(1)で表される化合物と酸化亜鉛粒子とを含有する、有機・無機複合半導体を含む液状材料(液状材料)を調製する。
これは、一般式(1)で表される化合物と、酸化亜鉛粉末を溶媒に混合または分散し調整する。ここで、酸化亜鉛粒子の分散性が悪い場合(溶液が白濁する)は、前述した界面活性剤を使用し分散することも可能である。また、酸化亜鉛は、ゾルに含まれる溶媒は、以下で記述する溶媒が使用可能で、さらに上述の界面活性剤も使用できる。
電子輸送層103、204中の酸化亜鉛粒子の含有量は、電子輸送層103、204の構成材料に対して10〜90wt%であることが好ましい。膜質及び駆動電圧の点から、さらに好ましくは20〜70wt%である。
有機・無機複合半導体材料を含む液状材料の調製に用いる溶媒としては、電極上に電子輸送材料として有機・無機複合半導体層を形成する場合は、特に限定しない。しかしながら、発光層102、203上に電子輸送材料として有機・無機複合半導体層を形成する場合は、発光層102、203を膨潤または溶解し難いものが好ましい。これにより、発光材料の変質・劣化や、発光層102、203が溶解し、膜厚が極端に減少することを防止することができる。その結果、有機EL素子の発光効率の低下を防止することができる。
以上のことを考慮した場合、溶媒には、プロトン性極性溶媒を用いるのが好適である。これにより、発光効率の低下を防止することができ、有機EL素子を生産性よく製造することができる。
プロトン性極性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の単価アルコール、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールのようなアルコール類、酢酸、ギ酸、(メタ)アクリル酸のようなカルボン酸類、エチレンジアミン、ジエチルアミンのようなアミン類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド類、フェノール、p−ブチルフェノールのようなフェノール類、アセチルアセトン、マロン酸ジエチルのような活性メチレン化合物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、アルコール類としては、炭素数が1〜7(好ましくは炭素数1〜4)の単価アルコールが成膜後の乾燥及び膜質の平滑性の点で好ましい。
(b)第2の工程
次に、調製した有機・無機複合半導体材料を含む液状材料を陰極又は有機発光層102、203上に供給した後、乾燥(脱溶媒)する。これにより、有機・無機複合半導体材料で構成される電子輸送層103、204が得られる。有機・無機複合半導体材料を含む液状材料の供給方法および乾燥の方法は、前記正孔輸送層202の形成で説明したのと同様である。
以上のような製造方法によれば、有機層(正孔輸送層202、発光層102、203、電子輸送層103、204)の形成や、金属微粒子インクを使用する場合は電極の形成においても、真空装置等の大掛かりな設備を要しないため、有機EL素子の製造時間および製造コストの削減を図ることができる。また、インクジェット法(液滴吐出法)を適用することで、大面積の素子の作製や多色の塗り分けが容易となる。
なお、本実施の形態では、正孔輸送層202および有機発光層102、203を液相プロセスにより製造することとして説明したが、本発明では、用いる正孔輸送材料および発光材料の種類に応じて、これらの層を、例えば、真空蒸着法等の気相プロセスにより形成するようにしてもよい。
以上、本発明の有機・無機複合半導体材料、液状材料、有機EL素子、有機EL素子の製造方法、発光装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、本発明の有機EL素子には、各層同士の間の少なくとも1つに、任意の目的の層を1層以上設けることもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.酸化亜鉛粒子の製造方法
酸化亜鉛粒子は、文献(C. Pacholski, A. Kornowski, H. Weller, Angrew. Chem., Int. Ed., 2002, 41, 1188)をもとに合成した。合成方法は、以下のように実施した。
酢酸亜鉛・2水和物0.588gをメタノール25mlに溶解し、60℃に加熱する。次に、別容器に水酸化カリウム0.278gをメタノール13mlに溶かし、酢酸亜鉛メタノール溶液に投入する。2時間半〜3時間60℃で攪拌する。生成した沈殿を遠心分離(3000rpm、5分間)し、上澄みを捨てる。その沈殿を2回メタノールで洗浄し酸化亜鉛粒子を得た。この粒子の粒径は、前述のE. A. Meulenkamp論文記載の吸収スペクトル吸収端による測定方法により求めることができる。よって、合成した酸化亜鉛粒子をクロロホルムに分散し、吸収スペクトルを測定した。その結果、酸化亜鉛粒子の粒径は、約4nmであった。
2.有機・無機複合膜作製
クロロホルム溶液より作製
1.で作製した酸化亜鉛粒子20mg、を下記図に示す有機化合物(TPPO-Burst)28mgをクロロホルム2mlに溶解し、石英基板上にスピンコートし透明な薄膜が得られた。この薄膜の吸収スペクトルを測定したところTPPO-Burstの吸収ピーク及び酸化亜鉛の吸収パターンが見られ有機・無機複合膜が作製できたことを確認した。
Figure 2009212238
1−ブタノール溶液より作製
1.で作製した酸化亜鉛粒子20mg、上記図示す有機化合物(TPPO-Burst)20mgを1−ブタノール2mlに溶解したところ白濁した。よって、n−ブチルアミンを1−ブタノールに対し1%添加したところ透明な溶液が得られた。この溶液を用い石英基板上にスピンコートしたところ透明な薄膜が得られた。
この薄膜の吸収スペクトルを測定したところTPPO-Burstの吸収ピーク及び酸化亜鉛の吸収パターンが見られ有機・無機複合膜が作製できたことを確認した。
3.有機EL素子の製造
(実施例1)
(1) まず、平均厚さ0.7mmの透明なガラス基板を用意した。
(2) 次に、この基板上に、スパッタ法により、平均厚さ80nmのITO電極(陽極)を形成した。そして、基板をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した。
(3) 次に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)の水分散液を、ITO電極上に、スピンコート法により塗布した後、200℃に加熱したホットプレート上で、大気圧下にて10分間乾燥した。これにより、平均厚さ60nmの正孔輸送層を形成した。
(4) 次に、PPV系黄色発光ポリマーPDY−132(メルク社製)、トルエン溶液を、正孔輸送層上に、スピンコート法により塗布した後、乾燥した。これにより、平均厚さ80nmの有機発光層を形成した。
(5) 電子輸送材料は、上記で得られた1-ブタノール溶液を用いスピンコート法により塗布した後、130℃に加熱したホットプレート上で、窒素雰囲気下にて10分間乾燥した。これにより、平均厚さ90nmの電子輸送層を形成した。
(6) 次に、電子輸送層上に、真空蒸着法により、平均厚さ200nmのAl電極(陰極)を形成した。
(実施例2)
実施例1の条件に変え酸化亜鉛ナノ粒子以外の条件は同じにし酸化亜鉛の添加量を40mgに変更し、素子作製を行った。
(比較例1)
前記工程(5)において、電子輸送層を形成する工程を省略した以外は、前記実施例1と同様にして、電界発光素子を製造した。
4.発光効率の評価
各実施例および各比較例で製造した電界発光素子に対して、それぞれ、陽極と陰極との間に直流電源より8Vの電圧を印加し、このときの電流値[mA/cm]および輝度[cd/m]を測定した。そして、これらの値から、発光効率[cd/A]を求めた。
5.耐久性の評価
各実施例および各比較例で製造した有機発光素子に対して、それぞれ、陽極と陰極との
間に直流電源より電圧を印加し、初期輝度100cd/mの定電流駆動を行った。そし
て、輝度が初期の半分になる期間(半減期) を求めた。
表1に示すように、各実施例で製造した電界発光素子は、いずれも、発光効率および耐久性に優れるものであった。
これに対して、各比較例で製造した電界発光素子は、いずれも、本発明の電界発光素子の発光効率および耐久性に劣るものであった。
Figure 2009212238
なお、表1には、各評価結果について、それぞれ、実施例1及び2は、比較例1および2を「1」としたときの相対値として示した。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
本発明に係る有機EL素子の実施の形態を模式的に表した説明図である。 本発明に係る有機EL素子の実施の形態を模式的に表した説明図である。
符号の説明
1 有機EL素子
100 透明性基板
101 陽極
102 発光層
103 有機化合物に酸化亜鉛が分散された電子輸送層
104 陰極
2 有機EL素子
200 透明性基板
201 陽極
202 正孔輸送層
203 発光層
204 有機化合物に酸化亜鉛が分散された電子輸送層
205 陰極

Claims (4)

  1. 陽極から注入される正孔と陰極から注入される電子との再結合により発光する有機電界発光素子であって、
    前記電極の間に一層または複数層の有機化合物層を有し、当該有機化合物層は下記一般式(1)(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)に表される有機化合物に酸化亜鉛粒子が分散されている一層を有する、有機電界発光素子。
    Figure 2009212238
  2. 下記一般式(1)
    Figure 2009212238
    (式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)
    で表される化合物と酸化亜鉛粒子を有する、有機・無機複合半導体材料。
  3. 下記一般式(1)
    Figure 2009212238
    (式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)
    で表される化合物と、酸化亜鉛粒子と、溶媒とを含む、有機・無機複合半導体の液状材料。
  4. 陽極から注入される正孔と陰極から注入される電子との再結合により発光する電界発光素子の前記電極の間に一層または複数層の有機化合物層を有し、当該有機化合物層の少なくとも一層に、下記一般式(1)(式中、Ar、ArおよびArは、互いに独立して置換基を有しても良い芳香族環基を示す。)に表される有機化合物に酸化亜鉛粒子が分散された、電界発光素子を製造する方法であって、
    下記一般式(1)
    Figure 2009212238
    で表される化合物と、酸化亜鉛と、溶媒とを含む液状材料を調製する第1の工程と、
    前記液状材料を供給した後、乾燥して前記電子輸送層を形成する第2の工程を有する、有機電界発光素子の製造方法。
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