JPH09224664A - ポリウレタンエステラーゼの精製方法及びエステル系ポリウレタンの分解方法 - Google Patents

ポリウレタンエステラーゼの精製方法及びエステル系ポリウレタンの分解方法

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JPH09224664A
JPH09224664A JP8035878A JP3587896A JPH09224664A JP H09224664 A JPH09224664 A JP H09224664A JP 8035878 A JP8035878 A JP 8035878A JP 3587896 A JP3587896 A JP 3587896A JP H09224664 A JPH09224664 A JP H09224664A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コマモナス・アシドボランス(Comamo
nas acidovorans) TB−35株から
得られるポリウレタンエステラーゼの精製方法を確立
し、その精製エステラーゼによるエステル系ポリウレタ
ンの分解方法を提供する。 【解決手段】 コマモナス・アシドボランス(Coma
monas acidovorans) TB−35株
又はTB−35株と同等の菌学的な性質を有するコマモ
ナス・アシドボランスの培養液を遠心分離した上清に界
面活性剤を加えて、菌体表面の成分を抽出する工程と、
この抽出液に疎水クロマトグラフィー用担体を加えて、
該担体に吸着した画分を疎水クロマトグラフィー用担体
の吸着画分として集める工程と、該吸着画分に陰イオン
交換体を加えて、該陰イオン交換体非吸着の画分を集め
て精製ポリウレタンエステラーゼを得る工程によって、
ポリウレタンエステラーゼを精製する。また、得られた
ポリウレタンエステラーゼを用いて、至適pHを6〜
7. 5に保った溶液中でポリウレタンを分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微生物由来の酵素
による、エステル系ポリウレタンの分解処理に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは、四輪自動車や二輪自動
車のシートクッション、衣類の繊維、靴のクッション、
接着剤、及び塗料など様々な製品に用いられている。し
かし、ポリウレタンは、熱硬化性樹脂であり、リサイク
ルが困難である。ポリウレタンの処分には、以下の方法
が挙げられる。
【0003】最も一般的な処分方法として、使用済みの
ポリウレタンや製造工程で生じるポリウレタン片をその
まま埋め立てて処分する埋め立て処理が知られている。
化学的分解処理は、熱分解により、ガス、石油に分解し
たり、グリコール分解により、原料のポリオールを再生
する方法である。焼却処理は、ゴミとして炉で消却する
ものである。ポリウレタンを微生物によって分解して処
理する方法は、基礎技術の段階であり、まだ実用化して
いない。
【0004】ポリウレタンに微生物分解法を用いる場
合、エーテル系ポリオールを原料とするポリウレタン
は、微生物に耐性があり、分解が困難である。これに対
し、エステル系ポリオールを原料としたエステル系ポリ
ウレタンは、微生物の産生する酵素により分解されるこ
とが報告されている。例えば、Tokiwa,Y.et
al:Agric.Biol.Chem.,52,p1
937(1988)には、エステル系ポリウレタンがク
モノスカビ(Rhizopus arrhizus及び
R.delemar)のリパーゼによって加水分解され
ることが記載されている。また、Toshiaki N
akajima−Kambe et al.:FEMS
Microbiology Letters,12
9,39−42(1995)には、土壌から分離した細
菌であるコマモナス・アシドボランス TB−35株
(Comamonas acidovorans TB
−35)がエステル系ポリウレタンを分解し、アジピン
酸とエチレングリコールを産することが記載されてい
る。
【0005】コマモナス・アシドボランス TB−35
株によるエステル系ポリウレタンの分解方法は次のよう
に行われる。まず、ポリエチレングリコールアジペート
と2,4−トリレンジイソシアネートから合成されたポ
リウレタンとともに、上記菌株を液体培地中で培養し
た。分解の代謝産物は、主に、ジエチレングリコールで
あった。
【0006】ポリウレタン分解酵素の精製については、
カビ由来の酵素はいくつか報告があるが、細菌由来の酵
素の完全精製の例はない。特願平8−9674号には、
TB−35株の菌体表面に付着しているエステラーゼが
エステル系ポリウレタン分解活性を有すること、及びこ
のエステラーゼ粗酵素液の調整方法及び粗酵素液を用い
たエステル系ポリウレタンの分解方法が開示されてい
る。
【0007】このエステラーゼ粗酵素液の調整法は次に
述べる通りである。まず、コマモナス・アシドボランス
TB−35株をエステル系ポリウレタンを炭素源とし
た培地で培養し、その培養液を遠心分離して、上清と菌
体に分離する。分離した菌体をコール酸ナトリウム溶
液、デオキシコール酸ナトリウム溶液、ドデシル硫酸ナ
トリウム溶液から選ばれる界面活性剤によって処理し
て、該菌体からエステラーゼを遊離させ、該エステラー
ゼを含有する溶液を限外濾過で濃縮すると共に界面活性
剤を除去し、ポリウレタンエステラーゼの粗酵素液を得
る。
【0008】上記の方法によって粗精製したエステラー
ゼをエステル系ポリウレタンに対して、1. 9〜18
8. 0mU添加してポリウレタンを分解する。
【0009】細菌の産生する一般的な酵素の精製方法を
以下に述べる。磨砕、自家分解、超音波処理、圧力の急
激な変化、酵素による分解、自己消化などにより、緩衝
液中で菌体を壊す。この際、細胞膜など緩衝液に不溶性
の構造と結びついているものは、さらに種々の界面活性
剤や希薄な酸、アルカリ、アルコール等で抽出する。得
られた粗抽出液をカラムクロマトグラフィー(イオン交
換、ゲル濾過、アフィニティー、疎水など)、透析、限
外濾過、電気泳動、硫酸アンモニウムや硫酸マグネシウ
ムなどによる分別塩析、アルコール、アセトンなどのよ
る分別沈殿の過程を経て濃縮精製する。酵素は、最終的
に、分別塩析や分別沈殿法により結晶状態で得られるも
のが多い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ポリウレタンは、スポ
ンジ、クッションなどに使用される、密度の低い樹脂で
ある。ポリウレタンの処分に関していえば、埋め立てに
よるポリウレタンの処理では、地盤が固まらず、安定し
ない。また、重量の割にかさばるため、輸送効率が悪
い。さらに、ポリウレタンは、微生物により分解されに
くく、腐らないため、埋め立て処理場に占める割合が高
く、処理場不足の原因となっている。
【0011】化学的分解処理は、グリコール分解によっ
て、原料のポリオールを再生できるという利点がある
が、処分するポリウレタンの品質にばらつきがあるた
め、分解産物の品質が安定しない。さらに、処理にかか
る費用や手間が莫大であるため採算が合わないという欠
点がある。
【0012】焼却処理は、旧来の炉では、ポリウレタン
の焼却の際に発生する高温に耐えることができない。ま
た、四輪自動車や二輪自動車のシートクッションに使用
されるホットキュア製ポリウレタンには、29%の塩素
を含む縮合リン酸エステルが難燃剤として用いられてい
るため、ポリウレタンを焼却する際に、塩素ガスが発生
し、炉を腐食させる。さらに、焼却時に二酸化炭素や有
毒ガスが発生し、大気環境を汚染する。
【0013】微生物を接種してポリウレタンを分解する
方法では、保存菌株の変異や雑菌による汚染のため分解
が困難となる。また、特願平8−9674号の方法によ
って得られる粗精製エステラーゼは、不純物を多く含む
ため、比活性が小さく、反応効率が良くない。また、酵
素作用の分子的機構及び反応機構を明らかにするために
は、完全精製された酵素を要する。
【0014】細菌から一般的に酵素を精製する方法に関
していえば、精製するためには、数回にわたってカラム
クロマトグラフィーにかける必要があるので、高価なク
ロマト機器及びカラム、高価な薬品を必要とし、精製す
るまでに時間がかかる。また、エタノール、アセトン及
びジメチルスルホキシドなどの有機溶剤を用いると、エ
ステル系ポリウレタンエステラーゼは、失活してしま
う。特願平8−9674号の方法では、エステラーゼを
粗精製するのに界面活性剤としてコール酸ナトリウムな
どを用いたが、抽出に2%以上の高濃度を必要とし、そ
の後の精製が困難であった。
【0015】したがって、将来的にコマモナス・アシド
ボランス TB−35株から得られるポリウレタンエス
テラーゼを用いて、ポリウレタンの大量処理を行うため
には、エステラーゼの精製方法を確立し、その精製エス
テラーゼによるエステル系ポリウレタンの分解方法を明
らかにする必要がある。
【0016】したがって、本発明は、コマモナス・アシ
ドボランス TB−35株又は菌学的に同等なコマモナ
ス・アシドボランスからポリウレタンエステラーゼを精
製することを目的とする。さらに、得られたポリウレタ
ンエステラーゼを用いて、効率よくポリウレタンを分解
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、エステル系ポ
リウレタンエステラーゼの精製方法において、コマモナ
ス・アシドボランス TB−35株又はTB−35株と
同等の菌学的な性質を有するコマモナス・アシドボラン
スの培養液を遠心分離した上清に界面活性剤を加えて、
菌体表面の成分を抽出する工程と、この抽出液に疎水ク
ロマトグラフィー用担体を加えて、該担体に吸着した画
分を疎水クロマトグラフィー用担体の吸着画分として集
める工程と、該吸着画分に陰イオン交換体を加えて、該
陰イオン交換体非吸着の画分を集めて精製ポリウレタン
エステラーゼを得る工程とを含むポリウレタンエステラ
ーゼの精製方法を提供する。
【0018】この精製方法では、さらに上記陰イオン交
換体非吸着の画分をSDS−ポリアクリルアミド電気泳
動して、約62,000の分子量のバンドを切り出して
も良い。また、さらに上記陰イオン交換体非吸着の画分
をゲル濾過カラムクロマトグラフィーに供し、約62,
000の分子量のピークを集めても良い。上記界面活性
剤は、デオキシBIGCHAP又はn−ドデシル−β−
D−マルトシドが望ましい。さらに本発明は、上記の方
法によって得られたポリウレタンエステラーゼを用い
て、pHを6〜7. 5に保った溶液中でポリウレタンを
分解するポリウレタンの分解方法を提供する。
【0019】本発明のエステラーゼの精製方法によれ
ば、比活性の高いエステル系ポリウレタンエステラーゼ
を従来法に比べて簡便、迅速に、かつ安価に得ることが
でき、ポリウレタンエステラーゼを完全精製することが
できる。また、本発明の精製エステラーゼを用いたエス
テル系ポリウレタンの分解法によれば、酵素活性の高い
状態を保ったまま、ポリウレタンの分解を進めることが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(細菌の性質)本発明におけるエステル系ポリウレタン
とは、ポリオールとしてポリエステルを用いたポリウレ
タンをいう。本発明で用いるコマモナス・アシドボラン
ス(Comamonas acidvorans)TB
−35株(FERM P−15381)は、茨城県つく
ば市内の土壌から分離した細菌であり、ポリウレタンを
分解することが知られている。本発明は、コマモナス・
アシドボランス TB−35株又はTB−35株と同等
の菌学的な性質を有するコマモナス・アシドボランスを
用いてエステル系ポリウレタンエステラーゼを精製する
ことができる。
【0021】コマモナス・アシドボランス TB−35
株の菌学的性質としては、以下のことが知られている。
すなわち、細胞形態は桿菌で、グラム陰性細菌である。
嫌気性の呼吸を行い、運動性を持つ。オキシダーゼ、カ
タラーゼ、硝酸塩還元に関しては陽性。インドール形
成、アルギニンジヒドロラーゼ、ウレアーゼ、β−ガラ
クトシダーゼに関しては陰性。フルクトースO−Fから
の酸は陽性。エスクリン及びゲラチンの加水分解は陰
性。トゥイーン80の加水分解は陽性。マンニトール利
用性、グルコン酸塩利用性、アジピン酸塩利用性、リン
ゴ酸塩利用性、クエン酸塩利用性、及び酢酸塩利用性に
関しては陽性。グルコース利用性、アラビノース利用
性、マンノース利用性、マルトース利用性、カプリン酸
塩利用性、フェニル酢酸塩利用性、N−アセチルグルコ
サミン利用性に関しては陰性。キノン型はユビキノン
(Q−8)であり、G+Cのモル%は68. 8%であ
る。
【0022】(培養)本発明のエステル系ポリウレタン
エステラーゼの精製方法では、エステル結合を持たない
物質を炭素源として用いて培養し、コマモナス・アシド
ボランス TB−35株又はその同等菌を培養してエス
テラーゼを精製することができる。炭素源としては、コ
マモナス・アシドボランスが利用できるものであればよ
く、例えば、マンニトール、グルコン酸塩、アジピン酸
塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、ポリウレタンな
どが挙げられ、特に、マンニトール、ポリウレタンが好
ましい。炭素源は、培地に対して、約1%w/w添加す
ればよい。
【0023】マンニトールを炭素源として用いると、ポ
リウレタンを炭素源としたとき比べて、得られるエステ
ラーゼが生育菌体量あたりのエステラーゼ活性として約
1/2である。しかし、ポリウレタンを炭素源としたと
きと比べ、細菌の増殖が速いので大量の酵素を迅速に調
製できる。なお、マンニトールは多くの植物、キノコ
類、藻類などに存在する糖アルコールであり、入手が容
易で安価である。したがって、酵素精製にかかる費用も
安価になるので、本発明のエステラーゼの精製に特に適
している。表1に例として、マンニトールを炭素源とし
て用いた場合の培地を示す。また、マンニトールの代わ
りに、一般的天然培地を用いてもエステラーゼが精製で
きる。
【0024】
【表1】
【0025】上記に述べたような培地をオートクレーブ
などで滅菌し、コマモナス・アシドボランス TB−3
5株又はその同等菌を植菌し、約30℃で振とう培養す
る。培養後5〜8日、好ましくは菌体の生育量が最も大
きい6日後に培養を止めて酵素を精製する。
【0026】(酵素の精製)本発明のエステル系ポリウ
レタンエステラーゼの精製方法は、室温で行うことが可
能である。ポリウレタンエステラーゼは、菌体表面に付
着しているため、精製に当たって、界面活性剤で抽出す
る。用いる界面活性剤としては、デオキシBIGCHA
P及びn−ドデシル−β−D−マルトシドが好適であ
る。デオキシBIGCHAP及びn−ドデシル−β−D
−マルトシドはそれぞれ、分子量862. 07及び51
0. 62の界面活性剤である。デオキシBIGCHAP
及びn−ドデシル−β−D−マルトシドの構造式をそれ
ぞれ(1)、(2)に示す。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】デオキシBIGHCHAPは、臨界ミセル
濃度が約0. 12%と低く、溶液を2倍程度に希釈する
ことによって、容易にミセルを破壊できる。また、電荷
を持たないため、イオン交換クロマトグラフィーの操作
に影響を及ぼさない。さらに、使用濃度では硫安分画時
に沈殿しない。これらの理由から、特に、デオキシBI
GCHAPが好適である。デオキシBIGCHAPの使
用濃度は、0. 2〜0. 25%w/wが好ましい。0.
2%より低い濃度だと、抽出効果が悪く、0.25%よ
り高い濃度だとその後の精製が困難である。
【0030】培養後の菌体を集菌後、上記の界面活性剤
を含むリン酸バッファー、トリス・HClバッファー
(pH約7. 0)などの一般に用いられる緩衝液に懸濁
し、攪拌して抽出する。その後、遠心して上清と菌体に
分け、上清を粗抽出液とする。粗抽出液は、硫安等の塩
析などによって濃縮後、疎水クロマトグラフィー用担体
を添加する。担体吸着分を界面活性剤を含む緩衝液に溶
出させ、その溶出液を塩析などによって濃縮する。濃縮
した担体吸着液を界面活性剤を含む緩衝液に溶かして、
陰イオン交換体を添加し、陰イオン交換体に吸着しない
画分を、塩析などによって濃縮後、さらに緩衝液に溶か
したものを精製エステラーゼ標品とする。精製過程での
担体の添加は、カラムクロマトグラフィーを行うことで
代替することができる。
【0031】上記に述べた本発明の精製方法によって、
粗抽出液から比活性約8倍以上、収率約25%でポリウ
レタンエステラーゼを精製できる。本発明の精製方法
は、すべてバッチ処理のみで精製を行うことができるの
で、高価なクロマト機器やカラム等を必要とせず、攪拌
器のみで精製が行える。従って、スケールアップが極め
て容易、安価に行える。本発明の精製方法によって、電
気泳動に供して、単一のバンドで確認される程度に高純
度のポリウレタンエステラーゼが得られる。
【0032】(ポリウレタンエステラーゼの性質)本発
明で得られるポリウレタンエステラーゼは、分子量約6
2,000の単量体で、酵素が働くのに適切なpHは4
〜8、特に好ましくはpH6. 5である。従って、pH
約6〜7. 5の緩衝液中でポリウレタン分解を行うのが
望ましい。本発明のポリウレタンエステラーゼは、エス
テル系ポリウレタンのエステル結合を切断し、アジピン
酸とジエチレングリコールを産出する。分解産物のアジ
ピン酸の産生によって、反応溶液のpHの低下が起こり
やすい。したがって、至適pHから外れるのを防ぐため
に、例えば、1%のCaCO3 の添加などの処理をして
pH管理をすることが望ましい。分解するポリウレタン
の形状は特に限定しないが、フィルム状、球状など表面
積の大きな形状にするのが望ましい。
【0033】本発明のポリウレタンエステラーゼの活性
測定は、エステラーゼによりp−ニトロフェニルアセテ
ートを基質として、生成するp−ニトロフェノールの量
を405nmの吸光度で測定することによって行う。本
発明のポリウレタンエステラーゼの活性の単位として、
1分間に1μmolのp−ニトロフェノールを生成する
酵素量を1ユニットとする。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲を制
限することを意図するものではない。実施例1(マンニトールを炭素源とした細菌の培養) 実験に用いたポリウレタンは、ポリエチレングリコール
アジペート(ニッポラン2200−A、日本ポリウレタ
ン工業社製)に、2,4−トリレンジイソシアネート
(和光純薬工業社製)をOH基:イソシアネート基が
1:1になるように加えて合成したものである。30m
lの上記に述べた表1の組成の培地を300mlの三角
フラスコに入れ、121℃で15分間オートクレーブを
かけて滅菌処理を行った。滅菌処理後の培地にTB−3
5株を1白金耳植菌し、30℃で回転振とう培養を行っ
た。2日おきにサンプリングを行い、菌体生育量及びポ
リウレタン分解活性を測定した。菌体生育量は580n
mでの濁度によって測定した。
【0035】比較例1(ポリウレタンを炭素源とした細
菌の培養) 表1の培地のうち、マンニトールの代わりにポリウレタ
ンを1%w/w添加した培地で培養し、同様に培養し、
菌体生育量及びポリウレタン分解活性を測定した。実施
例1及び比較例1の結果を図1及び図2に示す。
【0036】上記の結果から、菌体は培養6日目に最も
大きい生育量を示すことがわかった。マンニトールを炭
素源とした場合には、ポリウレタンを炭素源としたとき
と比べて、生育菌体当たりのポリウレタンエステラーゼ
活性は約1/2と低い。しかし、菌体の生育は、マンニ
トールを炭素源としたときのほうがよい。また、マンニ
トールは安価で、かつ、入手しやすいため、大量の酵素
を迅速に調製するためには、ポリウレタンよりもマンニ
トールを炭素源としたほうが良いとわかった。
【0037】実施例2(酵素の抽出) ポリウレタンを炭素源として培養した菌体を集菌し、湿
重量で約10%になるように20mMリン酸バッファー
(pH7. 0)を添加し、懸濁した。この懸濁液にデオ
キシBIGCHAP又はn−ドデシル−β−D−マルト
シド(共に同仁化学研究所社製)を界面活性剤として
0. 2%w/w加え、ボルテックスミキサーによって室
温で2時間攪拌して抽出した。その後、遠心して上清と
菌体とにわけ、上清のポリウレタンエステラーゼの活性
を測定した。
【0038】比較例2 界面活性剤として、CHAPS、CHAPSO、BIG
CHAP、n−オクチル−β−D−グルコシド、n−ヘ
プチル−β−D−チオグルコシド、n−オクチル−β−
D−チオグルコシド、MEGA−8、MEGA−9、M
EGA−10、スクロースモノカプレート、スクロース
モノラウレート、コール酸ナトリウム、又はジギトニン
(すべて同仁化学研究所社製)を用いた以外は、実施例
2と同様な方法でポリウレタンエステラーゼの活性を測
定した。また、界面活性剤未添加の上清及び未処理の菌
体についてもエステラーゼ活性の測定をした。実施例2
及び比較例2の結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】上記の結果から、界面活性剤15種中、デ
オキシBIGCHAP及びn−ドデシル−β−D−マル
トシドに高い抽出能がみられた。特に、デオキシBIG
CHAPに高い抽出能がみられた。また、エタノール、
アセトン、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒での抽出
についても同様に調べたが、抽出効率が極めて悪いか、
酵素の失活が起こった。
【0041】実施例3(酵素の完全精製) ポリウレタンを炭素源として培養した菌体(湿重量5
4. 8g)を集菌し、湿重量で約10%になるように、
0. 2%w/wのデオキシBIGCHAPを含む500
mlの20mMリン酸バッファー(pH7. 0)を加え
た。室温にて、マグネチックスターラーで30分間抽出
を行い、その後、遠心して上清と菌体とに分け、上清を
粗抽出液とした。粗抽出液に細粉化した硫酸アンモニウ
ムを45%飽和になるように添加し、30分間攪拌し
た。これを遠心分離して、上清を除き、沈殿に20mM
リン酸バッファーを400mlを加え、再溶解し、これ
を硫酸沈殿画分とした。硫酸沈殿画分にフェニル・トヨ
パール650M(東ソー社製)100mlを添加し、攪
拌器にて40分間500rpmで穏やかに攪拌して、ポ
リウレタンエステラーゼを吸着させた。反応後、グラス
フィルターで濾過して、非吸着成分を取り除き、20m
Mリン酸バッファーで数回洗浄した。担体をビーカーに
戻し、0. 25%のデオキシBIGCHAPを含むリン
酸バッファー300mlを加え、40分間穏やかに攪拌
してポリウレタンエステラーゼを溶出させた。これをフ
ェニル・トヨパール溶出画分とした。
【0042】得られたフェニル・トヨパール溶出画分に
硫酸アンモニウムを50%飽和になるように加えて遠心
し、沈殿を0. 2%のデオキシBIGCHAPを含む2
0mMリン酸バッファー10mlに溶解した。溶け残り
を遠心して除き、Q−セファロースFF(ファルマシア
社製)カラムクロマトグラフィーに供した。カラムは内
径16mm長さ10cmのものを用い、移動相には、
0. 2%のデオキシBIGCHAPを含むリン酸バッフ
ァーを用いた。カラムを素通りした画分を集め、これを
Q−セファロース素通り画分とした。Q−セファロース
素通り画分に硫酸アンモニウムを50%飽和になるよう
に加えて遠心し、20mMリン酸バッファーに再懸濁し
たものを精製酵素標品とした。実施例3で得られた粗抽
出液、硫安沈殿画分、フェニル・トヨパール溶出画分、
及びQ−セファロース素通り画分それぞれについての容
量、全蛋白質量、全活性、比活性を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】上記の結果から、TB−35株のポリウレ
タンエステラーゼは、比活性で8.3倍、収率25%で
精製された。実施例3では、最終精製段階でQ−セファ
ロースFFのカラムクロマトグラフィーを用いたが、こ
の精製過程においてもカラムを素通りした画分にポリウ
レタンエステラーゼが含まれていることから、すべての
過程がバッチ処理で行えることがわかった。
【0045】実施例4(精製した酵素の分子量測定) 実施例3で得られた精製酵素標品をSDS−ポリアクリ
ルアミド電気泳動によって分子量を測定した。電気泳動
は、通常行われているとおりの方法にて行った。その結
果、分子量約62,000の位置に単一のバンドが検出
された。なお、0. 2%のデオキシBIGCHAP存在
下でゲル濾過クロマトグラフィーに供したところ、分子
量約62,000の位置にピークが認められた。したが
って、実施例3の精製方法によって、ポリウレタンエス
テラーゼは、完全に精製されたことを示し、このエステ
ラーゼは、約62,000の分子量を持つ単量体である
ことがわかった。
【0046】実施例5(精製した酵素の諸性質) 13μgの実施例3で得られた精製酵素標品(0. 2ユ
ニット)を含む100mMリン酸緩衝液(pH7. 0)
とポリウレタン約15mg(4×4×1mmのフィルム
状のもの)を入れ、30℃で24時間反応させた。反応
終了後、ポリウレタンを取り出し、水洗して重量を測定
した。その結果、4. 9mgのポリウレタンの重量減少
がみられ、精製された酵素が確かにポリウレタンを分解
することがわかった。また、反応液を高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)で分析したところ、アジピン酸
とジエチレングリコールが検出され、その量は分解され
たポリウレタン量から計算した理論値とほぼ一致した。
このことから、精製された酵素によって、ポリウレタン
中のエステル結合が切断され、分解産物として少なくと
もアジピン酸とジエチレングリコールが生成することが
わかった。
【0047】実施例6(精製した酵素の至適pHの測
定) pHを種々に調製した緩衝剤を用いた以外は実施例5と
同様な条件でポリウレタンを分解させた。用いた緩衝液
は、pH4〜6は酢酸バッファー、pH6〜8はリン酸
バッファー、pH8〜9はトリス・塩酸バッファーであ
り、すべて100mMの濃度であった。pH6. 5での
酵素活性を100%としたときのpHと酵素活性の関係
を図3に示す。図3から、至適pH6〜7. 5、特にp
H6. 5である。従って、pH約6〜7. 5の緩衝液中
でポリウレタン分解を行うのが望ましいことがわかっ
た。ポリウレタンエステラーゼは、至適pHが比較的狭
く、ポリウレタンの分解に用いるときには、分解産物の
アジピン酸による反応液のpHの低下に注意を要すこと
がわかった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、コマモナス・アシドボ
ランス TB−35株は、エステル系ポリウレタン以外
の炭素源を基質としても生育し、ポリウレタンエステラ
ーゼを産生する。よって、一般的な培地を用いて、大量
のポリウレタンエステラーゼを迅速、かつ安価に調製す
ることができる。また、本発明の精製方法によって、ポ
リウレタンエステラーゼの精製に、界面活性剤を用いた
バッチ処理で精製ができる。そのため、高価な機械を使
用することなく、容易、かつ安価にポリウレタンエステ
ラーゼを得ることができる。本発明の精製方法によれ
ば、TB−35株のポリウレタンエステラーゼは粗抽出
液と比べて、比活性で約8倍以上に精製できる。なお、
本発明によれば、デオキシBIGCHAP又はn−ドデ
シル−β−D−マルトシドは、酵素を失活させることな
く30分間で抽出できる界面活性剤であることがわかっ
た。特に、デオキシBIGCHAPは、硫安沈殿の際も
沈殿を生じることがなく、電荷を持たないのでイオン交
換クロマトグラフィー操作に影響を及ぼすこともないの
で好適である。
【0049】本発明の精製方法で得られるポリウレタン
エステラーゼは、エステル系ポリウレタンを分解し、ア
ジピン酸、ジエチレングリコールを得ることが可能であ
る。この分解反応は、常温の反応であり、高価な薬品を
必要としない。したがって、分解が困難であったポリウ
レタンを容易、かつ安価に分解することができ、ゴミ処
理などの環境問題解決の糸口となるうえに、資源の再利
用をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マンニトール又はポリウレタンを炭素源として
用いたときの菌体生育量を示すグラフ。
【図2】マンニトール又はポリウレタンを炭素源として
用いたときのポリウレタン分解活性を示すグラフ。
【図3】精製したポリウレタンエステラーゼの活性とp
Hとの関係を示すグラフ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル系ポリウレタンエステラーゼの
    精製方法において、Comamonas acidov
    orans TB−35株又はTB−35株と同等の菌
    学的な性質を有するComamonas acidov
    oransの培養液を遠心分離した上清に界面活性剤を
    加えて、菌体表面の成分を抽出する工程と、この抽出液
    に疎水クロマトグラフィー用担体を加えて、該担体に吸
    着した画分を疎水クロマトグラフィー用担体の吸着画分
    として集める工程と、該吸着画分に陰イオン交換体を加
    えて、該陰イオン交換体非吸着の画分を集めて精製ポリ
    ウレタンエステラーゼを得る工程とを含むポリウレタン
    エステラーゼの精製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の精製方法において、上
    記陰イオン交換体非吸着の画分をSDS−ポリアクリル
    アミド電気泳動して、約62,000の分子量のバンド
    を切り出すことをさらに含むポリウレタンエステラーゼ
    の精製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の精製方法において、上
    記陰イオン交換体非吸着の画分をゲル濾過カラムクロマ
    トグラフィーに供し、約62,000の分子量のピーク
    を集めることをさらに含むポリウレタンエステラーゼの
    精製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一に記載の精
    製方法において、上記界面活性剤がデオキシBIGCH
    AP又はn−ドデシル−β−D−マルトシドであるポリ
    ウレタンエステラーゼの精製方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれか一に記載の精
    製方法によって得られたポリウレタンエステラーゼを用
    いて、pHを6〜7. 5に保った溶液中でポリウレタン
    を分解するポリウレタンの分解方法。
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JP2009502184A (ja) * 2005-08-05 2009-01-29 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン プラスチック分離へのエステラーゼの利用

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