JP2009502184A - プラスチック分離へのエステラーゼの利用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、エステラーゼを含む剤、および繊維、特に人工繊維の仕上げ、エステラーゼを含む洗剤と洗浄剤への使用、およびさらなる応用技術分野に加えて付随する洗浄と清浄の方法に関する。また本発明は特に、保護剤、または、好ましく繊維、特にプラスチック繊維、より好ましくはポリエステル繊維のけば立ちを減少および/または防止するエステラーゼの使用、およびプラスチックの分離、特にポリエステル化合物の分離へのエステラーゼの使用に関する。本発明はさらに、新規エステラーゼ、および十分に関係するタンパク質とその誘導体、それを含む剤、およびそれらの使用に関する。

Description

本発明は、エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼを含む剤、および繊維の仕上げ加工、特に人工繊維へのエステラーゼの使用、エステラーゼを含む洗剤と洗浄剤、およびさらなる工業応用分野に加えて付随する洗浄と清浄の方法に関する。本発明は特に、保護剤、または、好ましく繊維、特に人工繊維、より好ましくはポリエステル繊維のけば立ちを減少および/または防止するエステラーゼの使用、およびプラスチック、特にポリエステル化合物の分解へのエステラーゼの使用に関する。本発明はさらに、新規エステラーゼ、およい十分に関係するタンパク質とその誘導体、それを含む剤、およびそれらの使用に関する。
一般にエステラーゼは、基質と反応タイプに関して固有の幅広い多様性を有する加水分解酵素の一群に相当する。酵素の基質特異性と活性がリパーゼとは異なっている。リパーゼは、長鎖脂肪酸エステルを含む水に不溶性の基質を加水分解するまえに脂質/水界面を介して活性化されることが知られている。Arpignyによると(Arpigny, Jaeger, 1999 Biochem. J. 343, pp. 177-183)、エステラーゼ(EC 3.1.1)は真のエステラーゼ(EC 3.1.1.3)、カルボキシルエステラーゼ(EC 3.1.1.1)、様々なタイプのホスホリパーゼの三つの異なるクラスに細かく分類される。しかし、例えばパラニトロベンジルエステラーゼ(PNBエステラーゼ)といった多くのエステラーゼの生理的機能は、未だ明らかにされていない。通常、エステル分解酵素は、触媒三つ組みアミノ残基を含む保存領域を有し、また幅広い範囲の反応を触媒できることで特徴付けられている。この点では各加水分解酵素は、所定の基質に対して特定の反応条件下において特徴的なフィンガープリントとして確認することができる特異的な立体選択性を有する。エステラーゼはラセミカルボン酸エステルの対応するカルボン酸とアルコールへの酵素的加水分解に利用することができる。更に、エステラーゼはエステル交換やエステルの合成に利用できる。水溶液系だけでなく非水系の両方で活性化されるエステラーゼの能力により、エステラーゼは有機合成の重要なツールとなっている。この点で、エステラーゼは鏡像異性的に純粋な産物の合成において特に興味深い。
エステラーゼの商業利用のための必要条件として、有機化合物の反応を触媒するエステラーゼの生体触媒特性に関してさらに情報を得るのが好ましい。
けば立ちは、織物または編み物から細繊維が摩擦によって引き出され、絡み合って数本の単繊維で織物または編み物の表面につながったケバまたは毛玉を作ることを意味すると理解される。人工繊維では、小さな繊維の毛玉が織物の表面に付着する。従って、第一に毛玉の形成を減少させた後(毛玉とり)、見栄えの悪い毛玉が生じさえしないように第二に織物をけば立ちから保護する解決法が求められている。
綿とその他の天然繊維または織物の抗けば立ち仕上げへのセルラーゼの利用が知られている。しかし、セルラーゼは例えばポリエステルまたはポリアクリル繊維といた人工繊維の毛玉形成の処理にはあまり適していない。
従って、本発明の目的は、特にポリエステルまたはポリアクリル繊維のけば立ちを防止し、および/またはその結果生じる毛玉のような構造の除去または分解するための新規の適切な方法を発見することである。さらなる目的は、特に洗剤および/または洗浄剤に使用する新規エステラーゼの提供を含む。
これらの目的は、繊維、特に人工繊維の仕上げ加工、具体的には抗けば立ち仕上げ、洗剤および洗浄剤、および繊維の仕上げ加工、具体的には、エステラーゼを含む織物の後処理剤および前処理剤へのエステラーゼの使用、および付随する仕上げ加工、洗浄、および清浄方法、ならびに更なる工業的応用によって達成される。本発明は、好ましくは繊維、具体的には人工繊維、より好ましくはポリエステル繊維における特にけば立ちに対する保護、減少、防止へのエステラーゼの使用、ならびにプラスチック、特にポリエステル化合物の分解へのエステラーゼの使用に関する。
けば立ちを防止した場合、あるいは特に繊維の毛玉が減少した繊維の場合、衣類は、特に柔軟性が向上するために着心地がより良くなり、また衣類は良好で新しい外見をはるかに長く維持する。
本発明のさらなる対象は、新規エステラーゼと十分に関連したタンパク質とその誘導体、これらを含む剤、および特に繊維の仕上げ加工へのその利用に関する。
さらなる補助的な目的は、これらのタイプのエステラーゼをコードする核酸の提供、および当該のエステラーゼの生産に利用可能なベクター、宿主細胞、および製造方法の提供を含む。さらに、適切な剤、特に洗浄や清浄工程に適した、またこれらのタイプのエステラーゼの最終用途への応用に適した洗剤および洗浄剤の提供が意図された。
目的は、特に微生物、特にバクテリア、望ましくはバチルス主のバクテリアから得られるエステラーゼ(EC 3.1.1)、特にカルボキシルエステラーゼ(EC 3.1.1.1)、好ましくはパラニトロベンジルエステラーゼの使用によって達成される。
0.1から30、好ましくは0.6から20、特に0.7から15、特に好ましくは0.9から10、よりさらに好ましくは1から5、特に1.1から4、非常に特に好ましくは1.5から3(μmol遊離酸)/(min*mg酵素)のエチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルの基質に対して特異的活性を示す、実施例において引用された方法2.4によるこれらのエステラーゼは、本発明の剤における使用、および以下に挙げる当該エステラーゼの本発明への使用に特に適している。これらのエステラーゼは、本発明の剤または使用と方法に特に有利であることを証明した。
SEQ ID NO.1、2、4、6、11−26に記載されているアミノ酸配列に少なくとも50%、好ましくは60%、特に70%、好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、非常に特に好ましくは100%同一のアミノ酸配列を含むエステラーゼは、特に適している。
目的、または付随する目的、従って本発明の各個別の対象に対する解決策は、配列がSEQ ID NO.3、4、7または8の配列、あるいは本発明のエステラーゼをコードする配列、に十分に類似している、対応するベクター、細胞、または宿主細胞と製造工程中の核酸から成る。さらに、これらのタイプのエステラーゼに適した剤、特に洗剤と洗浄剤、適した洗浄方法と清浄方法、および適した最終用途応用が提供される。最後に、発見されたエステラーゼのための工業的応用が規定される。
本発明の剤および更に以下に挙げられた本発明の利用に特に好ましいエステラーゼは、Seq. ID Nr. 12に記載されているタンパク質配列に少なくとも50%、少なくとも55%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、特に好ましくは少なくとも70%、好適には少なくとも75%、非常に特に好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも99%、特に100%相同であるエステラーゼである。
本出願において、タンパク質は基本的に直線構造であり、その機能を行う主要な三次元構造が予想される天然アミノ酸からなる重合体を意味すると理解される。本出願では、タンパク質の基礎的要素として役割を果たす天然に生じた19のL-アミノ酸は、1文字または3文字の慣習国際コードで指定される。番号によるこれらの表示の一つの組合せは、関連のタンパク質のどの位置がどのアミノ酸群であるかを指定する。類似の表示は、点突然変異に対して従来行われている。特に述べない限り、位置データは当該タンパク質の各々成熟型、即ちシグナルペプチドを含まない型を参照する(下記参照)。
本出願において、酵素は特異的な生化学的機能を有するタンパク質を意味すると理解される。
多くのタンパク質は、タンパク質前駆体と呼ばれるものであり、シグナルペプチドと共に形成されるものである。シグナルペプチドに含まれるのは、主に産生細胞からペリプラズムまたは周囲の培地に生成されたタンパク質の排除、および/または正しい折り畳みを保証する機能のタンパク質のN末端部分である。その後、最初に存在したN末端アミノ酸を含まずに独自の触媒活性を発揮するよう、シグナルペプチドは残りのタンパク質から自然の条件下でシグナルペプチダーゼによって切り離される。
これらの酵素活性のため、成熟ペプチド、即ち、生成後に処理された酵素は、工業的応用においてタンパク質前駆体よりも好ましい。
本出願において、核酸はヌクレオチドが自然に構築され、タンパク質または酵素において線状アミノ酸配列の情報担体および暗号として役割を果たす分子を意味すると理解される。核酸は一本鎖として、この一本鎖に相補的な一本鎖として、または二本鎖として存在する可能性がある。生物学的に作用する分子の自然の持続的情報担体としては核酸DNAが好ましい。一方RNAは、自然環境での本発明実現のために例えば発現細胞といったで用いられ、これがなぜ本発明に必須のRNA分子も本発明の実施形態を示すのかの理由である。(c−)DNA分子は、例えば逆転写酵素などによってRNA分子から再度得ることが出来る。
タンパク質に対応する核酸の情報単位は、本出願において、遺伝子としても指定される。DNAにおいて、相補的な両方の鎖の配列は、それぞれの考えられる三つ全ての読み取り枠を考慮しなければならない。更に、異なるコドントリプレットが同じアミノ酸をコードする可能性があること、またその結果、特異的なアミノ酸配列は複数の異なる、おそらくわずかのみの同一性を示すヌクレオチド配列(遺伝子コードの縮重)に由来する可能性もあることを考慮しなければならない。更に、様々な生物がこれらのコドンの利用に違いを示す。これらを考慮して、アミノ酸配列およびヌクレオチド配列は共に、保護の領域の考慮に含まれなければならず、列挙されたヌクレオチド配列は、単に特定のアミノ酸配列のコーディングの例として見なされる。
例えば、分子生物学および/またはタンパク化学的な標準的な方法との組合せた化学合成またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの、現在一般的に知られている方法を用いて、当業者は既知のDNA配列および/またはアミノ酸配列の助けで完全な遺伝子を製造することが可能である。当該の方法は当業者に知られている。もし株のコレクションにデポジットされた株に立ち戻ることができれば、特にこれは可能である。例えば、既知の配列を用いておよび/または単離されたmRNA分子を通じて合成可能なPCRプライマーを用いて、問題の遺伝子は当該の株から合成し、クローニングし、任意で例えば変異誘発を行うなど更に処理することも可能である。
既知の分子生物学的方法により実現可能なようなヌクレオチド配列の変更は、変異と呼ばれる。既知のタイプは変更の性質によって、例えば、欠失変異、挿入変異、または置換変異、あるいは異なる遺伝子または遺伝子の一部が共に融合した(シャッフリング)であり、これらは遺伝子変異である。関連した生物は変異体と呼ばれる。変異した核酸に由来するタンパク質は、バリアントと呼ばれる。即ち、例えば、欠失変異、挿入変異、置換変異、または融合は、欠失変異遺伝子、挿入変異遺伝子、置換変異遺伝子、または融合遺伝子とタンパク質レベルでは相当する欠失変異バリアント、挿入変異バリアント、置換変異バリアント、または融合タンパク質を結果として生じる。
本出願において、ベクターは興味がある遺伝子を特徴核酸領域として含む核酸から成る因子を意味すると理解される。ベクターは遺伝子を独立の安定複製遺伝因子として種、または細胞株中で数世代または数細胞分裂にわたり定着させることが出来る。ベクター、特にバクテリア内で使われる場合、殊にプラスミドは従って環状の遺伝子要因である。一方では、遺伝子技術において、これらのベクターは、保存と一定の範囲で技術的な遺伝学的研究にも役立つクローニングベクターと呼ばれるものと、一方、興味がある遺伝子の宿主細胞中での機能発現を実現する、即ち問題のタンパク質の発現を可能にするベクターに区別される。
前述のベクターを含むバクテリア細胞と真核細胞は共に、一般的にその違いに関わらず、細胞と呼ばれる。ベクター、特に発現ベクターを含む、ひいてはトランス遺伝子の発現を刺激することができる該細胞は、当該の遺伝システムを有することから宿主細胞と呼ばれる。
homologizationは、核酸配列またはアミノ酸配列を既知の遺伝子またはタンパク質の配列の比較である。例えば、アライメントが行われる。相同の割合は、例えば、D. J. Lipman and W. R. Pearson in Science 227 (1985), pp. 1435-1441による方法に従って決定できるように、同一性のパーセンテージである。この結果は、タンパク質全体または原因となる領域それぞれを参照することができる。更に広い相同の表現である類似性も、保存された変化を評価する要因であり、即ち、タンパク質内で化学的にほとんど類似した活性を発揮することから、化学的活性が類似したアミノ酸を評価する要因である。核酸については、同一性のパーセンテージのみが知られる。
homologizationを利用して、検討中の個別の配列領域の機能、および酵素全体の酵素活性をアミノ酸配列またはヌクレオチド配列から推定することができる。異なるタンパク質の相同領域は、アミノ酸一次配列における同一性、または保存された変化によって認識可能な同等な機能を有するものである。これは、単一アミノ酸、ボックスと呼ばれるわずか数アミノ酸長の最小領域からアミノ酸一次配列の長い領域に至るまでを含む。相同領域の機能は、従って、タンパク質全体が発揮する機能の最小の部分的機能、例えば、基質をキレートする単一水素結合の形成、または遷移錯体を意味すると理解される。実際の酵素反応に関わっていないタンパク質のその他の領域は、質的にまた量的に変化させることができる。これは、例えば酵素の安定性、活性、反応条件、または基質特異性に関わる可能性がある。
エステラーゼという用語は、エステラーゼ活性を有する酵素またはエステラーゼ酵素を意味すると理解され、実際の触媒活性領域の残りのタンパク質全体、または残りのタンパク質の一部分または数部分の作用に起因することから、従って更に、全ての機能は触媒の活性中心の数アミノ酸グループの機能に由来すると理解される。本発明において、エステラーゼ自体または部分活性の当該の修飾機能は、エステラーゼ反応に対応する限りにおいて、エステル分解活性としても考えられる。当該の補助的機能、または部分活性は、例えば基質、中間体、あるいは最終産物の結合、加水分解活性への調節的影響の活性化、または阻害または介入を含む。これはまた、例えば活性中心から遠く離れて存在する構造的要素の形成にも関連する。また一方、本発明によりエステラーゼ活性を有すると考えられるタンパク質の第二の必要条件は、エステル結合の加水分解が実際の活性がグループ単独または更に修飾部分の活性の化学的挙動によって生じる場合である。さらに、その他のエステラーゼの活性も、例えば本発明のタンパク質の一つ以上の部分を通じて質的に量的に修飾されるということもあり得る。他の要因からのこの影響も、エステラーゼ活性としてみなされる。活性酵素は、活性が所定の時点で例えば阻害剤によって阻害されるエステラーゼでもある。重要なのは、原則として対応するエステラーゼ反応に関するその能力である。
好ましい酵素は、特にパラニトロベンジルエステラーゼは、本発明において、特に酢酸パラニトロフェニルの加水分解を触媒が可能な酵素である。更に、データバンクでパラニトロベンジルエステラーゼとして特徴づけられている全ての酵素は好ましく、本発明のパラニトロベンジルエステラーゼの一つであると理解される。
実施例に引用された方法2.4によるエステラーゼは、基質である0.1から30、好ましくは0.6から20、特に0.7から15、特に非常に好ましくは0.9から10、更に強く好ましくは1から5,特に1.1から4、非常に特に好ましくは1.5から3(μmol遊離酸)/(min*mg酵素)のエチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルに対して特異的な活性を示す。これらのエステラーゼは本発明の剤中での使用または利用および方法において特に有利であることを証明した。
それらのエステラーゼは、Seq. ID Nr. 12に記載されているタンパク質配列に少なくとも50%、少なくとも55%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、特に好ましくは少なくとも70%、好適には少なくとも75%、非常に特に好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも99%相同であるエステラーゼが特に好ましい。Seq. ID Nr. 12によるエステラーゼ、またはこのエステラーゼの断片、特にエステラーゼ活性を示す断片は、非常に特に好ましい。これらのエステラーゼは、特に高温と高pHに対して驚くほど良好な安定性を示す。これらのエステラーゼは長期間の安定またはアルカリ性pHでの活性、および60℃以上の温度でも活性であることが見いだされている。
従って本発明のエステラーゼは、特にアルカリ性pHで高温での使用、特に通常アルカリ性pHを示し、特に熱湯洗浄用(洗浄温度95℃)の強力洗剤での使用に適している。
断片とは、天然のタンパク質またはそれに相当する完全に翻訳された遺伝子、および例えば合成的に得られる可能性もあるタンパク質よりも小さい、全てのタンパク質またはペプチドを意味すると理解される。アミノ酸配列によって関連する完全タンパク質として割り当てられる場合もある。例えば、同じ構造または同じタンパク分解活性、または部分活性を発揮することを前提とする場合がある。出発タンパク質の断片および欠失バリアントは、やや小さい破片として表現される断片、短い領域のみがやや欠けている欠失変異体であり、従ってわずかな部分機能のみであるが、原則的に非常に類似している。
本出願において、キメラタンパク質またはハイブリッドタンパク質は、同じ生物または異なる生物の異なるポリペプチド鎖に自然に由来する要素から成るタンパク質を意味すると理解される。この産物は、シャッフリングまたは融合変異誘発と呼ばれる。該融合の意味は、例えば、本発明のタンパク質の部分に融合の助けで酵素機能を提供する、または変更することにある。
「挿入変異の方法によって得られたタンパク質」とは、出発配列に核酸断片またはタンパク質断片を挿入する既知の方法によって得られたバリアントを意味すると理解される。それらの配列は基本的に類似しているため、キメラタンパク質として分類される。これらはタンパク質のサイズに対してタンパク質の不変の部分のサイズの割合のみが異なる。挿入変異したタンパク質では、キメラタンパク質よりも外来タンパク質の割合がより少ない。
部分的な配列の逆転を意味する逆位変異誘発は、欠失と挿入両方の特別な形としてみなすことができる。基のアミノ酸配列とは異なる分子部分の新しい分類についても、同様である。シャッフリングバリアントと同様に、共にもとのタンパク質の欠失バリアントとして、挿入バリアントとしてみなすことができる。
本出願において、誘導体とは特定のそのアミノ酸鎖が化学的に修飾されたタンパク質を意味すると理解される。該誘導体化は、例えば宿主生物によりタンパク質の生合成に関連して生物学的に効果を発揮することができる。例えば、問題の修飾をもたらす遺伝子との同時形質転換といった、例えば、分子生物学的方法がこのために用いることができる。しかし、誘導体化は、例えばタンパク質上にアミノ酸側鎖の化学的転換によって、または別の化合物の共有結合によって化学的に効果を発揮することもできる。このタイプの化合物は、例えば二官能性化合物を通じて本発明のタンパク質に結合する、例えば他のタンパク質に関連する場合もある。これらのタイプの修飾は、例えば、基質特異性または基質に対する結合強度に影響するか、あるいは、結合した基質が阻害剤である場合には酵素活性の一時的な阻害をもたらす。これは、例えば保存期間に関して重要である可能性がある。同様に、誘導体化は、高分子担体への共有結合を意味するとも理解される。
本発明において、全ての酵素、タンパク質、断片、融合タンパク質および誘導体は、積極的にそのように取り扱う必要がない限りは、一般的なタンパク質に同化される。
「酵素の活性」は、好ましくは適切に目標とされた剤において、当該各技術分野でのその効率として理解される。これは実際の酵素活性に基づくが、更に、当該方法に関連する要因にも依存する。これらは、例えば、安定性、基質の結合、基質を支持する素材との相互作用、または他の材料との相互作用、特に共力剤を含む。
本出願において、洗剤または清浄剤の「洗浄力」または「清浄力」は、当該剤が、汚れた品物、例えば織物または堅い表面を有する物に対して発揮する効果を意味すると理解される。該剤の各成分、例えば個別の酵素は、洗剤または洗浄剤全体の洗浄力または清浄力に対するその寄与に関して評価される。これは、剤の洗浄力に対する酵素の酵素特性の寄与の直接的な解析が不可能な為である。その他の要因は、安定性、基質の結合、清浄される品物への結合、または洗剤または洗浄剤のその他の成分との相互作用、特に汚れの除去の際の相乗効果といた重要な役割を果たしている。
本発明は、好ましくはバクテリア、特にBacillus誘導体属、特に好ましくはBacillus licheniformisおよびBacillus subtilisに由来するエステラーゼ、特にリパーゼPとp−ニトロベンジルエステラーゼにおいて自然に生じた該酵素が、織物繊維と織物のけば立ちの現象または防止に適しているという発見に基づく。
ポリエステルは、基本構成要素が互いにエステル結合で保持されている重合体である。「ホモ重合体」は、化学構造によって、ヒドロキシカルボキシル・タイプ(AB-ポリエステル)とジヒドロキシジカルボン酸タイプ(AA-BB-ポリエステル)の二つの群に分類することができる。前者は、例えばω-ヒドロキシカルボン酸の重縮合によって、または環状エステル(ラクトン)の開環重合によって単一モノマーのみから製造される。一方、後者の合成は、例えばジオールと時カルボン酸といった二つの相補的モノマーの重縮合によって行われる。分岐および架橋されたポリエステルは、多価カルボン酸を有する三価アルコールまたは多価アルコールの重縮合によって得られる。ポリカーボネート(炭酸のポリエステル)も、一般的にポリエステルの一つに数えられる。ABタイプP(I)は、特にポリグリコール酸(ポリグリコリド、R=CH)、ポリ乳酸(ポリラクチド、R=CH-CH)、ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)[ポリ(3-ヒドロキシ酪酸)、R=CH(CH)-CH]、ポリ(ε-カプロラクトン)[R=(CH]およびポリヒドロキシ安息香酸(R=C)である。
純粋な脂肪族AA-BB-ポリエステル(II)は、特に、ポリエステルポリウレタン[例えば、ポリテトラメチレンアジピン酸、R=R=(CH]の製造に末端ヒドロキシ基を(ポリジオールとして)有する産物として用いられる、脂肪族ジオールとジカルボン酸の重縮合である。工業的に最も多い量を占めるAA-BB-タイプポリエステルは、特にポリアルキレンテレフタレート[ポリエチレンテレフタレート(PET)R=(CH、ポリブチレンテレフタレート(PBT)R=(CHおよびポリ(1、4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCDT)R=CH-C10-CHを有するR=C4、]を最も重要な代表とする脂肪族ジオールと芳香族ジカルボンサンに由来する。これらのタイプのポリエステルの性質は、広く多様であり、その他の芳香族ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸)の添加によって、あるいは重縮合中のジオール混合物の添加によって、様々な応用に適合する。
純粋に芳香族性のポリエステルは、特にポリ(4-ヒドロキシ安息香酸)(化学式I、R=C)、ビスフェノールAとフタル酸の重縮合物(化学式II、R=CC(CH、R=C)、またはビスフェノールとホスゲンの重縮合物を含むポリアクリル酸である。
該飽和ポリエステルに加え、不飽和ポリエステルも不飽和ジカルボン酸から製造することができる。これらのポリエステル樹脂、特に不飽和ポリエステル樹脂(UP樹脂)は、工業的な重要性をもたらした。
ポリエステルは、ヒドロキシカルボン酸(例えばデプシドとデプシペプチド)から作られ、自然界にも見いだされる。ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)は、多くのバクテリアの貯蔵物質としての役割を果たす。Sand beeまたはMiner beeは、18-ヒドロキシオクタデカノイック酸と20-ヒドロキシエイコサノイック酸から巣を裏打ちするためのポリエステルを生産する。
好適な実施形態によれば、特に、リパーゼP、およびパラ-ニトロベンジルエステラーゼから選択されるエステラーゼがエステラーゼとして利用される。これらのPNBエステラーゼは、特に織物繊維のけば立ちからの良好な保護をもたらすと特徴づけられる。
本発明において、適切なパラ-ニトロベンジルエステラーゼ(p-ニトロベンジルエステラーゼ、pNB-エステラーゼ、EST-B)は、特に、本明細書に全体を組み込んで参照される米国特許出願第5,468,632号、第5,906,930号、第5,945,325号、欧州特許第0 549 264号に述べられたような酵素である。本明細書で開示されたp-ニトロベンジルエステラーゼは、全て本発明に好適である。
更に、Seq. ID Nr. 1、2、4、6または11-25に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である、および/または少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相同であるアミノ酸配列を有するパラ-ニトロベンジルエステラーゼが特に好ましい。
アミノ酸配列(1、2、4、6、11-25)と95%、特に好ましくは98%、特に100%同一であるパラニトロベンジルエステラーゼが特に好ましい。
実施例に引用された方法2.4によるエステラーゼは、基質である0.1から30、好ましくは0.6から20、特に0.7から15、特に非常に好ましくは0.9から10、更に強く好ましくは1から5,特に1.1から4、非常に特に好ましくは1.5から3(μmol遊離酸)/(min*mg酵素)のエチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルに対して特異的な活性を示すエステラーゼが特に好ましい。これらのエステラーゼは本発明の剤中での使用または利用および方法において特に有利であることを証明した。
Seq. ID Nr. 12に記載のタンパク質配列に対して少なくとも50%、少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、特に少なくとも70%、有利には少なくとも75%、非常に特に好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%、特に100%相同であるエステラーゼが特に好ましい。
本発明の更なる目的は、ポリアルキレンテレフタル酸、特にポリエチレンテレフタル酸(略語:PETまたはPETE)の分離へのエステラーゼ、特にリパーゼPとp-ニトロベンジルエステラーゼからのエステラーゼの利用である。
同様に、エステラーゼはプラスチック、特にポリエステルの切断、分解および/またはプラスチックの可塑剤に利用することができる。フタル酸は、加工または使用の際のプラスチックの特性を向上させるために可塑剤としてプラスチックにしばしば用いられる。
本発明は、酵素的に生分解性重合体で作られた成形品、織物、被覆剤、接着剤、または発砲体の部分的または完全な分解に関する。特に、ポリエステルの酵素的な分解に関する。重合体分解方法は、様々な方法で実施することができる。
重合体は酵素を含む水溶液に添加される。生分解性重合体は、フィルム、シート、またはペレットとして添加されてもよい。成型物は、全体または小片で添加されてもよい。被覆または接着された、あるいは生分解性重合体で被覆された材料、または接着剤を用いて製造された例えば紙、厚紙、および被覆された紙または厚紙などは、そのまま、または小片として酵素を含んだ溶液に添加されてもよい。
更に、酵素を含む水溶液は、分解される被覆剤または成型品に塗布またはスプレーされてもよい。
該生物的な酵素的分解性重合体およびそれらから生産された混合物の酵素的分解の方法は、例えば、化学薬品、活性物質、補助剤、酵素、微生物、植物種子(例えばカプセルおよびマイクロカプセル)を中に入れ、酵素の添加によって目的とする放出を行うといったように本発明に利用されてもよい。
従って、例えばゴミ処理設備に本発明の方法を利用することにより、環境からより迅速に生分解性重合体またはその混合物を除去することができる。
実施例に引用された方法2.4によるエステラーゼは、基質である0.1から30、好ましくは0.6から20、特に0.7から15、特に非常に好ましくは0.9から10、更に強く好ましくは1から5,特に1.1から4、非常に特に好ましくは1.5から3(μmol遊離酸)/(min*mg酵素)のエチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルに対して特異的な活性を示すエステラーゼが特に好ましい。これらのエステラーゼは本発明の剤中での使用または利用および方法において特に有利であることを証明した。
Seq. ID Nr. 12に記載のタンパク質配列に対して少なくとも50%、少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、特に少なくとも70%、有利には少なくとも75%、非常に特に好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは少なくとも85%、少なくとも95%、少なくとも99%、特に100%相同であるエステラーゼが特に好ましい。同様に、更に向上した本発明の作用を示すSeq. ID Nr. 12に記載の酵素の変異は、特に好ましい。
本発明の更なる対象は、本発明に利用可能な上澄培養または細胞の消化により得られる自然に形成されたエステラーゼである。
本発明のBacillus subtilis(17A1)由来の新規エステラーゼの核酸配列は、本出願のSEQ ID NO. 3の配列プロトコルに記載されている。該核酸配列は1470bpより成る。生成されるアミノ酸配列は、SEQ ID NO. 1に記載されている。該アミノ酸配列は、ストップコドンが後に付いた489アミノ酸を含む。
本発明のBacillus licheniformis(19C5)由来の新規エステラーゼの核酸配列は、本出願のSEQ ID NO. 4の配列プロトコルに記載されている。該核酸配列は1470bpより成る。生成されるアミノ酸配列は、SEQ ID NO. 2に記載されている。該アミノ酸配列は、ストップコドンが後に付いた489アミノ酸を含む。
その他の該エステラーゼに対する認識可能な一致および関連から、このエステラーゼはp-ニトロベンジルエステラーゼとみなされる。
更に、本発明の対象は、SEQ ID NO. 1、2、5または6に記載のアミノ酸配列と少なくとも70%同一のアミノ酸配列を有する任意のエステラーゼである。
それらのエステラーゼのうち益々好ましいのは、SEQ ID NO. 1、2、5または6、好ましくは1または2に記載のアミノ酸配列と少なくとも72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、85%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%同一であるアミノ酸配列である。これらのエステラーゼの特性は、発見されたエステラーゼに益々類似していると期待される。
本発明の対象の実施形態の一つは、SEQ ID NO. 3、4、7または8に記載の核酸配列の一つに対して(コドン使用頻度が同一であると仮定して)少なくとも70%同一である核酸配列に由来する各エステラーゼである。
それらのエステラーゼのうち益々好ましいのは、SEQ ID NO. 3に記載の核酸配列と少なくとも72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、85%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%同一である核酸配列である。
それらのエステラーゼのうち益々好ましいのは、SEQ ID NO. 4に記載の核酸配列と少なくとも72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、85%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%同一である核酸配列である。
従って、これらの核酸は本発明のエステラーゼの特性に益々類似している特性を有するタンパク質をコードすると期待される。
本発明の対象の最も好ましい実施形態は、アミノ酸配列がSEQ ID NO. 1、2、5または6に記載のアミノ酸配列と完全に同一である、および/またはアミノ酸配列がSEQ ID NO. 3、4、7または8に記載の核酸配列に由来するアミノ酸配列の一つと完全に同一である各エステラーゼである。
本出願により新規に発見され提供されたBacillus subtilisまたはBacillus licheniformisに由来するエステラーゼは、このタイプのエステラーゼである。
これらのエステラーゼは先行技術によって知られていないエステラーゼである。これらは実施例に記載されたように単離、生産、および応用することもできる。これらは更に、適切な剤中で使用する場合、その活性はこの目的のために確立された酵素と近似、または更に上回る。
工業的なエステラーゼ、特に洗剤に応用可能なエステラーゼの開発に関して、自然の微生物によって生成される酵素のように、該エステラーゼは、例えば点変異誘導、断片か、欠失、挿入、または他のタンパク質またはタンパク質断片との融合などが知られる変異誘発法の方法により、あるいはその他の修飾よる望ましい応用のための至適化の出発点として役割を果たす可能性がある。これらのタイプの至適化は、例えば温度、pH変動、酸化還元条件、および/または工業分野での利用に関連するその他の影響の作用に対する適応である可能性もある。向上した酸化耐性、変性剤またはタンパク質分解に対する安定性、高温条件、酸性条件、強アルカリ条件、免疫原性またはアレルゲン活性の減少が例えば望まれる。
変異誘発方法は、SEQ ID NO. 3、4、7または8に記載の関連するヌクレオチド配列、または別の発明対象として下記に説明される充分に類似したヌクレオチド配列の一つに関連する。適切な分子生物学的方法は、例えば、Fritsch、SambrookおよびManiatisによる「Molecular cloning: a laboratory manual」Cold Spring Harbour Laboratory Press, New York, 1989といった関連のハンドブックに先行技術により述べられている。
本発明の更なる実施形態は、断片化または欠失変異誘発による、少なくとも25、26、28、30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、320、340、343および360アミノ酸が出発アミノ酸配列の冒頭、内部、または末尾に結合されて既に出発分子に位置している、益々好ましい前述の本発明のエステラーゼの一つに由来する全てのタンパク質または断片である。
ここでは、断片化または欠失変異誘発によって誘導された各タンパク質または断片は、SEQ ID NO. 1、2、7または8に記載の配列に少なくとも86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%同一であることが益々好ましい。
「本発明の断片」とは、SEQ ID NO. 1またはSEQ ID NO. 2に相当する相同タンパク質より小さいが、相当する部分配列がこれらと一致する、全てのタンパク質またはペプチドを意味すると理解される。これらの断片は、例えば、ドメインと一致しないたった一つのドメインまたは断片である場合がある。該断片は、より安価で生産されてもよく、活性低下調節機構といった出発分子の有害な可能性がある特定の特性をもはや持たない、あるいはより好ましい活性プロファイルを生じる可能性もある。これらのタイプのタンパク質断片は、非生合成方法によって、例えば化学的に生産されてもよい。化学合成は、例えば、合成に続いて化学修飾を行わなければならない場合に有利である。
欠失変異によって得られるタンパク質も、その基本的な類似性により断片であるとされる。欠失変異は阻害領域の除去に特に有用である。タンパク質の応用範囲の拡大だけでなく特化も欠失に由来する場合がある。
N末端アミノ酸の開裂によってタンパク質前駆体から得られたタンパク質とシグナルペプチドも、自然に生成された断片または欠失変異したタンパクとしてみなすことができる。このタイプの開裂機構は、例えば、組み換えタンパク質にシグナルペプチダーゼによって識別される特定配列領域を用いて特定の開裂部位を導入するために利用することができる。即ち、本発明のタンパク質のインビトロでの活性化および/または不活性化がもたらされる可能性がある。一例として、Seq ID No 9(MMRKKSFWLGMLTAFMLVFTMAFSDSASA)によるシグナルペプチドを挙げることができる。
本発明の更なる実施形態は全て、該本発明のエステラーゼまたは挿入変異誘発、置換変異誘発および/またはタンパク質断片に由来する少なくとも一つのタンパク質との融合による相当する断片に由来する。
本発明のキメラタンパク質は、もっとも広い意味でのエステル分解活性を有する。これは、本発明のタンパク質に由来する分子の一部によって機能し、または変更され得る。キメラタンパク質は該特許請求された領域のみならず、全長に渡って位置する可能性がある。該融合の意味は、例えば、特定の機能または部分的な機能を本発明のタンパク質の部分への融合を利用して与える、または変更することにある。該キメラタンパク質が単一ポリペプチド鎖または複数のサブユニットで構成されるかどうかは、本発明において無関係である。後者の選択肢は、例えば翻訳後、または精製工程後の最初に、単一のキメラポリペプチド鎖を複数に分解することによる標的とされたタンパク質分解開裂の方法によって達成される。
従って、例えば、本発明のタンパク質またはその断片をペプチドリンカーを介して、または直接的に融合タンパク質として他のタンパク質由来の結合ドメイン、例えばセルロース結合ドメインを備えることや基質の加水分解を一層効率的に設計することも可能である。該結合ドメインは、例えば本発明のタンパク質のエステラーゼ基質への結合を強化するために、エステラーゼに由来する場合もある。これは局所的なエステラーゼの濃度を上昇させ、特定の応用、例えば原材料の処理に有利である可能性もある。同様に、本発明のタンパク質は、二つの機能を実行するように、例えばアミラーゼ、またはセルラーゼと結合されてもよい。
挿入変異によって得られる本発明のタンパク質は、その基本的な類似性により本発明のキメラタンパク質であるとされる。分子の単一領域を他のタンパク質で置換された置換変異もこれに属する。
挿入変異誘発と置換変異誘発の意味は、ハイブリッド形成の場合、本発明のタンパク質を他のタンパク質の個別の特性機能、または部分的な機能と結合することにある。これは、バリアントを得るための、様々なエステラーゼに由来する部分配列のシャッフリングまたは新規の組合せも含む。このようにして、予めまだ記載されていないタンパク質を得ることもできる。該技術は、活性の非常に微妙な調節に至るまで劇的な効果を可能にする。
好ましくは、該変異は、当業者に知られる統計的な、局所的な変化として分類される方法、例えば、StEP法、ランダムプライミング組み換え、DNAシャッフリング、または反復配列組み換え、あるいはRACHITT法といった方法に従って行われる。該方法は、必ずしも変異誘発と発現後の望ましい性質を有するバリアントを認識するための選択またはスクリーニングの工程と組み合わされるわけではない。これらの技術はDNAレベルに応用するため、バイオテクノロジー的生産のための出発点は、新規作成された関連の各遺伝子と共に可能になる。
配列の部分的な逆転を意味する逆位変異誘発は、欠失および挿入の両方の特別な形とされている。該バリアントは、同様に狙って、またはランダムに作成することができる。
例えば、特に活性化されたエステル分解が後述の応用分野において重要であるように、不活性型よりも活性型分子が好ましい。
上述の断片は、例えば、基質を複合体化または加水分解に必要な構造要素の形成のためのもっとも広い意味でのエステル分解活性も有している。これらの断片が既にエステル結合の加水分解への利用が既に考慮し得る場合には、エステラーゼの更なる構成要素の存在が必要ないことが好ましい。このことは、エステラーゼ自体が遂行できる活性に関連しており、考えられる同時に必要な緩衝物質などの存在は影響を受けないままである。
加水分解に対する異なる分子部分の相互作用は、断片よりもむしろ欠失変異体で当然存し、特に融合タンパク質で、非常に特に、関連するタンパク質のシャッフリングで生じたタンパク質で、結果として生じる。従って、最も広い意味でのエステル分解機能が維持される、変更される、特定される、または最初に達成される限りにおいて、欠失バリアントと融合タンパク質は本発明のタンパク質である。本発明の対象の好ましい典型例は、更なるエステラーゼ構成要素の存在の必要なしに基質を加水分解する能力があるものである。
好ましい実施形態は、更に誘導体化されるということで特徴づけられる、記載された全てのタンパク質、タンパク質断片、または融合タンパク質によって説明される。
誘導体とは、記載されたタンパク質から追加の修飾によって派生するタンパク質を意味すると理解される。これらの修飾タイプは、例えば安定性、基質特異性、または基質への結合強度または酵素活性に影響を与える可能性がある。また、タンパク質のアレルゲン性および/または免疫原性の低下、およびそれによって例えば皮膚適合性の向上にも役立つ可能性がある。
該誘導体化は、例えばタンパク質生合成に関連して作成された宿主生物によって、生物学的に成立し得る。脂質またはオリゴ糖などの低分子化合物の結合が特に重要視される。
しかし、誘導体化は、例えば側鎖の化学的転換によって、あるいは例えばタンパク質上の高分子化合物などの別の共有結合によって、化学的にも成立し得る。例えば、酵素のカルボン酸基へのアミンの結合は、等電点を変化させる可能性がある。例えばタンパク質のような高分子は、例えば二官能性化合物を通じて本発明のタンパク質に結合する可能性がある。従って、例えばリンカーを介した特定の結合ドメインを有する本発明のタンパク質を提供することが可能である。これらの誘導体タイプは、洗剤または洗浄剤への利用に特に好適である。国際公開第00/01831号と同様に、エステラーゼ阻害剤もリンカーを介して、特にアミノ酸リンカーを介して本発明のタンパク質に結合される場合もある。ポリエチレングリコールなどのその他の高分子化合物との結合は、分子の安定性や皮膚適合性などの更なる特性を向上させる。
最も広い意味で、本発明のタンパク質の誘導体は、これらのタンパク質の標品を意味するとも理解される。抽出によっては、タンパク質の調達または調製は、例えば微生物によって生産された培養液からなど、その他様々な材料と混合されている場合がある。特定の他の材料は、例えば貯蔵安定性を向上させるためになど、意図的にタンパク質に添加される場合もある。従って、本発明のタンパク質の全ての標品も、本発明に従っている。このことは酵素活性が実際に特定の標品で示されるか否かとは無関係でもある。保存の際に活性が全くないかあるいは限られた活性のみを有し、使用の時点で初めてエステル分解機能を発現させるのが望ましい可能性がある。これは、例えば、付随する適切な基質によって制御される可能性もある。
好ましい実施形態は、これまでに記載されてきた、また更に安定化されたことを特徴とする全てのタンパク質、タンパク質断片、または融合タンパク質によって説明される。
このようにして、活性がより長く続き、結果として活性が上昇するように、保存および/または使用の際、例えば洗浄工程中の安定性が高められる。例えば、重合体への結合は、本発明のエステラーゼの安定性を増加させることができる。この場合、適切な剤中での使用前に、結合処置を用いてタンパク質を該重合体と結合する必要がある。
分子自体の点変異誘発によって可能な安定化は好ましい。タンパク質抽出後の更なる工程段階は必要ない。このために適切ないくつかの点変異が先行技術から知られている。
その他の可能性は、例えば:
−プロリンの特定のアミノ酸群への交換
−分子表面への極性群または荷電群の導入
温度上昇と界面活性剤の影響に対する安定性の別の可能性は、N末端に極めて近いアミノ酸を分子の残りの部分と非共有結合を介して接触し、その結果球状構造を維持するように交換することによって安定化される場合がある。
好ましい実施形態は、分子が複数の方法で安定化される形態である。いくつかの安定化変異が付加的に作用すると推測することができる。
好ましい実施形態は、上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つと共通した少なくとも一つの抗原決定基を有することで特徴づけられる全てのタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体として表される。
酵素活性には、タンパク質の二次構造要素と三次元の折りたたみが決定的に重要である。従って、一次構造が互いに顕著に異なるドメインが、空間的に概ね一致した構造を形成する可能性もあり、従って同じ酵素的挙動が可能になる。該二次構造における共通性は、通常、抗血清または純粋な抗体またはモノクローナル抗体の自己抗原決定基として同定される。類似しているタンパク質または誘導体は、この方法で免疫化学的交差反応の方法により検出および分類することができる。その結果、一次構造のホモロジーの程度で分類できない可能性があるが、上記で定義された本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体に対する免疫化学的親和性によってほぼ間違いなく分類される該タンパク質も、本発明の保護の範囲にまさに含まれる。
好ましい実施形態は、天然の供給源、特に微生物から得られることを特徴とし、これまでに記載された全てのタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体によって説明される。
例えば、微生物は単細胞の菌類、細菌である場合がある。多細胞生物または後生動物に由来する培養細胞は特定の実施形態に妥当な選択肢である可能性もあるが、微生物はたいてい、これらよりも簡単に抽出し、扱うことができ、従って、本発明の対象からは基本的に除外される。
天然に生じる産物は実際に本発明の酵素を製造することができるが、検討された条件下では限定された範囲での発現および/または培地への放出のみに留まる可能性がある。しかし、このことは適切な環境条件またはその他の要因を実験的に決定し、本発明のタンパク質の商業的に妥当な生産を刺激し得る応用を除外するものではない。バイオテクノロジー的生産に該調節機構が意図的に利用される可能性もある。これが可能でなかった場合、依然として関連した遺伝子の単離に利用することが出来る。
これらの微生物のうち、グラム陽性細菌に由来するものは特に好ましい。これは、グラム陽性細菌は外膜を持たないため、分泌されたタンパク質が周囲の培地に直ちに放出されるためである。
グラム陽性細菌のバチルス属に属する細菌が極めて特に好ましい。
先験的に、バチルスのエステラーゼは様々な分野の応用に好ましい特性を有する。その特性は、温度上昇、酸化剤、または変性剤に対する一定の安定性を含む。更に、大部分の経験から得た知見は、例えば費用効果的なクローニングベクターの構築、宿主細胞の選択と増殖条件、または例えばアレルゲン性などの危険性の評価などに関して、バイオテクノロジー的生産に関連した微生物酵素によって得られてきた。更に、バチルスは工業的方法において特に高い生産性を有する生産生物として確立されている。製造とこららの酵素の利用に関して得られた豊かな経験は、これらの酵素の更なる発展において本発明にとり大きな利点である。このことは、例えば洗剤または洗浄剤の成分などのその他の化合物との適合性などと関連している。
Bacillus種の細菌のうち、今一度、Bacillus subtilisまたはBacillus licheniformis種由来の細菌が好ましい。
本発明の酵素の実施形態は、当初これらの種から得られた。関連する配列は、配列転写産物として与えられる。上述のバリアントは、例えばPCRおよび/または既知の点変異誘発方などの標準的な微生物学的方法を用いて、これらの種または関連する株から生産される可能性がある。
本発明の達成に役立つ核酸は、本発明の更なる問題解決策と本発明の別の対象物を示す。
核酸は、実質的に全ての生物学的研究と開発、およびタンパク質の生産の出発点となる。これは、特に遺伝し配列と関連したアミノ酸配列の推測、各種の変異誘発(上記参照)、およびタンパク質発現を含む。
明確な特徴を有するタンパク質開発のための変異誘発は、「タンパク質工学」とも呼ばれる。至適化される特徴の例は、既に上述されている。該変異誘発は、標的化されるか、あるいは例えばクローニングされた遺伝子の最終的な活性を対象に、核酸センサーによるハイブリダイゼーション、または例えば活性に関する遺伝子産物、タンパク質に対する、スクリーニングと選択方法を用いて、ランダムな方法で行うこともできる。本発明のエステラーゼの更なる開発は、P.N.Bryanによる文献「Protein engineering」(2000)Biochim. Biophys. Acta, Volume 1543, pp. 203-222中に示された考察に従って系統化されてもよい。
従って、本発明の対象は、ヌクレオチド配列がSEQ ID NO. 3、4、7または8に記載のヌクレオチド配列に対して(コドン使用頻度が類似している場合)少なくとも70%同一であるエステラーゼをコードする任意の核酸である。
これらの核酸のうち、益々好ましいのは、SEQ ID NO. 3、4、7または8に記載のヌクレオチド配列に対して少なくとも72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、85%、86%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%同一であるヌクレオチド配列である。
従って、これらの核酸はバチラス由来のエステラーゼに益々類似した特性を有するタンパク質をコードすると期待される。
本発明のこの対象物の更なる典型例は、上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合産物、または誘導体の一つをコードする全ての核酸である。
上述の好ましい形をコードする核酸は、特に、変異誘発によって得られた核酸も、同様に好ましい。
タンパク質断片をコードする核酸は、特に明確に、本発明の保護の範囲に含まれる。該オリゴヌクレオチドについて、三つ全ての読み枠をセンス鎖同様にアンチセンス方向も、両方を考慮に入れなければならない。特に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)では、例えば関連遺伝子の天然の生物からの増幅のために、タンパク質断片をコードする核酸は関連する核酸合成の出発点として用いることが出来る。またタンパク質断片をコードする核酸は、PCRに基づくシャッフリング処理によるキメラ体の作成にも役立つ可能性がある。例えば組み換えライゲーション反応(RLR)などのその他のシャッフリング処理も、ランダムまたは標的化され選択されたタンパク質断片に相当するオリゴヌクレオチドに関与している。アンチセンス・オリゴヌクレオチドも、例えば発現調節に利用される場合もある。
上述と一致して、以下は、上述の本発明の核酸のうち益々好ましい:
−天然の供給源、特に微生物から得られた核酸、
−上記のうち、グラム陽性細菌に関連する微生物、
−上記のうち、Bacillus属の一つに関連するグラム陽性細菌、および
−上記のうち、Bacillus属Bacillus subtilisまたはBacillus licheniformisに関連するもの。
本発明の別の対象物は、前記で特定された本発明の核酸領域の一つ、特に前記で特定されたタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つをコードするものを含むベクターによって作られる。
関連する本発明の核酸を取り扱うために、特に本発明のタンパク質産生を準備するために、該核酸は適切にベクターにライゲーションされる。該ベクターおよび関連する操作方法は、先行技術により広範囲に述べられている。クローニングおよび発現用の数多くの幅広いベクターの変形物が市販されている。これらは、例えば、細菌プラスミド、バクテリオファージ、またはウイルスに由来するベクター、あるいは大部分が合成されたベクターを含む。更に、これらのベクターは、細胞タイプの性質によって、例えばグラム陰性細菌用、グラム陽性細菌用、酵母用、または高等真核生物用など、どの細胞で定着出来るか、区別される。例えば問題の遺伝子または関連タンパク質の発現といった分子生物学的、生化学的研究の適切な出発点の形である。
一実施形態において、本発明のベクターはクローニングベクターに関係する。
興味がある遺伝子の保存、生物学的増幅または選択に加え、クローニングベクターはその分子生物学的特性決定に適している。同時に、クローニングベクターは特許請求の範囲の核酸の輸送可能で保存可能な形を示し、また、例えばPCRまたはインビトロ変異誘発法といった細胞に関連しない分子生物学的技法の出発点である。
好ましくは、本発明のベクターは発現ベクターである。
該発現ベクターは、生物学的産生システムにおける対応する核酸実現のため、従って、関連するタンパク質生産のための基盤である。本発明のこの対象物の好ましい実施形態は、例えば遺伝子の前に天然に位置しているプロモーター、あるいは他の生物に由来するプロモーターといった、発現に必要な遺伝因子を含む発現ベクターである。これらの因子は、例えば、発現カセットと呼ばれる形に配列される場合もある。あるいは、個別または全ての調節因子はは、関連する宿主細胞から調製されてもよい。発現ベクターは例えば至適なコピー数、選択された発現システム、そして特に宿主(下記参照)といった更なる特性に関して特に好ましく調和される。
更に、発現ベクターが好ましくは問題の遺伝子のみ挿入としてを含み、長い5’-または3’-非コード領域を含まない場合は、高発現率に有利である。該挿入は、例えば断片が配列決定後の制限酵素による出発株の染色体DNAの統計的処理の後に得られ、発現ベクターへの組み込み前に再度意図的に切断された場合に得られる。
本発明の別の対象物は、上記で特定された本発明の核酸領域の一つ、特に上記で特定された本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つをコードする核酸領域を好ましくは上記で特定された本発明のベクターの一つ上に含む細胞によって形成される。
これらの細胞は、本発明のタンパク質合成のための遺伝情報を含む。これらの細胞は、例えば、対応する遺伝子の増幅だけでなく、その変異誘発、または転写、および翻訳、そして最終的に問題のタンパク質のバイオテクノロジー的生産も可能にする。この遺伝情報は、一つの遺伝因子として染色体外、即ち、細菌の場合ならプラスミド上に、あるいは染色体中のいずれかに組み込まれて存在する。適切なシステムの選択は、例えば遺伝子または生物の性質と保存期間、あるいは変異誘発または選択の性質といった問題に依存する。従って、先行技術では、洗剤酵素の開発の為の、例えばバクテリオファージに基づく変異誘発と選択の方法、そしてその特異的な宿主細胞が述べられている。
好ましくは、これは前述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つを発現する宿主細胞に関連するか、あるいは、特に前記で特定された本発明の核酸領域の一つを用いることによって、非常に好ましくは、前記で特定された発現ベクターの一つを用いることによって、その発現が刺激される場合もある。
タンパク質を生産する宿主細胞は、そのバイオテクノロジー的生産を可能にする。このためには、宿主細胞は、転写物が翻訳を可能にし、好ましくは更なる修飾段階を可能にする前述のベクターの一つと共に、問題の遺伝子を受け入れていなければならない。
原則的に、全ての生物、即ち、原核生物、真核生物、または藍色植物門は、タンパク質発現のための好適な宿主細胞である。例えば真菌単細胞または細菌といったこれらの宿主細胞は、例えば、発現因子の形質転換およびその安定な維持、および発現調節といった遺伝的操作が容易に可能であり、好適である。更に、好ましい宿主細胞は、微生物学的およびバイオテクノロジー的に良好な操作性を有する細胞である。これは例えば、培養の容易さ、高増殖率、発酵培地への低依存性、および外来タンパク質の良好な生産率と分泌率に関連する。発現が適合化された実験室株は、好ましく選択されている。これらの株は、市販されているか、一般的に利用可能なコレクションの株として得られる。理論的に、本発明の各タンパク質は、複数の宿主生物からこの方法で得ることができる。個別のケースに至適な発現システムは、先行技術から利用可能な多数の様々なシステムから実験的に決定されなければならない。
それ自体がエステラーゼ陰性の宿主細胞は特に有利である。
好ましい実施形態は、例えば、化学物質の添加による制御、培養条件の変化、または細胞濃度の関数として、適切な遺伝因子によってその活性が調節される該宿主細胞によって説明される。この制御可能な発現は、興味あるタンパク質の非常に費用効果的な生産を可能にする。適切には、例えば、発現に必要な遺伝子因子(リボソーム結合部位、プロモーター、ターミネーター)またはコドン使用頻度に関して、遺伝子、発現ベクター、および宿主細胞は、互いに一致している。コドン使用頻度は、例えば、問題の宿主で充分に翻訳されない遺伝子中のコドンのみをそれぞれの宿主でより便利な同じ意味のコドンに置き換えることで、至適化することができる。
これらのうち好ましいのは、特徴決定された細菌であり、特に培地に生成したタンパク質を分泌する宿主細胞である。
細菌は世代時間が短く、培養条件への依存が低くと特徴づけられている。このように、費用効果的な方法が確立される。更に、多量で広範囲に及ぶ細菌の発酵技術に関する経験が存在する。特定の生産に栄養源、生産率、時間必要条件など、実験的に決定されなければならない要因を要する具体的なケースでは、最も多様なグラム陰性細菌またはグラム陽性細菌が適している可能性がある。
E.coliのようなグラム陰性細菌を用いると、複数のタンパク質がペリプラスム間隙に分泌される。これは、特定の応用に有利である可能性がある。対照的に、例えばバチルスのようなグラム陽性細菌は、直ちにタンパク質を細胞を取り囲む栄養培地に放出し、他の好ましい実施形態に従って、そのような培地から発現された本発明のタンパク質を直接的に生成することもできる。
方法が、グラム陰性細菌も発現されたタンパク質を分泌すると請求範囲に記載している国際公開第WO 01/81597号で開示されている。該システムは、本発明のタンパク質の生産にも適切である。従って、Escherichia coliまたはKlebsiellaの種が宿主細胞として好ましく、特に、E. coli JM 109、E. coli DH 100B、E. coli DH 12SまたはKlebsiella planticola(Rf)。生産されたタンパク質が放出されるために、適切な微生物的修飾、および/または本明細書に述べられた適切なベクターが必要である。
宿主細胞として好ましい細菌は、グラム陽性細菌と特徴づけられている細菌であり、特に、バチルス属に属するものであり、非常に特に、Bacillus lentus、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus subtilisまたはBacillus alcalophilus種に属するものである。
本発明の実施形態は、それ自体が本発明のタンパク質を(同種的に)発現するB. licheniformisまたはB. subtilisを利用する。しかし対照的に、異種的発現が好ましい。このため、グラム陽性細菌のなかで最もよく特徴決定されていることから、バチルス属の細菌が好ましい。これらは特に、B. licheniformis、B. amyloliquefaciens、B. subtilis種またはその他の種、あるいはB. alcalophilusの株を含む。酵素産生に関して関連するこれらの種を用いた経験がある。更に、これらの関連の種は、類似したコドン使用頻度を用いているため、それらのタンパク合成装置は元来適切に適合している。
更なる利点は、この方法では本発明のタンパク質の混合物は、宿主細胞から内生的に生成された酵素と共に得ることが出来る。このタイプの共発現は、国際公開第91/02792号からも発している。これが必要でない場合、宿主細胞に自然に存在するエステラーゼ遺伝子は、恒久的に、または一時的に不活性化されなければならない(上記参照)。
更に好ましいのは、真核細胞であり、特に翻訳後に生成されたタンパク質を修飾することを特徴とするとする宿主細胞である。
適切な真核細胞の例は、放線菌またはsaccharomycesまたはkluyveromycesといった酵母のような真菌、および好熱性菌類の発現システムである。これらは特に温度に安定なバリアントの発現に適している。真核システムが行う修飾は、特にタンパク質合成と関連しており、例えば、膜アンカーまたはオリゴ糖といった低分子量化合物の結合を含む。これらのタイプのオリゴ糖修飾は、アレルゲン性の低減に望ましい可能性もある。これらのタイプの細胞から自然に生成される例えばセルラーゼなどの酵素との共発現は、有利である可能性もある。
本発明のタンパク質の生産方法は、本発明の独立した対象物に相当する。
従って、上述の本発明の核酸の一つを利用することによって、および/または上述の本発明のベクターの一つを利用することによって、および/または上述の本発明の細胞の一つを利用することによって、上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つを生産するために、各方法が特許請求の範囲に述べられている。
それらは、例えば特により短い断片に関して経済的に好都合である化学的合成方法を含む。
しかし対照的に、先行技術で確立され、既に上記で詳細に考察された全ての分子生物学的、微生物学的、またはバイオテクノロジー的製造方法は、好適である。従って、例えば、前述で特定された、例えば配列の転写物に由来する可能性があるDNA配列およびアミノ酸配列、好ましくはSEQ ID NO. 1、2、5および6自体に由来する配列、相当するオリゴヌクレオチド、および完全な遺伝子とタンパク質に合致するオリゴペプチドは、既知の分子生物学的方法を用いて合成することもできる。
例えば、本出願の実施例に基づく既知のエステラーゼ産生微生物から始まって、更なる自然のエステラーゼ生産者を同定し単離し、エステラーゼ遺伝子および/またはアミノ酸配列を決定し、相応じて、ここに作成された明細書を更に展開させる事は可能である。該細菌種は、適切な製造方法のための培養と利用が可能である。同様に、新しい発現ベクターを開発することも可能である。関連する核酸配列に基づく本発明の実施形態は、インビトロでタンパク質整合性を再構築する無細胞発現システムである可能性もある。上に記載された全ての因子は、本発明に利用可能なタンパク質の製造するための新しい方法に組み合わされることも可能である。一つのケースごとに至適な方法を実験的に決定しなければならない本発明の各タンパク質について、複数の可能な工程段階の組合せも考えられる。
本発明の別の対象物は、前述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つを含む剤によって示される。
上述の本発明のタンパク質の一つの添加によってその安定性が向上する全てのタイプの剤、特に混合物、製剤、溶液などは、本発明の保護の範囲内に含まれる。応用分野によって、これは例えば凍結乾燥された粉末またはカプセル化されたタンパク質、といった例えば固形混合物またはゲル状または液状の剤に関する場合がある。好ましい組成は、例えば、緩衝物質、安定剤、および/またはエステラーゼの反応相手、および/またはエステラーゼと相乗的であるその他の成分を含む。これらのうち具体的には、更に以下に記載される応用領域のための剤である。更なる応用分野は、先行技術から生じ、例えばハンドブック「Industrial enyzmes and their applications」H. Uhlig, Wiley-Verlag, New York, 1998に説明されている。
前述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つを含む洗剤または洗浄剤は、本発明の対象物の好ましい実施形態を構成する。
本出願の実施形態に示されるように、驚くことに、特に好ましいバチルス由来の、即ち、野生型の酵素が既に際だつエステラーゼを適切な洗剤または洗浄剤に用いた場合、この目的のために確立された酵素の洗浄能力または清浄能力への貢献に少なくとも近い、あるいは部分的には更に凌ぐことが示された。
本発明のこの実施形態は、洗浄機、または手による洗浄または清浄に商業規模で使用するために濃度と組成の両方が希釈なしで用いられる、全ての可能性あるタイプの洗浄組成も含む。これらは例えば、織物、カーペットまたは天然繊維用の洗剤を含み、これらに対して本発明では「洗剤」という用語が用いられる。これらは例えば、洗い機用洗剤または手洗い用の食器洗い洗剤、または金属、ガラス、磁器、陶器、タイル、塗装面、プラスチック、木材、または、革物品などの堅い表面のための洗浄剤を含み、これらに対して本発明では「洗浄剤」という用語が用いられる。任意のタイプの洗剤または洗浄剤は、本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体による強化をもたらす本発明の実施形態を示す。
本発明の実施形態は、先行技術により確立された全てのタイプおよび/または本発明の洗剤または洗浄剤の必要とされる全ての利用形態を含む。これらは例えば、バルクまたは個別包装の両方で固形、粉末、液体、ゲル状、またはペースト状の剤で、任意で圧縮された、または非圧縮の複数の相の形を含み、更に、例えば押し出し成型品、顆粒、タブレット、または小袋を含む。
好ましい実施形態において、本発明の洗剤または洗浄剤は、剤1gあたりに0.0001μgから480mgまでの量で、好ましくは0.005μgから420mgまで、特に好ましくは0.02μgから360mgまで、非常に特に好ましくは0.05μgから240mgまでの量で上述の本発明のまたは本発明に利用可能なタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体を含む。
本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体に加えて、本発明の洗剤または洗浄剤は任意で更に以下に述べる酵素安定剤、例えば非イオン性、アニオン性、および/または両性の界面活性剤、および/または漂白剤、および/または材料に加えて任意の更なる通常の成分などの成分を含む。
好ましい非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化された、有利にエトキシル化された特に、好ましくは炭素数8〜18の、平均でアルコール1モルあたり1〜12モルのエチレンオキサイド(EO)を含む一級アルコールであり、アルコール基は線状、または好ましくは2の位置でのメチル分岐である場合があるか、あるいは線状およびメチル分岐した基をオキソアルコール基に一般的に存在する混合物の形で含む場合がある。一方、具体的には、天然由来の炭素数12〜18の線状アルコール基でエトキシル化されたアルコール、例えばココアルコール、パームアルコール、牛脂アルコール、およびオレイルアルコールに由来し、アルコール1モルあたり平均2〜8EOがが好ましい。典型的な好ましいエトキシル化アルコールは、3EOまたは4EOを有するC12-14アルコール、7EOを有するC9-11アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EOを有するC13-15アルコール、3EO、5EO、または7EOを有するC12-18アルコール、およびその混合物、同様に、3EOを有するC12-14アルコールと5EOを有するC12-18アルコールの混合物を含む。前述のエトキシル化の程度は、特定の生成物の全体または小部分の数字である可能性がある統計的な平均値に相当する。好ましいアルコールエトキシルは、相同物の分布が限られている(範囲が狭いエトキシル化物、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加え、12EO以上を有する脂肪アルコールも用いられる場合もある。これらの例は、14EO、25EO、30EO、または40EOを有する牛脂アルコールである。
非イオン性界面活性剤単独で、または他の非イオン性界面活性剤との組合せのいずれかで利用される可能性がある好ましい非イオン性界面活性剤の別の種類は、アルコキシル化された、好ましくはエトキシル化されたまたはエトキシル化かつプロポキシル化された脂肪酸アルキルエステル、好ましくは炭素数1〜4のアルキル鎖に含む、特に脂肪酸メチルエステル。
有利に利用される可能性がある非イオン界面活性剤の更なる種類はアルキルポリグリコシド(APG)である。適切なアルキルポリグリコシドは一般的化学式、RO(G)zを満たし、式中、Rは直鎖状または分岐しており、特に2-メチル分岐した、飽和または不飽和の、炭素素8〜22、好ましくは12〜18の脂肪族基であり、Gは炭素原子を5または6含むグリコース単位を表す記号であり、好ましくはグルコースである。ここで、グリコシド化度zは、1.0〜4.0,好ましくは1.0〜2.0、特に1.1〜1.4である。ポリグリコシル基がグルコース基でアルキル基がn-アルキル基であるアルキルポリグリコシドである直鎖状アルキルポリグルコシドが好ましくは用いられる。
例えばN-ココアルキル-N,N-ジメチルアミノキシド、およびN-牛脂アルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシドといったアミンオキシド・タイプの非イオン性界面活性剤、および脂肪酸アルカノラミドも好適である可能性がある。これらの非イオン性界面活性剤の量は、好ましくはエトキシル化脂肪アルコールが用いられる量を越えず、特にその量の半分を超えないことが好ましい。
その他の好適な界面活性剤は、化学式(II)に相当するポリヒドロキシ脂肪酸アミドであり、
Figure 2009502184
式中、RCOは炭素数6〜22の脂肪族アシル基を表し、Rは水素、アルキル、または炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、[Z]は炭素数3〜10の直鎖状または分岐ポリヒドロキシアルキル基と3〜10のヒドロキシル基を表す。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、通常、還元糖のアンモニア、アルキルアミン、またはアルカノールアミンによる還元的アミノ化とその後の脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、または脂肪酸クロリドによるアシル化によって得ることができる既知の物質である。
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドのグループは、化学式(III)に相当する化合物も含み、
Figure 2009502184
式中、Rは炭素数7〜12の直鎖状または分岐アルキル基またはアルケニル基であり、Rは炭素数2〜8の直鎖状、分岐または環状アルキル基またはアリール基であり、Rは炭素数2〜8直鎖状、分岐または環状アルキル基またはアリール基、または炭素数1〜8の、C1-4アルキルまたはフェニル基を含むオキシアルキル基が好ましく、また[Z]はアルキル鎖が少なくとも二つのヒドロキシル基により置換されている直鎖状ポリヒドロキシアルキル基、あるいはその基のアルコキシル化された、好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化された誘導体である。
[Z]は好ましくは例えばグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、またはキシロースといった糖の還元的アミノ化により得られる。N-アルコキシで、またはN-アリールオキシで置換された化合物は、その後、触媒としてのアルコキシドの存在下で脂肪酸メチルエステルとの反応によって必要とされるポリヒドロキシ脂肪酸アミドへと添加される場合もある。
典型的な好適なアニオン性界面活性剤は、スルホン酸タイプと硫酸タイプの界面活性剤である。スルホン酸タイプの好適な界面活性剤は、有利にはC9-13アルキルベンゼンスルホン酸、アルケンスルホン酸とヒドロキシアルカンスルホン酸の混合物であるオレフィンスルホン酸から得られ、例えば、末端または内部二重結合を有するC12-18モノオレフィンから気体硫黄トリオキシドによるスルホン化とその後のスルホン化産物のアルカリ加水分解または酸加水分解によって得られる。例えばスルホ塩素化またはスルホ酸化とその後の加水分解または中和によってC12-18アルカンから得られたそれらのアルカンスルホン酸も好適である。例えば、水素化されたココ酸、パーム酸、ナット酸、または牛脂酸のα-スルホン酸メチルエステルといった、α-スルホ脂肪酸(エステルスルホン酸)は同様に好適である。
更に好適なアニオン性界面活性剤は、グリセリンの硫酸化脂肪酸エステルである。これらは、1〜3モルの脂肪酸を有するモノグリセリンのエステル化によって、または0.3〜2モルのグリセリンを有するトリグリセリドのエステル交換によって得られるような、モノエステル、ジエステル、およびトリエステルとその混合物も含む。この場合における好ましいグリセロールの硫酸化脂肪酸エステルは、炭素数6〜22の飽和脂肪酸の硫酸化産物であり、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、またはベヘン酸である。
好ましい硫酸アルキル(アルケニル)は、アルカリ金属および特に、例えばココナッツバターアルコール、牛脂アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、またはステアリルアルコールといったC12-C18脂肪アルコール、またはC10-C20オキソアルコールと、これらの鎖長の二級アルコールのハーフエステルに由来する硫酸ハーフエステルのナトリウム塩である。更に好ましいのは、石油化学的基盤で生産された合成の直鎖アルキル基を含み、脂肪化学原料に基づく好適な化合物と同様の分解挙動を示す、前記の鎖長の硫酸アルキル(アルケニル)である。C12-C16硫酸アルキル、およびC12-C15硫酸アルキル、およびC14-C15硫酸アルキルは、洗濯の性能の見地において好ましい。2,3-硫酸アルキルも、好適なアニオン性界面活性剤である。
直鎖状または分岐した1〜6モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC7-21アルコール硫酸ものエステルも好適であり、例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)2-メチル分岐C9-11アルコール、または1〜4EOのC12-18脂肪アルコールである。発泡力の高さから、洗浄剤組成には極めて少量のみ利用され、例えば、通常1〜5重量%のところを、5重量%以下の量である。
またその他の好適なアニオン性界面活性剤は、スルホコハク酸エステルまたはスルホコハク酸のエステル、およびスルホコハク酸とアルコールのモノエステルおよび/またはジエステルとも称される、アルキルスルホコハク酸の塩であり、好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコールである。好ましいスルホコハク酸エステルは、C8-18脂肪アルコール基またはその混合物を含む。特に好ましいスルホコハク酸エステルは、エトキシル化脂肪アルコールに由来する脂肪アルコール基を含み、非イオン性界面活性剤として見なされる場合もある(上述参照)。前記と同様に、特に好ましいスルホコハク酸エステルは、分布範囲が狭い脂肪アルコール基がエトキシル化脂肪アルコールに由来する。また、好ましくはアルキル(アルケニル)鎖に8〜18の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸、またはその塩を利用することもできる。
石鹸は特に、更なるアニオン性界面活性剤と見なされる場合もある。ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸、およびベヘン酸、ならびに特に、ココナッツオイル脂肪酸、パーム核油脂肪酸、または牛脂脂肪酸などといった天然脂肪酸に由来する石鹸の混合物などといった飽和脂肪酸石鹸は好適である。
石鹸を含むアニオン性界面活性剤は、ナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、ならびにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、またはトリエタノールアミンといった有機塩の可溶性塩の形であってもよい。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、ナトリウム塩またはカリウム塩の形、特にナトリウム塩の形である。
界面活性剤は、本発明の洗浄組成または洗剤に、好ましくは最終組成の5〜50重量%、特に8〜30重量%の量で含まれてもよい。
本発明の洗剤または洗浄剤は、漂白剤を含んでもよい。漂白剤として役割を果たし水中にHを放出する化合物のうち、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム四水和物、および過ホウ酸ナトリウム一水和物は特に重要である。使用される可能性がある更なる漂白剤の例は、パーオキシピロリン酸、過酸化水素クエン酸、H放出過酸塩あるいは過硫酸塩またはパーオキソ硫酸といった過酸である。HN-CO-NH・Hの化学式で示すことができる尿酸パーカルバミド過酸化水和物も好適である。特に、例えば自動皿洗い機など剤を固い表面を洗浄するために用いる場合、もし希望であれば、主に洗浄用の布にも利用できるが、有機漂白剤のグループの漂白剤も含んでもよい。典型的な有機漂白剤は、例えば、過酸化ジベンゾイルといった過酸化ジアシルである。更なる典型的な有機漂白剤は、例えばアルキルパーオキシ酸およびアリールパーオキシ酸と名付けられる場合もある、パーオキシ酸である。添加可能な好ましい典型例は、アルキルパーオキシ安息香酸やパーオキシα-ナフトエ酸やモノパーフタル酸マグネシウムといったパーオキシ安息香酸とその環置換誘導体、パーオキシラウリル酸のような脂肪族または置換脂肪族パーオキシ酸、パーオキシステアリン酸、α-フタルイミドパーオキシカプロン酸(フタルオイミノパーオキシヘキサン酸、PAP)、o-カルボキシベンズアミドパーオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドパーアジピン酸およびN-ノネニルアミドパー酸エステルおよび、1,12-ジパーオキシカルボン酸、1,9-ジパーオキシアゼライン酸、ジパーオキシセバシン酸、ジパーオキシブラシル酸、ジパーオキシフタル酸、2-デシルジパーオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイル-ジ(6-アミノパーカプロン酸)などの脂肪族パーオキシジカルボン酸とアリール脂肪族パーオキシジカルボン酸である。
洗剤または洗浄剤の成分である漂白剤は、好ましくは1〜40重量%、特に10〜20重量%の過ホウ酸一水和物または過炭酸が有利に用いられる。
また調合は、60℃以下の温度での洗浄のための、特に前処理洗浄の際の改良漂白作用を達成するために漂白活性剤を含む場合もある。利用可能な漂白活性剤は、過加水分解(perhydrolysis)条件下で、好ましくは炭素数1〜10、特に2〜4の脂肪族パーオキシカルボン酸を生じる化合物、および/または任意で置換された過安息香酸である。前記炭素数のO-アシル基および/またはN-アシル基、および/または置換されたベンゾイル基を有する物質は、好適である。優先傾向は、ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に、1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホン酸、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(n-またはイソ-NOBS)、無水カルボン酸、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコール二酢酸トリアセチン、エチレングリコールジアセタートおよび2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、ならびに独国特許出願第DE196 16 693号および第DE 196 16 767号により知られるエノールエステル、ならびに欧州特許出願第EP-A-767 0 525号に記載のアセチル化ソルビトールおよびマンニトール、およびその混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体、特に、任意でアセチル化されたペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、ならびにN-アルキル化グルカミンおよびグルコノラクトン、トリアゾールまたはトリアゾール誘導体および/または粒子状カプロラクタムおよび/またはカプロラクタム誘導体、好ましくはN-アシル化ラクタムであり、例えばN-ベンゾイルカプロラクタムおよびN-アセチルカプロラクタムである。親水性に置換されたアシルアセタールおよびアシルラクタムも、好ましく用いられる。従来の漂白活性剤との組合せも用いられる場合がある。シアノピリジン、ニトリルエクアート(cyanopyridines、nitrilequats)などの、例えばN-アルキルアンモニウムアセトニトリル、および/またはシアナミド誘導体といったニトリル誘導体も用いられる場合がある。好ましい漂白活性剤は、ナトリウム4-(オクタノイルオキシ)ベンゼンスルホン酸、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(n-またはイソ-NOBS)、ウンデセノイルオキシベンゼンスルホン酸((UDOBS)、ナトリウムドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸(DOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA、OBC 10)および/またはドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸(OBS 12)、およびN-メチルモルフォリナムアセトニトリル(MMA)である。これらのタイプの漂白活性剤は、総組成に対して0.01〜20重量%の通常の範囲の量で、好ましくは0.1重量%〜15重量%の量で、特に1重量%〜10重量%含まれる。
上述の従来の漂白活性剤に加え、または従来の漂白活性剤の代わりに、漂白触媒と呼ばれるものが組み込まれる場合もある。これらの物質は、漂白を促進する遷移金属塩または例えば、マンガン複合体、鉄複合体、コバルト複合体、ルテニウム複合体、または、サレンモリブデン複合体カルボニルモリブデン複合体といった遷移金属複合体である。窒素含有リガンドとのマンガン複合体、鉄複合体、コバルト複合体、ルテニウム複合体、モリブデン複合体、チタン複合体、バナジウム複合体、および銅複合体、ならびにコバルトアミン複合体、鉄アミン複合体、銅アミン複合体、およびルテニウムアミン複合体も漂白触媒として利用される場合もあり、独国特許出願第DE 197 09 284 A1号記載の化合物が好ましく利用される。
一般的に、本発明の洗剤または洗浄剤は、一つ以上のビルダー、特に、使用に反対する環境上の根拠ゼオライト、ケイ酸塩、炭酸塩、有機コビルダー、およびリン酸を含む。リン酸は、自動皿洗い機用の洗浄剤組成に使用される特に好ましいビルダーである。
好適なケイ酸塩ビルダーは、一般化学式NaMSi2x+1 yHOに相当する層状結晶ケイ酸塩で、Mはナトリウムまたは水素で、xは1.6〜4、好ましくは1.9〜4.0の数字で、yは0〜20の数字で、xの好ましい値は、2、3、または4である。これらのタイプの層状結晶ケイ酸塩は、例えば、特許文献に記載されている。所定の化学式の好ましい層状結晶ケイ酸塩は、Mはナトリウムを表し、xは2または3の値を前提とする。β-およびまたσナトリウムジケイ酸NaSi yHOは共に特に好ましい。これらのタイプの化合物は、例えばのSKS(登録商標)(Clariant)称号で市販されている。SKS-6(登録商標)は主に化学式NaSi yHOのσ-ナトリウムジケイ酸であり、SKS-7(登録商標)は主にβ-ナトリウムジケイ酸である。酸(例えばクエン酸、または炭酸)との反応において、σ-ナトリウムケイ酸は、SKS-9(登録商標)およびSKS-10(登録商標)(Clariant)の商標名でKanemit NaHSi yHOが使用可能である。化学的に修飾された層状ケイ酸塩も有利である場合がある。例えば、層状ケイ酸塩のアルカリ度を好適に修飾することができる。σ-ナトリウムケイ酸と比較して、リン酸または炭酸でドープした層状ケイ酸塩は異なる結晶形態を示し、より急速に溶解し、カルシウム結合能の上昇を示す。上述のように、一般化学式x NaO y SiO z Pでyに対するxの比が0.35〜0.6で、zに対するxの比が1.75〜1200までの数字であり、yに対するzの比が4〜2800までの数字に該当する層状ケイ酸塩は、独国特許出願第DE 196 01 063号に記載されている。層状ケイ酸塩の溶解性は、特に微細分散した層状ケイ酸塩を用いることによっても増加させることもできる。その他の成分との層状結晶ケイ酸塩の化合物も用いられる場合がある。分散作用の上で利点を有し、特に洗剤タブレットに用いられるセルロース誘導体との化合物、ならびに、例えばクエン酸、または例えばアクリル酸との共重合体である高分子ポリカルボン酸といったポリカルボン酸は、特に本発明において使用される可能性がある。
その他の有用なビルダーは、(NaO: SiO比)の率が1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、より好ましくは1:2〜1:2.6の非晶質ナトリウムケイ酸であり、遅れて溶解し、複数洗浄サイクル特性を示す。従来の非晶質ナトリウムケイ酸と比較して遅い溶解は、例えば、表面処理、配合、圧縮・成形、または過剰乾燥など、様々な方法で得られる。本発明において、「非晶質」という用語は「X線非晶質」も意味する。言い換えると、ケイ酸塩は典型的な結晶体の明瞭なX線反射をなんら生じないが、よくても、様々な幅の回折角を有する一つ以上の散乱X線の極大を生じる。しかし、特に良好なビルダー特性は、電子回折実験で不明瞭なまたは明瞭な回折極大を生じるケイ酸粒子の場合でも達成される可能性がある。このことは、産物が10〜数百nmのサイズの微結晶領域を有することを意味すると解釈され、最大50nmの、特に最大20nmの値のものが好ましい。非晶質ケイ酸と過剰乾燥したX線非晶質ケイ酸を配合した圧縮/高密度化非晶質ケイ酸は、特に好ましい。
任意で好適な微細結晶である、結合水を含む合成ゼオライトは、A型および/またはP型ゼオライトが好ましい。Zeolite MAP(登録商標)(Crosfield companyの市販品)はP型ゼオライトとして特に好ましい。一方、X型ゼオライトおよびA型、X型および/またはP型の混合物も好適である。市販されており、本発明において好ましく利用されるのは、例えば、CONDEA Augusta S.p.A.より商標名VEGOBOND AX(登録商標)で販売されているX型ゼオライトとA型ゼオライトの共結晶物(X型ゼオライト約80重量%)であり、化学式

nNaO(1-n)KO AI(2-2.5)SiO(3.5-5.5)H

により記載することができる。好適なゼオライトは平均粒子サイズが10μm未満(試験方法:体積分布Coulterカウンター法)であり、好ましくは結合水が18〜22重量%、特に20〜22重量%である。
当然、一般的に知られているリン酸も、環境の見地から使用が回避されるべきでない範囲においてビルダーとして添加することもできる。洗剤および洗浄剤業界において、多数の市販のリン酸のうち、アルカリ金属リン酸が最も重要で、五ナトリウム三リン酸または五カリウム三リン酸(ナトリウムまたはカリウムトリポリリン酸)は特に好ましい。
「アルカリ金属リン酸」は、様々なリン酸のアルカリ金属(より具体的にはナトリウムとカリウム)塩の総称であり、メタリン酸(HPO)nとオルトリン酸(HPO)、および高分子量の類似物に区別できる。リン酸は、アルカリ源として振る舞う、機械部品への石灰沈着と繊維への石灰付着を防ぐ、更に、洗浄効果に貢献する、といったいくつかの固有の利点を兼ね備えている。
リン酸二水素ナトリウムNaHPOは、二水和物(密度:1.91gcm-3、融点:60度)として、また一水和物(密度:2.04gcm-3)として存在する。双方の塩ともに白色の容易に水に溶解する粉末で、加熱で結晶水を失い、200℃で弱酸性二リン酸(二リン酸水素二ナトリウム、Na)に、更に高温でトリメタリン酸ナトリウム(Na)とMaddrell塩に転換する(下記参照)。NaHPOは酸性反応性を示す。NaHPOはリン酸を水酸化ナトリウムでpH値4.5に調節し、結果として生じた「マッシュ(どろどろの状態のもの)」を噴霧することで形成される。リン酸二水素カリウム(第一リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、二リン酸カリウム、KDP)KHPOは密度2.33gcm-3、融点253℃の白色の塩であり[ポリリン酸カリウム(KPOの形成共に分解]、容易に水に溶解する。
リン酸水素二ナトリウム(第二リン酸ナトリウム)NaHPOは、無色で非常に容易に水に溶解する結晶塩である。無水物、2モル(密度:2.066gcm-3、95℃で水を失う)、7モル(密度:1.68gcm-3、融点48℃で5HOを失う)、12モルの水(密度:1.52gcm-3、融点350℃で5HOを失う)と共に存在して100℃で無水物になり、極めて激しい加熱で二リン酸Naに変換される。リン酸水素二ナトリウムは、フェノールフタレインを指標として用いるソーダ水によるリン酸の中和によって調製される。リン酸水素二カリウム(第二リン酸カリウム、またはリン酸水素二カリウム)KHPOは、非晶質の白色の塩で、水に容易に溶解する。
リン酸三ナトリウム、第3リン酸ナトリウム、NaPOは、無色の結晶からなり、12水塩として密度1.62gcm-3、融点73-76℃(分解)であり、10水塩(19-20%Pに相当)として融点100℃、無水物(39-40%Pに相当)では、密度2.536gcm-3である。リン酸三ナトリウムはアルカリ反応で容易に水に溶解し、厳密に1モルのリン酸二ナトリウムと1モルのNaOHの蒸発によって製造される。リン酸三カリウム(第三リン酸カリウム、またはリン酸三カリウム)KPOは、白色の潮解性顆粒粉末であり、密度は2.56gcm-3、融点1340℃で、アルカリ反応を介して容易に水に溶解する。例えば、Thomasスラグの炭素および硫酸カリウムとの加熱によって生産される。より高価であるにも関わらず、より容易に溶解することから洗剤業界では極めて効果的なリン酸カリウムは対応するナトリウム化合物がしばしば好まれる。
二リン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム)Naは、無水物(密度:2.534gcm-3、融点:988℃、880℃との数字も記載されている)として、また10水塩(密度:1.815-1.836gcm-3、融点:94℃で水を失う)として存在する。両物質共に無色の結晶で、アルカリ反応により水に溶解する。Naは、リン酸二ナトリウムが200℃以上に加熱された場合、またはリン酸とソーダが二段燃焼率で反応し溶液を噴霧乾燥することによって形成される。10水塩は重金属塩と硬水塩を形成し、従って、水の硬度を低下させる。二リン酸カリウム(ピロリン酸カリウム)Kは、三水和物の形で存在し、密度2.33gcm-3の無色の吸湿性の粉末で、水に可溶で1%の溶液のpHは25℃で10.4である。
比較的高分子量のリン酸ナトリウムとリン酸カリウムは、NaHPOまたはKHPOの縮合で形成される。これらは環状タイプの、つまりメタリン酸ナトリウムとメタリン酸カリウムと、鎖状タイプのポリリン酸ナトリウムとポリリン酸カリウムに分けることができる。鎖状タイプは具体的には、溶成および焼成リン酸、Graham塩、Kurrol塩、およびMaddrell塩と、様々な異なる名称で知られている。分子量が大きいリン酸ナトリウムとリン酸カリウムは、縮合リン酸の総称で知られる。
工業的に重要な三リン酸五ナトリウム、Na10(三ポリリン酸ナトリウム)は、無水または6HOを含む結晶、非吸湿性で白色の水に可溶な塩で、一般化学式NaO-[P(O)(ONa)-O]n-Naで、式中、n=3である。100gの水に室温で約17gの結晶水を含まない塩が溶解し、60℃では約20g、100℃ではy空く32gが溶解する。溶液の100℃で2時間の加熱後、約8%のオルトリン酸と15%の二リン酸が加水分解によって形成される。三リン酸五ナトリウムの調製は、リン酸はソーダ溶液または水酸化ナトリウムを二段燃焼率で反応させ、溶液を噴霧乾燥させる。Graham塩と二リン酸ナトリウムと同様に、三リン酸五ナトリウムは多くの可溶性金属化合物(石灰石鹸などを含む)を可溶化する。K10(三ポリリン酸カリウム)は例えば、50重量%の溶液の形で市販されている(>23%P、25%KO)。また三ポリリン酸カリウムは、洗剤業界で広く利用されている。三ポリリン酸ナトリウムカリウムも存在し、本発明の範囲でも利用可能である。これらは例えば、トリメタリン酸ナトリウムをKOHで加水分解した際に形成される。
(NaPO + 2 KOH -> Na10 + H
本発明によると、これらは三ポリリン酸ナトリウム、三ポリリン酸カリウム、またはその混合物とまさに同じ方法で使用してもよい。三ポリリン酸ナトリウムと三ポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、または三ポリリン酸カリウムと三ポリリン酸ナトリウムカリウムの混合物、または三ポリリン酸ナトリウムと三ポリリン酸カリウムの混合物、および三ポリリン酸ナトリウムカリウムも、本発明に従って利用されてもよい。
本発明による洗剤および洗浄剤に用いられる可能性がある有機コビルダーは、具体的にはポリカルボン酸塩またはポリカルボン酸、高分子カルボン酸塩、ポリアスパラギン酸、ポリアセタール、任意に酸化されたデキストリン、その他の有機コビルダー(下記参照)およびホスホン酸塩である。上記種類の物質を下記する。
有用な有機ビルダーは、例えば、ナトリウム塩の形で利用可能なポリカルボン酸であり、この関連においてポリカルボン酸は一つ以上の酸機能を有するカルボン酸であると理解される。これらは例えば、環境上安全でない利用をもたらすクエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)とその混合物である。好ましい塩は、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸、およびその混合物といったポリカルボン酸である。
酸自体が使用される場合もある。ビルダーの作用に加えて、酸は一般的に酸化成分としての特性も有し、従って、他の組成の混合物によるpHが望ましくない場合に、比較的低い、穏和なpHでの洗剤または清浄剤の構築にも役立つ。システムや環境に適合した、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびそれらの混合物といった酸は、特にこの件において言及される。一方、特に硫酸または塩基といった鉱酸、特に水酸化アンモニウムまたは水酸化アルカリ金属もpH調節剤としての役割も果たすことができる。これらの種類の調節剤は、本発明の剤に、20重量%以下の量、特に1.2重量%〜17重量%で好ましく含まれる。
その他の好適なビルダーは、例えば、相対分子量が500〜70000g/モルの、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩といった高分子ポリカルボン酸塩である。
本明細書において高分子ポリカルボン酸について述べた分子量は、特定の酸の形の重量平均分子量Mwであり、基本的に、UV検出器を備えたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で決定される。測定は、検討される重合体との構造的な類似性の効果によって実際的な分子量の値を与える、ポリアクリル酸の外部標準に対して行われる。これらの値は、ポリスチレンスルホン酸を標準として測定した分子量とは著しく異なる。ポリスチレンスルホン酸に対して測定した分子量は、一般的に本明細書で述べた分子量より著しく高い。
特に好適な重合体は、分子量が好ましく2000〜20000g/モルであるポリアクリル酸塩である。優れた溶解性により、このグループの好ましい典型例は、分子量が2000〜10000g/モル、更に詳しくは3000〜5000g/モルである短鎖ポリアクリル酸塩である。
更に好適な共重合体ポリカルボン酸は、特にメタクリル酸を含むアクリル酸、アクリル酸、またはマレイン酸を含むメタクリル酸である。50〜90重量%のアクリル酸と50〜10重量%のマレイン酸をを含む、マレイン酸を含むアクリル酸の共重合体は、特に好適であることが証明されている。これらの遊離酸に基づく相対分子量は、一般的に2000〜70000g/モルの範囲であり、好ましくは2000〜50000g/モル、特に30000〜40000g/モルである。(共)重合体ポリカルボン酸は、粉末、または水溶液のいずれかとして使用することができる。組成の(共)重合体ポリカルボン酸含量は、好ましくは0.5〜20重量%、特に1〜10重量%である。
水への溶解性を向上させるために、重合体は、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸のモノマーといったアリルスルホン酸を含む場合もある。
その他の特に好ましい重合体は、例えば、アクリル酸およびマレイン酸、およびビニルアルコールまたはビニルアルコール誘導体の塩をモノマーとして含む、あるいはアクリル酸と2-アルキルアリルスルホン酸と糖誘導体の塩をモノマーとして含む、二つ以上の異なるモノマー単位の生分解性重合体である。
その他の好ましい共重合体は、アクロレイン酸とアクリル酸/アクリル酸塩、またはアクロレインと酢酸ビニルをモノマーとして好ましく含む共重合体である。
同様に、その他の好ましいビルダーは、高分子アミノジカルボン酸およびその塩または前駆体である。ポリアスパラギン酸またはその塩および誘導体は、特に好ましい。
更に好ましいビルダーは、ジアルデヒドを、5〜7の炭素原子を有し少なくとも3つのヒドロキシル基を有するポリオールカルボン酸で処理するによって得られる、ポリアセタールである。好ましいポリアセタールは、グリオキサル、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドといったジアルデヒドとその混合物、ならびにグルコン酸および/またはグルコヘプトン酸から得られる。
更に好適な有機ビルダーは、例えば、デンプンの部分的加水分解によって得られる炭水化物のオリゴマーまたはポリマーであるデキストリンである。加水分解は、例えば、酸性処理または酵素で触媒された処理などの一般的な方法を用いて行うことができる。加水分解産物は、好ましくは平均分子量が400〜500000g/モルの範囲である。DEは多糖の還元効果の一般に認められた方法であり、DE100を有するデキストロースト比較すると、0.5〜70、より具体的には2〜30に相当するデキストリン(DE)を含む多糖は好ましい。DEが3〜20のマルトデキストリンとDEが20〜37のグルコースシロップの双方、ならびに200空30000g/モルの比較的高分子の黄色デキストリン、および白色デキストリンと呼ばれるものも利用されてもよい。
前記デキストリンの酸化誘導体は、サッカリド環の少なくとも一つのアルコール基をカルボン酸基に酸化することができる酸化剤による反応産物に関連する。本発明の剤に特に好ましい有機ビルダーは、酸化デンプンまたはその誘導体である。
オキシジコハク酸およびその他のジコハク酸誘導体、好ましくはエチレンジアミンジコハク酸も、更に好適なコビルダーである。エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)は、本発明においてナトリウム塩またはマグネシウム塩の形で好ましく使用される。この関連において、グリセリンジコハク酸とグリセリントリコハク酸も好ましい。ゼオライト含有製剤またはケイ酸含有製剤中の好適な添加量は3〜15重量%の範囲である。
その他の有用な有機コビルダーは、例えば、任意でラクトンの形で存在する場合があり、少なくとも4つの炭素原子と少なくとも一つのヒドロキシ基、および最大二つの酸性基を含む、アセチル化ヒドロキシカルボン酸とその塩である。
ホスホン酸は、コビルダー特性を有する更なる物質の種類にあたる。具体的には、それらはヒドロキシアルカンホスホン酸、またはアミノアルカンホスホン酸である。ヒドロキシアルカンホスホン酸のうち、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)はコビルダーとして特に重要である。通常ナトリウム塩、中性で反応する二ナトリウム塩、アルカリ性(pH9)で反応する四ナトリウム塩として添加される。エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)およびそれらの高級同族体は、アミノアルカンホスホン酸として好ましく選択される。これらは、例えばEDTMPの六ナトリウム塩として、またはDTPMPの七ナトリウム塩および八ナトリウム塩として、中性反応性ナトリウム塩の形で好ましく添加される。ホスホン酸の種類であるHEDPはビルダーとして好ましく用いられる。アミノアルカンホスホン酸更に重金属複合体を形成する顕著な性質がある。従って、特に、剤が漂白合いも含む場合にアミノアルカンホスホン酸、特にDTPMPまたは前記ホスホン酸の混合物の使用は好ましい場合もある。
更に、アルカリ土類金属イオンと複合体を形成できる任意の化合物がコビルダーとして用いられる場合もある。
ビルダーは本発明の洗剤または洗浄剤に任意で90重量%以下の量で含まれてもよい。好ましくは、75%以下の量で含まれる。本発明の洗剤は、特に5重量%〜50重量%のビルダー含有量を有する。固い表面清浄用、具体的には自動食器洗浄機用の本発明の組成において、ビルダーの含有量は、特に5重量%〜88重量%であり、この種の組成においては水に不溶なビルダーは用いられない。好ましい実施形態において、特に自動食器洗浄機のための本発明の剤、は、20重量%〜40重量%の水に可溶な有機ビルダー、特にアルカリ性クエン酸、5重量%〜15重量%のアルカリ炭酸、および20重量%〜40重量%のアルカリジケイ酸を含む。
液体からゲル様の洗剤および洗浄剤組成に添加することができる溶媒は、規定の濃度で水に混和性である限り、例えば、一価または多価アルコール、アルカノアミンまたはグリコールエーテルのグループに由来する。好ましくは、溶媒はエタノール、n-またはi-プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル;プロピレングリコールメチル-、-エチル-または-プロピルエーテル;ジプロピレングリコールメチル-、または-エチルエーテル;メトキシ-、エトキシ-、またはブトキシトリグリコール;1-ブトキシエトキシ-2-プロパノール、3-メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコールt-ブチルエーテル、およびこれらの溶媒の混合物から選択される。
溶媒は、本発明の液体からゲル様の洗剤および洗浄剤組成において、0.1〜20重量%、しかし好ましくは15重量%未満、および特に10重量%未満の量で使用することができる、
一つ以上の増粘剤または増粘剤系を、粘性を調節するために本発明の組成に加えることもできる。膨張剤とも呼ばれるこれらの高分子量物質は、ほとんどの液体を吸収し、膨潤することにより、液体を粘性がある真の溶液またはコロイド溶液に変える。
好適な増粘剤は、無機化合物または有機高分子化合物である。無機増粘剤は、例えば、ポリケイ酸;モンモリロナイト、ゼオライト、ケイ酸、およびベントナイトの様な鉱物粘土を含む。有機増粘剤は、天然重合体、天然重合体誘導体、および合成重合体のグループに由来する。増粘剤として使用することができる典型的な天然に生じる重合体は、寒天、カラギーン、トラガカント、アラビアゴム、アルギン酸、ペクチン、ポリオース(polyoses)、グアー粉、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン、ゼラチン、およびカゼインである。増粘剤として用いられる修飾された天然産物は、主に修飾されたデンプンおよびセルロースのグループに由来する。例として、カルボキシメチルセルロースとその他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ならびに穀粉エーテル(flour ether)が挙げられる。完全な合成増粘剤は、ポリアクリル、ポリメタクリル、ビニル重合体、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミドおよびポリウレタンなどの重合体である。
増粘剤は、最終的な製剤の5重量%以下、好ましくは0.05〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1.5重量%の量で含まれてもよい。
本発明による洗剤または洗浄剤は、任意で更に一般的な成分、金属イオン封鎖剤、電解質、また、蛍光増白剤、再沈着防止剤、銀腐食防止剤、色移り防止剤、発泡防止剤、研磨剤、染料および/または香料、ならびに抗菌剤、UV吸収剤、および/または酵素安定剤などの補助剤を含む場合もある。
繊維製品用の洗剤は、蛍光増白剤としてジアミノスチルベンジスルホン酸またはそのアルカリ金属塩の誘導体を含んでもよい。好適な蛍光増白剤は、例えば、ジエタノルアミノ基、メチルアミノ基、およびアニリノ基、またはモルホリノ基の代わりに2-メトキシエチルアミノ基を含む、4,4'-ビス-(2-アニリノ-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ)スチルベン-2,2'-ジスルホン酸の塩、または同様の構造の化合物である。置換ジフェニルスチリル・タイプの蛍光増白剤、例えば4,4'-ビス(2-サルホスチリル)ジフェニル、4,4'-ビス(4-クロロ-3-サルホスチリル)ジフェニルまたは4-(4-クロロスチリル)-4'-(2-サルホスチリル)ジフェニルのアルカリ金属塩が存在する場合もある。前記の蛍光増白剤の混合物が用いられる場合もある。
灰色化防止剤は、織物繊維から除去された汚れが洗液に懸濁されたままにしておく役割がある。主に有機性の水に可溶なコロイドがこれに好適であり、例えば、デンプン、のり、ゼラチン、デンプンまたはセルロースのカルボン酸エステルまたはスルホン酸エステルの塩、またはセルロースまたはデンプンの酸性スルホン酸エステルの塩である。水に可溶な三世紀を含むポリアミドも、この目的に好適である。更に、例えばアルデヒドデンプンも、前述のデンプン誘導体の代わりに用いられてもよい。しかし、好ましいのは、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、およびその混合物といった混合エーテルなどの、セルロースエーテルの使用であり、これらは、例えば剤に対して0.1〜5重量%の量で添加されてもよい。
銀腐食防止を実現するために、食器用の銀保護剤が本発明の洗浄剤に添加されてもよい。例えば、ベンゾトリアゾール、塩化第二鉄、またはCoSOが先行技術により知られている。欧州特許第EP 0 736 084 B1号で知られているように、例えば、一般的な酵素使用のための特に好適な銀腐食防止剤は、マグネシウム、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルトまたはセリウムの塩および/または複合体であり、前記金属はII、III、IV、VまたはVIの原子価状態で存在する。これらのタイプの化合物は、MnSO、V、V、VO2、TiOSO、KTiF、KZrF、Co(NO、Co(NOとその混合物である。
汚れ防止剤は、主に、洗剤に使用した場合に従来の成分の繊維の汚れを防止する性質を助け、および/または汚れ防止力をサポートする重合体である。固い表面用の洗浄剤の配合に添加した場合には、匹敵する効果が認められる場合もある。
特に効果的でよく知られた汚れ防止剤は、ジカルボン酸、アルキレングリコール、およびポリアルキレングリコール単位との共重合体である。これらの例は、ポリエチレンテレフタル酸とポリオキシエチレングリコール(ドイツ公開明細書第DT 16 17 141号および第DT 22 00 911号)の共重合体または混合重合体である。ドイツ公開明細書(German Offenlegungsschrift)第DT 22 53 063号は、特に二塩基酸とアルキレンまたはシクロアルキレンポリグリコールの共重合体を含む酸性組成を挙げている。エチレンテレフタル酸とポリエチレンオキシドテレフタル酸の共重合体、および洗剤へのその利用は、確定したモル比でのエチレングリコール、ポリエチレングリコール、芳香族ジカルボン酸、およびスルホン酸化芳香族ジカルボン酸の共ポリエステルを含む洗剤と同様に、先行技術で述べられている。メチル基またはエチル基で末端ブロックされたエチレンおよび/またはプロピレンテレフタル酸およびポリエチレンオキシドテレフタル酸単位のポリエステル、およびこのタイプの汚れ防止重合体を含む洗剤は、オキシエチレン基とテレフタル酸単位に加えて置換エチレン単位およびグリセリン単位を含むポリエステル、ならびにオキシエチレン基とテレフタル酸単位に加えて2-プロピレン-、1,2-ブチレン-、および/または3-メトキシ-1,2-プロピレン基、およびグリセリン単位を含み、末端基がC〜Cのアルキル基でブロックされたポリエステルであるとして知られている。ポリプロピレンテレフタル酸とポリオキシエチレンテレフタル酸単位を含む少なくとも部分的にC1-4アルキルまたはアシルで末端ブロックされたポリエステル、スルホエチル末端ブロックされたテレフタル酸含有汚れ防止ポリエステル、テレフタル酸を含むスルホン酸化不飽和末端基汚れ防止ポリエステル、アルキレングリコールとポリC-Cグリコール単位と酸性芳香族汚れ防止ポリエステルが知られている。更に、多数の機能単位を含む綿製品用の非重合体汚れ防止剤が知られており、例えば陽イオンである場合がある第一の単位は綿表面に静電気引力により吸収可能であり、疎水性であるよう設計された第2の単位は水/綿接触面での活性成分の保持に役割を果たす。
本発明の繊維用洗剤に利用され得る色移り防止剤は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジン-N-オキシドなどの高分子N-オキシド、およびビニルイミダゾールを含むビニルピロリドンの共重合体を含む。
自動洗浄プロセスに剤を用いる際、発泡防止剤の添加が有利である場合がある。好適な発泡防止剤は、例えば、C18-C24の脂肪酸を高含有する天然または合成由来の石鹸を含む。好適な非表面活性タイプの発泡防止剤は、例えば、有機ポリシロキサン類とその超微粒の任意でシラン化したシリカとの混合物、またパラフィン、ワックス、微結晶ワックス、およびシラン化したシリカまたはビス-ステアリルエチレンジアミドとの微結晶ワックスの混合物である。様々な発泡防止剤の混合物、例えば、シリコン、パラフィン、またはワックスの混合物部も有利に使用される。好ましくは、発泡防止剤、特にシリコン含有および/またはパラフィン含有発泡防止剤は、顆粒状の水に可溶な担体材料、または分散可能な担体材料に加えられる。特にこの場合、パラフィンとビスステアリルエチレンジアミドの混合物が好ましい。
繊維または固い表面の洗浄プロセスにおいて、エステラーゼは使用毎に0.04μg〜96g、好ましくは0.05μg〜72g、特に好ましくは1μg〜48g、非常に特に好ましくは2μg〜24gの量で使用される。
本発明の固い表面用の洗浄組成は、更に、特にを石英粉末、木粉、プラスチック粉末、チョーク、およびマイクロスフェア、ならびにその混合物を含む群に由来する研磨剤成分を含む場合もある。研磨剤は、20重量%未満、特に5重量%〜15重量%の量で、好ましく本発明の洗浄剤組成に含まれる。
物品によって作られる美的印象を向上させるため、および必要な性能のみならず、視覚的感覚的に「一般的で間違いない」物品を消費者に与えるために、着色剤および香料が洗剤および洗浄剤に添加されてもよい。好適な香油または香料は、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素タイプの合成物品などの個別の香料化合物を含む。エステルタイプの香料化合物は、例えば、酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチレート、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテル類は、例えば、ベンジルエチルエーテル;例えば8〜18炭素原子を含む直鎖アルカン、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアルおよびボージュナールを含むアルデヒド類;例えばイオノン、α-イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンを含むケトン類;例えばをアネトール、シトロネロール、ユージノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオール含むアルコール類;上記全て、リモネンやピネンといったテルペンを含む炭化水素を含む。一方、共に魅力的な香味に優れた特徴を作り出す様々な芳香物質が好ましく用いられる。例えば、マツ、シトラス、ジャスミン、パチョリ、バラまたはイランイラン油といった香油は、植物性供給源から得られる天然の芳香物質の混合物も含む場合がある。また好適なのは、マスカテル油、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、桂皮油、ライム花油、ジュニパーベリーオイル、ベチベル油、オリバナム油、ガルバヌム油、およびアヘンチンキ油、およびオレンジ花油、橙花油、橙皮油およびビャクダン油である。通常、着色料の含有量は0.01重量%未満であるが、香料は、洗剤と洗浄剤組成の調合全体の2重量%以下にすることもできる。
香料は洗剤または洗浄剤に直接的に組み込まれてもよいが、特に処理された織物について、洗濯の際の香料の吸収を強化し、また香りの放出を減少させることで織物の香りを長持ちするさせる担体と共に香料を適用するのも有利である可能性がある。好適な担体材料は、例えば、任意で他の補助剤で被覆されたシクロデキストリン、シクロデキストリン/香料複合体である。更に好ましい香料のための担体は、界面活性剤の代わりに、または界面活性剤との混合物中で香りを取り込むことができる前述のゼオライトXである。従って、好ましい洗剤および洗浄剤は、前述のゼオライトXと好ましくは少なくとも部分的にゼオライトに吸収された香料を含む。
専門家にとって選択は困難でない好ましい着色料は、高い保存安定性を有し、洗剤の他の成分、または光による影響を受けず、織物繊維を着色しないように、処理された織物繊維に対する顕著な直接染色性を持たない。
微生物を制御するために、洗剤または洗浄剤は抗菌剤を含んでもよい。抗菌スペクトルと作用機序によって、抗菌剤は細菌発育阻止剤と殺菌剤、真菌発育阻止剤と防かび剤等に分類される。これらのグループが提供する重要な物質は、例えば、塩化ベンザルコニウム、アルキルアリールスルホン酸、ハロフェノール、およびフェノール酢酸水銀である。本発明の教示において、「抗菌活性」および「抗菌剤」の表現は、例えばK. H. Wallhaeusserにより「Praxis der Sterilisation, Desinfektion -Konservierung Keimidentifizierung--Betriebshygiene」(5th Edition, Stuttgart/New York: Thieme, 1995)で定義されたような通常の技術的な意味を有し、本明細書において抗菌活性があると記載された任意の物質が利用可能である。好適な抗菌剤は、好ましくは、アルコール、アミン、アルデヒド、抗菌性の酸またはその塩、カルボン酸エステル、酸アミド、フェノール、フェノール誘導体、ジフェニル、ジフェニルアルカン、尿素誘導体、酸素、N−アセタール、およびホルマール、ベンズアミジン、イソチアゾリーン、フタルイミド誘導体、ピリジン誘導体、抗菌性表面活性化合物、グアニジン、抗菌性両性化合物、キノリン、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ヨード-2-プロピルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨウ素ポリマー複合体、ヨードフォア、パーオキシ化合物、ハロゲン化合物、および任意の上記の混合物のグループから選択される。
従って抗菌活性物質は、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、1,3-ブタンジオール、フェノキシエタノール、1,2-プロピレングリコール、グリセリン、ウンデシレン酸、安息香酸、サリチル酸、ジヒドロ酢酸、o-フェニルフェノール、N-メチルモルホリン-アセトニトリル(MMA)、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、4,4'-ジクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(ジクロサン)、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、クロルヘキシジン、N-(4-クロロフェニル)-N-(3,4-ジクロロフェニル)-ウレア、N,N'-(1,10-デカンジイルジ-1-ピリジニル-4-イリデン)-ビス-(1-オクタミン)ジヒドロクロライド、N,N'-ビス-(4-クロロフェニル)-3,12-ジイミノ-2,4,11,13-テトラアザ-テトラデカンジイミドアミド、グルコプロタミン、表面活性殺菌第四化合物;例えば、1,6-ビス(2-エチルヘキシルビグアニドヘキサン)ジヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-フェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンテトラヒドロクロライド、1,6-ジ-(N1,N1-フェニル-N,N1'-メチルジグアニド-N,N5')ヘキサンジヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンジヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-2,6-ジクロロフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンジヒドロクロライド、1,6-ジ-[N,N1'-α-(p-メトキシフェニル)ジグアニド-N,N5']ヘキサンジヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-α-メチル-β-フェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンジヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-p-ニトロフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンジヒドロクロライド、ω:ω-ジ-(N,N1'-フェニルジグアニド-N,N5')ジ-n-プロピルエーテルジヒドロクロライド、ω:ω-ジ-(N,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N,N5')ジ-n-プロピルエーテルテトラヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-2,4-ジクロロフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンテトラヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-p-メチルフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンジヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-2,4,5-トリクロロフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンテトラヒドロクロライド、1,6-ジ-[N,N1'-α-(p-クロロフェニル)エチルジグアニド-N,N5']ヘキサンジヒドロクロライド、ω:ω-ジ-(N,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N,N5')m-キシレンジヒドロクロライド、1,12-ジ-(N,N1'-p-クロロフェニルジグアニド-N,N5')ドデカンジヒドロクロライド、1,10-ジ-(N,N1'-フェニルジグアニド-N,N5')デカンテトラヒドロクロライド、1,12-ジ-(N,N1'-フェニルジグアニド-N,N5')ドデカンテトラヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンジヒドロクロライド、1,6-ジ-(N,N1'-o-クロロフェニルジグアニド-N,N5')ヘキサンテトラヒドロクロライド、エチレン-ビス-(1-トリルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(p-トリルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(3,5-ジメチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(p-タート-アミルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(ノニルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(フェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(N-ブチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(2,5-ジエトキシフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(2,4-ジメチルフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(o-ジフェニルビグアニド)、エチレン-ビス-(混合アミルナフチルビグアニド)、N-ブチルエチレン-ビス-(フェニルビグアニド)、トリメチレンビス(o-トリルフェニルビグアニド)、N-ブチルトリメチレン-ビス-(フェニルビグアニド)といったビ-およびポリグアニジンを含むグアニジン、および酢酸塩、グルコン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、亜硫酸水素塩、フッ化物、ポリマレエート、N-ココアルキルサルシノス酸塩(N-coco alkyl sarcinosates)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、パーフルオロオクタニック酸塩、ケイ酸塩、ソルビン酸塩、サリチル酸塩、マレイン酸エステル、酒石酸塩、フマル酸エステル、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸塩、ケイ皮酸エステル、チオシアン酸塩、アルギネート、ピロメリト酸、テトラカルボキシブチレート、安息香酸エステル、グルタル酸エステル、モノフルオロリン酸塩、パーフルオロプロピオン酸塩、およびそれらの任意の混合物おような相当する塩のうちから選択することができる。更に、p-クロロ-メタ-クレゾール、p-クロロ-メタ-キシレンといったハロゲン化キシレン誘導体およびクレゾール誘導体、および植物(例えば、スパイスまたは芳香植物由来)、動物および微生物由来の天然抗菌活性剤が好適である。好ましい抗菌剤は、抗菌表面活性第四化合物、植物由来の天然抗菌剤および/または動物由来の天然抗菌剤であり、最も好ましくは、カフェイン、テオブロミンおよびテオフィリン、ならびにユージノール、チモールおよびゲラニオールといった芳香油を含む群からの少なくとも一つの植物由来の天然抗菌剤、および/またはミルク由来のタンパク質であるリゾチームおよびラクトパーオキシダーゼ等の酵素を含む少なくとも一つの動物由来の天然抗菌剤、および/またはアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウムまたはアルソニウム群、パーオキシ化合物および塩素化合物を含む少なくとも一つの抗菌表面活性第四化合物である。バクテリオジン(bacteriozines)と呼ばれる微生物由来の物質が用いられてもよい。
抗菌剤として好適な四級アンモニウム化合物(QUATS)は、一般化学式(R)(R)(R)(R)N-を有し、式中、RないしRは同一または異なってもよく、C-22アルキル基、C-28アラルキル基、または複素環基、ピリジンなどの芳香族化合物の場合は二つ、または例えばピリジニウムまたはイミダゾリニウム化合物といった複素環を成す窒素原子と共に三つの基を表し、Xはハロゲン化物イオン、硫酸イオン、水酸化物イオン、または同様のアニオンを表す。至適な抗菌活性のためには、少なくとも一つの置換基は、好ましくは8〜18の鎖長、より好ましくは12〜16の炭素原子を有する。
QUATSは、三級アミンの、例えば塩化メチル、塩化ベンジル、硫酸ジメチル、ドデシルブロマイドおよびエチレンオキシドといったアルキル化剤との反応によって得られてもよい。長いアルキル鎖と二つのメチル基を有する三級アミンのアルキル化は特に容易である。二つの長鎖と一つのメチル基を含む三級アミンの四級化も、塩化メチルを用いる穏和な条件下で行われてもよい。三つの長いアルキル鎖またはヒドロキシ置換アルキル鎖を含むアミンは反応性を欠き、硫酸ジメチルにより好ましく四級化される。
好適なQUATSは、例えば塩化ベンザルコニウム(N-アルキル-N,N-塩化ジメチルベンジルアンモニウム、CAS No. 8001-54-5)、ベンザルコニウムB(m,p-ジルロロベンジルジメチル-C12-塩化アルキルアンモニウム、CAS No. 58390-78-6)、塩化ベンゾキソニウム(ベンジルドデシル-ビス-(2-ヒドロキシエチル)塩化アンモニウム)、臭化セトリモニウム(N-ヘキサデシル-N,N-臭化トリメチルアンモニウム、CAS No. 57-09-0)、塩化ベンゼトニウム(N,N-ジ-メチル-N-[2-[2-[p-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノキシ]-エトキシ]-エチル]-塩化ベンジルアンモニウム、(CAS No. 121-54-0)、ジ-n-塩化デシルジメチルアンモニウム(CAS No. 7173-51-5-5)、臭化ジデシルジメチルアンモニウム(CAS No. 2390-68-3)、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、1-塩化セチルピリジニウム(CAS No. 123-03-5)およびヨウ化チアゾリン(CAS No. 15764-48-1)などの塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、およびそれらの混合物である。特に好ましいQUATSは、C-18アルキル基、さらに特にC12-C14塩化アルキルベンジルジメチルアンモニウムを含む塩化ベンザルコニウムである。
ハロゲン化ベンザルコニウムおよび/または置換ハロゲン化ベンザルコニウムは、例えば、LonzaのBarquat(登録商標)、MasonのMarquato(登録商標)、Witco/SherexのVariquat(登録商標)、およびVariquatのHyamine(登録商標)として、ならびにLonzaのBardac(登録商標)として市販されている。市販されているその他の抗菌剤は、DowのDowicide(登録商標)およびDowicil(登録商標)などのN-(3-クロロアリル)-塩化ヘキサミニウム、Rohm & HaasのHyamine(登録商標)1622などの塩化ベンゼトニウム、Rohm & HaasのHyamine(登録商標)10Xなどの塩化メチルベンゼトニウム、Merrell Labsのcepacolchlorideなどの塩化セチルピリジニウムである。
抗菌剤は0.0001重量%〜1重量%、好ましくは0.001重量%〜0.8重量%、特に好ましくは0.005重量%〜0.3重量%、最も好ましくは0.01重量%〜0.2重量%の量で用いられる。
本発明の洗剤または洗浄剤は、処理された織物に付着して繊維の光安定性、および/または製剤の様々な成分の光安定性を高める、UV吸収剤を含んでもよい。UV吸収剤は、UV放射を吸収でき、結果生じたエネルギーを例えば熱のような長波長の放射の形で放出する有機化合物を意味すると理解される。
これらの望ましい特性を有する化合物は、たとえば、効果的な無放射性不活性化化合物と、2位および/または4位に置換を有するベンゾフェノン誘導体である。また、好適なのは、置換ベンゾトリアゾール、3位でフェニル置換されたアクリレート(任意で2位にシアノ基を有する桂皮酸誘導体)、サリチル酸、有機Ni複合体、ならびにウンベリフェロンおよび内因性ウロカニン酸などの天然物質である。例えば、欧州特許第EP 0 728 749 A号に開示され、CibaからTinosorb(登録商標)FDまたはTinosorb(登録商標)FRとして市販されているビフェニルおよび上記の全てのスチルベン誘導体は、特に重要である。UV-B吸収剤としては、3-ベンジリデンカンファーまたは3-ベンジリデンノルカンファーと、例えば欧州特許第EP 0693471 B1号に記載の3-(4-メチルベンジリデン)カンファーなどの誘導体;好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸、2-エチルヘキシルエステル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸、2-オクチルエステルおよび4-(ジメチルアミノ)安息香酸、である4-アミノ安息香酸誘導体、アミルエステル、ケイ皮酸エステル、好ましくは4-メトキシケイ皮酸、2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシケイ皮酸、プロピルエステル、4-メトキシケイ皮酸、イソアミルエステル、2-シアノ-3,3-フェニルケイ皮酸、2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸、2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸、4-イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸、ホモメンチルエステル;ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4-メトキシベンズマロン酸、ジ-2-エチルヘキシルエステル;例えば、欧州特許第EP 0818450 A1号に記載の2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジンおよびオクチルトリアゾン、またはジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)、HEB)などのトリアジン誘導体;例えば1-(4-タート-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンなどのプロパン-1,3-ジオン;欧州特許第EP 0694521 B1号に記載のケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体が挙げられる。更に好適なのは、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸およびそのアルカリ-、アルカリ土類-、アンモニウム-、アルキルアンモニウム-、アルカノールアンモニウム-およびグルカアンモニウム塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸とその塩;例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸などの3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、およびその塩である。
一般的なUV-Aフィルターは、特に、例えば1-(4'-タート-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-タート-ブチル-4'-メソキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)-プロパン-1,3-ジオン、および独国特許出願公開第DE 1 971 2033 A1号に記載のエナミン化合物(BASF)などのベンゾイルメタンの誘導体を含む。当然、UV-AおよびUV-Bフィルターは、混合物として添加されてもよい。一方、前述の可溶性材料、不溶性光保護色素、すなわち細かく分散される、好ましくはナノ金属酸化物または塩にもこの役割があると考えられてもよい。典型的な好適な金属酸化物は、特に酸化亜鉛、および酸化チタン、および鉄、ジルコニウム、シリコン、マンガン、アルミニウム、およびセリウムの酸化物とそれらの混合物である。ケイ酸(タルク)、硫酸バリウム、またはステアリン酸亜鉛は、塩として添加されてもよい。酸化物と塩は、スキンケアおよび肌保護のための乳液、化粧品に色素の形で既に用いられている。本明細書においては、粒子は100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径でなければならない。粒子は球形であってよいが、楕円形またはその他の形状の粒子も使用されてもよい。色素は、表面処理、即ち親水化または疎水化されてもよい。一般的な例は、例えばTitandioxid Z 805(Degussa)またはEusolex(登録商標)T2000(Merck)などの被覆された酸化チタン;好ましくはシリコン、および特に好ましくはアルコキシオクチルシランまたはSimethiconeが疎水性被覆剤として用いられる。好ましくは、微粉化酸化亜鉛が用いられる。更に好適なUV光保護フィルターは、P. Finkelによる総説SoeFW-Journal, Volume 122 (543), p. 1996中に認められる可能性がある。
UV吸収剤は、通常、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.03重量%〜1重量%の量で用いられる。
一般的に、洗濯または洗浄用活性酵素は、従来の洗剤および洗浄剤成分のうちにも数えられる。
このように、上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体、更に追加の酵素によって特徴づけられる洗剤または洗浄剤は、本発明の好ましい実施例を示す。特に、これらは他のエステラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、例えばβ-グルカナーゼなどのヘミセルラーゼ、例えばラッカーゼなどのオキシドレダクターゼ、クチナーゼおよび/またはリパーゼのみならず、先行技術において本分野の応用について記載されているエステラーゼと他の全ての酵素を含む。
プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、またはセルラーゼのような酵素は、洗剤と洗浄剤の活性成分として数十年間使用されてきた。当該剤の洗浄力または清浄力へのそれぞれの貢献は、プロテアーゼの場合はタンパク質を含む汚れの分解、アミラーゼの場合はデンプンを含む汚れの分解、リパーゼの場合は脂肪切断活性である。
セルラーゼは、洗剤において、特に汚れ除去つまり一次洗浄力または清浄力に加えて、洗剤の二次洗浄力と織物の繊維作用への寄与により、好ましく用いられる。特定の加水分解産物は、酵素とその他の成分の間の相乗効果の結果として、他の洗剤または洗浄剤成分によって攻撃され、溶解され、乳液化されるか懸濁され、あるいはそれらのより高い溶解性のために、洗濯液で洗い流される。
プロテアーゼは天然繊維、特に羊毛または絹に対して、洗剤の二次洗浄力にセルラーゼに匹敵する作用を発揮することができる。前記織物の表面構造に対するその作用のため、プロテアーゼは材料とそれを妨げるフェルト化に対して平滑化の影響を発揮することができる。
その他の酵素は、それ自体の特異的酵素性能によって適切な剤の清浄力を拡大する。これらの例は、特に特別な洗剤に用いられるβ-グルカナーゼ、ラッカーゼなどのオキシドレダクターゼ、またはペクチン溶解酵素を含む。
本発明の洗剤または洗浄剤での使用に好適な酵素は、主に細菌または真菌といった微生物から単離されたものである。これらは、発酵プロセスの方法によって知られる方法で、好適な微生物から得られる。
本発明のタンパク質および/またはその他のタンパク質の存在は、特に保存の際に例えば物理的影響、酸化、またはタンパク分解開裂など、例えば変性、分解、または不活性化などの劣化から保護されてもよい。これは、全ての本発明の剤、特に洗剤および洗浄剤に当てはまる。
安定剤の一つのグループは、剤が洗浄液に希釈される際に解離する、可逆的なプロテアーゼ阻害剤である。ベンズアミジン塩酸塩およびロイペプチンはこの目的のために確率されている。しばしば、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸またはその塩またはエステル;特に芳香族基、オルト置換、メタ置換、およびパラ置換されたフェニルボロン酸の誘導体またはその塩またはエステルが用いられる。2-50モノマーのペプチドアルデヒド、即ち、還元されたC末端を有するオリゴペプチドは、洗剤および洗浄剤プロテアーゼの可逆的阻害に利用される。ペプチド性可逆的プロテアーゼ阻害剤は、とりわけオボムコイドを含む。例えば、プロテアーゼサブチリシン(Subtilisin)の特異的可逆的ペプチド阻害剤は、プロテアーゼ含有剤および対応するプロテアーゼの阻害剤の融合タンパク質に利用されてもよい。
更なる酵素安定剤は、モノ−、ジ−、トリ−エタノールアミン、および-プロパノールアミン、およびそれらの混合物、コハク酸のようなC12以下の脂肪族カルボン酸、その他のジカルボン酸、または前記の酸の塩のようなアミノアルコールである。末端基がキャップされた脂肪アミドアルコキシレートは、先行技術においてこの目的のために開示されている。ビルダーとして用いられる特定の有機酸は、含まれる酵素をさらに安定化させることができる。
例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはソルビトールのような上記全てのポリオール以外の低級脂肪族アルコールは、更に頻繁に用いられる酵素安定化剤である。同様に、例えば酢酸カルシウムまたはギ酸カルシウムなどのカルシウム塩およびマグネシウム塩も用いられる。
ポリアミドオリゴマーまたはリグニン、水溶性ビニル共重合体、またはセルロースエーテルのような高分子化合物、アクリル重合体、および/またはポリアミドは、酵素標品を物理的な影響またはpH変動に対して安定化させる。ポリアミン-N-オキシドを含む重合体は、酵素安定剤として、また色移り防止剤として同時に作用するその他の高分子安定剤は、直鎖状C8-18ポシオキシアルキレンである。アルキルポリグリコシドは、本発明の剤酵素成分を安定化させ、更に性能を高める可能性がある。架橋された窒素含有物は、汚れ防止剤と酵素安定剤として二機能を実現させる。他の安定剤との混合物中の疎水性非イオン性ポリマーは、セルラーゼに対して安定剤として振る舞い、それらのまたは類似の成分も本発明に必須の酵素に好適である可能性がある。
還元剤と抗酸化剤は、酸化分解に対して酵素の安定性を高める。硫黄含有還元剤が知られている。その他の例は、亜硫酸ナトリウムと還元糖である。
例えば、ポリオール、ホウ酸および/またはホウ砂といった安定剤の組合せも頻繁に用いられ、ホウ酸またはホウ砂、還元糖とコハク酸またはその他のジカルボン酸の組合せ、もしくはホウ酸またはホウ砂のポリオールまたはポリアミノ化合物、および還元塩との組合せが開示されている。ペプチドアルデヒド安定剤の作用は、ホウ酸および/またはホウ砂誘導体、およびポリオールとの組合せによって高められ、追加のカルシウムイオンの使用によって更に高められる。
安定化された酵素活性を含む剤は、好ましい本発明の実施形態である。特に好ましいのは一つ以上の前記の方法によって安定化された酵素を含むものである。
本発明の剤は考えられる任意の形態で提供され得るので、特定の剤への添加に適した任意の製剤中の本発明酵素またはタンパク質は、本発明の個別の実施形態を表す。それらの例は、液体製剤、固体顆粒、またはカプセルを含む。
カプセル型は、酵素またはその他の成分を、例えば漂白剤などの他の成分から保護する、もしくは制御された放出を可能にする方法である。そのサイズによって、前記カプセルは、ミリカプセル、マイクロカプセル、ナノカプセルに分けられ、マイクロカプセルは特に酵素に好ましい。可能なカプセル化方法は、タンパク質溶液のデンプンまたはデンプン誘導体の溶液または懸濁液との混合物から始めて、タンパク質をカプセル化する方法である。
固形剤の場合、タンパク質は例えば乾燥状態、顆粒状、および/またはカプセル型で用いられてもよい。これらは別々に、即ち、一段階として、または他の成分と共に同じ段階で、圧縮して、または圧縮せずに添加されてもよい。マイクロカプセル化される場合には、固体酵素が用いられ、その後、噴霧乾燥、遠心分離、またはトランス溶解(transdissolution)などの先行技術によって知られる方法によって処理の結果得られる水溶液から水が除去されてもよい。この方法で得られた粒子は、通常、50〜200μmの粒子サイズである。
先行技術に従って行われるタンパク質の再生に始まって、濃縮された水溶液または非水溶液、懸濁液または乳液への調製だけでなく、ゲル状、またはカプセル型、または乾燥粉末として、本発明の酵素および本発明のタンパク質も本発明の液体、ゲル状またはペースト状の剤に添加されてもよい。本発明の前記洗剤または洗浄剤は、通常、成分を単純に混合して調製され、固形または溶液として自動ミキサーに投入されてもよい。
主な洗浄力とは別に、洗剤に含まれるエステラーゼは更に機能の活性化、または適切な接触時間の後にエステル分解開裂による他の成分の不活性化が更におこなってもよい。類似の調節機能は、本発明のタンパク質を介しても可能である。本発明の別の実施形態は、カプセルが例えば本発明のタンパク質によって意図された時間に加水分解され、内容物を放出する、エステラーゼ感受性材料のカプセルを含むそれらの剤に関する。類似の効果は、他の多段階剤で達成されてもよい。
上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つを単独で、または他の成分に加えて含むことを特徴とする織物原材料の処理または織物の手入れのための剤、特に繊維、または人工繊維成分による織物、および非常に特にポリエステルを含むものは、本発明の別の対象である。
例えばポリエステルのような合成繊維は、特有の表面構造も特徴とする。長期では、特に複数の洗浄処理を対象とした場合、これは、例えばフェルト化、「けば立ち」といった望ましくない作用を引き起こす可能性がある。前記の作用を防止するため、原材料または製品原材料、織物または繊維は、いずれも本発明の剤で処理される。これは、例えば表面構造の平滑化およびそれによるフェルト化の防止に寄与する。
本発明の剤は、好ましくは既にフェルト化した(けば立った)繊維、特にポリエステル繊維の外観および/または表面構造を向上させるために用いられる。本発明の酵素は、フェルト化した(けば立った)合成繊維のエステル結合を開裂させることができ、それによって逆転(脱けば立ち)やその発生防止、フェルト化またはけば立ちを顕著に遅延、および/または完全に阻止することさえできる。
好ましい実施形態において、本発明のエステラーゼを含む剤はコンディショナーとして、例えば洗浄処理に添加することによって、洗浄後に添加して、または洗浄とは独立に添加することによって、定期的に使用されてもよいような方法で設計される。望ましい効果は、長期にわたって織物の平滑な表面構造を得ること、および/または織物の損傷を防止および/または低減することである。
本発明の別の対象は、織物または固い表面の自動洗浄の為の方法、および上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体が少なくとも一つの処理段階で活性であり、使用あたりに0.01μg〜96g、好ましくは0.05μg〜72g、特に好ましくは0.1μg〜48g、および非常に特に好ましくは0.5μg〜24gの量であることを特徴とする前記方法により構成される。
これらの方法は、手動処理および自動処理の両方を含み、自動処理は、例えば添加量および接触時間などに関するより正確な制御可能性故に好ましい。
織物の洗浄のための方法は、一般的に様々な洗浄活性物質が洗浄される材料にふくすうの処理段階で適用され、接触時間後に洗い流されることか、もしくは、洗浄される材料がその他の任意の方法で洗剤または前記剤の溶液で処理されることを特徴とする。同じことが、織物以外の固い表面の物品に分類される他の任意の材料の洗浄方法にも当てはまる。本発明のタンパク質を考えられる全ての洗浄または清浄段階の少なくとも一つの処理段階に加え、従って、これらの処理が本発明の実施形態になることはあり得る。
もし安定化成分、塩、または緩衝剤の添加が望ましいのであれば、織物の自動洗浄のための前記処理の個別の部分段階は、本発明の酵素を単独活性成分とする使用からなってもよい。これは特に好ましい本発明の実施形態である。
前記処理の更なる好ましい実施形態において、当該本発明の酵素は、本発明の剤、好ましくは本発明の洗剤または洗浄剤のための上述した調製物の一つの関連で供給される。
本発明の本対象物の好ましい実施形態は、織物原材料の処理または織物の手入れのための方法であり、上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つが少なくとも一つの処理段階で活性であることを特徴とする、特に織物原材料、繊維、または人工成分を含む織物、また非常に特に合成繊維、特にポリエステルを含む織物のための方法である。
これは、例えば材料が織物を例えば抗けば立ち仕上げで処理するよう調製される方法、または例えば摩耗した織物を洗浄する際に手入れ成分を追加する方法に関わる可能性がある。好ましい実施形態は、織物原材料、繊維、または合成成分を含む織物、特に合成繊維、特にポリエステルの処理のための方法に関する。
織物または固い表面の洗浄のための上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの使用は、本発明の別の対象である。
好ましくは、上述の濃度範囲がこの使用に適用する。
特に上述の特徴と上述の方法に一致する本発明のタンパク質は、織物の脱けば立ちに使用されてもよい。手による洗浄または織物または固い表面から汚れの手作業除去、もしくは自動処理と組み合わせた使用は、典型的な実施形態である。
本使用の好ましい実施形態において、当該本発明の酵素は、本発明の剤、好ましくは本発明の洗剤または洗浄剤のための上述の調製物の一つの関連で供給される。
洗剤または洗浄剤の成分の活性化または不活性化のための上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの使用は、本発明の本対象の更なる実施形態である。
知られているように、洗剤または洗浄剤の成分はエステラーゼの作用により不活性化される場合がある。本発明の対象物は、望ましくない作用よりむしろ別の方法で意図的に使用する事である。上述のように、例えば前記成分が実際の酵素と対応する阻害剤のハイブリッドタンパク質である場合、別の成分をエステル分解開裂によって最初に活性化することは同様に可能である。この種の調節の別の例の一つは、活性成分の活性を保護または制御するために、エステル分解攻撃に感受性の材料の中にカプセル化する方法である。本発明のタンパク質は、従って、特に多段階剤において、不活性化反応、活性化反応、または放出反応に使用することもできる。
例えば香油のような芳香の制御されたおよび/または遅延した放出の為の使用は、特に適している。
洗剤および洗浄剤の範囲外にあるその他全ての技術的方法、使用、および関連した剤は、その多様性に関わりなく、それらが本発明のタンパク質を特徴とする限りは本発明の対象内にまとめられる。この取りまとめは、網羅的な列挙として理解されるのではなく、最も重要な現在認識される本発明のエステラーゼの応用可能性をまとめるものである。本発明のエステラーゼの使用が更に追加の技術分野を開発し、ひいてはこれらが本発明の保護の範囲内に含まれるということが生じるであろう。
生化学的解析のため、または低分子化合物の合成のための上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの使用は、本発明の本対象物の実施形態である。
この使用は、対応する剤または方法の関連において好ましく生じる。本発明によれば、酵素的解析は、一方で基質の同定または濃度の決定、あるいは他方では酵素の同定または活性の決定を目的とする、特定の酵素または基質を使用する任意の生化学的解析を意味すると理解される。応用分野は、関連する全ての生化学、特に分子生物学およびタンパク質化学である。この使用は、酵素的解析方法の関連において好ましく生じる。
天然産物または有用な生物学的産物の調製、精製、または合成のための上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの使用は、本発明の本対象物の更なる実施形態である。
この使用は、対応する剤または方法の関連において好ましく生じる。従って、例えば、天然産物または有用な生物学的産物の精製の過程で、前記産物からタンパク質の混入を取り除くために必要である可能性がある。これらは、例えば、低分子化合物任意の細胞成分または保存物質またはタンパク質である可能性がある。これは、実験室規模および例えば有用産物のバイオテクノロジー的生産後に工業的規模の両方で行われてもよい。
更に、洗剤および洗浄剤における本発明のタンパク質の使用は、ポリエステル繊維に見られるサテンのような光沢を減少させる可能性があり、消費者にとってはより安価であると考えられる。更に、洗濯の際の合成繊維の光沢がある領域の形成が低減されるか、または基本的に防止される可能性さえある。例えば摩擦やすり切れなどの繊維の激しい摩耗によって既に形成された光沢がある領域は、本発明の酵素を含む洗剤および洗浄剤の使用によって減少する。
更に、本発明の酵素は、再沈着、即ち、洗浄処理の際の洗濯液からの汚れの付着を低下させる、または防止するために使用されてもよい。
更に、洗剤および洗浄剤における本発明の酵素の使用は、全体的な洗浄力の向上を可能にする。
エステルまたはその他の低分子化合物の合成のための本発明のエステル分解酵素の使用は、例えば、カルボキシル基がその後エステル化される場合、またはモノ-、ジ−、またはポリオールとの結合が意図される場合に、この酵素によって自然に触媒されるのと逆の反応で生じる。
更に、エステラーゼ、特にポリエステラーゼ、好ましくはパラニトロベンジルエステラーゼは、化学合成または化学合成中の精製のために使用されてもよい。酵素は一般的に立体選択的な触媒中心を有するため、前記酵素をラセミ化合物の選択、または立体選択的な合成に使用することが可能である。
天然または合成の原材料の処理、特に表面処理のための上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの使用は、本発明の本対象物の更なる実施形態である。
この使用は、対応する剤または方法の関連において好ましく生じる。例えば、特定の不純物が原材料から除去されなければならない場合に必要とされる。これらは共通して、主にポリエステル化合物のように合成的に得られる原材料だけでなく、例えば抗生物質のような発酵を用いてバイオテクノロジー的に生産される物質でもあると理解される。
特にp-ニトロベンジルエステラーゼ、好ましくはバチルス属の細菌から得られるポリエステラーゼをポリエステル、特にポリアルキレンテレフタル酸の製造および/または精製のための方法における使用。ポリアルキレンテレフタル酸、特にポリエチレンテレフタル酸(PET)の製造において、重合体の収量は、環状オリゴマーの形成を引き起こす副反応によって影響される。本発明の使用を利用することで、形成された環状オリゴマーの逆合成に影響を与え、また更なる反応のための利用可能なモノマーをつくることが可能である。このようにして副反応の産物は抑制され、望ましポリマーの高収量が達成される。
原材料または織物製造の中間物の生産または処理、特に織物の保護層の除去するための上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの使用は、本発明の本対象物の更なる実施形態である。
この使用は、対応する剤または方法の関連において好ましく生じる。原材料または織物製造の中間物の製造または処理のための例は、合成繊維の仕上げ処理である。酵素処理または酵素の使用は、特に、環境への影響に関して類似の化学処理より優れている。
好ましい実施形態において、本発明のタンパク質は特に中間体または材料の織物の保護層の除去するために、もしくはその後の処理段階における更なる処理の前にその表面を平滑化するために用いられる。
織物原材料の処理、または織物の手入れのための、特に合成繊維、特にポリエステルまたは合成繊維を含む混合された織物のための上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの使用は、本発明の本対象物の更なる実施形態である。
この使用は、対応する剤または方法の関連において好ましく生じる。上述に一致して、当該織物の原材料は、エステラーゼによって不純物が除かれ、更に、表面平滑化とエステル分解酵素のケア特性は、少なくとも部分的にタンパク質からなる材料の利益になる。この理由から、当該材料の手入れのための使用も含まれる。従って、特に、合成繊維、特にポリエステル、または合成繊維を含む混合された織物の表面処理が特許請求される。これは、前記織物の調製と例えば織物の洗浄と組み合わせた使用中の手入れの両方に当てはまる(上記参照)。
本発明の本対象物の更なる実施例において、上述の本発明のタンパク質は、美容上の目的のために利用される。
従って、上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つによる化粧品または上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つを伴う美容上の方法、または上述の本発明のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの美容上の目的のための特に適切な方法または適切な剤の関連における使用が特許請求される。
従って、美容上の目的のためのこの種のエステル分解酵素の、特に、例えばシャンプー、石鹸または洗浄ローションなどの適切な剤、もしくは例えばクリームの形でのケア組成で提供される剤における使用も、本発明の本対象物に含まれる。ピーリング剤における使用およびその製造も本請求の範囲に含まれる。
本発明の更なる対象は、剤の製造における適用、特に抗生物質製造のための本発明のエステラーゼの使用である。合成の際に、物質中のカルボキシル基はしばしばパラニトロベンジル保護基によって保護される。従って、特に剤製造における、特に抗生物質製造における、保護基開裂のための化学合成における本発明のエステラーゼの使用は好ましい。好ましくは、これは水性媒体中で25から40℃の温度で生じる。
本発明の更なる対象は、本発明の使用または本発明の処理の結果生じるポリエステル物品、および/または生産されるおよび/または上述の剤の一つで処理されるポリエステル物品に関し、ポリエステル物品は改良された取り扱い、感触、脱けば立ち特性、またはけば立ちに対する保護を有する。
上述の本発明の使用に関して、基質であるエチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルに対して、0.1から30、好ましくは0.6から20、特に0.7から15、非常に特に好ましくは0.9から10、更に一層強く好ましくは1から5、特に1.1から4、非常に特に好ましくは1.5から3(μmol遊離酸)/(min*mg酵素)の特異的活性を示す、実施例の2.4に述べられた方法によるエステラーゼは特に好ましい。これらのエステラーゼは、本発明の剤または使用と処理において特に有利であることが証明された。
更に、Seq. ID Nr. 12に記載のタンパク質配列に少なくとも50%、少なくとも55%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、特に好ましくは少なくとも70%、有利には少なくとも75%、非常に特に好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、特に100%相同であるエステラーゼは特に好ましい。
1. 本発明のエステラーゼの配列
表1:配列ID番号の分類
Figure 2009502184
2. 酵素活性の測定
2.1 パラニトロフェニルエステルによる酵素活性の測定
エステラーゼ活性の検出は、パラニトロフェニルエステル(pNPA)による標準的な方法を用いて測定した。このために、400mMの原液をDMSOと混合した。980μLの50mM トリス-HCI緩衝液(pH8.0)をDMSOに溶解した10μLの酢酸パラニトロフェニルと混合した。他の方法で記載されない限り、反応は室温で行い、10μLの酵素液を添加することで反応を開始した。次に、410nmの吸収の上昇を測定した(UV MC2、SAFAS、Monaco)酵素活性は、モル減衰係数の17100[M-1*cm-1]を用いて計算し、
式中、1単位は1分あたりに1μモルp-ニトロフェノールを放出する酵素量として定義した。
2.2 フェノールレッドによるエステラーゼ活性の測定
ジアルキルフタル酸ヒドロラーゼの生化学的生成のため、エステル分解活性の測定は、pH指標を用いて試験システムの酸性化で示される、ジエチルテレフタル酸(DET)を基質とした光度測定法を用いた。この試験システムの基本的な原理は、添加された緩衝剤(EPPS-Puffer;pK=8.0)と添加されたpH指標(フェノールレッド;pK=8.0)のプロトン親和性が同じであり、560nmの吸収の減少の線形トレンドを可能にするというモノである。活性の計算は、以下の式、2.1および2.2をQ=緩衝剤係数;cbuffer=緩衝剤の終濃度;cindicator=指標の終濃度;Δε560nm:フェノールレッドの脱プロトン化体とプロトン化体の差;A:エステラーゼ活性;dE/dt:経時的消衰減少;Vreaction:反応体積として用いた。
Figure 2009502184
Figure 2009502184
酵素活性は、脱プロトン化体については58000[M-1*cm-1]、プロトン化体については100[M-1*cm-1]のモル減衰係数を用いて計算し、式中、1単位は1分あたりに1μモルの酸を放出する酵素量として定義する。
2.3 滴定測定によるエステラーゼ活性の測定
エステラーゼの酵素活性を滴定測定装置702 SAT (METROHM Ltd., Switzerland)を用いてフタル酸ファミリーの様々な基質について測定した(図4)フタル酸はジエチルエーテルに0.5gTriton X100と共に溶解した。次に、窒素通気下でジエチルエーテルを除去した。50mLの緩衝液(2mM トリス/HCI、pH9)を加え、超音波で均一化し、総反応体積2mL(酵素を含む)中で様々な終濃度(0.3mMから100mM)で用いた。反応緩衝液を30℃で10分間プレインキュベートした。酵素の添加後、反応温度30℃でのNaOHの消費(シュウ酸による三つ組み滴定測定による濃度測定)をプロットした。1単位は1分あたりに1μモルの酸を放出する酵素量として定義する。
2.4 エチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルの加水分解によるエステラーゼ活性の測定
2.4.1 エチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルの合成
エチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルは、4-メチル塩化安息香酸とエチレングリコールのエステル化によって合成した(図1参照)。エチレングリコールとピリジンを還流カラムを備えた丸底フラスコに入れ、4-メチル塩化安息香酸を氷冷しながら滴下しつつ加えた。混合を16時間放置し、次に、生じた固体エステルを濾過して取り出し、70%エタノール30%水中で再結晶化させた。結果生じた固体を70%エタノールで洗浄し、24時間凍結乾燥した。
2.4.2 酵素活性の測定
本発明の酵素によって触媒されるエチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルの開裂は、4-メチル安息香酸とエチレングリコールの二つに相当する分子を提供する(図2参照)。
酵素アッセイの準備のために、望ましい量の基質を0.5gTriton X100と混合し、加熱しながら50mLのエタノール(99%変性アルコール)に溶解した。全ての基質が溶解したら、溶液に50mLの緩衝液(2mM トリス/HCl緩衝液;pH9.0)を加え、Ultra-Turraxで激しく撹拌した。次に添加したエタノールの大部分を除去するために、この溶液を室温で少なくとも12時間撹拌した。その結果調製された基質溶液を直ちに滴定測定した。反応緩衝液は、30℃で10分間プレインキュベーションした。
酵素を含む2mLの反応体積で、様々な終濃度(0.67mMから50mM)を用いた。酵素の添加後、NaOHの消費(シュウ酸による三つ組み滴定測定による濃度測定)を滴定測定装置702 SAT (METROHM Ltd., Switzerland))を反応温度30℃でプロットした。1単位は1分あたりに1μモルの酸を放出する酵素量として定義する。
本実施例および後のの実施例において、試験されたエステラーゼについて以下の略語が用いられる:Seq lD No. 12による酵素(pNB-Est13)、Seq lD No. 2による酵素(pNB-Est19)、Seq lD No. 1による酵素(pNB-Est17)。表2の前記のエステラーゼで得られたデータは、滴定測定により測定され、相対標準偏差が5%未満だった三つの独立の測定の平均値を表す。
表2:エチレングリコールのビス-(p-メチル安息香酸)エステルの加水分解のパラニトロベンジルエステラーゼpNB-Est17、pNB-Est19およびpNB-Est13による動態データ
Figure 2009502184
3. 鎖長が異なるパラニトロフェニルエステルとトリグリセリドに対する基質特異性の検討
検討されたエステラーゼの鎖長特異性の決定のために、鎖長が異なるp-ニトロフェニルエステルを基質として活性の分光測定に用いた。10mLのイソプロパノールに溶解したp-ニトロフェニルエステルを90mLのリン酸緩衝液(pH8、リン酸一水素二ナトリウムとリン酸二水素カリウム)を加えた。基質終濃度は、0.8mMだった。各990μLの緩衝液-基質混合液を10μLの酵素資料と混合し、室温で1分間インキュベートした。次に410nmの吸収の上昇を測定した(UV MC、SAFAS、Monaco)。酵素活性は、17100[M-1*cm-1]のモル減衰係数を用いて計算し、式中、1単位は1分あたりに1μモルのp−ニトロフェノールを放出する酵素量として定義した。
表3のデータは、相対標準偏差が10%未満だった三つの独立の測定の平均値を表す。
表3:異なる鎖長のパラニトロフェニルエステルによるpNB-Est13、pNB-Est17およびpNB-Est19の基質特異性
Figure 2009502184
4. パラニトロベンジルエステラーゼ、pNB-Est17、pNB-Est19およびpNB-Est13とのインキュベーション後の様々なジアルキルフタル酸の加水分解産物の分析的検出
様々なジアルキルフタル酸に対するpNBエステラーゼのエステル分解活性を、産物の開裂産物の検出によって確認した。検出は、質量分析(GC/MS)と組み合わせた薄層クロマトグラフィーとガスクロマトグラフィーの両方を含んだ。薄層クロマトグラフィーにより測定した出発材料と反応産物のRF値を表3に示す。一つか二つの新たなスポットの検出は加水分解を示す。各ブラインド試料は、追加のスポットを示さなかった。
90%ジクロロメタン/10%メタノールの混合液を飽和前のTCL展開槽の溶出液として用い、物質の分離はシリカゲル60 F254でコートしたプレートで行い、個別のスポットの検出はUVライト下で行い、混合液中の基質濃度は6.67mMで、室温でインキュベーション時間は2時間だった。
表4:pNBエステラーゼを含む反応液の薄層クロマトグラフィー解析による、出発材料と産物の固有RF値の測定
Figure 2009502184
反応液の開裂産物のGC/MS質量ピークのピーク同定は、WILEYデータバンクとの比較によって行い、薄層クロマトグラフィー解析で既に認められた加水分解を確認した。認められた全ての反応を図解して図4に示す。各酵素反応は、酵素を含まない反応液または基質を含まない反応液からなるブランク試料に対して測定した。検討された全てのフタル酸とテレフタル酸について、一つか二つのみの考えられるエステル官能基が加水分解されることが示された。遊離フタル酸またはテレフタル酸またはイソフタル酸は、どの反応液にも検出されなかった。いずれの場合の反応産物も、出発化合物のモノエステルと関連のアルコールである。フタル酸に属さない基質としてフェニル安息香酸エステルの加水分解を検討した。フェノールと安息香酸が加水分解産物として検出された。
5. パラニトロベンジルエステラーゼ、pNB-Est17、pNB-Est19およびpNB-Est13の様々なフタル酸とテレフタル酸に対するvmax、k、kcatおよびkcat/kの決定
三つのパラニトロベンジルエステラーゼ、pNB-Est17、pNB-Est19およびpNB-Est13の様々なフタル酸とテレフタル酸に対する動態定数、vmax、k、kcatおよびkcat/kを決定するために滴定測定を行った。様々な基質濃度に対して酵素活性を測定し、MICHAELIS-MENTEN式にしたがって評価を行った(図5から7参照)。添加した酵素濃度が活性酵素の濃度と同じであると仮定して、測定されたk-値とvmax値、および酵素濃度を動態定数(kcatおよびk)と触媒効率(kcat/k)の計算に用いた。結果として得られた値をそれぞれ表にまとめる。
図5から7、および表5から7のデータは、相対標準偏差が5%未満だった三つの独立の滴定測定の平均値を表す。kcatおよびkcat/kの計算は、添加した酵素濃度が活性酵素の濃度と同じであるとの仮定にs基づいた。
三つ全てのパラベンジルエステラーゼで関連のアルコールと共に出発化合物のモノエステルが検討される可能性がある。遊離のフタル酸またはテレフタル酸またはイソフタル酸が検出されたケースはなかった。
ジメチルフタル酸の様々な異性体(オルト、メタ、パラ)の加水分解
表5:ジメチルフタル酸のオルト、メタ、パラ位置異性体、DMP=ジメチルフタル酸、DMIP=ジメチルイソフタル酸、DMT=ジメチルテレフタル酸のpNB-Est17、pNB-Est19およびpNB-Est13による加水分解のkおよびVmax値ならびにkcatおよびkcat/k
様々な鎖長の(オルト)フタル酸の加水分解
表6:様々なアルキル鎖長を有するオルトフタル酸(DMP=ジメチルフタル酸、DEP=ジエチルフタル酸、DBP=ジブチルフタル酸)のpNB-Est17、pNB-Est19およびpNB-Est13による加水分解のkおよびVmax値ならびにkcatおよびkcat/k
様々な鎖長の(パラ)フタル酸の加水分解
表7:ジメチルテレフタル酸(DMT)、ジエチルテレフタル酸(PET)のpNB-Est17、pNB-Est19およびpNB-Est13による加水分解のkおよびVmax値ならびにkcatおよびkcat/k
4-メチル安息香酸とエチレングリコールのエステル化によるビス-(p-メチル安息香酸)エチレングリコールエステルの合成を示す。 ビス-(p-メチル安息香酸)エチレングリコールエステルの酵素加水分解の概要を示す。 パラニトロベンジルエステラーゼによるビス-(p-メチル安息香酸)エチレングリコールエステルの酵素加水分解の検出と加水分解産物の同定を示す。 ジメチルフタル酸、ジエチルフタル酸、ジメチルフタル酸、ジエチルフタル酸、ジブチルフタル酸、ジメチルイソフタル酸、およびフェニル安息香酸エステルの反応を触媒する酵素の概要説明を示す。 パラニトロベンジルエステラーゼ、pNB-Est17(o)、pNB-Est19(△)およびpNB-Est13(□)のジメチルフタル酸(DMP)、ジメチルイソフタル酸(DMIP)、およびジメチルテレフタル酸(DMT)に対するMICHAELIS-MENTEN動態を示す。 パラニトロベンジルエステラーゼ、pNB-Est17(o)、pNB-Est19(△)およびpNB-Est13(□)のオルトフタル酸:ジメチルフタル酸(DMP)、ジエチルフタル酸(DEP)、およびジブチルフタル酸(DBP)に対するMICHAELIS-MENTEN動態を示す。 パラニトロベンジルエステラーゼ、pNB-Est17(o)、pNB-Est19(△)およびpNB-Est13(□)のパラフタル酸:ジメチルテレフタル酸(DMT)およびジエチルテレフタル酸(DET)に対するMICHAELIS-MENTEN動態を示す。

Claims (59)

  1. 少なくとも一つのエステラーゼ、好ましくはカルボキシルエステラーゼを含む、剤。
  2. エステラーゼがパラニトロベンジルエステラーゼ(PNBエステラーゼ)から選択される、請求項1に記載の剤。
  3. エステラーゼがSEQ ID NO. 1、2、5もしくは6または11ないし26に記載のアミノ酸配列の一つと、少なくとも50%、好ましくは60%、特に70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは90%、特に95%、非常に特に好ましくは100%同一であるか、あるいは、少なくとも80%、好ましくは90%、特に95%、非常に特に好ましくは100%相同であるアミノ酸配列を含むエステラーゼから選択される、請求項1または2に記載の剤。
  4. エステラーゼがSEQ ID NO. 12に記載の前記タンパク質配列と、少なくとも50%、少なくとも55%、特に少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、特に好ましくは少なくとも70%、有利に少なくとも75%、非常に特に好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%相同であるアミノ酸配列を含むエステラーゼから選択される、請求項3に記載の剤。
  5. エステラーゼが30℃で基質のビス-(p-メチル安息香酸)エチレングリコールエステルに対し、0.1から30、好ましくは0.6から20、特に0.7から15、非常に特に好ましくは0.9から10、更に一層好ましくは1から5、特に1.1から4、非常に特に好ましくは1.5から3(μmol遊離酸)/(min*mg酵素)の特異的活性を示す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剤。
  6. エステラーゼが微生物、特に微生物である前記バチルス属に由来する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の剤。
  7. 少なくとも一つ以上の界面活性剤を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の剤。
  8. エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗剤または洗浄剤。
  9. 追加の酵素、特にプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、オキシドレダクターゼおよび/またはリパーゼを更に含む、請求項8に記載の剤。
  10. 織物原材料処理または織物の手入れのための剤であって、エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼを単独またはその他の成分に加えて含み、特に合成化合物を含む繊維または織物のための、非常に特にポリエステルを含む繊維または織物のための、前記請求項いずれか一項に記載の剤。
  11. 一つ以上のエステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼを前記剤グラムあたり0.0001μgから480mg、好ましくは0.005μgから420mg、特に好ましくは0.02μgから360mg、非常に特に好ましくは0.050から240mgの量で含む、前記請求項いずれか一項に記載の剤。
  12. エステラーゼまたは請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、織物仕上げ処理のための使用。
  13. エステラーゼまたは請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、繊維、特に合成繊維の保護、または繊維のけば立ち減少のための使用。
  14. エステラーゼまたは請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、織物の染色前の前記湿潤処理のための使用。
  15. エステラーゼまたは請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、プラスチック、特にポリエステルおよび/またはプラスチック中の可塑剤の分離、または分解のための使用。
  16. エステラーゼまたは請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、重合体、特にポリエステル、好ましくはポリアルキレンテレフタル酸の化学合成における使用。
  17. エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、織物または固い表面の洗浄のための、特に処理あたり0.04μgから96g、有利には0.05μgから72g、特に好ましくは1μgから48g、非常に特に好ましくは2μgから24gの量での、使用。
  18. エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、洗剤または洗浄剤の成分の前記活性化または不活性化のための使用。
  19. エステラーゼ、好ましくはカルボキシルエステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、生化学分析または低分子量化合物の合成のための使用。
  20. エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、天然産物または有用な生物学的物質の調製、精製、または合成のための使用。
  21. エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、織物製造における原材料または中間物の生産または処理のための、特に織物の保護層の除去のための使用。
  22. エステラーゼ、好ましくはカルボキシルエステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤の、織物原材料の処理のため、または織物の手入れのため、特に合成繊維または合成繊維を含む混合織物、特にポリエステルを含む混合織物の処理のための使用。
  23. エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜9のいずれか一項に記載の剤が少なくとも一つの処理工程において、特に処理あたりに0.01μgから96g、有利には0.05μgから72g、特に好ましくは0.1μgから48g、非常に特に好ましくは0.5μgから24gの量で、活性である、自動的に織物または固い表面を洗浄するための方法。
  24. 織物原材料の処理または織物の手入れのための方法であって、エステラーゼ、特にパラニトロベンジルエステラーゼ、および/または請求項1〜11のいずれか一項に記載の剤が少なくとも一つの処理工程において、特に合成化合物を含む、非常に特に合成繊維、特にポリエステルを含む織物原材料、繊維、または織物のために、活性である、方法。
  25. SEQ ID NO. 1、2、4または6に記載のアミノ酸配列の一つと少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有するエステラーゼ。
  26. SEQ ID NO. 1、2、4または6に記載の前記アミノ酸配列の一つと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を有するエステラーゼ。
  27. SEQ ID NO. 1、2、4または6に記載の前記アミノ酸配列の一つと少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するエステラーゼ。
  28. SEQ ID NO. 1、2、4または6に記載の前記アミノ酸配列の一つと少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を有するエステラーゼ。
  29. SEQ ID NO. 1、2、4または6に記載の前記アミノ酸配列の一つと同一であるアミノ酸配列を有するエステラーゼ。
  30. 請求項25〜29のいずれか一項に記載のエステラーゼから断片化または欠失変異誘発に由来し、出発分子中に既に少なくとも25、好ましくは少なくとも50、特に好ましくは少なくとも100結合したアミノ酸を含む、タンパク質または断片。
  31. 請求項25〜30のいずれか一項に記載のエステラーゼから挿入変異誘発により、置換変異誘発により、および/または少なくとも一つの他のタンパク質またはタンパク質断片との融合により由来するタンパク質。
  32. それ自体が加水分解タンパク質の能力がある、請求項25〜31のいずれか一項に記載のタンパク質、タンパク質断片、または融合タンパク質。
  33. 更に誘導体化された、請求項25〜32のいずれか一項に記載のタンパク質、タンパク質断片、または融合タンパク質。
  34. 更に安定化された、請求項25〜33のいずれか一項に記載のタンパク質、タンパク質断片、または融合タンパク質。
  35. 少なくとも一つの抗原決定基が請求項25〜34のいずれかに規定されたタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つと共通であるタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体。
  36. 天然供給源、特に微生物から入手可能な、請求項25〜35のいずれか一項に記載のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体。
  37. 微生物がグラム陽性細菌である、請求項36に記載のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体。
  38. グラム陽性細菌が前記バチルス属である、請求項37に記載のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体。
  39. バチルス種がBacillus subtilisまたはlicheniformis、特にBacillus subtilisである、請求項38に記載のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体。
  40. エステラーゼをコードする核酸であって、SEQ ID NO. 3、4、7または8に記載のヌクレオチド配列の一つと少なくとも80%同一であるヌクレオチド配列の核酸。
  41. エステラーゼをコードする核酸であって、SEQ ID NO. 3、4、7または8に記載のヌクレオチド配列の一つと少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列の核酸。
  42. エステラーゼをコードする核酸であって、SEQ ID NO. 3、4、7または8に記載のヌクレオチド配列の一つと同一であるヌクレオチド配列の核酸。
  43. 請求項25〜39のいずれかに規定されたタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つをコードする核酸。
  44. 天然供給源、特に微生物から入手可能な、請求項41〜43のいずれか一項に記載の核酸。
  45. 微生物がグラム陽性細菌である、請求項44に記載の核酸。
  46. グラム陽性細菌がバチルス属である、請求項45に記載の核酸。
  47. バチルス種がBacillus subtilisまたはBacillus licheniformであり、特にBacillus subtilisである請求項46に記載の核酸。
  48. 請求項40〜47のいずれかに規定された核酸領域の一つ、特に請求項23〜37のいずれかに規定されたタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つをコードする前記核酸領域を含む、ベクター。
  49. 請求項48に記載のクローニングベクター。
  50. 請求項48に記載の発現ベクター。
  51. 請求項40〜47のいずれかに規定された核酸領域の一つ、特に請求項25〜39のいずれかに規定されたタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つをコードし、有利に請求項48〜50のいずれか一項に記載のベクター上にある核酸領域を含む、細胞。
  52. 請求項25〜39のいずれかに規定されたタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つを発現する宿主細胞、または特に請求項40〜47のいずれかに規定された核酸領域の一つを利用することによって、非常に特に請求項50に記載の発現ベクターの一つを利用することによってその発現を活性化することができる、宿主細胞。
  53. 細菌であり、特に生成タンパク質を周辺の培地に分泌する細菌である、請求項52に記載の宿主細胞。
  54. グラム陽性細菌であり、特にバチルス属の細菌であり、非常に特に、Bacillus lentus、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus subtilisまたはBacillus alcalophilus種である、請求項53に記載の細菌。
  55. 真核細胞であり、特に生成された前記タンパク質の翻訳後修飾を行う真核細胞である、請求項51または52に記載の細胞。
  56. 請求項25〜39のいずれかに規定された前記タンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの製造方法であって、請求項40〜47のいずれか一項に記載の核酸を利用することおよび/または請求項51〜55のいずれか一項に記載の細胞を利用することを含む、方法。
  57. 請求項25〜39のいずれかに記載のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体を含む、剤。
  58. 請求項25〜39のいずれか一項に記載のタンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体を含む化粧品、または請求項25から39のいずれか一項に記載の前記タンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つに関連する化粧品の製法、または請求項25〜39のいずれか一項に記載の前記タンパク質、タンパク質断片、融合タンパク質、または誘導体の一つの化粧品を目的とした、特に、適切な方法の背景における、または適切な剤における使用。
  59. 前記剤の一つ、およびまたは前記の使用方法の一つにより生産または処理された、ポリエステル物品。
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