JP2001017193A - モノヒドロキシアダマンタンエステル類の製造方法 - Google Patents

モノヒドロキシアダマンタンエステル類の製造方法

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JP2001017193A
JP2001017193A JP11194353A JP19435399A JP2001017193A JP 2001017193 A JP2001017193 A JP 2001017193A JP 11194353 A JP11194353 A JP 11194353A JP 19435399 A JP19435399 A JP 19435399A JP 2001017193 A JP2001017193 A JP 2001017193A
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absidia
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rhizopus
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Masatoshi Shimizu
将年 清水
Hiroaki Fujishima
浩晃 藤島
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトレジスト材料の中間体として有用なモ
ノヒドロキシアダマンタンエステル類を効率的に製造し
得る方法を提供する。 【解決手段】 アブシディア(Absidia)属微生物また
はリゾパス(Rhizopus)属微生物に由来し、かつ明細書
中に規定されるアダマンタンエステル類に作用して明細
書中に規定されるモノヒドロキシアダマンタンエステル
類を生成させる能力を有する酵素を、アダマンタンエス
テル類に作用させることを特徴とするモノヒドロキシア
ダマンタンエステル類の方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモノヒドロキシアダ
マンタンエステル類の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】式2 で示されるモノヒドロキシアダマンタンエステル類(以
下、モノヒドロキシアダマンタンエステル類(2)と記
す)は、有用なフォトレジスト材料の中間体として注目
されている。
【0003】微生物に由来する酵素を用いる化合物の製
造方法、いわゆるバイオコンバージョン法は、一般的に
温和な条件で反応を行うことができ、また、廃棄物負荷
が小さい等の点で効率的であり、有利な方法であるとさ
れている。そして、バイオコンバージョン法によるアダ
マンタン化合物のモノヒドロキシル化方法としては、基
質として2−メチルアダマンタン−2−オールを、微生
物としてセファロスポリウム・アフィディコラ(Cephal
osporium aphidicola)を用いる方法(特開平8−20
5883号公報)が知られている。しかしながら、該バ
イオコンバージョン法においては、反応基質に対する特
異性が高いために酵素によって適用可能な基質も制限さ
れる場合が多いこともまた知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フォ
トレジスト材料の中間体として有用なモノヒドロキシア
ダマンタンエステル類(2)を効率的に製造し得る方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
状況下、モノヒドロキシアダマンタンエステル類(2)
の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、アブシディ
ア(Absidia)属微生物またはリゾパス(Rhizopus)属
微生物に由来する酵素が式1 で示されるアダマンタンエステル類(以下、以下、アダ
マンタンエステル類(1)と記す)のアダマンチル基を
選択的にモノヒドロキシル化する能力を有すること、お
よびこの酵素をアダマンタンエステル類(1)に作用さ
せることにより効率的にモノヒドロキシアダマンタンエ
ステル類(2)を製造し得ることを見出し、本発明に至
った。すなわち、本発明は、アブシディア(Absidia)
属微生物またはリゾパス(Rhizopus)属微生物に由来
し、かつアダマンタンエステル類(1)に作用してモノ
ヒドロキシアダマンタンエステル類(2)を生成させる
能力を有する酵素を、アダマンタンエステル類(1)に
作用させることを特徴とするモノヒドロキシアダマンタ
ンエステル類(2)の製造方法(以下、本発明方法と記
す)を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明方法における出発物質であ
るアダマンタンエステル類(1)は、例えば、特開平1
0−182552号公報に記載の公知の方法に準じて製
造することができる。
【0007】また、モノヒドロキシアダマンタンエステ
ル類(2)としては、1−ヒドロキシ−2−メチルアダ
マンタン−2−イル メチルメタクリレート、4−ヒド
ロキシ−2−メチルアダマンタン−2−イル メチルメ
タクリレート、1−ヒドロキシ−4−メチルアダマンタ
ン−4−イル メチルメタクリレートおよび6−ヒドロ
キシ−2−メチルアダマンタン−2−イル メチルメタ
クリレートを挙げることができ、これらの化合物は光学
活性体であり得る。
【0008】本発明方法において用いられる酵素は、ア
ブシディア(Absidia)属微生物またはリゾパス(Rhizo
pus)属微生物に由来し、アダマンタンエステル類
(1)に作用してモノヒドロキシアダマンタンエステル
類(2)を生成させる能力を有する酵素(以下、本酵素
と記す)である。
【0009】アダマンタンエステル類(1)に作用して
モノヒドロキシアダマンタンエステル類(2)を生成さ
せる能力を有する酵素を産生するアブシディア(Absidi
a)属微生物としては、例えば、アブシディア・シリン
ドロスポラ(Absidia cylindrospora)IFO4000株、アブ
シディア・シリンドロスポラ(Absidia cylindrospor
a)IFO4002株、アブシディア・シリンドロスポラ(Absi
dia cylindrospora)IFO5873株、アブシディア・ヒアロ
スポラ(Absidia hyalospora)IFO8082株を挙げること
ができ、該能力を有する酵素を産生するリゾパス(Rhiz
opus)属微生物としては、リゾパス・ストロニファーva
rストロニファー(Rhizopus stolonifer var stolonife
r)IFO30816株、リゾパス・ストロニファーvarストロニ
ファー(Rhizopus stolonifer var stolonifer)IFO618
8株、リゾパス・ストロニファーvarストロニファー(Rh
izopus stolonifer var stolonifer)IFO5780株、リゾ
パス・オリゼ(Rhyzopus oryzae)IFO5378株、リゾパス
・オリゼ(Rhyzopus oryzae)IFO4697株を挙げることが
できる。
【0010】本酵素としては、前記の能力を有していれ
ば、例えば、アブシディア(Absidia)属微生物または
リゾパス(Rhizopus)属微生物により産生される酵素で
あっても、該微生物から薬剤や紫外線等によって誘導さ
れた変異株により産生される酵素であっても、前記未変
異微生物や変異株から遺伝子工学的手法等により誘導さ
れる遺伝子組換え体株によって産生される酵素であって
もよい。該遺伝子組換え体株は、例えば、アブシディア
(Absidia)属微生物またはリゾパス(Rhizopus)属微
生物から本酵素を精製してそのアミノ酸配列を決定し、
該アミノ酸配列に基いて、J.,Sambrook, E., F., Frisc
h, T.,Maniatis著、モレキュラー・クローニング第2版
(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド・スプ
リング・ハーバー・ラボラトリー発行(Cold Spring Ha
rbor Laboratory press)、1989年やD., M., Glove
r著、DNA Cloning、IRL発行、1985年などに記載さ
れている通常の方法に準じて、本酵素をコードする遺伝
子をクローニングし、該遺伝子を大腸菌等の宿主細胞に
導入することにより得ることができる。例えば、本酵素
をコードする遺伝子は宿主内で発現可能な形でプロモー
ターと連結された状態で宿主に導入される。ここで、プ
ロモーターとしては、宿主が大腸菌である場合には、例
えば、大腸菌内で遺伝子発現制御活性を示すlacプロモ
ーター、tacプロモーター等の市販のプロモーターを利
用することができる。
【0011】本酵素をコードする遺伝子の宿主への導入
は、例えば、適当なベクターに挿入された状態で行うこ
とができる。ベクターとしては、宿主である微生物内で
複製可能なベクターであればよく、例えば宿主が大腸菌
である場合には、大腸菌内で複製可能な市販のプラスミ
ドやファージ等が利用できる。ベクターを宿主微生物に
導入する方法としては、通常の遺伝子工学的方法を用い
ることができ、塩化カルシウムで菌体を処理する方法
(Molecular Cloning, 2nd ed., Cold Spring Harbor L
aboratory Press (1989))や、エレクトロポレーション
法(Current Protocols in Molecular Biology, vol.1,
John Wiley & Sons. Inc. ISBNO-471-50338-X (198
7))等の通常の方法が挙げられる。また、相同組換えを
利用して宿主微生物の染色体に目的の遺伝子を挿入する
遺伝子導入法を用いることもできる。例えば、本酵素を
コードする遺伝子を含有するDNA断片の両端に、宿主由
来の染色体DNA断片を結合してベクターに挿入し、これ
を宿主に導入する。これにより本酵素をコードする遺伝
子が宿主の染色体に導入された組換え体が得られる。
【0012】本酵素は、例えば本酵素を産生する前記し
た微生物を培養することによって調製することができ
る。該微生物の培養には、一般細菌における通常の培養
に使用される炭素源、窒素源、有機ないし無機塩等を適
宜含む各種の培地を使用することができる。例えば、炭
素源としてグルコース、シュークロース、キシロース、
澱粉、澱粉加水分解物等の糖類、メタノール、エタノー
ル等のアルコール類、メタン、エチレン等の炭化水素
類、コハク酸、サリチル酸、酢酸等の有機酸類等があげ
られる。これら炭素源の培地への添加量は培養液に対し
通常、0.1〜20%(w/v)程度とするとよい。窒
素源としては肉エキス、ペプトン、酵母エキス、乾燥酵
母、コーンスティープリカー、カザミノ酸、尿素、硝酸
ナトリウム等があげられる。窒素源の添加量は培養液に
対し通常、0.1〜30%(w/v)程度とするとよ
い。有機ないし無機塩としては、カリウム、ナトリウ
ム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の
塩化物、硫酸塩類、酢酸塩類、炭酸塩類及びリン酸塩
類、具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバル
ト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、リン酸水素1カリウム、リン酸水
素2カリウム、リン酸水素1ナトリウム、リン酸水素2ナ
トリウム等を挙げることができる。その添加量は培養液
に対し通常、0.0001〜5%(w/v)程度とする
とよい。
【0013】また、ベクターが導入された組換え体の場
合には、ベクターの有する選択マーカーに対応した選択
剤、例えば、選択マーカーが抗生物質耐性遺伝子である
場合にはアンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシ
ン等の抗生物質を培地に加えることができる。
【0014】本酵素を産生する微生物の培養は、一般微
生物における通常の方法に準じて行うことができ、例え
ば試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメ
ンター(Jar Fermenter)培養、タンク培養等の液体培
養、固体培養等の方法が可能である。ジャーファーメン
ターを用いる場合は、ジャーファーメンター内に無菌空
気を導入する必要があり、通常、培養液容量の約0.1
〜約2倍/分の通気条件を用いる。培養温度は、微生物
が生育可能な範囲で適宜変更できるが、通常、約15℃
〜約40℃の範囲の培養温度が好ましく、培地のpHと
しては、約4〜約8の範囲が好ましい。培養時間は、培
養条件によって異なるが、通常は約1〜約10日間が望
ましい。
【0015】前述のようにして培養される微生物によっ
て産生される本酵素は、例えば、精製酵素、粗精製酵
素、本酵素を産生する微生物の培養物、本酵素を産生す
る微生物の菌体、かかる菌体の処理物等の種々の形態で
本方法に用いることができる。ここで菌体の処理物とし
ては、例えば、凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、菌体
摩砕物、菌体の自己消化物、菌体の超音波処理物、菌体
抽出物、菌体のアルカリ処理物等をあげることができ、
さらに、これら種々の形態の本酵素を、例えば、シリカ
ゲルやセラミックス等の無機担体、セルロース、イオン
交換樹脂等へ吸着させる担体結合法や、ポリアクリルア
ミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギーナンゲル)、アル
ギン酸ゲル、寒天ゲル等の高分子の網目構造の中に閉じ
込める包括法などの公知の方法に準じて固定化した固定
化物として用いることもできる。
【0016】本酵素を前記のような微生物の培養物から
精製する方法としては、通常一般の酵素の精製において
使用される方法を適用することができ、例えば次のよう
な方法を挙げることができる。まず、微生物の培養物か
ら遠心分離等により菌体を集めた後、これを超音波処
理、ダイノミル処理、フレンチプレス処理等の物理的破
砕方法、またはリゾチーム等の菌体溶菌酵素処理等によ
って破砕する。得られた破砕液から遠心分離、メンブレ
ンフィルターろ過等により不溶物を除去して無細胞抽出
液を調製し、これを陽イオン交換クロマトグラフィー、
陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフ
ィー、ゲルクロマトグラフィー等の分離精製方法を適宜
用いて分画することによって本酵素を精製することがで
きる。クロマトグラフィーに使用する担体としては、例
えば、カルボキシメチル(CM)基、DEAE基、フェ
ニル基、またはブチル基等を導入したセルロース、デキ
ストランまたはアガロース等の樹脂担体が挙げられる。
市販の担体充填済みカラムを用いることもでき、例え
ば、Q-Sepharose FF、Phenyl-Sepharose HP(商品名、
いずれもアマシャム ファルマシア バイオテク社
製)、TSK−gel G3000SW(商品名、東ソ
ー社製)等が挙げられる。
【0017】本酵素の精製操作の一例を示す。本酵素を
産生する微生物の菌体を遠心分離により集めた後、例え
ば20mMビストリスプロパン(pH7.0)等のバッ
ファー液に懸濁する。これを超音波破砕機にて20分間
程度破砕処理し、得られた菌体破砕液を約13000×
gで15分間程度遠心分離した後、上清を回収してメン
ブレンフィルターにてろ過して不溶物を除去し、無細胞
抽出液を調製する。こうして得られた無細胞抽出液を例
えば Q Sepharose FFカラム(商品名、アマシャム フ
ァルマシア バイオテク社製)に導入し、塩化ナトリウ
ム直線濃度勾配によりカラムへの吸着物を順次を溶出さ
せ溶出液を分画する。本酵素を含む画分を次いで、例え
ば Phenyl-Sepharose HP カラム(商品名、アマシャム
ファルマシア バイオテク社製)に導入し、硫酸アン
モニウム直線濃度勾配によりカラムへの吸着物を順次溶
出させ溶出液を分画する。本酵素を含む画分を、さら
に、限外ろ過膜等を用いて濃縮した後、例えばTSK−
gel G3000SWカラム(600mm×7.5mmID)(商
品名、東ソー社製)に導入し、例えば0.15Mの塩化
ナトリウムを含む50mMりん酸ナトリウムバッファー
等で溶出させ溶出液を分画することによって、本酵素を
精製することができる。尚、本酵素を含む画分は、アダ
マンタンエステル類(1)に作用してモノヒドロキシア
ダマンタンエステル類(2)に変換する能力を指標にし
て選抜することができる。
【0018】本発明方法は、通常、水や、リン酸ナトリ
ウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩などの
無機酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アル
カリ金属塩などの有機酸塩等を含む水性バッファー液等
の水性溶媒中で行われる。例えば、前記した微生物の培
養液に2-メチル-2-アダマンチルメタクリレートを加
え、保温することにより反応させる方法を挙げることが
できる。また、菌体、菌体処理物、精製酵素等を該水性
溶媒中に懸濁または溶解させた液中に、アダマンタンエ
ステル類(1)を加え、保温することにより反応させる
方法が挙げることもできる。
【0019】本発明方法において使用する菌体または菌
体破砕物の濃度は、反応液に対し例えば湿重で約0.0
1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜
約10重量%である。また、本酵素または本酵素の固定
化物の濃度は、その精製度または固定化方法等によって
変化するが、例えば、前記の菌体または菌体破砕物を用
いた場合と同等のアダマンタンエステル類(1)に対す
るモノヒドロキシル化活性が得られるように適宜調整す
ることが望ましい。微生物の培養液を用いる場合は、微
生物の培養液をそのまま使用することもできるが、好ま
しくは、前記の菌体または菌体破砕物を用いた場合と同
等のアダマンタンエステル類(1)に対するモノヒドロ
キシル化活性が得られるように該培養液を水性溶媒で希
釈したり、該培養液を遠心し上清を除く等の方法で濃縮
することによって微生物濃度を適宜調整することが好ま
しい。
【0020】アダマンタンエステル類(1)の濃度とし
ては、反応液に対し例えば、約0.01重量%〜約10
重量%、好ましくは約0.05重量%〜約2重量%が挙
げられる。反応温度は、通常、約0℃〜約70℃程度が
適しており、好ましくは約0℃〜約50℃である。反応
時の液のpHは、通常、約3〜約10、好ましくは、約
4〜約9であり、反応時間は、反応速度等との関係で適
宜設定することができるが、通常は約10分間〜約15
0時間程度である。
【0021】さらに、界面活性剤、補酵素、有機溶媒等
を補助剤として反応系内に共存させると、反応時間の短
縮や収率等の点で有利な場合があり、必要に応じてこれ
らの補助剤を単独又は適宜組み合わせて反応系中に添加
することもできる。使用し得る界面活性剤として具体的
には、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレング
リコールモノ−p−イソオクチルフェニルエーテル、臭
化セチルピリジウム等を挙げることができ、また補酵素
として具体的には、例えばニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリ
ン酸、ピリドキサルリン酸(PLP)等を挙げることが
できる。また有機溶媒としては、例えば、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサン、メチル−tert−ブチルエーテ
ル等の疎水性有機溶媒、DMSOやアルコール類等の親
水性有機溶媒等を挙げることができる。また、前記補酵
素を共存させる場合には、炭素源を適宜添加することに
よって反応収率を向上させることができる。ここで炭素
源としては例えば、前記した培養液における培地に使用
される炭素源を挙げることができる。
【0022】反応後、該反応液からモノヒドロキシアダ
マンタンエステル類(2)を回収する方法としては、該
反応液を、例えば酢酸エチル等の有機溶媒で抽出する方
法をあげることができ、必要により、カラムクロマトグ
ラフィー等により精製することもできる。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。 実施例1 500mL容の坂口フラスコにバクト・ポテトデキストロ
ース培地(ディフコ)100mLを分注し、121 ℃で15
分間滅菌した。この培地に、予めリゾパス・ストロニフ
ァーvarストロニファー(Rhizopus stolonifer var sto
lonifer)IFO6188株の前培養液を前記滅菌済培地に対し
1%植菌した後、27℃で1日振盪培養した。この培養液
にアダマンタンエステル類(1)を0.1重量%添加し、
27℃でさらに2日間振盪培養して反応させた。次い
で、該反応液を同容量の酢酸エチルで抽出し、酢酸エチ
ル相中の生成物をガスクロマトグラフィー(GC)で分析
し、原料と生成物の面積比較により生成物(モノヒドロ
キシアダマンタンエステル類(2))の生産量(mg/
L)を求めた。結果を表1に示す。尚、GCの分析条件は
以下の通り。 本体;ヒューレットパッカード5890 SERIESII、カラ
ム;J & W Scientific社製 DB1(内径0.25mm、膜厚0.25
μm、長さ30m)、昇温条件;100℃ 5分 → 10℃/分で昇
温 → 200℃ → 40℃/分で昇温 → 300℃10分、インジ
ェクション温度;180℃、検出;FID、検出温度;280
℃、注入量;2μL(スプリット比20:1)。
【0024】また、同様の実験を10倍スケールで行い、
得られる酢酸エチル相の溶媒を留去し、濃縮物をカラム
クロマトグラフィーにより精製して、得られる画分のG
C−MS分析および該画分の濃縮物の核磁気共鳴スペク
トル(1H−NMR)分析を行うことにより、該生成物
が1−ヒドロキシ−4−メチルアダマンタン−4−イル
メチルメタクリレートであることを確認した。1 H−NMR(300MHz, DMSO-d6)δ(ppm): 1.35 (1
H, bs)、 1.39 (1H, bs)、1.49 (1H, bs)、1.54 (1H, b
s)、1.56 (3H, s)、1.58 (2H, bs)、1.76 (2H,bs)、1.8
2 (2H, bs)、1.85 (3H, s)、1.97 (1H, bs)、2.37 (2H,
bs)、4.44 (1H, s)、5.60 (1H, s)、5.96 (1H, s),
【0025】実施例2〜9および比較例1 表1に記載の微生物を用いる以外は反応、後処理および
GC分析を実施例と同様に行い、モノヒドロキシアダマ
ンタンエステル類(2)の生産量(mg/L)を求め
た。結果を表1に示す。
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明方法によれば、モノヒドロキシア
ダマンタンエステル類(2)をアダマンタンエステル類
(1)から効率的に製造することが可能となる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アブシディア(Absidia)属微生物または
    リゾパス(Rhizopus)属微生物に由来し、かつ式1 で示されるアダマンタンエステル類に作用して式2 で示されるモノヒドロキシアダマンタンエステル類を生
    成させる能力を有する酵素を、アダマンタンエステル類
    (1)に作用させることを特徴とするモノヒドロキシア
    ダマンタンエステル類の方法。
  2. 【請求項2】アブシディア(Absidia)属微生物がアブ
    シディア・シリンドロスポラ(Absidia cylindrospor
    a)またはアブシディア・ヒアロスポラ(Absidia hyalo
    spora)である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】リゾパス(Rhizopus)属微生物がリゾパス
    ・ストロニファーvarストロニファー(Rhizopus stolon
    ifer var stolonifer)またはリゾパス・オリゼ(Rhyzo
    pusoryzae)である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】アブシディア・シリンドロスポラ(Absidi
    a cylindrospora)がアブシディア・シリンドロスポラ
    (Absidia cylindrospora)IFO4000株、アブシディア・
    シリンドロスポラ(Absidia cylindrospora)IFO4002株
    またはアブシディア・シリンドロスポラ(Absidia cyli
    ndrospora)IFO5873株である請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】アブシディア・ヒアロスポラ(Absidia hy
    alospora)がアブシディア・ヒアロスポラ(Absidia hy
    alospora)IFO8082株である請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】リゾパス・ストロニファーvarストロニフ
    ァー(Rhizopus stolonifer var stolonifer)がリゾパ
    ス・ストロニファーvarストロニファー(Rhizopus stol
    onifer var stolonifer)IFO30816株、リゾパス・スト
    ロニファーvarストロニファー(Rhizopus stolonifer v
    ar stolonifer)IFO6188株またはリゾパス・ストロニフ
    ァーvarストロニファー(Rhizopus stolonifer var sto
    lonifer)IFO5780株である請求項3に記載の方法。
  7. 【請求項7】リゾパス・オリゼ(Rhyzopus oryzae)が
    リゾパス・オリゼ(Rhyzopus oryzae)IFO5378株または
    リゾパス・オリゼ(Rhyzopus oryzae)IFO4697株である
    請求項3に記載の方法。
  8. 【請求項8】該酵素のアダマンタンエステル類に対する
    作用が、アブシディア(Absidia)属微生物またはリゾ
    パス(Rhizopus)属微生物の培養液中で行われる請求項
    1に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003072547A1 (en) * 2002-02-27 2003-09-04 Pfizer Products Inc. PROCESSES AND INTERMEDIATES USEFUL IN PREPARING β3-ADRENERGIC RECEPTOR AGONISTS
JPWO2007114125A1 (ja) * 2006-03-31 2009-08-13 塩野義製薬株式会社 微生物によるアダマンタン水酸化体の製造方法

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