JP2001017194A - モノヒドロキシアダマンタン誘導体の製造方法 - Google Patents

モノヒドロキシアダマンタン誘導体の製造方法

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JP2001017194A
JP2001017194A JP11194354A JP19435499A JP2001017194A JP 2001017194 A JP2001017194 A JP 2001017194A JP 11194354 A JP11194354 A JP 11194354A JP 19435499 A JP19435499 A JP 19435499A JP 2001017194 A JP2001017194 A JP 2001017194A
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Masatoshi Shimizu
将年 清水
Hiroaki Fujishima
浩晃 藤島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトレジスト材料の中間体として有用なモ
ノヒドロキシアダマンタン誘導体を効率的に製造し得る
方法を提供する。 【解決手段】 ボーベリア・バシアナ(Beauveria bass
iana)IFO4848株、ボーベリア・バシアナ(Beauveria b
assiana)IFO31676株またはボーベリア・バシアナ(Bea
uveria bassiana)IFO31953株に由来し、かつ明細書中
に規定されるアダマンタン誘導体に作用して明細書中に
規定されるモノヒドロキシアダマンタン誘導体を生成さ
せる能力を有する酵素を、アダマンタン誘導体に作用さ
せることを特徴とするモノヒドロキシアダマンタン誘導
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモノヒドロキシアダ
マンタン誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】式2 で示されるモノヒドロキシアダマンタン誘導体(以下、
モノヒドロキシアダマンタン誘導体(2)と記す)は、
有用なフォトレジスト材料の中間体として注目されてい
る。
【0003】微生物に由来する酵素を用いる化合物の製
造方法、いわゆるバイオコンバージョン法は、一般的に
温和な条件で反応を行うことができ、また、廃棄物負荷
が小さい等の点で効率的であり、有利な方法であるとさ
れている。そして、バイオコンバージョン法によるアダ
マンタン化合物のモノヒドロキシル化方法としては、基
質として(1S)−3−〔2−(2−アダマンチル)エ
チル〕−1,8,8−トリメチル−3−アザビシクロ
〔3.2.1〕オクタンを、微生物としてボーベリア・
バシアナIFO8554株を用いる方法(特開平8−2
05883号公報)が知られている。しかしながら、該
バイオコンバージョン法においては、反応基質に対する
特異性が高いために酵素によって適用可能な基質も制限
される場合が多いこともまた知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フォ
トレジスト材料の中間体として有用なモノヒドロキシア
ダマンタン誘導体(2)を効率的に製造し得る方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
状況下、モノヒドロキシアダマンタン誘導体(2)の製
造方法について鋭意検討を重ねた結果、ボーベリア・バ
シアナ(Beauveria bassiana)の特定の菌株に由来する
酵素が式1 で示されるアダマンタン誘導体(以下、以下、アダマン
タン誘導体(1)と記す)のアダマンチル基を選択的に
モノヒドロキシル化する能力を有すること、およびこの
酵素をアダマンタン誘導体(1)に作用させることによ
り効率的にモノヒドロキシアダマンタン誘導体(2)を
製造し得ることを見出し、本発明に至った。すなわち本
発明は、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)
IFO4848株、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassian
a)IFO31676株またはボーベリア・バシアナ(Beauveria
bassiana)IFO31953株に由来し、かつアダマンタン誘
導体(1)に作用してモノヒドロキシアダマンタン誘導
体(2)を生成させる能力を有する酵素を、アダマンタ
ン誘導体(1)に作用させることを特徴とするモノヒド
ロキシアダマンタン誘導体(2)の製造方法(以下、本
発明方法と記す)を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明方法における出発物質であ
るアダマンタン誘導体(1)は、例えば、特開平10−
182552号公報に記載の方法に準じて製造すること
ができる。また、モノヒドロキシアダマンタン誘導体
(2)としては、1−ヒドロキシ−2−メチルアダマン
タン−2−イル メチルメタクリレート、4−ヒドロキ
シ−2−メチルアダマンタン−2−イル メチルメタク
リレート、1−ヒドロキシ−4−メチルアダマンタン−
4−イル メチルメタクリレートおよび6−ヒドロキシ
−2−メチルアダマンタン−2−イル メチルメタクリ
レートを挙げることができ、これらの化合物は光学活性
体であり得る。
【0007】本発明方法において用いられる酵素は、ボ
ーベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)IFO4848
株、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)IFO3
1676株またはボーベリア・バシアナ(Beauveria bassia
na)IFO31953株に由来し、2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレートに作用してモノヒドロキシアダマンタ
ン誘導体(2)を生成させる能力を有する酵素(以下、
本酵素と記す)である。
【0008】本酵素としては、前記の能力を有していれ
ば、例えば、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassia
na)IFO4848株、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bas
siana)IFO31676株またはボーベリア・バシアナ(Beauv
eria bassiana)IFO31953株により産生される酵素であ
っても、該株から薬剤や紫外線等によって誘導された変
異株により産生される酵素であっても、前記未変異株や
変異株から遺伝子工学的手法等により誘導される遺伝子
組換え体株によって産生される酵素であってもよい。該
遺伝子組換え体株は、例えば、ボーベリア・バシアナ
(Beauveria bassiana)IFO4848株、ボーベリア・バシ
アナ(Beauveria bassiana)IFO31676株またはボーベリ
ア・バシアナ(Beauveria bassiana)IFO31953株から本
酵素を精製してそのアミノ酸配列を決定し、該アミノ酸
配列に基いて、J.,Sambrook, E., F., Frisch, T.,Mani
atis著、モレキュラー・クローニング第2版(Molecula
r Cloning 2nd edition)、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Labor
atory press)、1989年やD., M., Glover著、DNACl
oning、IRL発行、1985年などに記載されている通常
の方法に準じて、本酵素をコードする遺伝子をクローニ
ングし、該遺伝子を大腸菌等の宿主細胞に導入すること
により得ることができる。
【0009】例えば、本酵素をコードする遺伝子は宿主
内で発現可能な形でプロモーターと連結された状態で宿
主に導入される。ここで、プロモーターとしては、宿主
が大腸菌である場合には、例えば、大腸菌内で遺伝子発
現制御活性を示すlacプロモーター、tacプロモーター等
の市販のプロモーターを利用することができる。
【0010】本酵素をコードする遺伝子の宿主への導入
は、例えば、適当なベクターに挿入された状態で行うこ
とができる。ベクターとしては、宿主である微生物内で
複製可能なベクターであればよく、例えば宿主が大腸菌
である場合には、大腸菌内で複製可能な市販のプラスミ
ドやファージ等が利用できる。ベクターを宿主微生物に
導入する方法としては、通常の遺伝子工学的方法を用い
ることができ、塩化カルシウムで菌体を処理する方法
(Molecular Cloning, 2nd ed., Cold Spring Harbor L
aboratory Press (1989))や、エレクトロポレーション
法(Current Protocols in Molecular Biology, vol.1,
John Wiley & Sons. Inc. ISBNO-471-50338-X (198
7))等の通常の方法が挙げられる。また、相同組換えを
利用して宿主微生物の染色体に目的の遺伝子を挿入する
遺伝子導入法を用いることもできる。例えば、本酵素を
コードする遺伝子を含有するDNA断片の両端に、宿主由
来の染色体DNA断片を結合してベクターに挿入し、これ
を宿主に導入する。これにより本酵素をコードする遺伝
子が宿主の染色体に導入された組換え体が得られる。
【0011】本酵素は、例えば本酵素を産生する前記し
た微生物を培養することによって調製することができ
る。該微生物の培養には、一般細菌における通常の培養
に使用される炭素源、窒素源、有機ないし無機塩等を適
宜含む各種の培地を使用することができる。例えば、炭
素源としてグルコース、シュークロース、キシロース、
澱粉、澱粉加水分解物等の糖類、メタノール、エタノー
ル等のアルコール類、メタン、エチレン等の炭化水素
類、コハク酸、サリチル酸、酢酸等の有機酸類等があげ
られる。これら炭素源の培地への添加量は培養液に対し
通常、0.1〜20%(w/v)程度とするとよい。窒
素源としては肉エキス、ペプトン、酵母エキス、乾燥酵
母、コーンスティープリカー、カザミノ酸、尿素、硝酸
ナトリウム等があげられる。窒素源の添加量は培養液に
対し通常、0.1〜30%(w/v)程度とするとよ
い。有機ないし無機塩としては、カリウム、ナトリウ
ム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の
塩化物、硫酸塩類、酢酸塩類、炭酸塩類及びリン酸塩
類、具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバル
ト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、リン酸水素1カリウム、リン酸水
素2カリウム、リン酸水素1ナトリウム、リン酸水素2ナ
トリウム等を挙げることができる。その添加量は培養液
に対し通常、0.0001〜5%(w/v)程度とする
とよい。また、ベクターが導入された組換え体の場合に
は、ベクターの有する選択マーカーに対応した選択剤、
例えば、選択マーカーが抗生物質耐性遺伝子である場合
にはアンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシン等
の抗生物質を培地に加えることができる。
【0012】本酵素を産生する微生物の培養は、一般微
生物における通常の方法に準じて行うことができ、例え
ば試験管振盪式培養、往復式振盪培養、ジャーファーメ
ンター(Jar Fermenter)培養、タンク培養等の液体培
養、固体培養等の方法が可能である。ジャーファーメン
ターを用いる場合は、ジャーファーメンター内に無菌空
気を導入する必要があり、通常、培養液容量の約0.1
〜約2倍/分の通気条件を用いる。培養温度は、微生物
が生育可能な範囲で適宜変更できるが、通常、約15℃
〜約40℃の範囲の培養温度が好ましく、培地のpHと
しては、約4〜約8の範囲が好ましい。培養時間は、培
養条件によって異なるが、通常は約1〜約10日間が望
ましい。
【0013】前述のようにして培養される微生物によっ
て産生される本酵素は、例えば、精製酵素、粗精製酵
素、本酵素を産生する微生物の培養物、本酵素を産生す
る微生物の菌体、かかる菌体の処理物等の種々の形態で
本方法に用いることができる。ここで菌体の処理物とし
ては、例えば、凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、菌体
摩砕物、菌体の自己消化物、菌体の超音波処理物、菌体
抽出物、菌体のアルカリ処理物等をあげることができ、
さらに、これら種々の形態の本酵素を、例えば、シリカ
ゲルやセラミックス等の無機担体、セルロース、イオン
交換樹脂等へ吸着させる担体結合法や、ポリアクリルア
ミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギーナンゲル)、アル
ギン酸ゲル、寒天ゲル等の高分子の網目構造の中に閉じ
込める包括法などの公知の方法に準じて固定化した固定
化物として用いることもできる。
【0014】本酵素を前記のような微生物の培養物から
精製する方法としては、通常一般の酵素の精製において
使用される方法を適用することができ、例えば次のよう
な方法を挙げることができる。まず、微生物の培養物か
ら遠心分離等により菌体を集めた後、これを超音波処
理、ダイノミル処理、フレンチプレス処理等の物理的破
砕方法、またはリゾチーム等の菌体溶菌酵素処理等によ
って破砕する。得られた破砕液から遠心分離、メンブレ
ンフィルターろ過等により不溶物を除去して無細胞抽出
液を調製し、これを陽イオン交換クロマトグラフィー、
陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフ
ィー、ゲルクロマトグラフィー等の分離精製方法を適宜
用いて分画することによって本酵素を精製することがで
きる。クロマトグラフィーに使用する担体としては、例
えば、カルボキシメチル(CM)基、DEAE基、フェ
ニル基、またはブチル基等を導入したセルロース、デキ
ストランまたはアガロース等の樹脂担体が挙げられる。
市販の担体充填済みカラムを用いることもでき、例え
ば、Q-Sepharose FF、Phenyl-Sepharose HP(商品名、
いずれもアマシャム ファルマシア バイオテク社
製)、TSK−gel G3000SW(商品名、東ソ
ー社製)等が挙げられる。
【0015】本酵素の精製操作の一例を示す。本酵素を
産生する微生物の菌体を遠心分離により集めた後、例え
ば20mMビストリスプロパン(pH7.0)等のバッ
ファー液に懸濁する。これを超音波破砕機にて20分間
程度破砕処理し、得られた菌体破砕液を約13000×
gで15分間程度遠心分離した後、上清を回収してメン
ブレンフィルターにてろ過して不溶物を除去し、無細胞
抽出液を調製する。こうして得られた無細胞抽出液を例
えば Q Sepharose FFカラム(商品名、アマシャム フ
ァルマシア バイオテク社製)に導入し、塩化ナトリウ
ム直線濃度勾配によりカラムへの吸着物を順次を溶出さ
せ溶出液を分画する。本酵素を含む画分を次いで、例え
ば Phenyl-Sepharose HP カラム(商品名、アマシャム
ファルマシア バイオテク社製)に導入し、硫酸アン
モニウム直線濃度勾配によりカラムへの吸着物を順次溶
出させ溶出液を分画する。本酵素を含む画分を、さら
に、限外ろ過膜等を用いて濃縮した後、例えばTSK−
gel G3000SWカラム(600mm×7.5mmID)(商
品名、東ソー社製)に導入し、例えば0.15Mの塩化
ナトリウムを含む50mMりん酸ナトリウムバッファー
等で溶出させ溶出液を分画することによって、本酵素を
精製することができる。尚、本酵素を含む画分は、アダ
マンタン誘導体(1)に作用してモノヒドロキシアダマ
ンタン誘導体(2)に変換する能力を指標にして選抜す
ることができる。
【0016】本発明方法は、通常、水や、リン酸ナトリ
ウム、リン酸カリウム等のリン酸アルカリ金属塩などの
無機酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸アル
カリ金属塩などの有機酸塩等を含む水性バッファー液等
の水性溶媒中で行われる。例えば、前記した微生物の培
養液にアダマンタン誘導体(1)を加え、保温すること
により反応させる方法を挙げることができる。また、菌
体、菌体処理物、精製酵素等を該水性溶媒中に懸濁また
は溶解させた液中に、アダマンタン誘導体(1)を加
え、保温することにより反応させる方法が挙げることも
できる。本発明方法において使用する菌体または菌体破
砕物の濃度は、反応液に対し例えば湿重で約0.01重
量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1
0重量%である。また、本酵素または本酵素の固定化物
の濃度は、その精製度または固定化方法等によって変化
するが、例えば、前記の菌体または菌体破砕物を用いた
場合と同等のアダマンタン誘導体(1)に対するモノヒ
ドロキシル化活性が得られるように適宜調整することが
望ましい。微生物の培養液を用いる場合は、微生物の培
養液をそのまま使用することもできるが、好ましくは、
前記の菌体または菌体破砕物を用いた場合と同等のアダ
マンタン誘導体(1)に対するモノヒドロキシル化活性
が得られるように該培養液を水性溶媒で希釈したり、該
培養液を遠心し上清を除く等の方法で濃縮することによ
って微生物濃度を適宜調整することが好ましい。
【0017】アダマンタン誘導体(1)の濃度として
は、反応液に対し例えば、約0.01重量%〜約10重
量%、好ましくは約0.05重量%〜約2重量%が挙げ
られる。反応温度は、通常、約0℃〜約70℃程度が適
しており、好ましくは約0℃〜約50℃である。反応時
の液のpHは、通常、約3〜約10、好ましくは、約4
〜約9であり、反応時間は、反応速度等との関係で適宜
設定することができるが、通常は約10分間〜約150
時間程度である。
【0018】さらに、界面活性剤、補酵素、有機溶媒等
を補助剤として反応系内に共存させると、反応時間の短
縮や収率等の点で有利な場合があり、必要に応じてこれ
らの補助剤を単独又は適宜組み合わせて反応系中に添加
することもできる。使用し得る界面活性剤として具体的
には、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリエチレング
リコールモノ−p−イソオクチルフェニルエーテル、臭
化セチルピリジウム等を挙げることができ、また補酵素
として具体的には、例えばニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリ
ン酸、ピリドキサルリン酸(PLP)等を挙げることが
できる。また有機溶媒としては、例えば、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサン、メチル−tert−ブチルエーテ
ル等の疎水性有機溶媒、DMSOやアルコール類等の親
水性有機溶媒等を挙げることができる。
【0019】また、前記補酵素を共存させる場合には、
炭素源を適宜添加することによって反応収率を向上させ
ることができる。ここで炭素源としては例えば、前記し
た培養液における培地に使用される炭素源を挙げること
ができる。反応後、該反応液からモノヒドロキシアダマ
ンタン誘導体(2)を回収する方法としては、該反応液
を、例えば酢酸エチル等の有機溶媒で抽出する方法をあ
げることができ、必要により、カラムクロマトグラフィ
ー等により精製することもできる。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。 実施例1 500mL容の坂口フラスコにバクト・ポテトデキストロ
ース培地(ディフコ)100mLを分注し、121 ℃で15
分間滅菌した。この培地に、予めボーベリア・バシアナ
(Beauveria bassiana)IFO4848株の前培養液を前記滅
菌済培地に対し1%植菌した後、27℃で1日振盪培養し
た。この培養液にアダマンタン誘導体(1)を0.1重量
%添加し、27℃でさらに2日間振盪培養して反応させ
た。次いで、該反応液を同容量の酢酸エチルで抽出し、
酢酸エチル相中の生成物をガスクロマトグラフィー(G
C)で分析し、原料と生成物の面積比較により生成物
(モノヒドロキシアダマンタン誘導体(2))の生産量
(mg/L)を求めた。結果を表1に示す。尚、GCの分
析条件は以下の通り。 本体;ヒューレットパッカード5890 SERIESII、カラ
ム;J & W Scientific社製 DB1(内径0.25mm、膜厚0.25
μm、長さ30m)、昇温条件;100℃ 5分 → 10℃/分で昇
温 → 200℃ → 40℃/分で昇温 → 300℃10分、インジ
ェクション温度;180℃、検出;FID、検出温度;280
℃、注入量;2μL(スプリット比20:1)。また、酢酸
エチル相についてGC−MS分析を行い、該生成物が、
モノヒドロキシアダマンタン誘導体(2)であることを
確認した。
【0021】実施例2〜3および比較例1 ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)IFO31676
株(実施例2)、ボーベリア・バシアナ(Beauveria ba
ssiana)IFO31953株(実施例3)およびボーベリア・バ
シアナ(Beauveria bassiana)IFO8554株(比較例1)
を用いる以外は反応、後処理および分析を実施例と同様
に行い、モノヒドロキシアダマンタン誘導体(2)の生
産量(mg/L)を求めた。結果を表1に示す。
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明方法によれば、モノヒドロキシア
ダマンタン誘導体(2)をアダマンタン誘導体(1)か
ら効率的に製造することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassia
    na)IFO4848株、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bas
    siana)IFO31676株またはボーベリア・バシアナ(Beauv
    eriabassiana)IFO31953株に由来し、かつ式1 で示されるアダマンタン誘導体に作用して式2 で示されるモノヒドロキシアダマンタン誘導体を生成さ
    せる能力を有する酵素を、アダマンタン誘導体(1)に
    作用させることを特徴とするモノヒドロキシアダマンタ
    ン誘導体(2)の製造方法。
  2. 【請求項2】該酵素のアダマンタン誘導体(1)に対す
    る作用が、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bassian
    a)IFO4848株、ボーベリア・バシアナ(Beauveria bass
    iana)IFO31676株またはボーベリア・バシアナ(Beauve
    ria bassiana)IFO31953株の培養液中で行われる請求項
    1に記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007114125A1 (ja) * 2006-03-31 2009-08-13 塩野義製薬株式会社 微生物によるアダマンタン水酸化体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007114125A1 (ja) * 2006-03-31 2009-08-13 塩野義製薬株式会社 微生物によるアダマンタン水酸化体の製造方法

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