JP4286364B2 - L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の製造方法 - Google Patents

L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーキンソン病等の治療薬に用いられているL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン(以下、L−スレオ−DOPSと略す)、あるいはその誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、L−スレオ−DOPS誘導体の合成は、以下の方法により行われていた。すなわち、必要に応じて保護基を導入したアルデヒド誘導体とグリシンを強アルカリ下で縮合させることによりラセミ−スレオ/エリスロ−DOPS誘導体を合成する。得られたDOPS誘導体の保護基を除去し、アミノ基部分に置換基を導入した後、キニン、ブルシン等の光学分割剤を用いて光学分割を行い、最後にアミノ基部分の置換基を除去するというものである。スレオ/エリスロ体の相互分離処理が必要な場合は、縮合反応後のいずれかのステップにおいて行う。
【0003】
このようなL−スレオ−DOPS誘導体の化学的合成に当たっては、必要に応じて各種の特定の保護基を導入したり、除去することが必要であるのに加えて、その合成工程において2種以上の立体異性体が生じることから、それら異性体の分離には少なくとも複数の工程が必須であり、さらに各種置換基の導入除去工程もそれに伴って必要であることから、工業的製造の上で大きな問題となっていた。
【0004】
このうち特に、光学分割工程は、複雑で収率が悪いばかりでなく、それに使用する光学分割剤も高価であり、工業的製造法としては問題があった。さらに従来の光学分割法では、結果として得られる不要な異性体は、再度それを利用するために別途ラセミ化したり、分解したりする必要があり、ますます製造設備などが複雑となることになっていた。
【0005】
このような化学的光学分割法に対し、DOPS誘導体の異性体混合物のうち不要な異性体を特異的にグリシンと対応するアルデヒドに分解する酵素を用い、所望の異性体を製造する酵素的光学分割法が開示されている(特開平4−330297号公報、特開平4−346795号公報)。
【0006】
この方法は、DOPS誘導体の異性体混合物のうち不要な異性体のみを特異的にグリシンと対応するアルデヒドに分解する酵素を、水性媒体中にて、DOPS誘導体の異性体混合物に作用させることにより、残存した目的の異性体を取得するものであり、分解生成物は再度異性体混合物の合成原料として利用できる。
よって、化学的光学分割において必要な各種置換基の導入除去工程が不要であるばかりでなく、不要な異性体を利用するためのラセミ化あるいは分解も不要であり、結果として安価かつ高効率で目的物が得られるという利点を有している。
【0007】
しかしながら、上記公報において記載されている水性媒体中での反応においては、基質濃度が比較的低濃度である場合には不要な異性体の分解が効率的に進行するものの、実用的な基質濃度で実施した場合には分解反応が途中で停止してしまい、結果として目的とする異性体の光学純度が向上しないという問題点が見出された。また、分解反応により生成するアルデヒドの種類によっては、水性媒体中での安定性が低いために副反応により失われ、反応阻害や回収率の低下等の問題も生じることが明らかとなった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、酵素的分割反応を行うに際し、水と二相を形成しうる有機溶媒を存在させることにより、基質濃度を高くした場合でも不要な異性体の分解が効率よく進行し、分解反応により生成したアルデヒドに起因する副反応も抑制され、分解生成物の分離も反応と同時に行うことができるため工程の簡略化が可能であることを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
すなわち、本発明は、(1)一般式
【化2】
Figure 0004286364
(式中、R1,R2は、同一又は相異なり、水素、低級アルキル又は低級アラルキル基を示すが、R1、R2共 にアルキレン基で置換されて環を形成しててもよい)
で表わされるL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体を含む3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の異性体混合物から、酵素触媒であるD−スレオニンアルドラーゼを単独又はL−アロスレオニンアルドラーゼとともに用いて不要な異性体をグリシンと対応するアルデヒドに分解することによりL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体を製造するに際し、不要な異性体の分解反応を水と二相を形成しうるエステル類、アルコール類、芳香族類及びエーテル類からなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を水性媒体との比率が重量基準で90/10〜10/90となるように存在させ、pH7〜9にて行うことを特徴とするL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の製造方法、
(2)水と二相を形成しうる有機溶媒が酢酸エチル又はジエチルエーテルである(1)記載の製造方法、
(3)L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体が、L−スレオ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリン又はL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリンである(1)又は(2)のいずれかに記載の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、さらに本発明について詳しく説明する。
本発明で用いられる原料のDOPS誘導体は、一般式
【化3】
Figure 0004286364
(式中、R1,R2は、同一又は相異なり、水素、低級アルキル又は低級アラルキル基を示すが、R1、R2共にアルキレン基で置換されて環を形成してしていてもよい)で表わされる化合物であればよい。このような化合物の代表的なものとしては、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリン、3−(3,4−ジベンジルキシフェニル)セリン、3−(3,4−ジメチルオキシフェニル)セリン、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン等があげられる。
【0011】
また、原料のDOPS誘導体は、L−スレオ体が含まれていれば、スレオ/エリスロ異性体の混合物であっても、スレオ体のラセミ混合物であってもよい。
本発明においては、L−スレオ体以外の異性体を特異的にグリシンと対応するアルデヒドとに分解することから、こうして得られたグリシンと対応するアルデヒドは回収後、再度合成に使用できる。
【0012】
本発明で使用されるL−スレオ体以外の異性体を特異的にグリシンと対応するアルデヒドに分解する能力を有する酵素としては、D−スレオニンアルドラーゼとL−アロスレオニンアルドラーゼが挙げられる。原料であるDOPS誘導体がスレオ体のみの異性体混合物である場合はD−スレオニンアルドラーゼ単独で、スレオ/エリスロ異性体の混合物である場合にはD−スレオニンアルドラーゼ及びL−アロスレオニンアルドラーゼを用いればよい。
【0013】
D−スレオニンアルドラーゼとしては、特公昭64−11279号や特開平1−273586号に記載されたものを挙げることができるが、これらと実質的に同様の機能を有する酵素であれば由来や製法は限定されず、また、遺伝子組換え等の手法により一部のアミノ酸の置換や欠失・付加を行った変異酵素も、D−スレオニンアルドラーゼとしての機能を有していれば用いることが可能である。
【0014】
これらD−スレオニンアルドラーゼは、D−型の立体配位には非常に高い特異性を有するにも拘らず、エリスロ/スレオといった立体配位に対しては、許容されうる寛容性を有するのみでなく、種々のDOPS誘導体に作用することができ、さらにグリシンと対応するアルデヒドとを生成せしめるという優れた特性を有している。
【0015】
本発明で用いられるD−スレオニンアルドラーゼは、D−スレオニンアルドラーゼ生産菌あるいはその変異株等から得ることができる。
【0016】
D−スレオニンアルドラーゼ産生菌としては、例えば、アルカリゲネス フェカリス(Alcaligenes faecalis)(IFO 12669)、シュードモナス(Pseudomonas)DK−2(微工研菌寄6200号)、アースロバクター(Arthrobacter)DK−19(微工研菌寄6201号)、キサントモナス オリゼー(Xanthomonas oryzae)(IAM1657)等が知られているが、これらに限定することなく使用することもできる。
【0017】
また、D−スレオニンアルドラーゼの合成に関与する遺伝子を担うDNAを遺伝子組換えの手法を用いて導入して作成された組換え体は、本酵素の生産性が非常に高いため、本発明に好適に利用することができる。例えば、キサントモナス・シトリーIFO3311(pDT648)は、D−スレオニンアルドラーゼを高度に生産する能力を有しており(特開平5−168484号公報)、特に好適なものである。
【0018】
また、L−アロスレオニンアルドラーゼとしては、特公昭63−54359号に記載されたものを挙げることができるが、これらと実質的に同様の機能を有する酵素であれば由来や製法は限定されず、また、遺伝子組換え等の手法により一部のアミノ酸の置換や欠失・付加を行った変異酵素も、L−アロスレオニンアルドラーゼとしての機能を有していれば用いることができる。
【0019】
これらL−アロスレオニンアルドラーゼは、種々のDOPS誘導体のL−エリスロ体に特異性に作用し、これをグリシンと対応するアルデヒドに分解せしめるという優れた特性を有している。
【0020】
本発明で用いられるL−アロスレオニンアルドラーゼは、L−アロスレオニンアルドラーゼ生産菌あるいはその変異株等から得ることができる。
【0021】
L−アロスレオニンアルドラーゼ生産菌としては、例えば、バチルス(Bacillus)DK−39(微工研菌寄6202号)、アルカリゲネス・フェカリス(Alcaligenes faecalis)IFO 12669、シュードモナス(Pseudomonas)DK−2(微工研菌寄6200号)、アースロバクター(Arthrobacter)DK−19(微工研菌寄6201号)、キサントモナス・オリゼー(Xanthomonas oryzae)(IAM1657)等が知られているが、これらのものに限定することなく使用することもできる。
【0022】
また、L−スレオニンアルドラーゼの合成に関与する遺伝子を担うDNAを遺伝子組換えの手法を用いて導入して作成された組換え体は、本酵素の生産性が非常に高いため、本発明に好適に利用することができる。例えば、キサントモナス・シトリーIFO3311(pLA556)は、L−アロスレオニンアルドラーゼを高度に生産する能力を有しており(特開平6−165693号公報)、特に好適なものである。
【0023】
使用する酵素触媒の形態としては、精製酵素、粗精製酵素、酵素を産生する微生物菌体そのものあるいはその処理物や固定化物、その他何れも使用できるが、使用する酵素液や菌体に目的とするL−スレオ体を分解するような活性が含まれている場合には、目的物の収率を向上させるために、その活性を除去してから反応に用いるのが好ましい。これらの分解活性を除去する方法としては、クロマト分画や熱処理等を挙げることができるが、これらに限定されることなく分解活性を選択的に除去できる方法であれば何れも用いることができる。
【0024】
また、遺伝子操作で目的のアルドラーゼの生産性を大幅に向上せしめた組換え体であれば、これらの分解活性を除去することなく反応に用いることが可能である。
【0025】
酵素反応を実施する方法は、水と二相を形成しうる有機溶媒と水性媒体の存在下で、基質であるL−スレオ−DOPS誘導体を含む異性体混合物を上に記した酵素触媒と接触させれば良い。
【0026】
かかる反応時の水性媒体としては、例えば、水、緩衝液等が使用できる。また、有機溶媒としては、以下の条件を満たす溶媒であれば本発明に使用することができる。
(1) 生成物であるアルデヒドを溶解できる
(2) 水性媒体と二相を形成しうる
(3) アルドラーゼ酵素に対する反応阻害性及び不活性化作用が低い
【0027】
具体的には、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル等の有機酸エステル類、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−オクチルアルコール等のアルキル基の炭素数4以上にアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒類、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
【0028】
これらの溶媒は、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、DOPS誘導体が、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリンや3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリンである場合には、酢酸エチルやジエチルエーテルが好適に使用できる。
【0029】
反応時には、これらの有機溶媒類と水性媒体は2相を形成することが必要であり、その比率は、アルデヒドの両相への分配係数や原料に含まれるL−スレオ体以外のDOPS誘導体の異性体の量にもよるが、重量基準で有機溶媒/水性媒体=90/10〜10/90の範囲が好ましく、実用性等を考慮すると、80/20〜20/80の範囲が特に好ましい。
【0030】
両相は、面状の界面を形成するように接触させてもよいし、乳化状態になるように激しく混合してもよい。例えば、基質が3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリンや3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリンである場合には、酢酸エチルやジエチルエーテルを酵素触媒が存在する反応器中で水性媒体と混合し接触させる方法で本発明の効果を十分に発揮することができる。
【0031】
反応における酵素触媒の濃度は、L−スレオ−DOPS誘導体以外の不要な異性体を完全に分解できるならば特に制限はなく、基質濃度にもよるが、スレオニンアルドラーゼ活性(1Uはスレオニンから1分間に1μmoleのグリシンを生成するのに必要な酵素量を表わす)が、水性媒体1ml当たり0.1U以上であることが望ましい。特に、1U以上であれば反応を速やかに終了させることができる。
【0032】
両酵素を使用する場合には、原料に同時に作用させてもよいし、別々に作用させてもよい。
【0033】
基質であるDOPS誘導体の濃度は、反応を著しく阻害しない程度であれば特に制限はないが、一般的には水性媒体1リットル当たり0.01〜1モル程度が好ましい。しかし、例えばDOPS誘導体が3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリンや3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン等である場合には、溶解性が低いので溶解度以上の基質濃度では反応液中での溶解濃度は低く一定に保たれ、残りは不溶体として存在する。
よって、上記の阻害等の問題は回避され、さらに高濃度でも効率的に反応が進行する。また、基質の供給は、一括、連続、分割の何れの手段でも行うことができる。
【0034】
反応温度は、10〜55℃が好ましく、20〜45℃がより好ましい。
また、反応時のpHは6〜10で実施可能であるが、より好ましくは7〜9である。
【0035】
D−スレオニンアルドラーゼとL−アロスレオニンアルドラーゼはともに、ピリドキサール−5’−リン酸を補酵素として要求するするため、反応系に水性媒体1リットル当たり0.1nmole〜1mmol、好ましくは1nmole〜100μmoleの濃度で添加することにより反応が促進される。
【0036】
また、D−スレオニンアルドラーゼは2価金属イオンを補欠因子として要求するため、Mg2+、Mn2+、Co2+、Fe2+等を塩の形で水性媒体1リットル当たり10μmole〜100mmole、好ましくは100μmole〜10mmoleの濃度で添加することにより反応が促進される。
【0037】
反応形式はバッチ方式、連続方式の何れでもよいが、かくして、反応は0.5〜50時間程度で終了する。
【0038】
反応終了後、反応液を静置あるいは遠心分離等の方法により二相分離させ、生成アルデヒドが溶解している有機溶媒相を分離する。水性媒体相に残存しているアルデヒドは必要に応じて同一又は他の抽出溶媒等で回収することもできる。
アルデヒドが溶解している有機溶媒層は、そのまま、あるいは、硫酸ナトリウム等の脱水剤で脱水、減圧下での有機溶媒の除去、減圧蒸留やクロマト分離等の処理を必要に応じて行った後、グリシンとの化学的縮合反応の原料としてリサイクル使用することができる。また、有機溶媒もアルデヒドの除去後再使用することが可能である。
【0039】
水性媒体層からのL−スレオ−DOPS誘導体とグリシンの単離回収は、イオン交換樹脂を用いたクロマト分離や金属錯体化による分別晶析法等の公知の方法を用いて行うことができる。例えば、陽イオン交換樹脂を充填したカラムに通液、水洗後、希アンモニア水等により順次溶出を行い、純度が低い場合には、さらに晶析・水再結晶を行うことにより精製度を高めることができる。回収したグリシンは、有機溶媒層から回収したアルデヒドとともに化学的縮合反応の原料としてリサイクル使用することができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例中、%は特に示さない限り重量%を示す。DOPS誘導体及びグリシンの定量はポストカラムOPA(o−フタルアルデヒド)誘導体化法を用いたアミノ酸分析機(島津製作所製)にて行った。また、DOPS誘導体の異性体分析は、o−フタルアルデヒドとN−アセチル−L−システィンによる誘導体化後ODSカラムにて分離し蛍光検出するプレカラム誘導体化法にて行った。
【0041】
酵素触媒製造例1
ポリペプトン1%、酵母エキス0.5%、塩化ナトリウム1%からなるpH7.2の培地を調製し、50リットル容の培養槽にその培地35リットルを添加し、120℃で15分間加熱殺菌した。その培地にアースロバクターDK−19(微工研菌寄6201号)を接種し、pH7.5に保ちながら30℃で20時間通気及び撹拌をしつつ培養した。
【0042】
培養終了後、培養液から菌体を遠心分離で集菌、水洗後、0.01mMピリドキサ−ル−5'−リン酸、及び1.0mM塩化マグネシウムを含むpH7.5の0.1MHEPES(N-2-Hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid)緩衝液500mlに懸濁し、この菌体懸濁液を20kHz、3分間の超音波破砕処理を4回行い、破砕液の懸濁物質を遠心分離で除去して粗酵素液を調製した。
【0043】
次に、この粗酵素液を陰イオン交換樹脂DEAE−Cellulofine A−500(生化学工業株式会社製)を充填したカラムに通液、上記緩衝液で洗浄後、塩化ナトリウム直線グラジエントにより溶出・分画し、D−スレオニンアルドラーゼ活性を有する画分とL−アロスレオニンアルドラーゼ活性を有する画分を得た。得られた両画分は、それぞれ限外ろ過(分画分子量1万)により濃縮・脱塩し、上記緩衝液にて各25mlとした。この分画濃縮酵素液のD−スレオニンアルドラーゼ活性(1UはD−スレオニンから1分間に1μmoleのグリシンを生成するのに必要な酵素量を表わす)及びL−アロスレオニンアルドラーゼ活性(1UはL−アロスレオニンから1分間に1μmoleのグリシンを生成するのに必要な酵素量を表わす)を測定した結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004286364
【0045】
酵素触媒製造例2
ポリペプトン1%、酵母エキス0.5%、塩化ナトリウム1%からなるpH7.2の培地を調製し、50リットル容の培養槽にその培地35リットルを添加し、120℃で15分間加熱殺菌した。その培地にクロラムフェニコールを50μg/mlとなるよう添加した後、キサントモナス・シトリー(Xanthomonas citri)IFO3311(pDT648)を接種し、pH7.5に保ちながら30℃で20時間通気及び撹拌をしつつ培養した。
【0046】
培養終了後、培養液から菌体を遠心分離で集菌し、0.01mMピリドキサ−ル−5'−リン酸、及び1.0mM塩化マグネシウムを含むpH7.5の0.1MHEPES緩衝液で洗浄後、再び遠心分離で集菌し、凍結乾燥を行った。また、同様の方法によりキサントモナス・シトリー(Xanthomonas citri)IFO3311(pLA556)の凍結乾燥菌体を調製した。
得られた凍結乾燥菌体のD−スレオニンアルドラーゼ活性及びL−アロスレオニンアルドラーゼ活性を測定した結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
Figure 0004286364
【0048】
実施例1
酵素触媒製造例1で得たD−スレオニンアルドラーゼ活性を有する分画濃縮酵素液10mlに、D,L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン2.13gと酢酸エチル20mlを加え、30℃で撹拌下、15時間反応させた。反応終了後、反応液の遠心分離により酢酸エチル相を分離、硫酸ナトリウムによる脱水後、減圧乾固を行い、0.66gのプロトカテキュアルデヒドを得た。水相は、1N塩酸を加えて50mlにメスアップした後、遠心分離で不溶物を除去した。この水相希釈液に含まれている残存ジヒドロキシフェニルセリンと生成グリシンをアミノ酸分析により定量したところ、メチレンジオキシフェニルセリンは添加量の49.5%残存し、グリシンはモル換算でジヒドロキシフェニルセリン分解量の99%が生成していた。
【0049】
水相希釈液を、強酸性陽イオン交換樹脂DOWEX50W×8を充填したカラム(26mmφ×100mm)に通液、脱イオン水による十分な洗浄後、希アンモニア水で吸着物質を溶出させ、ジヒドロキシフェニルセリン画分とグリシン画分に分けて採取した。両画分それぞれ減圧乾固を行ったところ、それぞれ1.03g、0.33gの結晶を得た。
ジヒドロキシフェニルセリン画分より得られた結晶の異性体分析を行ったところ、ピークはL−スレオ体の位置にのみ見られ、残存ジヒドロキシフェニルセリンは全てL−スレオ体であることが確認できた。
【0050】
比較例1
反応時に酢酸エチルを添加しない以外は実施例1と同様に反応を行い、反応終了後に酢酸エチルを添加混合し、その後は実施例1と同様の処理を行った。酢酸エチル相から得たプロトカテキュアルデヒドは、0.26gであった。また、水相は実施例1では観察されなかった茶色の着色が見られ、ジヒドロキシフェニルセリンは添加量の72%残存し、グリシンはモル換算でジヒドロキシフェニルセリン分解量の89%相当が生成していた。ジヒドロキシフェニルセリン画分より得られた結晶の異性体分析により、L−スレオ体とD−スレオ体の比は、100:57であった。
【0051】
実施例2
0.01mMピリドキサ−ル−5'−リン酸及び1.0mM塩化マグネシウムを含むpH7.5の0.1MHEPES緩衝液10mlに、酵素触媒製造例2で得たキサントモナス・シトリーIFO3311(pDT648)の凍結乾燥菌体とキサントモナス・シトリーIFO3311(pLA556)の凍結乾燥菌体をそれぞれ0.3g、D,L−スレオ体とD,L−エリスロ体の比が85:15である3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリン2.25gと酢酸エチル20mlを加え、30℃で撹拌下、15時間反応させた。反応終了後、反応液の遠心分離により酢酸エチル相を分離、硫酸ナトリウムによる脱水後、減圧乾固を行い、0.85gのピペロナールを得た。水相は、1N塩酸を加えて50mlにメスアップした後、遠心分離で不溶物を除去した。この水相希釈液に含まれている残存メチレンジオキシフェニルセリンと生成グリシンをアミノ酸分析により定量したところ、メチレンジオキシフェニルセリンは添加量の42.0%残存し、グリシンはモル換算でメチレンジオキシフェニルセリン分解量の99%相当が生成していた。
【0052】
水相希釈液を、強酸性陽イオン交換樹脂DOWEX50W×8を充填したカラム(26mmφ×100mm)に通液、脱イオン水による十分な洗浄後、希アンモニア水で吸着物質を溶出させ、メチレンジオキシフェニルセリン画分とグリシン画分に分けて採取した。両画分それぞれ減圧乾固を行ったところ、それぞれ0.90g、0.41gの結晶を得た。
メチレンジオキシフェニルセリン画分より得られた結晶の異性体分析を行ったところ、ピークはL−スレオ体の位置にのみ見られ、残存メチレンジオキシフェニルセリンは全てL−スレオ体であることが確認できた。
【0053】
実施例3
0.01mMピリドキサ−ル−5'−リン酸及び1.0mM塩化マグネシウムを含むpH7.5の0.1MHEPES緩衝液10mlに、酵素触媒製造例2で得たキサントモナス・シトリーIFO3311(pDT648)の凍結乾燥菌体を0.5g、D,L−スレオ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリン2.25gと、表3に示す各種有機溶媒を20mlを加え、30℃で撹拌下、15時間反応させた。反応終了後、反応液の遠心分離により有機溶媒相を分離・除去した。得られた水相に1N塩酸を加えて50mlにメスアップした後、遠心分離で不溶物を除去した。この水相希釈液の異性体分析により測定された濃度から各異性体の残存率を算出した結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
Figure 0004286364
【0055】
表3より、クロロホルム以外の有機溶媒を用いた場合には、無添加と比べてD−スレオ体の残存率が低くなり、また、L−スレオ体の残存率は高くなった。特に、酢酸エチル又はジエチルエーテルを用いた場合には、D−スレオ体の残存率が0%であった。
【0056】
実施例4
0.01mMピリドキサ−ル−5'−リン酸及び1.0mM塩化マグネシウムを含むpH7.5の0.1MHEPES緩衝液10mlに、酵素触媒製造例2で得たキサントモナス・シトリーIFO3311(pDT648)の凍結乾燥菌体を0.5g、D,L−スレオ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリン2.25gと、酢酸エチルを0.5mlから100mlの範囲で加え、30℃で撹拌下、15時間反応させた。添加酢酸エチルが0.5mlである場合のみ緩衝液と2相を形成しなかった。酢酸エチルが反応終了後、反応液の遠心分離により有機溶媒相を分離・除去した。得られた水相に1N塩酸を加えて50mlにメスアップした後、遠心分離で不溶物を除去した。この水相希釈液の異性体分析により測定された濃度から各異性体の残存率を算出した結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 0004286364
【0058】
表4より、酢酸エチルを1.5ml以上添加することにより、D−スレオ体の残存率は大きく低減した。特に2.5ml以上の添加によりさらに低減した。
【0059】
実施例5
表5に示す各種緩衝剤(MESは2-Morpholinoethanesulfonic acid、CHESはN-Cyclohexyl-2-hydroxy-3-aminopropanesulfonic acidを示す)を1リットル当たり0.1モルの濃度で用いて、0.01mMピリドキサ−ル−5'−リン酸及び1.0mM塩化マグネシウムを含むpH6から10の緩衝液を作製した。これらの緩衝液10mlに、酵素触媒製造例2で得たキサントモナス・シトリーIFO3311(pDT648)の凍結乾燥菌体を0.5g,D,L−スレオ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリン2.25gと酢酸エチル20mlを加え、30℃で撹拌下、15時間反応させた。反応終了後、反応液の遠心分離により酢酸エチル相を分離・除去した。得られた水相に1N塩酸を加えて50mlにメスアップした後、遠心分離で不溶物を除去した。この水相希釈液の異性体分析により測定された濃度から各異性体の残存率を算出した結果を表5に示す。
【0060】
【表5】
Figure 0004286364
【0061】
表5より、pH6.0とpH10.0の条件では、D−スレオ体が残存したが、pH7〜9の条件では、D−スレオ体の残存率は0%であった。
【0062】
実施例6
0.01mMピリドキサ−ル−5'−リン酸及び1.0mM塩化マグネシウムを含むpH7.5の0.1MHEPES緩衝液10mlに、酵素触媒製造例2で得たキサントモナス・シトリーIFO3311(pDT648)の凍結乾燥菌体を0.3g、表6に示すDOPS誘導体のD,L-スレオ体を0.005モルと、酢酸エチル20mlを加え、30℃で撹拌下、15時間反応させた。反応終了後、反応液の遠心分離により酢酸エチル相を分離・除去した。得られた水相に1N塩酸を加えて50mlにメスアップした後、遠心分離で不溶物を除去した。この水相希釈液の異性体分析により測定された濃度から各異性体の残存率を算出した結果を表6に示す。また、比較のために、反応時には酢酸エチルを添加せず、反応終了後に酢酸エチルを添加混合し、その後は同様の処理を行った結果を表7に示す。
【0063】
【表6】
Figure 0004286364
【0064】
【表7】
Figure 0004286364
【0065】
表6、7より、いずれのDOPS誘導体でも、反応時に酢酸エチルを添加すると、D−スレオ体残存率が0%となり、L−スレオ体残存率は高かった。
これと比べて、酢酸エチル無添加ではD−スレオ体残存率が高く、L−スレオ体残存率は低かった。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、酵素的光学分割法を用いたL−スレオ−DOPS誘導体の製造において、不要な異性体の酵素的分解反応を従来の水性媒体単独で行うのに比べて、以下の利点を有する。
(1)実用的な基質濃度においても不要異性体の分解が効率よく進行するため、目的の異性体を高い光学純度で得ることができる。
(2)分解反応により生成するアルデヒドに起因する副反応も抑制されるため、目的の異性体や分解生成物の収率や純度が向上する。
(3)分解反応により生成するアルデヒドの分離を、分解反応と同時に行い、また、酵素反応と同一容器内で行うことが可能であるため、工程が簡略化されて装置のための設備費を大幅に節約することができる。

Claims (2)

  1. 一般式
    Figure 0004286364
    (式中、R,Rは、同一又は相異なり、水素、低級アルキル又は低級アラルキル基を示すが、R、R共にアルキレン基で置換されて環を形成していてもよい)
    で表わされるL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体を含む3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の異性体混合物から、酵素触媒であるアースロバクター属(Arthrobacter)由来又はキサントモナス属(Xanthomonas)由来のD−スレオニンアルドラーゼを単独あるいはアースロバクター属由来又はキサントモナス属由来のL−アロスレオニンアルドラーゼとともに用いて不要な異性体をグリシンと対応するアルデヒドに分解することによりL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体を製造するに際し、
    不要な異性体の分解反応を水と二相を形成しうる酢酸エチル又はジエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を水性媒体との比率が重量基準で90/10〜10/90となるように存在させ、pH7〜9にて行うことを特徴とするL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体の製造方法。
  2. L−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリン誘導体が、L−スレオ−3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)セリン又はL−スレオ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)セリンである請求項1に記載の製造方法。
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