JPH09222622A - 光増幅器および光増幅中継伝送システム - Google Patents

光増幅器および光増幅中継伝送システム

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JPH09222622A
JPH09222622A JP8179680A JP17968096A JPH09222622A JP H09222622 A JPH09222622 A JP H09222622A JP 8179680 A JP8179680 A JP 8179680A JP 17968096 A JP17968096 A JP 17968096A JP H09222622 A JPH09222622 A JP H09222622A
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亙 今宿
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篤 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号光パルス波形を整形し、入力信号光のS
/Nを改善することができる光増幅器および光増幅中継
伝送システムを実現する。 【解決手段】 入力信号光のうち励起光と同位相成分を
増幅し、直交位相成分を減衰させる位相感応光増幅手段
を有し、入力信号光位相に応じて励起光位相を制御し、
さらに位相感応光増幅手段の出力信号光の平均光強度が
最大になるように励起光位相を制御し、励起光位相と入
力信号光位相を同期させる手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号光のパルス波
形および信号対雑音比(以下、S/Nという)を改善し
ながら光増幅を行う光増幅器および光増幅中継伝送シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光伝送システムでは、光信号を電
気信号に変換し、ディジタル信号を識別した後に光信号
を再生する識別再生光中継器が用いられていた。この識
別再生光中継器では、光信号を電気信号に変換する電子
部品の応答速度に制限があるので、10Gbit/s 以上の大
容量光伝送システムに適用することが困難であった。
【0003】この問題を解決する増幅手段として、エル
ビウムやプラセオジム等の希土類元素を添加した光ファ
イバに励起光を入射して信号光を増幅するファイバレー
ザ増幅器や、半導体レーザ増幅器がある。また、光信号
処理回路においても、光分岐損失や光回路の減衰を補償
する手段として半導体レーザ増幅器を用いることが検討
されている。いずれの場合でも、媒質中の電子状態を反
転分布状態にさせ、誘導放出により信号光を増幅する構
成になっている。
【0004】このようなファイバレーザ増幅器や半導体
レーザ増幅器は、信号光を光のままで増幅することがで
きるので、識別再生光中継器で問題になっていた電気的
な処理速度の制限が存在しない。加えて、機器構成も比
較的単純である利点を有する。しかし、劣化した信号光
パルス波形を整形する機能はもっていない。また、不可
避的かつランダムに発生する自然放出光が信号成分とは
全く無関係に混入されるので、信号光のS/Nが増幅前
後で少なくとも3dB低下する。これらは、ディジタル信
号伝送時における伝送符号誤り率の上昇につながり、伝
送品質を低下させる要因になっている。
【0005】この伝送限界を打開する手段として、位相
感応光増幅器 ( Phase SensitiveAmplifier :PS
A)が検討されている。この位相感応光増幅器は、伝送
ファイバの分散の影響による劣化した信号光パルス波形
を整形する機能を有する。さらに、自然放出光は出力さ
れず、増幅前後で信号光のS/Nを劣化させず同一に保
つことが原理的に可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際に位相
感応光増幅器で信号光パルス波形を整形するには、適切
な手段で励起光位相と信号光位相を同期させる必要があ
る。また、光増幅器によるS/Nの劣化がなくても、現
実の光伝送系や光信号処理系では、光ファイバや光素子
による信号光の減衰によりS/Nが劣化する。したがっ
て、今後はS/Nの劣化が生じないだけでなく、さらに
S/Nの劣化を補償する光増幅器、光増幅中継伝送シス
テムが望まれる。
【0007】本発明の目的1は、光処理型で高速動作が
可能であり、安定に励起光位相と信号光位相を同期さ
せ、信号光パルス波形を整形することができる光増幅器
を提供することにある。本発明の目的2は、光処理型で
高速動作が可能であり、入力信号光のS/Nを改善する
ことができる光増幅器を提供することにある。
【0008】本発明の目的3は、これらの光増幅器を用
いた光増幅中継伝送システムを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(信号光パルス波形を整形する光増幅器…請求項1,
2)位相感応光増幅器は、入力信号光のうち励起光と同
位相成分を増幅し、直交位相成分を減衰させる機能を有
するものであり、例えば光ファイバ型非線形ループミラ
ー(以下、NOLMという。)が用いられる( M.E.Mar
hic and C.H.Hsia,1991年エレクトロニクス・レター
ズ,27号,210 頁に記載)。
【0010】入力信号光ES は、一般にコサイン成分と
サイン成分に分解され、 ES =E1 cosφS +iE2 sinφS =a1 +ia2 …(1) と表される。ここで、φS は入力信号光ES と励起光E
P の位相差であり、コサイン成分は励起光と同位相、サ
イン成分は励起光と直交位相の関係になっている。位相
感応光増幅器は、入力信号光のうち励起光と同位相成分
1 を増幅し、直交位相成分a2 を減衰させる。すなわ
ち、出力信号光の同位相成分をb1 、直交位相成分をb
2 、利得をGとすると、 b1 =G1/2 1 …(2) b2 =G-1/22 …(3) が満足される。位相感応光増幅器の利得と、入力信号光
と励起光の位相差φS の関係を図5に示す。
【0011】このような位相感応光増幅器に、伝送路フ
ァイバの分散の影響を受けてチャーピングを起こした信
号光パルスを入力すると、信号光パルス波形のピークと
裾では光位相が変化しており、利得が異なることにな
る。ここで、信号光パルスのピーク位相と励起光位相が
同期するように制御すると、図6に示すように信号光パ
ルスのピークのみが増幅され、信号光パルスの裾は逆に
減衰されて出力信号光のパルス幅が狭くなる。すなわ
ち、波形劣化の補償が可能になる。
【0012】図1は、請求項1の光増幅器の第1の基本
構成を示す。図において、本光増幅器は、位相感応光増
幅部12と、励起光源13と、励起光位相制御部14
と、光分岐部15−1〜15−3とにより構成され、位
相感応光増幅部12の出力信号光の平均光強度が最大に
なるように励起光位相を制御する。すなわち、励起光源
13は、光分岐部15−1で分岐された入力信号光の位
相に同期するように励起光位相が制御される。励起光位
相制御部14は、光分岐部15−2で分岐された出力信
号光の一部を狭帯域の検波器で検波し、検波電流が最大
になるように励起光位相を制御する。なお、励起光位相
制御部14は、励起光源13の出力側で励起光の位相を
制御する構成の他に、励起光源13の位相を直接制御す
る構成としてもよい。その結果、位相感応光増幅部12
では、信号光パルスのピーク位相と励起光位相が同期す
るように制御され、上記の原理に基づいて信号光パルス
が波形整形される。
【0013】図2は、請求項1の光増幅器の第2の基本
構成を示す。図において、本光増幅器は、位相感応光増
幅部12と、励起光源13と、励起光位相制御部14−
1,14−2と、光分岐部15−1,15−2とにより
構成され、位相感応光増幅部12の出力信号光の平均光
強度が最大になるように励起光位相を制御する。すなわ
ち、励起光位相制御部14−1は、光分岐部15−1で
分岐された入力信号光と励起光の位相差が0になるよう
に励起光源13の位相を制御する。励起光位相制御部1
4−2では、光分岐部15−2で分岐された出力信号光
の一部を狭帯域の検波器で検波し、検波電流が最大にな
るように励起光位相を制御する。なお、励起光位相制御
部14は、励起光源13の出力側で励起光の位相を制御
する構成の他に、励起光源13の位相を直接制御する構
成としてもよい。その結果、位相感応光増幅部12で
は、信号光パルスのピーク位相と励起光位相が同期する
ように制御され、上記の原理に基づいて信号光パルスが
波形整形される。
【0014】図3は、請求項2の光増幅器の第1の基本
構成を示す。図において、本光増幅器は、図1の構成に
信号光瞬時強度検出部16を加え、位相感応光増幅部1
2の出力信号光の平均ピーク強度が最大になるように励
起光位相を制御する。すなわち、信号光瞬時強度検出部
16は、光分岐部15−2で分岐された出力信号光のパ
ルスピークのみを検波し、励起光位相制御部14はその
検波電流が最大になるように励起光位相を制御する。そ
の結果、位相感応光増幅部12では、信号光パルスのピ
ーク位相と励起光位相が同期するように制御され、上記
の原理に基づいて信号光パルスが波形整形される。
【0015】図4は、請求項2の光増幅器の第2の基本
構成を示す。図において、本光増幅器は、図2の構成に
信号光瞬時強度検出部16を加え、位相感応光増幅部1
2の出力信号光の平均ピーク強度が最大になるように励
起光位相を制御する。すなわち、信号光瞬時強度検出部
16は、光分岐部15−2で分岐された出力信号光のパ
ルスピークのみを検波し、励起光位相制御部14−2は
その検波電流が最大になるように励起光位相を制御す
る。その結果、位相感応光増幅部12では、信号光パル
スのピーク位相と励起光位相が同期するように制御さ
れ、上記の原理に基づいて信号光パルスが波形整形され
る。
【0016】(入力信号光のS/Nを改善する光増幅器
…請求項3)図7は、請求項3の光増幅器の基本構成お
よび動作原理を示す。図において、本光増幅器は、光位
相偏移手段21と位相感応光増幅手段22が縦続に接続
された構成である。位相感応光増幅手段22は、図1〜
図4に示す位相感応光増幅部12、励起光源13、その
他を含む。光位相偏移手段21は、強度変調された信号
光を入力し、その光強度に比例して光位相偏移した信号
光を出力する。位相感応光増幅手段22は光位相偏移し
た信号光を入力し、その光位相偏移量に応じて“0”ま
たは“1”の2値の光強度の信号光を出力する。
【0017】請求項3の光増幅器は、理想的には図8に
示すように、入力信号光強度PS に対して閾値動作する
入出力特性を有するものが要求される。閾値レベルPth
より大きな強度を有する信号光が入力された場合には、
出力信号光強度PO が得られる。一方、閾値レベルPth
より小さな強度を有する信号光が入力された場合には、
出力信号光強度が0となる。その結果、信号光の強度雑
音は除去され、S/Nが改善される。
【0018】以下、光位相偏移手段21および位相感応
光増幅手段22により、図8に示す閾値動作に近い入出
力特性が得られる原理について説明する。まず、光位相
偏移手段21の動作原理について説明する。光位相偏移
手段21は、光強度に比例して物質中の屈折率が変化す
る光カー効果を利用するものであり、例えば石英ファイ
バなどの光カー媒質が用いられる(請求項5)。
【0019】入力信号光強度PS と光位相偏移手段21
の屈折率n(p) は、非線形屈折率の影響により、 n(p) =n0 +n2S/S …(4) の関係がある。Sは入力信号光の有効断面積である。し
たがって、入力信号光強度PS に対する屈折率変動δn
は、 δn=n2S/S …(5) となる。ここで、光位相偏移手段21の長さをL、入力
信号光の角周波数をω、光速をcとすると、入力信号光
の光強度変化に対する光位相偏移量δφは、 δφ=γLPS …(6) γ=n2ω/(cS) …(7) となる。この関係により、光位相偏移手段21では、入
力信号光に対してその光強度に比例した光位相偏移を起
こす。
【0020】位相感応光増幅手段22は、上述したよう
に、入力信号光のうち励起光と同位相成分a1 のみを増
幅し、直交位相成分a2 を減衰させる。図9は、位相感
応光増幅部12の構成例を示す(請求項6)。図9(a)
はNOLMによる構成例を示す。図において、入力信号
光ES (強度PSS≒PS ) と励起光EP(強度PP)は光
カプラ31で合波され、ループ状に接続された光ファイ
バ32に2分岐され、再度光カプラ31で合波される。
出力信号光EO は光カプラ31から出力され、光サーキ
ュレータ33を介して入力信号光ES と分離される。
【0021】図9(b) は光カー媒質を用いたマッハツェ
ンダ干渉計による構成例を示す。図において、入力信号
光ES (強度PSS≒PS )と励起光EP(強度PP)はビ
ームスプリッタ34−1で2分岐され、それぞれ光カー
媒質35−1,35−2を通過し、ビームスプリッタ3
4−2で合波され、その一方のポートに出力信号光E 0
が得られる。
【0022】ここで、出力信号光EO の強度PO は、 PO =PSScos2(Δφ/2)+PP sin2(Δφ/2) −2(PSSP)1/2 sin(Δφ/2)cos(Δφ/2) sinφS …(8) Δφ=−4π(L/λ)n2(PSSP)1/2 cosφS …(9) となる。この関係より、位相感応光増幅手段22の入出
力信号光の関係が定まる。入力信号光ES と励起光EP
の位相差φS をパラメータとしたときの入力信号光強度
SSと出力信号光強度PO の関係を図10に示す。
【0023】入力信号光強度PSSが十分に小さいときの
入力信号光ES と励起光EP の位相差をφb とすると、
式(6) より位相感応光増幅手段22に入力される入力信
号光ES と励起光EP の位相差φS は、 φS =φb +γPS L …(10) となる。ただし、γは非線形光学定数であり、式(7) で
定義される。
【0024】ここで、式(10)のφb を位相感応光増幅手
段22での利得が最小値となる光位相差以下にとる。さ
らに、マーク時の信号光強度による光位相偏移手段21
での位相偏移により、位相感応光増幅手段22で位相差
φS が最大利得を与える位相差よりも小さくなるように
光位相偏移手段21の相互作用量γLを選択する。光位
相偏移手段21の作用により、入力信号光強度PS の増
大に伴い位相感応光増幅手段22の入力信号光ES と励
起光EP の位相差φS が変化する。したがって、光位相
偏移手段21と位相感応光増幅手段22により構成され
る本発明の光増幅器において、入力信号光強度PS と出
力信号光強度PO の関係は図11のようになる。
【0025】これは、図8に示す閾値動作に近い入出力
特性を示している。すなわち、入力信号光が強度変調さ
れている場合には、強度雑音を伴うマーク信号は出力信
号光強度a(“1”)に収束し、スペース信号は出力信
号光強度が十分に小さいb(“0”)に収束する。これ
により、強度雑音が除去され、S/Nを改善することが
できる。
【0026】図12は、位相感応光増幅部12の他の構
成例を示す(請求項7)。図において、入力信号光ES
(強度PSS,周波数ωS )と励起光EP(強度PP,周波
数2ωS )は、ダイクロックミラー36−1を介して縮
退パラメトリック結晶37に入力される。縮退パラメト
リック結晶37から出力される周波数ωS(=2ωS
ωS)の信号光EO と励起光EP は、ダイクロックミラ
ー36−2で分離される。このような構成では、励起光
の周波数の入力信号光の周波数の2倍に設定する必要が
あるが、定性的には図10,図11に示す入出力特性が
得られる。
【0027】(入力信号光のS/Nを改善する光増幅器
…請求項4)図13は、請求項4の光増幅器の基本構成
および動作原理を示す。図において、第1の位相感応光
増幅手段22−1と、光位相偏移手段21と、第2の位
相感応光増幅手段22−2が縦続に接続される。第1の
位相感応光増幅手段22−1は、強度変調された信号光
を入力し、その位相雑音を強度雑音に変換して位相一定
の信号光を出力する。光位相偏移手段21は、位相一定
の信号光を入力し、その光強度に比例して光位相偏移し
た信号光を出力する。第2の位相感応光増幅手段22−
2は、光位相偏移した信号光を入力し、その光位相偏移
量に応じて“0”または“1”の2値の光強度の信号光
を出力する。
【0028】光位相偏移手段21と第2の位相感応光増
幅手段22−2の機能は、図7に示す請求項3の光増幅
器のものと同じである。ここでは、入力信号光が大きな
位相雑音を有する場合でも対応できるようにしたもので
ある。第1の位相感応光増幅手段22−1は、図14に
示すように光位相に依存した利得を与えるので、入力信
号光の位相雑音は出力側で強度雑音に変換される。一
方、第1の位相感応光増幅手段22−1の出力信号光の
位相は、位相雑音が少ない励起光と同一になり、入力信
号光の位相雑音が抑圧される。すなわち、第1の位相感
応光増幅手段22−1では、入力信号光の位相雑音を除
去し、これらを強度雑音に変換して光位相偏移手段21
に送出する。
【0029】(光増幅中継伝送システム…請求項8)図
15は、本発明の光増幅中継伝送システムの基本構成を
示す。図において、光増幅中継伝送システムは、強度変
調された信号光を送出する光送信器41、光ファイバ伝
送路42、光増幅中継器43、受信した信号光を復調す
る光受信器44により構成される。ここで、光ファイバ
伝送路42を光位相偏移手段21を構成する光カー媒質
と見なし、光増幅中継器43を位相感応光増幅手段22
とすると、図7に示す請求項3の光増幅器と機能的には
同一の構成となる。ただし、光位相偏移手段21、すな
わち光ファイバ伝送路42における損失が無視できない
ので、光送信器41と光ファイバ伝送路42のパラメー
タを適当に設定する必要がある。
【0030】光送信器41から送信される信号光のマー
ク時の平均光強度をP0 〔W〕、光ファイバ伝送路42
の非線形係数をγ〔W-1km-1〕、損失をα〔k
-1〕、区間長をL〔km〕とする。光ファイバ伝送路
42における信号光の位相回転量φは、式(6) の代わり
に、
【0031】
【数1】
【0032】で与えられる。図16は、光ファイバ伝送
路における信号光の位相回転量を示す。ここで、光増幅
中継器43の出力は次の光ファイバ伝送路42への入力
信号光強度となるので、P0 をパラメータとしている。
光ファイバ伝送路42の損失α(0.2dB/km)があるので、
伝送距離が短い領域では距離に比例して位相回転が増加
するが、約50kmを越えた領域では一定である。すなわ
ち、50kmを越えた領域では距離に関係なく信号光強度
に比例した位相回転が生じている。
【0033】位相感応光増幅手段22は、図5に示すよ
うに、入力信号光と励起光の位相差φS がmπ(mは整
数)ならば利得Gで増幅し、(m+1/2)πならば1/G
で減衰させる。したがって、符号がスペースの場合(信
号光強度が0に近い場合)に、位相感応光増幅手段22
の入力信号光の位相が(m+1/2)πの近傍になるように
設定する。また、信号光の平均光強度P0 および励起光
強度を調整することにより、符号がマークの場合に位相
感応光増幅手段22の入力信号光の位相がmπの近傍で
mπより少し大きくなるように設定する。すなわち、光
送信器41および光ファイバ伝送路42の各パラメータ
が π/4<{1−exp(αL)}P0γL/α<π (ラジア
ン) となるように設定する。これにより、光ファイバ伝送路
42(光位相偏移手段21)と光増幅中継器43(位相
感応光増幅手段22)の総合入出力特性として、図8に
近い関係が得られる。
【0034】図17は、光増幅中継伝送システムの入出
力特性を示す。本入出力特性は、光ファイバ伝送路42
の区間長Lが 100km、中継利得が20dB、マーク時の
平均光強度P0 が32mWのときに、光ファイバ伝送路4
2の入力信号光強度と、光増幅中継器43の出力信号光
強度の関係について計算したものである。また、2段構
成および3段構成の入出力特性も示す。伝搬段数の増加
に伴い、非線形な入出力特性が階段状になって疑似識別
的な効果が強調され、“0”または“1”の2値の光強
度の信号光が出力されることがわかる。
【0035】ここで、従来の光増幅中継伝送システムの
符号誤り特性について説明する。図18は、従来の光増
幅中継伝送システムの構成を示す。図において、強度変
調された信号光を送出する光送信器51、光ファイバ伝
送路52、光増幅中継器53、受信した信号光を復調す
る光受信器54により構成される。光増幅中継器53
は、光ファイバ伝送路52の損失Lを利得G0 で補う構
成である。すなわち、 G0 ・L=1 …(12) である。
【0036】一般に、レーザ増幅器は入力信号光強度が
増加すると利得が減少する利得飽和特性を示す。利得飽
和の回復時間(入力光が消滅し、飽和により減少した利
得が元の値に復帰するまでの時間)は、エルビウム添加
光ファイバでほぼ10ミリ秒と長いので、1Mbit/s 以上
の変調速度を有する入力信号光に対しては、光増幅中継
器53の利得は図19に示すように一定と見なしてよ
い。すなわち、マーク時(信号1,平均光強度xm )の
入力信号光に対しても、スペース時(信号0,平均光強
度xS )に対しても同一の利得で増幅する。したがっ
て、信号成分に重畳した雑音成分も信号同様に線形に増
幅され、伝搬に伴って累積する。初段の増幅器以降、増
幅器の出力光のSN比は増幅器の段数kに反比例して劣
化する。
【0037】符号誤り率BERは、SN比の劣化に応じ
て増加する。k段目の光増幅中継器53の出力光のSN
比を(S/N)k、光送信器51の出力光のSN比を(S
/N)0、光増幅中継器53の雑音指数をFとすると、符
号誤り率BERk は、
【0038】
【数2】
【0039】と表される。光増幅中継器の段数と符号誤
り率の関係を図20に示す。ここでは、(S/N)0=56
dB、L=1/G0 =−20dB、F=3dBとした。すなわ
ち、初段の光増幅中継器の入力信号光のSN比は36dBと
なる。段数の増加に伴い急速に符号誤り率が増加してい
ることがわかる。符号誤り率が10-13 以下を許容する
と、光増幅中継器の段数は10段に制限される。
【0040】次に、本発明の光増幅中継伝送システムの
符号誤り特性について説明する。本システムにおける光
増幅中継器(図15、43)は、信号光強度による利得
飽和特性と吸収飽和特性を有する。ここで、吸収飽和特
性とは、信号光強度が0に近いとき(スペース時の入力
信号光強度の近傍)は利得がG0 (=1/L)よりも小
さく、信号光強度が大きくなるにつれて利得がGに近づ
く特性である。利得飽和特性とは、信号光強度が大きく
なる(マーク時の平均光強度程度)と利得が減少する特
性である。したがって、吸収飽和特性と利得飽和特性と
を有する光増幅中継器の入出力特性は、図21の実線
で示される特性となる。横軸(x)は入力信号光強度、
縦軸(y)は出力信号光強度である。
【0041】本発明の光増幅中継器(位相感応光増幅手
段)では、利得回復時間および吸収回復時間は信号帯域
幅の逆数よりも短いので、入力信号光の瞬時値に追随し
て図のように利得が変化すると考えてよい。マーク時の
平均光強度xm における利得はG0 =1/Lに設定され
ている。したがって、図中破線で示すy=G0 xの直線
と増幅器の入出力特性を示す曲線の交点は、(xm , y
m )以外に(RLm,RLm)がある。この2点で示さ
れる入力信号光は、損失Lの伝送路と利得Gの中継器の
連鎖を損失も利得もなく定常的に伝搬する。入力信号光
強度がRLmよりも小さい場合には、利得がG0 よりも
小さいために次段の光増幅中継器の入力信号光強度はR
Lmよりも小さくなる。これを繰り返して数段後には光
強度は0に収束する。一方、出力信号光強度がRLm
なるxm 以上の入力信号光強度をRHmとすると、入力
信号光強度がRLmからRHmまでの場合には、数段後
にxm に収束する。例えば、入力信号光強度とその5中
継後の出力信号光強度の関係は、図21の実線で示さ
れる特性となる。したがって、出力信号光のSN比は、
光増幅中継器の段数に関係なく一定の値を維持すること
ができる。
【0042】このとき、全区間の符号誤り率は、中継区
間数の増加に対して線形に増加する。すなわち、1中継
区間での符号誤り率をER1とすると、k段の中継後の符
号誤り率ER は ER =k・ER1 …(14) となる。なお、1中継区間での符号誤り率ER1は、次の
ように定めることができる。図21において、出力信号
光強度が一定と見なせる入力信号光強度の範囲をxL
らxH とする。初段の光増幅中継器の入力信号光強度が
マーク時にその範囲に収まったとき、出力信号光の雑音
状態は光送信器の出力光と同等のSN比を有している。
したがって、初段の入力信号光がxL からxH の範囲以
外となるビットの確率をもって、図21に示すように1
中継区間の符号誤り率ER1とすればよい。このとき、E
R1
【0043】
【数3】
【0044】と表される。ただし、簡単のために xL =(1−r)xm 、 xH =(1+r)xm …(16) とした。r=0.12、0.13、0.14としたときの符号誤り率
を図20に示す。従来の符号誤り率の計算例と同様に、
初段の光増幅中継器の入力信号光のSN比を36dB、r=
0.13とすると、1中継区間の符号誤り率ER1は10-15
なる。したがって、式(15)より、符号誤り率が10-13
下であるとする制限では、光増幅中継器の段数は 100段
まで許容され、従来方式の約10倍の伝送可能距離に拡大
することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
(光増幅器の第1の実施形態…請求項1,6)図22
は、本発明の光増幅器の第1の実施形態を示す。図にお
いて、入力信号光は光カプラ61−1で2分岐され、そ
の一方が光サーキュレータ62を介して位相感応光増幅
部12として用いられるNOLM63に入力され、他方
が励起レーザ光源64に入力される。励起レーザ光源6
4から出力される励起光は、入力信号光の位相と同期さ
せる光路長調整器65を介してNOLM63に入力さ
れ、入力信号光と合波される。NOLM63の光サーキ
ュレータ62から出力される出力信号光は、光カプラ6
1−2でその一部が分岐される。その出力信号光の一部
はフォトダイオード66で検波され、制御回路67で処
理して光路長調整器65にフィードバックされる。
【0046】本実施形態では、NOLM63に入力する
励起光の位相を入力信号光の平均位相に同期させるため
に、入力信号光の一部を分岐して励起レーザ光源64に
注入して注入同期させている。光路長調整器65は、制
御回路67で出力信号光の強度変化をモニタし、出力信
号光の時間平均光強度が最大になるように制御される。
【0047】(光増幅器の第2の実施形態…請求項1,
6)図23は、本発明の光増幅器の第2の実施形態を示
す。図において、入力信号光は光サーキュレータ62を
通過し、光カプラ61−1で2分岐され、その一方が位
相感応光増幅部12として用いられるNOLM63に入
力され、他方がフォトダイオード66−1に入力され
る。励起レーザ光源64から出力される励起光は、光カ
プラ61−2で2分岐され、その一方が光位相変調器6
8を介してNOLM63に入力され、他方がフォトダイ
オード66−1に入力される。フォトダイオード66−
1には入力信号光および励起光が入力され検波される。
制御回路67−1は、入力信号光と励起光の位相差が0
になるように励起レーザ光源64の位相を制御する。N
OLM63の光サーキュレータ62から出力される出力
信号光は、光カプラ61−3でその一部が分岐される。
その出力信号光の一部はフォトダイオード66−2で検
波され、制御回路67−2で処理して光位相変調器68
にフィードバックされる。
【0048】本実施形態では、NOLM63に入力する
励起光の位相を入力信号光の平均位相に同期させるため
に、入力信号光と励起光の位相差をモニタする構成にな
っている。光位相変調器68は、制御回路67−2で出
力信号光の強度変化をモニタし、出力信号光の時間平均
光強度が最大になるように制御される。なお、制御回路
67−1,67−2が共に励起レーザ光源64の位相を
制御する構成としてもよい。
【0049】(光増幅器の第3の実施形態…請求項2,
6)図24は、本発明の光増幅器の第3の実施形態を示
す。本実施形態の特徴は、出力信号光の平均ピーク強度
が最大になるように励起光位相を制御するところにあ
る。出力信号光の平均ピーク強度は、SHG結晶69、
タイミング抽出回路70、短パルス光源71、フォトダ
イオード66−2、制御回路67−2により観測され
る。すなわち、光カプラ61−3で分岐された出力信号
光と、短パルス光源71から出力される短光パルスをS
HG結晶69に入力してSHG相関をとり、フォトダイ
オード66−2で検波し、制御回路67−2で処理して
光位相変調器68にフィードバックされる。一方、タイ
ミング抽出回路70は、出力信号光のタイミングを抽出
し、信号光パルスピークと同時に短パルス光源71から
短光パルスをSHG結晶69に入力するように制御す
る。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0050】(光増幅器の第4の実施形態…請求項3,
6)図25は、本発明の光増幅器の第4の実施形態を示
す。図において、入力信号光は光カプラ61−1で2分
岐され、その一方が光位相偏移手段21として用いられ
る光カー媒質72に入力され、他方が励起レーザ光源6
4に入力される。光カー媒質72の出力光は、位相感応
光増幅部12として用いられるNOLM63に入力され
る。励起レーザ光源64から出力される励起光は、入力
信号光の位相と同期させる光路長調整器65を介してN
OLM63に入力される。NOLM63の光サーキュレ
ータ62から出力される出力信号光は、光カプラ61−
2でその一部が分岐される。その出力信号光の一部はフ
ォトダイオード66で検波され、制御回路67で処理し
て光路長調整器65にフィードバックされる。
【0051】本実施形態では、NOLM63に入力する
励起光の位相を入力信号光の平均位相に同期させるため
に、入力信号光の一部を分岐して励起レーザ光源64に
注入して注入同期させている。また、熱膨張の影響を受
けて、光カー媒質72の長さが数kHz程度の速さで変動
する。これを補償するために、制御回路67は出力信号
光の強度変化をモニタして光路長調整器65を調整し、
NOLM63に入力される励起光の位相を制御する。
【0052】(光増幅器の第5の実施形態…請求項4,
6)図26は、本発明の光増幅器の第5の実施形態を示
す。図において、入力信号光は光カプラ61−2で2分
岐され、その一方が第1の位相感応光増幅手段22−1
として用いられるNOLM63−1に入力され、他方が
励起レーザ光源64に入力される。励起レーザ光源64
から出力される励起光は光カプラ61−2で2分岐さ
れ、その一方が光路長調整器65−1を介してNOLM
63−1に入力される。NOLM63−1の光サーキュ
レータ62−1から出力される信号光は、光カプラ61
−3でその一部が分岐される。その出力信号光の一部は
フォトダイオード66−1で検波され、制御回路67−
1で処理して光路長調整器65−1にフィードバックさ
れる。
【0053】光カプラ61−3で分岐された出力信号光
の残りは光カー媒質72に入力される。光カー媒質72
の出力光は、第2の位相感応光増幅手段22−2として
用いられるNOLM63−2に入力される。光カプラ6
1−2で分岐された励起光は、光路長調整器65−2を
介してNOLM63−2に入力される。NOLM63−
2の光サーキュレータ62−2から出力される出力信号
光は、光カプラ61−4でその一部が分岐される。その
出力信号光の一部はフォトダイオード66−2で検波さ
れ、制御回路67−2で処理して光路長調整器65−2
にフィードバックされる。
【0054】本実施形態では、NOLM63−1,63
−2に入力する励起光の位相を入力信号光の平均位相に
同期させるために、入力信号光の一部を分岐して励起レ
ーザ光源64に注入して注入同期させている。励起レー
ザ光源64とNOLM63−1との間にある光路長調整
器65−1、および励起レーザ光源64とNOLM63
−2との間にある光路長調整器65−2は、ファイバ熱
膨張による入力信号光と励起光の位相差の変化を補償す
るものであり、それぞれ制御回路67−1,67−2で
出力信号光の強度変化をモニタして制御される。
【0055】(光増幅中継伝送システムの実施形態…請
求項8,9)図27は、本発明の光増幅中継伝送システ
ムの実施形態を示す。図において、光送信器41は、光
源81と、送信データにより光源81から出力されるC
W光の強度を変調する光変調器82とにより構成され
る。光送信器41から出力された信号光は、光ファイバ
伝送路42を介して光増幅中継器43に伝送される。こ
こで、光ファイバ伝送路42は、信号光の伝送に用いら
れるだけでなく、図7に示す光位相偏移手段21として
用い、光増幅中継器43を位相感応光増幅手段22とし
て用いることにより、S/Nを改善する光増幅器の縦続
接続とみなすことができる。そして、最終的に光受信器
44まで伝送される。
【0056】なお、図では位相感応光増幅手段22とし
て、光増幅器の第1の実施形態(図22)のものを示す
が、その他の実施形態の光増幅器を用いてもよい。ただ
し、本光増幅中継伝送システムでは、光位相偏移手段2
1としての光ファイバ伝送路42を通過した信号光が位
相感応光増幅手段22としての光増幅中継器43に入力
されるので、狭帯域の位相同期回路を用いて平均値で位
相同期をとる構成とする。
【0057】
【実施例】光増幅器の第1および第2の実施形態におい
て、入力信号光波長は光伝送に有利な1.55μmとする。
NOLM63には、有効コア断面積S=50〔μm2 〕,
非線形光学定数n2 = 2.67×10-20〔m2/W〕の分散
シフト単一モード光ファイバを用い、長さL=2〔k
m〕とする。励起光強度を2〔W〕とすると、20dB程度
の光利得が得られる。また、信号光の位相雑音に励起光
位相が追随できるように、 100MHz程度の帯域をもつ位
相同期回路を用いる。フォトダイオード、光ファイバの
熱変動による光路長の微小な変動(〜数kHz)を補償で
きるように、十kHz程度の検波帯域を有するものとす
る。
【0058】光増幅器の第3の実施形態において、SH
G結晶69としてAANP結晶を用いる。短パルス光源
71から出力された短光パルスのパルス幅は、信号光の
パルス幅の1/10程度であり、プリスケール位相同期技
術を用いて出力信号光パルス列に同期してAANP結晶
に入力する。フォトダイオード、光ファイバの熱変動に
よる光路長の微小な変動(〜数kHz)を補償できるよう
に、十kHz程度の検波帯域を有するものとする。
【0059】光増幅器の第4の実施形態において、入力
信号光波長は光伝送に有利な1.55μmとする。光カー媒
質72には石英ファイバを用いる。石英ファイバの諸元
は、有効コア断面積S=50〔μm2 〕,非線形光学定数
2 =2.67×10-20 〔m2 /W〕の分散シフト単一モー
ド光ファイバを用い、長さL=6〔km〕とする。式
(6),(7) より入力信号光強度PS=150〔mW〕のときに
1.8〔rad 〕の位相偏移が得られる。励起光強度PP
4〔W〕とする。NOLM63の光ファイバには、光カ
ー媒質と同様の諸元をもつ石英ファイバを用い、相互作
用長を1〔km〕とする。
【0060】以上の構成および諸元により、入力信号光
がマークのときには出力信号光強度が4〔W〕となる。
このときの入出力特性は図28のようになる。なお、式
(9)におけるバイアス位相φb を0.45π〔rad 〕とし
た。この結果、十分なS/Nの回復が得られることがわ
かる。光増幅器の第5の実施形態において、入力信号光
波長および光カー媒質72の諸元は第4の実施形態のも
のと同様とする。励起光強度PP =6〔W〕とし、その
内の2〔W〕をNOLM63−1に入力し、4〔W〕を
NOLM23−2に入力する。励起光位相の制御系の応
答速度は、熱膨張によるNOLMの長さの変化に十分に
追随でき、かつ最大で数MHzの線幅を有する信号光の位
相変化に追随できるようにする。NOLM63−1の光
ファイバとして2〔km〕の石英ファイバを用いる。
【0061】NOLM63−1に入力する信号光ピーク
強度を 1.5〔mW〕とすると、20〔dB〕の利得が得られ
る。その結果、NOLM63−1で増幅された信号光の
ピーク強度は 150〔mW〕となる。NOLM63−1の
出力信号光の位相は励起光位相と同期しており、入力信
号光の位相雑音が強度雑音に変換されている。このとき
の入出力特性は、図29のようになる。図中には、入力
信号光の位相偏移φd=0.2, 0, -0.2に対する出力信号
光強度の変化についても示されている。このように、微
小な位相雑音が入力信号光に付加されていても、マーク
時の出力信号光強度に大きな変化は見られない。マーク
時利得は30〔dB〕であり、十分なSN比の回復が得られ
ることがわかる。
【0062】光増幅中継伝送システムの実施形態におい
て、光送信器41の光源81は、発振線幅1MHz、波長
1.55μmのCW光を出力する。光位相偏移手段21とし
て機能する光ファイバ伝送路42は、実効断面積S=50
×10-8〔cm2 〕,非線形光学定数n2 = 3.3×10-16
〔cm2/W〕の零分散シフトファイバを用いる。この
非線形係数γは2.6 W-1km-1、損失は 0.2dB/kmで
ある。ファイバ損失は、100kmの間隔に配置された位
相感応光増幅器を用いた光増幅中継器43で補償され
る。この光増幅中継器43における入力信号光のマーク
時の利得を20dBに設定し、励起光との位相同期を実現す
ると、図28に示す閾値特性を有する入出力特性が得ら
れる。ここで用いられる光位相同期回路の帯域幅は、従
来の光ホモダイン検波の理論と実験より10MHz程度で十
分である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光増幅器
は、入力信号光を電気信号に変換することなく、入力信
号光の波形整形と強度雑音を抑圧することができる。し
たがって、本発明の光増幅器を光増幅中継伝送システム
に導入することにより、光信号のままで連続的に長距離
光伝送を行うことができる。また、光信号のままで信号
再生を行うことができるので、大容量伝送にも適用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の光増幅器の第1の基本構成を示すブ
ロック図。
【図2】請求項1の光増幅器の第2の基本構成を示すブ
ロック図。
【図3】請求項2の光増幅器の第1の基本構成を示すブ
ロック図。
【図4】請求項2の光増幅器の第2の基本構成を示すブ
ロック図。
【図5】位相感応光増幅器の利得特性を示す図。
【図6】位相感応光増幅器の波形整形原理を示す図。
【図7】請求項3の光増幅器の基本構成および動作原理
を示す図。
【図8】請求項3の光増幅器の理想的な入出力特性を示
す図。
【図9】位相感応光増幅部12の構成例を示す図。
【図10】位相感応光増幅部の入出力特性を示す図。
【図11】本発明の光増幅器の入出力特性を示す図。
【図12】位相感応光増幅部12の他の構成例を示す
図。
【図13】請求項4の光増幅器の基本構成および動作原
理を示す図。
【図14】第1の位相感応光増幅手段22−1の動作原
理を示す図。
【図15】本発明の光増幅中継伝送システムの基本構成
を示す図。
【図16】光ファイバ伝送路における信号光の位相回転
量を示す図。
【図17】光増幅中継伝送システムの入出力特性を示す
図。
【図18】従来の光増幅中継伝送システムの構成を示す
図。
【図19】光増幅中継器53の利得を示す図。
【図20】光増幅中継器の段数と符号誤り率の関係を示
す図。
【図21】本発明における光増幅中継器の入出力特性を
示す図。
【図22】本発明の光増幅器の第1の実施形態を示す
図。
【図23】本発明の光増幅器の第2の実施形態を示す
図。
【図24】本発明の光増幅器の第3の実施形態を示す
図。
【図25】本発明の光増幅器の第4の実施形態を示す
図。
【図26】本発明の光増幅器の第5の実施形態を示す
図。
【図27】本発明の光増幅中継伝送システムの実施形態
を示す図。
【図28】第4の実施形態の入出力特性を示す図。
【図29】第5の実施形態の入出力特性を示す図。
【符号の説明】
12 位相感応光増幅部 13 励起光源 14 励起光位相制御部 15 光分岐部 16 信号光瞬時強度検出部 21 光位相偏移手段 22 位相感応光増幅手段 31 光カプラ 32 光ファイバ 33 光サーキュレータ 34 ビームスプリッタ 35 光カー媒質 36 ダイクロックミラー 37 縮退パラメトリック結晶 41,51 光送信器 42,52 光ファイバ伝送路 43,53 光増幅中継器 44,54 光受信器 61 光カプラ 62 光サーキュレータ 63 光ファイバ型非線形ループミラー(NOLM) 64 励起レーザ光源 65 光路長調整器 66 フォトダイオード 67 制御回路 68 光位相変調器 69 SHG結晶 70 タイミング抽出回路 71 短パルス光源 72 光カー媒質

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号光のうち励起光と同位相成分を
    増幅し、直交位相成分を減衰させる位相感応光増幅手段
    を有する光増幅器において、 前記入力信号光位相に応じて前記励起光位相を制御し、
    さらに前記位相感応光増幅手段の出力信号光の平均光強
    度が最大になるように前記励起光位相を制御し、前記励
    起光位相と前記入力信号光位相を同期させる手段を備え
    たことを特徴とする光増幅器。
  2. 【請求項2】 入力信号光のうち励起光と同位相成分を
    増幅し、直交位相成分を減衰させる位相感応光増幅手段
    を有する光増幅器において、 前記入力信号光位相に応じて前記励起光位相を制御し、
    さらに前記位相感応光増幅手段の出力信号光の平均ピー
    ク強度が最大になるように前記励起光位相を制御し、前
    記励起光位相と前記入力信号光位相を同期させる手段を
    備えたことを特徴とする光増幅器。
  3. 【請求項3】 強度変調された信号光を入力し、その光
    強度に比例して光位相偏移した信号光を出力する光位相
    偏移手段と、 前記光位相偏移した信号光を入力し、その光位相偏移量
    に応じて“0”または“1”の2値の光強度の信号光を
    出力する位相感応光増幅手段とを備えたことを特徴とす
    る光増幅器。
  4. 【請求項4】 強度変調された信号光を入力し、その位
    相雑音を強度雑音に変換して位相一定の信号光を出力す
    る第1の位相感応光増幅手段と、 前記位相一定の信号光を入力し、その光強度に比例して
    光位相偏移した信号光を出力する光位相偏移手段と、 前記光位相偏移した信号光を入力し、その光位相偏移量
    に応じて“0”または“1”の2値の光強度の信号光を
    出力する第2の位相感応光増幅手段とを備えたことを特
    徴とする光増幅器。
  5. 【請求項5】 光位相偏移手段は、光カー媒質を用いた
    構成であることを特徴とする請求項3または請求項4に
    記載の光増幅器。
  6. 【請求項6】 位相感応光増幅手段は、光ファイバ型非
    線形ループミラーまたは光カー媒質を含むマッハツェン
    ダ干渉計を用いた構成であることを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載の光増幅器。
  7. 【請求項7】 位相感応光増幅手段は、縮退パラメトリ
    ック媒質を用いた構成であることを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載の光増幅器。
  8. 【請求項8】 マーク時の平均光強度がP0 〔W〕であ
    る強度変調された信号光を送出する光送信器と、 非線形係数がγ〔W-1km-1〕、損失がα〔km-1〕、
    1区間長がL〔km〕である光ファイバ伝送路と、 前記光ファイバ伝送路の光損失により減衰した信号光を
    直接増幅して次段の光ファイバ伝送路に送出する光増幅
    中継器と、 前記光ファイバ伝送路および前記光増幅中継器を介して
    伝送された信号光を受信して復調する光受信器とを備え
    た光増幅中継伝送システムにおいて、 前記光送信器および前記光ファイバ伝送路の各パラメー
    タが π/4<{1−exp(αL)}P0γL/α<π (ラジア
    ン) の関係に設定され、 前記光増幅中継器は、請求項1または請求項2に記載の
    位相感応光増幅手段を用いた構成であることを特徴とす
    る光増幅中継伝送システム。
  9. 【請求項9】 光増幅中継器の位相感応光増幅手段は、
    光ファイバ型非線形ループミラーまたは光カー媒質を含
    むマッハツェンダ干渉計を用いた構成であることを特徴
    とする請求項8に記載の光増幅中継伝送システム。
  10. 【請求項10】 光増幅中継器の位相感応光増幅手段
    は、縮退パラメトリック媒質を用いた構成であることを
    特徴とする請求項8に記載の光増幅中継伝送システム。
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