JP3766462B2 - ソリトンに対して同期変調を行うことによってソリトン光信号を再生するためのインライン再生装置 - Google Patents
ソリトンに対して同期変調を行うことによってソリトン光信号を再生するためのインライン再生装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ遠隔通信に関するものであり、更に詳しく言えば、長距離通信に関するものである。非常に長い距離の光ファイバ・リンクには、「ソリトン」型信号を使用することが知られている。そのような信号は、大きな色分散なしに分散性ファイバに沿って伝播することを可能にする特殊なスペクトル特性、すなわち、色分散を打ち消すために屈折率の信号強度に対する依存性を用い、あるいはその逆を行う。信号のスペクトル形状は、伝播距離の影響にもかかわらず保持される。したがって、その影響は主として線路損から構成される。そのような線路損はインライン光増幅によって、たとえば、エルビウムでドープしたファイバ増幅器(EDFA)を用いて補償できる。
【0002】
【従来の技術】
インライン増幅(EDFA)によるソリトン伝送では、下記のような既知の問題が解決されていない。
【0003】
1)Gordon−Hausジッタにより、信号のビットの到達のタイミングが不確実になる。
【0004】
2)光増幅器における増幅される自然放出から来るノイズが累積される。
【0005】
これらの問題に対する種々の解決策が提案されており、次の文献に記載されている。それらの文献を従来技術の記載として本明細書に明示的に組み込む。
【0006】
1)非線形増幅ループ・ミラー(NALM)による自己濾波。文献D1:M.Matsutomo他「Suppression of noise accumulation in bandwidth−limited soliton transmission by means of non−linear loop mirrors」、Optics.Letters 19巻、3号、183〜185ページ、1994年2月1日。この文献の教示するものは、ソリトン信号の線路損が、増幅手段を含むファイバ・ループにおいて行われる増幅によって緩和され、NALM装置は非線形利得と高いビット速度を持つ増幅器部品として働くことである。増幅装置はソリトンを選択的に増幅し、ソリトンのスペクトル領域の外で累積されたノイズ、とくに増幅された自然放出からのノイズ(ASE)はより小さく増幅される。
【0007】
2)案内・スライディング濾波。文献D2:L.F.Mollenauer他、(1992年)「The sliding−frequency guiding filter:an improved form of soliton jitter control」、Optics.Letters 17巻、22号、1575〜1577ページ、1992年11月15日。この方法は能動部品のみを用いているが、ASEからのノイズが距離とともに指数的に増大するために、最大距離が制限される。ノイズがそのように増大する理由は、案内フィルタによる周期的濾波が増大した線路損を生じ、それを各光増幅段において増加した利得によって補償しなければならないからである。フィルタのスペクトル窓におけるノイズもその後で各増幅段で増幅されるが、そのノイズは誘導フィルタによっては決して除去されない。そうすると、各増幅器で増倍されたノイズの振幅はかなりの割合に達し、伝送距離と共に指数的に増大する。
【0008】
3)濾波を伴う同期変調。文献D3:H.KubotaおよびM.Nakazawa、(1993年)「Soliton transmission control in time and frequency domains」、IEEE J. Quantum Electronics 29巻、7号2189〜2197ページ、1993年7月はその方法の理論的な利点を示すために計算を用いている(図8参照)。実際的な解決法は推奨されていないが、文献D4:Nakazawa他(1991年)「Experimental demonstration of soliton data transmission over unlimited distance with soliton control in time and frequency domains」、Electronics Letters 29巻、9号、729〜730ページ、1993年4月29日における100万キロメートルにおよぶ10Gbit/sでの実験を参照されたい。
【0009】
文献D4は、図2に線図で示すように、ソリトンを同期変調するためにLiNO3で製作された光変調器を用いることを教示している。その解決策の問題は、再生すべき信号のビット速度が20〜30Gbit/sの範囲を超えることができないことである(文献D4では10Gbit/s)。LiNO3光変調器は、インライン・ソリトン信号に基づいてクロック回路で発生された電子制御信号によって制御される。クロック回復手段は、入口F1と出口F2の間を伝播する光信号の一部を抽出するための光結合器C3と、クロック抽出回路CLKXと、遅延を与える遅延線DELと、LiNO3光変調器MODを動作させるのに必要な制御電力を供給するための増幅器GMとを備える。図2は、再生回路の挿入損失を小さくするための入力光増幅器((EDFA)と、複屈折偏光制御器(PC)と、ソリトンからのエネルギーのスペクトル分布を狭くするための帯域光フィルタBPとを更に示す。それらの部品のあるものは、後で説明する本発明の好適な実施例でも使用する。
【0010】
クロックにはわかっている所定の瞬間に光パルスが存在することを表す「1」ビットと、光パルスがないことを表す「0」ビットから構成されるビット・ストリームの形で光信号を再生する再生装置も知られている。文書D5:J.K.LucekおよびK.Smith、(1993年)「All−0ptical signal regenerator」、Optics.Letters 18巻、15号、1226〜1228ページ、1993年8月1日。この文献D5に記載されているシステムを図3に示し、それについて以下に説明する。
【0011】
本発明を一層良く理解するためには他の文献が有用である。それらの文献を簡単に引用し、それらの文献がこの目的のためにどのように有用であるかについて説明する。それらの文献も、従来技術の記述として、本出願に明示的に組み込む。
【0012】
文献D6:N.Finlayson他、(1992年)「Switch inversion and polarization sensitivityof the nonlinear optical loop mirror(NOLM)」、Optics.Letters 17巻、2号、112〜114ページ、1992年1月15日。この文献は、線形状態で動作する際に切り替えられ光信号の偏光に対して感度を持たない、または感度があまり高くないスイッチとしてNOLMを構成できること、およびループの複屈折が、モード・ロックされたリング・レーザで観察される不安定さに寄与する可能性があることを教示している。
【0013】
文献D7:K.Uchiyama他、(1992年)「Ultrafast polarisation−independent all−opticalswitching using a polarization diversity scheme in the nonlinear optical loop mirror(NOLM)」、Electronics Letters 28巻、20号、1864〜1866ページ、1992年9月24日。この文献は、切り替えられ信号からの光の偏光に対して感度がなくなったスイッチとしてNOLMを使用することを教示している。これは、NOLMの中間点で切断されて、90°回転された偏光維持ファイバを用いて達成される。この原理を図5に示す。
【0014】
たとえば、NOLMのループは、2個の孔を持つPANDA偏光維持ファイバによって構成される。伝播の中間段階で軸線A1とA2の間で偏光維持ファイバを90°回転することによって、図5に示すようにループの左側部分の高速軸線がループの右側部分の低速軸線になり、左側部分の低速軸線がループの右側部分の高速軸線になる。ループ(L)のファイバは偏光分散性である、すなわちファイバ内部で光が伝播する速さが、高速軸線に整列している偏光と、高速伝播軸線に垂直な偏光とで異なる。偏光の分散を克服することが必要である。これは、2本の同じ長さのファイバを用いて、偏光維持ファイバの軸線A1とA2を相互に直角に配置し、それにより、偏光分散を打ち消すことによって達成される。
【0015】
システムを、切り替えられる信号の偏光から独立にするために、制御入力ファイバF3上の結合器C2によってループLに挿入される制御信号の偏光が、2本の直交する軸線A1とA2に対して45°で注入される。上記と同様にして、偏光分散の効果を打ち消すことができる。
【0016】
文書D8:L.E.Adams他、(1994年)「All−opticalclock recovery using a mode−locked figure−eight laser with a semiconductor nonlinearity」、Electronics Letters 30巻、20号、1696〜1697ページ、1994年9月29日。この文献は、全光学式クロック回復を行うためにモードロック・レーザを使用することを教示している。全光学式クロック回復は本発明の装置で使用でき、それについては後で図7を参照して説明する。
【0017】
文献D9:D.Sandel他、(1994年)「Polarization−independent regenerator with nonlinear optoelectronic phase−locked loop」、光ファイバ国際会議報文集1994年、FG2ページ。この文献は、主入力部に3×3結合器を有するNOLMの使用を記述している。本発明の一実施例では、この文献に教示されるような3×3結合器を用いてある位相関係を得る。2×2結合器を用いる代わりに、このような3×3結合器を用いることによって、NOLMのループ内で非対称な位相シフトが行われる。互いに逆向きに伝わる信号から見て、平均ポンピング・パワー(またはループがクロック信号で満たされるレベル)の結果としての消光比の低下は、種々のパラメータを適切に選択した場合、位相シフトによって解消できる。
【0018】
文献D5に開示され、図3に示すシステムは、非線形光ループ・ミラー(NOLM)を用いて、再生すべき信号のビットの流れによって第1の波長λh=1.56μmのクロック信号を変調する。その信号は第2の波長λs=1.54μmである。そうすると、その結果変調されたクロック信号は再生された信号を構成する。その再生された信号の波長が変化している(入力信号の波長1.54μmが出力信号の1.56μmに)。
【0019】
この文献は、入力ファイバF1に挿入された信号からクロック信号が回収されること、レーザのモードロックでジッタが減少されて、信号のビットレートでクロック・パルスの流れを発生するように、リング・ファイバを持つリング・レーザRLをモード・ロックすることによってその信号が回収されることを教示している。クロック・パルスの流れは結合器C6によってリング・レーザから取り出される。その結合器からクロック・パルスの流れは光アイソレータIと、NOLMの結合器C1の入力部lに加えられるまでのその伝送時間FSを機械的に調整する装置とを通る。λs=1.54μmの入力信号が、結合器C2を介して入力ファイバF3に沿ってNOLMのループLに挿入される。結合器C2に入力ソリトン信号が存在しない時に結合器C1の入力部1に存在するクロック信号に対してNOLMが完全に反射性(入力部1へ向かって反射する)となるように、複屈折偏光制御器PCが調整される。これとは対照的に、信号の「1」ビットが結合器C2を介してNOLMに挿入されると、それは切替えを行ってクロック信号を通させる。そのクロック信号は出力ファイバF2に沿い、結合器C1の入力部2を介して、タイミング・ジッタなしに、出力される。
【0020】
したがって、NOLMは再生すべき信号のビットによって制御されるスイッチとして用いられる。そのスイッチは、信号のビットが「1」の時に「オン」(NOLMはクロック信号に対して透明である)に切り替え、信号のビットが「0」の時に「オフ」(NOLMはクロック信号に対して反射性である)に切り替える。
【0021】
再生すべき信号がジッタに影響されないように、NOLMを切り替えるコマンドを構成する信号のそのビットの時間窓は、クロック信号に対して広くされる(文献D5の1227ページの最後の節の左側の欄を参照されたい)。これは、使用している2つの波長の間の色分散のために、結合器C2によって挿入された信号と共伝播方向(図では時計回り)のクロック信号との間の相対的な「引き離し(walk−off)」を用いて行われる。
【0022】
LucekおよびSmithによって提案されたシステムは、下記の理由からソリトンの再生には不適当である。
【0023】
1)大きな欠点は信号の波長が変化することである。
【0024】
2)NOLMはソリトン信号の偏光に依存し、NOLMのコマンド切替えのために供給されるソリトン信号の偏光が決定されないために、LucekおよびSmithのシステムの実際の実施に関して問題が残る(文献D5)。
【0025】
信号の「1」ビットが存在しない時にクロック信号をポート1へ向かって反射するように、偏光制御器(文献D5の図1の参照符号PC)が調整される(D5、p.1227、左欄、最終パラグラフ参照)。しかし、この調整は環境パラメータ(温度、振動等)に依存するから、この調整は監視する必要がある。
【0026】
そのような装置の信頼度は実際には、それらの問題と対比して十分というにはほど遠い。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の諸問題を軽減させることである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、再生すべき信号のビットからクロック速度を取り出すことを可能にするクロック信号回復手段と、
ソリトンの振幅を前記クロック信号によって変調することを可能にする変調手段とを備え、
前記変調手段が非線形光ループ・ミラー(NOLM)によって構成される、ソリトンに対して同期変調を行うことによってソリトン光信号を再生するためのインライン再生装置を提供するものである。
【0029】
変更例では、前記装置は前記ソリトンを通過させながら、前記クロック信号の波長を阻止するための第1のフィルタを更に含む。好適な変更例では、前記クロック回復手段が、光−電トランスデューサ手段または電−光トランスデューサ手段を持たない全光学式手段である。別の変更例では、前記クロック回復手段が、光−電トランスデューサ手段および電−光トランスデューサ手段ならびに電子的増幅手段および電子的濾波手段と電子信号を整形するための整形手段とを備えるオプトエレクトロニクス手段である。
【0030】
特定の実施例では、前記NOLMが入力−出力信号を前記NOLMのループへ向かって結合させるための50/50結合器を含む。
【0031】
有利な実施例では、前記NOLMによって加えられる振幅変調と周波数変調の相対的な大きさが調整できるように、前記結合器の結合係数が非対称的であるように選択される。特定の実施例では、前記検出器は3×3結合器、すなわち6個のポートを有する結合器である。とくに有利な実施例では、クロック信号はほぼ正弦波である。
【0032】
ある特徴によれば、本発明の装置は、ソリトンからのエネルギーの線路損を補償する少なくとも1つの第1光増幅器を更に含む。別の特徴によれば、本発明の装置は、前記少なくとも1つの光増幅器によって伝えられるスペクトル・ノイズを濾波によって除去でき、かつソリトンの時間幅を増大させながらソリトンのスペクトル幅を狭くできる少なくとも1つの「案内する」第2フィルタを更に含む。別の有利な特徴によれば、本発明の装置は、ソリトンが前記案内フィルタを通過する時にソリトンからのエネルギー損失を補償できる少なくとも1つの第2光フィルタを更に含む。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の装置で使用するために適当な従来の非線形光ループ・ミラー(NOLM)の例を示す。一般に、NOLMはファイバ・ループLと、第1の光結合器C1と、制御信号を制御光ファイバF3を介してNOLMに注入するための第2の光結合器C2とを備える。第1の光結合器C1は4つのポート1、2、3、4を有し、その光結合器C1の結合係数は種々のポートの間の光パワーの分担を示す。
【0034】
製作された組立体に正の利得を持たせて、その組立体を文献D1に記載されている非線形増幅ループ・ミラー(NALM)を製作するように、光増幅器GLをループに付加しても良い。
【0035】
NOLMによって切り替える光信号が入力ファイバF1によって結合器C1のポート1に挿入される。まず、ファイバF3に制御信号が存在しない時に、結合器C1の結合係数50/50を持つ場合について説明する。この場合には、前記光信号のパワーの50%がポート4に存在し、他の50%が結合器C1のポート3に存在するが、2つのパワーの間にはπ/2(90°)の相対的な位相差が存在する。したがって、それら2つの信号は、長さが約5kmから10kmのファイバ・ループに沿って逆向きに伝わる。2つの信号の光路長は同一であるので、信号は結合器C1のポート3と4にそれぞれ到達し、それらのポートで相互に干渉する。
【0036】
2つの信号は位相がπ/2異なるので、波が結合器C1のポート2へ向かう場合は弱め合う干渉が起こる。したがって、信号は出力ファイバF2には伝わらない。これとは対照的に、結合器C1のポート1へ向かう波では相互に強め合う干渉が起こる。したがって、ポート1に供給される信号はNOLMによって、この場合にはポート1へ向かって全反射される。
【0037】
制御信号が制御光ファイバF3に存在する場合について以下に説明する。この信号は光結合器C2によってNOLMのループに結合され、ループに沿って時計回りに伝わる。ループに沿って互いに逆向きに伝わる信号波は、制御信号の存在によって全くまたはほとんど影響を受けない。しかし、ループに沿って同じ向きに伝わる信号波は乱される。ループLのファイバは非線形効果を示す。この非線形効果はファイバの屈折率を光のパワーの関数として、またはより正確にいえば、ファイバ内部の電界の振幅の関数として変化させる。一緒に進む波を「共伝播する」波と呼ぶが、その電界は相互に線形的に重なり合う。その結果生ずる電界の強さは、ループLに沿って他の向きに伝わる波の電界の強さより大きくなる。
【0038】
共伝播する波から見たループLの実効屈折率は、逆向きに伝わる波から見たそれとは異なる。したがって、それらの波の伝播する速さは異なる。それらの波の結合器C1への到達時刻は異なり、したがって、相互に干渉せず、または相互にあまり強くは干渉しない。光パワーの全てまたはほとんど全てが結合器C1のポート2に存在し、出力光ファイバF2に沿って運ばれる。
【0039】
このように、制御ファイバF3に制御信号が存在すると非線形光ループ・ミラーを切り替えることができ、したがって、制御信号が存在する時はその制御ファイバは透明であり、制御信号が存在しない時はその制御ファイバは反射する。切替えは非常に速くできる、すなわち、最低100GHz程度にできる。NOLMのループに複屈折素子を挿入することによって、制御信号が存在しない時はミラーを透明にし、制御信号が存在する時にそのミラーを反射性にするように、切替え特性を逆にすることが可能である。これは、装置が非線形状態で動作している時に、信号の偏光に対する感度の問題を取り扱っている文献D6の導入部の記述と関連する。
【0040】
上記NOLMは、文献D5に開示されているNOLMによってクロック信号を切り替えることによってソリトンを再生するための従来の装置を線図で示す図3(既に説明した)に示した装置で使用するNOLMに従う。
【0041】
図2と図3に示す従来技術の諸欠点を小さくするために、本発明は、図4に線図的に示すNOLMによってソリトンを同期変調することによりソリトン型光信号を再生するインライン再生装置を提供する。従来技術ではNOLMは第1の光スイッチとして主に用いられているが、本発明はそれを振幅変調器として用いることを提案する。
【0042】
図4に示す装置では、再生すべきソリトン型光信号が入力光ファイバF1を通って到達する。光ファイバではタップ用光結合器C3が光信号の一部を取り出して、その光信号からクロック回復手段CLKによってクロック信号を取り出すようにする。その後でクロック回復手段CLKは光クロック信号を結合器C2を介してNOLMの制御入力端子に加える。ソリトン信号は常に同じ波長λs である。ソリトンの波長λs を通過帯域の中心波長とする帯域フィルタBPCによって、クロック信号を装置の出力端子で除去できるように、クロック信号の波長λhをソリトン信号の波長λs と僅かに異ならせることがことが好ましい。
【0043】
タップ用結合器C3の下流側で、ソリトン信号はNOLMの結合器C1の入力ポート1に到達するまで入力光ファイバF1に沿って伝播する。本発明の変更例においては、ソリトン信号が増幅され、または再生された時以来ソリトンが受けた線路損を保障するように、光増幅器GSをNOLMの上流側に置くことができる。
【0044】
NOLMの動作は図1を参照して先に説明した動作に類似する。したがって、NOLMの結合器C1のポート1に到達するソリトンは、制御結合器C2を通じて制御入力ファイバF3に加えられるクロック信号によって変調される。クロック信号とソリトン信号がNOLMに沿って流れる時にそれらの信号を同期できるように、クロック信号の伝播経路に沿う伝播時間と、ソリトンの伝播経路に沿う伝播時間とを、図3に示す装置の場合と同様に調整しなければならない。
【0045】
したがって、ソリトン信号はクロック信号の包絡線によって変調され、それによってソリトンの振幅変調を可能にする。振幅変調は、再生装置の出力端子におけるGordon−Hausジッタを減少するか、無くすためには不十分である。
【0046】
図5(既に説明した)に示すように、本発明のNOLMを実現するために偏光維持ファイバを使用することが好ましい。光クロック信号は、ループ・ファイバL内部の偏光維持軸線A1、A2に対して45°の角度で偏光軸線が配置されている結合器C2を介してNOLMに注入される。したがって、この装置の動作は、変調すべきソリトン信号の偏光に依存しない。これは従来の装置、特に図3に示す装置と比べて大きな利点である。図3に示す装置では、ソリトン信号はNOLMの制御信号を構成する。そのソリトン信号は任意の、未知であり、制御できない偏光を有する。したがって、その信号の偏光に対するNOLMの感度は、その従来の装置の性能レベルに悪影響を及ぼすことがある。
【0047】
クロック回復手段CLKは全光学式手段(図7参照)、またはオプトエレクトロニック手段(図6参照)とすることができる。
【0048】
図6は光信号用のオプトエレクトロニック・クロック回復装置の例を線図で示す。この装置は当業者に知られている原理を用いる。図4に示すタップ付き結合器C3によって取り出された光信号は、光検出器PDに到達するまで、光ファイバF4に沿って伝播する。その光検出器はその光信号を電子信号に変換する。その結果の電子信号はマイクロ波電子増幅器AE1によって最初に増幅される。その後で、その信号が非零復帰(NRZ)信号である場合には、その信号は第1の帯域フィルタB/2によって濾波される。図6に示す例では、NRZ信号に対しては、濾波された信号の周波数がその後で周波数逓倍器X2によって増倍されてから、第2のフィルタBによって更に帯域濾波される。信号がソリトン信号であると、フィルタBは第1のフィルタを構成する。その後で、結合器C3において取り出された光信号から形成された電子パルスの繰り返し率で光信号を放出するダイオード・レーザLDを制御するように、その信号は増幅される。光信号は、制御ファイバF3と、図4に示す結合器C2を介してNOLMの制御入力に加えられる前に、必要に応じて、光増幅器AO1によって増幅できる。
【0049】
図7は光信号からクロック信号を回復するための全光学式クロック回復装置の例を示す。この装置はリング−ファイバ・レーザをモードロッキングする既知の原理を用いる。図4に示すタップ付き結合器C3によって取り出された光信号は、結合器C7を介して光ファイバF4が結合されているファイバ・ループRに到達するまで、光ファイバF4に沿って伝播する。そのファイバ・ループRと、ここで説明している種々の光学部品は、図3を参照して上で説明したリング・レーザ(参照符号RL)、またはL.E.Adams他により文献D8に記載されているようにリング・レーザを構成する。そのリング・レーザは光増幅手段AOLと、一方向動作のための光アイソレータIと、レーザ光の波長を中心波長とする濾波手段FLと、非線形光結合手段CONLとを含む。その非線形光結合手段は、振幅の非または位相あるいはその両方の非線形性を、ファイバRを進む光の電界の振幅の関数として得ることを可能にする。たとえば、非線形光結合手段CONLは、先に参照した図を参照して説明したNOLM、または文献D8に記載されているNOLMとすることができる。
【0050】
リング・レーザは、結合器C7を介して注入されるソリトン信号が存在しない時は、連続動作(CW)できる。しかし、ビットの流れが結合器C7を介して注入されると、互いに逆向きに伝播する成分の間に非対称的な位相シフトが直ちに行われ、NOLMの伝送度が高くされ、リング・レーザは信号のビットの率でモードロックされる。その後で、タイミング・ジッタがほとんどなしにクロック信号を与えるように、パルスを光結合器C8を介して取り出すことができる。同期変調のためにその信号を容易に使用できるようにするために、図7は、第2の光増幅器AOHと、リング・レーザによって出力されたパルスに所望の形(振幅、持続時間、パルスの立上がり形、立ち下がり形等)を持たせるための圧縮手段と伸長手段の少なくとも一方とを示す。元のパルスは比較的狭いので、それらのパルスを使用する前に拡げることが望ましい。このようにして、光ファイバF3を介して供給されるクロック信号は希望の用途に対して最適にされる。
【0051】
図8は、本発明の再生装置(C3、CLK、2C、C1およびNOLM)と、複数のライン光増幅器(G1、G2、G3等)と、複数の誘導フィルタ(BP1、BP2、BP3等)とを備える本発明のソリトン信号伝送装置を示す。誘導フィルタはソリトンのスペクトル幅を構成するが、その際に、それらのフィルタはソリトンからエネルギーを除去する。これが、光ファイバ(LF1、LF2等)において増幅器(G1、G2、G3等)の間でソリトンがこうむる線路損より、インライン増幅器の利得を高くしなければならない理由である。ソリトンのスペクトル幅を狭くすることによって、文献D2に記載されているように、タイミング・ジッタも誘導フィルタによって減少される。
【0052】
図9は、主入力端子に3×3光結合器C11を有する従来の非線形光ループ・ミラー(NOLM)の例を線図で示す。このNOLMは本発明の装置で使用するのに適当である。2×2結合器の代わりに3×3結合器を用いることによって、NOLMのループに非対称位相シフトが伝えられる。平均ポンピング・パワー(またはループがクロック信号で満たされるレベル)の結果として、逆向きに伝播する信号が見る消光比の低下を、種々のパラメータを適切に選択するものとすると、位相シフトによって無くすことができる。
【0053】
3×3結合器は6つのポートを有する。それらのポートには3つの入力ポートP1、P2、P3が含まれる。ここで重要なことは、種々のポートの間の位相関係である。2×2結合器では、直接経路(1、3)と交差経路(1、4)の間にπ/2の位相シフトが存在する。3×3結合器の場合、隣接ポート間に±π/3の位相シフトが存在する。入力ポート/出力ポートを適切に選択することによって、NOLMのループで非対称位相シフトが与えられるように、位相シフトの符号を選択することが可能である。平均ポンピング・パワー(またはループがクロック信号で満たされるレベル)の結果として、逆向きに伝播する信号から見た消光比の低下を位相シフトによって無くすことができる。
【0054】
たとえば、ソリトン信号を結合器C11のポートP1を介して光ファイバF11に注入できる。ポートP2に接続されたファイバF12は、接続されない(干渉反射を回避するために単に終端されるだけである)。光ファイバF11は3×3結合器C11の内部の他の2つの光ファイバF12とF13に結合される。NOLMは上記の例のように動作する。逆向きに伝播する波の位相シフトの影響を、π/3位相シフトによって与えられる非対称の定数で打ち消すことができる。
【0055】
上記の場合と同様に、同期変調によって再生されたソリトン信号は、クロック信号が光結合器C2を介して光ファイバF3上でNOLMに加えられた時、結合器C11のポートP3を介してファイバF13に加えられる。
【0056】
以上、クロック信号を回復し、それをNOLMの制御された入力に加え、インライン・ソリトン再生装置の実現で遭遇することがある少数の小さい問題を解決するために、ある従来の装置を用いて、少数の実施例のみについて本発明の装置を説明した。もちろん、本発明の実施例のリストは網羅的なものではなく、当業者であれば、本発明の装置を必要に応じて目的に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置に使用するのに適した従来の非線形光ループ・ミラー(NOLM)の例を示す図である。
【図2】文献D4に示す、ソリトンを同期変調するための従来の装置を示す図である。
【図3】NOLMによってクロック信号を切り替えることによってソリトンを再生するための、文献D5に示されている、従来の装置を示す図である。
【図4】文献に示す、ソリトンを同期変調するための本発明の装置の実施例を示す図である。
【図5】切り替える信号の偏光に影響されない、別の文献D7に示されている従来のNOLMスイッチを示す図である。
【図6】光信号からクロック信号を回復するためのオプトエレクトロニック・クロック回復装置の例を示す図である。
【図7】光信号用の全光学式クロック回復装置の例を示す図である。
【図8】本発明の再生装置を複数のライン光増幅器および複数の誘導フィルタと共に備える本発明のソリトン信号伝送システムを示す図である。
【図9】主入力端子に3×3光結合器を有する、本発明の装置に使用するのに適した従来の非線形光ループミラー(NOLM)の例を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ遠隔通信に関するものであり、更に詳しく言えば、長距離通信に関するものである。非常に長い距離の光ファイバ・リンクには、「ソリトン」型信号を使用することが知られている。そのような信号は、大きな色分散なしに分散性ファイバに沿って伝播することを可能にする特殊なスペクトル特性、すなわち、色分散を打ち消すために屈折率の信号強度に対する依存性を用い、あるいはその逆を行う。信号のスペクトル形状は、伝播距離の影響にもかかわらず保持される。したがって、その影響は主として線路損から構成される。そのような線路損はインライン光増幅によって、たとえば、エルビウムでドープしたファイバ増幅器(EDFA)を用いて補償できる。
【0002】
【従来の技術】
インライン増幅(EDFA)によるソリトン伝送では、下記のような既知の問題が解決されていない。
【0003】
1)Gordon−Hausジッタにより、信号のビットの到達のタイミングが不確実になる。
【0004】
2)光増幅器における増幅される自然放出から来るノイズが累積される。
【0005】
これらの問題に対する種々の解決策が提案されており、次の文献に記載されている。それらの文献を従来技術の記載として本明細書に明示的に組み込む。
【0006】
1)非線形増幅ループ・ミラー(NALM)による自己濾波。文献D1:M.Matsutomo他「Suppression of noise accumulation in bandwidth−limited soliton transmission by means of non−linear loop mirrors」、Optics.Letters 19巻、3号、183〜185ページ、1994年2月1日。この文献の教示するものは、ソリトン信号の線路損が、増幅手段を含むファイバ・ループにおいて行われる増幅によって緩和され、NALM装置は非線形利得と高いビット速度を持つ増幅器部品として働くことである。増幅装置はソリトンを選択的に増幅し、ソリトンのスペクトル領域の外で累積されたノイズ、とくに増幅された自然放出からのノイズ(ASE)はより小さく増幅される。
【0007】
2)案内・スライディング濾波。文献D2:L.F.Mollenauer他、(1992年)「The sliding−frequency guiding filter:an improved form of soliton jitter control」、Optics.Letters 17巻、22号、1575〜1577ページ、1992年11月15日。この方法は能動部品のみを用いているが、ASEからのノイズが距離とともに指数的に増大するために、最大距離が制限される。ノイズがそのように増大する理由は、案内フィルタによる周期的濾波が増大した線路損を生じ、それを各光増幅段において増加した利得によって補償しなければならないからである。フィルタのスペクトル窓におけるノイズもその後で各増幅段で増幅されるが、そのノイズは誘導フィルタによっては決して除去されない。そうすると、各増幅器で増倍されたノイズの振幅はかなりの割合に達し、伝送距離と共に指数的に増大する。
【0008】
3)濾波を伴う同期変調。文献D3:H.KubotaおよびM.Nakazawa、(1993年)「Soliton transmission control in time and frequency domains」、IEEE J. Quantum Electronics 29巻、7号2189〜2197ページ、1993年7月はその方法の理論的な利点を示すために計算を用いている(図8参照)。実際的な解決法は推奨されていないが、文献D4:Nakazawa他(1991年)「Experimental demonstration of soliton data transmission over unlimited distance with soliton control in time and frequency domains」、Electronics Letters 29巻、9号、729〜730ページ、1993年4月29日における100万キロメートルにおよぶ10Gbit/sでの実験を参照されたい。
【0009】
文献D4は、図2に線図で示すように、ソリトンを同期変調するためにLiNO3で製作された光変調器を用いることを教示している。その解決策の問題は、再生すべき信号のビット速度が20〜30Gbit/sの範囲を超えることができないことである(文献D4では10Gbit/s)。LiNO3光変調器は、インライン・ソリトン信号に基づいてクロック回路で発生された電子制御信号によって制御される。クロック回復手段は、入口F1と出口F2の間を伝播する光信号の一部を抽出するための光結合器C3と、クロック抽出回路CLKXと、遅延を与える遅延線DELと、LiNO3光変調器MODを動作させるのに必要な制御電力を供給するための増幅器GMとを備える。図2は、再生回路の挿入損失を小さくするための入力光増幅器((EDFA)と、複屈折偏光制御器(PC)と、ソリトンからのエネルギーのスペクトル分布を狭くするための帯域光フィルタBPとを更に示す。それらの部品のあるものは、後で説明する本発明の好適な実施例でも使用する。
【0010】
クロックにはわかっている所定の瞬間に光パルスが存在することを表す「1」ビットと、光パルスがないことを表す「0」ビットから構成されるビット・ストリームの形で光信号を再生する再生装置も知られている。文書D5:J.K.LucekおよびK.Smith、(1993年)「All−0ptical signal regenerator」、Optics.Letters 18巻、15号、1226〜1228ページ、1993年8月1日。この文献D5に記載されているシステムを図3に示し、それについて以下に説明する。
【0011】
本発明を一層良く理解するためには他の文献が有用である。それらの文献を簡単に引用し、それらの文献がこの目的のためにどのように有用であるかについて説明する。それらの文献も、従来技術の記述として、本出願に明示的に組み込む。
【0012】
文献D6:N.Finlayson他、(1992年)「Switch inversion and polarization sensitivityof the nonlinear optical loop mirror(NOLM)」、Optics.Letters 17巻、2号、112〜114ページ、1992年1月15日。この文献は、線形状態で動作する際に切り替えられ光信号の偏光に対して感度を持たない、または感度があまり高くないスイッチとしてNOLMを構成できること、およびループの複屈折が、モード・ロックされたリング・レーザで観察される不安定さに寄与する可能性があることを教示している。
【0013】
文献D7:K.Uchiyama他、(1992年)「Ultrafast polarisation−independent all−opticalswitching using a polarization diversity scheme in the nonlinear optical loop mirror(NOLM)」、Electronics Letters 28巻、20号、1864〜1866ページ、1992年9月24日。この文献は、切り替えられ信号からの光の偏光に対して感度がなくなったスイッチとしてNOLMを使用することを教示している。これは、NOLMの中間点で切断されて、90°回転された偏光維持ファイバを用いて達成される。この原理を図5に示す。
【0014】
たとえば、NOLMのループは、2個の孔を持つPANDA偏光維持ファイバによって構成される。伝播の中間段階で軸線A1とA2の間で偏光維持ファイバを90°回転することによって、図5に示すようにループの左側部分の高速軸線がループの右側部分の低速軸線になり、左側部分の低速軸線がループの右側部分の高速軸線になる。ループ(L)のファイバは偏光分散性である、すなわちファイバ内部で光が伝播する速さが、高速軸線に整列している偏光と、高速伝播軸線に垂直な偏光とで異なる。偏光の分散を克服することが必要である。これは、2本の同じ長さのファイバを用いて、偏光維持ファイバの軸線A1とA2を相互に直角に配置し、それにより、偏光分散を打ち消すことによって達成される。
【0015】
システムを、切り替えられる信号の偏光から独立にするために、制御入力ファイバF3上の結合器C2によってループLに挿入される制御信号の偏光が、2本の直交する軸線A1とA2に対して45°で注入される。上記と同様にして、偏光分散の効果を打ち消すことができる。
【0016】
文書D8:L.E.Adams他、(1994年)「All−opticalclock recovery using a mode−locked figure−eight laser with a semiconductor nonlinearity」、Electronics Letters 30巻、20号、1696〜1697ページ、1994年9月29日。この文献は、全光学式クロック回復を行うためにモードロック・レーザを使用することを教示している。全光学式クロック回復は本発明の装置で使用でき、それについては後で図7を参照して説明する。
【0017】
文献D9:D.Sandel他、(1994年)「Polarization−independent regenerator with nonlinear optoelectronic phase−locked loop」、光ファイバ国際会議報文集1994年、FG2ページ。この文献は、主入力部に3×3結合器を有するNOLMの使用を記述している。本発明の一実施例では、この文献に教示されるような3×3結合器を用いてある位相関係を得る。2×2結合器を用いる代わりに、このような3×3結合器を用いることによって、NOLMのループ内で非対称な位相シフトが行われる。互いに逆向きに伝わる信号から見て、平均ポンピング・パワー(またはループがクロック信号で満たされるレベル)の結果としての消光比の低下は、種々のパラメータを適切に選択した場合、位相シフトによって解消できる。
【0018】
文献D5に開示され、図3に示すシステムは、非線形光ループ・ミラー(NOLM)を用いて、再生すべき信号のビットの流れによって第1の波長λh=1.56μmのクロック信号を変調する。その信号は第2の波長λs=1.54μmである。そうすると、その結果変調されたクロック信号は再生された信号を構成する。その再生された信号の波長が変化している(入力信号の波長1.54μmが出力信号の1.56μmに)。
【0019】
この文献は、入力ファイバF1に挿入された信号からクロック信号が回収されること、レーザのモードロックでジッタが減少されて、信号のビットレートでクロック・パルスの流れを発生するように、リング・ファイバを持つリング・レーザRLをモード・ロックすることによってその信号が回収されることを教示している。クロック・パルスの流れは結合器C6によってリング・レーザから取り出される。その結合器からクロック・パルスの流れは光アイソレータIと、NOLMの結合器C1の入力部lに加えられるまでのその伝送時間FSを機械的に調整する装置とを通る。λs=1.54μmの入力信号が、結合器C2を介して入力ファイバF3に沿ってNOLMのループLに挿入される。結合器C2に入力ソリトン信号が存在しない時に結合器C1の入力部1に存在するクロック信号に対してNOLMが完全に反射性(入力部1へ向かって反射する)となるように、複屈折偏光制御器PCが調整される。これとは対照的に、信号の「1」ビットが結合器C2を介してNOLMに挿入されると、それは切替えを行ってクロック信号を通させる。そのクロック信号は出力ファイバF2に沿い、結合器C1の入力部2を介して、タイミング・ジッタなしに、出力される。
【0020】
したがって、NOLMは再生すべき信号のビットによって制御されるスイッチとして用いられる。そのスイッチは、信号のビットが「1」の時に「オン」(NOLMはクロック信号に対して透明である)に切り替え、信号のビットが「0」の時に「オフ」(NOLMはクロック信号に対して反射性である)に切り替える。
【0021】
再生すべき信号がジッタに影響されないように、NOLMを切り替えるコマンドを構成する信号のそのビットの時間窓は、クロック信号に対して広くされる(文献D5の1227ページの最後の節の左側の欄を参照されたい)。これは、使用している2つの波長の間の色分散のために、結合器C2によって挿入された信号と共伝播方向(図では時計回り)のクロック信号との間の相対的な「引き離し(walk−off)」を用いて行われる。
【0022】
LucekおよびSmithによって提案されたシステムは、下記の理由からソリトンの再生には不適当である。
【0023】
1)大きな欠点は信号の波長が変化することである。
【0024】
2)NOLMはソリトン信号の偏光に依存し、NOLMのコマンド切替えのために供給されるソリトン信号の偏光が決定されないために、LucekおよびSmithのシステムの実際の実施に関して問題が残る(文献D5)。
【0025】
信号の「1」ビットが存在しない時にクロック信号をポート1へ向かって反射するように、偏光制御器(文献D5の図1の参照符号PC)が調整される(D5、p.1227、左欄、最終パラグラフ参照)。しかし、この調整は環境パラメータ(温度、振動等)に依存するから、この調整は監視する必要がある。
【0026】
そのような装置の信頼度は実際には、それらの問題と対比して十分というにはほど遠い。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の諸問題を軽減させることである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明は、再生すべき信号のビットからクロック速度を取り出すことを可能にするクロック信号回復手段と、
ソリトンの振幅を前記クロック信号によって変調することを可能にする変調手段とを備え、
前記変調手段が非線形光ループ・ミラー(NOLM)によって構成される、ソリトンに対して同期変調を行うことによってソリトン光信号を再生するためのインライン再生装置を提供するものである。
【0029】
変更例では、前記装置は前記ソリトンを通過させながら、前記クロック信号の波長を阻止するための第1のフィルタを更に含む。好適な変更例では、前記クロック回復手段が、光−電トランスデューサ手段または電−光トランスデューサ手段を持たない全光学式手段である。別の変更例では、前記クロック回復手段が、光−電トランスデューサ手段および電−光トランスデューサ手段ならびに電子的増幅手段および電子的濾波手段と電子信号を整形するための整形手段とを備えるオプトエレクトロニクス手段である。
【0030】
特定の実施例では、前記NOLMが入力−出力信号を前記NOLMのループへ向かって結合させるための50/50結合器を含む。
【0031】
有利な実施例では、前記NOLMによって加えられる振幅変調と周波数変調の相対的な大きさが調整できるように、前記結合器の結合係数が非対称的であるように選択される。特定の実施例では、前記検出器は3×3結合器、すなわち6個のポートを有する結合器である。とくに有利な実施例では、クロック信号はほぼ正弦波である。
【0032】
ある特徴によれば、本発明の装置は、ソリトンからのエネルギーの線路損を補償する少なくとも1つの第1光増幅器を更に含む。別の特徴によれば、本発明の装置は、前記少なくとも1つの光増幅器によって伝えられるスペクトル・ノイズを濾波によって除去でき、かつソリトンの時間幅を増大させながらソリトンのスペクトル幅を狭くできる少なくとも1つの「案内する」第2フィルタを更に含む。別の有利な特徴によれば、本発明の装置は、ソリトンが前記案内フィルタを通過する時にソリトンからのエネルギー損失を補償できる少なくとも1つの第2光フィルタを更に含む。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の装置で使用するために適当な従来の非線形光ループ・ミラー(NOLM)の例を示す。一般に、NOLMはファイバ・ループLと、第1の光結合器C1と、制御信号を制御光ファイバF3を介してNOLMに注入するための第2の光結合器C2とを備える。第1の光結合器C1は4つのポート1、2、3、4を有し、その光結合器C1の結合係数は種々のポートの間の光パワーの分担を示す。
【0034】
製作された組立体に正の利得を持たせて、その組立体を文献D1に記載されている非線形増幅ループ・ミラー(NALM)を製作するように、光増幅器GLをループに付加しても良い。
【0035】
NOLMによって切り替える光信号が入力ファイバF1によって結合器C1のポート1に挿入される。まず、ファイバF3に制御信号が存在しない時に、結合器C1の結合係数50/50を持つ場合について説明する。この場合には、前記光信号のパワーの50%がポート4に存在し、他の50%が結合器C1のポート3に存在するが、2つのパワーの間にはπ/2(90°)の相対的な位相差が存在する。したがって、それら2つの信号は、長さが約5kmから10kmのファイバ・ループに沿って逆向きに伝わる。2つの信号の光路長は同一であるので、信号は結合器C1のポート3と4にそれぞれ到達し、それらのポートで相互に干渉する。
【0036】
2つの信号は位相がπ/2異なるので、波が結合器C1のポート2へ向かう場合は弱め合う干渉が起こる。したがって、信号は出力ファイバF2には伝わらない。これとは対照的に、結合器C1のポート1へ向かう波では相互に強め合う干渉が起こる。したがって、ポート1に供給される信号はNOLMによって、この場合にはポート1へ向かって全反射される。
【0037】
制御信号が制御光ファイバF3に存在する場合について以下に説明する。この信号は光結合器C2によってNOLMのループに結合され、ループに沿って時計回りに伝わる。ループに沿って互いに逆向きに伝わる信号波は、制御信号の存在によって全くまたはほとんど影響を受けない。しかし、ループに沿って同じ向きに伝わる信号波は乱される。ループLのファイバは非線形効果を示す。この非線形効果はファイバの屈折率を光のパワーの関数として、またはより正確にいえば、ファイバ内部の電界の振幅の関数として変化させる。一緒に進む波を「共伝播する」波と呼ぶが、その電界は相互に線形的に重なり合う。その結果生ずる電界の強さは、ループLに沿って他の向きに伝わる波の電界の強さより大きくなる。
【0038】
共伝播する波から見たループLの実効屈折率は、逆向きに伝わる波から見たそれとは異なる。したがって、それらの波の伝播する速さは異なる。それらの波の結合器C1への到達時刻は異なり、したがって、相互に干渉せず、または相互にあまり強くは干渉しない。光パワーの全てまたはほとんど全てが結合器C1のポート2に存在し、出力光ファイバF2に沿って運ばれる。
【0039】
このように、制御ファイバF3に制御信号が存在すると非線形光ループ・ミラーを切り替えることができ、したがって、制御信号が存在する時はその制御ファイバは透明であり、制御信号が存在しない時はその制御ファイバは反射する。切替えは非常に速くできる、すなわち、最低100GHz程度にできる。NOLMのループに複屈折素子を挿入することによって、制御信号が存在しない時はミラーを透明にし、制御信号が存在する時にそのミラーを反射性にするように、切替え特性を逆にすることが可能である。これは、装置が非線形状態で動作している時に、信号の偏光に対する感度の問題を取り扱っている文献D6の導入部の記述と関連する。
【0040】
上記NOLMは、文献D5に開示されているNOLMによってクロック信号を切り替えることによってソリトンを再生するための従来の装置を線図で示す図3(既に説明した)に示した装置で使用するNOLMに従う。
【0041】
図2と図3に示す従来技術の諸欠点を小さくするために、本発明は、図4に線図的に示すNOLMによってソリトンを同期変調することによりソリトン型光信号を再生するインライン再生装置を提供する。従来技術ではNOLMは第1の光スイッチとして主に用いられているが、本発明はそれを振幅変調器として用いることを提案する。
【0042】
図4に示す装置では、再生すべきソリトン型光信号が入力光ファイバF1を通って到達する。光ファイバではタップ用光結合器C3が光信号の一部を取り出して、その光信号からクロック回復手段CLKによってクロック信号を取り出すようにする。その後でクロック回復手段CLKは光クロック信号を結合器C2を介してNOLMの制御入力端子に加える。ソリトン信号は常に同じ波長λs である。ソリトンの波長λs を通過帯域の中心波長とする帯域フィルタBPCによって、クロック信号を装置の出力端子で除去できるように、クロック信号の波長λhをソリトン信号の波長λs と僅かに異ならせることがことが好ましい。
【0043】
タップ用結合器C3の下流側で、ソリトン信号はNOLMの結合器C1の入力ポート1に到達するまで入力光ファイバF1に沿って伝播する。本発明の変更例においては、ソリトン信号が増幅され、または再生された時以来ソリトンが受けた線路損を保障するように、光増幅器GSをNOLMの上流側に置くことができる。
【0044】
NOLMの動作は図1を参照して先に説明した動作に類似する。したがって、NOLMの結合器C1のポート1に到達するソリトンは、制御結合器C2を通じて制御入力ファイバF3に加えられるクロック信号によって変調される。クロック信号とソリトン信号がNOLMに沿って流れる時にそれらの信号を同期できるように、クロック信号の伝播経路に沿う伝播時間と、ソリトンの伝播経路に沿う伝播時間とを、図3に示す装置の場合と同様に調整しなければならない。
【0045】
したがって、ソリトン信号はクロック信号の包絡線によって変調され、それによってソリトンの振幅変調を可能にする。振幅変調は、再生装置の出力端子におけるGordon−Hausジッタを減少するか、無くすためには不十分である。
【0046】
図5(既に説明した)に示すように、本発明のNOLMを実現するために偏光維持ファイバを使用することが好ましい。光クロック信号は、ループ・ファイバL内部の偏光維持軸線A1、A2に対して45°の角度で偏光軸線が配置されている結合器C2を介してNOLMに注入される。したがって、この装置の動作は、変調すべきソリトン信号の偏光に依存しない。これは従来の装置、特に図3に示す装置と比べて大きな利点である。図3に示す装置では、ソリトン信号はNOLMの制御信号を構成する。そのソリトン信号は任意の、未知であり、制御できない偏光を有する。したがって、その信号の偏光に対するNOLMの感度は、その従来の装置の性能レベルに悪影響を及ぼすことがある。
【0047】
クロック回復手段CLKは全光学式手段(図7参照)、またはオプトエレクトロニック手段(図6参照)とすることができる。
【0048】
図6は光信号用のオプトエレクトロニック・クロック回復装置の例を線図で示す。この装置は当業者に知られている原理を用いる。図4に示すタップ付き結合器C3によって取り出された光信号は、光検出器PDに到達するまで、光ファイバF4に沿って伝播する。その光検出器はその光信号を電子信号に変換する。その結果の電子信号はマイクロ波電子増幅器AE1によって最初に増幅される。その後で、その信号が非零復帰(NRZ)信号である場合には、その信号は第1の帯域フィルタB/2によって濾波される。図6に示す例では、NRZ信号に対しては、濾波された信号の周波数がその後で周波数逓倍器X2によって増倍されてから、第2のフィルタBによって更に帯域濾波される。信号がソリトン信号であると、フィルタBは第1のフィルタを構成する。その後で、結合器C3において取り出された光信号から形成された電子パルスの繰り返し率で光信号を放出するダイオード・レーザLDを制御するように、その信号は増幅される。光信号は、制御ファイバF3と、図4に示す結合器C2を介してNOLMの制御入力に加えられる前に、必要に応じて、光増幅器AO1によって増幅できる。
【0049】
図7は光信号からクロック信号を回復するための全光学式クロック回復装置の例を示す。この装置はリング−ファイバ・レーザをモードロッキングする既知の原理を用いる。図4に示すタップ付き結合器C3によって取り出された光信号は、結合器C7を介して光ファイバF4が結合されているファイバ・ループRに到達するまで、光ファイバF4に沿って伝播する。そのファイバ・ループRと、ここで説明している種々の光学部品は、図3を参照して上で説明したリング・レーザ(参照符号RL)、またはL.E.Adams他により文献D8に記載されているようにリング・レーザを構成する。そのリング・レーザは光増幅手段AOLと、一方向動作のための光アイソレータIと、レーザ光の波長を中心波長とする濾波手段FLと、非線形光結合手段CONLとを含む。その非線形光結合手段は、振幅の非または位相あるいはその両方の非線形性を、ファイバRを進む光の電界の振幅の関数として得ることを可能にする。たとえば、非線形光結合手段CONLは、先に参照した図を参照して説明したNOLM、または文献D8に記載されているNOLMとすることができる。
【0050】
リング・レーザは、結合器C7を介して注入されるソリトン信号が存在しない時は、連続動作(CW)できる。しかし、ビットの流れが結合器C7を介して注入されると、互いに逆向きに伝播する成分の間に非対称的な位相シフトが直ちに行われ、NOLMの伝送度が高くされ、リング・レーザは信号のビットの率でモードロックされる。その後で、タイミング・ジッタがほとんどなしにクロック信号を与えるように、パルスを光結合器C8を介して取り出すことができる。同期変調のためにその信号を容易に使用できるようにするために、図7は、第2の光増幅器AOHと、リング・レーザによって出力されたパルスに所望の形(振幅、持続時間、パルスの立上がり形、立ち下がり形等)を持たせるための圧縮手段と伸長手段の少なくとも一方とを示す。元のパルスは比較的狭いので、それらのパルスを使用する前に拡げることが望ましい。このようにして、光ファイバF3を介して供給されるクロック信号は希望の用途に対して最適にされる。
【0051】
図8は、本発明の再生装置(C3、CLK、2C、C1およびNOLM)と、複数のライン光増幅器(G1、G2、G3等)と、複数の誘導フィルタ(BP1、BP2、BP3等)とを備える本発明のソリトン信号伝送装置を示す。誘導フィルタはソリトンのスペクトル幅を構成するが、その際に、それらのフィルタはソリトンからエネルギーを除去する。これが、光ファイバ(LF1、LF2等)において増幅器(G1、G2、G3等)の間でソリトンがこうむる線路損より、インライン増幅器の利得を高くしなければならない理由である。ソリトンのスペクトル幅を狭くすることによって、文献D2に記載されているように、タイミング・ジッタも誘導フィルタによって減少される。
【0052】
図9は、主入力端子に3×3光結合器C11を有する従来の非線形光ループ・ミラー(NOLM)の例を線図で示す。このNOLMは本発明の装置で使用するのに適当である。2×2結合器の代わりに3×3結合器を用いることによって、NOLMのループに非対称位相シフトが伝えられる。平均ポンピング・パワー(またはループがクロック信号で満たされるレベル)の結果として、逆向きに伝播する信号が見る消光比の低下を、種々のパラメータを適切に選択するものとすると、位相シフトによって無くすことができる。
【0053】
3×3結合器は6つのポートを有する。それらのポートには3つの入力ポートP1、P2、P3が含まれる。ここで重要なことは、種々のポートの間の位相関係である。2×2結合器では、直接経路(1、3)と交差経路(1、4)の間にπ/2の位相シフトが存在する。3×3結合器の場合、隣接ポート間に±π/3の位相シフトが存在する。入力ポート/出力ポートを適切に選択することによって、NOLMのループで非対称位相シフトが与えられるように、位相シフトの符号を選択することが可能である。平均ポンピング・パワー(またはループがクロック信号で満たされるレベル)の結果として、逆向きに伝播する信号から見た消光比の低下を位相シフトによって無くすことができる。
【0054】
たとえば、ソリトン信号を結合器C11のポートP1を介して光ファイバF11に注入できる。ポートP2に接続されたファイバF12は、接続されない(干渉反射を回避するために単に終端されるだけである)。光ファイバF11は3×3結合器C11の内部の他の2つの光ファイバF12とF13に結合される。NOLMは上記の例のように動作する。逆向きに伝播する波の位相シフトの影響を、π/3位相シフトによって与えられる非対称の定数で打ち消すことができる。
【0055】
上記の場合と同様に、同期変調によって再生されたソリトン信号は、クロック信号が光結合器C2を介して光ファイバF3上でNOLMに加えられた時、結合器C11のポートP3を介してファイバF13に加えられる。
【0056】
以上、クロック信号を回復し、それをNOLMの制御された入力に加え、インライン・ソリトン再生装置の実現で遭遇することがある少数の小さい問題を解決するために、ある従来の装置を用いて、少数の実施例のみについて本発明の装置を説明した。もちろん、本発明の実施例のリストは網羅的なものではなく、当業者であれば、本発明の装置を必要に応じて目的に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置に使用するのに適した従来の非線形光ループ・ミラー(NOLM)の例を示す図である。
【図2】文献D4に示す、ソリトンを同期変調するための従来の装置を示す図である。
【図3】NOLMによってクロック信号を切り替えることによってソリトンを再生するための、文献D5に示されている、従来の装置を示す図である。
【図4】文献に示す、ソリトンを同期変調するための本発明の装置の実施例を示す図である。
【図5】切り替える信号の偏光に影響されない、別の文献D7に示されている従来のNOLMスイッチを示す図である。
【図6】光信号からクロック信号を回復するためのオプトエレクトロニック・クロック回復装置の例を示す図である。
【図7】光信号用の全光学式クロック回復装置の例を示す図である。
【図8】本発明の再生装置を複数のライン光増幅器および複数の誘導フィルタと共に備える本発明のソリトン信号伝送システムを示す図である。
【図9】主入力端子に3×3光結合器を有する、本発明の装置に使用するのに適した従来の非線形光ループミラー(NOLM)の例を示す図である。
Claims (11)
- 再生すべき信号のビットからクロック速度を取り出すことを可能にするクロック信号回復手段と、
ソリトンの振幅を前記クロック信号によって変調することを可能にする変調手段とを備え、
前記変調手段が非線形光ループ・ミラー(NOLM)によって構成されることを特徴とする、ソリトンに対して同期変調を行うことによってソリトン光信号を再生するためのインライン再生装置。 - 前記ソリトンを通過させながら、前記クロック信号の波長λh を阻止するための第1のフィルタを更に含む、請求項1に記載の装置。
- 前記クロック回復手段が、光−電トランスデューサ手段または電−光トランスデューサ手段を持たない全光学式手段であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記クロック回復手段が、光−電トランスデューサ手段および電−光トランスデューサ手段ならびに電子的増幅手段および電子的濾波手段と、電子信号を整形するための整形手段を備えるオプトエレクトロニクス手段であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記NOLMが入出力信号を前記NOLMのループへ向かって結合させるための50/50結合器を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記NOLMが、該NOLMによって加えられる振幅変調と周波数変調の相対的な大きさを調整できるように、非対称な結合係数を有する結合器を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記NOLMが結合器を含み、前記検出器が3×3結合器であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記クロック信号がほぼ正弦波であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- ソリトンからのエネルギーの線路損を補償する少なくとも1つの第1光増幅器を更に含む、請求項1に記載の装置。
- 前記少なくとも1つの第1光増幅器によって伝えられるスペクトル・ノイズを濾波によって除去でき、かつソリトンの時間幅を増大させながらソリトンのスペクトル幅を狭くできる、少なくとも1つの「案内する」第2フィルタを更に含む、請求項1に記載の装置。
- ソリトンが前記案内フィルタを通過する時にソリトンからのエネルギー損失を補償できる、少なくとも1つの第2光フィルタを更に含む、請求項10に記載の装置。
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