JPH09222544A - 光学機器 - Google Patents

光学機器

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JPH09222544A
JPH09222544A JP5547996A JP5547996A JPH09222544A JP H09222544 A JPH09222544 A JP H09222544A JP 5547996 A JP5547996 A JP 5547996A JP 5547996 A JP5547996 A JP 5547996A JP H09222544 A JPH09222544 A JP H09222544A
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JP
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temperature
lens
lens group
optical
optical device
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JP5547996A
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Seiya Ota
盛也 太田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化があってもピントズレを補正し、良
好なる光学性能が得られる光学機器を得ること。 【解決手段】 移動レンズ群を含む光学系により結像面
上に物体像を形成する光学機器において、該移動レンズ
群を駆動するレンズ駆動手段、該レンズ駆動手段を制御
する制御手段、該光学系に関する温度情報を熱伝達部材
を介して検出する温度検出手段、そして該移動レンズ群
を駆動する為の該温度検出手段からの温度情報を含む制
御情報を記憶する記憶手段とを有し、該制御手段は該制
御情報に基づいて該レンズ駆動手段を制御して温度変化
に伴う該光学系の結像面位置の変動を補正しているこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラ,銀
塩カメラ,電子スチルカメラ等の光学機器に関し、特に
フォーカスや変倍の際に光軸上移動する移動レンズ群を
有する光学系(撮影光学系)、例えば単一焦点距離の撮
影レンズやズームレンズ等の光学系において温度変化が
あったときのピントズレ(結像面のずれ)を該移動レン
ズによって補正するようにした光学機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ等の光学機器においては、
撮影光学系の小型化及び固体撮像素子のイメ−ジサイズ
の小径化が急速に進んでいる。又撮影光学系を構成する
光学材料としてプラスチック材料が多く用いられてい
る。プラスチック材料を用いるとレンズが金型により容
易に成形でき、又その形状の任意性も大きく、又ガラス
材料に対してコストメリットが大きいなどの特長があ
る。この為プラスチック材料より成るレンズがファイン
ダ系や、赤外線アクティブオートフォーカスユニットそ
して撮影光学系の一部等に多く使用されている。
【0003】プラスチック材料は、無機ガラス材料に比
べて環境変化に対する物理的性質の変化が大きい。例え
ば、線膨張係数が大きくプラスチック材料のPMMAで
は代表値で67.9×10−6/℃なのに対して、無機
ガラスのLaK 14(OHARA製)では、57×1
−7/℃と1桁小さい。又温度変化に対する屈折率の
変化についてもPMMAでは、代表値で1.0〜1.2
×10−4/℃なのに対して、上記LaK 14では、
D線で3.9〜4.4×10−6/℃と2桁小さい。
【0004】このようにプラスチック材料は、無機ガラ
ス材料に比べて、温度変化に対して光学的諸定数(屈折
率や形状等)の変化が大きい。例えばプラスチック材料
より成るレンズ、所謂プラスチックレンズは、温度変化
に対して焦点距離が無機ガラス材料より成るレンズに比
べて大きく変化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光学系の一部にプラス
チックレンズを用いると前述のような効果が得られる。
しかしながらその反面、環境変化、特に温度変化がある
と無機ガラス材料より成るレンズを用いた場合に比べて
焦点距離等の光学的性質が大きく変化してくるという問
題点が生じてくる。
【0006】最近の光学機器は、撮影光学系の小型化や
固体撮像素子の小型化そして各要素の高密度化を図って
小型化されている。この為光学機器に用いている光学系
の結像面の予定結像面に対する温度変化によるズレの影
響が大きくなるという問題がある。従ってこのような温
度変化による結像位置のズレをいかに効果的に補正する
かが大きな問題点となっている。
【0007】これに対してレンズ鏡筒の一部に温度検出
手段を設けて、該レンズ鏡筒の温度を検出し、該検出温
度に基づいて結像位置のズレを補正する方法が考えられ
る。しかしながら、一般に温度検出手段への電源投入直
後の温度変化の過渡的状態等においては、レンズ鏡筒の
温度と撮影レンズのレンズ中央部分の撮影に寄与する部
分の温度が異なる為、良好な温度補償制御が行えなくな
り、結像位置のずれを良好に補正するのが難しいという
問題点があった。
【0008】本発明は、フォーカスや変倍の為に光軸上
移動する移動レンズ群を有する光学系(撮影レンズ)を
用いて撮影するとき、温度変化があっても温度検出手段
の構成を適切に設定することにより、温度検出手段への
電源投入直後でも温度検出手段による光学系の温度情報
を迅速にしかも高精度に検出し、該検出結果に基づいて
該移動レンズ群の移動軌跡をその都度適切に設定するこ
とにより結像面のズレを補正し、高い光学性能を維持す
ることのできるビデオカメラや銀塩カメラそして電子ス
チルカメラ等に好適な光学機器の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光学機器は、 (1−1)移動レンズ群を含む光学系により結像面上に
物体像を形成する光学機器において、該移動レンズ群を
駆動するレンズ駆動手段、該レンズ駆動手段を制御する
制御手段、該光学系に関する温度情報を熱伝達部材を介
して検出する温度検出手段、そして該移動レンズ群を駆
動する為の該温度検出手段からの温度情報を含む制御情
報を記憶する記憶手段とを有し、該制御手段は該制御情
報に基づいて該レンズ駆動手段を制御して温度変化に伴
う該光学系の結像面位置の変動を補正していることを特
徴としている。
【0010】特に、(1−1−1)前記光学機器はビデ
オカメラであること、(1−1−2)前記光学系はリア
フォ−カスタイプのズ−ムレンズであること、(1−1
−3)前記光学系は複数のレンズ群を有し、該複数のレ
ンズ群は少なくとも一部にプラスチックレンズを有する
こと、(1−1−4)前記制御情報は基準温度における
前記移動レンズ群の複数の位置データと該位置データを
前記温度検出手段からの信号に基づいて補正する為の温
度補正係数データを含んでおり、前記制御手段は前記レ
ンズ駆動手段を制御する為の該制御情報を該温度検出手
段によって検出された温度に応じて前記記憶手段から引
き出し、該制御情報に基づいて該移動レンズ群の温度補
正位置データを算出すること、(1−1−5)前記温度
補正位置データは前記温度検出手段から検出された温度
と前記基準温度との差分値の関数として定義されるこ
と、(1−1−6)前記温度補正位置データは前記温度
検出手段から検出された温度と前記基準温度との差分値
に前記温度補正係数データを掛け合わせた結果に前記基
準温度における前記移動レンズ群の位置データを足し合
わせたもので定義されること、(1−1−7)前記温度
補正係数は変倍の為の移動レンズ群の位置の関数として
定義されること、(1−1−8)前記熱伝達部材は一方
の面がレンズ群を保持するレンズ保持手段に接し、他方
の面が前記温度検出手段の検温面に接していること等を
特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1の要部
ブロック図である。図中1は光学系であり、4つのレン
ズ群より成る、所謂4群構成のリアフォ−カスズ−ムレ
ンズ(以下「RFZ」レンズと称する)より成ってい
る。
【0012】RFZレンズ1は固定レンズ群である第1
のレンズ群(以下「前玉」と称する)101、移動レン
ズ群である変倍機能を有する第2のレンズ群(以下「バ
リエータ」と称する)102、固定レンズ群である第3
のレンズ群(以下「アフォーカル」と称する)103、
そして移動レンズ群であるフォ−カスと変倍に伴う像面
変動を補正するコンペンセータとしての機能を有する第
4のレンズ群(以下「RR」と称する)104より成っ
ている。
【0013】実際には上記レンズ群は複数枚のレンズで
構成されていて、例えば本実施形態においては、前玉1
01は3枚,バリエータ102は3枚,アフォーカル1
03は1枚,RR104は2枚の、4群9枚のレンズ構
成より成っている。
【0014】本実施形態においては、各レンズ群の少な
くとも1つのレンズ群にプラスチック材より成るプラス
チックレンズを使用している。該プラスチックレンズの
材料としては、アクリル系,ポリオレフィン系,ポリカ
ーボネート等が適用可能である。
【0015】本実施形態ではプラスチックレンズをレン
ズ群中のどこに用いるかは特に限定されるものではな
く、又各レンズ群中に全く使用しない場合もある。
【0016】102aは、バリエータ102を保持する
ための部材(以下「V移動環」と称する)、104aは
RR104を保持するための部材(以下「RR移動環」
と称する)であり、PC(ポリカーボネート)を使用し
て金型による成形、又は切削加工により製作している。
【0017】尚本発明においては、特に上記材料、及び
製作方法を限定するものではなく、上記以外でも例え
ば、アルミニウムやチタン等の金属材料をダイカストに
より成形したものや、ダイカスト成形した後に2次加工
によって製作したもの、又はブロックから直接切削加工
したものでも良い。
【0018】2は上記レンズ群を保持するための部材
(以下「鏡筒」と称する)であり、PC(ポリカーボネ
ート)を使用して金型による成形、又は切削加工により
製作している。
【0019】本発明においては特に上記材料及び製作方
法を限定するものではなく、上記以外には、例えばアル
ミニウムやチタン等の金属材料をダイカストにより成形
したものや、ダイカスト成形した後に2次加工によって
製作したもの、又はブロックから直接切削加工したもの
でも良い。又、鏡筒2はいくつかの部材に分けて形成し
ても良く、本発明においては特に限定するものでない。
例えば、RFZレンズ1の光軸105に対して、筒状も
しくは箱形の鏡筒2を光軸105に対して平行に分けた
2部材から形成しても良く、又光軸105に対して垂直
に2部材に分けた2部材から形成しても良く、又各々2
部材だけでなく数部材から形成しても良い。
【0020】又本実施形態においては、前玉101及び
アフォーカル103は、保持部材101a,103aに
各々固定した後、鏡筒2に固定する構成としているが、
鏡筒2に直接固定しても良く、特に限定するものではな
い。
【0021】3はCCD等の光電変換素子18に入射す
る光量を調節するための絞り部材であり、iGメータ又
はSTEPモータ等の駆動手段7により絞り部材3内の
絞り羽3aを光軸105に略垂直に駆動することによっ
て絞り部材3の開口部3bの面積を可変としている。9
は絞りエンコーダであり、iGメータの回転角度を検出
している。
【0022】光量調節は絞り制御回路20と駆動回路1
6によって光電変換素子18に入射する光量が一定にな
るように絞り部材3の絞り羽3aを駆動手段7によって
駆動することで開口部3bの面積を制御して行ってい
る。22は絞りエンコーダ9からの信号を検出する検出
回路である。
【0023】本実施形態では機械式の絞り部材3と駆動
手段7及びエンコーダ9より絞りユニットとを構成して
いるが、これに限定するものではなく電気化学作用によ
り光の吸収を制御するエレクトロクロミー機能等を有す
る物性絞りであっても良い。
【0024】4は光電変換素子18の前に置かれたフィ
ルタユニットであり、水晶等の光学的ローパスフィルタ
4a、赤外線遮断フィルタ4b等を有している。
【0025】本実施形態において各フィルター4a,4
bは光電変換素子18の直前に一体的に配置されている
が、各々別体で配置しても良く、又RFZレンズ1の各
フィルタの機能を発揮できる任意の位置に配置しても良
い。
【0026】5,6は各々移動レンズ群102,104
を駆動するためのステップモータ等の駆動手段(レンズ
駆動手段)である。5a,6aは表面に所定のピッチで
ネジが切られているリードスクリューネジである。10
2b,104bは各々V移動環102a,RR移動環1
04aと同一部材として形成するか、又は別部材として
V移動環102a及びRR移動環104aへ接着等で一
体に形成したラックである。該ラック102b,104
bはリードスクリューネジ5a,5bとかみ合っており
ステップモータ5,6が正逆転することによって、V移
動環102a,RR移動環104aが光軸105に平行
に移動する。
【0027】8a,10aは各々フォトインタラプタで
あり、8b,10bは各々遮光板であり、それぞれV移
動環102a,RR移動環104aと同一部材として形
成するか、又は別部材としてV移動環102a,RR移
動環104aに接着等で一体に形成している。該遮光板
8b,10bが、V移動環102a,RR移動環104
aの移動によってフォトインタラプタ8a,10aの位
置に来ることで、フォトインタラプタ8a,10aから
の信号が変化し、この変化を検出することでバリエータ
102及びRR104の基準位置(以下「レンズ初期リ
セット位置」と称する。)を決定している。
【0028】本実施形態においては、該レンズ初期リセ
ット位置に対して前記ステップモータを駆動する為の駆
動パルス数をカウントすることで各レンズの初期リセッ
ト位置からの相対位置情報を検出している。
【0029】尚フォトインタラプタ8a(10a)と遮
光板8b(10b)はレンズ初期位置検出手段の一要素
を構成している。21,23は、フォトインタラプタ8
a,10aからの信号を検出する検出回路である。
【0030】本実施形態においてはレンズ初期位置検出
手段としてフォトインタラプタ8a,10aと遮光板8
b,10bの組み合わせを採用しているが、例えばホー
ル素子とマグネットの組み合わせや、PSDとiRED
の組み合わせ等を用いても良い。
【0031】又本実施形態においてはステップモータと
レンズ初期リセット位置検出手段の組み合わせを採用し
たが、ボイスコイルモータ,DCモータ等と磁気抵抗効
果素子,又はホール素子とマグネット等の組み合わせに
よるレンズ位置検出手段との組み合わせでも良く、特に
限定するものではない。
【0032】15,17はレンズ駆動手段としてのST
EPモータ5,6を駆動するための駆動回路である。1
2は温度検出手段としてのサーミスタ等の感温抵抗であ
り、検出回路24によって温度に対応した出力信号をマ
イコン等の制御回路(制御手段)13へ出力している。
26は熱伝達部材であり、所定の熱伝達関数を持ってお
り、鏡筒2と温度検出手段12との間に挟持している。
【0033】本実施形態においては温度検出手段12は
前玉101近傍に配置してある。これは前玉101が計
算上、温度変化に対する焦点距離の変化量が他のレンズ
群に比べて大きいためである。温度検出手段12の置く
位置は特に限定しない。
【0034】19は光電変換素子18からの出力信号を
処理して画像信号として出力するカメラプロセス回路で
ある。14はバリエータ102及びRR104の駆動情
報が格納されるROM等の記憶手段である。
【0035】図1においては制御回路13とROM14
は別のブロックとして表現されているが、マイクロプロ
セッサ内に制御回路13とROM14が組み込まれてい
ても良い。
【0036】11はズームスイッチであり、広角側(以
下「WIDE」と称する)へズーミングするときにはズ
ームスイッチ11aを、望遠側(以下「TELE」と称
する)へズーミングするときにはズームスイッチ11b
を、押すことによってズーミング動作を行っている。す
なわちバリエータ102とRR104を制御回路13か
らの駆動信号によって駆動してズーミングを行ってい
る。25は電源である。
【0037】RFZレンズ1においては被写体距離毎に
バリエータ102の光軸上のレンズ停止位置、即ちズー
ム位置に対してRR104の光軸上の停止位置が決まっ
ている。
【0038】本実施形態では、光学系の温度変化を鏡筒
2に装着した熱伝達部材26を介して温度検出手段12
で検出し、該温度検出手段12からの出力信号を利用し
て制御手段13によりRR104の光軸上の位置を制御
して結像面の変動を補正している。
【0039】次に、本実施形態における、熱伝達部材2
6について説明する。
【0040】図6は図1の本実施形態における温度検出
手段12近傍の拡大説明図である。同図は温度検出手段
12と鏡筒2の間に所定の熱伝達関数をもつ熱伝達部材
26をいれたものを分かりやすく図示したものである。
図7はそのときの温度検出手段への電源投入時からの温
度検出手段12の温度検出出力と実際のレンズ101の
中央部分の温度変化を表したものである。
【0041】本実施形態では、図7に示すように温度検
出出力と実際のレンズ中央の温度が一致するように、あ
る熱伝達関数をもつ熱伝達部材26を鏡筒2と温度検出
手段12との間にいれることにより、温度検出出力をも
とに温度補償を行っても適正な補正量を得ることが可能
として良好な温度補償制御を行っている。
【0042】これに対して、図8は参考の為に本実施形
態に係る熱伝達部材を用いないで温度検出手段12で鏡
筒2の温度を直接検出したときの要部断面図である。
又、図9はそのときの電源投入からの温度検出手段12
の温度検出出力と実際のレンズ101の中央部分の温度
変化を表したものである。
【0043】図9から明らかのように、ある時間が経過
するまでの温度変化の過渡期においては双方の温度差が
著しいことが分かる。従って、この温度検出出力をもと
に温度補償を行うと適正な補正量でない為に結像面の位
置の変動を補正することができなく、ボケが生じてしま
う。これは光学機器においては極めて好ましくない。こ
れに対して本実施形態においては、熱伝達部材26を介
して検出することにより、図7に示すような出力信号を
得て、これにより良好に結像面の変動を補正するように
している。
【0044】尚、本実施形態における熱伝達手段26の
大きさは温度検出手段12よりも大きいもの、小さいも
の、同程度のもの等、特に限定しない。又、光学系に接
着させる機能を持たせても良い。材質は複数のものから
成っていても良い。絶縁体でも良い。中空構造などでも
良い。光学機器の温度状態から大きさ、材質、構造、接
着方法等を決めても良い。
【0045】図2に被写体距離ごとにバリエータ102
とRR104の光軸上の停止位置をプロットしたもの
(以下「カム軌跡」と称する)を示す。
【0046】図2において、例えば被写体距離が無限遠
のとき、バリエータ102がWIDEからTELEへ光
軸上、移動するとRRレンズ104は曲線Y∞(Y2)
の如く、光軸上物体側へ凸状の軌跡を有しつつ移動す
る。
【0047】このように本実施形態では、WIDEから
TELE、又はTELEからWIDEへズーミングする
ときには、被写体距離に応じて上記カム軌跡をトレース
するように、メモリに記憶しているカム軌跡に基づいて
バリエータ102の移動に応じてRR104を駆動制御
して、これによりピントズレのない良好な画像を得てい
る。
【0048】本実施形態においては少なくとも1つのレ
ンズ群にプラスチックレンズを使用している。この為環
境変化によりプラスチックレンズの周囲に温度変化が生
じると前述したようにプラスチックレンズの形状が変化
したり、材質の屈折率の温度係数が大きい為に、屈折率
が変化したりして焦点距離が大きく変化してくる。
【0049】温度変化が生じると各レンズ群の焦点距離
が変化してRFZレンズ1のトータルの焦点距離も変化
してくる。その結果、基準温度Tref (本実施形態
では20℃に設定してある)の結像面に対して結像面が
ズレてくる。即ちピントズレが発生してくる。従ってズ
ーミングする場合に温度変化が生じたときは、温度変化
によって発生した結像面のズレを補正するように、移動
レンズ群をトレースする上記カム軌跡を補正する必要が
ある。
【0050】図3に、基準温度Tref=20℃に対し
て温度が(Tref+30)℃のときと、(Tref−
30)℃のときの、被写体距離が無限の場合のカム軌跡
を示す。
【0051】本実施形態においては基準温度Tref
に対して高温になるとRRレンズ104の物体側への繰
り出し量が大きくなり、逆に基準温度Trefに対して
低温側になると繰り出し量が小さくなる。
【0052】本実施形態においては温度変化に対するピ
ントずれが最も大きいのは、TELE端である。
【0053】本実施形態ではバリエータ102とRR1
04の光軸上の可動範囲においてバリエータ102の位
置PVに対する被写体距離毎のRR104の物体側への
繰り出し量である基準温度Trefにおける代表位置デ
ータPRRを予めROM14に格納してある。又上記バ
リエータ102の位置PVに対する被写体距離毎のRR
104の位置データPRRの温度補正係数CPRRも同
様に予めROM14に格納してある。
【0054】本実施形態においてはバリエータ102の
可動範囲を所定幅で分割し、バリエータ102の該分割
領域毎に被写体距離毎のRR104の基準温度Tref
における代表位置データPRRと被写体距離毎のRR1
04の位置データPRRの温度補正係数CPRRを各々
数値データとして予めROM14に格納してある。
【0055】但し、本実施形態においてはこれに限定す
るものでない。例えば、バリエータ102の位置データ
PVについても所定幅で分割しなくても良く、その場合
は上記被写体距離毎のRR104の代表位置データPR
Rを温度補正係数CPRRはバリエータ102の位置デ
ータPVの関数として定義しても良い。又温度補正係数
CPRRは基準温度Trefに対して温度変化が生じた
際のプラスチックレンズの焦点距離の変化及び光学系1
の各レンズ群を保持する前記保持部材の伸縮によるレン
ズ間隔の変化によるピントずれの影響を考慮して算出さ
れたものである。
【0056】本実施形態においては感温抵抗12及び検
出回路24にて得られた温度情報データTが前記基準温
度Trefに対して温度差を生じたとき、前記移動レン
ズ群の代表位置データPRRを前記温度補正係数と前記
温度差によって補正を行い、RR104の温度位置デー
タPRRTを算出している。即ち、以下の式にて算出し
ている。
【0057】 PRRT=CPRR×(T−Tref)+PRR 但し、本実施形態はこれに限定されるものでなく、温度
変化によるRR104の繰り出し量の変化を任意の関数
(例えば2次式,3次式,4次式,指数関数,対数関数
等)で近似しても良い。
【0058】以下、本実施形態の動作について図4,図
5に示すフローチャートによって説明する。
【0059】初めに電源25が投入される。次にフォト
インタラプタ8a,10aからの信号を各検出回路2
1,23を通して読み込む。次に制御回路13にて、各
々読み込んだ信号に応じた方向、即ち本実施形態におい
ては検出回路21,23からの信号が、highのとき
はlowとなる方向へ、lowのときはhighとなる
方向へバリエータ102とRR104を各々駆動し、各
フォトインタラプタ8a,10aからの信号が変化する
までバリエータ102とRR104を駆動する。
【0060】各フォトインタラプタ8a,10aの信号
の変化した位置を各レンズバリエータ102,RR10
4のそれぞれ初期リセット位置とする。即ち、上記信号
の変化した位置でバリエータ102とRR104を停止
させて、制御回路内13のバリエータ102、RR10
4の各カウンタをクリアする。該カウンタは、バリエー
タ102,RR104の駆動パルスをカウントするもの
であり、これによってバリエータ102及びRR104
の初期リセット位置からの相対的な現在位置を検出して
いる。
【0061】ズームスイッチ11が押されているかチェ
ックする。ズームスイッチ11aが押されている時はW
IDE方向へズーミング行われ、ズームスイッチ11b
が押されている時は、TELE方向へズーミングが行わ
れる。押されていない場合については、ズーミング動作
しない。
【0062】以下、TELE方向にズーミングされる場
合についてのみ説明するが、WIDE方向でも全く同様
のルーチンなので省略する。
【0063】カウンタよりバリエータ102の位置PV
を読み出して前記バリエータ102のどの分割領域にい
るかサーチして現在のバリエータ102のいる領域PV
Vを決める。同様にしてカウンタよりRR104の位置
PRRを読み出す。
【0064】次に前玉101の周囲に配置した感温抵抗
12からの出力信号を検出回路24を通して制御回路1
3に入力することで感温抵抗12が置かれている場所の
温度Tを検出している。以下、電源が投入されてからt
秒後の検出温度をT(t)とする。
【0065】実際には本実施形態においては制御回路1
3はマイクロプロセッサ(以下「マイコン」と称す
る。)であり、マイコンのサンプリング周波数に応じて
マイコン内に検出温度をデータとして取り込むので上記
T(t)を電源投入時からの所定時間毎の検出温度デー
タの取り込み回数をk回としてT(k)と表すことにす
る。 本実施形態においては検出温度データ列が時間の
関数となっているのが本質であり、表現の仕方を特に限
定するものでない。
【0066】次に検出した環境温度T(k)と基準温度
Trefとを比較してその差分ΔT(=T(k)−Tr
ef)をとる。その上で温度補正係数CPRRを読み込
んでΔTへ掛け合わせる(ΔT×CPRR)。この結果
を基準温度の代表位置データPRRに足し合わせる(Δ
T×CPRR+PRR)ことで、RR104の繰り出し
量を算出している。上記算出データを基にバリエータ1
02とRR104を各々駆動する。
【0067】以上、ズーミング中の動作について説明し
た。ズーミング中にオートフォーカ.スを作動させない
ことを前提として説明したが、作動させても支障のない
ことは明らかである。
【0068】以上説明したように、本実施形態の構成と
することで、ズーミング中、及びAF動作中に温度変化
があった場合でも、又温度が一定でも基準温度からのず
れが生じた場合においてもピントズレのない良好な画像
を得ることができる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、フォーカ
スや変倍の為に光軸上移動する移動レンズ群を有する光
学系(撮影レンズ)を用いて撮影するとき、温度変化が
あっても温度検出手段の構成を適切に設定することによ
り、温度検出手段への電源投入直後でも温度検出手段に
よる光学系の温度情報を迅速にしかも高精度に検出し、
該検出結果に基づいて該移動レンズ群の移動軌跡をその
都度適切に設定することにより結像面のズレを補正し、
高い光学性能を維持することのできるビデオカメラや銀
塩カメラそして電子スチルカメラ等に好適な光学機器を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の要部概略図
【図2】 図1の移動レンズ群のカム軌跡の説明図
【図3】 温度変化に対するカム軌跡の変化を示す説明
【図4】 本発明の実施形態1の動作を示すフローチャ
ート
【図5】 本発明の実施形態1の動作を示すフローチャ
ート
【図6】 本発明に係る図1の熱伝達部材の近傍の説明
【図7】 本発明に係る温度検出手段からの出力信号の
説明図
【図8】 従来の鏡筒に設けた温度検出手段の近傍の説
明図
【図9】 従来の鏡筒に設けた温度検出手段からの出力
信号の説明図
【符号の説明】
1 光学系 101 レンズ 102,104 移動レンズ群 2 鏡筒 5,6 レンズ駆動手段 12 温度検出手段 26 熱伝達部材 13 制御手段 14 記憶手段 15〜17 駆動回路 21〜24 検出回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動レンズ群を含む光学系により結像面
    上に物体像を形成する光学機器において、該移動レンズ
    群を駆動するレンズ駆動手段、該レンズ駆動手段を制御
    する制御手段、該光学系に関する温度情報を熱伝達部材
    を介して検出する温度検出手段、そして該移動レンズ群
    を駆動する為の該温度検出手段からの温度情報を含む制
    御情報を記憶する記憶手段とを有し、該制御手段は該制
    御情報に基づいて該レンズ駆動手段を制御して温度変化
    に伴う該光学系の結像面位置の変動を補正していること
    を特徴とする光学機器。
  2. 【請求項2】 前記光学機器はビデオカメラであること
    を特徴とする請求項1の光学機器。
  3. 【請求項3】 前記光学系はリアフォ−カスタイプのズ
    −ムレンズであることを特徴とする請求項1又は2の光
    学機器。
  4. 【請求項4】 前記光学系は複数のレンズ群を有し、該
    複数のレンズ群は少なくとも一部にプラスチックレンズ
    を有することを特徴とする請求項1,2又は3の光学機
    器。
  5. 【請求項5】 前記制御情報は基準温度における前記移
    動レンズ群の複数の位置データと該位置データを前記温
    度検出手段からの信号に基づいて補正する為の温度補正
    係数データを含んでおり、前記制御手段は前記レンズ駆
    動手段を制御する為の該制御情報を該温度検出手段によ
    って検出された温度に応じて前記記憶手段から引き出
    し、該制御情報に基づいて該移動レンズ群の温度補正位
    置データを算出することを特徴とする請求項1の光学機
    器。
  6. 【請求項6】 前記温度補正位置データは前記温度検出
    手段から検出された温度と前記基準温度との差分値の関
    数として定義されることを特徴とする請求項5の光学機
    器。
  7. 【請求項7】 前記温度補正位置データは前記温度検出
    手段から検出された温度と前記基準温度との差分値に前
    記温度補正係数データを掛け合わせた結果に前記基準温
    度における前記移動レンズ群の位置データを足し合わせ
    たもので定義されることを特徴とする請求項5の光学機
    器。
  8. 【請求項8】 前記温度補正係数は変倍の為の移動レン
    ズ群の位置の関数として定義されることを特徴とする請
    求項1〜3の光学機器。
  9. 【請求項9】 前記熱伝達部材は一方の面がレンズ群を
    保持するレンズ保持手段に接し、他方の面が前記温度検
    出手段の検温面に接していることを特徴とする請求項1
    の光学機器。
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