JP2003185908A - 光学機器 - Google Patents

光学機器

Info

Publication number
JP2003185908A
JP2003185908A JP2001380780A JP2001380780A JP2003185908A JP 2003185908 A JP2003185908 A JP 2003185908A JP 2001380780 A JP2001380780 A JP 2001380780A JP 2001380780 A JP2001380780 A JP 2001380780A JP 2003185908 A JP2003185908 A JP 2003185908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
lens
optical system
optical
position data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001380780A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Morimoto
孝 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001380780A priority Critical patent/JP2003185908A/ja
Publication of JP2003185908A publication Critical patent/JP2003185908A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影レンズなどの光学機器において、温度変
化などの環境変化があっても、それに応じて移動レンズ
群の移動軌跡をその都度適切に設定できるようにするこ
とで、結像面のズレを補正する。 【解決手段】 制御手段13により移動レンズ群10
2、104を駆動させて光学系1の調整を行う為の制御
情報を記憶する記憶手段14と、光学系1に関する温度
情報を検出する温度検出手段12とを有する。記憶手段
14は、制御情報として、基準温度における移動レンズ
群102、104の位置データと、この位置データを温
度検出手段12からの信号に基づいて補正する為の温度
補正係数データとを含む。制御手段13は、制御情報に
基づいてレンズ駆動手段5、6を制御することで、温度
変化に伴う光学系1の結像面位置の変動を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学機器に関し、特
に、ビデオカメラ、銀塩カメラ、電子スチルカメラ等の
光学機器であって、フォーカスや変倍の際に光軸上を移
動する移動レンズを有した光学系(撮影光学系)、例え
ば単一焦点距離の撮影レンズやズームレンズ等の光学系
を備えて、環境変化があったときのピントズレを該移動
レンズによって補正するようにした光学機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ等の光学機器においては、
撮影光学系の小型化及び固体撮像素子のイメージサイズ
の小径化が急速に進んでいる。また、撮影光学系を構成
する光学材料として、プラスチック材料が多く用いられ
ている。プラスチック材料を用いると、金型によってレ
ンズを容易に成形でき、又その形状の任意性も大きく、
又ガラス材料に対してコストメリットが大きいなどの特
長がある。この為、プラスチック材料より成るレンズ
が、ファインダ系や、赤外線アクティブオートフォーカ
スユニットや、撮影光学系の一部等に多く使用されてい
る。
【0003】ところで、プラスチック材料は、無機ガラ
ス材料に比べて環境変化に対する物理的性質の変化が大
きい。例えば線膨張係数が大きく、プラスチック材料と
してのPMMAではこの線膨張係数が代表値で67.9
×10-6/℃であるのに対して、無機ガラスのLaK1
4(OHARA製)ではこれが57×10-7/℃と1桁
小さい。また温度変化に対する屈折率の変化について
も、PMMAでは代表値で1.0〜1.2×10-4/℃
であるのに対して、上記LaK14では、D線で3.9
〜4.4×10-6/℃と2桁小さい。
【0004】このようにプラスチック材料は、無機ガラ
ス材料に比べて、温度変化に対して光学的諸定数(屈折
率や形状等)の変化が大きい。例えばプラスチック材料
より成るレンズ、所謂プラスチックレンズは、無機ガラ
ス材料より成るレンズに比べて、温度変化に対して焦点
距離が大きく変化する。
【0005】このような問題点に対処するために、例え
ば特開平8−292359号公報においては、プラスチ
ックレンズの環境変化、特に温度変化に伴う光学系の結
像面位置の変動を補正する手段が記されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光学系の一部にプラス
チックレンズを用いると前述のような効果が得られる。
しかしながらその反面、上述のように、環境変化、特に
温度変化があると、無機ガラス材料より成るレンズを用
いた場合に比べて焦点距離等の光学的性質が大きく変化
してくるという問題点を有する。
【0007】最近の光学機器は、撮影光学系の小型化、
固体撮像素子の小型化、各要素の高密度化などを図っ
て、小型化されている。このため、光学機器に用いてい
る光学系の予定結像面に対し、温度変化による結像面の
ズレの影響が大きくなるという問題がある。したがっ
て、このような環境変化による結像位置のズレをいかに
効果的に補正するかが大きな問題点となっている。
【0008】そこで本発明は、フォーカスや変倍の為に
光軸上を移動する移動レンズ群を有する、撮影レンズな
どの光学機器であって、温度変化などの環境変化があっ
ても、その環境変化に応じて移動レンズ群の移動軌跡を
その都度適切に設定できるようにすることで結像面のズ
レを補正し、それによって高い光学性能を維持すること
ができる、ビデオカメラや銀塩カメラや電子スチルカメ
ラ等に好適な光学機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の、移動レンズ群を含む光学系により結像面
上に物体像を形成する光学機器は、前記移動レンズ群を
駆動するレンズ駆動手段と、このレンズ駆動手段の動作
を制御する制御手段と、前記制御手段によって移動レン
ズ群を駆動させて光学系の調整を行う為の制御情報を記
憶する記憶手段と、前記光学系に関する温度情報を検出
する温度検出手段とを有し、前記記憶手段は、制御情報
として、基準温度における移動レンズ群の位置データ
と、この位置データを前記温度検出手段からの信号に基
づいて補正する為の温度補正係数データとを含んでお
り、前記制御手段は、前記制御情報に基づいてレンズ駆
動手段を制御することで、温度変化に伴う光学系の結像
面位置の変動を補正するように構成されているようにし
たものである。
【0010】これにより、温度変化などの環境変化があ
っても、それに応じて移動レンズ群の移動軌跡をその都
度適切に設定することにより結像面のズレを補正して、
高い光学性能を維持することができる。
【0011】本発明の光学機器は、ビデオカメラである
ことが好ましい。光学系は、リアフォーカスタイプのズ
ームレンズであることが好ましい。また光学系は複数の
レンズ群を有し、該複数のレンズ群は少なくとも一部に
プラスチックレンズを有することが好ましい。
【0012】本発明によれば、記憶手段は光学系調整時
の温度情報を記憶するように構成され、制御手段は、レ
ンズ駆動手段を制御する為の温度補正係数データを、前
記記憶手段に記憶された光学系調整時の温度に応じて、
この記憶手段から引き出すように構成されるとともに、
前記温度補正係数データに基づいて移動レンズ群の初期
温度補正位置データを算出するように構成されているの
が好適である。
【0013】すなわち制御手段は、光学系を使用開始す
るときに一度だけ、レンズ駆動手段を制御する為の制御
情報である温度補正係数データを、光学系の調整時に温
度検出手段によって検出し記憶手段に記憶した温度に応
じて前記記憶手段から引き出し、この温度補正データに
基づいて移動レンズ群の温度補正位置データを算出する
ことになる。
【0014】本発明によれば、初期温度補正位置データ
は、記憶手段から得られた光学系調整時の温度情報と基
準温度との差分値の関数として定義されるのが好適であ
る。また初期温度補正位置データは、温度検出手段にて
検出された温度と基準温度との差分値に温度補正係数デ
ータを掛け合わせた結果に、基準温度における移動レン
ズ群の位置データを足し合わせたもので定義されるのが
好適である。
【0015】本発明によれば、制御手段は、レンズ駆動
手段を制御する為の温度補正係数データを、温度検出手
段によって検出された温度に応じて記憶手段から引き出
し、前記温度補正係数データに基づいて前記移動レンズ
群の温度補正位置データを算出するように構成されてい
るのが好適である。
【0016】また本発明によれば、温度補正位置データ
は、検出手段から検出された温度と基準温度との差分値
の関数として定義されるのが好適である。また温度補正
位置データは、検出手段にて検出された温度と基準温度
との差分値に温度補正係数データを掛け合わせた結果
に、基準温度における移動レンズ群の位置データを足し
合わせたもので定義されるのが好適である。
【0017】本発明によれば、温度補正係数データは、
変倍の為の移動レンズ群の位置の関数として定義される
のが好適である。温度検出手段は、感温抵抗を使用した
センサ又はサーミスタを使用したセンサを少なくとも1
個有するのが好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の光
学機器の要部ブロック図である。図中1は、光学系であ
って、4つのレンズ群を有した、所謂4群構成のリアフ
ォーカスズームレンズ(以下「RFZレンズ」と称す
る)である。
【0019】RFZレンズ1は、固定レンズ群である第
1のレンズ群(以下「前玉」と称する)101と、移動
レンズ群であり変倍機能を有する第2のレンズ群(以下
「バリエータ」と称する)102と、固定レンズ群であ
る第3のレンズ群(以下「アフォーカル」と称する)1
03と、移動レンズ群でありフォーカスと変倍に伴う像
面変動を補正するコンペンセータとしての機能を有する
第4のレンズ群(以下「RR」と称する)104とより
成っている。
【0020】実際には上記の各レンズ群は複数枚のレン
ズで構成されていて、例えば図示のRFZレンズ1は、
前玉101は3枚、バリエータ102は3枚、アフォー
カル103は1枚、RR104は2枚の、4群9枚のレ
ンズ構成より成っている。
【0021】図示の例においては、少なくとも1つのレ
ンズ群に、プラスチック材より成るプラスチックレンズ
を使用している。該プラスチックレンズの材料として
は、アクリル系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート
等が適用可能である。
【0022】図示の例ではプラスチックレンズをレンズ
群中のどこに用いるかは特に限定されるものではなく、
又各レンズ群中に全く使用しない場合もある。102a
はバリエータ102を保持するための部材(以下「V移
動環」と称する)、104aはRR104を保持するた
めの部材(以下「RR移動環」と称する)である。これ
らの移動環は、PC(ポリカーボネート)を使用して、
金型による成形、又は切削加工により製作している。
【0023】2は上記レンズ群を保持するための部材
(以下「鏡筒」と称する)であり、PC(ポリカーボネ
ート)を使用して、金型による成形、又は切削加工によ
り製作している。
【0024】本発明においては、V移動環102aやR
R移動環104aや鏡筒2に関し、特に上記材料及び製
作方法を限定するものではなく、上記以外でも例えば、
アルミニウムやチタン等の金属材料をダイカストにより
成形したものや、ダイカスト成形した後に2次加工によ
って製作したもの、又はブロックから直接切削加工した
ものでも良い。
【0025】鏡筒2はいくつかの部材に分けて形成して
も良く、本発明においては特に限定するものでない。例
えば、筒状もしくは箱形の鏡筒2をRFZレンズ1の光
軸105に対して平行に分けた2部材から形成しても良
く、又光軸105に対して垂直に分けた2部材から形成
しても良く、又各々2部材だけでなくそれ以上の複数部
材から形成しても良い。
【0026】前玉101及びアフォーカル103は、保
持部材101a、103aに各々固定したうえで、鏡筒
2に固定する構成としている。しかし、鏡筒2に直接固
定しても良く、特に限定するものではない。
【0027】3は絞り部材で、結像面としてのCCD等
の光電変換素子18に入射する光量を調節するものであ
る。そして、iGメータ又はSTEPモータ等の駆動手
段7により絞り部材3内の絞り羽3aを光軸105に対
して略垂直に駆動することによって、この絞り部材3の
開口部3bの面積を可変としている。9は絞りエンコー
ダであり、iGメータの回転角度を検出している。
【0028】この光量調節は、具体的には、光電変換素
子18に入射する光量が一定になるように、絞り制御回
路20と駆動回路16とによって駆動手段7により絞り
部材3の絞り羽3aを駆動して開口部3bの面積を制御
することで、行っている。22は、絞りエンコーダ9か
らの信号を検出する検出回路である。
【0029】図示のものにおいては、機械式の絞り部材
3と駆動手段7とエンコーダ9とによって絞りユニット
を構成しているが、これに限定するものではない。4は
フィルタユニットであり、光電変換素子18の前に置か
れるとともに、水晶等の光学的ローパスフィルタ4a、
赤外線遮断フィルタ4b等を有している。
【0030】各フィルタ4a、4bは、図示のものでは
光電変換素子18の直前に一体的に配置されているが、
各々別体で配置しても良い。また、RFZレンズ1にお
ける、各フィルタの機能を発揮できる任意の位置に配置
しても良い。19はカメラプロセス回路で、光電変換素
子18からの出力信号を処理して画像信号として出力す
る。
【0031】5、6は各々ステップモータ等のレンズ駆
動手段で、移動レンズ群102、104を光軸105の
方向に移動させるためのものである。5a、6aは表面
に所定のピッチでネジが切られているリードスクリュー
ネジであり、レンズ駆動手段5、6によって回転駆動さ
れる。102b、104bはラックで、各々V移動環1
02a、RR移動環104aと同一部材として形成する
か、又は別部材として形成したうえでV移動環102a
及びRR移動環104aへ接着等で一体化したものであ
る。このラック102b、104bはリードスクリュー
ネジ5a、6aとかみ合っており、レンズ駆動手段5、
6が正逆転することによって、V移動環102a、RR
移動環104aが光軸105に平行な方向に移動する。
15、17は駆動回路で、レンズ駆動手段5、6として
のステップモータを駆動するためのものである。
【0032】8b、10bは各々遮光板であり、V移動
環102a、RR移動環104aと同一部材として形成
するか、又は別部材として形成したうえでV移動環10
2a、RR移動環104aに接着等で一体化したもので
ある。鏡筒2にはフォトインタラプタ8a、10aが設
けられており、遮光板8b、10bがV移動環102
a、RR移動環104aの移動によってフォトインタラ
プタ8a、10aの位置に来ることで、これらフォトイ
ンタラプタ8a、10aからの信号が変化する。そし
て、この変化を検出することで、バリエータ102及び
RR104の基準位置(以下「レンズ初期リセット位
置」と称する。)を決定している。すなわち、フォトイ
ンタラプタ8a、10aと遮光板8b、10bとは、レ
ンズ初期位置検出手段の一要素を構成している。21、
23は、フォトインタラプタ8a、10aからの信号を
検出する検出回路である。
【0033】また、ステップモータにて構成されたレン
ズ駆動手段5、6を駆動する為の駆動パルス数をカウン
トすることで、各レンズ初期リセット位置からのバリエ
ータ102及びRR104の相対位置情報を検出してい
る。
【0034】このようにレンズ初期位置検出手段として
フォトインタラプタ8a、10aと遮光板8b、10b
との組み合わせを採用しているが、例えばホール素子と
マグネットの組み合わせ等を用いても良い。
【0035】また、上記においてはステップモータとレ
ンズ初期リセット位置検出手段の組み合わせを採用して
いるが、ボイスコイルモータ、DCモータ等と、磁気抵
抗効果素子又はホール素子とマグネット等の組み合わせ
によるレンズ位置検出手段との組み合わせでも良く、特
に限定するものではない。
【0036】12は温度検出手段で、サーミスタ等の感
温抵抗などによって構成され、光学系の温度を検出する
ことが可能である。この温度検出手段12によって検出
された温度情報は、その温度に対応した出力信号とし
て、検出回路24によってマイクロプロセッサ等の制御
回路(制御手段)13へ出力している。
【0037】図示の例においては、温度検出手段12は
前玉101の近傍に配置してある。これは、前玉101
が、計算上、温度変化に対する焦点距離の変化量が他の
レンズ群に比べて大きいためである。しかし、温度検出
手段12の置く位置は特に限定しない。
【0038】14はROM等の記憶手段で、バリエータ
102及びRR104の駆動情報と、光学系調整時に温
度検出手段12と検出回路24によって得られる温度情
報とが格納される。なお、図1においては制御回路13
と記憶手段14とは別のブロックとして表現されている
が、マイクロプロセッサ内に制御回路13と記憶手段1
4とが組み込まれていても良い。
【0039】11はズームスイッチであり、広角側(以
下「WIDE」と称する)へズーミングするときにはズ
ームスイッチ11aを押し、望遠側(以下「TELE」
と称する)へズーミングするときにはズームスイッチ1
1bを押すことによって、ズーミング動作を行うことが
可能である。すなわち制御回路13からの駆動信号によ
ってバリエータ102とRR104を駆動することで、
ズーミングを行うことが可能である。25は、そのため
の電源である。
【0040】RFZレンズ1は、被写体距離ごとに、バ
リエータ102の光軸105上の停止位置すなわちズー
ム位置に対応したRR104の光軸105上の停止位置
が決まっている。
【0041】図2に、被写体距離ごとに、バリエータ1
02とRR104との光軸上の停止位置をプロットした
もの(以下「カム軌跡」と称する)を示す。図2におい
て、例えば被写体距離が無限遠のときは、バリエータ1
02がWIDEからTELEへ向けて光軸105上を移
動すると、RRレンズ104は曲線Y∞の如く、光軸1
05上を物体側へ凸状の軌跡を有しつつ移動する。
【0042】そこで、あらかじめ記憶手段14にこのよ
うなカム軌跡のデータを記憶しておき、WIDEからT
ELE、又はTELEからWIDEへズーミングすると
きには、被写体距離に応じて上記カム軌跡をトレースす
るように、記憶手段14に記憶しているカム軌跡に基づ
いて、バリエータ102の移動に応じてRR104を駆
動制御する。これにより、ピントズレのない良好な画像
を得ることができる。
【0043】前述のように少なくとも1つのレンズ群に
プラスチックレンズを使用していると、環境変化により
プラスチックレンズの周囲に温度変化が生じた場合に
は、前述したように材料の線膨張係数が大きい為にレン
ズの形状が変化したり、材質の屈折率の温度係数が大き
い為に屈折率が変化したりして、焦点距離が大きく変化
してくる。つまり、温度変化が生じると、各レンズ群の
焦点距離が変化して、RFZレンズ1のトータルの焦点
距離も変化してくる。その結果、基準温度Tref(た
とえば20℃に設定することができる)のもとでの結像
面に対して結像面がズレてくる。即ちピントズレが発生
してくる。従ってズーミングする場合に温度変化が生じ
たときは、温度変化によって発生した結像面のズレを補
正するように、移動レンズ群をトレースするための上記
カム軌跡を補正する必要がある。
【0044】図3に、基準温度Tref=20℃に対し
て温度が(Tref+30)℃のときと、(Tref−
30)℃のときの、被写体距離が無限の場合のカム軌跡
を示す。図示の場合は、基準温度Tref に対して高
温になるとRRレンズ104の物体側への繰り出し量が
大きくなり、逆に基準温度Trefに対して低温側にな
ると繰り出し量が小さくなる。図示の場合は、温度変化
に対するピントずれが最も大きいのは、TELE端であ
る。
【0045】ここでは、バリエータ102とRR104
の光軸上の可動範囲において、バリエータ102の位置
に対する被写体距離毎のRR104の物体側への繰り出
し量である基準温度Trefにおける代表位置データP
RRを予め記憶手段14に格納してある。又上記バリエ
ータ102の位置PVに対する被写体距離毎のRR10
4の位置データPRRの温度補正係数CPRRも同様に
予め記憶手段14に格納してある。
【0046】たとえばバリエータ102の可動範囲を所
定幅で分割し、この分割領域毎に、被写体距離毎のRR
104の基準温度Trefにおける代表位置データと、
被写体距離毎のRR104の位置データの温度補正係数
とを、各々数値データとして予め記憶手段14に格納し
ておく。但し、これに限定するものでない。例えば、バ
リエータ102の位置データを所定幅で分割しなくても
良く、その場合は、上記被写体距離毎のRR104の代
表位置データと温度補正係数を、バリエータ102の位
置データの関数として定義しても良い。
【0047】上述の温度補正係数は、基準温度Tref
に対して温度変化が生じた際の、プラスチックレンズの
焦点距離の変化及びRFZレンズ1の各レンズ群を保持
する保持部材の伸縮によるレンズ間隔の変化によるピン
トずれの影響を考慮して算出されるものである。
【0048】ここでは、温度検出手段12及び検出回路
24にて得られた温度情報データTが基準温度Tref
に対して温度差を生じたときに、次の式によって、移動
レンズ群の代表位置データPRRを温度補正係数CPR
Rと前記温度差とによって補正して、RR104の温度
位置データPRRTを算出する。
【0049】PRRT=CPRR×(T−Tref)+
PRR但し、これに限定されるものでなく、温度変化に
よるRR104の繰り出し量の変化を、任意の関数(例
えば2次式、3次式、4次式、指数関数、対数関数等)
で近似しても良い。
【0050】次に図1の光学機器の動作について、図4
に示すフローチャートによって説明する。初めに電源2
5が投入される(ステップS−1)。次にフォトインタ
ラプタ8a、10aからの信号を各検出回路21、23
を通して読み込む(ステップS−2)。次に制御回路1
3にて、各々読み込んだ信号に応じた方向へ、即ち検出
回路21、23からの信号がhighのときはlowと
なる方向へ、同信号がlowのときはhighとなる方
向へ、バリエータ102とRR104を各々駆動する
(ステップS−3)。このとき、各フォトインタラプタ
8a、10aからの信号が変化するまで、バリエータ1
02とRR104を駆動する(ステップS−4)。
【0051】各フォトインタラプタ8a、10aの信号
が変化した位置を、バリエータ102、RR104のそ
れぞれ初期リセット位置とする(ステップS−5)。即
ち、上記信号の変化した位置でバリエータ102とRR
104を停止させて、制御回路内13のバリエータ10
2、RR104の各カウンタをクリアする(ステップS
−6)。該カウンタは、バリエータ102、RR104
の駆動パルスをカウントするものであり、これによって
初期リセット位置からのバリエータ102及びRR10
4の相対的な現在位置を検出している(ステップS−
7、ステップS−8)。
【0052】次に光学系調整時に記憶した調整温度T
(c)と基準温度Trefとを比較してその差分 ΔTc(=T(c)−Tref) をとる(ステップS−9、ステップS−10)。
【0053】その上で温度補正係数CPRRを読み込ん
でΔTcへ掛け合わせる(ステップS−11、ステップ
S−12)。即ち ΔTc×CPRR の値を求める。この結果を基準温度の代表位置データP
RRに足し合わせる(ステップS−13、ステップS−
14)。即ち ΔTc×CPRR+PRR の値を求める。これによって、RR104の繰り出し量
を算出している。上記算出データを基に、バリエータ1
02とRR104を各々駆動する(ステップS−1
5)。
【0054】次に、ズームスイッチ11が押されている
か否かをチェックする(ステップS−16)。ズームス
イッチ11aが押されている時はWIDE方向へズーミ
ングが行われ、またズームスイッチ11bが押されてい
る時はTELE方向へズーミングが行われる(ステップ
S−18〜ステップS−26)。なお、押されていない
場合は、ズーミング動作しない(ステップS−17)。
【0055】以下、TELE方向にズーミングされる場
合についてのみ説明する。なお、WIDE方向は、TE
LE方向と全く同様のルーチンなので、ここではその説
明を省略する。
【0056】まず、カウンタよりバリエータ102の位
置を読み出して、このバリエータ102がどの分割領域
にいるかをサーチし、現在のバリエータ102のいる領
域を決める(ステップS−18)。同様にしてカウンタ
よりRR104の位置PRRを読み出す(ステップS−
19)。
【0057】次に、前玉101の周囲に配置した温度検
出手段12からの出力信号を検出回路24を通して制御
回路13に入力することで、温度検出手段12が置かれ
ている場所の温度Tを検出する。以下、電源が投入され
てからt秒後の検出温度をT(t)とする。
【0058】実際には制御回路13はマイクロプロセッ
サ(以下「マイコン」と称する。)にて構成されてお
り、このマイコンのサンプリング周波数に応じてマイコ
ン内に検出温度をデータとして取り込むので、電源投入
時からの所定時間毎の検出温度データの取り込み回数を
k回として、上記T(t)をT(k)と表すことにする
(ステップS−20)。
【0059】なお、検出温度データ列は、時間の関数と
なっているのが本質であり、ここでは、その表現の仕方
を特に限定するものでない。次に、検出した環境温度T
(k)と基準温度Trefとを比較してその差分 ΔT(=T(k)−Tref) をとる(ステップS−21)。その上で温度補正係数C
PRRを読み込んで(ステップS−22)、これをΔT
へ掛け合わせる(ステップS−23)。すなわち、 ΔT×CPRR を求める。そして、この結果を基準温度の代表位置デー
タPRRに足し合わせる。すなわち、基準温度の代表位
置データPRRを読み込んで(ステップS−24)、 ΔT×CPRR+PRR の値を求めることで(ステップS−25)、RR104
の繰り出し量を算出する。上記算出データを基に、バリ
エータ102とRR104を各々駆動する(ステップS
−26)。その後は、ステップS−16に戻る。
【0060】以上、ズーミング中の動作について説明し
た。ズーミング中にオートフォーカスを作動させないこ
とを前提として説明したが、作動させても支障のないこ
とは明らかである。
【0061】以上説明した構成とすることで、ズーミン
グ中、及びAF動作中に温度変化があった場合でも、又
温度が一定でも基準温度からのずれが生じた場合におい
ても、ピントズレのない良好な画像を得ることができ
る。
【0062】上記においては、サーミスタなどの温度検
出手段12を1個使用しているが、複数個使用してもよ
く、これによれば、より良好な効果が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、フォーカ
スや変倍の為に光軸上を移動する移動レンズ群を有する
光学系(撮影レンズ)を用いた場合において、温度変化
などの環境変化があったときに、この環境変化に応じて
移動レンズ群の移動軌跡をその都度適切に設定すること
により結像面のズレを補正して、高い光学性能を維持す
ることのできるビデオカメラや銀塩カメラそして電子ス
チルカメラ等に好適な光学機器を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の光学機器の要部ブロック
【図2】被写体距離ごとにバリエータとRRの光軸上の
停止位置をプロットしたカム軌跡の図
【図3】基準温度に対して温度が変動したときの、被写
体距離が無限の場合のカム軌跡の図
【図4】図1の光学機器の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 RFZレンズ(光学系) 5 レンズ駆動手段 6 レンズ駆動手段 12 温度検出手段 13 制御回路(制御手段) 14 記憶手段 18 光電変換素子(結像面) 102 バリエータ(移動レンズ群) 104 RR(移動レンズ群)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動レンズ群を含む光学系により結像面
    上に物体像を形成する光学機器であって、前記移動レン
    ズ群を駆動するレンズ駆動手段と、このレンズ駆動手段
    の動作を制御する制御手段と、前記制御手段によって移
    動レンズ群を駆動させて光学系の調整を行う為の制御情
    報を記憶する記憶手段と、前記光学系に関する温度情報
    を検出する温度検出手段とを有し、 前記記憶手段は、制御情報として、基準温度における移
    動レンズ群の位置データと、この位置データを前記温度
    検出手段からの信号に基づいて補正する為の温度補正係
    数データとを含んでおり、 前記制御手段は、前記制御情報に基づいてレンズ駆動手
    段を制御することで、温度変化に伴う光学系の結像面位
    置の変動を補正するように構成され、ていることを特徴
    とする光学機器。
  2. 【請求項2】 ビデオカメラであることを特徴とする請
    求項1記載の光学機器。
  3. 【請求項3】 光学系はリアフォーカスタイプのズーム
    レンズであることを特徴とする請求項1又は2記載の光
    学機器。
  4. 【請求項4】 光学系は複数のレンズ群を有し、該複数
    のレンズ群は少なくとも一部にプラスチックレンズを有
    することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1
    項記載の光学機器。
  5. 【請求項5】 記憶手段は光学系調整時の温度情報を記
    憶するように構成され、制御手段は、レンズ駆動手段を
    制御する為の温度補正係数データを、前記記憶手段に記
    憶された光学系調整時の温度に応じて、この記憶手段か
    ら引き出すように構成されるとともに、前記温度補正係
    数データに基づいて移動レンズ群の初期温度補正位置デ
    ータを算出するように構成されていることを特徴とする
    請求項1から4までのいずれか1項記載の光学機器。
  6. 【請求項6】 初期温度補正位置データは、記憶手段か
    ら得られた光学系調整時の温度情報と基準温度との差分
    値の関数として定義されるように構成されていることを
    特徴とする請求項5記載の光学機器。
  7. 【請求項7】 初期温度補正位置データは、温度検出手
    段にて検出された温度と基準温度との差分値に温度補正
    係数データを掛け合わせた結果に、基準温度における移
    動レンズ群の位置データを足し合わせたもので定義され
    るように構成されていることを特徴とする請求項5又は
    6記載の光学機器。
  8. 【請求項8】 制御手段は、レンズ駆動手段を制御する
    為の温度補正係数データを、温度検出手段によって検出
    された温度に応じて記憶手段から引き出し、前記温度補
    正係数データに基づいて前記移動レンズ群の温度補正位
    置データを算出するように構成されていることを特徴と
    する請求項1から4までのいずれか1項記載の光学機
    器。
  9. 【請求項9】 温度補正位置データは、検出手段から検
    出された温度と基準温度との差分値の関数として定義さ
    れるように構成されていることを特徴とする請求項8記
    載の光学機器。
  10. 【請求項10】 温度補正位置データは、検出手段にて
    検出された温度と基準温度との差分値に温度補正係数デ
    ータを掛け合わせた結果に、基準温度における移動レン
    ズ群の位置データを足し合わせたもので定義されるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項8又は9記載
    の光学機器。
  11. 【請求項11】 温度補正係数データは、変倍の為の移
    動レンズ群の位置の関数として定義されるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1から10までのいず
    れか1項記載の光学機器。
  12. 【請求項12】 温度検出手段は、サーミスタなどの感
    温抵抗を使用したセンサを少なくとも1個有することを
    特徴とする請求項1から11までのいずれか1項記載の
    光学機器。
JP2001380780A 2001-12-14 2001-12-14 光学機器 Pending JP2003185908A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380780A JP2003185908A (ja) 2001-12-14 2001-12-14 光学機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001380780A JP2003185908A (ja) 2001-12-14 2001-12-14 光学機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003185908A true JP2003185908A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27591672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001380780A Pending JP2003185908A (ja) 2001-12-14 2001-12-14 光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003185908A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007140417A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Casio Hitachi Mobile Communications Co Ltd 撮像装置及びレンズ移動制御方法
JP2011075601A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Fujifilm Corp 温度補正量修正システムおよびその動作制御方法
WO2012147278A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 Necカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 光学装置、光学装置のレンズの移動方法、および、光学装置のレンズの移動プログラム
JP2016028308A (ja) * 2011-03-31 2016-02-25 株式会社ニコン レンズ鏡筒およびカメラシステム

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007140417A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Casio Hitachi Mobile Communications Co Ltd 撮像装置及びレンズ移動制御方法
JP2011075601A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Fujifilm Corp 温度補正量修正システムおよびその動作制御方法
JP2016028308A (ja) * 2011-03-31 2016-02-25 株式会社ニコン レンズ鏡筒およびカメラシステム
WO2012147278A1 (ja) * 2011-04-27 2012-11-01 Necカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 光学装置、光学装置のレンズの移動方法、および、光学装置のレンズの移動プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3581513B2 (ja) 光学機器
EP0694799B1 (en) Optical apparatus
JP4346988B2 (ja) 撮影装置および撮影装置の光学調整方法
US6822688B2 (en) Movable-lens position control apparatus
JP5839786B2 (ja) 撮像装置およびトラッキングデータの調整方法
JP3893203B2 (ja) 光学機器
US7589768B2 (en) Image-taking apparatus and focus control method of image-taking apparatus with first and second control method in first zoom state and only second control method in second zoom state
JP2773310B2 (ja) ピント調整手段を有したズームレンズ
EP1591819A1 (en) Drive controller of a lens system
JP2003185908A (ja) 光学機器
JPH0440405A (ja) ズームレンズ装置
JP3412990B2 (ja) 光学機器
JP3584088B2 (ja) 光学機器
US20060044456A1 (en) Zoom lens system and camera using the same
JP3782484B2 (ja) 光学機器
JPH09222544A (ja) 光学機器
JPH11183775A (ja) 光学機器及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JP4441018B2 (ja) 光学機器
JPH09159896A (ja) 光学機器
JPH11258496A (ja) 自動焦点調節装置および方法
JPH09211312A (ja) 光学機器
JPH09311267A (ja) 光学機器
JPH0990188A (ja) 光学機器
JP5288913B2 (ja) 光学機器
JPH0968638A (ja) 光学機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041214

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060524

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060530

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20061003

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02