JPH09221707A - 可動仮設路面構造体及びその設置・撤去方法 - Google Patents

可動仮設路面構造体及びその設置・撤去方法

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JPH09221707A
JPH09221707A JP8052499A JP5249996A JPH09221707A JP H09221707 A JPH09221707 A JP H09221707A JP 8052499 A JP8052499 A JP 8052499A JP 5249996 A JP5249996 A JP 5249996A JP H09221707 A JPH09221707 A JP H09221707A
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deck
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禎 笹尾
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稔 下河内
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好徳 曽根
Motohiro Mikami
元弘 三上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路トンネル内のように限られた通行空間で
の使用を可能とするために路盤から桁組上の路面板まで
の全高を極力低くでき、構造を簡素化でき、設置・撤去
を迅速且つ容易に行うことができ、保守も容易となるよ
うにする。 【解決手段】 既設道路面上を摺動可能なそり式スライ
ドガイド10と、該スライドガイドに対してスライド自
在のスライドシューを有する主桁22と横桁24からな
る桁組と該桁組に上載した路面板20とを備えたデッキ
12と、該デッキを前記スライドガイドに対して昇降さ
せることで両者を互いに接離可能とする複数のジャッキ
14を具備している。そしてデッキを上昇してスライド
ガイドから切り離しスライドガイドのみを摺動させる動
作と、デッキを下降しスライドガイドに接触させてスラ
イドガイド上でデッキをスライドさせる動作とを交互に
行うことで移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、供用中の道路の路
面とその下の掘削を伴う工事で用いる可動仮設路面構造
体及びその設置・撤去方法に関するものである。更に詳
しく述べると本発明は、既設道路面上を摺動可能なそり
式スライドガイドと、それに対してスライド自在のスラ
イドシューを有する桁組に路面板を上載したデッキと、
該デッキを昇降させる複数のジャッキを具備し、デッキ
を分離したスライドガイドのみの摺動動作とスライドガ
イド上でのデッキのスライド動作を交互に行うことで移
動可能とした可動仮設路面構造体に関するものである。
本発明の装置は、特にトンネル内のように限られた通行
空間での仮設路面の設置・撤去に好適である。
【0002】
【従来の技術】供用中の道路の路面とその下の掘削を伴
う工事であって、且つ一箇所の工事の完了に要する時間
が一回の通行閉鎖可能な時間よりも多くなる場合はしば
しばある。工事が長期化する場合には、迂回路を設ける
方法もあるが、費用がかかるばかりでなく、迂回路が設
けられない工事場所もある。そのような場合、路面の上
方に通行可能な構台を仮設しておいて、その下で工事を
行うか、あるいは通路覆工を施しておいて、その一部を
除いて上から工事を行う方法が採られている。
【0003】そのような場合、その箇所の工事が終了す
れば、構台を解体して次の工事箇所に移設しなければな
らない。そのため構台の解体・設置に多くの時間と労力
に多くを要するばかりでなく本体工事の作業性も悪くな
る。通路覆工を施す方法も、通行閉鎖時間帯の前後で煩
雑な覆工の除去と復元を行わねばならず、作業が煩雑で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような欠点を解消
できるものとして、車輪走行方式の移動桟橋型の仮設通
路の使用が検討されている。つまり、桟橋型の仮設通路
に車輪を設け、必要な時に必要な箇所に自由に移動でき
るようにする構造である。しかし、大型の車両が通行で
きるようにする関係上、その構造と機構は複雑となる
し、重量も非常に大きくなる。
【0005】例えば、既設の道路トンネルの路盤の一部
区間の変状を改築するために、インバートを施工したい
場合がある。インバートの設計に当たっては、できるか
ぎり変状の原因部分の地盤を攪乱しないこと、改築のた
めの開削部分をできるだけ早く閉合することが要求され
た。またこの施工に際しては、道路トンネルの社会的要
求の関係上、夜間の一定時間は通行閉鎖可能であるが、
それ以外の時間帯は上下全ての車線の通行を確保すると
いう厳しい施工条件が付与された。このような場合、車
輪走行方式の移動桟橋型仮設通路は、工事箇所への設置
・撤去は容易であるが、トンネル内のように通行空間の
限られた場所では、現存の路盤から仮設路面までの高さ
が非常に高くなるため、到底使用できない。低背化する
ために車輪の径を小さくすることも考えられるが、既設
の道路トンネル内に引き込んで使用できるまで車輪を小
さくすると、移動の際の摩擦抵抗は非常に大きくなり、
大型で且つ重量の大きな桟橋型仮設通路を移動すること
は極めて困難となる。まして、車輪を用いることなく桟
橋型仮設通路全体を摺動させることは到底不可能であ
る。
【0006】本発明の目的は、道路トンネル内のように
限られた通行空間での使用を可能とするために路盤から
桁組上の路面板までの全高を極力低くでき、構造を簡素
化でき、設置・撤去を迅速且つ容易に行うことができ、
保守も容易であるような仮設路面構造体及びその設置・
撤去方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る可動仮設路
面構造体は、既設道路面上を摺動可能なそり式スライド
ガイドと、該スライドガイドに対してスライド自在のス
ライドシューを有する桁組と該桁組に上載した路面板と
を備えたデッキと、該デッキを前記スライドガイドに対
して昇降させることで両者を互いに接離可能とする複数
のジャッキを具備している。そしてデッキを上昇してス
ライドガイドから切り離しスライドガイドのみを摺動さ
せる動作と、デッキを下降しスライドガイドに接触させ
てスライドガイド上でデッキをスライドさせる動作とを
交互に行うことで移動可能にした構成である。
【0008】ここでスライドガイドは、例えば道路幅方
向に配列した複数本の溝型鋼からなる。他方、デッキの
桁組は、道路に沿って延びる複数本の主桁とそれに直交
するように配設した複数本の横桁とからなり、前記主桁
の下面はスライドシューとして溝型鋼内に嵌入可能な構
造とする。そして前記主桁と前記溝型鋼との間に潤滑性
シートを介在させてデッキをスライドガイドに対してス
ライド自在とする。潤滑性シートとしては、例えばポリ
テトラフルオロエチレン樹脂(商品名:テフロン)のシ
ートを用い、それを主桁と溝型鋼の対向面にそれぞれ貼
着する構成が望ましい。ジャッキは4個以上必要であ
り、デッキと共に移動でき且つデッキを均等に昇降させ
得るようにデッキから分散吊設する構成とする。主桁と
溝型鋼の間で良好なスライド性を確保するために、潤滑
性シートに圧搾ガス噴出用の多数の細孔を形成して、そ
れと圧搾ガス供給装置とを接続し、対向面に圧搾ガスを
噴出させて圧空により摩擦抵抗を減少させるような構成
も有効である。
【0009】デッキとスライドガイドは建設機械等によ
り押し引きして動かす構成としてもよいが、デッキとス
ライドガイドとの間に、それらを相対的に前進及び後退
可能とする駆動機構を設けて自走可能とすることもでき
る。自走機構は、索やタイミングベルト、ラックギアと
モータによる駆動、油圧シリンダによる駆動など、任意
の方式であってよい。デッキは、一般には中間の水平な
渡り部と、その前後の傾斜したアプローチ部とからな
る。それらは別体の構成として別々に移動するようにし
てもよいし、両アプローチ部をヒンジ構造で中間の渡り
部に結合し、先端部をジャッキ等により持ち上げ可能な
一体構造とすることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】桁組上に路面板を上載したデッキ
は、そり式スライドガイド上に位置する。ジャッキによ
ってデッキのみを上昇させてスライドガイドから離した
状態とし、その状態でスライドガイドのみを既設道路面
上で摺動させる。スライドガイドは主として複数本の溝
型鋼からなるため、その重量は装置全体の重量に比べて
格段に小さく、比較的容易に路面上を摺動させることが
できる。次いでジャッキによりデッキを降下させてスラ
イドガイドに接する状態として、その状態で該デッキを
スライド上でスライドさせる。デッキはかなりの重量が
あるが、潤滑性シートなどが介在してスライドガイドと
の摩擦抵抗を極力小さくしてあるために、比較的容易に
スライドさせることができる。これらの動作を交互に繰
り返すことで、所望の地点まで自由に移動できる。路面
下工事箇所まで移動するれば、仮設路面構造体によって
覆工され、車両の通行が可能となる。また上記動作を繰
り返すことで仮設路面構造体を適当な位置まで移動して
路面下工事箇所を露出させれば、路面下工事を続行する
ことが可能となる。
【0011】この可動仮設路面構造体は、路面上の摺動
とスライドガイド上でのスライドにより移動する構成な
ので、既設道路面から路面板までの高さを非常に小さく
(例えば50〜60cm程度あるいはそれ以下)にできる
ために、通行空間の小さなトンネル内での路面下工事で
も使用できる。例えば供用中トンネル内の道路面を上下
両斜線に渡って抜き掘りしてインバートを施工するよう
な補修工事の場合、通行閉鎖可能な時間帯の前後で上記
のように仮設路面構造体の移動を行うと、夜間の一定時
間は通行閉鎖してインバート施工工事ができ、それ以外
の時間帯には上下すべての車線に渡って通行を確保する
ことができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明に係る可動仮設路面構造体の一
実施例を示す側面図であり、図2はその正面図(道路に
沿って見た図)である。この可動仮設路面構造体は、主
として、既設道路面上を摺動可能なそり式スライドガイ
ド10と、該スライドガイド10に対してスライド自在
のデッキ12と、該デッキ12を昇降させる複数のジャ
ッキ14とから構成されている。なお図1及び図2にお
いて、それぞれAはジャッキダウン状態(デッキ12が
スライドガイド10に接している状態)を示し、Bはジ
ャッキアップ状態(デッキ12がスライドガイド10か
ら離れている状態)を示している。また図1では本発明
を分かり易く説明するために、中間の水平な渡り部のみ
を描いているが、実際には図1の両側に傾斜したアプロ
ーチ部が設けられる。
【0013】スライドガイド10は、道路に沿って延び
る複数本(ここでは2本)の溝型鋼16を道路幅方向に
配列し、複数の連結部材18で相互に連結し一体化した
構造である。それに対してデッキ12は、前記スライド
ガイド10に対してスライド自在のスライドシューを有
する桁組と、該桁組に上載した路面板20とを備えた構
造である。デッキ12の桁組は、道路に沿って延びる主
桁22を複数本(ここでは2本)を道路幅方向に前記溝
型鋼16と同じ間隔で配列し、それに直交するように多
数本の横桁24を配列して一体化した構造である。横桁
24の上に路面板20が載せられる。主桁22及び横桁
24は、この実施例ではI型鋼を用いており、主桁22
の下面はスライドシューとして前記溝型鋼16内に嵌入
可能な構造となっている。そして主桁22と溝型鋼16
との対向面に潤滑性シートを介在させる。ここで潤滑性
シート28はポリテトラフルオロエチレン樹脂(商品
名:テフロン)のシートであり、主桁22と溝型鋼16
の対向面にそれぞれ貼着されている。
【0014】多数のジャッキ14は、デッキ12の横桁
24の両側に適当な間隔で調節されており、デッキ12
から吊設されてデッキ12と共に移動可能となってい
る。両側に設けた多数のジャッキ14を連動させること
で、図1及び図2のAに示すようなジャッキダウン状態
(デッキ12の主桁20がスライドガイド10の溝型鋼
16に接している状態)から、Bに示すようなジャッキ
アップ状態(デッキ12がスライドガイド10に対して
持ち上がっている状態)に自由に変化できる構成となっ
ている。これによって、デッキ12を持ち上げてスライ
ドガイド10のみを既設道路面上で摺動させたり、スラ
イドガイド10上でデッキ12をスライドさせる動作を
行わせることができる。これらの動作を交互に行うこと
で全体を所定の方向に所定の位置まで移動させることが
できる。
【0015】通行する大型の車両を支えるためにデッキ
12は非常に重量が大きくなるが、スライドガイド10
は主として2本の溝型鋼16からなるだけなので比較的
軽量であり、そり式に既設路面上を摺動可能である。ス
ライドガイド10とデッキ12との間には、前記のよう
に潤滑性シート28が介在しているため、デッキ12の
重量が非常に大きくてもスムーズに動かすことが可能で
ある。
【0016】既設道路面30から路面板20の上面まで
の高さは、スライド方式によって非常に低くできるが、
それでも数十cm(通常、50〜60cm程度)は必要であ
る。そこで前述のように水平な渡り部の前後に傾斜した
アプローチ部を設ける。アプローチ部は渡り部に対して
軽量化し得るため、それぞれ独立した構造とし既設路面
上を一体的に摺動可能な方式としてもよいが、中間の水
平な渡り部と一緒に移動するような構成とすることもで
きる。その例を図3に示す。前後の傾斜したアプローチ
部32を基端のヒンジ構造32aによって中間の渡り部
のデッキ12の端部に結合し、先端部32bを持ち上げ
可能な構造とする。そしてデッキ12側との間に設けた
ジャッキ34によって上げ下げ可能とし、仮想線で示す
位置まで上昇させることで既設道路面30から先端部3
2bを離せば、デッキ12と共に移動することが可能と
なる。
【0017】上記の実施例(図1及び図2)では、主桁
22の上に横桁24を載せ、その横桁24に路面板20
を上載した構成となっている。可動仮設路面構造体を、
例えばトンネル内に設置するような場合、通行空間が限
られているためにできるだけ低い構造物とする必要があ
る。そのような場合には図4に示すように、主桁22と
横桁24の上端面を揃えて連接する構造とする。その
際、必要に応じてスティフナ(補剛材)38を用いて溶
接する。これによって、横桁24の高さ分だけ仮設路面
構造体全体を低くすることが可能となる。
【0018】このように構成した可動仮設路面構造体の
動作を図5のA〜Hに示す。Aは定置状態を示してお
り、各ジャッキ14,36は縮み、前後のアプローチ部
32の先端部は道路面30上にあり、中間の水平な渡り
部となるデッキ12はそり式スライドガイド10の上に
接するように位置している。この状態からBに示すよう
に、まず前後のジャッキ36を伸ばし、前後のアプロー
チ部32を持ち上げて道路面に接しない状態にする。次
にCに示すようにジャッキ14を伸ばすと、デッキ12
が上昇しスライドガイド10から離れる。その状態で、
Dに示すように、スライドガイド10のみを道路面30
上を所定の距離L1 だけ摺動させる。その間、デッキ1
2はジャッキ14によって支持されているため、動くこ
とはなく、その重量がスライドガイド10に加わること
はない。次にEに示すようにジャッキ14を縮めると、
デッキ12は下降してスライドガイド10上に載る。こ
の状態からFに示すように、デッキ12をスライドガイ
ド10上で距離L2 だけスライドさせる。このスライド
動作は、潤滑性シートが介在しているために、大きな重
量が加わっていてもスムーズに行える。その後、Gに示
すように再びジャッキ14を伸ばしてデッキ12を上昇
させ、スライドガイド10から離す。そしてHに示すよ
うにスライドガイド10のみを距離L3 だけ摺動させ
る。このようにしてE〜Hの動作を繰り返せば、可動仮
設路面構造体を所定の位置まで容易に移動することがで
きる。その後、ジャッキ34を縮ませてアプローチ部3
2を下ろせば、通行可能となる。
【0019】スライドガイド10及びデッキ12を移動
する力は、ブルドーザー等の土木作業車両による牽引に
より簡便に与えることができるが、デッキとスライドガ
イドとの間に、それらを相対的に前進及び後退可能とす
る駆動機構を設けて自走可能にすることもできる。その
例を図6に示す。Aに示す例は、スライドガイド10と
デッキ12との間に索(ロープあるいはワイヤー)40
を掛け渡し、モータ42によって駆動する構成である。
Bに示す例では、索の代わりにタイミングベルト44を
用いている。その他、Cに示すようにスライドガイド1
0側に設けたラック46とデッキ12側に設けたピニオ
ン47との組合せでもよいし、Dに示すようにスライド
ガイド10にリンク棒48を設け、それをデッキ12に
設けた油圧シリンダ49で駆動する構成でもよい。いず
れにしても、デッキ12はスライドガイド10に対して
ジャッキ(図示せず)によって上下するため、上昇して
いる状態であっても下降している状態であっても駆動力
が伝達されるように工夫する必要がある。
【0020】牽引索方式の自走機構の具体例を図7に示
す。デッキ12の前後両端にシーブ50a,50bを設
け、スライドガイド10の中間部に一端を固定した牽引
索52を両方のシーブ50a,50bに掛け回し、他端
をスライドガイド10の中間部で固定する。デッキ12
には、牽引索52を動かすためのモータ等に結合した駆
動輪54を設けると共に、ばね等により牽引索52が弛
まないように調節するバランサー56を設ける。図7の
Aに示す状態は、デッキ12がジャッキ(図示せず)に
よって上昇し道路面で支持されている状態である。そり
式スライドガイド10はデッキ12よりも遙かに軽いの
で駆動輪54を回転させると矢印方向に牽引索52が動
き、そり式スライドガイド10は路面上を前進(図面左
手方向)する。前進した状態をBに示す。次にCに示す
ようにジャッキダウンを行い、スライドガイド10上に
デッキ12を載せる。その状態で駆動輪54を逆回転す
ると、デッキ12はスライドガイド10上をスライドし
て前進する。この際、スライドガイド10と道路面との
間には、デッキ12とスライドガイド10の総重量に比
例する摩擦力が働くため動くことは無い。それに対して
デッキ12とスライドガイド10との間は極めて摩擦の
小さい状態であるから、デッキ12はスムーズに前進す
ることになる。前進した状態をDで示す。これらA〜D
までの操作を繰り返すことで、仮設路面構造体は外部か
らの力を必要とすることなく、自力で所定の位置まで動
くことが可能となる。
【0021】上記の各実施例では、スライドガイド10
とデッキ12との間に潤滑性シート28を介在させて、
スムーズに動くように工夫してあるが、更に摩擦力を小
さくしたい場合には、それら潤滑性シートのどちらか一
方に圧搾ガス噴出用の多数の細孔を形成しておき、それ
に繋がるように圧搾ガス供給装置を設けておいて、圧搾
ガスを噴出させると、潤滑性シート間に圧搾ガスの層が
でき、それによってより小さな力でスムーズに動かすこ
とが可能となる。
【0022】次に、供用中トンネルにインバートを施工
する補修工事を例にとって本発明の仮設路面構造体の使
用状況を説明する。図8はトンネル60の断面を表し、
左半分は路面下工事のための抜き掘り中の状態を、右半
分はインバート施工後の状態を示している。図9に示す
ように、トンネル内の道路面の路面下を上下両車線にわ
たって例えば幅6mの長さずつ抜き掘り(抜き掘り箇所
を符号62で示す)してインバートを施工する。そのた
め、まずトンネルの側壁補強(上方アースアンカー)、
側道64の取り壊し、側壁補強(下方アースアンカ
ー)、側壁足部65の切除、縁石66の取り除き、側溝
67の取り壊し、路盤68の掘削、路床69の掘削等を
行う。次にコンクリートの打設は、コンクリート打設用
の型枠設置、インバートコンクリート70及び中埋めコ
ンクリート71の一体打設、側溝72の設置、側道コン
クリート73及び下部路盤74の形成、縁石75の設
置、側道コンクリート76の打設、上部路盤77の形成
等を行う。
【0023】従って、これらの作業はかなりの時間を要
する。そして一箇所の工事が終わったら、隣を工事する
ことになる。そこで図9に示すように、通行時間帯は路
面下工事箇所に本発明による仮設路面構造体80を設置
して時速20kmの速度で車両が通行できるようにし、通
行閉鎖時間帯には路面下工事箇所から仮設路面構造体8
0を移動して路面下工事を行う。その状態を図10に示
す。Aは路面下工事中(通行閉鎖)の状態を示し、Bは
通行許可時間中の状態を示す。符号Lは仮設路面構造体
80の移動距離を示す。路面下工事中は工事箇所82か
ら離れた既設道路面の適当な位置に撤去しておき、通行
許可時間帯は路面下工事箇所82を覆うように移動して
設置する。このようにして、路面下工事箇所82を車両
の通行から防護すると共に、車両の通行を円滑に行わせ
ることが可能となる。そして、撤去・設置に要する時間
及び作業量を必要最小限に抑えることができる。
【0024】本発明に係る可動仮設路面構造体は、トン
ネル内のように通行空間の限られた場所での使用に特に
適しているが、それ以外の一般の既設路面下工事等にも
適用できることは言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】本発明は上記のように既設道路面上を摺
動可能なそり式スライドガイドと、それに対してスライ
ド自在のスライドシューを有する桁組に路面板を上載し
たデッキと、複数のジャッキからなる構成であるから、
既設道路面から路面板までを非常に低くでき、トンネル
内等のように限られた通行空間でも路面下工事を円滑に
実施できる。このように全高が低いため、傾斜したアプ
ローチ部を含めて仮設路面構造体の全長を短くでき、そ
れだけ軽量化できる。そして移動を迅速且つ容易に行う
ことができ、移動のための機構も簡単なため運転保守も
容易となる。これらの利点のために、本発明による可動
仮設路面構造体を用いることによって、供用中トンネル
内の道路面を上下両車線にわたって抜き掘りしてインバ
ートを施工するような補修工事を、ある時間帯だけ通行
閉鎖とすることで実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可動仮設路面構造体の一実施例を
示す側面図。
【図2】その正面図。
【図3】傾斜したアプローチ部の構造の一例を示す説明
図。
【図4】デッキの桁組の他の実施例を示す説明図。
【図5】本発明に係る可動仮設路面構造体の移動状態を
示す説明図。
【図6】自走機構の例を示す説明図。
【図7】牽引索方式の自走機構の説明図。
【図8】供用中トンネルのインバート施工の状態を示す
断面図。
【図9】その上方から見た断面図。
【図10】仮設路面構造体の設置・撤去状態を示す説明
図。
【符号の説明】
10 スライドガイド 12 デッキ 14 ジャッキ 16 溝型鋼 20 路面板 22 主桁 24 横桁 28 潤滑性シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三上 元弘 東京都千代田区九段北4丁目2番6号 応 用地質株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設道路面上を摺動可能なそり式スライ
    ドガイドと、該スライドガイドに対してスライド自在の
    スライドシューを有する桁組と該桁組に上載した路面板
    とを備えたデッキと、該デッキを前記スライドガイドに
    対して昇降させることで両者を互いに接離可能とする複
    数のジャッキを具備し、スライドガイドのみの摺動動作
    とスライドガイド上でのデッキのスライド動作を交互に
    行うことで移動可能にしたことを特徴とする可動仮設路
    面構造体。
  2. 【請求項2】 スライドガイドは道路幅方向に配列した
    複数本の溝型鋼からなり、デッキの桁組は道路に沿って
    延びる複数本の主桁とそれに直交するように配設した複
    数本の横桁とからなり、前記主桁の下面はスライドシュ
    ーとして前記溝型鋼内に嵌入可能な構造をなし、前記主
    桁と前記溝型鋼との間に潤滑性シートを介在させて、デ
    ッキをスライドガイドに対してスライド自在とし、前記
    デッキの少なくとも4箇所にジャッキを分散吊設した請
    求項1記載の可動仮設路面構造体。
  3. 【請求項3】 潤滑性シートがポリテトラフルオロエチ
    レン樹脂のシートであり、且つ主桁と溝型鋼の対向面に
    それぞれ貼着されている請求項2記載の可動仮設路面構
    造体。
  4. 【請求項4】 主桁と溝型鋼の対向面にそれぞれ潤滑性
    シートが貼着されており、それら潤滑性シートのどちら
    か一方に圧搾ガス噴出用の多数の細孔が形成されてい
    て、圧搾ガス供給装置に接続されて、噴出する圧空によ
    りスライド動作時の摩擦抵抗を低減させる請求項2又は
    3記載の可動仮設路面構造体。
  5. 【請求項5】 デッキとスライドガイドとの間に、それ
    らを相対的に前進及び後退可能とする駆動機構を設けて
    自走可能とした請求項2乃至4記載の可動仮設路面構造
    体。
  6. 【請求項6】 デッキは、中間の水平な渡り部と、その
    前後の傾斜したアプローチ部とからなり、両アプローチ
    部はヒンジ構造で中間の渡り部に結合し、先端部を持ち
    上げ可能とした請求項1乃至5記載の可動仮設路面構造
    体。
  7. 【請求項7】 既設道路面上を摺動可能なそり式スライ
    ドガイドと、路面板を有し前記スライドガイドに対して
    スライド自在のデッキとを組み合わせた可動仮設路面構
    造体を用い、デッキのみをジャッキにより上昇させスラ
    イドガイドから離した状態としてスライドガイドのみを
    既設道路面上で摺動させ、次いでジャッキによりデッキ
    を下降させスライドガイドに接する状態として該デッキ
    をスライドガイド上でスライドさせ、これらの動作を繰
    り返すことで路面下工事箇所まで移動し仮設路面構造体
    によって覆工して通行可能とし、また上記動作を繰り返
    すことで仮設路面構造体を移動し路面下工事箇所を露出
    させて路面下工事を続行可能とすることを特徴とする可
    動仮設路面構造体の設置・撤去方法。
  8. 【請求項8】 既設道路面が供用中トンネル内の道路面
    であって、路面下工事が上下両車線にわたって抜き掘り
    してインバートを施工する補修工事であり、通行閉鎖可
    能な時間帯の前後で仮設路面構造体の移動を行う請求項
    7記載の可動仮設路面構造体の設置・撤去方法。
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