JPH09220454A - 変性ポリスルホン半透膜およびその製造方法 - Google Patents
変性ポリスルホン半透膜およびその製造方法Info
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- JPH09220454A JPH09220454A JP2708596A JP2708596A JPH09220454A JP H09220454 A JPH09220454 A JP H09220454A JP 2708596 A JP2708596 A JP 2708596A JP 2708596 A JP2708596 A JP 2708596A JP H09220454 A JPH09220454 A JP H09220454A
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Abstract
ルホン半透膜を提供する。各種物質の濾過、濃縮、物質
の固定化用基材に用いる。 【解決手段】(1)主鎖の芳香族ポリスルホンに側鎖置
換基を芳香核4個の繰り返し単位当たり0.001〜
4.0個結合した変性ポリスルホン1部と芳香族ポリス
ルホン0.1〜1000部との混合物から成る変性ポリ
スルホン半透膜。 (2)主鎖の芳香族ポリスルホンに側鎖置換基を芳香核
4個の繰り返し単位当たり0.001〜4.0個結合し
た変性ポリスルホン1部と芳香族ポリスルホン0.1〜
1000部との混合物から成る変性ポリスルホン1部と
芳香族ポリスルホン1〜1000部とを溶媒中で混合し
た後製膜することを特徴とする変性ポリスルホン半透膜
の製造方法。
Description
透膜に関するものである。透析膜などの体外循環治療
用、イオン排除性の限外濾過膜、医薬品製造工場や医療
施設での水や透析液、輸液などからのエンドトキシン除
去用、敗血症などの治療用として好適に用いられ得る。
体に固定化したものは、アフィニティークロマトグラフ
用吸着剤、治療用血液処理剤、細胞培養用機材、抗菌性
材料、その他、分析用試薬などとして広く利用されてお
り、今後、さらに幅広い応用が期待される重要な分野で
ある。
質の固定化、アフィニティークロマトグラフ用吸着剤、
治療用血液処理剤、抗菌性材料などの原料として有用で
ある。その代表的な例としてはポリスチレンの誘導体が
良く知られているが、脆い重合体なので成型に限界があ
り、例えば、中空糸やカテーテルには成型できない欠点
がある。
ので、エンジニアリングプラスチックとして広く用いら
れており、さらに、一部において中空糸の形で物質分離
用途にも用いられている。そして、当該ポリスルホンに
反応性の官能基を導入すれば、生理活性物質を固定化し
たり、特定の官能基を導入したものが調製できる。
哺乳動物の血中に入ると発熱やショック症状を引き起こ
す物質で、グラム陰性菌の細胞壁から由来し、高圧蒸気
滅菌でも分解されないことが知られている。したがっ
て、従来より、敗血症患者の血液や注射液からエンドト
キシンを除去しようとする試みが行われており、エンド
トキシンを吸着する物質として、ポリスチレンにポリミ
キシンを固定化した物質(特開昭62−19178,特
開昭60−5166、特開昭60−209525)があ
る。また、水溶液中のエンドトキシンを除去する方法と
してはエンドトキシンよりも小さい孔径の膜を用いて除
去する方法も実用化されている。しかしながら、前者で
は濾過膜でないため、後者では濾過膜であっても、エン
ドトキシンを吸着・分解する性質がないために、これら
の方法では通液速度を大きくすると、エンドトキシンが
素通りするものが現れる欠点がある。かかる従来技術の
問題点に鑑み、ハロアセトアミドメチル化ポリスルホン
が提案された(特開平6−500925)。しかしなが
ら、この発明のハロアセトアミドメチル化ポリスルホン
を公知の方法で製膜しようとした場合、製膜性が悪く膜
の機械的強度が低下したり、製膜時に糸切れを起こした
り、目的の孔径を得ることが困難であったりした。この
現象は官能基量が多くなるにつれて顕著であった。ま
た、官能基量を少なくして、製膜性を向上させようとし
た場合は吸着などの効果が低下してしまい、目的の吸着
特性を得ることができなくなってしまった。このような
ものでは吸着量を多くするためには膜素材を多量に使用
する必要があり、コスト高になってしまい、製品化する
ことは困難であった。
従来技術の問題点に鑑み、ポリスルホン半透膜であって
特定物質を吸着もしくは排除する性質を備えたものが簡
便な方法で得られないか、種々検討した結果、側鎖に置
換基を持つポリスルホンを特定の比率でポリスルホンに
混合して成膜し、その後、必要に応じて反応させること
により強靱で低コスト化が可能な変性ポリスルホン半透
膜を得ることに成功した。
〜(2)の技術的手段から構成される。
換基を芳香核4個の繰り返し単位当たり0.001〜
4.0個結合した変性ポリスルホン1部と芳香族ポリス
ルホン0.1〜1000部との混合物を含む変性ポリス
ルホン半透膜。
換基を芳香核4個の繰り返し単位当たり0.001〜
4.0個結合した変性ポリスルホン1部と芳香族ポリス
ルホン0.1〜1000部との混合物を含む変性ポリス
ルホン1部と芳香族ポリスルホン1〜1000部とを溶
媒中で混合した後製膜することを特徴とする変性ポリス
ルホン半透膜の製造方法。
核を有する芳香族ポリスルホン重合体とは、主鎖に芳香
核とスルホニル基をもつポリスルホン重合体であって、
その一部が芳香核4個の繰り返し単位当たり0.001
〜4.0の密度で置換されているものなら何でも良く、
特に制限はない。
しては、市場に広く出回っているポリ(p−フェニレン
エーテルスルホン):−{(p−C6 H4 )−SO2 −
(p−C6 H4 )−O−}n−やユーデル・ポリスルホ
ン:−{(p−C6 H4 )−SO2 −(p−C6 H4 )
−O−(p−C6 H4 )−C(CH3 )2 −(p−C6
H4 )−O}n−のほか、−{(p−C6 H4 )−SO
2 −(p−C6 H4 )−O−(p−C6 H4 )−O}n
−、−{(p−C6 H4 )−SO2 −(p−C6 H4 )
−S−(p−C6 H4 )−O}n−、−{(p−C6 H
4 )−SO2 −(p−C6 H4 )−O−(p−C
6 H4 )−C(CF3 )2 −(p−C6 H4 )−O}n
−などの構造をした重合体であって、本発明の変性ポリ
スルホンはユーデルポリスルホンなどのように繰り返し
単位が4個の芳香核からなるものは繰り返し単位あたり
0.001〜4.0個の置換密度で置換されているもの
であり、ポリスルホンの繰り返し単位が芳香核4個以外
のものについても芳香核4個あたり0.001〜4.0
個の置換密度で側鎖置換基に置換されているものをあげ
ることができる。
数は、例えば次の方法によって求めることができる。即
ち、核磁気共鳴スペクトル(NMR)を用いる場合が挙
げられ、一般に知られるとおり、重合体を重合体に対し
て可溶なNMR用試薬に溶解して測定し、スペクトルか
ら公知の方法により官能基量を定量することができる。
また、元素分析を用いることもでき、元素分析を行い、
置換基が有する量と幹ポリマが有する量の理論値より算
出することができる。
子、水酸基、アシロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ
基、アミノエチルアミノ基、ω−アミノポリ(プロピル
アミノ)基、ω−アミノポリ(ブチルアミノ)基、ω−
アミノポリ(ヘキシルアミノ)基、ω−アミノポリ(エ
チレンイミノテトラメチレン)基、ω−アミノポリ(エ
チレンイミノヘキサメチレン)基、ω−アミノポリ(テ
トラメチレンイミノヘキサメチレン)基、ω−アミノポ
リ(エチレンイミノデカメチレン)基等のポリアミン残
基、トリエチルアンモニウム基、N,N−ジメチル−n
−ブチルアンモニウム基などで代表される第四アンモニ
ウム基やビグアニド基等の塩基性窒素化合物残基、ポリ
アルキレンオキサイドやポリビニルピロリドン等の親水
性高分子基、スルフィド基、イソシアン酸基、イソチオ
シアン酸基、尿素基、チオ尿素基、ウレイド基、チオウ
レイド基を一部に含む置換基を挙げることができる。置
換基の一部にポリミキシン、コリスチンがあると、血液
中でのエンドトキシン除去作用が大きい。水溶液からの
エンドトキシン除去にはトリエチルアンモニウム基、
N,N−ジメチル−n−ブチルアンモニウム基などで代
表される第四アンモニウム基、ビグアニド基などもエン
ドドキシン除去のためには有効である。これらの基は単
独で、あるいは、使用目的によっては複数で存在しても
良い。
は容易であり、スルホン化ポリスルホンやハロメチル化
ポリスルホンは良く知られた物質である。また、前記一
般式(I)で表されるものは、簡単な装置で安定して合
成できるため、工業的に見ても好ましい物質である。ま
た、ハロメチル化ポリスルホンやハロアシルアミドメチ
ル化ポリスルホンは本発明の種々の側鎖置換基を有する
ポリスルホンの合成中間体としても有用である。
ついて説明すると、R1 、R2 は水素原子、または、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキ
ル基を示し、同一でも異なっていても良いが、R2 が水
素原子のものが、とりわけ、R1 、R2 が共に水素原子
のものが最も製造しやすい。
な量、即ち、密度は幹となる重合体の化学構造および用
途により異なるが、多すぎると単独では強靭な膜に成り
にくく、また、ポリスルホンと混合して用いるにして
も、ポリスルホンとの相溶性が悪くなり、うまく製膜で
きなくなるので、通常、芳香核4個当たり4個以下のも
のを用いる、とりわけ、1個未満のものは1個以上のも
のに比べ、通常のポリスルホン製膜条件で製膜できるほ
ど製膜性に優れているので好ましく、0.5未満のもの
は芳香族ポリスルホンの機械的性質に近いものが得られ
るため、特に好ましい。一方、側鎖置換基の量が少なす
ぎるとその機能が発現しないため、通常、芳香核4個当
たり0.001個以上のものを用いる。とりわけ、0.
01個以上のものは好ましく、0.05以上のものは特
に好ましい。官能基密度は変性ポリスルホンの特性を維
持しながら実用性のある半透膜を得るためには非常に重
要な要因である。
率の適正な量は、除去物質と本発明の半透膜に親和性、
除去物質の量、濃度等の用途によって異なるが、変性ポ
リスルホンの混合比率が少なすぎるとその機能が発現し
にくく、一方、多すぎると、単独では強靭な膜に成りに
くい傾向がある。このため、通常、変性ポリスルホン1
部に対して芳香族ポリスルホン0.1〜1000部との
混合物から成る変性ポリスルホン半透膜が使用される。
とりわけ、ポリスルホン比率の高いものは透水性などの
膜の物質透過特性や糸強度が優れたものが得やすいた
め、変性ポリスルホン1部に対して芳香族ポリスルホン
5〜1000部のものは特に好ましい。
多い場合は製膜性が悪くなる傾向があるため、変性ポリ
スルホンに対して芳香族ポリスルホン量を多くすること
が好ましい。この場合、変性ポリスルホン半透膜中の側
鎖置換基は繰り返し単位当たり1個以下になるように変
性ポリスルホンの側鎖置換基量と芳香族ポリスルホン混
合比率を調整することが好ましい。さらに、変性ポリス
ルホン半透膜中の側鎖置換基は繰り返し単位当たり0.
1個以下の場合は通常のポリスルホンに近い製膜性を有
することができるため、特に好ましい。
の混合物とは両者が直接混錬もしくは溶媒に溶解するこ
とにより混合された状態を示しており、一般に強度に優
れる支持膜と呼ばれているポリスルホン平膜の表面に置
換基を有するポリスルホンをコーティングしたものは該
当しない。コーティングでは表面に本発明と同様な側鎖
官能基を有する半透膜を得ることは可能であるがこの場
合コーティング工程を必要とするため、工程もしくは装
置が複雑になる。これに対して、本発明は支持膜層を別
に必要としないために製造が容易である。しかも、吸着
膜として用いた場合には膜全体が吸着層となるために吸
着表面積が大きくなるという長所を得ることができる。
は相溶状態であることが望ましいが、変性ポリスルホン
とポリスルホンが相分離しているような状態であれば、
糸強度と側鎖置換基による機能性の発現を両立させるこ
とは可能である。相分離の観察は物質によっては測定が
困難であるが、エチレンオキサイドやポリビニルピロリ
ドンなどオスミウムやルテニウム等に選択的に染まる物
質であれば透過電子顕微鏡で混合状態を確認することが
できる。相分離の大きさは小さい方が好ましく、平均1
ミクロン以下であることが好ましい。さらに、透析膜の
ように膜孔径の小さな膜では0.1ミクロン以下であれ
ば膜の物質移動特性に与える影響も小さいので特に好ま
しい。
たり0.001〜4.0個結合した変性ポリスルホンが
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、N−メチルピロリドンなどのポリスル
ホンの製膜溶媒に溶解可能な場合は直接ポリスルホンと
混合溶解して製膜しても良い。その他、側鎖置換基の一
部がハロゲンである変性ポリスルホンをポリスルホンと
混合して製膜した後、反応させる方法は、異なる官能基
を持った製品を他品種製造する場合には、それぞれの導
入基に応じた製膜条件を設定する必要が無いため、技術
開発が容易となり、特に好ましい方法である。
っても中空糸膜であってもよい。中空糸の場合にあって
は表面にコーティング層を設けて側鎖置換基を導入する
ことは平膜よりも工程的・装置的に複雑になり、コスト
的に高くなってしまうのに対して、本発明の半透膜は通
常のポリスルホン製膜方法、設備によって製造すること
ができるため、本発明の効果が発揮される。
特開昭61−93801や特開昭58−104940、
特開昭61−238306、特開昭63−99325、
特開昭63−97202などに記載された公知の方法に
よればよく、これらに記載されているポリスルホンの一
部に本発明記載の変性ポリスルホンを必要な割合で混合
することによって製造することができる。
てハウジングに組み込み、吸着もしくは濾過膜として用
いることができる。
除去できる変性ポリスルホン半透膜に関するものであ
り、各種物質の濾過、濃縮、物質の固定化用基材に用い
られる。具体的には、血漿分離膜、人工透析用膜、敗血
症などの感染症治療の体外循環治療用膜を用いた体外循
環治療用モジュールとして、薬物中毒時の薬物中和治療
用膜もしくは中和のための特定物質の固定化用膜、慢性
疾患患者に対する病因物質の除去用膜もしくは除去のた
めの特定物質の固定化用膜、医薬品製造工場や医療施設
での水や透析液、輸液などからのエンドトキシン除去用
膜として好適に用いられ得る。
ても使用することができ、この場合には一般的なビーズ
状吸着材と同様に吸着除去用モジュールとして使用する
こともできる。
に説明する。
った。
用い、フィルム状またはKBr錠剤に成型して測定し
た。
液を0℃に冷却後、7.5g(0.061モル)のN−
メチロール−α−クロルアセトアミドを加えて、溶解
し、これに300mlの冷ニトロベンゼンを加えた後、6
0g(0.136モル)のユーデルポリスルホンP35
00(以下PSuと略記)を300mlのニトロベンゼン
に溶かした溶液を、良く撹拌しながら加えた。さらに、
室温で3時間撹拌した。その後、反応混合物を大過剰の
冷メタノール中に入れ、ポリマーを沈殿させた。沈殿を
メタノールで良く洗った後、乾燥して、63gのα−ク
ロルアセトアミドメチル化ポリスルホン(以下CAMP
Suと略記)を得た。このポリマーは赤外線吸収スペク
トルで1670cm-1にアミド基の吸収を示した。ま
た、元素分析では、窒素1.5%,塩素2.9%であっ
た。
ピロリドン(K−90)3g,ジメチルアセトアミド
(以下DMACと略記)38gを60℃で2時間混合溶
解した後、60℃で30分間脱泡をおこなって、成膜原
液を作製した。この原液をアプリケーターを用いてガラ
ス板上に100μmの厚みに流延し、水を入れた凝固浴
に入れて凝固させた。この膜を水洗し、平板上の膜を作
製した。
・硫酸塩0.1重量%水溶液に入れ、1N−カセイソー
ダ水溶液でpH9.5に調整して、3時間反応させた
後、1N−塩酸で水溶液のpHを7.4に調整した。膜
を取り出し、ポリミキシンBが洗液中に検出されなくな
るまで、エンドトキシンフリーの水で十分に洗浄し、本
発明半透膜(ポリミキシンB固定化ポリスルホン膜)を
得た。この膜を塩酸加水分解後、加水分解液をアミノ酸
分析し、ポリミキシンB固定化量を測定したところ、
3.26mg/g−膜であった。
ホン膜1gを30mlのエンドトキシン含有生理食塩水
(大腸菌0111:B4のLPS 10ng/ml)に入
れ、30分間振盪したところ、生理食塩水中のエンドト
キシン濃度はエンドスペーシー法分析(リムラステスト
ワコー/トキシノメーター)によると1ng/ml以下で
あった。
固定化ポリスルホン膜1gを30mlのエンドトキシン含
有牛血清中(大腸菌0111:B4のLPS 10ng
/ml)に入れ、120分間振盪したところ、牛血清中の
エンドトキシン濃度はエンドスペーシー法分析(リムラ
ステストワコー/トキシノメーター)によると2.9n
g/mlであった。
を固定化する前のポリスルホン膜1gを、実施例2と同
様に30mlのエンドトキシン含有牛血清中(大腸菌01
11:B4のLPS 10ng/ml)に入れ、120分
間振盪したところ、牛血清中のエンドトキシン濃度はエ
ンドスペーシー法分析(リムラステストワコー/トキシ
ノメーター)によると9.9ng/mlであり、この膜に
は吸着能はなかった。
で得たCAMPSuを8.5g、ポリビニルピロリドン
(K−90)2.6g、水1.7gをDMAC87.7
gに加え80℃にて6時間加熱溶解した。溶解した原液
を10時間静置し脱泡した。注入液はDMACと水との
混合液を用いた。調整した原液、注入液を保温された1.
0/0.7 Φの2重スリット口金から内部は注入液、外側に
は原液となるように吐出し、水からなる凝固浴にて中空
糸状に凝集させ中空糸膜を得た。このとき、温度、注入
液組成、凝固浴濃度を変えることにより表1の構造、お
よび性能の膜を幅広く作成することができる。
1gをポリミキシンB・硫酸塩0.1重量%水溶液に入
れ、カセイソーダを用いてpH9.5にして1時間反応
を行った。反応後、エンドトキシンフリーの水と塩酸
で、中和、洗浄を行い、ポリミキシンB固定化中空糸膜
を作成した。ポリミキシンBの固定化量はアミノ酸分析
により測定した。この膜をエンドトキシン含有牛血漿
(10ng/ml,Ecoli 0111;B4 のLPS)30mlに接
触させたところ、30分後の牛血漿中のエンドトキシン
濃度はそれぞれ表2のように低下した。
たCAMPSu20g、ポリビニルピロリドン(K−3
0)90g、水9.4gをDMAC721gに加え80
℃にて8時間加熱溶解した。溶解した原液を10時間静
置し脱泡した。注入液はDMAC60%の水との混合液
を用いた。調整した原液、注入液を30℃に保温された
0.6/0.25mmΦの2重スリット口金から内部は注入液、外
側には原液を吐出し、59℃の水からなる凝固浴にて中
空糸状に凝集させた。中空糸膜を32.2m/min の巻き取り
速度で巻き取り、サンプルを得た。中空糸の内径寸法は
216 μm、膜厚は41μmであった。中空糸膜の透水性は
1110ml/mmHg/hr/m2 、牛血漿の濾過性能は37ml/mmHg/hr
/m2 と高く、アルブスティック判定によるタンパクの漏
出レベルは(±)と軽微であり、透析膜として使用でき
る性能を有していることがわかった。
ら特定の物質を除去できる変性ポリスルホン半透膜を提
供するものであり、各種物質の濾過、濃縮、物質の固定
化用基材に用いられる。具体的には、イオン排除性の限
外濾過膜、血漿分離膜、人工透析用膜、敗血症などの感
染症治療の体外循環治療用膜、薬物中毒時の薬物中和治
療用膜もしくは中和のための特定物質の固定化用膜、慢
性疾患患者に対する病院物質の除去用膜もしくは除去の
ための特定物質の固定化用膜、医薬品製造工場や医療施
設での水や透析液、輸液などからのエンドトキシン除去
用膜として好適に用いられ得る。
Claims (15)
- 【請求項1】主鎖の芳香族ポリスルホンに側鎖置換基を
芳香核4個の繰り返し単位当たり0.001〜4.0個
結合した変性ポリスルホン1部と芳香族ポリスルホン
0.1〜1000部との混合物を含むことを特徴とする
変性ポリスルホン半透膜。 - 【請求項2】側鎖置換基が芳香族ポリスルホンの芳香核
に置換されていることを特徴とする請求項1記載の変性
ポリスルホン半透膜。 - 【請求項3】側鎖置換基の一部にハロゲン原子、水酸
基、アシロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ基、塩基
性窒素化合物残基、カルボキシル基、スルホン酸基、イ
ソシアン酸基、イソチオシアン酸基、尿素基、チオ尿素
基、ウレイド基、チオウレイド基およびスルフィド基か
ら選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求
項1〜2記載の変性ポリスルホン半透膜。 - 【請求項4】側鎖置換基の一部にアミン残基、ポリアミ
ノ炭化水素化合物残基、および塩基性ポリアミノ酸化合
物残基から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載の変性ポリスルホン
半透膜。 - 【請求項5】側鎖置換基の一部にポリミキシンを含むこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の変性ポ
リスルホン半透膜。 - 【請求項6】側鎖置換基の一部にコリスチンを含むこと
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の変性ポリ
スルホン半透膜。 - 【請求項7】側鎖置換基がアシルアミドメチル基を含む
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリ
スルホン半透膜。 - 【請求項8】側鎖置換基が下記一般式(I)で示される
アシルアミドメチル基(但し、式中、Aはハロゲン原
子、水酸基、アシロキシ基、アルコキシ基、フェノキシ
基、塩基性窒素化合物殘基、アミン残基、ポリアミノ炭
化水素化合物残基、塩基性ポリアミノ酸化合物残基、ポ
リミキシン、コリスチン、およびスルフィド基から選ば
れる少なくとも1種を示し、R1 およびR2 は水素原
子、または、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R1 と
R2 は同一でも異なっていても良い。)であることを特
徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリスルホン
半透膜。 A−CH(R1 )−CO−N(R2 )−CH2 − (I) - 【請求項9】芳香族ポリスルホンがポリ(p−フェニレ
ンエーテルスルホン)であることを特徴とする請求項1
〜8記載の変性ポリスルホン半透膜。 - 【請求項10】芳香族ポリスルホンが化学式−{(p−
C6 H4 )−SO2 −(p−C6 H4 )−O−(p−C
6 H4 )−C(CH3 )2 −(p−C6 H4 )−O}n
−で表されるポリスルホンであることを特徴とする請求
項1〜8のいずれかに記載の変性ポリスルホン半透膜。 - 【請求項11】半透膜の形状が中空糸であることを特徴
とする請求項1〜10のいずれかに記載の変性ポリスル
ホン半透膜。 - 【請求項12】体外循環用モジュールとして使用するこ
とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の変性
ポリスルホン半透膜。 - 【請求項13】吸着除去用モジュールとして使用するこ
とを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の変性
ポリスルホン半透膜。 - 【請求項14】主鎖の芳香族ポリスルホンに側鎖置換基
を芳香核4個の繰り返し単位当たり0.001〜4.0
個結合した変性ポリスルホン1部と芳香族ポリスルホン
0.1〜1000部との混合物を含む変性ポリスルホン
1部と芳香族ポリスルホン1〜1000部とを溶媒中で
混合した後製膜することを特徴とする変性ポリスルホン
半透膜の製造方法。 - 【請求項15】主鎖の芳香族ポリスルホンに、側鎖とし
て、ハロメチル基もしくは一般式(II)で示されるハロ
アシルアミドメチル基(但し、式中、Xはハロゲン原子
を示し、R1 およびR2 は水素原子、または、炭素数1
〜6の低級アルキル基を示し、R1 とR2 は同一でも異
なっていても良い。)を繰り返し単位当たり0.001
〜4.0個結合したポリスルホン1部と芳香族ポリスル
ホン1〜1000部とを溶媒中で溶解した溶液を用いて
製膜したポリスルホン半透膜にアミノ化合物、カルボン
酸、水酸基化合物、チオール化合物、アシロキシ基化合
物、アルコキシ基化合物、フェノキシ基化合物、スルフ
ィド基化合物、および塩基性窒素化合物から選ばれる少
なくとも1種の化合物を接触させることを特徴とする請
求項14記載の変性ポリスルホン半透膜の製造方法。 X−CH(R1 )−CO−N(R2 )−CH2 − (II)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02708596A JP3644117B2 (ja) | 1996-02-14 | 1996-02-14 | 変性ポリスルホン半透膜およびその製造方法 |
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