JPH09220416A - 抗菌性フィルター - Google Patents
抗菌性フィルターInfo
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- JPH09220416A JPH09220416A JP5411396A JP5411396A JPH09220416A JP H09220416 A JPH09220416 A JP H09220416A JP 5411396 A JP5411396 A JP 5411396A JP 5411396 A JP5411396 A JP 5411396A JP H09220416 A JPH09220416 A JP H09220416A
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Abstract
抗菌性を有した抗菌性繊維を用いた不織繊維集合体から
なる抗菌性フィルターを提供しようとするものである。 【解決手段】 繊維重量に対し、純分換算で0.01〜
5重量%のポリリジンまたはその塩を含有する抗菌性繊
維からなる不織繊維集合体で構成された抗菌性フィルタ
ー。 【効果】 抗菌性フィルターとしてポリリジン無添加の
ものより、5〜10倍以上の臭気または濁りの発生まで
の時間を示した。
Description
関し、詳しくは、抗菌性繊維を用いた不織繊維集合体か
らなる抗菌性フィルターに関するものである。さらに詳
しくは、浄水器、食品原料水の濾過、飲料の濾過等に使
用する抗菌性フィルターに関するものである。
浄水器の普及率が増加している。また、食品原料水及び
飲料の濾過についてもフィルターの使用が増加してい
る。しかし、浄水器やフィルターに水が滞留するとカビ
や細菌が繁殖し、水への臭気混入、濁り、食中毒の発生
が問題となっている。そのため、カビや細菌の繁殖を抑
制する、安全性の高い抗菌性フィルターの開発が望まれ
ていた。
を有することは古くから知られており、銀、銅、亜鉛を
高分子中に添加し、抗菌性を付与する試みが、例えば特
開昭54−147220号公報など数多く提案されてい
る。また、銀イオン、銅イオンでイオン交換したゼオラ
イト系固体粒子を高分子重合体に添加する試みが、例え
ば特開昭59−133235号公報などに提案されてい
る。
子重合体を繊維化し、フィルターに用いた場合、人体に
対して衛生上問題となる場合がある。
装置を組み込んだものが上市されているが、設置スペー
スの増大、コストアップ、紫外線ランプによる水温上昇
等の問題がある。
る毒性がなく、優れた抗菌性を有した抗菌性繊維を用い
た不織繊維集合体からなる抗菌性フィルターを提供しよ
うとするものである。
に、鋭意検討を重ねた結果、ポリリジンまたはその塩を
抗菌剤として繊維に練り込み、これを用いた不織繊維集
合体からなるフィルターが、人体に対する毒性がなく、
優れた抗菌性を有することを知り、本発明を完成するに
至った。
解決するために以下の構成を有する。 (1)繊維重量に対し、純分換算で0.01〜5重量%
のポリリジンまたはその塩を含有する抗菌性繊維からな
る不織繊維集合体で構成された抗菌性フィルター。 (2)ポリリジンの塩が、塩酸、硫酸、リン酸および臭
化水素酸から選ばれた少なくとも一種の無機酸の塩であ
る前記第(1)項に記載の抗菌性フィルター。 (3)ポリリジンの塩が、酢酸、プロピオン酸、フマル
酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれた少なくとも一
種の有機酸の塩である前記第(1)項に記載の抗菌性フ
ィルター。 (4)繊維が熱可塑性繊維である前記第(1)〜(3)
項のいずれかに記載の抗菌性フィルター。 (5)熱可塑性繊維が、ポリオレフィン系繊維、ポリエ
ステル系繊維およびポリアミド系繊維から選ばれた少な
くとも一種である前記第(4)項に記載の抗菌性フィル
ター。 (6)熱可塑性繊維が、融点の異なる少なくとも2成分
からなる複合繊維である前記第(4)項または第(5)
項に記載の抗菌性フィルター。 (7)抗菌性繊維と他の繊維が混綿および/または混繊
され、かつ該抗菌性繊維を少なくとも20重量%含有
し、該抗菌性繊維は、繊維重量に対し、純分換算で0.
01〜5重量%のポリリジンまたはその塩を含有するも
のであり、該混綿および/または混繊された繊維集合体
を不織繊維集合体に構成されてなる抗菌性フィルター。 (8)前記第(1)〜(7)項のいずれかに記載のフィ
ルターを浄水器の部材として用いる浄水器用抗菌性フィ
ルター。
ンは、例えば特開昭59−20359号公報に記載のε
−L−ポリリジン生産菌であるストレプトマイセス族に
属するポリリジン生産菌であるストレプトマイセス・ア
ルブラスサブスピーシーズ・リジノポリメラスを培地に
培養し、得られた培養物からε−L−ポリリジンを分離
・採取することによって得られる。リジンは1分子中に
2つのアミノ基を有するアミノ酸であり、これから構成
されるポリリジンは一般にα位のアミノ基とカルボキシ
ル基とが縮合したα−ポリリジンと、ε位のアミノ基と
カルボキシル基とが縮合したε−ポリリジンとの2種類
が存在するが、前記の製造法により得られるε−ポリリ
ジンを用いたほうが安全性の面で望ましい。さらにε−
ポリリジンは厚生省がまとめた化学的合成以外食品添加
物のリストにも記載されている物質であり、食品保存剤
などに利用されている。ε−ポリリジンは、下記の一般
式で表される。
用いることができるが、塩酸、硫酸、リン酸および臭化
水素酸から選ばれた少なくとも1種の無機酸、または酢
酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸およびクエン酸
から選ばれた少なくとも1種の有機酸の塩の形で用いる
こともできる。ポリリジンは遊離の形であれ、塩の形で
あれ、抗菌剤としての効果は本質的に差異はない。ポリ
リジン塩は常法により製造される。例えば含水メタノー
ル溶液に前記ポリリジンを溶解させ、これに前記酸を加
える。溶液が中和点を過ぎたところで、冷アセトンを加
えて塩を沈澱させ、これを乾燥させる。ポリリジンまた
はその塩を繊維に練り込む場合は、これを乳鉢もしくは
ボールミル等で粉砕して用いる。
性繊維の原料繊維素材としては、キュプラ、レーヨン、
アセテートなどの再生繊維、半合成繊維のほか、後述の
合成繊維のいずれも使用できる。特に、ポリプロピレ
ン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系、あるいはポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、共重合ポリエステルなどのポリエステル系、あるい
はナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系などの
熱可塑性樹脂およびこれらの混合物からなる合成繊維が
好ましい。
らなる複合繊維である場合、鞘芯型、並列型、偏芯鞘芯
型、多層型あるいは海島型等の複合形式による繊維を例
示できる。複合繊維の熱可塑性樹脂の組合せの例とし
て、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状高密
度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン
/ポリプロピレン、プロピレンと他のαオレフィンとの
二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直
鎖状高密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン/高密度ポリエチレン、各種のポリエチレ
ン/熱可塑性ポリエステル、ポリプロピレン/熱可塑性
ポリエステル、低融点熱可塑性ポリエステル/熱可塑性
ポリエステル、各種のポリエチレン/ナイロン6、ポリ
プロピレン/ナイロン6、プロピレンと他のαオレフィ
ンとの二元共重合体または三元共重合体/ナイロン6、
ナイロン6/ナイロン66、ナイロン6/熱可塑性ポリ
エステルなどを挙げることができる。
ンまたはその塩を繊維内に練り込む方法について説明す
る。繊維素材は熱可塑性樹脂が好ましく、繊維重量全体
に対して純分換算で0.01〜5重量%、好ましくは、
0.1〜3重量%のポリリジンまたはその塩を熱可塑性
樹脂に混合添加する。この含有量範囲が発明の効果が最
も大きい。つまり、ポリリジンの含有量が0.01重量
%未満では、十分な抗菌効果をえることは困難である。
また5重量%を超えると、抗菌性がほぼ飽和状態に達
し、含有量を多くする意味がなく、コスト高になりさら
には紡糸安定性も不利になることから好ましくない。
塑性樹脂としては、重合体に練り込まれた抗菌剤が表層
に出やすく、抗菌効果が有効に作用されるという点から
もポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン
系重合体がより好ましい。
は、平均粒子径が5μm以下が好ましい。粒径が5μm
を超えると溶融紡糸時にフィルター詰まりや断糸を起こ
し易く使用困難である。従って本発明に用いるポリリジ
ンの平均粒径は5μm以下、さらに好ましくは2μm以
下のものが望ましい。
ポリリジンまたはその塩のどちらでも構わないが、溶融
紡糸する際の熱安定性を考えると、ポリリジン塩が好ま
しい。またポリリジン塩を用いた場合でも、添加工程及
び紡糸温度は260℃以下に設定することが望ましい。
260℃を超えると抗菌効果は維持されるが、徐々に着
色が起こるためである。
む場合、繊維は鞘芯型複合繊維とし、鞘成分の熱可塑性
樹脂にのみ前記ポリリジンを含有させることが、機械的
特性、紡糸安定性、コストの面からさらに望ましい。芯
成分と鞘成分の重合体の種類が異なる場合の複合比は、
芯成分/鞘成分(重量比)が20/80〜80/20で
あることが好ましく、特に40/60〜60/40であ
ることがより好ましい。80/20を超えると鞘成分の
破断が発生しやすくなり、生産性が低下する。一方、2
0/80未満では芯成分が有する本来の繊維性能が低下
する。
部分にのみポリリジンまたはその塩を練り込み添加する
ことにより、鞘成分と芯成分の境界もなく機械的特性、
紡糸安定性、コストの面から望ましい単一重合体からな
る抗菌性繊維とすることができる。
る本発明の抗菌性フィルターの製造方法としては、例え
ば、前記抗菌性繊維の短繊維を用いてカーディング法、
エアーレイド法を用いて必要な目付けのウェブを作製す
る。またメルトブロー法、スパンボンド法などで直接ウ
ェブを作製してもよい。前記方法で作製したウェブを、
サクションドライヤー法、熱風乾燥装置あるいは熱ロー
ル法等の公知の方法で加熱しながら芯棒に巻き付け抗菌
性フィルターを得ることができる。また、前記方法で作
製したウェブを、サクションドライヤー法、熱風乾燥装
置あるいは熱ロール法等の公知の方法で加工して不織布
とし、この不織布を多孔支持体に巻き付け抗菌性フィル
ターとしてもよい。さらに、前記抗菌性繊維の短繊維で
紡績糸を作り、これを多孔支持体に巻き付けた糸巻き型
の抗菌性フィルターとしてもよい。
果を損なわない範囲で、必要に応じて前記抗菌性繊維に
他の繊維を混綿および/または混繊した不織繊維集合体
として使用することができる。この場合、抗菌性繊維は
少なくとも20重量%含有することが、本発明の効果を
得る上で望ましい。この他の繊維としては、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリルなどの合
成繊維、綿、羊毛、麻、などの天然繊維、レーヨン、キ
ュプラ、アセテートなどの再生繊維、半合成繊維が挙げ
られる。
るポリリジン及びその塩により抗菌性が発現される。ポ
リリジンの抗菌作用についてはカビの増殖抑制作用や大
腸菌(Escherichia coil)、黄色ブドウ球菌(Staphylo
coccus aureus )、緑膿菌(Pseudomonas aeruginos
a)、枯草菌(Bacillus subtilis )などのグラム陽性
菌、グラム陰性菌に対する増殖抑制作用がある。これら
の抗菌作用の詳細は不明であるが、ポリリジンのα位の
カチオン性アミノ基によって菌の細胞壁中の陰イオン構
成物質が吸着され、その結果、細胞壁の生合成が阻害あ
るいは壁の内外の物質の能動輸送が阻止されるため抗菌
作用が発現されるものと推定される。本発明のフィルタ
ーは優れた抗菌効果を発現する。浄水器および工業用フ
ィルターを用いて水の濾過を行う場合、水が滞留する
と、カビや細菌が繁殖し、水への臭気混入、濁り、食中
毒の発生が起こる。しかし、本発明の抗菌性フィルター
を使用すると、これらのカビや細菌の増殖を抑制し、水
への臭気混入、濁り、食中毒の発生を抑えることがで
き、安全な水を供給できる。
詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるも
のではない。なお、実施例中の性能評価は、下記方法に
従った。
0.2ml接種し、温度37℃で18時間培養する。培
養後、試験片上の菌をリン酸緩衝液で抽出し、試験片上
の生菌を標準寒天培地法により測定し、下記の計算式に
より菌数の増減値差を算出した。 無加工試料 [A]接種直後の生菌数 [B]18時間培養後の生菌数 抗菌加工試料 [C]18時間培養後の生菌数 菌数増減値差=log10(B/A)−log10(C/
A) 上記式により得られる菌数増減値差が目安として1.6
以上であれば、抗菌性能としては充分機能する。一方、
菌数増減値差が1.6未満になると抗菌性能が不充分と
なり、微生物が繁殖する。
濁り試験) 1000ccビーカーに水道水700ccを入れ、試料
を浸漬する。ビーカー上部をパラフィルムで密閉し、恒
温槽に浸漬し、水温を37℃一定にする。12時間ごと
に、ビーカー上部のフィルムを取り外し臭気または濁り
の発生した時間を判定する。
道に取り付け、1日1回流量5リットル/分で10分間
通水する。通水初期の水を300cc共栓三角フラスコ
に200ccとり、軽く栓をして約40℃に温める。フ
ラスコを揺り動かしながら栓をとり、直ちに臭気の有無
を試験し、臭気の発生した日数を判定する。
℃)にε−ポリ−L−リジンの塩酸塩パウダーを純分換
算で0.02重量%添加し、200℃で山口製作所
(株)製の単軸ベント付押出機を用いて混練し、ペレッ
トとした。ポリプロピレン(MFR:16g/10分、
230℃)を芯成分とし、前記ε−ポリ−L−リジンの
塩酸塩を練り込んだポリエチレンを鞘成分として、23
0℃で孔径0.6mm、孔数350の鞘芯型口金を用い
て、鞘芯比50/50、単糸デニール約7.5d/fの
鞘芯型複合繊維を紡糸した。得られた未延伸糸を110
℃で4.3倍に延伸し、機械捲縮をかけ、収縮を抑える
ために100℃で熱処理を施した後、所定長に切断して
短繊維とした。これらの短繊維は、捲縮数約15個/2
5mm、カット長51mm、単糸繊度は約2.0デニー
ルの短繊維であった。得られた短繊維をカード機にてウ
ェブとし、サクションバンドドライヤーを用いて、14
0℃で加熱しながら金属製の芯棒に巻き取った後、冷却
し芯棒を抜き取り、100mmの長さに切断し、外径6
0mm、内径30mm、長さ100mmの中空円筒状フ
ィルターを得た。
チレンに純分換算で1.0重量%混練する以外は、実施
例1と同様な工程でフィルターを得た。
チレンに純分換算で5.0重量%混練する以外は、実施
例1と同様な工程でフィルターを得た。
チレンに混練せず、それ以外は、実施例1と同様な工程
でフィルターを得た。
チレンに純分換算で0.005重量%混練する以外は、
実施例1と同様な工程でフィルターを得た。
ターのフィルター重量に対するε−ポリ−L−リジンの
含有量(純分換算)、菌数増減値差、フィルター浸漬水
の臭気または濁り発生時間の結果を表1に示す。
例1〜3のε−ポリ−L−リジンが一定量含有されたフ
ィルターは、抗菌性に優れていることがわかる。しか
し、比較例2では、ε−ポリ−L−リジンの含有量が少
ないため、抗菌性が低い。
℃)にε−ポリ−L−リジンパウダーを2.0重量%添
加し、200℃で山口製作所(株)製の単軸ベント付押
出機を用いて混練し、ペレットとした。ポリプロピレン
(MFR:16g/10分、230℃)を芯成分とし、
前記ε−ポリ−L−リジンを練り込んだポリエチレンを
鞘成分として、230℃で孔径0.6mm、孔数350
の鞘芯型口金を用いて、鞘芯比50/50、単糸デニー
ル約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸した。得られ
た未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、機械捲縮を
かけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理を施した
後、所定長に切断して短繊維とした。これらの短繊維
は、捲縮数約15個/25mm、カット長51mm、単
糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得られた
短繊維をカード機にてウェブとし、サクションバンドド
ライヤーを用いて、140℃で加熱しながら金属製の芯
棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、100mm
の長さに切断し、外径60mm、内径30mm、長さ1
00mmの中空円筒状フィルターを得た。
塩酸塩パウダーを高密度ポリエチレンに混練する以外
は、実施例4と同様な工程でフィルターを得た。
プロピオン酸塩パウダーを高密度ポリエチレンに混練す
る以外は、実施例4と同様な工程でフィルターを得た。
ー重量に対するε−ポリ−L−リジンの含有量(純分換
算)、菌数増減値差、フィルター浸漬水の臭気または濁
り発生時間の結果を表2に示す。
例4〜6のε−ポリ−L−リジンまたはその塩が一定量
含有されたフィルターは、抗菌性に優れている。
無機酸の代表例であって、他の硫酸塩、リン酸塩、臭化
水素酸塩を用いても同様に本発明の効果が得られる。
酸塩は、有機酸の代表例であって、他の酢酸、フマル
酸、リンゴ酸、クエン酸を用いても同様に本発明の効果
が得られる。
℃)にε−ポリ−L−リジン塩酸塩パウダーを10.0
重量%添加し、200℃で山口製作所(株)製の単軸ベ
ント付押出機を用いて混練し、ペレットとした。ポリプ
ロピレン(MFR:16g/10分、230℃)を芯成
分とし、前記ε−ポリ−L−リジンを練り込んだポリエ
チレンを鞘成分として、230℃で孔径0.6mm、孔
数350の鞘芯型口金を用いて、鞘芯比50/50、単
糸デニール約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸し
た。得られた未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、
機械捲縮をかけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理
を施した後、所定長に切断して短繊維とした。これらの
短繊維は、捲縮数約15個/25mm、カット長51m
m、単糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得
られた短繊維をカード機にてウェブとし、サクションバ
ンドドライヤーを用いて、140℃で加熱しながら金属
製の芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、10
0mmの長さに切断し、外径60mm、内径30mm、
長さ100mmの中空円筒状フィルターを得た。
℃)にε−ポリ−L−リジン塩酸塩パウダーを10.0
重量%添加し、200℃で山口製作所(株)製の単軸ベ
ント付押出機を用いて混練し、ペレットとした。ポリプ
ロピレン(MFR:16g/10分、230℃)を芯成
分とし、前記ε−ポリ−L−リジンを練り込んだポリエ
チレンを鞘成分として、230℃で孔径0.6mm、孔
数350の鞘芯型口金を用いて、鞘芯比50/50、単
糸デニール約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸し
た。得られた未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、
機械捲縮をかけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理
を施した後、所定長に切断して短繊維とした。これらの
短繊維は、捲縮数約15個/25mm、カット長51m
m、単糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得
られた短繊維とアクリル短繊維(単糸繊度2.0デニー
ル、カット長51mm)を重量比50/50で混綿し、
カード機にてウェブとし、サクションバンドドライヤー
を用いて、140℃で加熱しながら金属製の芯棒に巻き
取った後、冷却し芯棒を抜き取り、100mmの長さに
切断し、外径60mm、内径30mm、長さ100mm
の中空円筒状フィルターを得た。
℃)にε−ポリ−L−リジン塩酸塩パウダーを10.0
重量%添加し、200℃で山口製作所(株)製の単軸ベ
ント付押出機を用いて混練し、ペレットとした。ポリプ
ロピレン(MFR:16g/10分、230℃)を芯成
分とし、前記ε−ポリ−L−リジンを練り込んだポリエ
チレンを鞘成分として、230℃で孔径0.6mm、孔
数350の鞘芯型口金を用いて、鞘芯比50/50、単
糸デニール約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸し
た。得られた未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、
機械捲縮をかけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理
を施した後、所定長に切断して短繊維とした。これらの
短繊維は、捲縮数約15個/25mm、カット長51m
m、単糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得
られた短繊維とアクリル短繊維(単糸繊度2.0デニー
ル、カット長51mm)を重量比20/80で混綿し、
カード機にてウェブとし、サクションバンドドライヤー
を用いて、140℃で加熱しながら金属製の芯棒に巻き
取った後、冷却し芯棒を抜き取り、100mmの長さに
切断し、外径60mm、内径30mm、長さ100mm
の中空円筒状フィルターを得た。
ー重量に対するε−ポリ−L−リジンの含有量(純分換
算)、菌数増減値差、フィルター浸漬水の臭気または濁
り発生時間の結果を表3に示す。
綿されても、本発明の実施例8,9のε−ポリ−L−リ
ジンが一定量含有されたフィルターは、抗菌性に優れて
いる。
抗菌性繊維に混綿する他の繊維の代表例であって、ポリ
アミド、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合成繊
維、綿、羊毛、麻、などの天然繊維、レーヨン、キュプ
ラ、アセテートなどの再生繊維、半合成繊維を混綿して
も同様に本発明の効果が得られる。
℃)にε−ポリ−L−リジン塩酸塩パウダーを2.0重
量%添加し、200℃で山口製作所(株)製の単軸ベン
ト付押出機を用いて混練し、ペレットとした。ポリプロ
ピレン(MFR:16g/10分、230℃)を芯成分
とし、前記ε−ポリ−L−リジンを練り込んだポリエチ
レンを鞘成分として、230℃で孔径0.6mm、孔数
350の鞘芯型口金を用いて、鞘芯比50/50、単糸
デニール約7.5d/fの鞘芯型複合繊維を紡糸した。
得られた未延伸糸を110℃で4.3倍に延伸し、機械
捲縮をかけ、収縮を抑えるために100℃で熱処理を施
した後、所定長に切断して短繊維とした。これらの短繊
維は、捲縮数約15個/25mm、カット長51mm、
単糸繊度は約2.0デニールの短繊維であった。得られ
た短繊維をカード機にてウェブとし、サクションバンド
ドライヤーを用いて、140℃で加熱しながら金属製の
芯棒に巻き取った後、冷却し芯棒を抜き取り、250m
mの長さに切断し、外径60mm、内径30mm、長さ
250mmの中空円筒状フィルターを得た。これを水道
水の浄水器用フィルターとして取り付け抗菌性を評価し
た。
チレンに混練せず、それ以外は、実施例10と同様な工
程でフィルターを得て、抗菌性を評価した。
フィルター重量に対するε−ポリ−L−リジンの含有量
(純分換算)、浄水器通過水臭気発生日数の結果を表4
に示す。
例10のε−ポリ−L−リジンが一定量含有されたフィ
ルターを使用した浄水器は、抗菌性に優れていることが
わかる。
なる本発明の抗菌性フィルターは、優れた抗菌性を有す
る。しかも食品用保存剤として使用されているポリリジ
ンまたはその塩を抗菌剤として用いているので、使用に
際して人体への影響もなく、非常に安全である。このた
め、抗菌性フィルターとして、浄水器、食品原料水の濾
過、飲料の濾過等に利用できる。
Claims (8)
- 【請求項1】 繊維重量に対し、純分換算で0.01〜
5重量%のポリリジンまたはその塩を含有する抗菌性繊
維からなる不織繊維集合体で構成された抗菌性フィルタ
ー。 - 【請求項2】 ポリリジンの塩が、塩酸、硫酸、リン酸
および臭化水素酸から選ばれた少なくとも一種の無機酸
の塩である請求項1に記載の抗菌性フィルター。 - 【請求項3】 ポリリジンの塩が、酢酸、プロピオン
酸、フマル酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれた少
なくとも一種の有機酸の塩である請求項1に記載の抗菌
性フィルター。 - 【請求項4】 繊維が熱可塑性繊維である請求項1〜3
のいずれかに記載の抗菌性フィルター。 - 【請求項5】 熱可塑性繊維が、ポリオレフィン系繊
維、ポリエステル系繊維およびポリアミド系繊維から選
ばれた少なくとも一種である請求項4に記載の抗菌性フ
ィルター。 - 【請求項6】 熱可塑性繊維が、融点の異なる少なくと
も2成分からなる複合繊維である請求項4または5に記
載の抗菌性フィルター。 - 【請求項7】 抗菌性繊維と他の繊維が混綿および/ま
たは混繊され、かつ該抗菌性繊維を少なくとも20重量
%含有し、該抗菌性繊維は、繊維重量に対し、純分換算
で0.01〜5重量%のポリリジンまたはその塩を含有
するものであり、該混綿および/または混繊された繊維
集合体を不織繊維集合体に構成されてなる抗菌性フィル
ター。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のフィル
ターを浄水器の部材として用いる浄水器用抗菌性フィル
ター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5411396A JP3596147B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 抗菌性フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5411396A JP3596147B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 抗菌性フィルター |
Publications (2)
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