JP2000355827A - カテキン類入りポリプロピレン繊維及びその製造方法 - Google Patents

カテキン類入りポリプロピレン繊維及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、抗菌、消臭等については従来の後染
め繊維と同様の効果と耐久性を発揮すると共に、吸湿膨
潤性がなくて形態安定性に優れ、しかも安価なカテキン
入りポリプロピレン繊維及びその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。 【解決手段】(1) カテキン類と、 (2)ポリエチレンと、
(3) 多孔質物資、低融点ポリアミド、変性ポリオレフィ
ン又はこれらの二種以上とを、配合してなるカテキン類
入りポリプロピレン繊維であり、この繊維は、ポリエチ
レンに、(1) カテキン類と、 (2)多孔質物資、低融点ポ
リアミド、マレイン酸変性ポリオレフィン又はこれらの
二種以上とを、配合してマスタ−バッチを形成後、この
マスタ−バッチとポリプロピレン樹脂とを混練しつつ、
溶融紡糸して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテキン類入りポ
リプロピレン繊維及びその製造方法、特に、抗菌・抗ウ
イルス性、抗アレルギ−性等の生理活性を有し健康に好
ましく、消臭、防黴等の生活環境面にも好適なカテキン
類入りポリプロピレン繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗菌・抗ウイルス性、抗アレルギ−性、
消臭、防黴等(以下、単に、抗菌、消臭等という)を目
的としたカテキン類を含む繊維としては、木綿等の天然
繊維やポリアミド繊維等をカテキンの水溶液に浸漬して
付着させる、いわゆる後染めによる繊維が知られている
(例えば、特開平9−316786号公報)。しかし、
これらの繊維は吸湿による膨潤性があって、形態安定性
に乏しく、例えば、フィルタ−等に使用した場合、湿度
によってその膨潤の程度が大きく異なるので、商品の形
態を損なうばかりでなく、フィルタ−機能等を低下させ
る問題を生じた。また、これの繊維は、後染め時にカテ
キン反応や媒染剤反応を含む多数の工程を必要とするた
めコスト高となり、比較的高価でもあった。
【0003】一方、ポリプロピレン等の疎水性合成繊維
は、カテキン類と親和性が乏しいため、前記後染めによ
りカテキンを付着させることはできず、また、溶融状態
のポリプロピレン等にカテキンを混入してもカテキンは
均一分散しないことから、これを溶融紡糸して形成した
繊維は、その強度が大きく低下する問題とその使用中に
カテキンが水洗等によって溶出するため、カテキンによ
る抗菌、消臭等の効果の耐久性が乏しくなる問題があ
り、これらの疎水性合成繊維にカテキン類を配合したカ
テキン入りポリプロピレン繊維等の開発は困難視されて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前
記抗菌、消臭等については従来の後染め繊維と同様の効
果と耐久性を発揮すると共に、吸湿膨潤性がなくて形態
安定性に優れ、しかも安価なカテキン入りポリプロピレ
ン繊維及びその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、鋭意研究した結果、ポリエチレンに、カテキン類と
シリカ粉末や低融点ポリアミド等を配合したマスタ−バ
ッチを形成後、このマスタ−バッチとポリプロピレン樹
脂とを混練すると、カテキンがポリプロピレン樹脂によ
く分散すること、カテキンが溶出しにくいこと、吸湿に
よる膨潤がないこと、安価に製造できることを見出だ
し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明のうち請求項1記載の発
明は、(1) カテキン類と、 (2)ポリエチレンと、(3) 多
孔質物資、低融点ポリアミド、変性ポリオレフィン又は
これらの二種以上とを、配合したことを特徴とするカテ
キン類入りポリプロピレン繊維である。
【0007】ここで、カテキン類入りポリプロピレン繊
維には、溶融紡糸繊維を用いるのが好ましい。また、カ
テキン類とは、カテキンは勿論、カテキンと同様に、抗
菌作用、抗ウイルス作用、消臭作用等を示すポリフェノ
−ルを含む概念である。例えば、茶由来の茶ポリフェノ
−ルは含まれる。茶ポリフェノ−ルの成分には、カテキ
ン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレ−ト、エ
ピカテキン、エピカテキンガレ−ト、テフラビン等があ
るが、これらの個々の成分やこれらの二種以上の混合物
をも含む(以下、同じ)。
【0008】ポリエチレンは、エチレンの重合体を主成
分とするものであれば特に限定されず、ホモポリマ−及
びエチレンを主成分とするコ−ポリマ−を含む(以下同
じ)。多孔質物質とは、表面積が200m2 /g以上の
粉末体、粒状体を言い、具体的にはシリカ粉末、ゼオラ
イト、活性炭が例示される(以下同じ)。しかし、請求
項2記載の発明の如く、シリカ粉末を用いるのが好まし
い。
【0009】低融点ポリアミドとは融点が80℃〜20
0℃のポリアミドを言う(以下同じ)が、融点が110
〜150℃のを用いるのが好ましい。また、変性ポリオ
レフィンとは、不飽和カルボン酸又はその誘導体による
変性ポリオレフィンをいう(以下同じ)が、マレイン酸
変性ポリオレフィンを用いるのが好ましく、またオレフ
ィンとしては、炭素数2〜4のオレフィンの重合体又は
これらオレフィンを主成分とする共重合体が例示される
(以下同じ)。
【0010】カテキン類の配合量は、ポリプロピレン1
00重量部に対し、1〜10重量部とするのが好まし
い。1重量部未満では、カテキンによる抗菌、消臭機能
等が十分発揮できない傾向にあり、10重量部を超える
と繊維の強度が低下する傾向にあるからである。また、
ポリエチレンの配合量は、ポリプロピレン100重量部
に対し、10〜30重量部とするのが好ましく、多孔質
物質、低融点ポリアミド、変性ポリオレフィン若しくは
これらの二種以上の配合量は、いずれも、ポリプロピレ
ン100重量部に対し1〜10重量部とするのが好まし
い。それぞれ、下限値未満では、カテキンの分散性を低
下させ、上限値を超えると、繊維の強度低下が明白にな
る傾向にあるからである。
【0011】このように構成すると、カテキン類は、繊
維の強度を低下させることがなく、抗菌、消臭等の効果
を発揮し、その効果の耐久性が確保される。これは、低
分子ポリエチレンと相俟ってカテキン類に対し分散剤の
役割を果たすと共に、カテキン類に対し結合剤としての
役割をも果たすと考えられる多孔質物質、低融点ポリア
ミド、変性ポリオレフィンが、カテキン類を繊維中に均
一分散させ、かつ繊維と結合作用をもたらしたことによ
ると考えられる。さらに、カテキン類は疎水性のポリプ
ロプレン繊維中に配合されているので、吸湿による膨潤
性がなく、湿度変化に対して、繊維の形態安定性が十分
確保される。なお、ここで、前記カテキン類に対する結
合剤としての役割について言えば、多孔質物質はその表
面積が大きいことによるカテキン類の吸着作用、低融点
ポリアミドはアミド基とカテキン類のOH基との相互作
用、変性ポリオレフィンは酸基とカテキン類のOH基と
の相互作用に基づくと考えられる。
【0012】本発明のうち請求項3記載の発明は、請求
項1、2記載の発明において、前記カテキン類の粒径が
10μ以上であって40μ未満であることを特徴とする
カテキン類入りポリプロピレン繊維である。カテキン類
の粒径が40μ以上にすると、分散性を損なう傾向にあ
る一方、10μ未満のものは製造が困難であり、コスト
高となるからである。より好ましくは10μ〜20μで
ある。比表面積を大きすると、樹脂中での散布度と拡散
性の向上をもたらすからである。
【0013】このように構成すると、カテキン類の分散
が更によくなり、カテキン類による前記抗菌、消臭等の
効果の発揮やその耐久性が、より好ましい状態になる。
【0014】本発明のうち請求項4記載の発明は、ポリ
エチレンに、(1) カテキン類と、 (2)多孔質物資、低融
点ポリアミド、変性ポリオレフィン又はこれらの二種以
上とを、配合してマスタ−バッチを形成後、このマスタ
−バッチとポリプロピレン樹脂とを混練し、溶融紡糸す
ることを特徴とするカテキン類入りポリプロピレン繊維
の製造方法である。ここで、多孔性物質としては、請求
項5記載の発明の如く、シリカ粉末を、低融点ポリアミ
ドとしては、融点が110〜150℃のポリアミドを用
いるのが好ましく、変性ポリオレフィンとしてはマレイ
ン酸変性ポリオレフィンを用いるのが好ましい。
【0015】カテキン類の配合量は、ポリプロピレン1
00重量部に対し、1〜10重量部とするのが好まし
い。また、ポリエチレンの配合量は、ポリプロピレン1
00重量部に対し、10〜30重量部とするのが好まし
く、多孔質物資、低融点ポリアミド、マレイン酸変性ポ
リオレフィン若しくはこれらの二種以上の配合量は、い
ずれも、ポリプロピレン100重量部に対し1〜10重
量部とするのが好ましい。請求項1記載の発明の場合と
同様の理由による。
【0016】このように構成すると、カテキン類が、分
散剤及び結合剤としての役割をも果たす多孔質物質等と
共にポリエチレン中に配合され、マスタ−バッチを形成
後、溶融状態でポリプロピレンと混練されるので、ま
ず、マスタ−バッチ形成時に多孔質物質等を介してポリ
エチレン中に分散し、次にこのポリエチレンを介して、
ポリプロピレン中に均一分散されることになり、製造さ
れたカテキン入りポリプロピレン繊維は、カテキン類に
よる抗菌、消臭効果等の発揮とその効果の耐久性が確保
される。また、ポリプロプレン繊維を用いているので、
湿度変化に対しては、繊維の形態安定性が十分確保され
る。さらに、繊維製造時にカテキン類を混入できるの
で、従来のように、繊維製造後にカテキン反応や媒染剤
反応を含む多数の工程を必要とする後染めが必要でな
く、工程が単純化されるため、製造コストが大幅に低減
化される。
【0017】本発明のうち請求項6記載の発明は、請求
項4又は5記載の発明において、前記カテキン類の粒径
が10μ以上であって40μ未満であることを特徴とす
るカテキン類入りポリプロピレン繊維の製造方法であ
る。カテキン類の粒径が40μ以上にすると、分散性を
損なう傾向にある一方、10μ未満のものは製造が困難
であり、コスト高となるからである。より好ましくは1
0μ〜20μである。比表面積を大きくすると、樹脂中
での散布度と拡散性の向上をもたらすからである。
【0018】本発明のうち請求項7記載の発明は、請求
項4、5又は6記載の発明において、溶融紡糸における
紡糸用ノズルと冷却槽液面間のエア−ギャップを8〜1
0mmとしたことを特徴とするカテキン類入りポリプロ
ピレン繊維の製造方法である。ノズルより押し出された
糸は冷却槽で急冷されるが、その際、かかるギャップを
採用すれば、カテキン類の昇華を抑止できるので、好ま
しい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明に係るカテキン入りポリプロピレン
繊維の一つの好ましい形態としては、MIが10〜60
のポリエチレン60〜95重量部に、粒径が10〜40
μのカテキン5〜40重量部と、シリカ粉末5〜50重
量部若しくは融点が110〜150℃のポリアミド5〜
50重量部又は変性ポリオレフィン5〜50重量部とを
配合し、130〜200℃で混練してマスタ−バッチを
形成する。次にこのマスタ−バッチ10〜40重量部と
ポリプロピレン樹脂60〜90重量部とを紡糸機に供給
し、215〜220℃で溶融混練し、溶融紡糸すれば、
カテキン入りポリプロピレン繊維が製造できる。
【0020】このようにして得られたカテキン類入りポ
リプロピレン繊維は、フィルタ−等に利用しても、従来
の後染め繊維ように、膨潤によるフィルタ−等の形態が
変化がないし、また、抗菌、消臭等の効果は従来の後染
め繊維と同様であり、かつその効果が長期に亘って維持
される。
【0021】これは、カテキンが、マスタ−バッチ形
成過程でシリカ若しくは低融点のポリアミド又は変性ポ
リオレフィンと共にポリエチレンに分散され、次に、ポ
リエチレンとポリプロピレンとの相溶性に基づき、この
ポリエチレンを介してポリプロピレン樹脂中に均一分散
したことと、シリカの比表面積が大きいことによる吸
着性、カテキンのOH基と低融点ポリアミド又は変性ポ
リオレフィンとの相互作用を介して、カテキンのポリプ
ロピレンへの結合が強化されることと、及びポリプロ
プレン繊維の疎水性により、達成されると考えられる。
なお、低融点ポリアミドを用いた場合には、紡糸時の混
練の際、熱対流によりポリアミドがポリプロピレン繊維
表面への移行すると共にカテキンも該表面に移行するの
で、かテキンによる抗菌、消臭等の効果は増大すると考
えられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例をもって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0023】(実施例1)MIが30の低密度ポリエチ
レン70重量部に、粒径が10μのカテキン10重量部
と融点が120℃のポリアミド20重量部を配合し、1
50℃で混練してマスタ−バッチを形成する。この際、
カテキンの耐熱性を考慮すると、160℃以下で、混練
するのが好ましい。また、カテキンは絶乾状態で保管
し、取扱時も、熱風を施して、除湿し、加水分解を防ぐ
ように工程管理するのが好ましい。
【0024】次に、このマスタ−バッチ40重量部とポ
リプロピレン樹脂60重量部とを、混合機内にて120
℃で4時間熱風乾燥して除湿しつつ混合した後、空気輸
送により、紡糸機原料投入口の乾燥ホッパ−に投入し、
続いて220℃に昇温されたシリンダ−内で単軸スクリ
ュ−を用いて溶融混練すると共に、多孔ノズルより押出
して、溶融紡糸する。押し出された糸は、水中を通して
急冷されるが、その際、紡糸用ノズルと水面間のエア−
ギャップは8mm〜10mmとするのが好ましい。カテ
キン類の昇華をできるだけ防止するためである。
【0025】急冷された糸は一定速度で引き取られ、均
一な未延伸しとなり、さらに一定の延伸倍率で延伸され
るが、延伸の際には、97℃〜100℃の熱水槽を通し
て、分子配向を促進した延伸糸にするのが好ましい。
【0026】最後に、編組、整織時の摩擦防止と耐熱性
向上の目的で、水溶性オイルの水溶液を延伸糸表面に塗
布するのが好ましい。なお、このオイルはカテキン成分
離脱防止の役割を有する場合がある。
【0027】(実施例2)実施例1のポリアミドに代わ
り、表面積が300m2 /g、吸油量が310ml/1
00gの合成シリカ粉末を用いた以外は、実施例1と同
様にして、カテキン入りポリプロピレン繊維を製造し
た。
【0028】(実施例3)実施例1のポリアミドに代わ
り、融点が120℃、MI=5のマレイン酸変性ポリエ
チレンを用いた以外は、実施例1と同様にして、カテキ
ン入りポリプロピレン繊維を製造した。
【0029】(比較例1)従来のカテキン後染めによる
ナイロン繊維を用いた。
【0030】また、本実施例で使用した性能評価試験法
は次の通りである。 (1) 抗菌性能 実施例1〜3、比較例1の繊維を用い、日本化学繊維検
査協会統一試験法にて試験した。供試菌は、黄色葡萄状
球菌(Staphylococcus aureusA
TCC6538P)と大腸菌(Escherichia
coli(IFO3301))である。
【0031】(2) 防黴性能 実施例1〜3、比較例1の繊維を用い、JIS Z 2
911 6.2.2(湿式法)にて試験した。試験菌
は、Aspergillus niger(IFO63
41)、Penicillium citrinum
(IFO6352)、Chaetomium glob
osum(IFO6347)、Myrothecium
verrucaria(IFO6113)であり、使
用培地はJIS無機塩寒天培地である。一週間経過後の
黴の抵抗性を次のように評価した。 1;試験片上に菌糸の発育部分が全面積の1/3を超え
て認められる。 2;試験片上に菌糸の発育部分が全面積の1/3以内で
認められる。 3;試験片上に菌糸の発育が認められない。
【0032】(3) 消臭性能 実施例1〜3、比較例1の繊維を用い、消臭加工品評価
基準(化学繊維協会)に準拠し、次の条件で、対アンモ
ニア消臭試験を行った。 試料;30×10cm2 、方法;テドラ−バッグ、臭気
ガス;アンモニア、ガス量:3l、初期濃度;40pp
m、ガス測定;検知管法、 試験時間;2時間、検体数;N=3、 消臭率;(B−A/B)×100、 A=試験2時間後におけるテドラ−バッグ内の当該ガス
濃度(ppm) B=当該ガスの初発濃度(ppm)。
【0033】(4) 水洗に対する消臭効果の耐久性(5回
水洗後消臭率%) 5回水洗後消臭率%は、30秒程度流水中で洗浄して6
0℃の乾熱滅菌器中で乾燥させ、これを5回繰り返し試
験をした後、上記消臭性能試験の条件(但し、上記試験
時間は1時間で行った。)で測定した。
【0034】(5) 形態安定性 実施例1〜3、比較例1の繊維を用い、プロピレン樹脂
を枠とする通常の家庭用エアコンフィルタ−作成し(四
角形状)、フィルタ−の形態安定性を目視にて観察し、
次の評価をした。 ◎;1年経過後も、フィルタ−の平面形態は変化しな
い。 ×;数日でフィルタ−の平面形態が変化し、波状の凹凸
部が生じる。
【0035】(6) 製造コスト ◎;従来の後染め品の半分以下となる。 ×;従来の後染め品と同等である。
【0036】実施例1〜3、比較例1について、抗菌性
能、防黴性能、消臭性能、水洗に対する消臭効果の耐久
性、形態安定性、コストを、上記のように試験して評価
した結果を表1に示す。表1より、実施例1〜3のポリ
プロピレン繊維は、比較例1のカテキン後染め繊維と比
較すると、抗菌性、防黴性、消臭性及びその耐久性につ
いてはほぼ同等の評価あるが、実施例の各繊維は、比較
例の繊維より、フィルタ−に使用した場合の形態安定性
が各段に優れ、また製造コストが著しく低減化されてい
ることが明らかである。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るカテ
キン類入りポリプロピレン繊維は、カテキン類配合によ
る抗菌、消臭等の効果の発揮とその効果の耐久性が確保
される。また、疎水性のポリプロプレン繊維を用いてい
るので、湿度変化に対して、繊維の形態安定性が非常に
優れ、さらに、カテキン類をポリプロピレン樹脂に練り
込んで繊維を製造するので、従来のカテキン後染め繊維
より製造工程が単純化され、製造コストが著しく低減化
される。したがって、フィルタ−等の材料として、好適
に用いることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) カテキン類と、 (2)ポリエチレン
    と、(3) 多孔質物質、低融点ポリアミド、変性ポリオレ
    フィン又はこれらの二種以上とを、配合したことを特徴
    とするカテキン類入りポリプロピレン繊維。
  2. 【請求項2】 前記多孔質物質がシリカ粉末であること
    を特徴とする請求項1記載のカテキン類入りポリプロピ
    レン繊維。
  3. 【請求項3】 前記カテキン類の粒径が10μ以上であ
    って40μ未満であることを特徴とする請求項1又は2
    記載のカテキン類入りポリプロピレン繊維。
  4. 【請求項4】 ポリエチレンに、(1) カテキン類と、
    (2)多孔質物資、低融点ポリアミド、ポリオレフィン又
    はこれらの二種以上とを、配合してマスタ−バッチを形
    成後、このマスタ−バッチとポリプロピレン樹脂とを混
    練し、溶融紡糸することを特徴とするカテキン類入りポ
    リプロピレン繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記多孔質物質がシリカ粉末であること
    を特徴とする請求項4記載のカテキン類入りポリプロピ
    レン繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記カテキン類の粒径が10μ以上であ
    って40μ未満であることを特徴とする請求項4又は5
    記載のカテキン類入りポリプロピレン繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 溶融紡糸において、紡糸用ノズルと冷却
    槽液面との間のエア−ギャップを8〜10mmとしたこ
    とを特徴とする請求項4、5又は6記載のカテキン類入
    りポリプロピレン繊維の製造方法。
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