JPH0921785A - 不純物検出方法 - Google Patents
不純物検出方法Info
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- JPH0921785A JPH0921785A JP7172187A JP17218795A JPH0921785A JP H0921785 A JPH0921785 A JP H0921785A JP 7172187 A JP7172187 A JP 7172187A JP 17218795 A JP17218795 A JP 17218795A JP H0921785 A JPH0921785 A JP H0921785A
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- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 能率的に半導体基板中の金属不純物等の捕集
を行い、かつ環境からの汚染を極めて少なくすることが
可能な分析用試料の調製・準備法およびこれを用いた不
純物の測定方法を得る。 【解決手段】 半導体基板等の比測定物に比べて金属の
拡散係数が同等あるいはそれ以下の物質(TiSiN,
SiN,Pドープドポリシリコンなど)の不純物捕集用
被膜にて半導体基板を被覆し、この半導体基板を熱処理
することにより、半導体基板中の不純物を不純物捕集用
被膜に捕集し、その後、遠紫外線を用いた光励起エッチ
ング等のドライ・エッチングにより不純物を捕集・蓄積
した不純物捕集用被膜をエッチング・分解し、このエッ
チング反応生成物を含むガスを質量分析する。
を行い、かつ環境からの汚染を極めて少なくすることが
可能な分析用試料の調製・準備法およびこれを用いた不
純物の測定方法を得る。 【解決手段】 半導体基板等の比測定物に比べて金属の
拡散係数が同等あるいはそれ以下の物質(TiSiN,
SiN,Pドープドポリシリコンなど)の不純物捕集用
被膜にて半導体基板を被覆し、この半導体基板を熱処理
することにより、半導体基板中の不純物を不純物捕集用
被膜に捕集し、その後、遠紫外線を用いた光励起エッチ
ング等のドライ・エッチングにより不純物を捕集・蓄積
した不純物捕集用被膜をエッチング・分解し、このエッ
チング反応生成物を含むガスを質量分析する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン(Si)
結晶やガリウムヒ素(GaAs)、ガリウム燐(Ga
P)結晶のような半導体結晶中の極微量の金属不純物を
分析するための方法に係り、特に試料を準備・調製し、
具体的に分析機器へ導入する方法に関する。
結晶やガリウムヒ素(GaAs)、ガリウム燐(Ga
P)結晶のような半導体結晶中の極微量の金属不純物を
分析するための方法に係り、特に試料を準備・調製し、
具体的に分析機器へ導入する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン(Si)やガリウムヒ素
(GaAs)単結晶が各種の集積回路(IC)およびデ
ィスクリート・デバイス等の半導体装置基板として使用
されている。この半導体結晶中にナトリウム(Na)や
カリウム(K)、鉄(Fe)などの不純物が存在する
と、その存在量が極微量であっても、これら結晶を基礎
として形成される半導体装置の電気的特性が不安定にな
るなどの大きな影響を与えることが知られている。一方
で、半導体基板の表面を洗浄する場合、フッ化水素酸や
アンモニア、硫酸など多くの薬液が用いられ半導体装置
製造プロセスの各段階、たとえば洗浄工程やエッチング
工程に用いられている。これらの洗浄工程等において表
面にハロゲンやアミンなどが残存しやすいため、これら
の残存不純物に起因した問題が生じている。たとえば残
存不純物により半導体基板上に欠陥が発生、増殖し、半
導体基板表面上にエッチピットなどの欠陥が観測される
ことが知られている。したがって、半導体素子の特性を
高めるには、これら半導体基板のバルク中、あるいは表
面に残存する不純物の含有量を可能な限り低く押えるこ
とが必要とされる。
(GaAs)単結晶が各種の集積回路(IC)およびデ
ィスクリート・デバイス等の半導体装置基板として使用
されている。この半導体結晶中にナトリウム(Na)や
カリウム(K)、鉄(Fe)などの不純物が存在する
と、その存在量が極微量であっても、これら結晶を基礎
として形成される半導体装置の電気的特性が不安定にな
るなどの大きな影響を与えることが知られている。一方
で、半導体基板の表面を洗浄する場合、フッ化水素酸や
アンモニア、硫酸など多くの薬液が用いられ半導体装置
製造プロセスの各段階、たとえば洗浄工程やエッチング
工程に用いられている。これらの洗浄工程等において表
面にハロゲンやアミンなどが残存しやすいため、これら
の残存不純物に起因した問題が生じている。たとえば残
存不純物により半導体基板上に欠陥が発生、増殖し、半
導体基板表面上にエッチピットなどの欠陥が観測される
ことが知られている。したがって、半導体素子の特性を
高めるには、これら半導体基板のバルク中、あるいは表
面に残存する不純物の含有量を可能な限り低く押えるこ
とが必要とされる。
【0003】このための処置をとる前提として、半導体
結晶中の不純物密度を正確に分析し、モニタリングする
ことが不可欠になる。
結晶中の不純物密度を正確に分析し、モニタリングする
ことが不可欠になる。
【0004】従来、半導体基板中、あるいは表面の不純
物分析方法としてはフレームレス原子吸光装置(例え
ば、パーキンエルマー社製:5100ZL)や誘導結合
プラズマ質量分析装置(例えば、セイコー電子工業社
製:SPQ6500)を用いた分析方法が広く適用され
ている。また、深さ方向分析方法においては、二次イオ
ン質量分析装置(例えば、カメカ社製IMF−4)を用
いた方法が従来用いられている。
物分析方法としてはフレームレス原子吸光装置(例え
ば、パーキンエルマー社製:5100ZL)や誘導結合
プラズマ質量分析装置(例えば、セイコー電子工業社
製:SPQ6500)を用いた分析方法が広く適用され
ている。また、深さ方向分析方法においては、二次イオ
ン質量分析装置(例えば、カメカ社製IMF−4)を用
いた方法が従来用いられている。
【0005】この際の前処理手法としては、各種半導体
材料を直接酸分解し、その試料溶液を噴霧器等で霧状に
して原子吸光分析する方法や、さらに超微量不純物含有
量を測定するためには、図7に示す構造のウェット処理
(ウェットエッチング)による分解装置が用いられてい
た。
材料を直接酸分解し、その試料溶液を噴霧器等で霧状に
して原子吸光分析する方法や、さらに超微量不純物含有
量を測定するためには、図7に示す構造のウェット処理
(ウェットエッチング)による分解装置が用いられてい
た。
【0006】図7において、例えばシリコン結晶を深さ
方向に分解する場合、密閉容器101中において結晶試
料Mを10mlの超純水Wと共にテフロン容器103に
収納し、酸液Aとしてそれぞれ50%フッ化水素酸40
0mlと60%硝酸400mlとを別々に容器109
A,109Bに収納する。この酸液Aを加熱手段(ヒー
タプレート)107A,107Bを作動して、210℃
で150分間加熱し、得られた酸蒸気119A,119
Bにより試料Mを分解する方法が用いられいる。
方向に分解する場合、密閉容器101中において結晶試
料Mを10mlの超純水Wと共にテフロン容器103に
収納し、酸液Aとしてそれぞれ50%フッ化水素酸40
0mlと60%硝酸400mlとを別々に容器109
A,109Bに収納する。この酸液Aを加熱手段(ヒー
タプレート)107A,107Bを作動して、210℃
で150分間加熱し、得られた酸蒸気119A,119
Bにより試料Mを分解する方法が用いられいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各種半
導体材料の不純物分析のための試料作成あるいは前処理
方法として、図7に示すような試料溶液の調整法を用い
る場合、密閉容器内101を酸蒸気119A,119B
で飽和させるまでに大変長い時間を要する上、分解に要
する時間も長く、極めて非効率的なものであった。
導体材料の不純物分析のための試料作成あるいは前処理
方法として、図7に示すような試料溶液の調整法を用い
る場合、密閉容器内101を酸蒸気119A,119B
で飽和させるまでに大変長い時間を要する上、分解に要
する時間も長く、極めて非効率的なものであった。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、上述した従来の分解方法および装置による場合より
も、はるかに能率的に試料の分解を行う方法を提供し、
かつ周囲の環境からの汚染が極めて少ない分析試料を調
整・準備することにより、高感度な不純物分析を行う方
法を提供することを目的とする。
で、上述した従来の分解方法および装置による場合より
も、はるかに能率的に試料の分解を行う方法を提供し、
かつ周囲の環境からの汚染が極めて少ない分析試料を調
整・準備することにより、高感度な不純物分析を行う方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は被測定物中、又は被測定物の表面の不純物を
検出する方法であって、図4に示すように被測定物71
の表面に、不純物の拡散定数が被測定物中における値と
同等もしくはそれ以下の値である不純物捕集用被膜72
を形成し、熱処理等により被測定物中の不純物79を外
方拡散し、不純物捕集用被膜72に捕集させ、不純物捕
集用被膜72に捕集された不純物を、その後、不純物捕
集用被膜72を、例えば図3に示すような装置を用いた
光励起エッチング法等のドライ・エッチング法によりエ
ッチング・分解し、このエッチングによる反応生成物を
分析することを特徴とする。
に本発明は被測定物中、又は被測定物の表面の不純物を
検出する方法であって、図4に示すように被測定物71
の表面に、不純物の拡散定数が被測定物中における値と
同等もしくはそれ以下の値である不純物捕集用被膜72
を形成し、熱処理等により被測定物中の不純物79を外
方拡散し、不純物捕集用被膜72に捕集させ、不純物捕
集用被膜72に捕集された不純物を、その後、不純物捕
集用被膜72を、例えば図3に示すような装置を用いた
光励起エッチング法等のドライ・エッチング法によりエ
ッチング・分解し、このエッチングによる反応生成物を
分析することを特徴とする。
【0010】より具体的には本発明は次の各工程からな
る不純物検出方法であることを特徴とする。すなわち本
発明は、(イ)被測定物71の表面に、対象とする不純
物の拡散定数の値が被測定物中の値と同等もしくはそれ
以下の値を有した不純物捕集被膜72を形成する第1工
程、(ロ)被測定物を図1又は図2に示すような熱処理
炉を用いて熱処理することにより、不純物を不純物捕集
被膜72に捕集する第2工程、および、(ハ)不純物捕
集被膜72をドライ・エッチングし、エッチング反応生
成物を分析する第3工程、例えば図3に示すようなエッ
チング装置を用いて光励起エッチング法によりエッチン
グし、エッチング反応生成物を分析する第3工程、の第
1〜第3の工程を少なくとも含むことを特徴とする。好
ましくは被膜測定物はシリコン(Si)やガリウム硅素
(GaAs)等の半導体基板であり、不純物捕集被膜は
窒化珪素(Si3 N4 )、炭化珪素(SiC)、窒化チ
タン(TiN)、窒化珪素チタン(TiSiN)、珪化
チタン(TiSi2 )、およびポリシリコンからなるグ
ループのうちから選ばれた所定の被膜であることを特徴
する。
る不純物検出方法であることを特徴とする。すなわち本
発明は、(イ)被測定物71の表面に、対象とする不純
物の拡散定数の値が被測定物中の値と同等もしくはそれ
以下の値を有した不純物捕集被膜72を形成する第1工
程、(ロ)被測定物を図1又は図2に示すような熱処理
炉を用いて熱処理することにより、不純物を不純物捕集
被膜72に捕集する第2工程、および、(ハ)不純物捕
集被膜72をドライ・エッチングし、エッチング反応生
成物を分析する第3工程、例えば図3に示すようなエッ
チング装置を用いて光励起エッチング法によりエッチン
グし、エッチング反応生成物を分析する第3工程、の第
1〜第3の工程を少なくとも含むことを特徴とする。好
ましくは被膜測定物はシリコン(Si)やガリウム硅素
(GaAs)等の半導体基板であり、不純物捕集被膜は
窒化珪素(Si3 N4 )、炭化珪素(SiC)、窒化チ
タン(TiN)、窒化珪素チタン(TiSiN)、珪化
チタン(TiSi2 )、およびポリシリコンからなるグ
ループのうちから選ばれた所定の被膜であることを特徴
する。
【0011】より好ましくは、図3に示す光励起エッチ
ング法はエキシマレーザ(ArF,KrF,XeCl)
等の波長310nm以下の紫外線レーザを用いることを
特徴とする。この光励起エッチング法のエッチングガス
はSF6 又はNF6 等のフッ素化合物ガスを少なくとも
含むことが好ましく、エッチング後の反応物の分析はI
CP質量分析器や4重極質量分析器等の質量分析器を用
いることが好ましい。
ング法はエキシマレーザ(ArF,KrF,XeCl)
等の波長310nm以下の紫外線レーザを用いることを
特徴とする。この光励起エッチング法のエッチングガス
はSF6 又はNF6 等のフッ素化合物ガスを少なくとも
含むことが好ましく、エッチング後の反応物の分析はI
CP質量分析器や4重極質量分析器等の質量分析器を用
いることが好ましい。
【0012】また、本発明の対象とする不純物は、特に
半導体装置製造プロセスで問題となるNa、K等のアル
カリ金属又はFe,Cr,Au等の重金属、金属である
ことを特徴とする。
半導体装置製造プロセスで問題となるNa、K等のアル
カリ金属又はFe,Cr,Au等の重金属、金属である
ことを特徴とする。
【0013】図4は、本発明の原理説明用の模式断面図
である。上記のような構成による本発明の方法において
は図4に示すように、例えば金属等の不純物の不純物捕
集被膜72として、被測定物71としてのシリコン(S
i)基板71の表面に、シリコンに比べて金属の拡散定
数が2ケタ程小さい窒化珪素(Si3 N4 )膜72をC
VD法により所定の厚さに形成した構造を用いる。
である。上記のような構成による本発明の方法において
は図4に示すように、例えば金属等の不純物の不純物捕
集被膜72として、被測定物71としてのシリコン(S
i)基板71の表面に、シリコンに比べて金属の拡散定
数が2ケタ程小さい窒化珪素(Si3 N4 )膜72をC
VD法により所定の厚さに形成した構造を用いる。
【0014】そして、この不純物捕集被膜72で全面を
被覆されたSi基板71を図1又は図2示す石英製反応
管61内に配置し、例えばアルゴン(Ar)ガス等を流
しながら、通常の熱処理条件、たとえば、1000℃〜
1200℃程度の高温での熱処理を所定の時間行う。熱
処理時間は表面からどの深さの不純物情報を必要として
いるかに応じて、拡散定数を考慮して決めればよい。そ
うすると、Si基板71中の金属等の不純物は窒化珪素
(Si3 N4 )膜72の表面に外方拡散し、移動・付着
し、さらにこのSi3 N4 膜の内部に拡散していくが、
この際Si3 N4 膜の拡散定数が非常に小さいので、金
属不純物はSi3 N4 膜を通過することなく、Si3 N
4 膜に高濃度に蓄積捕集される。
被覆されたSi基板71を図1又は図2示す石英製反応
管61内に配置し、例えばアルゴン(Ar)ガス等を流
しながら、通常の熱処理条件、たとえば、1000℃〜
1200℃程度の高温での熱処理を所定の時間行う。熱
処理時間は表面からどの深さの不純物情報を必要として
いるかに応じて、拡散定数を考慮して決めればよい。そ
うすると、Si基板71中の金属等の不純物は窒化珪素
(Si3 N4 )膜72の表面に外方拡散し、移動・付着
し、さらにこのSi3 N4 膜の内部に拡散していくが、
この際Si3 N4 膜の拡散定数が非常に小さいので、金
属不純物はSi3 N4 膜を通過することなく、Si3 N
4 膜に高濃度に蓄積捕集される。
【0015】この高濃度に不純物が蓄積されたSi3 N
4 膜を光励起エッチング、プラズマエッチング、あるい
はガスエッチング等のドライ・エッチングによりエッチ
ング除去し、エッチングにより生じた反応生成物に含ま
れる高濃度の不純物を分析をすればよいので、シリコン
基板を直接エッチングした場合に比して1〜2桁以上の
高感度の分析が可能となる。すなわち市販の高分解能I
CP質量分析装置の分析感度以上の不純物分析が可能と
なる。
4 膜を光励起エッチング、プラズマエッチング、あるい
はガスエッチング等のドライ・エッチングによりエッチ
ング除去し、エッチングにより生じた反応生成物に含ま
れる高濃度の不純物を分析をすればよいので、シリコン
基板を直接エッチングした場合に比して1〜2桁以上の
高感度の分析が可能となる。すなわち市販の高分解能I
CP質量分析装置の分析感度以上の不純物分析が可能と
なる。
【0016】ドライ・エッチングのうちでも光励起エッ
チングが不純物汚染が少ない点で好ましく、光励起エッ
チングは、不純物捕集用被膜のエッチングに適したエッ
チング用ガスと、光の波長が選ばれる。すなわち、Si
3 N4 膜の場合は、Si3 N4 膜は波長λが250nm
以下のような短波長の光を良く吸収するため、ArF
(λ=193nm),KrF(λ=249nm)等のガ
スを用いたエキマレーザ等の遠紫外レーザによって励起
することができ、光励起されたSi3 N4 膜は昇温して
フッ素化合物を含むエッチングガスを分解させ、反応性
に富むフッ素原子(フッ素ラジカル)を発生させてSi
3 N4 膜をエッチングする。光励起エッチングはプラズ
マエッチングのような過剰なエネルギーによる反応室の
壁面からの汚染の心配もなく、ガスエッチングのような
加熱による反応管からの汚染の心配もない。この蒸気を
そのまま四重極質量分析装置あるいは高分解能ICP質
量分析装置に導入することにより高感度な測定が可能と
なる。すなわち溶液を用いないドライプロセスによって
分析をすることが可能なため、周囲の環境からの汚染も
極めて少なくなり、さらに高感度が担保できることとな
る。
チングが不純物汚染が少ない点で好ましく、光励起エッ
チングは、不純物捕集用被膜のエッチングに適したエッ
チング用ガスと、光の波長が選ばれる。すなわち、Si
3 N4 膜の場合は、Si3 N4 膜は波長λが250nm
以下のような短波長の光を良く吸収するため、ArF
(λ=193nm),KrF(λ=249nm)等のガ
スを用いたエキマレーザ等の遠紫外レーザによって励起
することができ、光励起されたSi3 N4 膜は昇温して
フッ素化合物を含むエッチングガスを分解させ、反応性
に富むフッ素原子(フッ素ラジカル)を発生させてSi
3 N4 膜をエッチングする。光励起エッチングはプラズ
マエッチングのような過剰なエネルギーによる反応室の
壁面からの汚染の心配もなく、ガスエッチングのような
加熱による反応管からの汚染の心配もない。この蒸気を
そのまま四重極質量分析装置あるいは高分解能ICP質
量分析装置に導入することにより高感度な測定が可能と
なる。すなわち溶液を用いないドライプロセスによって
分析をすることが可能なため、周囲の環境からの汚染も
極めて少なくなり、さらに高感度が担保できることとな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係
る不純物検出方法に用いる金属捕集用熱処理炉である。
金属不純物を捕集する物質としては、金属の拡散定数が
可能な限り小さいものが好ましい。そのための物質とし
て、半導体基板に対して金属の拡散定数が2ケタ程度小
さい窒化珪素(Si3 N4 )膜や10ケタ程度小さい炭
化珪素(SiC)膜を用い、可能な限りこれらの膜厚を
薄くし半導体基板表面に形成することが望ましい。その
厚さとしては5〜10nm以上あればよく、50nm以
上厚くすることは、その後のドライ・エッチングの時間
が必要以上に長くなるので、好ましくない。ただし、測
定対象とする金属不純物の種類、あるいは後述する熱処
理条件に応じて膜厚を選定すべきことはもちろんであ
る。少なくとも不純物がSi3 N4 膜を抜けて気相中に
拡散しないような厚みに選ぶことが好ましい。
的に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係
る不純物検出方法に用いる金属捕集用熱処理炉である。
金属不純物を捕集する物質としては、金属の拡散定数が
可能な限り小さいものが好ましい。そのための物質とし
て、半導体基板に対して金属の拡散定数が2ケタ程度小
さい窒化珪素(Si3 N4 )膜や10ケタ程度小さい炭
化珪素(SiC)膜を用い、可能な限りこれらの膜厚を
薄くし半導体基板表面に形成することが望ましい。その
厚さとしては5〜10nm以上あればよく、50nm以
上厚くすることは、その後のドライ・エッチングの時間
が必要以上に長くなるので、好ましくない。ただし、測
定対象とする金属不純物の種類、あるいは後述する熱処
理条件に応じて膜厚を選定すべきことはもちろんであ
る。少なくとも不純物がSi3 N4 膜を抜けて気相中に
拡散しないような厚みに選ぶことが好ましい。
【0018】図1に示す本発明の第1の実施の形態で
は、半導体基板としてシリコン基板を用いた場合で、ま
ずシリコン基板の表面・裏面および側面上に20nmの
Si3N4 膜を付着堆積させ金属捕集用被膜としこれを
反応管61内に配置された石英ボート63内にセットす
る。次に、石英製反応管61内にArガスを通じて12
00℃に昇温し1時間の高温熱処理を行うことによりシ
リコンウェハ内の金属不純物をSi3 N4 膜内に拡散蓄
積する。熱処理後、このウェハをフッ素化合物等のエッ
チングガス中で遠紫外線レーザを照射して、Si3 N4
膜を選択的に光励起エッチングする。遠紫外線レーザに
関しては、シリコンおよびSi3 N4 膜における光吸収
係数の大きい波長が310nm以下の光を用い、図3に
示したエッチング装置を用いて行う。図3においてエッ
チング室1内に設置された基板保持台2上にシリコン基
板3を載せる。上記エッチング室1の壁面の一部にはレ
ーザを導入するためのサファイア等の光導入窓4が設け
られ、ArF(λ=193nm)などのエキマレーザ等
の遠紫外線レーザ発振機5で発生した遠紫外光をエッチ
ング室1内のシリコン基板3上に照射する。エキシマレ
ーザ以外でも、アルゴンレーザのUVラインやHgラン
プ、Hg−Xeランプの遠紫外光を用いてもよい。エッ
チング室1には、反応ガスを吸気するための吸気管6お
よび排気するための排気管7が取り付けられ、エッチン
グガスなどの雰囲気ガスをマスフローコントローラや、
圧力制御バルブ等を用いて所定の圧力、流速に制御して
供給する。通常、常圧でエッチングすればよく、代表的
には0.01nm/min程度のエッチングレートでエ
ッチングできる。加圧してエッチングしてもよい。
は、半導体基板としてシリコン基板を用いた場合で、ま
ずシリコン基板の表面・裏面および側面上に20nmの
Si3N4 膜を付着堆積させ金属捕集用被膜としこれを
反応管61内に配置された石英ボート63内にセットす
る。次に、石英製反応管61内にArガスを通じて12
00℃に昇温し1時間の高温熱処理を行うことによりシ
リコンウェハ内の金属不純物をSi3 N4 膜内に拡散蓄
積する。熱処理後、このウェハをフッ素化合物等のエッ
チングガス中で遠紫外線レーザを照射して、Si3 N4
膜を選択的に光励起エッチングする。遠紫外線レーザに
関しては、シリコンおよびSi3 N4 膜における光吸収
係数の大きい波長が310nm以下の光を用い、図3に
示したエッチング装置を用いて行う。図3においてエッ
チング室1内に設置された基板保持台2上にシリコン基
板3を載せる。上記エッチング室1の壁面の一部にはレ
ーザを導入するためのサファイア等の光導入窓4が設け
られ、ArF(λ=193nm)などのエキマレーザ等
の遠紫外線レーザ発振機5で発生した遠紫外光をエッチ
ング室1内のシリコン基板3上に照射する。エキシマレ
ーザ以外でも、アルゴンレーザのUVラインやHgラン
プ、Hg−Xeランプの遠紫外光を用いてもよい。エッ
チング室1には、反応ガスを吸気するための吸気管6お
よび排気するための排気管7が取り付けられ、エッチン
グガスなどの雰囲気ガスをマスフローコントローラや、
圧力制御バルブ等を用いて所定の圧力、流速に制御して
供給する。通常、常圧でエッチングすればよく、代表的
には0.01nm/min程度のエッチングレートでエ
ッチングできる。加圧してエッチングしてもよい。
【0019】上記エッチング装置において、シリコン基
板3上にポリシリコンが形成されている場合、まずエッ
チング室内にモノシラン(SiH4 )ガスとNH3 ガス
を流すとともにシリコン基板3にレーザ照射し光CVD
を行う。すなわち、SiH4分子とNH3 分子はレーザ
を吸収し、光分解し、シリコン基板表面に窒化膜が光反
応により形成される。その後、基板保持台内部に内蔵さ
れた加熱ヒータ8により所定の温度、所定の時間熱処理
し、不純物を窒化膜中に捕集する。次に、エッチング室
内のガスを光CVD用のSiH4 ガスおよびNH3 ガス
から光エッチング用のフッ素化合物であるSF6 あるい
はNF3 ガスに切り替えて、再びレーザを照射する。レ
ーザ照射された窒化膜は光励起されて昇温し、窒化膜近
傍のSF6 あるいはNF3 等のエッチングガスを励起し
て分解させ、反応性に富んだフッ素原子あるいはフッ素
ラジカルを発生させて上記シリコン窒化膜をエッチング
する。このとき、エッチングの反応生成物を含むガスを
直接ICP質量分析装置に導入することにより、高感度
に金属元素を定量できる。
板3上にポリシリコンが形成されている場合、まずエッ
チング室内にモノシラン(SiH4 )ガスとNH3 ガス
を流すとともにシリコン基板3にレーザ照射し光CVD
を行う。すなわち、SiH4分子とNH3 分子はレーザ
を吸収し、光分解し、シリコン基板表面に窒化膜が光反
応により形成される。その後、基板保持台内部に内蔵さ
れた加熱ヒータ8により所定の温度、所定の時間熱処理
し、不純物を窒化膜中に捕集する。次に、エッチング室
内のガスを光CVD用のSiH4 ガスおよびNH3 ガス
から光エッチング用のフッ素化合物であるSF6 あるい
はNF3 ガスに切り替えて、再びレーザを照射する。レ
ーザ照射された窒化膜は光励起されて昇温し、窒化膜近
傍のSF6 あるいはNF3 等のエッチングガスを励起し
て分解させ、反応性に富んだフッ素原子あるいはフッ素
ラジカルを発生させて上記シリコン窒化膜をエッチング
する。このとき、エッチングの反応生成物を含むガスを
直接ICP質量分析装置に導入することにより、高感度
に金属元素を定量できる。
【0020】本発明の適用範囲は、シリコン(Si)に
限られるものではなく、GaAs,GaP,InSb,
InAs等の化合物半導体やWSix 、MoSi2 のよ
うな金属シリサイド等の他の各種材料でもよく、これら
各種材料とそれを分解する能力を有するエッチングガス
を組み合わせた種々の場合であっても適用できること
は、上述した原理からして極めて明瞭である。またエッ
チングは光励起エッチング以外のプラズマエッチングや
ガスエッチングでもよいことも、もちろんである。Si
3 N4 のプラズマエッチングにはCF4 等のガスを用い
てもよい。
限られるものではなく、GaAs,GaP,InSb,
InAs等の化合物半導体やWSix 、MoSi2 のよ
うな金属シリサイド等の他の各種材料でもよく、これら
各種材料とそれを分解する能力を有するエッチングガス
を組み合わせた種々の場合であっても適用できること
は、上述した原理からして極めて明瞭である。またエッ
チングは光励起エッチング以外のプラズマエッチングや
ガスエッチングでもよいことも、もちろんである。Si
3 N4 のプラズマエッチングにはCF4 等のガスを用い
てもよい。
【0021】また、図2は、本発明の第2の実施の形態
に係る不純物検出方法に用いる金属捕集用熱処理炉の模
式断面図である。この実施の形態においては、金属等の
不純物捕集被膜として、TiSiN膜73を用いた。T
iSiN膜73は、アモルファス構造を有するため、4
50℃くらいで容易に相変位を起こし、Si基板中の不
純物であるFeやCuがTiSiN膜内に拡散蓄積す
る。本発明の第2の実施の形態においては、まず、厚さ
5nmのTiSiN膜73を表面に被覆・堆積したSi
ウェハ3を石英製反応管61内に配置する。そして、石
英製反応管61内に図2に示すようにArガスを通じて
400℃に昇温し、30分の熱処理を行う。その結果、
シリコンウェハ表面の金属不純物はTiSiN膜73に
拡散蓄積される。熱処理後、このウェハをドライ・エッ
チングし、高分解能ICP質量分析を行う。たとえば、
本発明の第1の実施の形態と同様に図3に示すエッチン
グ装置を用いて遠紫外線レーザを照射して、光エッチン
グを行ない、エッチング後の反応生成物を含むガスを高
分解能ICP質量分析装置9に導入し、金属元素の定量
を行う。図2の石英製反応管61中にセットしたまま、
エッチングガスを流してガスエッチングを行って、反応
ガスを直接高分解能ICP質量分析装置9に導入すれ
ば、されに周辺からの汚染は少なくできる。また、本発
明の第1および第2の実施の形態のように、微量の不純
物を測定する際には反応ガス自体の不純物量を低減させ
る必要があるが、例えば特願平7−67263号に示さ
れる方法で反応ガスを精製すれば良い。
に係る不純物検出方法に用いる金属捕集用熱処理炉の模
式断面図である。この実施の形態においては、金属等の
不純物捕集被膜として、TiSiN膜73を用いた。T
iSiN膜73は、アモルファス構造を有するため、4
50℃くらいで容易に相変位を起こし、Si基板中の不
純物であるFeやCuがTiSiN膜内に拡散蓄積す
る。本発明の第2の実施の形態においては、まず、厚さ
5nmのTiSiN膜73を表面に被覆・堆積したSi
ウェハ3を石英製反応管61内に配置する。そして、石
英製反応管61内に図2に示すようにArガスを通じて
400℃に昇温し、30分の熱処理を行う。その結果、
シリコンウェハ表面の金属不純物はTiSiN膜73に
拡散蓄積される。熱処理後、このウェハをドライ・エッ
チングし、高分解能ICP質量分析を行う。たとえば、
本発明の第1の実施の形態と同様に図3に示すエッチン
グ装置を用いて遠紫外線レーザを照射して、光エッチン
グを行ない、エッチング後の反応生成物を含むガスを高
分解能ICP質量分析装置9に導入し、金属元素の定量
を行う。図2の石英製反応管61中にセットしたまま、
エッチングガスを流してガスエッチングを行って、反応
ガスを直接高分解能ICP質量分析装置9に導入すれ
ば、されに周辺からの汚染は少なくできる。また、本発
明の第1および第2の実施の形態のように、微量の不純
物を測定する際には反応ガス自体の不純物量を低減させ
る必要があるが、例えば特願平7−67263号に示さ
れる方法で反応ガスを精製すれば良い。
【0022】すなわち図8に示すように石英管からなる
円筒容器41,42にそれぞれNaOH粒子43,Ti
N膜44を挿入し、TiNをヒータ45等で加熱しなが
ら円筒容器41,42に反応ガスを通過させることでS
F6 ,NF3 等の反応ガス中の不純物をNaOH粒子4
3,TiN膜44に吸着させ、不純物量を低減させるこ
とができる。同様にSiH4 ガス,NH3 ガスを精製す
ることにより光CVDされる窒化膜も高純度化される。
円筒容器41,42にそれぞれNaOH粒子43,Ti
N膜44を挿入し、TiNをヒータ45等で加熱しなが
ら円筒容器41,42に反応ガスを通過させることでS
F6 ,NF3 等の反応ガス中の不純物をNaOH粒子4
3,TiN膜44に吸着させ、不純物量を低減させるこ
とができる。同様にSiH4 ガス,NH3 ガスを精製す
ることにより光CVDされる窒化膜も高純度化される。
【0023】表1に本発明の第1および第2の実施の形
態によって定量した結果、および比較例として図7に示
した方法によりウェット・エッチングにより分解して試
料をネブライザー/高分解能ICP質量分析装置および
加熱気化/四重極ICP質量分析装置によって得られた
値を示す。
態によって定量した結果、および比較例として図7に示
した方法によりウェット・エッチングにより分解して試
料をネブライザー/高分解能ICP質量分析装置および
加熱気化/四重極ICP質量分析装置によって得られた
値を示す。
【0024】
【表1】 この表から明らかのように、金属の拡散係数の小さいS
i3 N4 膜やTiSiN膜を金属不純物の不純物捕集用
被膜として用い、レーザ・エッチング等のドライ・エッ
チングにより不純物捕集用被膜をエッチング・分解する
手法により、従来法と比較して、2〜300倍の高感度
な検出を行うことが可能である。
i3 N4 膜やTiSiN膜を金属不純物の不純物捕集用
被膜として用い、レーザ・エッチング等のドライ・エッ
チングにより不純物捕集用被膜をエッチング・分解する
手法により、従来法と比較して、2〜300倍の高感度
な検出を行うことが可能である。
【0025】表1に明らかなように、本発明はSi中の
金属不純物を109 cm-3オーダーで測定でき、ppt
以下の超微量不純物の分析が可能である。したがって測
定時の雰囲気からの汚染には十分な注意が必要である。
本発明の第1および第2の実施の形態では、熱処理後シ
リコンウェハ3を一旦大気中に出し、その後光励起エッ
チング室1にシリコンウェハ(シリコン基板)3をセッ
トする例を主に説明したが、大気に露出することや、ウ
ェハ・ハンドリング時に表面が汚染される心配がある。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係り、熱処理と光
励起エッチングを同一反応管61の内部で行うことによ
り、周辺からの汚染をなくし、さらに高感度な測定を可
能とするものである。
金属不純物を109 cm-3オーダーで測定でき、ppt
以下の超微量不純物の分析が可能である。したがって測
定時の雰囲気からの汚染には十分な注意が必要である。
本発明の第1および第2の実施の形態では、熱処理後シ
リコンウェハ3を一旦大気中に出し、その後光励起エッ
チング室1にシリコンウェハ(シリコン基板)3をセッ
トする例を主に説明したが、大気に露出することや、ウ
ェハ・ハンドリング時に表面が汚染される心配がある。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係り、熱処理と光
励起エッチングを同一反応管61の内部で行うことによ
り、周辺からの汚染をなくし、さらに高感度な測定を可
能とするものである。
【0026】図5に示す本発明の第3の実施の形態で
は、第1の実施の形態と同様に被測定物としてシリコン
基板3を用いた場合で、まずシリコン基板の表面・裏面
および側面上に20nmのSi3 N4 膜を付着堆積させ
金属捕集用被膜としこれを反応管61内に配置する。次
に、石英製反応管61内にバルブ52を開け、Arガス
を通じて赤外線加熱ランプ18でシリコンウェハを加熱
し、1200℃に昇温し1時間の高温熱処理を行うこと
によりシリコンウェハ内の金属不純物をSi3 N4 膜内
に拡散蓄積する。熱処理後、バルブ52を閉じ、バルブ
53を開け、SF6 等のフッ素化合物のエッチングガス
を流し、サファイア窓4を介して遠紫外線レーザを照射
して、Si3 N4 膜を選択的に光励起エッチングする。
SF6 ガスは図8に示すようなガス精製装置で純化すれ
ばよい。図8のNaOH粒子43の代わりにゼオライト
等の多孔質物質を用いてもよい。また図8の精製装置と
ゼオライト系の精製装置を直列に接続してもよい。他の
金属触媒系の精製装置を用いてもよい。遠紫外線レーザ
に関しては、シリコンおよびSi3 N4 膜における光吸
収係数の大きい波長が310nm以下の光、すなわちX
eCl(λ=308nm)、KrF(λ=249n
m)、あるいはArF(λ=193nm)などのエキマ
レーザ発振機5で発生した遠紫外光をシリコン基板3上
に照射する。Hgランプや、Hg−Xeランプを用いて
光励起エッチングしてもよい。反応管61には、反応ガ
スを吸気するための吸気管6および排気するための排気
管7が取り付けられ、排気管7に取り付けられたバルブ
61を開け、エッチング生成物を高分解能ICP質量分
析装置9へ導入し定量分析を行う。
は、第1の実施の形態と同様に被測定物としてシリコン
基板3を用いた場合で、まずシリコン基板の表面・裏面
および側面上に20nmのSi3 N4 膜を付着堆積させ
金属捕集用被膜としこれを反応管61内に配置する。次
に、石英製反応管61内にバルブ52を開け、Arガス
を通じて赤外線加熱ランプ18でシリコンウェハを加熱
し、1200℃に昇温し1時間の高温熱処理を行うこと
によりシリコンウェハ内の金属不純物をSi3 N4 膜内
に拡散蓄積する。熱処理後、バルブ52を閉じ、バルブ
53を開け、SF6 等のフッ素化合物のエッチングガス
を流し、サファイア窓4を介して遠紫外線レーザを照射
して、Si3 N4 膜を選択的に光励起エッチングする。
SF6 ガスは図8に示すようなガス精製装置で純化すれ
ばよい。図8のNaOH粒子43の代わりにゼオライト
等の多孔質物質を用いてもよい。また図8の精製装置と
ゼオライト系の精製装置を直列に接続してもよい。他の
金属触媒系の精製装置を用いてもよい。遠紫外線レーザ
に関しては、シリコンおよびSi3 N4 膜における光吸
収係数の大きい波長が310nm以下の光、すなわちX
eCl(λ=308nm)、KrF(λ=249n
m)、あるいはArF(λ=193nm)などのエキマ
レーザ発振機5で発生した遠紫外光をシリコン基板3上
に照射する。Hgランプや、Hg−Xeランプを用いて
光励起エッチングしてもよい。反応管61には、反応ガ
スを吸気するための吸気管6および排気するための排気
管7が取り付けられ、排気管7に取り付けられたバルブ
61を開け、エッチング生成物を高分解能ICP質量分
析装置9へ導入し定量分析を行う。
【0027】本発明の第3の実施の形態によれば、熱処
理後Siウェハ3を大気中に露出することなく、同一反
応管61中で質量分析まで行えるので、周辺の大気から
の汚染やウェハ・ハンドリングに伴う汚染は極めて少な
くなる。
理後Siウェハ3を大気中に露出することなく、同一反
応管61中で質量分析まで行えるので、周辺の大気から
の汚染やウェハ・ハンドリングに伴う汚染は極めて少な
くなる。
【0028】図6は本発明の第4の実施の形態に係る分
析装置を示す概略図で、同一反応室1内で光CVD,熱
処理,光エッチングの全工程が可能となり、さらに周辺
の大気中からの汚染やウェハ・ハンドリングに伴う汚染
を少なくできるものである。図6では、まず反応室1内
の基板保持台2の上にシリコンウェハ(シリコン基板)
3を配置し、次にこの反応室内にバルブ55とバルブ5
4を開け、図8に例示するような所定の精製装置を用い
て純化されたモノシラン(SiH4 )ガスとNH3 ガス
を流すとともにシリコン基板3に光導入用窓4を介して
レーザ照射し光CVDを行う。SiH4 ガスと同時にN
2 ガスあるいはH2 ガスをキャリアガスとして流しても
よい。この時赤外線ランプ28からの赤外線も同時に光
導入用窓4を介してシリコン基板3上に照射して基板を
150〜300℃に加熱してもよい。すなわち、SiH
4 分子およびNH3 分子はレーザを吸収し、光分解し、
シリコン基板3表面に窒化膜72が光反応により形成さ
れる。次に、バルブ55とバルブ54とを閉じ、反応室
1内のガスを熱処理用のガスに切り換える。すなわちバ
ルブ52を開けArガスを流しながら、赤外線加熱ラン
プ28で1000℃〜1250℃の所定の温度までシリ
コン基板3を加熱する。この熱処理条件はシリコン基板
3の表面から、どの深さまでの不純物情報を必要とする
かに応じて、決めればよい。すなわち、熱処理条件を変
えることにより、深さ方向の不純物プロファイルも測定
可能となる。なお、赤外線加熱ランプ用ミラー27とし
て回転楕円体のミラーを用い、シリコン基板3をランプ
と共焦点配置とすれば1300℃程度まで容易に加熱で
きる。この後バルブ52を閉じ、バルブ53あるいはバ
ルブ56を開けて光エッチング用のフッ素化合物である
SF6 あるいはNF3 ガスに切り替えて、再びエキシマ
レーザ光を照射する。レーザ照射された窒化膜は光励起
されて昇温し、窒化膜近傍のSF6 あるいはNF3 等の
エッチングガスを励起して分解させ、反応性に富んだフ
ッ素原子あるいはフッ素ラジカルを発生させてシリコン
窒化膜72をエッチングする。SF6 ガスやNF3 ガス
も所定の精製装置により所定の純度に純化されたものを
用いる。このとき、エッチングの反応生成物を含むガス
をバルブ61を開けて直接ICP質量分析装置に導入す
ることにより、高感度に金属元素を定量できる。ICP
質量分析装置9の内部は油回転ポンプ39とバルブ51
を用いて排気する。また光CVD中、および熱処理中は
バルブ61を閉じ、ICP質量分析装置9が汚染される
のを防ぐ。光CVD中、および熱処理中はバルブ65あ
るいはバルブ64を開けてNH3 ガス等を排気する。図
6に示した装置を用いて光CVD,熱処理,光エッチン
グを同一反応室1内で行えば、周辺の大気からの汚染等
は全く受けることがなくなるので、pptレベルの不純
物分析を簡単に行うことができる。なお、窒化膜をガス
エッチングやプラズマエッチングでエッチングしてもよ
く、プラズマエッチングの場合は油回転ポンプ39の代
わりにメカニカル・ブースター・ポンプやターボ分子ポ
ンプを用い、ICP質量分析装置9の代わりに高感度4
重極質量分析装置を用いてもよい。
析装置を示す概略図で、同一反応室1内で光CVD,熱
処理,光エッチングの全工程が可能となり、さらに周辺
の大気中からの汚染やウェハ・ハンドリングに伴う汚染
を少なくできるものである。図6では、まず反応室1内
の基板保持台2の上にシリコンウェハ(シリコン基板)
3を配置し、次にこの反応室内にバルブ55とバルブ5
4を開け、図8に例示するような所定の精製装置を用い
て純化されたモノシラン(SiH4 )ガスとNH3 ガス
を流すとともにシリコン基板3に光導入用窓4を介して
レーザ照射し光CVDを行う。SiH4 ガスと同時にN
2 ガスあるいはH2 ガスをキャリアガスとして流しても
よい。この時赤外線ランプ28からの赤外線も同時に光
導入用窓4を介してシリコン基板3上に照射して基板を
150〜300℃に加熱してもよい。すなわち、SiH
4 分子およびNH3 分子はレーザを吸収し、光分解し、
シリコン基板3表面に窒化膜72が光反応により形成さ
れる。次に、バルブ55とバルブ54とを閉じ、反応室
1内のガスを熱処理用のガスに切り換える。すなわちバ
ルブ52を開けArガスを流しながら、赤外線加熱ラン
プ28で1000℃〜1250℃の所定の温度までシリ
コン基板3を加熱する。この熱処理条件はシリコン基板
3の表面から、どの深さまでの不純物情報を必要とする
かに応じて、決めればよい。すなわち、熱処理条件を変
えることにより、深さ方向の不純物プロファイルも測定
可能となる。なお、赤外線加熱ランプ用ミラー27とし
て回転楕円体のミラーを用い、シリコン基板3をランプ
と共焦点配置とすれば1300℃程度まで容易に加熱で
きる。この後バルブ52を閉じ、バルブ53あるいはバ
ルブ56を開けて光エッチング用のフッ素化合物である
SF6 あるいはNF3 ガスに切り替えて、再びエキシマ
レーザ光を照射する。レーザ照射された窒化膜は光励起
されて昇温し、窒化膜近傍のSF6 あるいはNF3 等の
エッチングガスを励起して分解させ、反応性に富んだフ
ッ素原子あるいはフッ素ラジカルを発生させてシリコン
窒化膜72をエッチングする。SF6 ガスやNF3 ガス
も所定の精製装置により所定の純度に純化されたものを
用いる。このとき、エッチングの反応生成物を含むガス
をバルブ61を開けて直接ICP質量分析装置に導入す
ることにより、高感度に金属元素を定量できる。ICP
質量分析装置9の内部は油回転ポンプ39とバルブ51
を用いて排気する。また光CVD中、および熱処理中は
バルブ61を閉じ、ICP質量分析装置9が汚染される
のを防ぐ。光CVD中、および熱処理中はバルブ65あ
るいはバルブ64を開けてNH3 ガス等を排気する。図
6に示した装置を用いて光CVD,熱処理,光エッチン
グを同一反応室1内で行えば、周辺の大気からの汚染等
は全く受けることがなくなるので、pptレベルの不純
物分析を簡単に行うことができる。なお、窒化膜をガス
エッチングやプラズマエッチングでエッチングしてもよ
く、プラズマエッチングの場合は油回転ポンプ39の代
わりにメカニカル・ブースター・ポンプやターボ分子ポ
ンプを用い、ICP質量分析装置9の代わりに高感度4
重極質量分析装置を用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば金
属不純物を測定時の周辺部からの汚染の影響を受けるこ
となく、かつ高感度に検出することが可能である。従っ
て、本発明は、アルカリ金属、重金属等が素子特性に大
きな影響を与える各種半導体装置の製造歩留まりの向上
および信頼性の向上に寄与するところが大きい。
属不純物を測定時の周辺部からの汚染の影響を受けるこ
となく、かつ高感度に検出することが可能である。従っ
て、本発明は、アルカリ金属、重金属等が素子特性に大
きな影響を与える各種半導体装置の製造歩留まりの向上
および信頼性の向上に寄与するところが大きい。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る不純物捕集用
熱処理炉の模式断面図である。
熱処理炉の模式断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る不純物捕集用
熱処理炉の模式断面図である。
熱処理炉の模式断面図である。
【図3】本発明のエッチング・分析装置の概略図であ
る。
る。
【図4】本発明の原理を説明する図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る分析装置の概
略図である。
略図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る分析装置の概
略図である。
略図である。
【図7】従来のウェット・処理を示す図である。
【図8】本発明に用いる反応ガスの精製装置の断面図で
ある。
ある。
1 エッチング室(反応室) 2 基板保持台 3 基板(Si基板など) 4 光導入用窓 5 遠紫外線レーザ発振器 6 吸気管 7 排気管 8 加熱ヒータ 9 高分解能ICP質量分析装置 17,27 赤外線加熱ランプ用ミラー 18,28 赤外線加熱ランプ 39 油回転ポンプ(真空排気ポンプ) 41,42 円筒容器 43 NaOH粒子 44 TiN膜 45 ヒータ 51,52,53,54,55,56,61,62,6
3 バルブ 61 石英反応管 62 ヒーター(カンタル線など) 63 石英ボート 71 被測定物 72 不純物捕集用被膜 73 TiSiN膜(不純物捕集用被膜) 101 密閉容器 103 テフロン容器 107A,107B 加熱手段 109A,109B 容器 119A,119B 酸蒸気
3 バルブ 61 石英反応管 62 ヒーター(カンタル線など) 63 石英ボート 71 被測定物 72 不純物捕集用被膜 73 TiSiN膜(不純物捕集用被膜) 101 密閉容器 103 テフロン容器 107A,107B 加熱手段 109A,109B 容器 119A,119B 酸蒸気
Claims (3)
- 【請求項1】 被測定物中、又は被測定物の表面の不純
物を検出する方法であって、 該被測定物の表面に該不純物の拡散定数が該被測定物中
における値と同等もしくはそれ以下の値である不純物捕
集用被膜を形成し、 該不純物捕集用被膜をドライ・エッチングし、エッチン
グによる反応生成物を分析することにより該不純物捕集
用被膜に捕集された不純物を検出することを特徴とする
不純物検出方法。 - 【請求項2】 次の各工程からなる不純物検出方法。 (イ)被測定物の表面に対象とする不純物の拡散定数の
値が被測定物中の値と同等もしくはそれ以下の値を有し
た不純物捕集被膜を形成する第1工程 (ロ)該被測定物を熱処理することにより、不純物を不
純物捕集用被膜に捕集する第2工程 (ハ)該不純物捕集被膜をドライ・エッチングし、エッ
チング反応生成物を分析する第3工程 - 【請求項3】 前記ドライ・エッチングは光励起エッチ
ングであることを特徴とする請求項1又は2記載の不純
物検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7172187A JPH0921785A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 不純物検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7172187A JPH0921785A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 不純物検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0921785A true JPH0921785A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=15937197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7172187A Pending JPH0921785A (ja) | 1995-07-07 | 1995-07-07 | 不純物検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0921785A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002277361A (ja) * | 2001-03-19 | 2002-09-25 | Horiba Ltd | 半導体プロセス排ガスの分析方法および半導体プロセス排ガスの分析システム |
KR100459078B1 (ko) * | 2001-12-26 | 2004-12-03 | 주식회사 실트론 | 실리콘 웨이퍼의 금속 불순물 분석을 위한 에칭장치 |
JP2006208136A (ja) * | 2005-01-27 | 2006-08-10 | Toppan Printing Co Ltd | 汚染物分析用捕集装置 |
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