JPH09217786A - 構造物の免震構造 - Google Patents

構造物の免震構造

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JPH09217786A
JPH09217786A JP2256296A JP2256296A JPH09217786A JP H09217786 A JPH09217786 A JP H09217786A JP 2256296 A JP2256296 A JP 2256296A JP 2256296 A JP2256296 A JP 2256296A JP H09217786 A JPH09217786 A JP H09217786A
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seismic isolation
string
building
foundation
elastic body
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JP2256296A
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Motoharu Yatsuhashi
元治 八橋
Shuji Yamamoto
修治 山本
Motohisa Murayama
元久 村山
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物の免震構造において、二種類の装置
(免震支持体・紐状弾性体)を組み合わせただけの簡単
かつ安価な構成により地震等による構造物の振動を良好
に抑制し、しかも優れた耐風機能をも免震構造に具備さ
せる。 【解決手段】 基礎2と建築物4との間に介在し、か
つ、滑り支承により建築物4を水平方向に移動自在に支
持する免震支持体6を備えた建築物の免震構造におい
て、基礎2と建築物4との間に、減衰性を有する複数本
の紐状弾性体8を平面視で放射状に配設し、各紐状弾性
体8の一端を建築物4の底面側に固着すると共に他端を
基礎2側に固着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の免震構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物や機械類などに対する地震の振動
の伝播を防止する免震支持体として、ゴム等からなる弾
性層と鋼板等からなる剛性板層とを交互に多数層に積層
した免震支持体が知られている。この種の免震支持体
は、一般に免震積層ゴムと称されるもので、弾性層の水
平方向の弾性変形によって構造物への振動の伝播を防止
し、それと同時に免震支持体および構造物からなる振動
系の固有周期(以下「免震周期」という)を、地震の水
平振動の周期より長くすることによって、地震による構
造物の振動を抑制する。一般に免震周期Tfは、次式
(1)で表される。 Tf=2π(W/(g・Kf))1/2 ・・・(1) 但し、 W;構造物の重量 g;重力加速度 Kf;免震積層ゴムの水平バネ定数 ここで、Kfは、次式(2)で表される。 Kf=A・G/h ・・・(2) 但し、 A;弾性層の断面積 G;弾性層のせん断弾性係数 h;弾性層の高さ
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前式(1)からわかる
ように、免震周期Tfは構造物の重量Wの平方根に比例
し、水平バネ定数Kfの平方根に反比例するため、木造
住宅のように重量Wが小さい軽量構造物において免震周
期Tfを長くするには、前式(2)からわかるように、
弾性層のせん断弾性係数Gを小さくするか、弾性層の直
径を小さくするかまたは高さhを大きくして、水平バネ
定数Kfを小さくする必要がある。通常は弾性層の高さ
hを大きくせざるを得ず、免震積層ゴムが丈高い(細長
い)形状となるため、地震時に構造物に対して基礎が水
平方向に大きく変位すると、免震積層ゴムが座屈して構
造物を充分に支えきれなくなる恐れがある。この座屈を
防止するためには、弾性層の弾性力を増大させるか免震
積層ゴムを太くすればよいが、そのようにした場合は前
述のように免震周期Tfが短くなってしまい、免震特性
が低下するといった不都合が生ずる。
【0004】そこで、前記座屈を防止する手段として、
転がりまたは滑りによる支承と免震積層ゴムとを組み合
わせた複合支承を採用した技術も知られている(特開昭
64−17945号、特開平3−87476号公報参
照)が、免震構造全体が比較的高価なものとなってしま
う。また、この種の複合支承においては、転がりまたは
滑りによる支承のみに構造物の全荷重を支持させるよう
にしているため、まず滑り支承の個数および配置が制約
され、次いで免震積層ゴムの配置にも影響が及び、よっ
て免震構造を自由にレイアウトできないという不都合も
生ずる。
【0005】免震積層ゴムに代えて座屈の心配のないバ
ネ・ダンパを設置し、これに転がり支承あるいは滑り支
承を組み合わせた免震構造も知られているが、この場合
は三種類の装置(転がりまたは滑り支承・バネ・ダン
パ)が必要となるため、免震構造全体が複雑になるとい
う問題点がある。
【0006】さらに、滑り支承における支持板の摺動面
に勾配を付けるなどの工夫をして、摺動面を摺動する滑
り体を地震終了時に支持板における通常位置に自然に復
帰させるようにし、これによりバネ・ダンパを省略する
ことも考えられる。しかし、この場合は、支持板の摺動
面や滑り体に高い寸法精度などが要求されるため、免震
構造の製造コストが影響を受けると同時に、地震時等に
おける構造物の水平方向の変位量が非常に大きくなって
しまう恐れがある。
【0007】さらに、構造物における免震機能と耐風機
能とは相反するものであり、そのため、両者を同時に構
造物に具備させることは非常に困難であるという問題が
従来より提起されており、よって、優れた耐風機能をも
備えた免震構造が強く要望されている。
【0008】本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、二種類の装置を組み合わせただけの
簡単かつ安価な構成により地震等による構造物の振動を
良好に抑制し、しかも優れた耐風機能をも具備した構造
物の免震構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、次のような構成を有する。請求項1の発明
は、基礎と構造物との間に介在し、かつ、転がり支承ま
たは滑り支承により前記構造物を水平方向に移動自在に
支持する免震支持体を備えた構造物の免震構造におい
て、基礎と構造物との間に、減衰性を有する複数本の紐
状弾性体を平面視で放射状に配設し、該各紐状弾性体の
一端を構造物の底面側に固着すると共に他端を基礎側に
固着したことを特徴とする構造物の免震構造である。
【0010】請求項2の発明は、前記紐状弾性体が、高
減衰ゴムからなるものであって、横断面略円形または横
断面略多角形の紐状体、横断面略円形または横断面略多
角形の紐状体を撚り合わせたものもしくは編組したも
の、あるいは、これらの組み合わせからなるものである
ことを特徴とする請求項1記載の構造物の免震構造であ
る。
【0011】請求項3の発明は、前記紐状弾性体を予張
して配設したことを特徴とする請求項1または2記載の
構造物の免震構造である。
【0012】請求項4の発明は、基礎と構造物との間
に、構造物が水平方向に所定量変位したときに緊張して
構造物の変位を規制する変位限定手段を配設したことを
特徴とする請求項1、2または3記載の構造物の免震構
造である。
【0013】請求項1および請求項2の発明によれば、
地震時などに基礎と構造物とが前記免震支持体を介して
水平方向に相対的に変位すると、減衰性を有する前記紐
状弾性体が伸縮しながら振動エネルギーを吸収し、構造
物の振動が減衰されるようになる。また、複数の弾性体
が平面視で放射状に配設されることから、水平方向のあ
らゆる向きに対して構造物の振動を抑制することができ
る。したがって、転がり支承または滑り支承による免震
支持体と紐状弾性体とからなる二種類の装置を組み合わ
せただけの簡単かつ安価な構成により、地震等による構
造物の振動を良好に抑制することができる。
【0014】請求項3の発明によれば、前記紐状弾性体
を予張して配設したので、転がり支承または滑り支承に
よる前記免震支持体が、地震終了時などにおいて容易に
通常の状態に復帰するようになる。これに対して、紐状
弾性体が予張されていない場合(紐状弾性体を自然長の
状態で設置する場合)は、前記免震支持体における摩擦
力が作用して免震支持体が元の状態に完全に復帰しなく
なる恐れがある。なお、本発明において「予張」とは、
紐状弾性体をその自然長からやや伸ばした状態に緊張さ
せておくことをいう。
【0015】請求項4の発明によれば、構造物が水平方
向に所定量変位したときに、前記変位限定手段が緊張し
て構造物の変位を規制するので、例えば構造物に地震力
よりも大きな風力が作用した場合でも、構造物の水平方
向の変位が前記所定量以下に限定されると共に、前記紐
状弾性体がその許容範囲を越えて伸びることもない。ま
た、風力により生ずる構造物の浮き上がりなども、前記
変位限定手段の緊張によって防止される。なお、本発明
において「所定量」とは、地震を想定した場合の構造物
の最大設計変位である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。本実施形態は、図1〜図3に示すよ
うに、基礎2と建築物(構造物の一例)4との間に介在
し、かつ、滑り支承により建築物4を水平方向に移動自
在に支持する免震支持体6を備えた建築物の免震構造に
おいて、基礎2と建築物4との間に、減衰性を有する四
本の紐状弾性体8を平面視で放射状に配設し、各紐状弾
性体8の一端を建築物4の底面側に固着すると共に他端
を基礎2側に固着したものである。また、基礎2と建築
物4との間には、建築物4が水平方向に所定量D変位し
たときに緊張して建築物4の変位を規制するチェン10
(変位限定手段の一例)が紐状弾性体8に沿って配設さ
れている。以下、各部材の構成を詳細に説明する。
【0017】建築物4は、図2に示すように、その底部
に土台4aを備えている。この土台4aは、横断面略H
形の複数のH形鋼12を建築物4の底部における各辺上
および対向する辺を結ぶ線上に適宜配置し、これら複数
のH形鋼12を強固に一体的に接合した剛性の高いもの
である。
【0018】免震支持体6は、図1に示すように、建築
物4の土台4aにおける四隅それぞれに配置されてい
る。各免震支持体6は、図2に示すように、滑り支承に
よるものであって、土台4a側に固定された上側支持板
6aと、基礎2側に固定された下側支持板6bと、上側
支持板6aの下面に固定されると共に下側支持板6bに
摺動自在に接触した球面状の下端部を有する滑り体6c
とから主に構成される。なお、本発明に係る「免震支持
体」とは、滑り体6cによるものに限定されず、ボール
ベアリングやフリーベアリング等による転がり支承、あ
るいは、直交ローラとレールとを組み合わせた転がり支
承などを含む。
【0019】紐状弾性体8は、図5に示すように、高減
衰ゴムや、減衰性および弾性を具備した合成樹脂などか
らなる横断面略円形(楕円形を含む)のものである。ま
た、紐状弾性体8は、図5に示す横断面略円形のものに
限定されず、横断面略多角形(三角形・矩形を含む)の
紐状体(図6参照)、横断面略円形または横断面略多角
形の紐状体を撚り合わせたもの(図7参照)もしくは編
組したもの(図8参照)、あるいは、これらを適宜組み
合わせたものなどでもよい。
【0020】四本の紐状弾性体8は、図1および図2に
示すように、それぞれの一端が土台4aの略中央部に接
続部16aを介して固着されると共に、それぞれ建築物
4の各隅部に向けて伸び、それぞれの他端が前記下側支
持板6bの縁に接続部16bを介して固着される。ま
た、紐状弾性体8は、予張された状態で設置されてお
り、通常の状態でも弾性的に基礎2と建築物4とを連結
している。すなわち、図2に示すように滑り体6cが下
側支持板6bの中心に位置し建築物4が通常の位置にあ
るとき、四本の紐状弾性体8を含む建物全体は、前記弾
性力により最も安定した状態となる。なお、四本の紐状
弾性体8は、建築物4の中央部に位置する内側の一端を
基礎2側に固着し、外側の他端を建築物4側に固着して
もよい。また、本実施形態において「予張」とは、紐状
弾性体8をその自然長からやや伸ばした状態に緊張させ
ておくことをいう。
【0021】チェン10は、図9(a)に示すように金
属製あるいはプラスチック製等の複数のリング10aで
構成されたものであり、各紐状弾性体8それぞれに付設
される。チェン10は、図2に示すごとく、紐状弾性体
8と同様に一端が土台4aに接続部16aを介して固着
され、他端が接続部16bを介して下側支持板6bに固
着される。また、チェン10は、図2に示すように風力
や地震力が作用しない通常の状態では十分に弛んでお
り、図4に示すように建築物4が水平方向に所定量D変
位したときには、張り切ってそれ以上の建築物4の変位
を規制する。なお、本実施形態において「所定量」と
は、地震を想定した場合の建築物4の最大設計変位であ
る。
【0022】以上のような構成を有する本実施形態によ
れば、次のような作用・効果が得られる。例えば、図2
の紙面に対して左右方向に地震が起きた場合、図2に示
す通常の状態から、図3に示すように免震支持体6の滑
りにより基礎2と建築物4とが水平方向に相対的に変位
すると、建築物4の変位方向とは反対側(図3では右
側)の紐状弾性体8が引っ張られて伸びながら振動エネ
ルギーを吸収し、建築物4の振動を減衰させる。一方、
建築物4の変位方向側(図3では左側)の紐状弾性体8
は、縮んだりあるいは撓んだりして前記相対変位に対応
する。このとき、建築物4の変位方向と反対側のチェン
10は、多少伸びるものの弛んだ状態にあり免震機能
(紐状弾性体8の伸縮)には影響を与えない。そして、
対向する紐状弾性体8が交互に伸縮することにより、良
好に地震エネルギが紐状弾性体8に吸収されるようにな
る。そして、本実施形態においては、四本の紐状弾性体
8が平面視で放射状に配設されることから、水平方向の
あらゆる向きに対して建築物4の振動を抑制することが
できる。
【0023】したがって、免震支持体6と紐状弾性体8
とからなる二種類の装置を組み合わせただけの簡単かつ
安価な構成により、地震等による建築物4の振動を良好
に抑制することができる。
【0024】また、本実施形態によれば、四本の紐状弾
性体8それぞれを予張して配設したので、免震支持体6
が地震終了時などにおいて容易に通常の状態に復帰する
ようになる。すなわち、地震力が弱まって滑り体6cが
通常の状態に停止しようとする段階において、予張され
た四本の紐状弾性体8のその張力によって滑り体6cが
最も安定した状態つまり下側支持板6bの中心位置に確
実かつ速やかに復帰するようになる。これに対して、紐
状弾性体8が予張されていない場合(紐状弾性体8を自
然長の状態で設置する場合など)、前記免震支持体6に
作用する摩擦力によっては完全に免震支持体6が元の状
態に復帰しなくなる恐れがある。なお、より確実に免震
支持体6を通常の状態に復帰させ、かつ、紐状弾性体8
の予張力を軽減するため、滑り体6cが下側支持板6b
の中心位置に容易に戻るよう下側支持板6bの上面を凹
状の曲面に形成してもよい。また、下側支持板6bに滑
り体6cを設けた場合は、上側支持板6aの下面を前記
凹状の曲面に形成すればよい。また、上側支持板6aと
下側支持板6bとの間に転動体を介在させた転がり支承
の場合には、上側支持板6aの下面および下側支持板6
bの上面のうち少なくとも一方に前記凹状の曲面を形成
すればよい。
【0025】また、本実施形態によれば、建築物4が水
平方向に所定量D変位したときに、チェン10が緊張し
て建築物4のそれ以上の変位を規制するので、例えば建
築物4に地震力よりも大きな風力が作用した場合でも、
図4に示すように、建築物4の水平方向の変位が所定量
D以下に限定されると共に、紐状弾性体8がその許容範
囲を越えて伸びることもない。また、風力により生ずる
建築物4の浮き上がりなども、チェン10の緊張によっ
て防止される。
【0026】以上の作用・効果が得られる本実施形態を
一例とした本発明は、本実施形態のごとく強固に一体化
された土台を有する構造物に適用されることが望まし
い。すなわち、土台が強固に一体化された場合は、地震
時において土台全体として一つの固有振動を示すと考え
ることができるため、それに適用する減衰装置も一つの
手段(本実施形態の場合における四つの紐状弾性体から
なる一組の装置)で足りるが、角材等の木材からなる、
全体として変形しやすい土台の場合は、土台の複数箇所
でそれぞれ異なる振動特性を示すと考えられるため、該
複数箇所それぞれに専用の減衰装置を個々に配置する方
が好ましいからである。但し、木造であっても十分に強
固に一体化した土台であれば、本発明の免震構造はもち
ろん適用可能である。また、一体化された土台が一つの
構造物に複数ある場合には、一体化した土台毎に本発明
の免震構造を配置すればよい。
【0027】なお、前記実施形態は本発明の好適な実施
の態様であり、本発明の技術的範囲は本実施形態に限定
されない。本発明に係る変位限定手段は、チェン10に
限定されず、金属製またはプラスチック製等の棒状体1
8aを節18bを介して折れ曲がり可能に結合したリン
ク体18(図9(b)参照)、金属製またはプラスチッ
ク製等からなる素線を撚り合わせた紐状体20(図9
(c)参照)、素線を編組した柔軟な紐状体22(図9
(d)参照)でもよい。さらに、変位限定手段は、前記
チェン10やリンク体18、前記紐状体20,22を適
宜組み合わせたもの、その他一定限度以上伸びないまた
は伸びにくい柔軟性のある紐状体、あるいは、図9
(e)に示すような、耐腐食や保護のためのゴムやプラ
スチックなどからなる被覆材(熱収縮チューブ等)24
を前記チェン10等(図9(e)では一例としてリンク
体18を示す)に被覆したものでもよい。また、変位限
定手段の材料としては、金属では炭素鋼等、プラスチッ
クではアラミド繊維等、その他ではカーボン繊維,ガラ
ス繊維等の高張力の材料が適用可能である。
【0028】また、変位限定手段の配置および本数は、
前記実施形態に限定されるものではなく、構造物の種類
等に応じて適宜設定可能である。例えば、構造物の底面
の外周付近にて基礎と構造物とを変位限定手段で連結し
てもよく、この場合は、変位限定手段の長さを短くでき
ると共に、変位限定手段に生ずる張力の垂直方向成分が
大きくなるため構造物の浮き上がりをより確実に抑える
という有利な効果が得られる。
【0029】また、前記実施形態は、土台4aの略中央
部から土台4aの四隅に向けて四本の紐状弾性体8を延
在させたものであるが、本発明に係る紐状弾性体の配列
はこれに限定されない。例えば、図10に示すように、
土台4aの略中央部から土台4aの四辺の各中央位置に
向けて四本の紐状弾性体8を十字状に配置してもよく、
もちろんこの場合においても同様の作用効果が得られ
る。また、本発明に係る紐状弾性体の本数および長さに
ついては、免震構造の設計条件に応じて適宜選定可能で
ある。
【0030】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、二
種類の装置(免震支持体・紐状弾性体)を組み合わせた
だけの簡単かつ安価な構成により地震等による構造物の
振動を良好に抑制することができる。また、優れた耐風
機能をも免震構造に具備させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の免震構造の平面図である。
【図2】本実施形態の免震構造の側面図である。
【図3】本実施形態の免震構造の側面図であって、基礎
と建築物とが相対的に変位したときの状態を示す図であ
る。
【図4】本実施形態の免震構造の側面図であって、基礎
と建築物とが相対的に所定量変位したときの状態を示す
図である。
【図5】本実施形態に係る横断面略円形の紐状弾性体の
斜視図である。
【図6】本実施形態に係る横断面矩形の紐状弾性体の斜
視図である。
【図7】本実施形態に係る撚り合わせた紐状弾性体の斜
視図である。
【図8】本実施形態に係る編組した紐状弾性体の斜視図
である。
【図9】(a)は本実施形態に係るチェンを示す図、
(b)〜(e)は変位限定手段の他の例を示す図であっ
て、(b)はリンク体、(c)は素線を撚った紐状体、
(d)は素線を編組した紐状体、(e)は被覆材を有す
る変位限定手段を示す図である。
【図10】他の実施形態の免震構造の平面図である。
【符号の説明】
2 基礎 4 建築物(構造物の一例) 6 免震支持体 6a 上側支持板 6b 下側支持板 6c 滑り体 8 紐状弾性体 10 チェン(変位限定手段の一例) D 所定量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04H 9/02 351 E04H 9/02 351

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎と構造物との間に介在し、かつ、転
    がり支承または滑り支承により前記構造物を水平方向に
    移動自在に支持する免震支持体を備えた構造物の免震構
    造において、 基礎と構造物との間に、減衰性を有する複数本の紐状弾
    性体を平面視で放射状に配設し、該各紐状弾性体の一端
    を構造物の底面側に固着すると共に他端を基礎側に固着
    したことを特徴とする構造物の免震構造。
  2. 【請求項2】 前記紐状弾性体は、高減衰ゴムからなる
    ものであって、横断面略円形または横断面略多角形の紐
    状体、横断面略円形または横断面略多角形の紐状体を撚
    り合わせたものもしくは編組したもの、あるいは、これ
    らの組み合わせからなるものであることを特徴とする請
    求項1記載の構造物の免震構造。
  3. 【請求項3】 前記紐状弾性体を予張して配設したこと
    を特徴とする請求項1または2記載の構造物の免震構
    造。
  4. 【請求項4】 基礎と構造物との間に、構造物が水平方
    向に所定量変位したときに緊張して構造物の変位を規制
    する変位限定手段を配設したことを特徴とする請求項
    1、2または3記載の構造物の免震構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003074628A (ja) * 2001-09-04 2003-03-12 Nec Corp 免震装置
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