JPH09215925A - 排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化フィルター、及び、排気ガス浄化装置 - Google Patents

排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化フィルター、及び、排気ガス浄化装置

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JPH09215925A
JPH09215925A JP8055712A JP5571296A JPH09215925A JP H09215925 A JPH09215925 A JP H09215925A JP 8055712 A JP8055712 A JP 8055712A JP 5571296 A JP5571296 A JP 5571296A JP H09215925 A JPH09215925 A JP H09215925A
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gas purifying
gas purification
purifying catalyst
catalyst
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信行 徳渕
Masaaki Arita
雅昭 有田
Masahiro Inoue
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼機関の通常運転或いはアイドリング時に
おいても排気ガス中に含まれるパティキュレートを十分
に燃焼できる排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化フィルタ
ー、及び、排気ガス浄化装置の提供。 【解決手段】 1A族元素の内少なくとも1種又は2種
以上からなる金属元素と、一般式Ln1-xAxMO3(L
nはLa、Pr、Nd、Sm、Gd、Ca、Sr、及
び、Baの内少なくとも1種又は2種以上からなる元素
である。AはLi、Na、K、Cs、Ca、及び、Mg
の内少なくとも1種又は2種以上からなる元素である。
MはCr、Mn、Co、Cu、及び、Vの内少なくとも
1種又は2種以上からなる元素である。xの値は0≦x
≦1の範囲である。)からなる複合酸化物と、を有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼル機関など
の燃焼機関から排出される排気ガス中に含有される炭素
微粒子などの粒子状物質(パティキュレート)の燃焼を
促進する排気ガス浄化触媒、排気ガス浄化フィルター、
及び、排気ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディーゼルエンジンの排気ガスに
対する規制が強化が進められている。特に、排気ガス中
に含まれるパティキュレートは粒子径のほとんどが1ミ
クロン以下であり大気中に浮遊し易く呼吸の際人体に取
り込まれ易い。パティキュレートは発癌性物質であるの
で人体に取り込まれると人体に極めて悪影響を与えるこ
とが判明しつつある。このパティキュレートの除去方法
としては、片端閉じのセラミックハニカム、セラミック
フォーム、金属発泡体などの耐熱性の排気ガス浄化フィ
ルターを用いて排気ガス中の微粒子を捕集し、圧損が上
昇すれば電気ヒーターなどで堆積した微粒子を燃焼させ
排気ガス浄化フィルターを再生する方法が検討されてい
る。しかしながら、上記方法ではパティキュレートを燃
焼するために高温を要し捕集したパティキュレートを燃
焼除去し排気ガス浄化フィルターを再生するために多量
のエネルギーが必要となっている。また、パティキュレ
ートを燃焼するための昇温とパティキュレート燃焼時に
生じる反応熱のため排気ガス浄化フィルターが高温とな
りまた局部的な異常燃焼が発生する可能性があり排気ガ
ス浄化フィルターの溶損や割れが生じるという問題点を
有している。さらに、パティキュレートの除去効率を上
げればパティキュレートの目詰まりが多くなり排気ガス
浄化フィルターでの圧力損失が多くなるので再生頻度が
多くなりメインテナンスに要する作業や時間が過大とな
り作業性に劣るという問題点を有している。これらの問
題を解決するために、排気ガス浄化フィルターの表面に
触媒を担持させパティキュレートを捕集すると同時に触
媒の作用により捕集したパティキュレートを燃焼させる
方法が考案されている。この方法によると加熱装置を設
ける必要がなくまた、排気ガス浄化フィルターを再生す
る操作が必要ないので排気ガス浄化装置の構造を簡便化
でき作動効率を上げることができる。また、加熱装置を
必要とする場合も触媒の作用によりパティキュレートを
燃焼除去するためのエネルギーが低減でき、また、燃焼
が低温で起こるためフィルターの溶損の懸念も小さくな
る。
【0003】これまでに、すすやパティキュレートに対
して高い燃焼活性を有す触媒としてアルカリ金属元素、
或いはいくつかのアルカリ金属元素と遷移金属酸化物の
混合物が報告されている。(Bulletin of
the Japan Prctroleum Inst
itute 1974年 16巻 第99〜105頁、
Society of Automotive Eng
ineers Paper 第830082号 198
3年、Thermochimica Acta1990
年 162巻 第83〜89頁)。また、ペロブスカイ
ト型酸化物はABO3で表される主骨格に対してそのA
イオン又はBイオンを適当な異種の金属イオンで置換す
ることにより酸化活性を有することが古くから知られて
おり(G.Paravano.J.Chem.Phy.
1952年 20巻 第342頁)。このペロブスカ
イト型酸化物を用いた排気ガス浄化触媒も種々開発され
特開平5−155626号公報や特開平5−18492
8号公報として開示されている。
【0004】また、従来の排気ガス浄化フィルターとし
ては耐熱性の金属からなる金属多孔体や片端閉じ型のセ
ラミックスハニカムやセラミック多孔体に上記排気ガス
浄化触媒を担持させたものが使用を検討されている。
【0005】さらに、従来の排気ガス浄化装置として
は、排気ガス流入口と排気ガス流出口が開口された躯体
部と、躯体部の内部に装設された上記従来の排気ガス浄
化フィルターと、排気ガス浄化フィルターを加熱する加
熱部と、を備えたものがその主流として開発が進められ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の排気ガス浄化触媒では、通常の排気ガス中の温度や酸
素濃度環境ではパティキュレートを十分には燃焼させ難
く、特に、始動時やアイドリング時の低温領域或いは燃
焼機関が高負荷率で高回転し酸素濃度が極端に減少する
場合はパティキュレートの燃焼が困難になるという問題
点を有していた。
【0007】また、アルカリ金属元素或いはV,Cuな
どの酸化物はディーゼルエンジンから排出される排気ガ
スに含まれるパティキュレートの燃焼触媒としてはその
活性は不十分であるという問題点を有していた。ペロブ
スカイト型酸化物も気体の炭化水素やCOなどに対する
燃焼触媒としては有効であるが、ディーゼルエンジンか
ら排出される排気ガスに含まれるパティキュレートなど
の固体物質の燃焼触媒としてはその活性は不十分である
という問題点を有していた。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、ディーゼルエンジン等の燃焼機関の通常運転或いは
アイドリング時においても排気ガス中に含まれるパティ
キュレートを十分に燃焼できる排気ガス浄化触媒の提
供、及び、パティキュレートの捕集効率及び背圧のバラ
ンスが取れパティキュレートの燃焼効率の高い排気ガス
フィルタの提供、及び、構造が簡便でパティキュレート
の燃焼効率の高い排気ガス浄化装置の提供を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、1A族元素の内少なくとも1種又は2種以
上からなる金属元素と、一般式Ln1-xAxMO3(Ln
はLa、Pr、Nd、Sm、Gd、Ca、Sr、及び、
Baの内少なくとも1種又は2種以上からなる元素であ
る。AはLi、Na、K、Cs、Ca、及び、Mgの内
少なくとも1種又は2種以上からなる元素である。Mは
Cr、Mn、Co、Cu、及び、Vの内少なくとも1種
又は2種以上からなる元素である。xの値は0≦x≦1
の範囲である。)からなる複合酸化物と、を有する構成
としたものである。
【0010】これにより、燃焼機関の通常運転やアイド
リング時に排出される排気ガスの低温や低酸素濃度雰囲
気でもパティキュレートを十分に燃焼できる燃焼反応触
媒作用の極めて高い排気ガス浄化触媒が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、1A族元素の内少なくとも1種又は2種以上からな
る金属元素と、一般式Ln1-xAxMO3(LnはLa、
Pr、Nd、Sm、Gd、Ca、Sr、及び、Baの内
少なくとも1種又は2種以上からなる元素である。Aは
Li、Na、K、Cs、Ca、及び、Mgの内少なくと
も1種又は2種以上からなる元素である。MはCr、M
n、Co、Cu、及び、Vの内少なくとも1種又は2種
以上からなる元素である。xの値は0≦x≦1の範囲で
ある。)からなる複合酸化物と、を有する構成としたも
のであり、金属と複合酸化物の相互作用によりパティキ
ュレートの接触分解や酸化反応を促進し燃焼反応の反応
速度を増大させることができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、白金族元素の内少なくとも1種又は2種以上からな
る金属を含有する構成としたものであり、白金族元素か
らなる金属がHCやCO等のガスの燃焼反応を促進する
ことができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1におい
て、一般式Ln1-xAxMO3のMが、Cr、Mn、C
o、Cu、及び、Vの内少なくとも1種又は2種以上か
らなる元素及び白金族元素の内少なくとも1種又は2種
以上からなる元素である構成としたもので、複合酸化物
に含まれた白金族元素がHCやCO等の燃焼反応を促進
することができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
の内いずれか1において、1A族元素の内少なくとも1
種又は2種以上からなる金属元素が1A族元素の内少な
くとも1種又は2種以上からなる元素の炭酸塩及び/又
は塩化物である構成としたもので、炭酸塩及び/又は塩
化物と複合酸化物の共存によりパティキュレートの燃焼
時の分解反応や酸化反応に強い触媒作用を働かせ燃焼反
応を著しく促進することができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、耐熱性無機材料
又は耐熱性金属材料からなる触媒支持体と、触媒支持体
の表面に担持された請求項1乃至4の内いずれか1から
なる排気ガス浄化触媒と、を備えた構成としたもので、
補足されたパティキュレートをディーゼルエンジン等の
燃焼機関のアイドリングを含めた通常の運転時の排気ガ
ス雰囲気においても十分に燃焼させることができる。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項5におい
て、触媒支持体と排気ガス浄化触媒との間に介在された
無機多孔質層を備えた構成としたもので、無機多孔質層
が高比表面積であるため触媒成分の高分散化、反応物と
の接触点の増大を達成できる。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項5又は6
において、排気ガス浄化触媒が、排気ガス流入側に請求
項1乃至4の内いずれか1からなる排気ガス浄化触媒を
用い、排気ガス流出側に白金族元素の内少なくとも1種
又は2種以上の金属を有する排気ガス浄化触媒を用いる
構成としたもので、本発明の排気ガス浄化触媒を用いて
パティキュレートの燃焼を行い白金族元素からなる排気
ガス浄化触媒を用いてHCやCO等の燃焼を行うので排
気ガスに含まれるパティキュレートやHCやCO全体を
バランス良く燃焼し除去することができる。
【0018】請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7
の内いずれか1において、触媒支持体が、排気ガス流入
側に穿孔された透孔の径を小さく排気ガス流出側に穿孔
された透孔の径を大きく形成された多孔質体からなる構
成としたもので、排気ガス流入側の透孔の径を小さくす
ることによりパティキュレートを確実に捕捉しパティキ
ュレートの捕集効率を高めることができる。また、排気
ガス流出側の透孔の径を大きくすることにより排気ガス
の流通経路を確保し背圧の上昇を抑えることができる。
【0019】請求項9に記載の発明は、排気ガス流入口
と排気ガス流出口が開口された躯体部と、躯体部の内部
に装設された請求項5乃至8の内いずれか1に記載の排
気ガス浄化フィルターと、排気ガス浄化フィルターを加
熱する加熱部と、を備えた構成としたので、パティキュ
レートを確実に捕捉しディーゼルエンジン等の燃焼機関
の始動時や通常の作動時或いはアイドリング時において
も確実に捕捉されたパティキュレートを燃焼し除去する
ことができる。
【0020】請求項10に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のMがMnとCuとからなる構成と
したものでこれらの構成によりパティキュレートの酸化
反応を促進することができる。
【0021】請求項11に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のMがMnとCuとからなる構成と
したもので更にその組成比がMn/Cu=1.5〜4で
あり、これらの構成によりパティキュレートの酸化反応
を促進することができる。
【0022】請求項12に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のMがCoとCuとからなる構成と
したものでこれらの構成によりパティキュレートの酸化
反応を促進することができる。
【0023】請求項13に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のMがCoとCuとからなる構成と
したもので更にその組成比がCo/Cu=1.5〜9で
あり、これらの構成によりパティキュレートの酸化反応
を促進することができる。
【0024】請求項14に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のMがCoとMnとからなる構成と
したものでこれらの構成によりパティキュレートの酸化
反応を促進することができる。
【0025】請求項15に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のMがCoとMnとからなる構成と
したもので更にその組成比がCo/Mn=0.25〜4
であり、これらの構成によりパティキュレートの酸化反
応を促進することができる。
【0026】請求項16に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のAがSrでありMがMnとCuあ
るいはCoとMnあるいはCoとMnとからなる構成と
したものでこれらの構成によりパティキュレートの酸化
反応を促進することができる。
【0027】請求項17に記載の発明は請求項1におい
てLn1-xAxMO3のAがSrでありMがMnとCuあ
るいはCoとMnあるいはCoとMnとからなる構成と
したものでXがX=0.1〜0.3であり、これらの構
成によりパティキュレートの酸化反応を促進することが
できる。
【0028】以下、本発明の実施の形態について、図1
乃至図3を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は第1実施の形態における排気ガ
ス浄化フィルターの要部断面正面図である。図1におい
て、1aは第1実施の形態における排気ガス浄化フィル
ター、波形シート2はアルミナ−シリカ系セラミック繊
維及びセリサイト系粘土を原料として両者を混合してこ
れを抄紙法にて波形に形成した後に平板シート3とコル
ゲートハニカム構造に積層した後に焼成したもので透孔
(図示せず)が多数穿孔された多孔質体からなる。触媒
支持体4は波形シート2及び平板シート3から構成され
るコルゲートハニカム構造体である。排気ガス浄化触媒
5は触媒支持体4上に担持される。
【0029】触媒支持体4としては金属多孔体(金属発
泡体)、片端閉じ型セラミックハニカム、セラミック多
孔体(セラミック発泡体)等の3次元構造体や円柱状、
球状、或いは、楕球状等のペレットが挙げられる。触媒
支持体4の材質としては、コージェライト(2MgO・
5SiO2・2Al23)、ムライト(Al23・3S
iO2)、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、
チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ
−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニ
ア、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、チタニア
−シルコニア等のセラミックスやSUS−301S、イ
ンコネル(インコネルX、インコネルWなど)等の金属
が挙げられる。
【0030】また、触媒支持体4が排気ガス流入側に穿
孔された透孔の径を小さく排気ガス流出側に穿孔された
透孔の径を大きく形成された多孔質体からなっても良
い。
【0031】排気ガス浄化触媒5としては、1A族元素
の内少なくとも1種又は2種以上からなる金属元素と、
一般式Ln1-xAxMO3(LnはLa、Pr、Nd、S
m、Gd、Ca、Sr、及び、Baの内少なくとも1種
又は2種以上からなる元素である。AはLi、Na、
K、Cs、Ca、及び、Mgの内少なくとも1種又は2
種以上からなる元素である。MはCr、Mn、Co、C
u、及び、Vの内少なくとも1種又は2種以上からなる
元素である。xの値は0≦x≦1の範囲である。)から
なる複合酸化物と、を有する。また、必要に応じて白金
族元素からなる金属を含有しても良い。また、複合酸化
物中のMに白金族元素を含んでも良い。また、1A族元
素からなる金属が1A族元素の内少なくとも1種又は2
種以上からなる元素の炭酸塩及び/又は塩化物であって
も良い。
【0032】排気ガス浄化触媒5が、触媒支持体4の排
気ガス流入側に上記排気ガス浄化触媒を用い、排気ガス
流出側に白金族元素の内少なくとも1種又は2種以上の
金属を有する排気ガス浄化触媒を用いても良い。
【0033】排気ガス浄化触媒5に含まれる1A族元素
としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、セシウム、フランシウム等が挙げられる。白金族元
素としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウム、白金等が挙げられる。
【0034】排気ガス浄化触媒5に含まれる複合酸化物
は構成金属元素の種類や使用条件(使用雰囲気、使用温
度など)により酸素の組成比は若干変化する。すなわ
ち、酸素の組成比が3より若干少ない酸素欠損型や若干
多い酸素過剰型の酸化物が存在する。
【0035】以上のように構成された排気ガス浄化触媒
の製造方法及びその触媒支持体への担持方法について、
以下説明する。複合酸化物は以下の方法により作製し
た。まず、各元素の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸
塩、シュウ酸塩、塩化物等を混合する。混合する方法と
しては固体状態で混合する方法や各金属塩の混合水溶液
を調整した後に溶媒を蒸発させ固化する方法。各金属塩
の混合水溶液を調整した後にアンモニア水等を加え加水
分解する方法。各金属塩の混合水溶液を調整した後に適
量のクエン酸、リンゴ酸などの多価の有機カルボン酸を
添加し溶媒を蒸発させるか溶液のpH調整をすることに
より固化させる方法等が挙げられる。このような混合物
を800℃以上で焼成することにより複合酸化物を得
る。
【0036】次に、1A族元素からなる金属と複合酸化
物とからなる排気ガス浄化触媒5の触媒支持体4への担
持方法について説明する。1A族元素の化合物(2種以
上からなる場合は混合物)と複合酸化物を水溶液或いは
有機溶媒(アルコール等)に懸濁させる。この懸濁液に
触媒支持体4を浸漬させ引き上げた後に800〜100
0℃で焼成し担持を完了する。または、1A族元素の塩
を溶解させた水溶液或いは有機溶媒に触媒支持体を浸漬
し1A族元素からなる金属を触媒支持体に担持した後に
複合酸化物を懸濁させた水溶液又は有機溶媒に再度浸漬
し引き上げた後に焼成する方法でも触媒支持体4に担持
させることができる。
【0037】次に、1A族元素からなる金属と白金族元
素からなる金属と複合酸化物とからなる排気ガス浄化触
媒5の触媒支持体4への担持方法について説明する。上
記方法により1A族元素からなる金属と複合酸化物とを
触媒支持体4に担持した後に(第一担持工程)白金族元
素の塩を溶解した水溶液や有機溶媒に第1担持工程を完
了した触媒支持体4を浸漬しその後500〜800℃で
焼成する(第二担持工程)。
【0038】以上のように本実施の形態によれば、1A
族元素からなる金属と一般式Ln1- xAxMO3(Lnは
La、Pr、Nd、Sm、Gd、Ca、Sr、及び、B
aの内少なくとも1種又は2種以上からなる元素であ
る。AはLi、Na、K、Cs、Ca、及び、Mgの内
少なくとも1種又は2種以上からなる元素である。Mは
Cr、Mn、Co、Cu、及び、Vの内少なくとも1種
又は2種以上からなる元素である。xの値は0≦x≦1
の範囲である。)からなる複合酸化物と、を有する排気
ガス浄化触媒を設けたので、作動初期やアイドリング等
の低温度、低酸素濃度の排気ガス雰囲気においてもパテ
ィキュレートを十分に燃焼し除去することができる。
【0039】(実施の形態2)図2は第2実施の形態に
おける排気ガス浄化フィルターの要部断面正面図であ
る。図2において、1bは第2実施の形態における排気
ガス浄化フィルターである。触媒支持体4、排気ガス浄
化触媒5は第1実施の形態と同様であり同一の符号を付
けて説明を省略する。無機多孔質層6は、高い比表面積
を有しており触媒成分の高分散化、反応物との接触点の
増大、反応促進の作用を有し、触媒支持体4上に積層さ
れる。無機多孔質層6は高比表面積の多孔質体である。
材質としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニ
ア、シリカ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、アルミ
ナ−チタニア等のセラミックスが挙げられる。
【0040】無機多孔質層6の触媒支持体4への積層方
法は、ゾル−ゲル法、スラリー法などが挙げられる。ゾ
ル−ゲル法とは無機多孔質層6を構成する金属元素の有
機塩(アルコシドなど)を含む溶液に酸(塩酸や酢酸
等)を加えて溶液のpHを調整した後、この溶液に触媒
支持体4を浸漬する。この触媒支持体4を引き上げた後
に水蒸気と接触させ金属元素を含む溶液を加水分解しゾ
ル化させ、さらにゲル化した後に焼成する。スラリー法
とは原料粉末をあらかじめ分散剤(ポリカルボン酸塩
等)を溶解した水溶液に投入しボールミルなどにて解
粒、混合を行いスラリー状に調整する。このスラリーに
触媒支持体4を浸漬させ引き上げた後に焼成する。
【0041】また、触媒支持体4の表面に無機多孔質層
6を構成する無機物質と排気ガス浄化触媒5の混合物を
担持しても良い。担持方法は以下のようである。無機物
質を排気ガス浄化触媒を溶解させた水溶液や有機溶媒に
懸濁させた後に触媒支持体4を浸漬させ乾燥後焼成す
る。また、無機物質の有機塩(アルコキシドなど)を含
む水溶液に酸(塩酸、酢酸等)と排気ガス浄化触媒を構
成する各元素の化合物を有する水溶液を加え、この水溶
液に触媒支持体4を浸漬させ水蒸気等を接触させアルコ
キシドを加水分解反応によりゾル化させ更にゲル化を行
った後に焼成する方法もある。
【0042】以上のように本実施の形態によれば、触媒
支持体と排気ガス浄化触媒との間に無機多孔質層を設け
たので、第1実施の形態で挙げた効果の他に特に高温時
にはガス状のパティキュレート成分(一般にはSOF
(Soluble Organic Fractio
n)と呼ばれる。)に対する燃焼効果が高まる。
【0043】(実施の形態3)図3は第3実施の形態に
おける排気ガス浄化装置の要部断面側面図を示す。図3
において、7は第3実施の形態における排気ガス浄化装
置である。躯体部8は後述する排気ガス浄化フィルター
11や加熱部12を内部に装設する。排気ガス流入口9
は躯体部8の一側面に開口される。排気ガス流出口10
は躯体部8の排気ガス流入口9が開口された側面と反対
側の側面に開口される。排気ガス浄化フィルター11は
第1実施の形態や第2実施の形態におけるものである。
加熱部12は、排気ガス浄化フィルター11を加熱する
作用を行い、排気ガス浄化フィルター11の外周面に捲
着されたヒーター等からなる。電源13は加熱部12に
電流を供給する。
【0044】加熱部12としては、電気ヒーター、バー
ナー、マイクロ波等が用いられる。また、エタン、プロ
パン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、及
び、これらの混合物からなる液化石油ガスなどの可燃ガ
スを躯体部8内部に導入しても良い。
【0045】以上のように本実施の形態によれば、本発
明の排気ガス浄化触媒を用いたのでアイドリングや始動
初期のような温度の低い条件下においてもパティキュレ
ートを捕集し直ちに燃焼し除去することができ排気ガス
の浄化作用に極めて優れる。
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体例を説明する。
【0047】(実施例1〜13)原料として酢酸ランタ
ン、酢酸ネオジウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチ
ウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウ
ム、硝酸クロム、硝酸銅、酢酸マンガン、酢酸コバル
ト、バナジン酸アンモニウム、を用い(表1)の組成に
なるようにそれぞれを秤量した。
【0048】
【表1】
【0049】秤量された原料は約40℃の蒸留水に溶解
した。次に、この水溶液を各配合割合で均一に混合させ
た後にロータリーエバポレータで乾燥し固化させた。こ
の固化物を400℃で5時間仮焼成し、さらに蓋付きル
ツボで850℃で5時間焼成し複合酸化物を得た。次
に、0.5mol%炭酸カリウム又は酢酸ナトリウムを
溶解させた水溶液に複合酸化物の粉体を投入させ懸濁さ
せた後に、ロータリーエバポレータで乾燥させ固化させ
た。この固化物を400℃で5時間仮焼成した後に、さ
らに、蓋付き坩堝で700℃で5時間焼成して第1〜第
13実施例における排気ガス浄化触媒を製造した。
【0050】(実施例14)ヘキサクロロ白金酸塩を実
施例3における排気ガス浄化触媒に対して0.8wt%
となるように秤量し約40℃の蒸留水に溶解した後に実
施例3における(K+La0.8Sr0.2MnO3
を混合した。次に、この水溶液をロータリーエバポレー
タで水分を蒸発させ濃縮した後にホットプレート上で蒸
発乾固させた。次に、この固化物をボールミルで4時間
混合し粉砕した後に500℃で5時間焼成して排気ガス
浄化触媒を製造した。
【0051】(実施例15、16)原料となる酢酸ラン
タン、酢酸コバルト、酢酸ストロンチウム、酢酸クロ
ム、酢酸カリウム、酢酸マンガン、ヘキサクロロ白金酸
塩を(表2)の組成となるように秤量した。
【0052】
【表2】
【0053】次に、秤量された各原料を約40℃の蒸留
水に溶解させ水溶液を作製した後に各混合割合でこの水
溶液を均一に混合した。混合された水溶液はロータリー
エバポレータで乾燥し固化された後400℃で5時間仮
焼成し、さらに蓋付き坩堝で850℃で5時間焼成し複
合酸化物を作製した。次に、複合酸化物に対して0.5
mol%となるように炭酸カリウムを溶解させた水溶液
にこの複合酸化物を投入した後にロータリーエバポレー
タで乾燥し固化した。次に、この固化物を400℃で5
時間仮焼成した後にさらに蓋付き坩堝で700℃で5時
間の焼成を行い排気ガス浄化触媒を製造した。
【0054】(実施例17)Ti(O-ISO37)をエ
タノールに溶解した後に撹拌しながら酢酸を滴下し加水
分解を行いチタニアゾルを生成した。次に、実施例3に
おけるK+La0.8Sr0.2MnO3粉末とチタニ
アゾルを1:1で混合した後にロータリエバポレータで
水分を蒸発し乾燥した。次に、この固形物を700℃で
3時間焼成し排気ガス浄化触媒を製造した。
【0055】(実施例18)実施例17における(K+
La0.8Sr0.2MnO3+チタニア)に対して
0.8wt%となるように配合したヘキサクロロ白金酸
塩を約40℃の蒸留水に溶解させて水溶液を調整した。
次に、この水溶液に(K+La0.8Sr0.2MnO
3+チタニア)を混合させ懸濁させた後にロータリーエ
バポレータで蒸発し濃縮した。次に、濃縮した溶液をホ
ットプレート上で水分を蒸発させ固化させた後にボール
ミルで4時間混合粉砕した。次に、この粉体を500℃
で5時間焼成し排気ガス浄化触媒を製造した。
【0056】(実施例19、20)実施例15の製造に
おいて、炭酸カリウムの代わりに塩化カリウム(実施例
19)、炭酸ナトリウム(実施例20)を用いて実施例
15と同様の工程により排気ガス浄化触媒を製造した。
【0057】(実施例21)アルミナ−シリカ系セラミ
ック繊維(Al23:SiO2=47:53)及びセリ
サイト系粘土を原料として両者を1:1.5で混合して
これを抄紙法にて平板状及び波形状のシート体を形成し
た。このシート体を順次積層してコルゲートハニカム構
造にした後に1250℃で2時間焼成し触媒支持体を成
形した。次に、実施例4における排気ガス浄化触媒粉末
をこの粉体に対して0.5wt%となるようにポリカル
ボン酸アンモニウム塩を溶解させた水溶液に投入した。
次に、この水溶液をボールミルで18時間解粒、混合し
てスラリーを調整した。次に、真空レシケータ中でこの
スラリーに触媒支持体を浸漬し、真空レシケータ内を減
圧して触媒支持体内の気泡を取り除きスラリーを満遍な
く浸透させた。次に、余分なスラリーを触媒支持体から
振り切った後に120℃で5時間乾燥させ、さらに80
0℃で2時間焼成した(排気ガス浄化フィルターA)。
【0058】次に、スラリーをチタニアゾルとヘキサク
ロロ白金酸塩をチタニアに対して0.8wt%になるよ
うに調整したものを用い、他は排気ガス浄化フィルター
Aの製造と同様にして排気ガス浄化フィルターBを製造
した。但し、最終工程での乾燥にはマイクロ波乾燥機を
用い出力2kWで25分間乾燥した後に500℃で2時
間焼成した。
【0059】さらに、排気ガス浄化フィルターAを排気
ガス流入口側に排気ガス浄化フィルターBを排気ガス流
出側に配置し排気ガス浄化装置を作製した。
【0060】(実施例22)アルミナ−シリカ系セラミ
ック繊維とセリサイト系粘土の比を1:1として透孔の
径を大きくした以外は実施例21の排気ガス浄化フィル
ターAと同様にして排気ガス浄化フィルターCを製造し
た。さらに、排気ガス浄化フィルターAを排気ガス流入
口側に排気ガス浄化フィルターCを排気ガス流出側に配
置し排気ガス浄化装置を作製した。
【0061】(実施例23)実施例21及び実施例22
と同様にして排気ガス流入口側には透孔の径の小さな触
媒支持体に実施例15における(K+La0.8Sr
0.2Cr0.5Mn0.49Pt0.01O3)を担
持し、排気ガス流出側には透孔の径の大きな触媒支持体
に(Pt+チタニア)を担持し排気ガス浄化装置を作製
した。
【0062】(実施例24)実施例23において実施例
15における(K+La0.8Sr0.2Cr0.5M
n0.49Pt0.01O3)を触媒支持体に担持する
前にチタニアからなる無機多孔質層を積層した。それ以
外は実施例23と同様に排気ガス浄化装置を作製した。
無機多孔質層の積層方法は以下の様である。Ti(O
-ISO37)をエタノールに溶解した後に撹拌しながら
酢酸を滴下し加水分解を行いチタニアゾルを生成した。
次に、真空レシケータ中でこのチタニアゾルに触媒支持
体を浸漬し、真空レシケータ内を減圧して触媒支持体内
の気泡を取り除きチタニアゾルを満遍なく浸透させた。
次に、余分なチタニアゾルを触媒支持体から振り切った
後に120℃で5時間乾燥させ、さらに700℃で2時
間焼成した。
【0063】(比較例1〜5)原料として酢酸ランタ
ン、酢酸ストロンチウム、硝酸銅、酢酸マンガン、酢酸
コバルト、を用い(表3)の組成になるようにそれぞれ
を秤量した。
【0064】
【表3】
【0065】秤量された原料は約40℃の蒸留水に溶解
した。次に、この水溶液を各配合割合で均一に混合させ
た後にロータリーエバポレータで乾燥し固化させた。こ
の固化物を400℃で5時間仮焼成し、さらに蓋付きル
ツボで850℃で5時間焼成し比較例1〜3の排気ガス
浄化触媒を製造した。
【0066】次に、Ti(O-ISO37)をエタノール
に溶解した後に撹拌しながら酢酸を滴下し加水分解を行
いチタニアゾルを生成した。このチタニアゾルにヘキサ
クロロ白金酸塩0.8wt%又は炭酸カリウム1.0w
t%、又は、酢酸銅とバナジン酸アンモニウムを1.0
wt%(銅/バナジウム元素比=1/4)を溶解した。
次に、この水溶液を超音波発振子を用いて懸濁させた。
この懸濁液を200℃に加熱したホットプレート上に滴
下し水分を蒸発させた後に500℃で1時間水素中で焼
成し比較例3、4、5を生成した。
【0067】(比較例6)排気ガス浄化触媒を比較例1
を用いる以外は実施例21と同様にして排気ガス浄化装
置を製造した。
【0068】(実験例1)実施例1〜20、及び、比較
例1〜4の排気ガス浄化触媒とディーゼルエンジンの排
気ガスから排出されるパティキュレートを排気ガス浄化
触媒に対して20wt%となるように混合し石英ガラス
製の反応管に充填した。次に、窒素バランス4%の酸素
ガスを700ml/minの流速で反応管の中を通しな
がら反応管の温度を室温から600℃まで5℃/min
で昇温させた。この際、酸素ガス中の成分を分析しパテ
ィキュレートが燃焼する際に生じる反応ガスをガス分析
装置で検知した。ガスの分布状態からパティキュレート
の着火温度を推定した。排気ガス浄化触媒は回収して繰
り返し試験を行った。第1回目及び第5回目の着火温度
を(表4)に示した。
【0069】
【表4】
【0070】この(表4)から明らかなように、本発明
の排気ガス浄化触媒では着火温度は285〜387℃の
範囲であり、比較例の排気ガス浄化触媒では着火温度は
375〜498℃の範囲であった。本発明の排気ガス浄
化触媒は従来例に比較して着火温度が低下しておりパテ
ィキュレートの燃焼が容易になっていることが判明し
た。
【0071】(実験例2)実施例21〜24、比較例
6、及び、排気ガス浄化触媒を担持していない排気ガス
浄化装置を準備した。排気量2000cc4気筒のディ
ーゼルエンジンからの排気ガスを上記排気ガス浄化装置
の排気ガス流入口から導入しパティキュレートの捕捉性
と背圧を測定した。パティキュレートの捕捉性は排気ガ
ス浄化装置を設置した場合としない場合のパティキュレ
ート量を測定し排気ガス浄化装置を設置することにより
減少したパティキュレートの量を百分率で表した。ま
た、背圧の変化は排気ガス導入時と1時間後の背圧を測
定し増加率を計算した。結果を(表5)に示した。
【0072】
【表5】
【0073】この(表5)から明らかなように、本発明
の排気ガス浄化装置では捕捉率が82〜94%、背圧増
加率6〜11%と良好な結果を示すことがわかった。特
に、実施例23及び24では捕捉率が91、94%と極
めて高いにもかかわらず背圧増加率が7、6%と極めて
小さく捕捉されたパティキュレートが確実に燃焼され除
去されていることが判明した。また、比較例6、排気ガ
ス浄化触媒なしの場合は背圧増加率が33、49%と著
しく増加し燃焼されず目詰まりを起こしたパティキュレ
ートの存在を推測させた。
【0074】次に本発明の具体例を説明する。 (実施例25〜47)原料として酢酸ランタン、酢酸ス
トロンチウム、酢酸マンガン、硝酸クロム、酢酸コバル
ト、硝酸銅を用い(表6)の組成になるようにそれぞれ
秤量した。
【0075】
【表6】
【0076】秤量された原料は約40℃の蒸留水に溶解
した。次に、この水溶液を各配合割合で均一に混合させ
た後にロータリーエバポレーターで乾燥固化させた。こ
の化合物を400℃で5時間仮焼成し、さらに蓋付き坩
堝で850℃で5時間焼成し複合酸化物を得た。次に
0.5mol%炭酸カリウムを溶解させた複合酸化物の
粉体を投入させ懸濁させた後に、ロータリーエバポレー
ターで乾燥させ固化させた。この固化物を400℃で5
時間仮焼成し、さらに蓋付き坩堝で700℃で5時間焼
成して実施例第25〜47における排ガス浄化触媒を作
製した。
【0077】(実験例3)ディーゼルエンジンの排気ガ
スから排出されるパティキュレートを、実施例25〜の
排ガス浄化触媒に対して20wt%となるように混合し
石英ガラスの反応管に充填した。次に窒素バランスで4
%の酸素ガスを700ml/minの流速で反応管中を
流しながら反応管の温度を室温から600℃まで5℃/
minで昇温させた。この際、酸素ガス中の成分を分析
しパティキュレートが燃焼する際に生じる反応ガスをガ
ス分析装置で検知し、パティキュレートの着火温度を推
定した。排気ガス浄化触媒は回収して繰り返し試験行っ
た。第1回目及び5回目の着火温度を(表7)に示し
た。
【0078】
【表7】
【0079】この(表7)から明らかなように、本発明
の排ガス浄化触媒によりパティキュレートの着火温度は
低くなっており、また1回目と5回目と比較して性能の
低下も小さく、本発明の有効性が判明した。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明の排気ガス浄化触媒
は、始動初期やアイドリング時の低温領域或いは高速回
転時の低濃度領域においてもパティキュレートの燃焼を
十分に行え燃焼触媒作用を著しく向上させることができ
排気ガスを効率良く浄化できる。また、白金族元素によ
りHC、CO等のガスも燃焼することができ排気ガス中
の多様な不純物を燃焼除去することができる。
【0081】また、本発明の排気ガス浄化フィルター
は、パティキュレートの捕集効率と背圧の増加防止とい
う相矛盾する現象を両立させ背圧増加を著しく低減でき
るとともに捕集効率を高めることができ燃焼機関の能力
を低下させることなく排気ガスを効率良く浄化すること
ができる。
【0082】さらに、本発明の排気ガス浄化装置は、排
気ガス浄化フィルターの再生操作を行う必要がなく極め
て操作性や作業性に優れ、構造が簡便なので生産性や量
産性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態における排気ガス浄化フィルタ
ーの要部断面正面図
【図2】第2実施の形態における排気ガス浄化フィルタ
ーの要部断面正面図
【図3】第3実施の形態における排気ガス浄化装置の要
部断面側面図
【符号の説明】
1a、1b 排気ガス浄化フィルター 2 波形シート 3 平板シート 4 触媒支持体 5 排気ガス浄化触媒 6 無機多孔質層 7 排気ガス浄化装置 8 躯体部 9 排気ガス流入口 10 排気ガス流出口 11 排気ガス浄化フィルター 12 加熱部 13 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/34 B01J 23/89 A 23/64 F01N 3/10 A 23/656 B01D 53/36 ZABB 23/847 104B 23/889 B01J 23/64 104A 23/89 23/84 301A F01N 3/10 311A (72)発明者 井上 雅博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1A族元素の内少なくとも1種又は2種以
    上からなる金属元素と、一般式Ln1-xAxMO3(Ln
    はLa、Pr、Nd、Sm、Gd、Ca、Sr、及び、
    Baの内少なくとも1種又は2種以上からなる元素であ
    る。AはLi、Na、K、Cs、Ca、及び、Mgの内
    少なくとも1種又は2種以上からなる元素である。Mは
    Cr、Mn、Co、Cu、及び、Vの内少なくとも1種
    又は2種以上からなる元素である。xの値は0≦x≦1
    の範囲である。)からなる複合酸化物と、を有すること
    を特徴とする排気ガス浄化触媒。
  2. 【請求項2】白金族元素の内少なくとも1種又は2種以
    上からなる金属を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の排気ガス浄化触媒。
  3. 【請求項3】前記一般式Ln1-xAxMO3のMが、C
    r、Mn、Co、Cu、及び、Vの内少なくとも1種又
    は2種以上からなる元素及び白金族元素の内少なくとも
    1種又は2種以上からなる元素であることを特徴とする
    請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
  4. 【請求項4】前記1A族元素の内少なくとも1種又は2
    種以上からなる金属元素が1A族元素の内少なくとも1
    種又は2種以上からなる元素の炭酸塩及び/又は塩化物
    であることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1
    に記載の排気ガス浄化触媒。
  5. 【請求項5】耐熱性無機材料又は耐熱性金属材料からな
    る触媒支持体と、前記触媒支持体の表面に担持された請
    求項1乃至4の内いずれか1からなる排気ガス浄化触媒
    と、を備えたことを特徴とする排気ガス浄化フィルタ
    ー。
  6. 【請求項6】前記触媒支持体と前記排気ガス浄化触媒と
    の間に介在された無機多孔質層を備えたことを特徴とす
    る請求項5に記載の排気ガス浄化フィルター。
  7. 【請求項7】前記排気ガス浄化触媒が、排気ガス流入側
    に請求項1乃至4の内いずれか1からなる排気ガス浄化
    触媒を用い、排気ガス流出側に白金族元素の内少なくと
    も1種又は2種以上の金属を有する排気ガス浄化触媒を
    用いることを特徴とする請求項5又は6に記載の排気ガ
    ス浄化フィルター。
  8. 【請求項8】前記触媒支持体が、排気ガス流入側に穿孔
    された透孔の径を小さく排気ガス流出側に穿孔された透
    孔の径を大きく形成された多孔質体からなることを特徴
    とする請求項5乃至7の内いずれか1に記載の排気ガス
    浄化フィルター。
  9. 【請求項9】排気ガス流入口と排気ガス流出口が開口さ
    れた躯体部と、前記躯体部の内部に装設された請求項5
    乃至8の内いずれか1に記載の排気ガス浄化フィルター
    と、前記排気ガス浄化フィルターを加熱する加熱部と、
    を備えたことを特徴とする排気ガス浄化装置。
  10. 【請求項10】前記一般式Ln1-xAxMO3においてM
    がMnとCuからなることを特徴とする請求項1に記載
    の排ガス浄化触媒。
  11. 【請求項11】請求項10においてMnとCuの比がM
    n/Cu=1.5〜4であることを特徴とする請求項1
    に記載の排ガス浄化触媒。
  12. 【請求項12】前記一般式Ln1-xAxMO3においてM
    がCoとCuからなることを特徴とする請求項1に記載
    の排ガス浄化触媒。
  13. 【請求項13】請求項12においてCoとCuの比がC
    o/Cu=1.5〜9であることを特徴とする請求項1
    に記載の排ガス浄化触媒。
  14. 【請求項14】前記一般式Ln1-xAxMO3においてM
    がCoとMnからなることを特徴とする請求項1に記載
    の排ガス浄化触媒。
  15. 【請求項15】請求項14においてCoとMnの比がC
    o/Mn=0.25〜4であることを特徴とする請求項
    1に記載の排ガス浄化触媒。
  16. 【請求項16】前記一般式Ln1-xAxMO3においてA
    がSrでMがMnとCuまたはCoとCuまたはCoと
    Mnからなることを特徴とする請求項1に記載の排ガス
    浄化触媒。
  17. 【請求項17】請求項16においてXの値が0.1〜
    0.3であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス
    浄化触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002030924A (ja) * 2000-07-17 2002-01-31 Nissan Diesel Motor Co Ltd ディーゼルエンジンの排気浄化装置
DE102004040032A1 (de) * 2003-08-28 2005-04-07 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Abgasbehandlungskatalysator und Abgasbehandlungsverfahren
JP2019527126A (ja) * 2016-07-15 2019-09-26 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフトUmicore AG & Co.KG バナジウム系触媒の調製方法

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