JPH09212961A - 回転ドラム装置及び記録又は再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローディング動作の途中でテープ損傷を防
ぎ、信頼性を向上し得る回転ドラム装置を提供する。 【解決手段】 ヘッド４を備えた回転ドラム３とテープ
を案内するためのリード９を有する固定ドラム２とが、
中心軸５を介して相互に回転可能に配置され、回転ドラ
ム３の周面にテープを巻きつけて、ヘッド４によりテー
プに対して信号を記録又は再生する。回転ドラム３の上
側にドラムカバー８を配置し、ドラムカバー８によりテ
ープが回転ドラム３を乗り越えないように規制されるよ
うにする。ドラムカバー８は、テープ巻付開始点にて回
転ドラム３の外周の内側に配置されると共に、カセット
から引き出されたテープが、回転ドラム３に接触し始め
る位置にて回転ドラム３の外周より外側に配置されるよ
うに形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオテー
プレコーダ（ＶＴＲ）或いはＲ−ＤＡＴ等の記録又は再
生装置に係り、特にカセット内から引き出された磁気テ
ープに対して情報の記録又は再生を行うための回転ドラ
ム装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の記録又は再生装置において、磁
気ヘッドを有する回転ドラムの周面に磁気テープを螺旋
状に巻きつけて、信号を記録又は再生する回転ドラム装
置を備えている。図７及び図８は、従来の回転ドラム装
置の構成例を示している。この例は、回転ドラムの上方
に配置された回転ドラム装置のドラムカバーを備えたも
のである。

【０００３】図７及び図８において、回転ドラム装置１
は、ヘッド４を有する上側の回転ドラム３とテープリー
ド９を有する下側の固定ドラム２とが、同軸に配置され
ている。固定軸５は、固定ドラム２に圧入固定されてい
る。モータステータ６ａはモータ台座７にネジ止めさ
れ、またモータロータ６ｂは回転ドラム３にネジ止めさ
れている。モータ台座７は、固定軸５にネジ止め固定さ
れている。ドラムカバー８はモータ台座７の上にネジ止
めされている。ドラムカバー８の外周は、回転ドラム３
の外周より内側に配置される。

【０００４】図９は、かかる従来装置におけるテープロ
ーディングの作動例を示している。図において、テープ
カセット１０からテープ１１が進入側移動ポスト１２
（１２ａ，１２ｂ）及び出口側移動ポスト１３（１３
ａ，１３ｂ）によって引き出され、Ａ点にてテープ１１
と回転ドラム３が接触し始める。このとき、Ａ点ではテ
ープ１１の上端が、回転ドラム３の上端より上側に位置
しており、該テープ１１は回転ドラム３を乗り越えよう
とする。この場合、回転ドラム３の上側にはドラムカバ
ー８が配置されているため、テープ１１は回転ドラム３
を乗り越えることができない。テープローディングが完
了すると、テープ１１はリード９に沿うように下方へ移
動し、Ａ点ではドラムカバー８に接触しなくなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来例では、ローディング途中にテープ１１が回転ドラ
ム３と接触し始める位置（Ａ点）で、テープ１１の上端
が回転ドラム３の上端より上に張り出す。このためテー
プ１１の磁性面が回転ドラム３の上端縁によって高速で
擦られ、テープ１１にヘリカル状の傷が付くという問題
があった。

【０００６】本発明はかかる実情に鑑み、ローディング
動作の途中でテープ損傷を防ぎ、信頼性を向上し得る回
転ドラム装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の回転ドラム装置
は、ヘッドを備えた回転ドラムとテープを案内するため
のリードを有する固定ドラムとが、中心軸を介して相互
に回転可能に配置され、前記回転ドラムの周面に前記テ
ープを巻きつけて、前記ヘッドにより前記テープに対し
て信号を記録又は再生するようにした回転ドラム装置に
おいて、前記回転ドラムの上側にドラムカバーを配置
し、このドラムカバーにより前記テープが前記回転ドラ
ムを乗り越えないように規制されるようにしたものであ
る。

【０００８】また、本発明の回転ドラム装置において、
前記ドラムカバーは、テープ巻付開始点にて前記回転ド
ラムの外周の内側に配置されると共に、カセットから引
き出された前記テープが、前記回転ドラムに接触し始め
る位置にて前記回転ドラムの外周より外側に配置される
ように形成されている。

【０００９】

【作用】本発明によれば、回転ドラムの上側にドラムカ
バーを配置した回転ドラム装置において、ドラムカバー
の形状は、テープ巻付開始点では回転ドラムの外周の内
側にあり、また、テープがカセットから引き出されて回
転ドラムに接触し始める位置では、回転ドラムの外周よ
り外側へ出張る形状をしている。従って、かかるドラム
カバーによれば、テープがカセットから引き出されて回
転ドラムに接触し始める位置では、ドラムカバーの張出
部がテープ上端部を押さえるため、回転ドラムの上端縁
がテープ面に当たることがない。これにより、回転ドラ
ムの上端縁がテープ面を損傷するのを確実に防ぐことが
できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図６に基づき、従来
例と実質的に同一又は対応する部材には同一符号を用い
て、本発明による回転ドラム装置の好適な実施の形態を
説明する。

【００１１】ここで先ず、本発明の回転ドラム装置を備
えた記録又は再生装置の全体構成例を説明する。図１及
び図２において、記録又は再生装置１００は、回転ドラ
ム装置１０１を備えている。この回転ドラム装置１０１
はメインシャーシ１０２の所定位置に配置され、一方、
メインシャーシ１０２に対してスライド可能（図１、両
矢印参照）に構成されたスライドシャーシ１０３にはテ
ープリール等が配置される。つまり、この例ではメイン
シャーシ１０２及びスライドシャーシ１０３を別体構造
とし、スライドシャーシ１０３（カセット載置部材）に
装着したテープカセット２００を回転ドラム装置１０１
に対して進退させる（図１及び図２に示した状態が、そ
れぞれ対応する）構成としたものである。

【００１２】また、記録又は再生装置１００は、キャプ
スタン１０４、キャプスタンモータ１０５、回転ドラム
装置１０１に対するテープ進入側におけるテープ引出用
のテープガイド部材１０６及び回転ドラム装置１０１に
対するテープ出口側におけるテープ引出用のテープガイ
ド部材１０７等を備えている。

【００１３】記録又は再生装置１００におけるテープロ
ーディング動作は、図１に示すようにスライドシャーシ
１０３上にテープカセット２００が装着された後、テー
プガイド部材１０６及び１０７によってテープカセット
２００の開口部２００ａから磁気テープ２０１が引き出
されていくと同時に、スライドシャーシ１０３が回転ド
ラム装置１０１に向かってスライド移動する。そして、
図２のように回転ドラム装置１０１が相対的に開口部２
００ａ内に配置されると共に、テープガイド部材１０６
及び１０７によって磁気テープ２０１が回転ドラム装置
１０１の周面に巻き付けられる。かくして、この記録又
は再生装置１００によれば、磁気テープ２０１を所定の
テープパスに沿って走行させることにより、記録又は再
生を行うことができる。

【００１４】さて、上記概略説明した本発明に係る記録
又は再生装置１００に用いられる回転ドラム装置１０１
の詳細構成を説明する。図３は、本実施形態に係る回転
ドラム装置１０１の斜視図、図４は上面図、そして図５
は断面図である。また、図６はこの実施形態におけるロ
ーディング動作の途中の状態を示している。

【００１５】図において、回転ドラム装置１０１は、ヘ
ッド４を有する上側の回転ドラム３とテープリード９を
有する下側の固定ドラム２とが、同軸に配置されてい
る。固定軸５は、固定ドラム２に圧入固定されている。
モータステータ６ａはモータ台座７にネジ止めされ、ま
たモータロータ６ｂは回転ドラム３にネジ止めされてい
る。モータ台座７は、固定軸５にネジ止め固定されてい
る。ドラムカバー８はモータ台座７の上にネジ止めされ
ている。

【００１６】ところで近年、機器の薄型化のために、こ
の種装置において回転ドラムの丈を低くする傾向にあ
る。この実施形態によれば、テープ巻付開始点Ｐにおい
てテープ走行時にはテープ１１（図１の磁気テープ２０
１が対応している）の上端部が回転ドラム３の上側から
張り出している。このときテープ１１の上端部とドラム
カバー８が接すると、そのままではヘッドタッチに影響
する。そこで、テープ巻付開始点Ｐでは、ドラムカバー
８は回転ドラム３の外周より内側に逃げている。また、
ドラムカバー８は、テープ１１がテープカセット１０
（図１のテープカセット２００が対応している）から引
き出されて回転ドラム３と接触し始めるＡ点側に、回転
ドラム３の外周から僅かに突出するように張出部８ａが
形成されている。

【００１７】テープカセット１０からテープ１１が移動
ポスト１２，１３（図１のテープガイド部材１０６及び
１０７がそれぞれ対応している）によって引き出され、
Ａ点にて図６（Ａ）のようにテープ１１と回転ドラム３
が接触し始める。このＡ点において、テープ１１の上端
部はドラムカバー８の張出部８ａと接触するので（図６
（Ｂ））、テープ１１の磁性面が特に回転ドラム３の上
端縁と接触するのが防止される。

【００１８】なお、上記実施形態においては、ドラムカ
バー８がモータ台座７に固定されている例を説明した
が、ドラムカバー８が回転ドラム装置１０１以外の部材
によって支持されるように構成することもでき、上記実
施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、こ
の種の回転ドラム装置において、ドラムカバーの張出部
がテープ上端を押さえるこれにより、特に回転ドラムの
上端縁がテープ面を損傷するのを確実に防ぐことができ
る。従って、テープのローディング途中においても、高
速で回転する回転ドラムの上端とテープとが接触する危
険がないので、テープ損傷を防止して信頼性の向上する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の回転ドラム装置を備えた記録又は再生
装置の全体構成例を示す平面図である。

【図２】本発明の回転ドラム装置を備えた記録又は再生
装置の全体構成例を示す平面図である。

【図３】本発明の回転ドラム装置の実施形態における斜
視図である。

【図４】本発明の回転ドラム装置の実施形態における上
面図である。

【図５】本発明の回転ドラム装置の実施形態における図
４のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図６】本発明の回転ドラム装置における作動例を示す
（Ａ）は平面図、（Ｂ）は側面図である。

【図７】従来の回転ドラム装置の構成例を示す上面図で
ある。

【図８】従来の回転ドラム装置の構成例を示す縦断面図
である。

【図９】従来の回転ドラム装置における作動例を示す
（Ａ）は平面図、（Ｂ）は側面図である。

【符号の説明】

２ 固定ドラム ３ 回転ドラム ４ ヘッド ５ 固定軸 ６ａ モータステータ ６ｂ モータロータ ７ モータ台座 ８ ドラムカバー ８ａ 張出部 ９ テープリード １０ テープカセット １１ テープ １２，１３ 移動ポスト １０１ 回転ドラム装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヘッドを備えた回転ドラムとテープを案
   内するためのリードを有する固定ドラムとが、中心軸を
   介して相互に回転可能に配置され、前記回転ドラムの周
   面に前記テープを巻きつけて、前記ヘッドにより前記テ
   ープに対して信号を記録又は再生するようにした回転ド
   ラム装置において、 前記回転ドラムの上側にドラムカバーを配置し、このド
   ラムカバーにより前記テープが前記回転ドラムを乗り越
   えないように規制されるようにしたことを特徴とする回
   転ドラム装置。
2. 【請求項２】 前記ドラムカバーは、テープ巻付開始点
   にて前記回転ドラムの外周の内側に配置されると共に、
   カセットから引き出された前記テープが、前記回転ドラ
   ムに接触し始める位置にて前記回転ドラムの外周より外
   側に配置されるように形成されていることを特徴とする
   請求項１に記載の回転ドラム装置。
3. 【請求項３】 前記ドラムカバーは、前記テープの前記
   回転ドラムに対する接触開始位置にて前記回転ドラムの
   外周から僅かに突出するように形成された張出部を有す
   ることを特徴とする請求項２に記載の回転ドラム装置。
4. 【請求項４】 テープに対して情報の記録又は再生を行
   うためのヘッドを有する請求項１〜３のいずれかに記載
   の回転ドラム装置と、 前記テープを収納するカセットを装着し、該カセットを
   前記回転ドラム装置に対して進退可能に支持するカセッ
   ト載置部材と、 前記テープを前記カセットから引き出して、該テープを
   所定テープパスに沿って走行させるようにしたテープガ
   イド部材と、を備えたことを特徴とする記録又は再生装
   置。