JPH09209601A - 駐車場の格納方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 特定の場所に準備された待機スペースまで
出庫車両の移動に邪魔になる車両を運搬して一次的に保
管するような操作が不要となり、出庫に要する時間を著
しく短縮することができる。また、車両の収容効率を最
高にすることができる方法を提供する。 【解決手段】 搬送台車２が走行する搬送路１の片側に
複数の駐車室で形成した駐車室列１，２・・を平行に配
置して複合駐車室群Ｇを形成し、更に搬送路１の他側に
入庫リフト１０と出庫リフト１１を持つ入出庫列５を配
置し、複合駐車室群Ｇ内に車両を移動できる循環経路を
形成し、車両の出庫に際して循環経路によって出庫する
車両を搬送路１側に移動し、この車両を搬送台車２に移
載して出庫リフト１１まで搬送し、移載するように構成
した駐車場の格納方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車両を搭載して移動
する搬送台車の走行する搬送路の片側に、多数の駐車室
を持つ駐車室例を複数列配置し、他方の側に単数列の駐
車室を配置した駐車場の格納方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近来、車両、特に自家用乗用車の激増に
伴なって多数の車両を収容できる駐車場が要求され、そ
のために各種の駐車場で提案、実施されている。この駐
車場として車両を搭載した搬送台車が走行する搬送路の
両側に多数の駐車室の持つ駐車室列を複数列配置する
か、あるいは単数列配置した駐車室と入庫リフトと出庫
リフトを含む駐車室列を持つ地下駐車場が知られてい
る。

【０００３】具体的には、図１３に示すように搬送路２
０の片側に駐車室列２１、２２を平行に配置した駐車室
列２３と、他方に入庫リフト２４と出庫リフト２５を持
つ入出庫列２６を配置した多列駐車場Ｐ等が提案されて
いる。そしてこの搬送路２０に搬送台車２７を走行させ
ると共に、駐車室列２３の所定の場所の少なくとも１ケ
所に駐車させない待機スペース２８を設けて車両を移動
する際の一次的保管場所としている。

【０００４】このような駐車場Ｐにおいて、車両Ａが駐
車室２２ａに、車両Ｂが駐車室２１ａにそれぞれ搬送路
２０に隣接して前後に駐車しており、今、奥側の車両Ａ
を出庫させる場合は次の手順で行っている。図１３の位
置にあった搬送台車２７を駐車室２１ａの所に走行させ
てその側方で停止し、そして図１４に示すように駐車室
２１ａにあった車両Ｂを搬送台車２７上に移載し、この
車両Ｂが駐車していた駐車室２１ａ側に駐車室２２ａの
車両Ａを移動させて次の工程が迅速に行なわれるように
準備しておき、図１５に示すように待機スペース２８の
位置に移動し、この車両Ｂを前記待機スペース２８に横
向きのまま移動して移載（横移載）する。

【０００５】前記工程において空になった搬送台車２７
は、車両Ａが待機している駐車室２１ａの側方に走行し
て停止し、そして図１６に示すように搬送台車２７上に
出庫をする車両Ａを横移載して出庫リフト２５に向けて
走行し、この出庫リフト２５の側方で停止し、そして出
庫リフト２５に車両Ａを横移載し、この出庫リフト２５
によって車両Ａを駐車場Ｐの出口に搬出する。

【０００６】前記工程において車両Ａを降して空になっ
た搬送台車２７を待機スペース２８の側方に移動させ、
図１７に示すようにこの待機スペース２８に待機してい
た車両Ｂをこの搬送台車２７上に横移載し、搬送路２０
を走行して駐車室２１ａの側方で止まり、この駐車室２
１ａに車両Ｂを横移載することによって、目的とする車
両Ａを出庫する際の一連の工程を完了することになる。

【０００７】前記図１３〜図１７を参照して説明した一
連の出庫工程においては、駐車室列２１（あるいは駐車
室列２２でも良い）内に出庫車両を移動路をあけるため
に、この移動路にあった車両を一次的に保管する待機ス
ペース２８が必要であり、その上に出庫する車両Ａの移
動路にある車両Ｂを待機スペース２８まで搬送して車両
Ａの出庫が完了するまで一次的に待機させる必要があ
る。なお、満車の場合以外は空いているスペースを待機
スペースとして利用できる。

【０００８】従って、この駐車場における格納方法は出
庫の邪魔になる車両を所定の待機スペースに一次的に預
ける必要があることから、この車両の移送に多くの工程
が必要であり、迅速に目的の車両を出庫することができ
ないという問題があった。本発明は、前記従来の駐車場
における格納方法の問題点を解消し、単純な工程で駐車
している車両を搬出できる格納方法を提供することを目
的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記従来技術問題点を解
消するための本発明に係る駐車場の格納方法は、搬送台
車が走行する搬送路の片側に、複数の駐車室で形成した
駐車室列を複数列平行に配置して複合駐車室群を形成
し、更に前記搬送路の他側に単数列の駐車室を配置し、
前記複合駐車室群内に車両を移動できる循環経路を形成
し、車両の出庫に際して前記循環経路によって出庫する
車両を搬送路側に移動し、この車両を搬送台車に移載し
て出庫リフトまで搬送し、移載するように構成した駐車
場の格納方法である。

【００１０】前記複合駐車室群は、搬送路に沿った２つ
の駐車室と、この駐車室の側方に隣接する２つの駐車室
を含み、この複合駐車室には１つの空スペースを有し、
この複合駐車室群内の車両を隣接する駐車室に移載する
循環経路を構成している駐車場の格納方法である。前記
循環経路とは、ある駐車室から隣の駐車室へ車両を移載
する経路を意味し、車両を縦（車長方向）あるいは横
（車幅方向）に移載する方法によって循環経路が形成さ
れることになる。

【００１１】基本的には、本発明は、搬送台車が移動す
る搬送路の片側に、平行に配置した２列以上の駐車室列
と、他の側に配置した単列の駐車室列を１組として形成
し、この入出庫路の平行する相隣る２つの駐車室と、こ
の駐車室の側方に沿った２つの駐車室からなる４つの駐
車室を含む複合駐車室群で循環経路を構成している。従
って、最低限の複合駐車室群は升目状に隣接して整列し
た４つの駐車室で、その中に車両を順送りに移載するた
めの１つの空スペースを持って形成されることになる。

【００１２】搬送路に平行する駐車室列を３列で構成し
た場合は、長手方向（車長方向）に並んだ２つの駐車室
と、この駐車室の側方（車幅方向）にある２つの駐車室
と、更にこの２つの駐車室の側方（車幅方向）にある２
つの駐車室の、合計６つを１つの組とする駐車室で複合
駐車室群を形成し、更にこの複合駐車室群内に１つの空
スペースを有し、この複合駐車室群内において車両を順
送りする循環経路が形成されることが必要である。

【００１３】しかし、前記複合駐車室群は固定的なもの
ではなく、その中に出庫する車両を含み、更に１つ以上
の空スペースを準備したものであれば良い。従って、こ
の空スペースが予定した複合駐車室群より離れた位置に
ある場合は、この空スペースを順送りして前記複合駐車
室群内に入れるようにすれば良い。要するに、複合駐車
室群は、出庫車両を搬送路側に順送りするための手段で
あり、多数の車両が駐車している場合は、コンピュータ
制御によって空スペースと出庫する車両の位置を見出
し、これらを含んだ複合駐車室群を形成するように空ス
ペースを順送りすると良い。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明するが、先ず、搬送路の片側に複数の駐
車室列を持ち、他方に単列の駐車室列を持つ駐車室の収
容効率を比較して説明する。図１（Ａ），（Ｂ）は本発
明と対比するための駐車場を示しており、図（Ａ）は、
搬送台車２が走行する搬送路１の片側に２本の駐車室列
３，４を、他方の側にも２本の駐車室列５，６を配置し
た場合であって、この駐車室列３，４側と駐車室列５，
６側にそれぞれ空スペース８，９を配置しており、この
空スペース８，９を含んで車両を出庫する際に循環移
動、即ち順送りするための２つの複合駐車室群Ｇを形成
している。

【００１５】この方式の駐車場においては、１０個の専
有スペース（搬送路も２台の車両の駐車スペースと仮定
する）にＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆの６台の車両を駐車す
ることができるので、収容効率＝駐車台数／専有スペー
ス＝６／１０であるから６０％となる。次に図１（Ｂ）
は、搬送台車２が走行する搬送路１の片側に３本の駐車
室列３，４，４ａを、他方の側に２本の駐車室列５，６
をそれぞれ配置し、駐車室列３，４，４ａ側と５，６側
にそれぞれ１個の空スペース８，９を配置した場合で、
この方式の駐車場においては１２個の専有スペースに対
してＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆ，Ｇ’，Ｈの８台の車両を
駐車することができることから収容効率は８／１２で６
７％である。

【００１６】図１（Ｃ），（Ｄ）は本発明の基本思想を
示すもので、搬送路１の片側に３列の駐車室列３，４，
４ａを、他方の側に単列の駐車場列５ａを配置した場合
であって、この場合には複合駐車室群Ｇ内に１つの空ス
ペース８を設けている。この方式の駐車場における収容
効率は、７／１０＝７０％であり、前記２つの例の方式
のものより収容効率が良いことが分かる。

【００１７】更に図１（Ｄ）は、搬送路１の片側に４列
の駐車室列３，４，４ａ，４ｂからなり、１つの空スペ
ース８を持つ複合駐車室群Ｇを形成し、他方の側に単列
の駐車場列５ａを配置した例であって、この方式の駐車
場における収容効率は、９／１２＝７５％であり、図１
（Ａ）〜（Ｄ）の中で最高の収容効率を得ることがで
き、複合駐車室群Ｇの列数が多くなるほど、より高い収
容効率を得ることが分かる。

【００１８】前記駐車場において、Ｇで示す部分は、本
発明でいう複合駐車室群を示しており、このグループ内
で車両を順送りする循環路が形成されることになる。前
記図１（Ａ）〜（Ｄ）から理解できることは、搬送路１
の片側に複数の駐車室列を配置し、他方の側に単列の駐
車室列を配置し、複数の升目状に配列された駐車室列で
複合駐車室群Ｇを形成し、このグループの中に１つの空
スペース８を含むようにすることである。もし、図
（Ｃ），（Ｄ）の単列の駐車室側を（Ａ），（Ｂ）に示
すように複列にすると、こちら側にも空スペース９が必
要となり、その分だけ収容効率が低下することになる。
このことを考慮すると搬送路１の片側を単列の駐車室列
とする必要がある。 （実施例１）次に、図２〜図１２を参照して本発明の駐
車場の格納方法の実施の形態について説明する。

【００１９】図２は本発明の駐車場の平面図であって、
搬送台車２が走行する搬送路１の片側に駐車室列３，４
を、他方の側に駐車室列５ａを配置しており、各駐車室
列はａ，ｂ・・ｍ，ｎの駐車室で構成されている。そし
てこの駐車室列５ａには入庫リフト１０と出庫リフト１
１が配置されている。なお、入庫リフト１０と出庫リフ
ト１１の位置は、駐車室列５ａあるいは駐車室列３，４
内において任意の位置に設定することができる。

【００２０】今、駐車室４ｃ、３ｃ、３ｂに車両Ａ，
Ｂ，Ｃがそれぞれ駐車している場合に奥側の車両Ａを出
庫する場合について説明するが、この場合の複合駐車室
群Ｇは駐車室３ｂ，４ｂ，３ｃ，４ｃで構成されてお
り、この群Ｇ内の車両を順送りすることができるように
なっている。図２に示すように搬送台車２を車両Ａが駐
車している駐車室の近傍、即ち駐車室３ｃの側方に移動
する。その間に、複合駐車室群Ｇ内において車両を順
次、循環移動させて図３に示すように出庫する車両Ａを
駐車室３ｃ内に移動しておく。

【００２１】そして図４に示すように駐車室３ｃの車両
Ａを搬送台車２上に横移載する。そして図５に示すよう
に搬送台車２を出庫リフト１１の位置まで移動させ、そ
して図６に示すように搬送台車２から車両Ａをこの出庫
リフト１１上に横移載し、このリフトを使用して出庫口
まで移送することができる。 （実施例２）図７〜図１２は本発明の第２の実施の形態
を示すもので、搬送路１の片側に駐車室列３，４，４ａ
を配置し、他方に単列の入出庫駐車室列５ａを配置し、
駐車室３ｂ，３ｃ，４ｂ，４ｃ，４ａ−ｂ，４ａ−ｃで
グループＧに形成し、それぞれ車両Ｄ，Ｃ，Ｅ，Ｂ，Ａ
を配置すると共に、このグループＧの一つを空スペース
８としたものである。

【００２２】前記駐車場において最奥側の駐車室列４ａ
−ｃに駐車している車両Ａを出庫する工程を説明する
と、図７の位置の搬送台車２を図８に示す車両Ａの側方
に移動させる。その間に図７〜図９に示す手順で奥側の
駐車室列４ａにあった車両Ａを駐車室列３の駐車室３ｃ
まで循環経路を利用して移載しておく。なお、その他の
車両はこの循環経路を移載した途中の段階で停止してい
る。

【００２３】そして図１０に示すように車両Ａを搬送台
車２上に移載し、図１１に示すように出庫リフト１１の
側方まで走行して停止し、図１２に示すようにこの搬送
台車２より出庫リフト１１へ車両Ａを横移載し、この出
庫リフト１１を経由して駐車場より出庫するものであ
る。

【００２４】

【発明の効果】搬送台車２が走行する搬送路１の片側
に、複数の駐車室で形成した駐車室列３，４を複数列平
行に配置して複合駐車室群Ｇを形成し、更に前記搬送路
２の他側に入庫リフト１０と出庫リフト１１を持つ駐車
室列５ａを配置し、前記複合駐車室群Ｇ内に車両を移動
できる循環経路を形成し、車両の出庫に際して前記循環
経路によって出庫する車両を搬送路１側に移動し、この
車両を搬送台車２に移載して出庫リフト１１まで搬送
し、移載するように構成したので、出庫車両を搬送路側
に移載する際に邪魔になる他の車両を、待機スペースま
で運搬して一次的に保管するような操作が不要となり、
車両の出庫に要する時間を著しく短縮することができ
る。また、搬送路１の一方に単列の駐車室列を配置する
ことによって、車両の収容効率を最高にすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は搬送路の両側に２列の駐車室を持つ駐
車場、（Ｂ）は搬送路の片側に３列と他側に２列の駐車
室列を持つ駐車場の収容効率をそれぞれ示す図である。
（Ｃ）は搬送路の片側に３列と他側に単列の駐車室列を
持つ駐車場、（Ｄ）は搬送路の片側に４列と他側に単列
の駐車室列を持つ駐車場の収容効率をそれぞれ示す図で
ある。

【図２】本発明の第１の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図３】本発明の第１の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図４】本発明の第１の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図５】本発明の第１の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図６】本発明の第１の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図７】本発明の第２の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図８】本発明の第２の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図９】本発明の第２の実施の形態の駐車場における車
両の格納方法の説明図である。

【図１０】本発明の第２の実施の形態の駐車場における
車両の格納方法の説明図である。

【図１１】本発明の第２の実施の形態の駐車場における
車両の格納方法の説明図である。

【図１２】本発明の第２の実施の形態の駐車場における
車両の格納方法の説明図である。

【図１３】従来の駐車場における車両の格納方法の説明
図である。

【図１４】従来の駐車場における車両の格納方法の説明
図である。

【図１５】従来の駐車場における車両の格納方法の説明
図である。

【図１６】従来の駐車場における車両の格納方法の説明
図である。

【図１７】従来の駐車場における車両の格納方法の説明
図である。

【符号の説明】

１ 搬送路 ２ 搬送台車 ３，４，５，５
ａ，６ 駐車室列 ８，９ 空スペース

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送台車が走行する搬送路の片側に、複
   数の駐車室で形成した駐車室列を複数列平行に配置して
   複合駐車室群を形成し、更に前記搬送路の他側に単数列
   の駐車室群を配置し、いずれかの駐車室群に入庫リフト
   と出庫リフトを配置し、前記複合駐車室群内に車両を移
   動できる循環経路を形成し、車両の出庫に際して前記循
   環経路によって出庫する車両を搬送路側に移動し、この
   車両を搬送台車に移載して出庫リフトまで搬送し、移載
   するように構成した駐車場の格納方法。
2. 【請求項２】 前記複合駐車室群は、搬送路に沿った２
   つの駐車室と、この駐車室の側方に隣接する２つの駐車
   室を含み、この複合駐車室には１つの空スペースを有
   し、この複合駐車室群内の車両を隣接する駐車室に移載
   する循環経路を構成している請求項１記載の駐車場の格
   納方法。