JPH09209387A - スイング式掘削機械 - Google Patents
スイング式掘削機械Info
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- JPH09209387A JPH09209387A JP8035745A JP3574596A JPH09209387A JP H09209387 A JPH09209387 A JP H09209387A JP 8035745 A JP8035745 A JP 8035745A JP 3574596 A JP3574596 A JP 3574596A JP H09209387 A JPH09209387 A JP H09209387A
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- cross link
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Abstract
ット量大きくできるようになし、またクロスリンクをブ
ームに片持ち状態することによりロアブームに作用する
横曲げ応力を緩和する。 【構成】 フロント作業機構40におけるブーム41
は、ロアブーム41Lとアッパブーム41Uとから構成
され、ロアブーム41Lはスイングポスト12に枢着さ
れ、ブラケット12aとアッパブーム41Uとの間の片
側にクロスリンク42が設けられている。ロアブーム4
1Lの中心軸線A1 に対して、アッパブーム41Uの中
心軸線A2 は平行で、かつ上部旋回体2の運転室6が配
置されている側とは反対側に間隔Δdだけ変位した位置
となり。アッパブーム41Uから先端側のバケット46
はロアブーム41Lの中心軸線A1 から外方向にずれ
て、バケット46のオフセット量が増大し、ロアブーム
41Lの重心位置がクロスリンク42に近づいて、横曲
げ応力の緩和が図られる。
Description
業を行う掘削機械において、特にそのフロント作業機構
をスイングポストに装着して、所定の角度スイングさせ
ることによって、側溝掘りを可能としたスイング式掘削
機械に関するものである。
走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を旋回可能に設
置し、この上部旋回体にオペレータが搭乗して操作を行
う運転席が設けられ、またブーム、アーム及びバケット
からなるフロント作業機構が装着されている。そして、
これらブーム、アーム及びバケットは油圧シリンダで駆
動されるが、これらの油圧シリンダや、走行用及び旋回
用の油圧モータ等からなる油圧アクチュエータを駆動す
るために、エンジン、油圧ポンプ、方向切換弁等を内蔵
させた機械室を配置する構成としている。
て、旋回時にフロント作業機構が構築物等と衝突しない
ようにするためには、上部旋回体の旋回半径をできるだ
け小さくする必要がある。そして、旋回半径が上部旋回
体の範囲内に納まるように構成した、所謂超小旋回油圧
ショベルも開発されており、この超小旋回油圧ショベル
の代表的なものは、特開平7−243223号に開示さ
れている。そこで、以下に図4乃至図8に基づいて、こ
の公知技術による超小旋回油圧ショベルについて説明す
る。
は上部旋回体である。下部走行体1は、左右の履帯3,
3を有する無限軌条の走行体から構成される。上部旋回
体2は、旋回装置4を介して下部走行体1上に旋回可能
に連結されている。上部旋回体2のフレーム5には、オ
ペレータが着座する運転席を設けた運転室6が設置され
ている。フロント作業機構7は、ブーム8、アーム9及
びバケット10からなり、このフロント作業機構7も上
部旋回体2側に設けられる。ここで、運転室6とフロン
ト作業機構7とは、図6に示したように、上部旋回体2
の前方において、運転室6が左側に、フロント作業機構
7が右側に並ぶように配置されている。さらに、11は
機械室であって、この機械室11内には、フロント作業
機構の駆動手段としての油圧シリンダ、及び走行機構、
旋回装置における駆動手段としての油圧モータ等の油圧
アクチュエータに圧油を供給するために、エンジン及び
油圧ポンプ、方向切換弁や作動油タンク等の機器が設置
されている。この機械室11は運転室6の後方からフロ
ント作業機構7の装着部側に回り込むように配置されて
いる。
体2に直接連結されるのではなく、この上部旋回体2の
フレーム5に連結して設けたスイングポスト12に設け
られている。スイングポスト12はフロント作業機構7
をスイング動作、即ち水平方向に回動させるためのもの
である。そこで、図7にブーム8の基端部におけるスイ
ングポスト12への連結部であるブームフート部の構成
を示す。スイングポスト12は、上部旋回体2のフレー
ム5に鉛直方向に設けたスイング軸13により水平方向
に回動可能に連結されている。ここで、スイング軸13
は、油圧配管14を挿通させるために、上下に2分割さ
れている。そして、スイングポスト12と上部旋回体2
との間には図示は省略するが、スイング作動用油圧シリ
ンダが連結して設けられており、この油圧シリンダを作
動させると、スイングポスト12は水平方向に回動す
る。
アーム9及びバケット10は、それぞれブーム用油圧シ
リンダ15、アーム用油圧シリンダ16及びバケット用
油圧シリンダ17によりそれぞれ駆動される。ブーム8
及びこのブーム8を駆動するブーム用油圧シリンダ15
のそれぞれの一端はピン18,19によってスイングポ
スト12に設けた取付部としてのブラケット12aに枢
着されている。また、油圧シリンダ15の他端はブーム
8にピン20で枢着されており、油圧シリンダ15を作
動させると、ブーム8が俯仰動作することになる。ま
た、アーム9はピン21によってブーム8に枢着され、
アーム用油圧シリンダ16の両端は、ブーム8とアーム
9とにそれぞれピン22,23により枢着されており、
油圧シリンダ16を作動させると、アーム9はブーム8
に対して上下方向に回動する。さらに、アーム9の先端
にバケット10がピン24により枢着されており、また
バケット用油圧シリンダ17の両端はアーム9とバケッ
ト10とにそれぞれピン25,26で枢着されている。
従って、この油圧シリンダ17を作動させると、バケッ
ト10が上下方向に回動する。
る。8Lはロアブームで、8Uはアッパブームである。
ピン18によってスイングポスト12に枢着されるの
は、ロアブーム8Lであり、アッパブーム8Uはピン2
1によりアーム9に枢着されている。さらに、ロアブー
ム8Lの先端部とアッパブーム8Uの基端部とはピン2
7で枢着され、またブーム用油圧シリンダ15を枢着す
るピン20はロアブーム8L側に設けられている。従っ
て、ブームフート部は、ピン18を介してロアブーム8
Lがスイングポスト12に連結される部位を言う。
との間の開き角度を制御するクロスリンクであって、こ
のクロスリンク28はパイプ状またはロッド状の部材か
らなり、ブーム8の左右の両側部に沿うように2本設け
られ、それぞれ一端がピン29によりスイングポスト1
2に一対立設したブラケット12a,12a間の部位に
配置されて、これらブラケット12a,12aに枢着さ
れる。また、他端はアッパブーム8Uの基端側部分、即
ちこのアッパブーム8Uのロアブーム8Lへの連結部近
傍にピン30を用いて枢着されている。そして、図8か
らも明らかなように、少なくともブーム8の最大上げ姿
勢時においては、クロスリンク28の中心軸線、即ちピ
ン29,30を結ぶ線X1 と、ロアブーム8Lにおける
ピン18とピン27とを結ぶ線X2 は交差している。
ム8を俯仰動作させた時に、ロアブーム8Lは、そのス
イングポスト12への枢着部であるピン18を中心とし
て上下方向に回動する。また、この動きに連動してクロ
スリンク28も上下方向に回動するが、このクロスリン
ク28の回動中心はピン29である。即ち、ロアブーム
8Lとアッパブーム8Uとを枢着するピン27の軌跡T
1 及びクロスリンク28の他端におけるピン30の軌跡
T2 は共に円弧状の軌跡であるが、両円弧状軌跡T1 ,
T2 の中心は離れている。しかも、ピン18,27間の
線X1 (円弧状軌跡T1 の半径)とピン29,30間の
線X2 (円弧状軌跡T2 の半径)とは長さ寸法も違って
いる、従って、これら円弧状軌跡T1 と円弧状軌跡T2
との中心及び半径が異なっている。
18より旋回中心に近い位置で、やや下方の位置に配置
され、また線X2 の方が線X1 より長くする。これによ
って、ブーム8の俯仰動作範囲内において、ブーム8を
最も上方に上げた最大上げ状態から最も下方に下げた最
大下げ状態に至るまでのピン27,30の軌跡T1 ,T
2 は2回交差する。そして、ブーム8の先端部、即ちア
ッパブーム8Uとアーム9との間を連結するピン21の
軌跡T3 は非円形の曲線となる。
示した最大上げ状態は旋回姿勢であり、また一点鎖線で
示したブーム8の最大下げ状態は深掘り姿勢、さらに二
点鎖線で示した状態が、ブーム8の最大リーチ姿勢であ
る。土砂の掘削を行う際には、通常はブーム8の最大リ
ーチ姿勢乃至その近傍で地面と接触する。そして、深掘
り姿勢でバケット10がとどく位置までの掘削が可能に
なる。この掘削時、特に最大リーチ姿勢及びその近傍で
は、フロント作業機構7は前方に大きく伸ばした状態に
なるから、ブーム8を構成するロアブーム8Lとアッパ
ブーム8Uとの間の開き角度は小さく、即ちブーム8全
体の形状における曲がりを大きくして、地面に対する角
度をできるだけ深くする方が、掘削力を大きくできる。
これに対して、旋回姿勢においては、フロント作業機構
7の全体をコンパクトに折り込むために、ロアブーム8
Lとアッパブーム8Uとの間の開き角度をできるだけ大
きくして、ブーム8全体の形状が直線に近い状態にした
方が、旋回半径を小さくできる。
アッパブーム8Uとの開き角度を変化させるのは、この
ためである。アッパブーム8Uとスイングポスト12の
ブラケット12aとの間にクロスリンク28を枢着し、
そのクロスリンク28のアッパブーム8Uへの枢着点の
円弧状軌跡T2 をロアブーム8Lのアッパブーム8Uへ
の枢着点の円弧状軌跡T1 と異ならせると、ブーム8の
俯仰動作時にロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの間
の開き角度が変化する。両軌跡T1 ,T2 が交差する位
置でのロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの開き角度
を基準にすると、軌跡T1 上の位置が軌跡T2 の円弧の
外側に位置する部分では、この開き角度が基準角度より
小さくなり、また軌跡T2 位置が軌跡T1 の円弧の外側
に位置する部分になると、開き角度は基準角度より大き
くなる。
作時に、最大リーチ状態の直前で両軌跡T1 ,T2 が交
差して、この位置から深掘り状態に至るまでの間はピン
27の位置を軌跡T2 より外側に位置させることによっ
て、ロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの角度を小さ
くする。また、最大リーチ状態から旋回姿勢に向かうに
応じてピン30の位置が軌跡T1 より外側になり、かつ
最大リーチ状態では、ピン27の位置とピン30の位置
とのとの差をできるだけ大きくなるように、軌跡T1 と
軌跡T2 との中心及び半径を設定する。これによって、
掘削時のロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの開き角
度(最大リーチ状態の角度α,深掘り状態の角度β)が
小さく、ブーム8全体の曲がりが大きくなり、十分な掘
削力が得られ、また旋回姿勢を取らせると、ロアブーム
8Lとアッパブーム8Uとが角度γが大きくなって、直
線に近い状態になり、フロント作業機構7全体をコンパ
クトに畳み込めるようになる。この結果、旋回半径は、
図5に示したSとなり、旋回半径Sは上部旋回体2の範
囲内となり、上部旋回体2の直近位置に構築物等が存在
していたとしても、この構築物等が実質的に垂直な壁等
であれば、旋回時にフロント作業機構7がそれに衝突す
るおそれはない。
型の油圧ショベルにおいて、フロント作業機構7を上部
旋回体2に直接装着せず、上部旋回体2から張り出すよ
うに設けたスイングポスト12に装着されているのは、
側溝掘りを効率的に行うことができるようにするためで
ある。即ち、油圧ショベルの全体を図9に示した姿勢に
すると、バケット10は上部旋回体2における側部ぎり
ぎりの位置にまでオフセットすることになり、この状態
でフロント作業機構7を作動させて、バケット10によ
り掘削しながら、所定の方向に車両を移動させることに
よって、道路の側部等に沿うように側溝を円滑に掘るこ
とができる。
態となっており、この状態から側溝掘りの姿勢を取らせ
るには、図6に矢印Pで示したように、スイングポスト
12を上部旋回体2に対して所定の角度回動させて、フ
ロント作業機構7をスイングさせ、さらにこの状態のま
ま上部旋回体2全体をこれとは反対のQ方向に旋回させ
るようにする。
等の構築物に極めて近接した位置に側溝を掘る場合に
は、これら構築物と下部走行体1との間の間隔は殆どな
い状態で走行させる必要があり、常に構築物と接触する
おそれのある状態で作業が行われることになり、車両を
走行させながら行う側溝掘りは極めて高度な熟練を要す
るものとなる。従って、側溝掘りをより円滑に行うに
は、バケット10のオフセット量をできるだけ大きく取
る必要がある。しかしながら、フロント作業機構7にお
けるバケット10の中心軸線をオフセットさせるには、
フロント作業機構7の全体を上部旋回体2の側方に変位
する位置に装着しなければならない。フロント作業機構
7は上部旋回体2に直接設けられておらず、スイングポ
スト12に装着されているから、スイングポスト12を
上部旋回体2から大きく張り出させれば、オフセット量
を大きく取れる。ただし、スイングポスト12を上部旋
回体2から張り出すと、この張り出し分だけ上部旋回体
2の旋回半径が大きくなってしまう。
を発揮させるクロスリンク28はブーム8の左右両側に
設けられている。従って、クロスリンク28はブーム8
の側面部から外方に突出しており、しかもこのクロスリ
ンク28が設けられている位置はロアブーム8L側の低
い位置である。上部旋回体2には、フロント作業機構7
と並ぶように運転室6が配置されており、しかもこの運
転室6の前方には、図示は省略するが、操作レバーや操
作ペダル等、機械を操作する操作手段が配置されてい
る。従って、図8の側溝掘り姿勢を取らせるために、ク
ロスリンク28を運転室6の直前の位置に変位させる
と、この運転室6に着座して機械の操作を行うオペレー
タにとって大きな圧迫感を与えることになり、特に小型
の油圧ショベル、例えばミニショベルのように、上部旋
回体2の全体の形状をコンパクトに形成しようとする
と、ブーム8から突出しているクロスリンク28が邪魔
になり、操作手段の操作に支障を来すおそれもある。要
するに、クロスリンク28を設けることは油圧ショベル
の小型化に対する制約の一因をなしている。
させるには必ず2本設ける必要はなく、1本のクロスリ
ンクであっても、十分な強度を持たせれば、それをブー
ムの一方側の側板に沿うように配置することも可能であ
る。また、このクロスリンクをブームにおける運転室の
配置側とは反対側の面に配置すれば、ロアブームにおけ
る運転室の配置側に対面する側面部分には何等の突出物
がなくなるので、オペレータに対して圧迫感を与えた
り、操作手段の操作に支障を来すようなことはなくな
る。
ロスリンクは片持ち状態になり、ブームにおける荷重の
偏在が生じ、クロスリンクが配設されている側の方が、
それとは反対側の部分より応力が高くなって、ロアブー
ムに横曲げ応力が作用することになる。このために、フ
ロント作業機構を作動させて、土砂の掘削等の作業を行
う際に大きな横曲げ応力によって、ブーム、特にロアブ
ームの動きの円滑性を欠いてしまうおそれがあり、また
繰り返し作用する応力によりやがてはロアブームが変形
する等といった不都合が生じる。
あって、まず、第1の目的は、側溝掘りを効率的に行え
るようにすることにある。また、第2の目的は、側溝掘
りを効率的に行えるようにすると共に、ブームにクロス
リンクを片持ち状態で装着した時に、掘削機械を円滑に
操作できるようにする等のために、ロアブームに作用す
る横曲げ応力を抑制乃至緩和させることにある。
成するために、バケットの中心軸線をブームフート部の
中心軸線より運転室とは反対方向に位置させる構成とし
たことを本発明の特徴とする。また、第2の目的を達成
するためには、クロスリンクをブームの側面における運
転室の配置側とは反対側の面に設け、しかもブームにお
けるロアブームのブームフート部の中心位置に対してブ
ームの中心軸線を運転室とは反対方向に位置させる構成
となし、さらに好ましくは、ロアブームを、そのブーム
フート部からアッパブームへの連結部までの中心軸線
と、このロアブームに枢着されたアッパブームの中心軸
線とを平行に配置し、このアッパブームの中心軸線は運
転席とは反対方向に所定量変位した位置に配置する構成
としたことをその特徴とするものである。
ストの一対のブラケット間に配置されて、これらブラケ
ットに装着したピンに回動自在に支持されている。従っ
て、ピンの両ブラケット間の中間位置がブームフート部
の中心位置となる。ここで、従来技術においては、ブー
ムの長手方向の中心軸線はこのブームフート部の中心位
置を通るように構成している。また、バケットの中心軸
線は、バケットの幅と平行な方向の中心線であり、この
バケットの中心軸線はブームの中心軸線と一致した状態
になっている。このために、側溝掘り状態におけるバケ
ットのオフセット量は、ブームフート部の位置により実
質的に左右されることになる。しかしながら、これらブ
ームフート部の中心位置及び前述した両中心軸線は、構
造上、必ずしも一致させる必要はない。
連結部側から、ブーム,アーム及びバケットの順に連結
されている。しかも、ブームは2分割されて、ロアブー
ムとアッパブームとから構成される。そこで、フロント
作業機構におけるブームフート部から前方の部位、即ち
バケットへの連結部に至るまでの部位において、中心軸
線をブームフート部の中心位置から所定量だけシフトさ
せる。シフトする方向は、機械を通常の掘削姿勢の状態
にした時において、運転室が設けられている部位とは反
対方向とする。このように、バケットの中心軸線をブー
ムフート部の中心位置に対してオフセットさせた量だ
け、側溝掘り姿勢とした時におけるバケットのオフセッ
ト量を増大させることができる。
き角度を変化させるために設けられるクロスリンクをブ
ームの左右の面に沿うように2本設けるのではなく、運
転室の配置側とは反対側の側面に1本だけ設けるように
すれば、側溝掘り姿勢を取らせた時に、運転室が対面す
るブームの側面からクロスリンクが突出することがなく
なり、運転室に着座して機械の操作を行うオペレータに
とって大きな圧迫感がなくなる等の利点がある。ただ
し、ブームの片側の側面に1本だけしかクロスリンクを
設けず、ブームを所謂片持ち状態にすると、ロアブーム
に横曲げ応力が作用することになる。このロアブームに
作用する横曲げ応力を緩和させるためには、前述した中
心軸線のシフトは、ロアブームまたはアッパブームの部
位で行うようにするのが好ましい。ブーム全体の重心位
置がブームフート部の中心位置からシフトさせた中心軸
線方向に変位して、クロスリンクの方向に近くなる。こ
のように、ブームの重心位置がクロスリンクに近づく
と、横曲げ力を低下できるようになり、クロスリンクを
1本にして、片持ち状態にした場合に生じる不都合を解
消乃至緩和できるようになる。
ブーム,アッパブーム及びアームはそれぞれボックス構
造としているが、それぞれの部材に必要とする強度は異
なっている。即ち、ロアブームが最も強度を必要とし、
次いでアッパブーム、さらにはアームの順に強度に関す
る条件が緩くなる。従って、フロント作業機構を軽量化
するために、ロアブームよりアッパブームの方がボック
スの断面形状を小さくし、ロアブームとアッパブームと
の間で、ボックスの幅寸法を変化させる。ロアブームと
アッパブームとの中心軸線を一致させる場合には、アッ
パブームは、その幅方向の両側から狭めるようにする
が、アッパブームの中心軸線をロアブームの中心軸線に
対してシフトさせるようにすれば、アッパブームの片側
の側面は直線状とすることができ、それとは反対側の側
面のみを曲成すれば良いことになる。従って、アッパブ
ームの構成が簡略化して、その製造が容易になると共
に、強度の向上も図ることができる。
て説明する。図1乃至図3は第1の実施例であり、また
図4は第2の実施例である。これら各実施例において
は、図5乃至図9に示した従来技術のものとほぼ同様、
掘削機械の一例として油圧ショベルであって、特に小型
のミニショベルが示されている。ただし、本発明の掘削
機械はこれに限るものではない。なお、以下の説明にお
いて、前述した従来技術と同一または均等な部材につい
ては、同一の符号を付して、その説明を省略する。
体構成については、前述した従来技術のものと格別の差
異はなく、スイング方式のフロント作業機構40を有
し、このフロント作業機構40におけるブーム41は、
ロアブーム41Lとアッパブーム41Uとから構成され
て、ロアブーム41Lの基端側におけるブームフートの
部分は、上部旋回体2に水平方向に回動可能に連結した
スイングポスト12における取付部を構成するブラケッ
ト12aにピン18を用いて枢着されている。そして、
ブラケット12aとアッパブーム41Uとの間には、ク
ロスリンク42がそれぞれピン43,44により枢着さ
れている。
の片側に1本だけ設けられている。このクロスリンク4
2は、ブーム41における右側の側部に沿うように設け
られ、左側、即ち運転室6と対面する側にはクロスリン
ク42は設けられていない。ここで、クロスリンク42
は1本だけしか設けられていないから、従来技術のよう
に左右に設けられるクロスリンクと比較して、より強度
の高いものを用いる。クロスリンク42には、伸縮方向
に大きな力が作用することから、この方向の強度を高く
する必要があり、このためには、クロスリンク42をパ
イプ状に形成して、その外径寸法を大きくすれば良い。
従って、クロスリンク42をあまり重量化させることな
く、必要な強度を持たせることができる。しかも、クロ
スリンク42は、ブーム41における運転室6とは反対
側の面に設けられているから、その外径を多少大きくし
ても、オペレータや他の部材に対して邪魔になるような
ことはない。
41Lの中心軸線A1 は、ブームフート部、即ちロアブ
ーム41Lのスイングポスト12における左右一対から
なるブラケット12a,12a間に設けたピン18への
連結部分からそのほぼ全長にわたって一直線の状態にな
っている。この軸線A1 に対して、アッパブーム41U
の中心軸線A2 は平行となっており、かつ上部旋回体2
において、運転室6が配置されている側とは反対側、即
ちクロスリンク42が配置されている側に間隔Δdだけ
変位した位置となっている。これによって、アッパブー
ム41Uから先端側、即ちアーム45及びバケット46
の中心軸線がロアブーム41Lの中心軸線A1 からΔd
だけ外方向にずれるようになる。
示したように、油圧ショベルのフロント作業機構40を
側溝掘り姿勢を取らせた時に、ブームフート部からバケ
ットに至るまでのフロント作業機構の中心軸線を一致さ
せた場合と比較して、中心軸線のシフト量Δdだけバケ
ット46のオフセット量が増大することになる。この結
果、側溝掘りを行う際に車両を走行させると、構築物等
の直近位置であっても、下部走行体1等がこのような構
築物等と接触するおそれがなくなり、作業の円滑性が確
保される。
ブーム41Lの中心軸線A1 に対してΔdだけシフトさ
せるに当っては、アッパブーム41Uを構成するボック
スの左右の側板41UL,41URの形状を変えてい
る。即ち、ロアブーム41L及びアッパブーム41Uは
共にボックス構造体からなり、かつ必要な強度の違いか
ら、アッパブーム41Uの方がロアブーム41Lより断
面形状が小さくなっており、幅方向の寸法も短縮されて
いる。そこで、アッパブーム41Uを構成する左右の側
板41UL,41URのうち、右側、即ち運転室6と対
面する側とは反対側であり、クロスリンク42が設けら
れている側の側板41URを真直ぐ延在させ、これとは
反対側、即ち左側の側板41ULはそのロアブーム41
Lへの連結部近傍から側板41UR方向に向けて大きく
曲成することによって、アッパブーム41Uに所定の幅
寸法を持たせている。
を行うと、ロアブーム41Lには、その軸線方向に向け
て圧縮する方向(掘削作業時)や伸長する方向(クレー
ン作業時)に力が作用する。ロアブーム41Lの軸線方
向に圧縮させる方向の力が作用すると、クロスリンク4
2にはその反力が作用して、伸長する方向に力が加わ
る。このために、ロアブーム41Lにクロスリンク42
側に曲げようとする曲げモーメントが働いて、ロアブー
ム41Lのうち、クロスリンク42側には軸方向で圧縮
方向の、反対側には伸長方向の横曲げによる応力が発生
する。従って、軸方向の応力と横曲げによる応力がクロ
スリンク42側は方向が一致するために、合成応力が大
きくなり、反クロスリンク42側は逆に相殺されて、合
成応力は小さくなる。また、ロアブーム41Lに伸長方
向の力が加わった時には、クロスリンク42はその反力
で圧縮する方向の力が作用し、やはりロアブーム41L
には曲げモーメントが働いて、横曲げ応力が生じる。こ
の場合は、力の向きが反対であるが、やはりロアブーム
41Lのうちのクロスリンク42に近い側の方の軸応力
は大きくなる。従って、フロント作業機構40を作動さ
せると、常にロアブーム41Lには横方向への曲げ力が
作用し、しかもこの曲げ力と軸力の合成力は、クロスリ
ンク42に近い側が最大となる。
41Lにピン27を介して連結されているアッパブーム
41Uは、その中心軸線A2 がロアブーム41Lの中心
軸線A1 に対してΔdだけクロスリンク42の配設側に
シフトしているから、ブーム41全体の重心位置及びク
ロスリンク42により片持ち状態になっているロアブー
ム41Lの重心位置がクロスリンク42の配設側にシフ
トすることになる。従って、このロアブーム41Lに対
する曲げモーメントも小さくなり、その分だけロアブー
ム41Lに作用する横曲げ応力が緩和される。従って、
ブーム41の俯仰動作時におけるロアブーム41Lの動
きも円滑になり、かつ繰り返し荷重が作用することによ
るロアブーム41Lの変形も防止できる。
は、その外形形状ができるだけ真直ぐな方が強度が良好
になる。鋼板等を曲げ加工すると、その分だけ歪みが生
じて、強度が低下する。前述したように、アッパブーム
41Uを構成する左右の側板41UL,41URのう
ち、一方の側板41URは曲げ加工する必要がないの
で、その分だけアッパブーム41Uの強度が向上する。
また、その加工も容易になるから、全体としてのアッパ
ブーム41Uの製造コストを低減することも可能にな
る。
た第1の実施例では、アッパブームの軸線をロアブーム
の軸線に対してシフトさせているが、この実施例では、
ブームフート部の中心位置Cに対してロアブーム50L
の中心軸線A1 ′をクロスリンク(図示は省略する。た
だし、図面上ではクロスリンクは右側に位置する)の配
設側にシフトさせるように構成した。即ち、ロアブーム
50Lは、スイングポスト12を構成する一対のブラケ
ット12a,12a間に挿通したピン18に連結されて
いるが、ロアブーム50Lをピン18に回動可能に連結
するために、ロアブーム50Lにはボス部51を延在さ
せ、このボス部51にブッシュ52を介してピン18に
摺動可能に嵌合されている。しかも、ボス部51はブラ
ケット12a,12aに規制されて、ピン18の軸線方
向に動かないように構成されている。従って、ブームフ
ート部の中心位置Cは、ブラケット12a,12a間の
中間の位置、即ちボス部51のピン18の軸線方向にお
ける中央の位置である。
おり、またこのロアブーム50Lに連設したボス部51
はピン18に連結するために、ピン挿通孔をロアブーム
50Lの中心軸線A1 ′と直交する方向に穿設する非ボ
ックス構造となっている。従って、ロアブーム50L
は、そのボス部51に至るまでの全体構成を均一なもの
とする必要はない。そこで、ブームフート部の中心位置
Cに対して、ロアブーム50Lの中心軸線A1 ′をクロ
スリンク51の配設側にΔDだけシフトさせるように構
成した。これによっても、バケットのオフセット量を増
大させ、またブーム全体の重心位置をクロスリンクの配
設側にシフトするから横曲げ応力の緩和を図ることがで
きる。而して、ロアブーム50Lとアッパブームとの連
結部は、図1のようにそれらの中心軸線が異なる構成と
すれば、オフセット量及び重心位置の移行量をさらに増
大できるが、図6に示した従来技術のものと同様、ロア
ブーム50Lとアッパブームとの中心軸線を一致させて
も良い。
トの中心軸線を、ブームフート部の中心軸線より前記運
転室とは反対方向に位置させているので、バケットのオ
フセット量を大きくでき、側溝掘りを円滑に行える。ま
た、クロスリンクを前記ブームの側面における運転室の
配置側とは反対側の面に設けると共に、ブームにおける
ロアブームのブームフート部から前方側の位置におい
て、その中心軸線をブームフート部における中心軸線よ
り運転室とは反対方向に位置させることによって、バケ
ットのオフセット量大きくできるだけでなく、クロスリ
ンクをブームに片持ち状態することによりロアブームに
作用する横曲げ応力を緩和できる等の効果を奏する。
ョベルの平面図である。
拡大図である。
の平面図である。
断面図である。
図である。
を示す作用説明図である。
にして示す平面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 下部走行体上に旋回可能に設置した上部
旋回体に、運転席を設置すると共に、スイングポストを
水平方向に回動可能に連結して、このスイングポスト
に、ブーム、アーム及びバケットからなるフロント作業
機構を設け、このフロント作業機構のブームを、スイン
グポストに枢着したロアブームと、このロアブームの先
端に枢着したアッパブームとで構成し、ブームを駆動す
るブーム用油圧シリンダをロアブームに接続し、また前
記スイングポストとアッパブームとの間にクロスリンク
を枢着したものにおいて、前記バケットの中心軸線を、
前記ブームフート部の中心軸線より前記運転席とは反対
方向に位置させる構成としたことを特徴とするスイング
式掘削機械。 - 【請求項2】 前記クロスリンクを前記ブームの側面に
おける運転席の配置側とは反対側の面に1箇所設け、ま
た前記ブームにおけるロアブームのブームフート部の中
心位置に対して、ブームの中心軸線を前記運転席とは反
対方向に位置させる構成としたことを特徴とする請求項
1記載のスイング式掘削機械。 - 【請求項3】 前記ロアブームのブームフート部からア
ッパブームへの連結部までの中心軸線と、このロアブー
ムに枢着されたアッパブームの中心軸線とを平行に配置
し、このアッパブームの中心軸線は前記運転席とは反対
方向に所定量変位した位置に配置する構成としたことを
特徴とする請求項1記載のスイング式掘削機械。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03574596A JP3344196B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | スイング式掘削機械 |
KR1019970706749A KR100320575B1 (ko) | 1996-01-31 | 1996-12-19 | 굴삭기계 |
CN96192882A CN1078286C (zh) | 1996-01-31 | 1996-12-19 | 挖掘机 |
PCT/JP1996/003709 WO1997028315A1 (fr) | 1996-01-31 | 1996-12-19 | Pelle hydraulique |
US08/930,242 US6019569A (en) | 1996-01-31 | 1996-12-19 | Excavation machine |
EP96942581A EP0818582A4 (en) | 1996-01-31 | 1996-12-19 | HYDRAULIC EXCAVATOR |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09209387A true JPH09209387A (ja) | 1997-08-12 |
JP3344196B2 JP3344196B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=12450365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03574596A Expired - Fee Related JP3344196B2 (ja) | 1996-01-31 | 1996-01-31 | スイング式掘削機械 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344196B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110258682A (zh) * | 2019-06-24 | 2019-09-20 | 烟台兴业机械股份有限公司 | 井下移动式挖掘机 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6171643U (ja) * | 1984-10-15 | 1986-05-15 | ||
JPH0284857U (ja) * | 1988-12-16 | 1990-07-02 | ||
JPH0711664A (ja) * | 1993-06-25 | 1995-01-13 | Komatsu Zenoah Co | 超小旋回パワショベル |
JPH07243223A (ja) * | 1994-03-07 | 1995-09-19 | Hitachi Constr Mach Co Ltd | スイング方式の掘削機 |
-
1996
- 1996-01-31 JP JP03574596A patent/JP3344196B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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---|---|---|---|---|
CN110258682A (zh) * | 2019-06-24 | 2019-09-20 | 烟台兴业机械股份有限公司 | 井下移动式挖掘机 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3344196B2 (ja) | 2002-11-11 |
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