JPH09209388A - 掘削機械 - Google Patents

掘削機械

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JPH09209388A
JPH09209388A JP3574696A JP3574696A JPH09209388A JP H09209388 A JPH09209388 A JP H09209388A JP 3574696 A JP3574696 A JP 3574696A JP 3574696 A JP3574696 A JP 3574696A JP H09209388 A JPH09209388 A JP H09209388A
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JP
Japan
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boom
cross link
hydraulic cylinder
lower boom
working mechanism
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JP3574696A
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English (en)
Inventor
Norimitsu Sakuma
宣光 佐久間
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hokuetsu Industries Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Hokuetsu Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブームに沿ってクロスリンクを設けた超小旋
回機能を有する掘削機械において、オペレータが運転席
に着座して行う機械の操作に支障を来たさないようにな
し、またクロスリンクを片持ち状態にしたことにより生
じるロアブームの横曲げ応力の緩和を図る。 【構成】 フロント作業機構7を構成するロアブーム8
Lとアッパブーム8Uからなるブーム8には、超小旋回
機能を持たせるためのクロスリンク40がブーム8にお
ける運転室6の配置側とは反対側に1本設けている。そ
して、クロスリンク40を片持ち状態にしたことによる
横曲げ応力を解消し、乃至は緩和するために、ブーム用
油圧シリンダ43を、ブーム用油圧シリンダ43の位置
をロアブーム8Lの中心軸線A1 の位置から、運転室6
側にシフトさせて、この油圧シリンダ43のロアブーム
8Lの軸線A2 をΔdだけずらせている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土砂の掘削等の作
業を行う油圧ショベル等の掘削機械において、特にブー
ムを2分割し、かつクロスリンクを備えることにより超
小旋回機能を持たせた掘削機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】掘削機械、例えば油圧ショベルは、下部
走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を旋回可能に設
置し、この上部旋回体にオペレータが搭乗して操作を行
う運転席が設けられ、またブーム、アーム及びバケット
からなるフロント作業機構が装着されている。そして、
これらブーム、アーム及びバケットは油圧シリンダで駆
動されるが、これらの油圧シリンダや、走行用及び旋回
用の油圧モータ等からなる油圧アクチュエータを駆動す
るために、エンジン、油圧ポンプ、方向切換弁等を内蔵
させた機械室を配置する構成としている。
【0003】狭い場所で土木作業を行う場合等におい
て、旋回時にフロント作業機構が構築物等と衝突しない
ようにするためには、上部旋回体の旋回半径をできるだ
け小さくする必要がある。そして、旋回半径が上部旋回
体の範囲内に納まるように構成した、所謂超小旋回油圧
ショベルも開発されており、この超小旋回油圧ショベル
の代表的なものは、特開平7−243223号に開示さ
れている。そこで、以下に図4乃至図8に基づいて、こ
の公知技術による超小旋回油圧ショベルについて説明す
る。
【0004】まず、図4において、1は下部走行体、2
は上部旋回体である。下部走行体1は、左右の履帯3,
3を有する無限軌条の走行体から構成される。上部旋回
体2は、旋回装置4を介して下部走行体1上に旋回可能
に連結されている。上部旋回体2のフレーム5には、オ
ペレータが着座する運転席を設けた運転室6が設置され
ている。フロント作業機構7は、ブーム8、アーム9及
びバケット10からなり、このフロント作業機構7も上
部旋回体2側に設けられる。ここで、運転室6とフロン
ト作業機構7とは、図5に示したように、上部旋回体2
の前方において、運転室6が左側に、フロント作業機構
7が右側に並ぶように配置されている。さらに、11は
機械室であって、この機械室11内には、フロント作業
機構の駆動手段としての油圧シリンダ、及び走行機構、
旋回装置における駆動手段としての油圧モータ等の油圧
アクチュエータに圧油を供給するために、エンジン及び
油圧ポンプ、方向切換弁や作動油タンク等の機器が設置
されている。この機械室11は運転室6の後方からフロ
ント作業機構7の装着部側に回り込むように配置されて
いる。
【0005】ここで、フロント作業機構7は、上部旋回
体2に直接連結されるのではなく、この上部旋回体2の
フレーム5に連結して設けたスイングポスト12に設け
られている。スイングポスト12はフロント作業機構7
をスイング動作、即ち水平方向に回動させるためのもの
である。そこで、図6にブーム8の基端部におけるスイ
ングポスト12への連結部であるブームフート部の構成
を示す。スイングポスト12は、上部旋回体2のフレー
ム5に鉛直方向に設けたスイング軸13により水平方向
に回動可能に連結されている。ここで、スイング軸13
は、油圧配管14を挿通させるために、上下に2分割さ
れている。そして、スイングポスト12と上部旋回体2
との間には図示は省略するが、スイング作動用油圧シリ
ンダが連結して設けられており、この油圧シリンダを作
動させると、スイングポスト12は水平方向に回動す
る。
【0006】フロント作業機構7を構成するブーム8、
アーム9及びバケット10は、それぞれブーム用油圧シ
リンダ15、アーム用油圧シリンダ16及びバケット用
油圧シリンダ17によりそれぞれ駆動される。ブーム8
及びこのブーム8を駆動するブーム用油圧シリンダ15
のそれぞれの一端はピン18,19によってスイングポ
スト12に設けた取付部としてのブラケット12aに枢
着されている。また、油圧シリンダ15の他端はブーム
8にピン20で枢着されており、油圧シリンダ15を作
動させると、ブーム8が俯仰動作することになる。ま
た、アーム9はピン21によってブーム8に枢着され、
アーム用油圧シリンダ16の両端は、ブーム8とアーム
9とにそれぞれピン22,23により枢着されており、
油圧シリンダ16を作動させると、アーム9はブーム8
に対して上下方向に回動する。さらに、アーム9の先端
にバケット10がピン24により枢着されており、また
バケット用油圧シリンダ17の両端はアーム9とバケッ
ト10とにそれぞれピン25,26で枢着されている。
従って、この油圧シリンダ17を作動させると、バケッ
ト10の回動動作が行われる。
【0007】ここで、ブーム8は上下に2分割されてい
る。8Lはロアブームで、8Uはアッパブームである。
ピン18によってスイングポスト12に枢着されるの
は、ロアブーム8Lであり、アッパブーム8Uはピン2
1によりアーム9に枢着されている。さらに、ロアブー
ム8Lの先端部とアッパブーム8Uの基端部とはピン2
7で枢着され、またブーム用油圧シリンダ15を枢着す
るピン20はロアブーム8L側に設けられている。従っ
て、ブームフート部は、ピン18を介してロアブーム8
Lがスイングポスト12に連結される部位を言う。
【0008】28はロアブーム8Lとアッパブーム8U
との間の開き角度を制御するクロスリンクであって、こ
のクロスリンク28はパイプ状またはロッド状の部材か
らなり、ブーム8の左右の両側部に沿うように2本設け
られ、それぞれ一端がピン29によりスイングポスト1
2に一対立設したブラケット12a,12a間の部位に
配置されて、これらブラケット12a,12aに枢着さ
れる。また、他端はアッパブーム8Uの基端側部分、即
ちこのアッパブーム8Uのロアブーム8Lへの連結部近
傍にピン30を用いて枢着されている。そして、図7か
らも明らかなように、少なくともブーム8の最大上げ姿
勢時においては、クロスリンク28の中心軸線、即ちピ
ン29,30を結ぶ線X1 と、ロアブーム8Lにおける
ピン18とピン27とを結ぶ線X2 は交差している。
【0009】以上のように構成することによって、ブー
ム8を俯仰動作させた時に、ロアブーム8Lは、そのス
イングポスト12への枢着部であるピン18を中心とし
て上下方向に回動する。また、この動きに連動してクロ
スリンク28も上下方向に回動するが、このクロスリン
ク28の回動中心はピン29である。即ち、ロアブーム
8Lとアッパブーム8Uとを枢着するピン27の軌跡T
1 及びクロスリンク28の他端におけるピン30の軌跡
2 は共に円弧状の軌跡であるが、両円弧状軌跡T1
2 の中心は離れている。しかも、ピン18,27間の
線X1 (円弧状軌跡T1 の半径)とピン29,30間の
線X2 (円弧状軌跡T2 の半径)とは長さ寸法も違って
いる、従って、これら円弧状軌跡T1 と円弧状軌跡T2
との中心及び半径が異なっている。
【0010】図7に示したように、ピン29の方がピン
18より旋回中心に近い位置で、やや下方の位置に配置
され、また線X2 の方が線X1 より長くする。これによ
って、ブーム8の俯仰動作範囲内において、ブーム8を
最も上方に上げた最大上げ状態から最も下方に下げた最
大下げ状態に至るまでのピン27,30の軌跡T1 ,T
2 は2回交差する。そして、ブーム8の先端部、即ちア
ッパブーム8Uとアーム9との間を連結するピン21の
軌跡T3 は非円形の曲線となる。
【0011】ここで、図4において、ブーム8が実線で
示した最大上げ状態は旋回姿勢であり、また一点鎖線で
示したブーム8の最大下げ状態は深掘り姿勢、さらに二
点鎖線で示した状態が、ブーム8の最大リーチ姿勢であ
る。土砂の掘削を行う際には、通常はブーム8の最大リ
ーチ姿勢乃至その近傍で地面と接触する。そして、深掘
り姿勢でバケット10がとどく位置までの掘削が可能に
なる。この掘削時、特に最大リーチ姿勢及びその近傍で
は、フロント作業機構7は前方に大きく伸ばした状態に
なるから、ブーム8を構成するロアブーム8Lとアッパ
ブーム8Uとの間の開き角度は小さく、即ちブーム8全
体の形状における曲がりを大きくして、地面に対する角
度をできるだけ深くする方が、掘削力を大きくできる。
これに対して、旋回姿勢においては、フロント作業機構
7の全体をコンパクトに折り込むために、ロアブーム8
Lとアッパブーム8Uとの間の開き角度をできるだけ大
きくして、ブーム8全体の形状が直線に近い状態にした
方が、旋回半径を小さくできる。
【0012】ブーム8の動きに応じてロアブーム8Lと
アッパブーム8Uとの開き角度を変化させるのは、この
ためである。アッパブーム8Uとスイングポスト12の
ブラケット12aとの間にクロスリンク28を枢着し、
そのクロスリンク28のアッパブーム8Uへの枢着点の
円弧状軌跡T2 をロアブーム8Lのアッパブーム8Uへ
の枢着点の円弧状軌跡T1 と異ならせると、ブーム8の
俯仰動作時にロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの間
の開き角度が変化する。両軌跡T1 ,T2 が交差する位
置でのロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの開き角度
を基準にすると、軌跡T1 上の位置が軌跡T2 の円弧の
外側に位置する部分では、この開き角度が基準角度より
小さくなり、また軌跡T2 位置が軌跡T1 の円弧の外側
に位置する部分になると、開き角度は基準角度より大き
くなる。
【0013】そこで、図7のように、ブーム8の下げの
動作時に、最大リーチ状態の直前で両軌跡T1 ,T2
交差して、この位置から深掘り状態に至るまでの間はピ
ン27の位置を軌跡T2 より外側に位置させることによ
って、ロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの角度を小
さくする。また、最大リーチ状態から旋回姿勢に向かう
に応じてピン30の位置が軌跡T1 より外側になり、か
つ最大リーチ状態では、ピン27の位置とピン30の位
置とのとの差をできるだけ大きくなるように、軌跡T1
と軌跡T2 との中心及び半径を設定する。これによっ
て、掘削時のロアブーム8Lとアッパブーム8Uとの開
き角度(最大リーチ状態の角度α,深掘り状態の角度
β)が小さく、ブーム8全体の曲がりが大きくなり、十
分な掘削力が得られ、また旋回姿勢を取らせると、ロア
ブーム8Lとアッパブーム8Uとが角度γが大きくなっ
て、直線に近い状態になり、フロント作業機構7全体を
コンパクトに畳み込めるようになる。この結果、旋回半
径は、図4に示したSとなり、旋回半径Sは上部旋回体
2の範囲内となり、上部旋回体2の直近位置に構築物等
が存在していたとしても、この構築物等が実質的に垂直
な壁等であれば、旋回時にフロント作業機構7がそれに
衝突するおそれはない。
【0014】そして、以上のように構成される超小旋回
型の油圧ショベルにおいて、フロント作業機構7を上部
旋回体2に直接装着せず、上部旋回体2から張り出すよ
うに設けたスイングポスト12に装着されているのは、
側溝掘りを効率的に行うことができるようにするためで
ある。即ち、油圧ショベルの全体を図8に示した姿勢に
すると、バケット10は上部旋回体2における側部ぎり
ぎりの位置にまでオフセットすることになり、この状態
でフロント作業機構7を作動させて、バケット10によ
り掘削しながら、所定の方向に車両を移動させることに
よって、道路の側部等に沿うように側溝を円滑に掘るこ
とができる。
【0015】ここで、油圧ショベルは、通常は図5の状
態となっており、この状態から側溝掘りの姿勢を取らせ
るには、図5に矢印Pで示したように、スイングポスト
12を上部旋回体2に対して所定の角度回動させて、フ
ロント作業機構7をスイングさせ、さらにこの状態のま
ま上部旋回体2全体をこれとは反対のQ方向に旋回させ
るようにする。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術にお
いては、クロスリンク28はブーム8の左右両側に設け
られている。従って、クロスリンク28はブーム8の側
面から外方に突出しており、しかもこのクロスリンク2
8が設けられている位置はロアブーム8L側の低い位置
である。上部旋回体2には、フロント作業機構7と並ぶ
ように運転室6が配置されており、しかもこの運転室6
の前方には、図示は省略するが、操作レバーや操作ペダ
ル等、機械を操作する操作手段が配置されている。ま
た、フロント作業機構7をスイングポスト12に装着し
て、スイングできるように構成した場合において、図8
に示した側溝掘り姿勢を取らせると、クロスリンク28
が運転室6の直前の位置に変位することから、この運転
室6に着座して機械の操作を行うオペレータにとって大
きな圧迫感を与えることになり、特に小型の油圧ショベ
ル、例えばミニショベルのように、上部旋回体2の全体
の形状をコンパクトに形成しようとすると、ブーム8か
ら突出する状態になっているクロスリンク28が邪魔に
なり、操作手段の操作に支障を来すおそれもあり、従っ
て小型化に対する制約となってしまう。
【0017】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、ブームにクロスリン
クを装着するに当って、オペレータが運転席に着座して
行う機械の操作に支障を来さないようにすることにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、ロアブームの側面に沿うように設け
たクロスリンクをブームの側面における運転席の配置側
とは反対側の面に設ける構成としたことをその特徴とす
るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】ブームは、その重量を軽くして、
しかも必要な強度を持たせるために、ロアブームもアッ
パブームも共に断面が略四角形からなるボックス構造と
なっている。ここで、前述したミニショベル等の場合に
は、ブームに作用する荷重もあまり大きくはないから、
このブームの左右方向における幅寸法をあまり大きくす
る必要はない。従って、クロスリンクに所要の強度を持
たせておけば、ロアブームの左右のいずれかの側面に1
本だけ設けて、所謂片持ち状態にしても、その機能上で
格別の支障を来すことはない。そこで、上部旋回体にお
ける運転席が配置されている側とは反対側にクロスリン
クを1本設けるように構成した。これによって、ロアブ
ームにおける運転席の配置側に対面する側面部分には何
等の突出物もなくなるので、オペレータに対して圧迫感
を与えたり、操作手段の操作に支障を来すようなことは
なくなる。
【0020】ここで、前述した従来技術で説明したよう
に、フロント作業機構をスイング可能な構成とすると、
側溝掘り姿勢を取らせた時に、ロアブームがオペレータ
の目前の位置に変位することから、クロスリンクをロア
ブームのこの面に設けないことは極めて有利ではある
が、スイングポストを設けない場合であっても、やはり
クロスリンクが運転室側に装着されていると、オペレー
タに対する圧迫感を与える場合もある。従って、本発明
は、スイング方式のものだけでなく、フロント作業機構
を直接上部旋回体に設ける構成としたものにも適用でき
る。従って、この場合には、上部旋回体のフレームにブ
ラケットを設ける等によりブームフート部分の取付部が
構成される。
【0021】ブームの幅方向の寸法はあまり大きくはな
いにしろ、クロスリンクを片持ち状態にすると、多かれ
少なかれブームにおける荷重の偏在が生じ、クロスリン
クが配設されている側の方が、それとは反対側の部分よ
り応力が高くなって、ロアブームには横曲げ応力が作用
することになる。特に、大型の機械の場合には、ブーム
に作用する荷重も大きくなり、ブームの幅方向の寸法は
それだけ大きくする必要がある。このために、フロント
作業機構を作動させて、土砂の掘削等の作業を行う際に
は横曲げ応力が無視できない程度になる可能性もある。
【0022】ロアブームにはブーム用油圧シリンダの一
端が連結されており、このブーム用油圧シリンダを駆動
することによって、ロアブームの俯仰動作が行われる。
ブーム用油圧シリンダは2本設けられる場合と、1本の
油圧シリンダで構成される場合とがある。一般に、2本
の油圧シリンダを設ける場合には、ブームの長手方向の
中心線から左右に等距離だけ離れた位置に設けられ、1
本の油圧シリンダでブームを駆動する場合には、ブーム
の長手方向の中心線の位置に配置される。クロスリンク
をブームに対して片持ち状態に装着されているから、こ
のクロスリンクの片持ちにより生じる横曲げ応力を解消
乃至緩和させるために、ブーム用油圧シリンダを利用で
きる。即ち、油圧シリンダのロアブームへの作用位置
を、このロアブームの長手方向の中心線からクロスリン
クが設けられている側とは反対方向に変位させる。1本
の油圧シリンダを用いる場合には、この中心線から運転
席側に位置をシフトさせる。また、2本の油圧シリンダ
を用いる場合には、そのうちの1本または2本を運転室
の配置側の位置にシフトさせる。これによって、クロス
リンクを片持ち状態にさせたことによりロアブームに作
用する応力を分散させて、全体としてブームに作用する
力のバランスを取ることができる。
【0023】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。なお、以下の説明において、前述した従来技術と
同一または均等な部材については、同一の符号を付し
て、その説明を省略する。而して、図1及び図2は第1
の実施例であって、図1には、フロント作業機構におけ
るブームの部位を前方から見た状態の外観が示されてお
り、図2には掘削機械の一例としての油圧ショベルの平
面が示されている。また、図3は本発明の第2の実施例
を示す。
【0024】これらの図において、機械の全体構成につ
いては、前述した従来技術のものと格別の差異はなく、
スイング方式のフロント作業機構7を有し、このフロン
ト作業機構7におけるブーム8は、ロアブーム8Lとア
ッパブーム8Uとから構成され、ロアブーム8Lの基端
側におけるブームフートの部分は、スイングポスト12
における取付部を構成するブラケット12aにピン18
を用いて枢着されている。そして、ブラケット12aと
アッパブーム8Uとの間には、クロスリンク40がそれ
ぞれピン41,42により枢着されており、またブラケ
ット12aとロアブーム8Uとには、ブーム用油圧シリ
ンダ43が、それぞれピン44,45で枢着されてい
る。
【0025】ただし、クロスリンク40は、ブーム8の
片側に1本だけ設けられている。このクロスリンク40
は、ブーム8における右側の側部に沿うように設けら
れ、左側、即ち運転室6が配置されている側にはクロス
リンク40は設けられてはいない。ここで、クロスリン
ク40は1本だけしか設けられていないから、従来技術
のように、左右に設けられるクロスリンクと比較して、
より強度の高いものを用いる。ここで、クロスリンク4
0には、伸縮方向に大きな力が作用することから、この
方向の強度を高くする必要があり、このためにはクロス
リンク40をパイプ状に形成して、その外径寸法を大き
くすれば良い。従って、クロスリンク40をあまり重量
化させることなく、必要な強度を持たせることができ
る。しかも、クロスリンク40はブーム8における運転
室6とは反対側の面に設けられているから、その外径を
多少大きくしても、オペレータや他の部材に対して邪魔
になるようなことはない。
【0026】フロント作業機構40を作動させて、作業
を行うと、ロアブーム41Lには、その軸線方向に向け
て圧縮する方向(掘削作業時)や伸長する方向(クレー
ン作業時)に力が作用する。ロアブーム41Lの軸線方
向に圧縮させる方向の力が作用すると、クロスリンク4
2にはその反力が作用して、伸長する方向に力が加わ
る。このために、ロアブーム41Lにクロスリンク42
側に曲げようとする曲げモーメントが働いて、ロアブー
ム41Lのうち、クロスリンク42側には軸方向で圧縮
方向の、反対側には伸長方向の横曲げによる応力が発生
する。従って、軸方向の応力と横曲げによる応力がクロ
スリンク42側は方向が一致するために、合成応力が大
きくなり、反クロスリンク42側は逆に相殺されて、合
成応力は小さくなる。また、ロアブーム41Lに伸長方
向の力が加わった時には、クロスリンク42はその反力
で圧縮する方向の力が作用し、やはりロアブーム41L
には曲げモーメントが働いて、横曲げ応力が生じる。こ
の場合は、力の向きが反対であるが、やはりロアブーム
41Lのうちのクロスリンク42に近い側の方の軸応力
は大きくなる。従って、フロント作業機構40を作動さ
せると、常にロアブーム41Lには横方向への曲げ力が
作用し、しかもこの曲げ力と軸力の合成力は、クロスリ
ンク42に近い側が最大になる。
【0027】このような横曲げ応力を解消し、乃至は緩
和するために、ブーム用油圧シリンダ43を利用する。
このブーム用油圧シリンダ43が1本設けられている場
合には、通常は、ブーム8の左右の中心線に沿う方向に
装着される。しかしながら、本実施例においては、応力
のバランスを取るために、ブーム用油圧シリンダ43の
位置をロアブーム8Lの中心軸線A1 の位置から、運転
室6とは反対側にシフトさせて、この油圧シリンダ43
のロアブーム8Lの軸線A2 をΔdだけずらせる。これ
によって、ロアブーム8Lに対する油圧シリンダ43の
駆動力の作用点が中心軸線A1 を挟んで、クロスリンク
40とは反対側に位置しているから、この油圧シリンダ
43によって、クロスリンク40で片持ち状態にしたこ
とによるロアブーム8Lに作用する横曲げ応力とバラン
スする方向の力が作用することになる。これによって、
ロアブーム8Lに生じる応力、特にロアブーム8Lのク
ロスリンク40が直接対面する側板及びその近傍部分に
横曲げ応力が集中しないように応力の分散を図ってい
る。
【0028】以上のように、クロスリンク40は、ブー
ム8の片側であって、フロント作業機構7と共に上部旋
回体2における運転室6が設けられている側とは反対側
の面にのみ配置しているから、運転室6に着座してオペ
レータが機械の操作を行う際に、圧迫感がなくなって、
円滑に操作を行うことができる。特に、ブーム8の側面
が運転室6のほぼ正面に臨む状態となる側溝掘り姿勢を
取らせた時に、このブーム8の側板部から突出する部材
が存在しないことは、オペレータによる操作性が良好に
なる。また、ミニショベル等の小型の機械にあっては、
運転室6の前方に位置する操作手段の配置スペースも狭
い。従って、側溝掘りを行う際において、運転室6側に
突出する部材があると、一部の操作手段の動きに干渉す
るおそれもあるが、クロスリンクをブーム8のこの側の
側板部に設けていないことから、このような不都合を生
じるおそれもない。この結果、掘削機械のより一層の小
型化が可能になる。
【0029】次に、図3に本発明の第2の実施例を示
す。この実施例において、前述した第1の実施例と同様
の構成部材については、同一の符号を付すものとする。
而して、ブーム50を構成するロアブーム50Lの中心
軸線A1 に対して、ブーム用油圧シリンダ43の軸線A
2 を運転室6とは反対側にΔdだけシフトさせる点につ
いては、前述した第1の実施例と同様である。そして、
これに加えて、ロアブーム50Lのブームフート部、即
ちロアブーム50Lのスイングポスト12における左右
一対からなるブラケット12a,12a間に設けたピン
18への連結部分からそのほぼ全長にわたって一直線の
状態になっている。この軸線A1 に対して、アッパブー
ム50Uの中心軸線A3 を平行となし、かつ上部旋回体
2において、運転室6が配置されている側、即ちクロス
リンク40が配置されている側とは反対側に間隔ΔDだ
け変位した位置とする。これによって、アッパブーム5
0Uから先端側の中心軸線をロアブーム50Lの中心軸
線A1 からΔDだけ外方向、即ち運転室6とは反対側の
方向にずれるようにする。
【0030】ここで、アッパブーム50Uの中心軸線A
3 をロアブーム50Lの中心軸線A1 に対してΔDだけ
シフトさせるに当っては、アッパブーム50Uを構成す
るボックスの左右の側板50UL,50URの形状を変
えている。即ち、ロアブーム50L及びアッパブーム5
0Uは共にボックス構造体からなり、かつ必要な強度の
違いから、アッパブーム50Uの方がロアブーム50L
より断面形状が小さくなっており、幅方向の寸法も短縮
されている。そこで、アッパブーム50Uを構成する左
右の側板50UL,50URのうち、右側、即ち運転室
6と対面する側とは反対側で、クロスリンク40が設け
られている側の側板50URを真直ぐ延在させ、これと
は反対側、即ち左側の側板50ULはそのロアブーム5
0Lへの連結部近傍から側板50UR方向に向けて大き
く曲成することによって、アッパブーム50Uに所定の
幅寸法を持たせている。
【0031】以上のように構成すると、ロアブーム50
Lの重心位置から、クロスリンク40の配設位置までの
間隔と、ブーム用油圧シリンダ43までの間隔との差が
少なくなるか、或はほぼ等しくなるから、ロアブーム5
0Lはクロスリンク40とブーム用油圧シリンダ43と
によって、ほぼ両持ち状態乃至それに近い状態になるか
ら、ロアブーム50Lに横曲げ応力が生じるのを実質的
に防止することができるようになる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、クロス
リンクをブームの側面における運転席の配置側とは反対
側の面に設ける構成としたので、ブームにクロスリンク
を装着するに当って、オペレータが運転席に着座して行
う機械の操作に支障を来すことがなくなり、またこのよ
うにクロスリンクを片持ち状態とし、しかもブーム用油
圧シリンダを、ロアブームの中心線よりクロスリンクの
装着側と反対側に所定量だけ変位させた位置に配置する
ことによって、ブームを駆動した時に、ロアブームに横
曲げ応力が作用するのを防止乃至抑制できて、ブームの
円滑な動きが可能となり、この曲げ応力の作用の繰り返
しによるロアブームの変形の防止が図られる等といった
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるフロント作業機
構のブームの部位を前方から見た状態の外観図である。
【図2】掘削機械の一例としての油圧ショベルの平面図
である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるフロント作業機
構のブームの部位を前方から見た状態の外観図である。
【図4】従来技術のスイング方式の油圧ショベルの正面
図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】スイング機構の構成を示す構成説明図である。
【図7】クロスリンクを設けたフロント作業機構の動き
を示す作用説明図である。
【図8】従来技術における油圧ショベルを側溝掘り状態
にして示す平面図である。
【符号の説明】
1 下部走行体 2 上部旋回体 6 運転室 7 フロント作業機構 8,50 ブーム 8L,50L ロアブーム 8U,50U アッパブーム 9 アーム 10 バケット 12 スイングポスト 12a ブラケット 40 クロスリンク 41,42,44,45 ピン 43 ブーム用油圧シリンダ 50UL,50UR 側板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部走行体上に、運転席と、ブーム、ア
    ーム及びバケットからなるフロント作業機構とを設けた
    上部旋回体を旋回可能に設置し、このフロント作業機構
    のブームを、取付部に枢着したロアブームと、このロア
    ブームに枢着したアッパブームとで構成し、ブームを駆
    動するブーム用油圧シリンダをロアブームに接続し、前
    記取付部とアッパブームとの間にクロスリンクを枢着し
    たものにおいて、前記クロスリンクを前記ブームの側面
    における運転席の配置側とは反対側の面に設ける構成と
    したことを特徴とする掘削機械。
  2. 【請求項2】 前記上部旋回体には、水平方向に回動可
    能なスイングポストを設け、このスイングポストに、前
    記ロアブーム、前記ブーム用油圧シリンダ及びクロスリ
    ンクの一端を枢着する取付部を設ける構成としたことを
    特徴とする請求項1記載の掘削機械。
  3. 【請求項3】 前記ブーム用油圧シリンダを、前記ロア
    ブームの中心線より前記クロスリンクの装着側と反対側
    に所定量だけ変位させた位置に配置する構成としたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の掘削機械。
  4. 【請求項4】 前記アッパブームの中心軸線を、前記ロ
    アブームの中心軸線に対して、前記クロスリンクの装着
    側に所定量だけ変位させた位置に配置する構成としたこ
    とを特徴とする請求項3記載の掘削機械。
JP3574696A 1996-01-31 1996-01-31 掘削機械 Pending JPH09209388A (ja)

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US08/930,242 US6019569A (en) 1996-01-31 1996-12-19 Excavation machine
CN96192882A CN1078286C (zh) 1996-01-31 1996-12-19 挖掘机
EP96942581A EP0818582A4 (en) 1996-01-31 1996-12-19 HYDRAULIC EXCAVATOR
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