JP2682550B2 - アーム部材の回動装置 - Google Patents

アーム部材の回動装置

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JP2682550B2
JP2682550B2 JP1805490A JP1805490A JP2682550B2 JP 2682550 B2 JP2682550 B2 JP 2682550B2 JP 1805490 A JP1805490 A JP 1805490A JP 1805490 A JP1805490 A JP 1805490A JP 2682550 B2 JP2682550 B2 JP 2682550B2
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勝介 粟野
寛 野坂
文彦 石瀬
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はパワーショベルやクレーン等に設備されるフ
ロント構造物のような多関節機構の駆動装置に関し、特
に、該関節機構の腕を構成するブーム、アーム、バケッ
ト等のような部材(本願明細書中においては、アーム部
材で代表する)を回動駆動する装置に関する。
従来の技術 第8図に従来の油圧パワーショベルの外観を示す。下
部走行体1上に上部旋回体2が旋回自在に搭載されてお
り、上部旋回体2にフロント部3が取り付けられてい
る。フロント部3はブーム4、アーム5、バケット6を
回動自在に連結して構成されており、ブーム4、アーム
5、バケット6の作動は、それぞれについて1本又はパ
ワー増強のために並列に設けられた2本(同一の作用を
なす)の油圧シリンダ7,8,9により達成される。
この油圧パワーショベルは、矢印で示す5つの動作が
可能である。すなわち、下部走行体1の前進・後進、上
部旋回体2の右旋回・左旋回、ブーム用油圧シリンダ7
によるブーム4の上げ・下げ、アーム用油圧シリンダ8
によるアーム5の上げ・下げ、バケット用油圧シリンダ
9によるバケット6の排土・すくいの動作が可能であ
る。10はアーム5をブーム4に回動自在に支持する回動
支点である。また、下部走行体1及び上部旋回体2は図
示しない油圧モータで駆動される。
また、本願発明者等により、上記ブーム4、アーム
5、及びバケット6の回動を、直線的に運動する油圧シ
リンダでなく、油圧による回転モータにより回動するよ
うにした構造が提案されている(特願平1−49798
号)。
発明が解決しようする課題 しかし、第1図に示したような構造においては、ブー
ム、アーム、バケットの作動は、1本又は同一の作用を
なす2本の油圧シリンダの直線的な伸縮運動を回転運動
に変換することによりなされ、その変換範囲は構造的に
最大でも180°を越えることができず、その運動範囲が
狭く、狭あい地での作業に支障があるという問題があっ
た。
また、本願発明者等による油圧モータを採用した構造
によれば、運動範囲の制約は少なくなるものの、油圧モ
ータは油圧シリンダと比較してトルクが小さく、また、
油漏れ等が多いためにブーム、アーム、バケット等の帯
留性が悪くなるおそれがあるという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、直線運動型シリンダ手段を用
いた駆動であって、360°以上の回動が可能なアーム部
材の回動装置を提供することである。
課題を解決するための手段 第1図及び第2図は本発明の原理構成を示す図であ
り、第1図は側面図、第2図は正面図である。
本装置は、その一端部近傍が回動自在に軸11により支
持されたアーム部材12を、任意の位置で停止可能な2本
の直線運動型シリンダ手段、即ち、第1シリンダ手段1
3、及び第2シリンダ手段14の伸縮により回動するもの
であり、第1及び第2シリンダ手段13,14はアーム部材1
2を挟んで配置するとともに、第1及び第2シリンダ手
段13,14の一端は、それぞれ支持手段15に回動自在に軸1
6により同軸上に支持してある。そして、第1及び第2
シリンダ手段13,14の他端は、アーム部材12にその回転
中心軸11と異なる位置で、且つ、互いに離間した位置
に、それぞれ回動自在に軸17,18により取り付け、第1
及び第2シリンダ手段13,14の伸縮の組み合わせにより
アーム部材12を任意の位置で停止可能に回動するように
構成してある。
尚、同図はアーム部材12の長手方向が第1及び第2シ
リンダ手段13,14の支持部材15に対する回動中心とアー
ム部材12の回動中心を結ぶ線(以下、中心線X−X)と
一致した状態を示しており、この状態において、軸17,1
8は中心線X−Xに対して対称な位置となるように配置
している。
作用 第3図(a)〜(f)は本発明によるアームの回動装
置の動作の説明図であり、アーム部材12が回転するとき
の代表的な位置が示されている。また、表1に第3図
(a)〜(f)に対応して、アーム部材12を反時計回り
に一様に回転させるときの第1及び第2シリンダ手段1
3,14の制御例が示されている。尚、表1において、
「」はシリンダ手段を縮ませることを意味し、「」
はシリンダ手段を伸ばすことを意味し、「−」はシリン
ダ手段が無抵抗状態、即ち、外力により抵抗無く自由に
動作できる状態(フリー状態)を意味している。
便宜的に、第2シリンダ手段14が最も縮んだ状態(第
3図(a)の位置)から反時計方向に回転するものとす
る。この状態から第1シリンダ手段13を縮ませ、第2シ
リンダ手段14をフレー状態とすることにより回転を開始
する。アーム部材12の先端部が真下を向いた状態となっ
たならば((b)図)、第1シリンダ手段13をフリー状
態、第2シリンダ手段14を第1シリンダ手段13が最も縮
んだ状態((c)図)となるまで伸ばす。次いで、第1
及び第2シリンダ手段13,14の両方を伸ばし、第2シリ
ンダ手段14が最も伸びた状態((d)図)になったなら
ば、第1シリンダ手段13はそのまま伸ばし、第2シリン
ダ手段14をフリー状態にする。アーム部材12の先端部が
真上を向いた状態((e)図)となったならば、第1シ
リンダ手段13をフリー状態とし、第2シリンダ手段14を
第1シリンダ手段13が最も伸びた状態((f)図)とな
るまで伸ばす。さらに、この状態から第1及び第2シリ
ンダ手段13,14の両方を第2シリンダ手段14が最も縮ん
だ状態となるまで縮ませることにより、(a)図の状態
に戻る。
また、アーム部材12を時計回りに回転させるときは、
時計回りのトルクが発生するように、表1の制御を反対
にすればよく、反時計回りの場合の制御を参照すること
により容易に理解できるのでその説明は省略する。
上述したように、本発明によるアーム部材の回動装置
を用いることにより、360°以上の回動が自在に行え、
表1に示したように第1及び第2シリンダ手段13,14を
制御することにより、スムーズな回動をなすことができ
る。即ち、シリンダ手段13,14が伸びから縮みへ、ある
いは、縮みから伸びへとその運動方向が変化する途中
に、フリー状態を設けてあり、これにより、シリンダ手
段の運動方向が逆向きになるときの衝撃が緩和されるの
である。
実施例 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
第4図は本発明を油圧パワーショベルに適用した場合
の概略構成を示す正面図、第5図はその側面図である。
下部走行体21上には上部旋回体22が旋回自在に搭載され
ており、上部旋回体22にはフロント部23が取り付けられ
ている。フロント部23は、上部旋回体22を構成するフレ
ームにピン24により回動自在に支持された門型形状のロ
アブーム25、ロアブーム25にピン26により回動自在に連
結されたアッパブーム27、アッパブーム27にピン28によ
り回動自在に連結されたアーム29、及びアーム29にピン
30により回動自在に連結されたバケット31から構成され
る。
32,32はロアブーム25を回動駆動する左右で一対のロ
アブームシリンダであり、ロアブームシリンダ32,32の
一端部は上部旋回体22のフレームにピン33,33により回
動自在に支持され、他端側の作動軸先端はロアブーム25
にピン34,34により回動自在に取り付けられている。
アッパブーム27の回動には本発明が適用されている。
即ち、第1アッパブームシリンダ35、第2アッパブーム
シリンダ36は、それぞれアッパブーム27を挟んで配置さ
れ、第1アッパブームシリンダ35、第2アッパブームシ
リンダ36の一端部は、それぞれロアブーム25の内側にピ
ン37により回動自在に支持され、第1アッパブームシリ
ンダ35、第2アッパブームシリンダ36の他端側の作動軸
先端がアッパブーム27のピン26による回動中心位置と異
なり、且つ、互いに異なる位置に、それぞれピン38,39
により回動自在に取り付けられている。尚、第1アッパ
ブームシリンダ35、第2アッパブームシリンダ36は同一
仕様のシリンダを用い、ピン38,39はアッパブーム27の
回動面内で、ピン26とピン28を結んだ線に対して対称と
なるような位置に設けられ、また、ピン37はピン24とピ
ン26を結ぶ線上に位置するように設けられている。
39はアーム29を回動駆動するアームシリンダであり、
アームシリンダ39の一端部はロアブーム27に回動自在に
支持され、他端側の作動軸先端はアーム29に回動自在に
取り付けられている。40はバケット31を回動駆動するバ
ケットシリンダであり、バケットシリンダ40の一端部は
アーム29に回動自在に支持され、他端側の作動軸先端は
リンク41を介してバケット31に取り付けられている。
また、上部旋回体22には図示は省略しているが、エン
ジン、油圧ポンプ、油圧制御手段等が設けられており、
これら駆動・制御手段から配管、バルブ等を介して各シ
リンダ32,35,36,39,40に作動油が供給され、ロアブーム
25、アッパブーム27、アーム29、及びバケット31が任意
の位置で停止可能に回動駆動されるようになっている。
次に、以上のように構成されたパワーショベルの作動
について第6図及び第7図を参照して説明する。下部走
行体21と上部旋回体22の作動は、第8図に示したような
従来の油圧ショベルと同様なのでその説明を省略する。
第6図は、図の左側Aの状態で掘削、Bの状態で運搬、
Cの状態で排土する様子を示している。43は土砂を積み
込むためのダンプトラックである。第6図から明らかな
ように、第8図で示した従来のパワーショベルで必要で
あった上部旋回体の旋回動作が不要であることが理解さ
れよう。
即ち、フロント部23を図示A位置からB位置に移動す
るときは、ロアブームシリンダ32は伸び動作、第1及び
第2アッパブームシリンダ35,36は縮み動作、アームシ
リンダ39は伸び動作、バケット31は中の土砂がこぼれな
いように水平に保つように動作するよう制御する。この
ようにして、バケット31が門型のロアブーム25の内側
で、且つ、上部旋回体22の上部を通過しB位置に達す
る。
B位置からC位置に移動するときには、ロアブーム25
は垂直位置で停止した状態で、アームシリンダ39を縮み
動作せしめながら、第1及び第2アッパブームシリンダ
35,36を第7図及び表2に示されるように動作せしめる
ことにより実現される。
即ち、第7図を参照すると、(a)〜(d)はこの順
に回転が行われることを示しており、このときの第1ア
ッパブームシリンダ35及び第2アッパブームシリンダ36
の制御が表2に示されている。尚、表2において、
「」はシリンダ手段を縮ませることを意味し、「」
はシリンダ手段を伸ばすことを意味し、「−」はシリン
ダ手段が無抵抗状態、即ち、外力により抵抗無く自由に
動作できる状態(フリー状態)を意味している。
第1アッパブームシリンダ35及び第2アッパブームシ
リンダ36の両方を縮ませることにより、(a)図の状
態、即ち、第6図のB位置の状態を得ている。この状態
から第1アッパブームシリンダ35をさらに縮ませるとと
もに、第2アッパブームシリンダ36はフリー状態にし、
(b)図の状態を得る。次いで、第1アッパブームシリ
ンダ35はフリー状態にするとともに、第2アッパブーム
シリンダ36を伸ばし、(c)図の状態を得る。さらに、
第1アッパブームシリンダ35及び第2アッパブームシリ
ンダ36の両方を伸ばして、(d)図の状態、即ち、第6
図のC位置の状態を得ることができ、この状態でバケッ
トシリンダ40を縮ませることにより、バケット31内の土
砂をダンプトラック43に排土することができる。
このように、本実施例によれば、アッパブーム27の回
動範囲は360°以上となっており、ショベル前方で掘削
した土砂を、上部旋回体22を旋回することなく、後方の
ダンプトラック43に排土することが可能であり、直線運
動型シリンダ手段を用いた従来構造のパワーショベルで
は作業が不可能であった狭あい地での作業が可能とな
る。また、フロント部23を構成するロアブーム25、アッ
パブーム27、アーム29、及びバケット31は、直線運動型
のシリンダ手段により動作するように構成してあり、従
来の油圧モータを用いた構成と比較して、トルクが大き
く油漏れ等も少ないから、ロアブーム25、アッパブーム
27、アーム29、及びバケット31の帯留性が向上する。さ
らに、第1アッパブームシリンダ35及び第2アッパブー
ムシリンダ36の動作が反転するときに、フリー状態(シ
リンダが無抵抗の状態)を経るようにしているから、シ
リンダ反転時の衝撃がアッパブーム27に伝わることなく
スムーズな回動を実現できる。
尚、上記実施例は本発明をアッパブーム27に適用した
ものであるが、アーム29、バケット31等にも適用しうる
ことはいうまでもない。
発明の効果 本発明は以上詳述したように構成したから、直線運動
型シリンダ手段を用いた駆動であって、360°以上の回
動をスムーズに行うことができるアーム部材の回動装置
を提供することができるという効果を奏する。
特に、本発明をパワーショベル等の作業機械に適用す
ることにより、従来行うことができなかった狭あい地で
の作業を可能とし、作業性能を大幅に向上することがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理構成を示す側面図、 第2図は同じく正面図、 第3図は同じく動作の説明図、 第4図は本発明実施例に係るパワーショベルの正面図、 第5図は同じく側面図、 第6図は本発明実施例に係るパワーショベルの掘削、移
動、排土の一連の作業を示す図、 第7図は第6図の要部の動作説明図、 第8図は従来の代表的な油圧パワーショベルの側面図で
ある。 11,16,17,18…回動軸、12…アーム部材、13…第1シリ
ンダ手段、14…第2シリンダ手段、15…支持部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鮫島 誠 東京都千代田区丸の内2丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−218804(JP,A) 特開 昭61−130198(JP,A) 実開 平2−124985(JP,U) 実開 昭63−52883(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その一端部近傍が回動自在に支持されたア
    ーム部材を、直線運動型シリンダ手段の伸縮により回動
    するアーム部材の回動装置において、 第1及び第2シリンダ手段の一端を、それぞれ支持手段
    に回動自在に支持し、 前記第1シリンダ手段の他端を、前記アーム部材の回動
    中心と異なる位置に回動自在に取り付け、 前記第2シリンダ手段の他端を、前記アーム部材の回動
    中心と異なり、且つ、前記第1シリンダ手段のアーム部
    材側回動中心と異なる位置に回動自在に取り付け、 前記第1及び第2シリンダ手段の伸縮の組み合わせによ
    り前記アーム部材を任意の位置で停止可能に回動するよ
    うにしたことを特徴とするアーム部材の回動装置。
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