JPS6016188Y2 - 自走台車に搭載する破砕機用の油圧回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、破砕機を自走台車に搭載する際に配管作業
が容易である破砕機用の油圧回路に関する。

１対の回転アームを複動シリンダで駆動する型式の破砕
機は、パワーシャベルのような自走台車に搭載してビル
ディングの解体や鉄筋切断などに汎用されている。

この種の破砕機は、パワーショベルやバックホーのアタ
ッチメントとしてパケットの代りに取付け、該破砕機の
油圧源はこれらの自走台車の油圧系統を利用している。

しかしながら、従来の破砕機では、両回転アームをそれ
ぞれ軸着する支持プレートを自動的に回転する型式のも
のが少ないので、破砕機による解体作業が中断すること
が多かった。

また、支持プレートを自動的に回転できる破砕機であっ
ても、このために別個の油圧源を必要としたり、または
自走台車内での配管が複雑であるなどの問題が存在して
いる。

さらに、破砕機が被破砕物を挟着した状態で該破砕機を
回転して、自走台車のアームやブームを損傷することが
多発している。

この考案は、前記の問題を改善するために種々の検討の
結果提案されたものである。

したがって、この考案の目的は、回転機構の導管を回転
操作弁と経て回転アーム駆動シリンダのロッド側液室と
接続することにより、自走台車に搭載する際に配管が簡
単でありしかも旅回時に自走台車のアームやブームを損
傷することが少ない破砕機用の油圧回路を提供すること
である。

次にこの考案を図面に基いて説明すると、第１図は破砕
機の一例を示し、この破砕機２は１対の回転アーム４，
６を有する。

回転アーム４，６は、並立した矩形状平面の支持プレー
ト８にそれぞれ軸着するとともに、両回転アームの後端
部間に複動シリンダ１０を枢着する。

したがって、複動シリンダ１０が回転アーム駆動シリン
ダである。

また、破砕機２の上方でブラケット部１２には、支持プ
レート８の回転機構として油圧モータ１４を取付ける。

油圧モータ１４の軸に固着したスプロケットは、軸ポル
ト１６に固着したスプロケットとチェーン１８を介して
連結している。

軸ボルト１６は、支持プレート８に固着した円盤２０に
固定しているため、油圧モータ１４の回転によって支持
プレート８を旅回可能である。

この破砕機２は、第２図に例示するようにパワーショベ
ル２２にアタッチメントとして取付けるけれども、該破
砕機を取付ける自走台車はバックホー。

クローラクレーン、トラクタショベルなどでもよい。

この場合において、複動シリンダ１０および油圧モータ
１４の駆動はパワーショベル２２の油圧系統を利用し、
その油圧回路の各実施例を第３図から第５図において概
略的に図示する。

第３図において、４ポ一ト３位置切換弁２４はパワーシ
ョベル２２に設置しである操作バルブの１つである。

一般に、パワーショベル２２のヨウな自走台車には、各
種のアクチュエータ用の手動操作バルブを複数個配列し
、該操作バルブは通常センターバイパス形式の４ポ一ト
３位置切換弁である。

このため、これらの操作バルブをパワーショベル２２内
のポンプ２６からタンク２８まで直列に接続しておくと
、他の操作バルブが中立位置にある限りどの操作バルブ
でも自由に動作させることができる。

そして通常のパワーショベルでは、該ショベルの走行お
よびブームやアームの伸縮に用いる操作バルブのほかに
予備のバルブを有しており、該予備バルブが第３図にお
ける切換弁２４である。

第３図では、パワーショベル２２の油圧系統においてこ
の考案に直接関係ある部品のみを示し他の公知部品は図
示していない。

破砕機２の複動シリンダ１０において、ヘッド側液室３
０およびロッド側液室３２は切換弁２４の両ポートとそ
れぞれ接続する。

また、ロッド側液室３２は、回転操作弁であるシャット
オフ弁３４および油圧モータ１４を経てタンク２８まで
連絡している。

したがって、この場合は油圧モータ１４は一方向回転で
ある。

第２図に示すよう（ご、破砕機２はパワーショベル２２
によって所定の作業現場まで移動させ、コンクリート壁
のような被破砕機３６を周回転アーム４，６間に位置さ
せる。

次に切換弁２４を操作して、複動シリンダ１０のヘッド
側液室３０をポンプ２６と連通させ、かつロッド側液室
３２をタンク２８と連通させる。

この結果、複動シリンダ１０のピストンロッド３Ｂが伸
長して両回転アーム４，６が回動し、これによって被破
砕機３６を破砕または切断する。

この破砕や切断が完了すると切換弁２４を再び操作して
、ヘッド側液室３゜をタンク２８と連通させ、かつロッ
ド側液室３２をポンプ２６と連通させる。

この結果、シリンダ１０のロッド３８が収縮して両回転
アーム４，６は開口し、この際にはロッド側液室３２内
の圧力はたとえば４０Ｋｇｆ／−程度である。

ロッド３８の収縮が完了してピストン４０がシリンダ１
０の左端面４２が接触すると、ロッド側液室３２内の圧
力はリリーフバルブ（図示しない）の設定圧力まで上昇
する。

この状態において、シャットオフ弁３４を操作して油圧
モータ１４に作動油を供給すると、該油圧モータが回転
して支持プレート８すなわち破砕機２を施回することが
できる。

また、油圧モータ１４の作用圧力を４０Ｋｇｆ／ｃ７１
！程度に設定すれば、両回転アーム４，６の開口と同時
に破砕機２を施回することも可能である。

以上のように、破砕機２が被破砕物３６を挟着している
状態では油圧モータ１４を回転できず、該油圧モータは
両回転アーム４，６を開口すなわちピストンロッド３８
を収縮したときのみ回転可能であるため、パワーショベ
ル２２のアームやブームに過大大な負荷が作用する恐れ
がない。

第４図は、破砕機２の回転機構が往復回転の油圧モータ
４４または揺動シリンダ４６である油圧回路を示し、図
面ではプラグ４８．５０の個所において揺動シリンダ４
６に代えて油圧モータ４４を取付は可能であることを示
唆している。

この実施例では回転操作弁として４ポ一ト３位置切換弁
５２を用い、該切換弁のＰポートシリンダ１０のロッド
側液室３２と接続し、かつＴボートはタンク２８と接続
する。

そして切換弁５２の残りの２ポートは揺動シリンダ４６
のヘッド側およびロッド側液室とそれぞれ接続する。

この場合に、揺動シリンダ４６はラック−ピニオン式や
ねじ式またはベーン式のものでもよく、いずれにしても
該シリンダによる旅回角度は一定範囲に限定される。

このため、旅回角度が限定されない油圧モータ４４の方
が、破砕機２の使用に際して有利な場合がある。

第５図は、パワーショベル２２に予備の操作バルブがな
い場合または該バルブを既に他のアクチュエータ用に使
用してしまっている場合における回路例を示している。

この場合には、４ポ一ト３位置切換弁５４は既存のアク
チュエータ用の操作バルブであり、該アクチュエータは
たとえばブーム用シリンダまたは走行モータであって、
該切換弁の選定はパワーショベル２２の回路構成を考慮
して行なう。

シリンダ１０は、６ポ一ト２位置切換弁５８を経て切換
弁５４と接続腰該切換弁５８の代りに連動する２個のシ
ャットオフ弁を使用してもよい。

切換弁５８は通常図示のような左方位置にあり、この際
にはアクチュエータ５６を作動することができるけれど
も、シリンダ１０を作動することはできない。

そして破砕機２の両回転アーム４，６を開閉したりまた
は該破砕機を旅回するときには、切換弁５８を右方位置
へ操作すればよく、この際にはアクチュエータ５６は停
止している。

第６図は油圧回路の別の変形例を示し、この回路は第４
図のそれとほぼ同一である。

回転操作弁である４ポ一ト３位置切換弁６０において、
Ｐポートはシリンダ１０のロッド側液室３２と接続腰か
つＴポートは逆止弁６２を経て管路６４と接続する。

管路６４は、シリンダ１０のヘッド側液室３０と切換弁
２４のポートとを連通しているから、切換弁６０のＴポ
ートは逆止弁６２および切換弁２４を経て間接的にタン
ク２８と接続することになる。

逆止弁６２によって、切換弁２４をどのオフセット位置
に切換えても、切換弁６０のＴポートに作動油が流入す
ることはない。

切換弁６０は公知の電磁弁であるので、揺動シリンダ６
８の回転速度を落とすためおよび磁力でスプール操作が
可能なように、絞り６６で切換え流量を制限すると好ま
しい。

また、破砕機２の回転機構としては、揺動シリンダの一
種である公知のベーン式揺動シリンダ６８を用いると好
ましい。

揺動シリンダ６８に接続する管路には、公知のように２
個のシーケンス弁７０．７２を組込んで、両シーケンス
弁の設定圧を調整することによって回転角度が一般に２
８０°以下である揺動シリンダ６８の回転完了後または
外的な回転力が作用した時に、管路圧が上昇することを
防止する。

この実施例の場合には、破砕機２の上方に揺動シリンダ
６８の密閉チューブ（図示しない）を設置して、軸ボル
ト１６の上端部にベーン（図示しない）を一体に取付け
ると好ましい。

電磁切換弁６０は破砕機２に固着して、パワーショベル
２２の運転室内に該切換弁用の電気スイッチ（図示しな
い）を取付けると、運転室から破砕機２の回転を遠隔操
作することも可能である。

この考案に係る油圧回路によって、破砕機の旅回は自動
的に行なうことができるために、破砕作業時に両回転ア
ームの向きを変えることが容易になって作業能率が向上
する。

また、破砕機の旅回用には回転機構と回転操作弁だけが
別個に必要であるから、それに要する部品数が少なくか
つその配管も簡単であって配管作業も容易である。

さらに、この考案の油圧回路では、破砕機の両回転アー
ムが開口している状態でのみ該破砕機げ旅回できるから
、破砕作業中に自走台車のアームやブームを損傷するこ
とが少なく、破砕作業の安全の面でも好ましい。

これに対し、仮に破砕機が被破砕物を挟着した状態のま
まで該破砕機を旅回すると、自走台車のアームには数十
トンに達する過大な負荷が作用して該アーｌ、は簡単に
屈曲して使用不可能になってしまう。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案で用いる破砕機の一例を示す概略縦断
面図、第２図は破砕機をパワーショベルに搭載した状態
を示す側面図、第３図はこの考案に係る油圧回路を概略
的に示す回路図、第４図から第６図はそれぞれこの考案
の変形例を示す回路図である。 ２・・・・・・破砕機、４，６・・・・・・回転アーム
、８・・・・・・支持プレート、１０・・・・・・複動
シリンダ、１４・・・・・・油圧モータ、２２・・・・
・・パワーショベル、２４・・・・・・切換弁、２６・
・・・・・ポンプ、２８・・・・・・タンク、３２・・
・・・・ロッド側液室、３４・・・・・・シャットオフ
弁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １１対の回転アームと支持プレートの回転機構とを有す
   る破砕機を適宜の自走台車に搭載した際に設定する油圧
   回路において、自走台車に設置しである４ポ一ト３位置
   切換弁の両ポートを回転アーム駆動シリンダのヘッド側
   液室およびロッド側液室とそれぞれ接続し、該ロッド側
   液室はさらに回転操作弁および回転機構を経て自走台車
   のタンクまで連絡していることを特徴とする油圧回路。 ２ 自走台車に予備の４ポ一ト３位置切換弁がない場合
   には、回転アーム駆動シリンダは６ポ一ト２位置切換弁
   または連動シャットオフ弁を経て他のアクチュエータ用
   の４ポ一ト３位置切換弁に接続することを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の油圧回路。 ３ 回転機構が一方向回転の油圧モータの場合には、回
   転操作弁としてシャットオフ弁を用いることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項に記載の油圧回路。 ４ 回転機構が往復回転の油圧モータまたは揺動シリン
   ダの場合には、回転操作弁として４ポ一ト３位置切換弁
   を用いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載の油圧回路。