JPH09208918A - アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物

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JPH09208918A
JPH09208918A JP8013895A JP1389596A JPH09208918A JP H09208918 A JPH09208918 A JP H09208918A JP 8013895 A JP8013895 A JP 8013895A JP 1389596 A JP1389596 A JP 1389596A JP H09208918 A JPH09208918 A JP H09208918A
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益宏 庄司
Hiroki Katono
浩樹 上遠野
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武男 荻原
Teruo Sakagami
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近赤外領域の光線を高い効率で遮断若しくは
減衰させる性能を有するアクリル系樹脂組成物を提供す
ること。 【解決手段】 粘着性アクリル系樹脂と、下記の(a)
および(b)から選ばれる少なくとも1種の赤外線吸収
剤とが含有されている。また、赤外線吸収剤として2価
の銅イオンからなる金属イオンが含有されるときには、
リン酸エステル若しくはホスホン酸エステルよりなるリ
ン酸基含有化合物が含有されていることが好ましい。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズからなる
粒子状金属酸化物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系樹脂組
成物およびアクリル系粘着剤に関し、さらに詳しくは、
優れた近赤外線吸収性を有するアクリル系樹脂組成物お
よびアクリル系粘着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、植物栽培雰囲気を覆って温室施設
を構築するための農業用被覆材としては、軟質塩化ビニ
ル樹脂、ポエリチレン樹脂、フッ素系樹脂等の材料より
なる軟質系のもの、または、ガラス、硬質塩化ビニル等
の材料よりなる硬質系被覆材、或いはこれらの材料より
なるフィルム若しくはシートが積層されてなる多層型の
ものが用いられている。しかしながら、これらの被覆材
は、特定波長域における光線を選択的に吸収或いは透過
する性能について特に考慮されたものではないため、こ
れらの被覆材を利用した温室施設においては、夏季期間
中に、当該施設内の温度が相当に上昇する。このような
理由から、夏季期間中においては、農作物、特に高温を
嫌う農作物を栽培するにあたって、温室施設を利用する
ことができないという問題が指摘されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に基づいてなされたものであって、粘着性アクリル
系樹脂に、特定の赤外線吸収材を含有させることによ
り、近赤外領域域の光線を高い効率で選択的に吸収する
光学特性を有する樹脂組成物が得られること、この樹脂
組成物を例えば粘着剤として用いることにより、実用性
の高い熱線吸収性を有する複合材が得られることを見い
だし、この知見に基づいて達成されたものである。
【0004】本発明の目的は、近赤外領域の光線を高い
効率で遮断若しくは減衰させる性能を有するアクリル系
樹脂組成物およびアクリル系粘着剤を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、近赤外領域の光線を高い効率
で遮断若しくは減衰させる性能を有すると共に、波長5
00〜600m付近の光線を吸収する性能を有するアク
リル系樹脂組成物およびアクリル系粘着剤を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリル系樹脂
組成物は、粘着性アクリル系樹脂と、下記の(a)およ
び(b)から選ばれる少なくとも1種の赤外線吸収剤と
が含有されていることを特徴とする。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズからなる
粒子状金属酸化物
【0006】本発明のアクリル系樹脂組成物において
は、赤外線吸収剤として2価の銅イオンからなる金属イ
オンが含有される場合には、リン酸エステル若しくはホ
スホン酸エステルよりなるリン酸基含有化合物が含有さ
れていることが好ましい。また、リン酸基含有化合物
が、下記式(1)で表されるリン酸エステルまたは下記
式(2)で表されるホスホン酸エステルであることが好
ましい。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】本発明のアクリル系樹脂組成物において
は、赤外線吸収剤として2価の銅イオンよりなる金属イ
オンが含有される場合には、当該金属イオンの割合が、
粘着性アクリル系樹脂100質量部に対して0.01〜
15質量部であることが好ましい。
【0010】また、赤外線吸収剤として酸化インジウム
および/または酸化スズからなる粒子状金属酸化物が含
有される場合には、当該粒子状金属酸化物の割合が、粘
着性アクリル系樹脂100質量部に対して0.01〜5
0質量部であることが好ましい。
【0011】本発明のアクリル系樹脂組成物において
は、粘着性アクリル系樹脂100質量部に対して、波長
500〜600nmの可視光線を吸収する特定可視光線
吸収剤0.01〜10質量部を更に含有させることがで
きる。また、特定可視光線吸収剤が、2価のコバルトイ
オンよりなる金属イオンであることが好ましい。
【0012】本発明のアクリル系粘着剤は、上記のアク
リル系樹脂組成物よりなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアクリル系樹脂組
成物について詳細に説明する。本発明のアクリル系樹脂
組成物は、粘着性アクリル系樹脂に特定の赤外線吸収剤
が含有されてなるものである。ここに、「粘着性」と
は、僅かな力で物体同士を瞬時に接着する性質、即ち、
感圧接着性を意味する。
【0014】〔粘着性アクリル系樹脂〕本発明に用いら
れる粘着性アクリル系樹脂は、少なくとも粘着成分を構
成するアクリル系単量体を含有してなる単量体組成物を
重合処理することにより得られる。
【0015】粘着成分として用いられるアクリル系単量
体(以下、「粘着成分用単量体」ともいう。)として
は、アルキル基の炭素数が4〜12であって、ホモポリ
マーのガラス転移点が−70℃〜−30℃であるアクリ
ル酸アルキルエステルを好適に用いることができ、その
具体例としては、n−ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシル
アクリレート等が挙げられる。
【0016】粘着性アクリル系樹脂を得るための単量体
組成物には、上記の粘着成分用単量体の他に、凝集成分
を構成する単量体および改質成分を構成する単量体を含
有させることが好ましい。
【0017】凝集成分として用いられる単量体(以下、
「凝集成分用単量体」ともいう。)としては、粘着成分
用単量体と共重合可能なものであって、得られる共重合
体全体のガラス転移点を高める作用を有するものが用い
られ、その具体例としては、炭素数が1〜3の低級アル
キル基を有するアクリル酸アルキルエステル、メタクリ
ル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、
アクリロニトリル、スチレン等が挙げられる。
【0018】改質成分として用いられる単量体(以下、
「改質成分用単量体」ともいう。)としては、粘着成分
用単量体と共重合可能であって官能基を有するものが用
いられ、その具体例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル等のカルボキ
シル基含有化合物、2−ヒドロシキエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含
有化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−t
ert−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリル
アミド等の酸アミド化合物、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体
などが挙げられる。
【0019】単量体組成物における各単量体の使用割合
は、用いられる単量体の種類、得られるアクリル系樹脂
組成物の使用目的などによって異なるが、通常、粘着成
分用単量体が30〜95質量%、凝集成分用単量体が5
〜50質量%、改質成分用単量体が0.1〜10質量%
である。
【0020】単量体組成物を重合処理する方法として
は、溶液重合法および乳化重合法を用いることができ
る。重合処理に用いられる触媒としては、例えばベンゾ
イルパーオキサイド、アゾビスイソブチルニトリル、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過酸化物が挙げ
られる。溶液重合法により単量体組成物の重合処理を行
う場合には、重合溶媒として、種々の有機溶剤を用いる
ことができ、例えば、酢酸エチル等のエステル類、芳香
族炭化水素類、ケトン類などが挙げられる。乳化重合法
により単量体組成物の重合処理を行う場合には、乳化剤
として、従来乳化重合に使用されている種々のものを用
いることができる。
【0021】このように、単量体組成物を重合処理する
ことにより、粘着性アクリル系樹脂をポリマー溶液また
はラテックスの状態で得ることができるが、本発明のア
クリル系樹脂組成物を粘着剤として用いる場合には、ポ
リマー溶液またはラテックスの状態のままでその用途に
供することもできる。
【0022】また、本発明に用いられる接着性アクリル
系樹脂としては、その平均分子量が20万〜200万の
ものが好ましい。
【0023】〔赤外線吸収剤〕本発明のアクリル系樹脂
組成物には、下記の(a)および(b)から選ばれる少
なくとも1種の赤外線吸収剤が含有されている。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン(以下、「赤
外線吸収剤a」ともいう。) (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズの粒子状
金属酸化物(以下、「赤外線吸収剤b」ともいう。)
【0024】(1)赤外線吸収剤a:赤外線吸収剤aと
して用いられる2価の銅イオンよりなる金属イオンは、
適宜の銅化合物よりなる金属化合物から得られるもので
ある。上記の銅化合物の具体例としては、酢酸銅、塩化
銅、蟻酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅、エチルアセ
ト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅等
の無水物または水和物が挙げられる。
【0025】赤外線吸収剤として、2価の銅イオンから
なる金属イオンを用いる場合には、当該金属イオンの分
散性を高めるために、粘着性アクリル系樹脂中にリン酸
エステル若しくはホスホン酸エステルからなるリン酸基
含有化合物を共に含有させることが好ましい。本発明に
おいて、「リン酸基」とは、PO(OH)n −(nは1
または2である。)で表される基をいう。このようなリ
ン酸基含有化合物としては、上記式(1)で表されるリ
ン酸エステル(以下、「特定のリン酸エステル」ともい
う。)若しくは上記式(2)で表されるホスホン酸エス
テル(以下、「特定のホスホン酸エステル」ともい
う。)を用いることが好ましい。
【0026】特定のリン酸エステルの具体例としては、
モノメチルフォスフェート、ジメチルフォスフェート、
モノエチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、
モノイソプロピルフォスフェート、ジイソプロピルフォ
スフェート、モノn−ブチルフォスフェート、ジn−ブ
チルフォスフェート、モノブトキシエチルフォスフェー
ト、ジブトキシエチルフォスフェート、モノ(2−エチ
ルヘキシル)フォスフェート、ジ(2−エチルヘキシ
ル)フォスフェート、モノn−デシルフォスフェート、
ジn−デシルフォスフェート、モノイソデシルフォスフ
ェート、ジイソデシルフォスフェート、モノオレイルフ
ォスフェート、ジオレイルフォスフェート、モノイソス
テアリルフォスフェート、ジイソステアリルフォスフェ
ート、モノフェニルフォスフェート、ジフェニルフォス
フェート等が挙げられる。
【0027】また、特定のリン酸エステルとしては、上
記式(1)で示されるように、置換基R1 として、エチ
レンオキサイド基が結合したアクリロイル基(Xが水素
原子の場合)またはメタクリロイル基(Xがメチル基の
場合)よりなる重合性官能基が結合されたものを用いる
ことができる。ここで、エチレンオキサイド基の繰り返
し数mは0〜5の整数である。このmの値が5を超える
と、粘着性アクリル系樹脂との相溶性が低いものとなる
ため、得られるアクリル系樹脂組成物の透明性が低下し
て必要とされる波長の光線透過率が小さくなるため好ま
しくない。
【0028】このような重合性官能基を有する特定のリ
ン酸エステルの具体例としては、2−アクリロキシエチ
ルアッシドフォスフェート、2−メタクリロキシエチル
アッシドフォスフェート、ビス(2−メタクリロキシエ
チルアッシドフォスフェート)等が挙げられる。
【0029】また、このような重合性官能基を有する特
定のリン酸エステルは、前述の粘着性アクリル系樹脂を
得るための単量体組成物に含有されて重合処理されるこ
とにより、粘着性アクリル系樹脂の分子構造中に含有さ
れていてもよい。
【0030】特定のホスホン酸エステルの具体例として
は、モノメチルメチルホスホネート、モノエチルエチル
ホスホネート、モノブチルブチルホスホネート、モノ
(2−エチルヘキシル)2−エチルヘキシルホスホネー
ト等が挙げられる。
【0031】これらの中では、上記式(1)における基
1 あるいは上記式(2)における基R2 および基R3
が、2−エチルヘキシル基である化合物、具体的には、
モノ(2−エチルヘキシル)フォスフェート若しくはジ
(2−エチルヘキシル)フォスフェート、またはモノ
(2−エチルヘキシル)2−エチルヘキシルホスホネー
トが、粘着性アクリル系樹脂との相溶性に優れ、赤外線
吸収剤aの粘着性アクリル系樹脂中への分散性を高める
ことができる点で、好ましい。
【0032】本発明において赤外線吸収剤aを用いる場
合には、当該赤外線吸収剤aの使用割合は、粘着性アク
リル系樹脂100質量部に対して0.01〜15質量
部、好ましくは0.1〜15質量部である。この割合が
0.01質量部未満の場合には、赤外線を吸収する性能
が殆ど得られない。一方、この割合が15質量部を超え
る場合には、粘着性アクリル系樹脂中に均一に分散させ
ることが困難となる。
【0033】また、リン酸基含有化合物は、2価の銅イ
オンよりなる金属イオン1モルに対して1〜10モルと
なる割合で用いられることが好ましく、これにより、2
価の銅イオンよりなる金属イオンを粘着性アクリル系樹
脂中に十分に分散させることができる。
【0034】(2)赤外線吸収剤b:赤外線吸収剤b
は、酸化インジウムおよび酸化スズのいずれか一方また
は両方からなる粒子状金属酸化物(以下、「特定の粒子
状金属酸化物」ともいう。)よりなるものである。特定
の粒子状金属酸化物として、酸化インジウムを主成分と
するものを用いる場合には、酸化インジウムにおけるイ
ンジウム原子の一部がスズ原子で置換され、さらに酸素
欠陥が導入されて酸化インジウム中のキャリア電子密度
が増大された、酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化
物(以下、「ITO」(Indium Tin Oxi
de)ともいう。)であることが好ましい。また、特定
の粒子状金属酸化物として酸化スズを主成分とするもの
を用いる場合には、スズ酸化物におけるスズ原子の一部
がアンチモン原子で置換され、さらに酸素欠陥が導入さ
れて酸化スズ中のキャリア電子密度が増大された、酸化
スズと酸化アンチモンとの複合酸化物(以下、「AT
O」(Antimony Tin Oxide)ともい
う。)であることが好ましい。
【0035】上記のITOまたはATOは、酸化インジ
ウム単体または酸化スズ単体に比較して、いずれも、近
赤外領域の光線の反射が一層低波長側の領域から生じる
ようになるため、1200nmより長い波長域の光線の
透過率が一層低下したものとなると思われる。
【0036】このような特定の粒子状金属酸化物として
は、特に最大粒子径が0.1μm以下であり、粒子径分
布が0.001〜0.05μmの範囲内にある超微粒子
状粉末が好ましい。特定の粒子状金属酸化物の最大粒子
径が0.1μmを超える場合には、可視光線域の光線透
過率が低下し、優れた透明性を有するアクリル系樹脂組
成物を得ることができない。一方、特定の粒子状金属酸
化物の粒子径が0.001μm未満のものを含有する場
合には、微粒子が凝集しやすくなり、当該粒子状金属酸
化物を粘着性アクリル系樹脂中に均一に分散させること
が困難になり、また、粒子状金属酸化物自体の製造も非
常に困難である。
【0037】赤外線吸収剤bを用いる場合には、この赤
外線吸収剤bの含有量は、アクリル系樹脂組成物の透明
性や機械的特性などが損なわれない範囲でできるだけ多
い方が望ましいが、粘着性アクリル系樹脂100質量部
に対して0.01〜50質量部、好ましくは0.1〜5
0質量部、より好ましくは0.5〜50質量部である。
【0038】本発明のアクリル系樹脂組成物において
は、上記の赤外線吸収剤aおよび赤外線吸収剤bが、そ
れぞれ単独で用いられていてもよく、また両者を組み合
わせて用いられてもよい。赤外線吸収剤aおよび赤外線
吸収剤bの両方を用いる場合には、赤外線吸収剤aおよ
び赤外線吸収剤bの各々の割合が、上述の範囲内であっ
て、かつ両者の合計量が、粘着性アクリル系樹脂100
質量部に対し0.01〜65質量部となる割合で用いら
れる。
【0039】(3)赤外線吸収剤c:本発明において
は、上記の赤外線吸収剤aまたは赤外線吸収剤bと共
に、下記式(3)で表されるフェニレンジアミン誘導体
よりなる赤外線吸収剤cを併用することができる。
【0040】
【化5】
【0041】〔上記式(3)において、Rは水素原子ま
たは炭素数が1〜12のアルキル基、Xは、SbF6
ClO4 、PF6 、BF6 、NO3 またはハロゲン原子
を示し、nは1または2である。〕
【0042】このようなフェニレンジアミン誘導体は、
可視光線域の光線透過性を損なうことなく波長760〜
1500nmの赤外線を効率よく吸収することができる
特徴を有している。
【0043】このフェニレンジアミン誘導体の具体例と
しては、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n
−ブチルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス
(イモニウムの過塩素酸塩)、N,N,N’,N’−テ
トラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−p−ベンゾ
キノン−ビス(イモニウムのヘキサフルオロアンチモン
酸塩)、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n
−ヘキシルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス
(イモニウムのフッ化ホウ素酸塩)、N,N,N’,
N’−テトラキス(p−ジ−イソプロピルアミノフェニ
ル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウムの硝酸
塩)、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n−
オクチルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス
(イモニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩)、N,
N,N’,N’−テトラキス(p−ジエチルアミノフェ
ニル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウムの臭素
塩)、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n−
ブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウム
の過塩素酸塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−
ジメチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウ
ムの塩素塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ
−n−ドデシルアミノフェニル)−p−フェニレンジア
ミニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩、N,N,
N’,N’−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−p−フェニレンジアミニウムのフッ化ホウ素酸
塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジ−n−ブ
チルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの
フッ素塩、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジエ
チルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの
過塩素酸塩等が挙げられる。
【0044】このような赤外線吸収剤cの使用割合は、
粘着性アクリル系樹脂100質量部に対して0.01〜
1質量部、特に、0.01〜0.7質量部であることが
好ましい。この割合が0.01質量部未満の場合には、
当該赤外線吸収剤cを添加することによる赤外線の吸収
性を向上させる効果が十分に得られず、一方、この割合
が1質量部を超える場合には、可視光線領域における光
線透過率の低下が大きくなり、好ましくない。
【0045】〔可視光線吸収剤〕本発明のアクリル系樹
脂組成物においては、波長500〜600nmの可視光
線を吸収する特定可視光線吸収剤を更に含有させること
ができる。このような特定可視光線吸収剤としては、2
価のコバルトイオンよりなる金属イオンを用いることが
できる。
【0046】特定可視光線吸収剤に用いられる2価のコ
バルトイオンよりなる金属イオンは、適宜のコバルト化
合物よりなる金属化合物から得られるものである。この
コバルト化合物の具体例としては、酢酸コバルト、蟻酸
コバルト、安息香酸コバルト、ナフテン酸コバルト、臭
化コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバル
ト、硫酸二アンモニウムコバルト等の無水物または水和
物が挙げられる。
【0047】特定可視光線吸収剤として2価のコバルト
イオンよりなる金属イオンを用いる場合には、前述の赤
外線吸収剤aと同様に、粘着性アクリル系樹脂中にリン
酸エステル若しくはホスホン酸エステルからなるリン酸
基含有化合物を、当該金属イオン1モルに対して1〜1
0モルとなる割合で含有させることが好ましい。このリ
ン酸基含有化合物としては、前述の赤外線吸収剤aに用
いられるリン酸基含有化合物として例示した特定のリン
酸エステル若しくは特定のホスホン酸エステルを挙げる
ことができる。
【0048】また、リン酸基含有化合物として、上記式
(1)における基R1 または上記式(2)における基R
2 および基R3 が2−エチルヘキシル基である化合物、
具体的には、モノ(2−エチルヘキシル)フォスフェー
ト若しくはジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、
またはモノ(2−エチルヘキシル)2−エチルヘキシル
ホスホネートが、粘着性アクリル系樹脂との相溶性に優
れ、2価のコバルトイオンからなる金属イオンの粘着性
アクリル系樹脂中への分散性を高めることができる点
で、特に好ましい。
【0049】このような特定可視光線吸収剤の使用割合
は、粘着性アクリル系樹脂100質量部に対して0.0
1〜10質量部、好ましくは0.05〜10質量部であ
る。この割合が0.01質量部未満の場合には、波長5
00〜600nmの可視光線を吸収する性能が殆ど得ら
れない。一方、この割合が10質量部を超える場合に
は、金属イオンを粘着性アクリル系樹脂中に均一に分散
させることが困難となり、500〜600nmの可視光
線を選択的に吸収すると共に、それ以外の波長域の可視
光線を十分に透過させることが困難となる。また、特定
可視光線吸収剤は、赤外線吸収剤との合計量が粘着性ア
クリル系樹脂100質量部に対して65質量部以下とな
る割合で用いることが好ましい。
【0050】また、リン酸基含有化合物は、上述の赤外
線吸収剤aおよび特定可視光線吸収剤と共に用いられる
が、その合計量が、粘着性アクリル系樹脂100質量部
に対して200質量部以下、特に、100質量部以下で
あることが好ましい。
【0051】このように、本発明においては、赤外線吸
収剤として用いられる2価の銅イオンよりなる金属イオ
ンに加えて、特定可視光線吸収剤として2価のコバルト
イオンよりなる金属イオンを用いることができるが、こ
れらの金属イオン以外に、本発明の目的を阻害しない範
囲で、他の金属によるイオンが含有されていてもよい。
このような他の金属によるイオンとしては、ナトリウム
イオン、カリウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、
マグネシウムイオン、ニッケルイオン、タングステンイ
オン等を挙げることができる。この他の金属によるイオ
ンは、2価の銅イオンまたは2価のコバルトイオンと同
様に適宜の金属化合物から得られるものである。このよ
うな他の金属によるイオンを用いることにより、当該他
の金属によるイオンに応じた光線吸収特性が得られる。
【0052】また、本発明においては、波長500〜6
00nmの可視光線を選択的に吸収する可視光線吸収剤
として、ピラジン環を有する化合物、ペリレン系染料、
アントラキノン系染料、ナフトキノン系染料、アミニウ
ム系色素或いはフタロシアニン等の金属錯体等の顔料、
染料或いは有機色素等を用いることができる。これらの
染料や化合物は、粘着性アクリル系樹脂100質量部に
対して0.01〜5質量部となる割合で用いることがで
きる。
【0053】また、本発明のアクリル系樹脂組成物に
は、架橋剤としてポリイソシアネート化合物、メラミ
ン、各種金属化合物を含有させることができ、これによ
り、粘着剤として適用されたときの凝集性を高めること
ができる。
【0054】さらに、本発明のアクリル系樹脂組成物に
は、種々の添加剤、例えば各種安定剤、紫外線吸収剤、
抗酸化剤等を必要に応じて用いることができる。また、
リン酸エステルとして重合性官能基を有する化合物を用
いるときには、重合開始剤として有機過酸化物や光重合
開始剤を用いることもできる。
【0055】本発明のアクリル系樹脂組成物は、上記の
粘着性アクリル系樹脂またはそのポリマー溶液若しくは
ラテックスに、赤外線吸収剤および必要に応じて用いら
れる特定可視光線吸収剤またはその他の添加剤を混合す
ることにより得られる。また、赤外線吸収剤として2価
の銅イオンからなる金属イオンを用いる場合、或いは特
定可視光線吸収剤として2価のコバルトイオンを用いる
場合には、これらの金属イオンを、前述の重合性官能基
を有する特定のリン酸エステルと共に、接着性アクリル
樹脂を得るための単量体組成物に含有させ、当該単量体
組成物の重合処理を行ってもよい。
【0056】このようにして得られるアクリル系樹脂組
成物は、それ自体が十分な粘着性を有すると共に、近赤
外領域の波長域の光線を高い効率で遮断若しくは減衰さ
せる性能を有し、また、特定可視光線吸収剤が含有され
る場合には、波長500〜600nmの光線を吸収する
性能を有するため、熱線の照射を防止することが要求さ
れる用途への適用に有用である。例えば、本発明のアク
リル系樹脂組成物を粘着剤として適宜の基体に適用し、
得られる粘着層によりシート若しくはフィルムを積層す
ることにより、熱線吸収性を有する多層型のシート若し
くはフィルムを構成することができ、このようなシート
若しくはフィルムを、例えば植物栽培雰囲気を覆って温
室施設を構築するための農業用被覆材として用いること
により、夏季期間中に当該施設内の温度の上昇を抑制す
ることができ、温室施設の利用期間を広げることができ
る。積層されるシート若しくはフィルムは、熱線吸収性
を有しないものであっても、有するものであってもよ
く、本発明のアクリル系樹脂組成物によって得られる粘
着層により、熱線吸収性において加算的効果が得られ
る。また、既存の設備に対しても、これに本発明のアク
リル系樹脂組成物よりなる粘着層を形成してシート若し
くはフィルムを積層することにより、熱線吸収性を付与
することができる。
【0057】以下、本発明を実施例を用いて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚、以下において、「部」は「質量部」を意味す
る。
【0058】〔実施例1〕ブチルアクリレート60部
と、2−エチルヘキシルアクリレート26部と、メチル
メタクリレート10部と、アクリル酸3部と、トルエン
200部とを混合し、更に、重合開始剤としてベンゾイ
ルパーオキサイド0.1部を添加して混合することによ
り、単量体組成物を調製した。この単量体組成物を、6
0℃で10時間の重合処理を行うことにより、粘着性ア
クリル系樹脂を含有してなるポリマー溶液を得た。この
ポリマー溶液にATO超微粒子粉体(住友セメント製)
10部を添加し、十分に攪拌混合することにより、本発
明の液状のアクリル系樹脂組成物を製造した。
【0059】得られたアクリル系樹脂組成物を試料とし
て、次のようにして光線吸収特性を調べた。バーコータ
ーを用いて、厚みが50μmのポリエステルフィルムの
一面に、試料であるアクリル系樹脂組成物を、塗布し、
次いで、100℃のオーブン中で2分間加熱してトルエ
ンの除去処理を行うことにより、フィルム上にアクリル
系樹脂組成物よりなる厚みが50μmの粘着層を形成し
た。この粘着層が形成されたポリエステルフィルムと厚
みが2mmのアクリル板とを、当該粘着層がアクリル板
と接するよう貼り合わせることにより、測定用シートを
作製した。このシートの光線透過率を分光光度計を用い
て測定した。結果を表1に示す。
【0060】〔実施例2〕実施例1において、ATO超
微粒子粉体10部と共に、酢酸銅28部とジ(2−エチ
ルヘキシル)フォスフェート100部との混合物100
部(接着性アクリル系樹脂100部に対する2価の銅イ
オンの量が7.7部)を添加したこと以外は、同様にし
て本発明の液状のアクリル系樹脂組成物を製造した。得
られたアクリル系樹脂組成物について、実施例1と同様
にして光線吸収特性を調べた。結果を表1に示す。
【0061】〔実施例3〕実施例1において、ATO超
微粒子粉体10部と共に、酢酸コバルト四水和物30部
とジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート100部と
の混合物27.5部(接着性アクリル系樹脂100部に
対する2価のコバルトイオンの量が1.5部)を添加し
たこと以外は、実施例1と同様にして本発明の液状のア
クリル系樹脂組成物を製造した。得られたアクリル系樹
脂組成物について、実施例1と同様にして光線吸収特性
を調べた。結果を表1に示す。
【0062】〔実施例4〕2−エチルヘキシルアクリレ
ート70部と、2−アクリロイルキシアシッドフォスフ
ェート15部と、ビス(2−アクリロイルキシアシッド
フォスフェート)15部と、トルエン200部と、酢酸
銅20部とを十分に攪拌混合し、更に、重合開始剤とし
てベンゾイルパーオキサイド0.1部を添加して混合す
ることにより、単量体組成物を調製した。この単量体組
成物を、60℃で10時間の重合処理を行うことによ
り、粘着性アクリル系樹脂および2価の銅イオンを含有
してなるポリマー溶液を調製した。このポリマー溶液に
おける粘着性アクリル系樹脂100部に対する2価の銅
イオンの量は7.5部であった。このポリマー溶液にA
TO超微粒子粉体10部を添加し、十分に攪拌混合する
ことにより、本発明の液状のアクリル系樹脂組成物を製
造した。得られたアクリル系樹脂組成物について、実施
例1と同様にして光線吸収特性を調べた。結果を表1に
示す。
【0063】〔実施例5〕2−エチルヘキシルアクリレ
ート90部と、アクリロニトリル7部と、メタクリル酸
2部と、フタル酸ジアリル1部とよりなる混合単量体
に、ATO超微粒子粉体10部を添加して混合し、AT
O超微粒子粉体が分散されてなる単量体組成物を調製し
た。重合容器内に、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルサルフェート4部を溶解したイオン交換水100部を
注入し、この重合容器内の空気を窒素ガスで置換した
後、当該重合容器内に上記の単量体組成物の1/4量を
注入し、攪拌しながら70℃に加温し、10質量%過硫
酸アンモニウム水溶液1部を添加して重合を開始した。
次いで、温度を70〜75℃に保ちながら、残りの単量
体組成物を1時間かけて連続的に注入した。次いで、1
0質量%過硫酸アンモニウム水溶液1部を添加し、温度
75〜80℃で、さらに2時間攪拌を行い、本発明のラ
テックス状のアクリル系樹脂組成物を製造した。
【0064】このアクリル系樹脂組成物について、以下
のように粘着層を形成したこと以外は実施例1と同様に
して光線吸収特性を調べた。結果を表1に示す。アクリ
ル系樹脂組成物を、バーコーターを用いて厚みが50μ
mのポリエステルフィルムの片面に塗布し、90℃のオ
ーブン中で2分間乾燥して水分を除去処理することによ
り、フィルム上にアクリル系樹脂組成物よりなる厚みが
50μmの粘着層を形成した。
【0065】
【表1】
【0066】表1から明らかなように、実施例1〜5に
係る組成物は、波長1200nm以上の近赤外線を高い
効率で遮断若しくは減衰させるものであることが確認さ
れた。特に、特定可視光線吸収剤が含有された実施例3
に係る組成物によれば、波長500〜600nmの可視
光線が選択的に吸収されることが確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明のアクリル系樹脂組成物は、それ
自体が十分な粘着性を有すると共に、近赤外線、特に波
長1200nmより長い波長域の光線を高い効率で遮断
若しくは減衰させる性能を有するものであり、特に、特
定可視光線吸収剤が含有されることにより、波長500
〜600nmの可視光線を選択的に吸収する性能が付与
されるため、熱線の照射を防止することが要求される種
々の用途への適用に有用である。例えば、本発明のアク
リル系樹脂組成物を粘着剤として適宜の基体に適用する
ことにより、多層型のシート或いはフィルムを構成し、
これを植物栽培雰囲気を覆って温室施設を構築するため
の農業用被覆材として用いることにより、夏季期間中に
当該施設内の温度の上昇を抑制することができ、温室施
設の利用期間を広げることができる。また、既存の設備
に対しても、これに本発明のアクリル系樹脂組成物より
なる粘着層を形成してシート若しくはフィルムを積層す
ることにより、熱線吸収性を付与することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着性アクリル系樹脂と、下記の(a)
    および(b)から選ばれる少なくとも1種の赤外線吸収
    剤とが含有されていることを特徴とするアクリル系樹脂
    組成物。 (a)2価の銅イオンからなる金属イオン (b)酸化インジウムおよび/または酸化スズからなる
    粒子状金属酸化物
  2. 【請求項2】 赤外線吸収剤として2価の銅イオンから
    なる金属イオンが含有されると共に、リン酸エステル若
    しくはホスホン酸エステルよりなるリン酸基含有化合物
    が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のア
    クリル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 リン酸基含有化合物が、下記式(1)で
    表されるリン酸エステルまたは下記式(2)で表される
    ホスホン酸エステルであることを特徴とする請求項2に
    記載のアクリル系樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  4. 【請求項4】 赤外線吸収剤として2価の銅イオンより
    なる金属イオンが、粘着性アクリル系樹脂100質量部
    に対して0.01〜15質量部の割合で含有されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に
    記載のアクリル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 赤外線吸収剤として酸化インジウムおよ
    び/または酸化スズからなる粒子状金属酸化物が、粘着
    性アクリル系樹脂100質量部に対して0.01〜50
    質量部の割合で含有されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれか一に記載のアクリル系樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 粘着性アクリル系樹脂100質量部に対
    して、波長500〜600nmの可視光線を吸収する特
    定可視光線吸収剤0.01〜10質量部が含有されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一
    に記載のアクリル系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 特定可視光線吸収剤が、2価のコバルト
    イオンよりなる金属イオンであることを特徴とする請求
    項6に記載のアクリル系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか一に記
    載のアクリル系樹脂組成物よりなることを特徴とするア
    クリル系粘着剤。
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