WO1997028225A1

WO1997028225A1 - Compositions a base de resine acrylique et adhesif autocollant acrylique

Info

Publication number: WO1997028225A1
Application number: PCT/JP1997/000194
Authority: WO
Inventors: Masuhiro Shouji; Hiroki Katono; Takeo Ogihara; Teruo Sakagami
Original assignee: Kureha Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha
Priority date: 1996-01-30
Filing date: 1997-01-29
Publication date: 1997-08-07
Also published as: JPH09208918A; JP3945836B2

Description

明細書ァクリル系樹脂組成物およびァクリル系粘着剤技術分野

本発明は、アクリル系樹脂組成物およびアクリル系粘着剤に関し、さらに詳しくは、優れた近赤外線吸収性を有するァクリル系樹脂組成物およびァクリル系粘着剤に関する。背景技術

従来、植物栽培雰囲気を覆って温室施設を構築するための農業用被覆材としては、軟質塩化ビニル榭脂、ポリエチレン樹脂、フッ素系樹脂等の材料よりなる砍質系のもの、または、ガラス、硬質塩化ビニル等の材料よりなる硬質系被覆材、或いはこれらの材料よりなるフィルム若しくはシー卜が積層されてなる多層型のものが用いられている。

しかしながら、これらの被覆材は、特定波長域における光線を選択的に吸収或いは透過する性能について特に考慮されたものではないため、これらの被覆材を利用した温室施設においては、気温の高い例えば夏季期間中に、当該施設内の温度が相当に上昇する。このような理由から、気温の高い期間中においては、農作物、持に高温を嫌う農作物を栽培するにあたって、温室施設を利用することができないという問題が指摘されていた。発明の開示

本発明は、このような事情に基づいてなされたものであって、粘着性アクリル系樹脂に、特定の赤外線吸収材を含有させることにより、近赤外領域域の光線を高い効率で選択的に吸収する光学特性を有する樹脂組成物が得られること、この樹脂組成物を例えば粘着剤として用いることにより、実用性の高い熱線吸収性を有する複合材が得られることを見いだし、この知見に基づいて達成されたものである。

本発明の目的は、近赤外領域の光線を高い効率で遮断若しくは減衰させる性能を有するァクリル系樹脂組成物およびァクリル系粘着剤を提供することにある。本発明の他の目的は、近赤外領域の光線を高い効率で遮断若しくは減衰させる性能を有すると共に、波長 5 0 0〜6 0 0 m付近の光線を吸収する性能を有するァクリル系榭脂組成物およびァクリル系粘着剤を提供することにある。

本発明のアクリル系樹脂組成物は、粘着性アクリル系樹脂と、下記の（a) および（b) から選ばれる少なくとも i種の赤外線吸収剤とが含有されていることを特徴とする。

(a) 2価の銅イオンからなる金属イオン

(b ) 酸化インジウム、酸化スズまたはこれらの両者からなる粒子状金属酸化物本発明のァクリル系樹脂組成物においては、赤外線吸収剤として 2価の銅ィォンからなる金属ィォンが含有される場合には、リン酸エステル若しくはホスホン酸エステルよりなるリン酸基含有化合物が含有されていることが好ましい。また、リン酸基含有化合物が、下記式（ 1 ) で表されるリン酸エステルまたは下記式（2 ) で表されるホスホン酸エステルであることが好ましい。

式（ 1 ) PO (OH)"OR')₃— _n

〔但し、 R¹は炭素数が 1〜20のアルキル基、または

CH₂=CXCOO (C2H4O) m -

(但し、 Xは水素原子またはメチル基を示し、 mは 0〜5の整数である。）を示し、 nは 1または 2である。〕

式（2) POR²(〇H)(〇R³)

〔但し、 R²および R³は、それぞれ炭素数が 1〜20のアルキル基

であり、 R²と R³とは、同じであっても、異なっていてもよい。〕本発明のァクリル系樹脂組成物においては、赤外線吸収剤として 2価の鐧ィォンよりなる金属イオンが含有される場合には、当該金属イオンの割合が、粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して 0 . 0 1〜 1 5質量部であることが好ましい。

また、赤外線吸収剤として酸化インジウム、酸化スズまたはこれらの両者からなる粒子状金属酸化物が含有される場合には、当該粒子伏金属酸化物の割合が、粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して 0 . 0 〜 5 0質量部であることが好ましい。

本発明のアクリル系樹脂組成物においては、粘着性アクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して、波長 5 0 0 ~ 6 0 0 n mの可視光線を吸収する特定可視光線吸収剤 0 . 0 1 ~ 1 0質量部を更に含有させることができる。

また、特定可視光線吸収剤が、 2価のコバルトイオンよりなる金属イオンであることが好ましい。

本発明のァクリル系粘着剤は、上記のァクリル系樹脂組成物よりなることを特徴とする。

以下、本発明のァクリル系樹脂組成物について詳細に説明する。

本発明のァクリル系樹脂組成物は、粘着性ァクリル系樹脂に特定の赤外線吸収剤が含有されてなるものである。

ここに、「粘着性」とは、僅かな力で物体同士を瞬時に接着する性質、即ち、感圧接着性を意味する。

〔粘着性ァクリル系榭脂〕

本発明に用いられる粘着性ァクリル系榭脂は、少なくとも粘着成分を構成するァクリル系単量体を含有してなる単量体組成物を重合処理することにより得られる。

粘着成分として用いられるアクリル系単量体（以下、「粘着成分用単量体」ともいう。）としては、アルキル基の炭素数が 4〜 1 2であって、ホモポリマーのガラス転移点が一 7 0 °C ~ - 3 0 °Cであるァクリル酸アルキルエステルを好適に用いることができ、その具体例としては、 n —ブチルァクリレート、 2 —ェチルへキシルァクリレート、ォクチルァクリレート、デシルァクリレート等が挙げられる。

粘着性ァクリル系樹脂を得るための単量体組成物には、上記の粘着成分用単量体の他に、凝集成分を構成する単量体および改質成分を構成する単量体を含有させることが好ましい。

凝集成分として用いられる単量体（以下、「凝集成分用単量体」ともいう。）としては、粘着成分用単量体と共重合可能なものであって、得られる共重合体全体のガラス転移点を高める作用を有するものが用いられ、その具体例としては、炭素数が 1〜 3の低級アルキル基を有するァクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、スチレン等が挙げられる。

改質成分として用いられる単量体（以下、「改質成分用単量体」ともいう。）としては、粘着成分用単量体と共重合可能であって官能基を有するものが用いられ、その具体例としては、ァクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル等のカルボキシル基含有化合物、 2—ヒドロシキエチルァクリレート、 2 —ヒドロキシェチルメタクリレー卜等の水酸基含有化合物、ァクリルァミド、メタクリルアミド、 N — t e r t —プチルァクリルァミド、 N —ォクチルァクリルアミド等の酸ァミド化合物、グリシジルァクリレー卜、グリシジルメタクリレー卜等のグリシジル基含有単 S体などが挙げられる。

粘着性ァクリル系榭脂を得るための単量体組成物における各単量体の使用割合は、用いられる単量体の種類、得られるアクリル系樹脂組成物の使用目的などによって異なるが、通常、粘着成分用単量体が 3 0 - 9 5質量％、凝集成分用単量体が 5〜 5 0質 S %、改質成分用単量体が 0 . 1 ~ 1 0質 S%である。

単 S体組成物を重合処理する方法としては、溶液重合法および乳化重合法を用いることができる。

重合処理に用いられる触媒としては、例えばべンゾィルパ一ォキサイド、ァゾビスィソブチル二トリル、過硫酸ァンモニゥム、過硫酸力リゥム等の過酸化物が挙げられる。溶液重合法により単量体組成物の重合処理を行う場合には、重合溶媒として、種々の有機溶剤を用いることができ、例えば、酢酸ェチル等のエステル類、芳香族炭化水素類、ケトン類などが挙げられる。

乳化重合法により単量体組成物の重合処理を行う場合には、乳化剤として、従来乳化重合に使用されている種々のものを用いることができる。

このように、単量体組成物を重合処理することにより、粘着性アタリル系樹脂をポリマー溶液またはラテツクスの状態で得ることができる力 <、本発明のァクリル系樹脂組成物を粘着剤として用いる場合には、ポリマー溶液またはラテツクスの状態のままでその用途に供することもできる。

また、本発明に用いられる接着性アクリル系樹脂としては、その平均分子最が

2 0 0 , 0 0 0 - 2 , 0 0 0 . 0 0 0のものが好ましい。

〔赤外線吸収剤〕

本発明のアクリル系樹脂組成物には、下記の（a ) および（b ) から選ばれる少なくとも 1種の赤外線吸収剤が含有されている。

( a ) 2価の銅イオンからなる金属イオン（以下、「赤外線吸収剤 a」ともいう

( b ) 酸化インジウム、酸化スズまたはこれらの両者の粒子状金属酸化物（以下、「赤外線吸収剤 b」ともいう。）

( 1 ) 赤外線吸収剤 a ：

赤外線吸収剤 a として用いられる 2価の銅イオンよりなる金属イオンは、適宜の銅化合物よりなる金属化合物から得られるものである。

上記の銅化合物の具体例としては、酢酸銅、塩化銅、蟻酸鐧、ステアリン酸鐧、安息香酸銅、ェチルァセ卜酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クェン酸銅等の無水物または水和物が挙げられる。

赤外線吸収剤として、 2価の鋦ィオンからなる金属イオンを用いる場合には、当該金属ィォンの分散性を高めるために、粘着性ァクリル系樹脂中にリン酸エステル若しくはホスホン酸エステルからなるリン酸基含有化合物を共に含有させることが好ましい。本発明において、「リン酸基」とは、 P O ( O H ) „ 一（nは 1 または 2である。）で表される基をいう。

このようなリン酸基含有化合物としては、上記式（ 1 ) で表されるリン酸エステル（以下、「特定のリン酸エステル」ともいう。）若しくは上記式（ 2 ) で表されるホスホン酸エステル（以下、「特定のホスホン酸エステル」ともいう。）を用いることが好ましい。

特定のリン酸エステルの具体例としては、モノメチルフォスフェート、ジメチルフォスフェート、モノェチルフォスフェート、ジェチルフォスフエ一卜、モノイソプロピルフォスフェート、ジイソプロピルフォスフェート、モノ n _ブチルフォスフェート、ジ n —ブチルフォスフェート、モノブトキシェチルフォスフエ — 卜、ジブトキシェチルフォスフェート、モノ（ 2 —ェチルへキシル）フォスフニート、ジ（ 2 —ェチルへキシル）フォスフェート、モノ n—デシルフォスフエ一卜、ジ n —デシルフォスフェート、モノイソデシルフォスフェート、ジイソデシルフォスフヱート、モノォレイルフォスフェート、ジォレイルフォスフヱ一ト、モノイソステアリルフォスフェート、ジイソステアリルフォスフェート、モノフエニルフォスフェート、ジフヱニルフォスフヱー卜等が挙げられる。

また、特定のリン酸エステルとしては、上記式（ 1 ) で示されるように、置換基 R ' として、エチレンォキサイド基が結合したァクリロイル基（Xが水素原子の場合）またはメタクリロイル基（Xがメチル基の場合）よりなる重合性官能基が結台されたものを用いることができる。

ここで、エチレンォキサイド基の繰り返し数 mは 0〜 5の整数である。この m の値が 5を超えると、粘着性ァクリル系樹脂との相溶性が低いものとなるため、得られるァクリル系樹脂組成物の透明性が低下して必要とされる波長の光線透過率が小さくなるため好ましくない。

このような重合性官能基を有する特定のリン酸エステルの具体例としては、 2 ーァクリロイルォキシェチルアツシドフォスフエ一ト、 2 —メタクリロイルォキシェチルアツシドフォスフェート、ビス（ 2 —メタクリロイルォキシェチルアツシドフォスフェート）等が挙げられる。

また、このような重合性官能基を有する特定のリン酸エステルは、前述の粘着性ァクリル系樹脂を得るための単量体組成物に含有されて重合処理されることにより、粘着性ァクリル系樹脂の分子構造中に含有されていてもよい。

特定のホスホン酸エステルの具体例としては、モノメチルメチルホスホネート、モノェチルェチルホスホネート、モノブチルブチルホスホネート、モノ（ 2 — ェチルへキシル） 2 —ェチルへキシルホスホネート等が挙げられる。

これらの中では、上記式（ 1 ) における基 R ¹ あるいは上記式（ 2 ) における基 R ² および基 R ³ が、 2 —ェチルへキシル基である化合物、具体的には、モノ ( 2 —ェチルへキシル）フォスフヱー卜若しくはジ（ 2 —ェチルへキシル）フォスフエー卜、またはモノ（ 2—ェチルへキシル） 2 —ェチルへキシルホスホネ一卜が、粘着性ァクリル系樹脂との相溶性に優れ、赤外線吸収剤 aの粘着性ァクリル系榭脂中への分散性を高めることができる点で、好ましい。

本発明において赤外線吸収剤 aを用いる場合には、当該赤外線吸収剤 aの使用割合は、粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質最部に対して 0 . 0 1 〜 1 5質量部、好ましくは 0 . 1 〜 1 5質量部である。

この割合が 0 . 0 1質量部未満の場合には、赤外線を吸収する性能が殆ど得られない。一方、この割合が 1 5質量部を超える場合には、当該赤外線吸収剤 aを粘着性ァクリル系樹脂中に均一に分散させることが困難となる。

また、リン酸基含有化合物は、 2価の鐧ィオンよりなる金属イオン 1 モルに対して 1 ~ 1 0モルとなる割合で用いられることが好ましく、これにより、 2価の鐧イオンよりなる金属イオンを粘着性ァクリル系榭脂中に十分に分散させることができる。

( 2 ) 赤外線吸収剤 b ：

赤外線吸収剤 bは、酸化ィンジゥムおよび酸化スズのいずれか一方または両方からなる粒子伏金属酸化物（以下、「特定の粒子伏金属酸化物」ともいう。）よりなるものである。

特定の粒子状金属酸化物として、酸化ィンジゥムを主成分とするものを用いる場合には、酸化ィンジゥムにおけるィンジゥム原子の一部がスズ原子で置換され、さらに酸素欠陥が導入されて酸化ィンジゥム中のキヤリァ電子密度が増大された、酸化インジウムと酸化スズとの複合酸化物（以下、「 I TO」（ I n d i u m T i n 0 x i d e ) ともいう。）であることが好ましい。

また、特定の粒子伏金属酸化物として酸化スズを主成分とするものを用いる場合には、スズ酸化物におけるスズ原子の一部がアンチモン原子で置換され、さらに酸素欠陥が導入されて酸化スズ中のキヤリァ電子密度が増大された、酸化スズと酸化アンチモンとの複合酸化物（以下、「ATO」（An t i mo n y T i n 0 x i d e ) ともいう。）であることが好ましい。

上記の I TOまたは ATOは、酸化ィンジゥム単体または酸化スズ単体に比絞して、いずれも、近赤外領域の光線の反射が一層低波長側の領域から生じるようになるため、 1 2 0 0 nmより長い波長域の光線の透過率が一層低下したものとなると思われる。

このような特定の粒子状金属酸化物としては、特に最大粒子径が 0. 1 m以下であり、粒子径分布が 0. 0 0 1~0. 05 mの範囲内にある超微粒子伏粉末が好ましい。

特定の粒子状金属酸化物の最大粒子径が 0. 1 z/mを超える場合には、可視光線域の光線透過率が低下し、優れた透明性を有するァクリル系樹脂組成物を得ることができない。一方、特定の粒子状金属酸化物の粒子径が 0. 0 0 i izm未満のものを含有する場合には、微粒子が凝集しやすくなり、当該粒子状金属酸化物を粘着性アクリル系樹脂中に均一に分散させることが困難になり、また、粒子状金属酸化物自体の製造も非常に困難である。

赤外線吸収剤 bを用いる場合には、この赤外線吸収剤 bの含有量は、アクリル系樹脂組成物の透明性や機械的特性などが損なわれない範囲でできるだけ多い方が望ましいが、粘着性ァクリル系樹脂 1 00質量部に対して 0. 0 1 ~5 0質量部、好ましくは 0. 〜 50質量部、より好ましくは 0. 5〜5 0質 S部である本発明のァクリル系樹脂組成物においては、上記の赤外線吸収剤 aおよび赤外線吸収剤 bが、それぞれ単独で用いられていてもよく、また両者を組み合わせて用いられてもよい。赤外線吸収剤 aおよび赤外線吸収剤 bの両方を用いる場合には、赤外線吸収剤 aおよび赤外線吸収剤 bの各々の割合が、上述の範囲内であつて、かつ両者の合計量が、粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質量部に対し 0. 0 1〜 6 5質量部となる割合で用いられる。

( 3 ) 赤外線吸収剤 c ：

本発明においては、上記の赤外線吸収剤 aまたは赤外線吸収剤 bと共に、下記式（ 3 ) で表されるフユ二レンジアミン誘導体よりなる赤外線吸収剤 cを併用することができる。

〔上記式（ 3 ) において、 Rは水素原子または炭素数が 1〜 1 2のアルキル基、 Xは、 S b F ₆ 、 C 1 0₄ 、 P F 6 、 B F ₆ 、 N0₃ またはハロゲン原子を示し、 nは 1 または 2である。〕

このようなフエ二レンジアミン誘導体は、可視光線域の光線透過性を損なうことなく波長 7 6 0〜 1 5 0 0 nmの赤外線を効率よく吸収することができる特徴を有している。

このフエ二レンジァミン誘導体の具体例としては、 N, N, Ν' , N' —テトラキス（ρ—ジー η—プチルァミノフエニル）一 ρ—べンゾキノン一ビス（ィモ二ゥムの過塩素酸塩）、 Ν, Ν, Ν' , Ν* —テトラキス（ρ—ジェチルァミノフエニル）一 ρ—べンゾキノン一ビス（ィモニゥムのへキサフルォロアンチモン酸塩）、 Ν, Ν, Ν' , N' —テ卜ラキス（ρ— ジ一 η—へキシルァミノフエ二ル）一 ρ—ベンゾキノン— ビス（ィモ二ゥムのフッ化ホウ素酸塩）、 Ν, Ν, Ν ' , ' —テトラキス（ ρ—ジーイソプロピルアミノフエ二ル）一 ρ—ベンゾキノン—ビス（ィモ二ゥムの硝酸塩）、 Ν, Ν, Ν' , N' —テトラキス（ρ—ジ — n—才クチルァミノフエニル）一 p—ベンゾキノン一ビス（ィモニゥムのへキサフルォロアンチモン酸塩）、 N, N, N' , N' —テトラキス（p—ジェチルァミノフエ二ル） — p—べンゾキノン— ビス（ィモ二ゥムの臭素塩）、 N. N, Ν' , N* —テトラキス（p—ジ一 n—プチルァミノフエニル）一 p—フエニレンジアミ二ゥムの過塩素酸塩、 N, N, N' , N' 一テ卜ラキス（p—ジメチルァミノフエ二ル）一 p—フエ二レンジアミ二ゥ厶の塩素塩、 N, N, N' , N' ーテトラキス（p—ジ一 n— ドデシルァミノフエニル）一 p—フエ二レンジアミニゥムのへキサフルォロアンチモン酸塩、 N, N, Ν' ， N' —テ卜ラキス（ρ ージェチルアミノフエ二ル） — ρ—フエ二レンジアミニゥムのフッ化ホウ素酸塩、 Ν, Ν, Ν' , Ν' ーテトラキス（ρ—ジー η—ブチルアミノフヱニル） — ρ —フエ二レンジアミ二ゥムのフッ素塩、 Ν, Ν, N' ， Ν' —テトラキス（ρ— ジェチルァミノフヱニル） - ρ—フヱニレンジアミ二ゥムの過塩素酸塩等が挙げられる。

このような赤外線吸収剤 cの使用割合は、粘着性アクリル系樹脂 1 0 0質 S部に対して 0. 0 1 ~ 1質量部、特に、 0. 0 1 ~0. 7質量部であることが好ましい。

この割合が 0. 0 1質量部未満の場合には、当該赤外線吸収剤 cを添加することによる赤外線の吸収性を向上させる効果が十分に得られず、一方、この割合が 1質量部を超える場合には、可視光線領域における光線透過率の低下が大きくなり、好ましくない。

〔可視光線吸収剤〕

本発明のァクリル系榭脂組成物においては、波長 5 0 0~6 0 0 nmの可視光線を吸収する特定可視光線吸収剤を更に含有させることができる。

このような特定可視光線吸収剤としては、 2価のコバル卜イオンよりなる金属ィォンを用いることができる。

特定可視光線吸収剤に用いられる 2価のコバルトイオンよりなる金属イオンは、適宜のコバルト化合物よりなる金属化合物から得られるものである。

このコバルト化合物の具体例としては、酢酸コバルト、蟻酸コバルト、安息香酸コバルト、ナフテン酸コバルト、臭化コバルト、塩化コバノレ卜、硝酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸二アンモニゥムコバルト等の無水物または水和物が挙げられる。

特定可視光線吸収剤として 2価のコバルトイオンよりなる金属イオンを用いる場合には、前述の赤外線吸収剤 aと同様に、粘着性ァクリル系樹脂中にリン酸ェステル若しくはホスホン酸エステルからなるリン酸基含有化合物を、当該金属ィォン 1モルに対して 1〜 1 0モルとなる割合で含有させることが好ましい。このリン酸基含有化合物としては、前述の赤外線吸収剤 aに用いられるリン酸基含有化合物として例示した特定のリン酸エステル若しくは特定のホスホン酸ェステルを挙げることができる。

また、リン酸基含有化合物として、上記式（ 1 ) における基 R ' または上記式 ( 2 ) における基 R ² および基 R ³ が 2 -ェチルへキシル基である化合物、具体的には、モノ（ 2 —ェチルへキシル）フォスフエ一卜若しくはジ（ 2 —ェチルへキシル）フォスフヱ一卜、またはモノ（ 2—ェチルへキシル） 2 —ェチルへキシルホスホネート力く、粘着性アクリル系樹脂との相溶性に優れ、 2価のコバルトィオンからなる金属ィォンの粘着性ァクリル系樹脂中への分散性を高めることができる点で、特に好ましい。

このような特定可視光線吸収剤の使用割合は、粘着性アクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して 0 . 0 1〜 1 0質量部、好ましくは 0 . 0 5〜 1 0質量部である。この割合が 0 . 0 1質量部未满の場合には、波長 5 0 0 ~ 6 0 0 n mの可視光線を吸収する性能が殆ど得られない。一方、この割合が 1 0質量部を超える場合には、金属イオンを粘着性ァクリル系榭脂中に均一に分散させることが困難となり、 5 0 0〜 6 0 0 n mの可視光線を選択的に吸収すると共にそれ以外の波長域の可視光線を十分に透過させることが困難となる。

また、特定可視光線吸収剤は、赤外線吸収剤との合計量が粘着性アクリル系榭脂 I 0 0質量部に対して 6 5質量部以下となる割合で用いることが好ましい。また、リン酸基含有化合物は、上述の赤外線吸収剤 aおよび特定可視光線吸収剤と共に用いられるが、その合計量が、粘着性アクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して 2 0 0質 S部以下、特に、 1 0 0質量部以下であることが好ましい。

このように、本発明においては、赤外線吸収剤として用いられる 2価の銅ィォンよりなる金属イオンに加えて、特定可視光線吸収剤として 2価のコバルトィォンよりなる金属イオンを用いることができるが、これらの金属イオン以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の金属によるィォンが含有されていてもよい。このような他の金属によるイオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムィォン、鉄イオン、マンガンイオン、マグネシウムイオン、ニッケルイオン、夕ングステンイオン等を挙げることができる。この他の金属によるイオンは、 2価の銅イオンまたは 2価のコバルトィオンと同様に適宜の金属化合物から得られるものである。

このような他の金属によるイオンを用いることにより、当該他の金属によるィオンに応じた光線吸収特性が得られる。

また、本発明においては、波長 5 0 0 ~ 6 0 0 n mの可視光線を選択的に吸収する可視光線吸収剤として、ピラジン環を有する化合物、ペリレン系染料、アントラキノン系染料、ナフトキノン系染料、ァミ二ゥム系色素或いはフタロシア二ン等の金属錯体等の顔料、染料或いは有機色素等を用いることができる。これらの染料や化合物は、粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して 0 . 0 1〜 5質量部となる割合で用いることができる。

また、本発明のァクリル系樹脂組成物には、架橋剤としてポリイソシァネー卜化合物、メラミン、各種金属化合物を含有させることができ、これにより、粘着剤として適用されたときの凝集性を高めることができる。

さらに、本発明のアクリル系樹脂組成物には、種々の添加剤、例えば各種安定剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤等を必要に応じて用いることができる。また、リン酸エステルとして重合性官能基を有する化合物を用いるときには、重合開始剤として有機過酸化物や光重合開始剤を用いることもできる。

本発明のァクリル系榭脂組成物は、上記の粘着性ァクリル系榭脂またはそのポリマー溶液若しくはラテツクスに、赤外線吸収剤および必要に応じて用いられる特定可視光線吸収剤またはその他の添加剤を混合することにより得られる。また、赤外線吸収剤として 2価の銅ィォンからなる金属イオンを用いる場合、或いは特定可視光線吸収剤として 2価のコバルトィオンを用いる場合には、これらの金属イオンを、前述の重合性官能基を有する特定のリン酸エステルと共に、粘着性ァクリル系樹脂を得るための単量体組成物に含有させ、当該単量体組成物の重合処理を行ってもよい。

このようにして得られるァクリル系樹脂組成物は、それ自体が十分な粘着性を有すると共に、近赤外領域の波長域の光線を高い効率で遮断若しくは減衰させる性能を有し、また、特定可視光線吸収剤が含有される場合には、波長 5 0 0 ~ 6 0 0 n mの光線を吸収する性能を有する。産業上の利用可能性

本発明のァクリル系榭脂組成物は、それ自体が十分な粘着性を有すると共に、近赤外線、特に波長 1 2 0 0 n mより長い波長域の光線を高い効率で遮断若しくは減衰させる性能を有するものであり、特に、特定可視光線吸収剤が含有されることにより、波長 5 0 0 ~ 6 0 0 n mの可視光線を選択的に吸収する性能が付与されるため、熱線の照射を防止することが要求される種々の用途への適用に有用である。

例えば、本発明のァクリル系榭脂組成物を粘着剤として適宜の基体に適用し、得られる粘着層によりシート若しくはフィルムを積層することにより、熱線吸収性を有する多層型のシート若しくはフィルムを構成することができ、このようなシート若しくはフィルムを、例えば植物栽培雰囲気を覆って温室施設を構築するための農業用被材として用いることにより、気温の高い例えば夏季期間中に当該施設内の温度の上昇を抑制することができ、温室施設の利用期間を広げることができる。穣層されるシート若しくはフィルムは、熱線吸収性を有しないものであっても、有するものであってもよく、本発明のァクリル系樹脂組成物によって得られる粘着層により、熱線吸収性において加算的効果が得られる。

また、既存の設備に対しても、これに本発明のアクリル系樹脂組成物よりなる粘着層を形成してシー卜若しくはフィルムを積層することにより、熱線吸収性を付与することができる。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

尚、以下において、「部」は「質量部」を意味する。

〔実施例 1〕

プチルァクリレー卜 6 0部と、 2 一ェチルへキシルァクリレート 2 6部と、メチルメタクリレー卜 1 0部と、アクリル酸 3部と、トルエン 2 0 0部とを混合し、更に、重合開始剤としてベンゾィルパーォキサイド 0 . 1部を添加して混合することにより、単量体組成物を調製した。この単量体組成物を、 6 0 °Cで 1 0時間の重合処理を行うことにより、 .粘着性ァクリル系樹脂を含有してなるポリマー溶液を得た。

このポリマ一溶液に A T O超微粒子粉体（住友セメン卜製、粒子径 : 0 . 0 0 5〜 0 . 0 1 5 z m ) 1 0部を添加し、十分に攪拌混合することにより、本発明の液状のァクリル系樹脂組成物を製造した。

得られたァクリル系樹脂組成物を試料として、次のようにして光線吸収特性を調べた。

バーコ一夕一を用いて、厚みが 5 0 のポリエステルフィルムの一面に、試料であるァクリル系樹脂組成物を、塗布し、次いで、 1 0 0 のオーブン中で 2 分間加熱してトルエンの除去処理を行うことにより、フィルム上にァクリル系樹脂組成物よりなる厚みが 5 0 / mの粘着層を形成した。

この粘着層が形成されたポリエステルフィルムと厚みが 2 m mのアクリル板とを、当該粘着層がアクリル板と接するよう貼り合わせることにより、測定用シー卜を作製した。このシートの光線透過率を分光光度計を用いて測定した。結果を表 1 に示す。

〔実施例 2〕

実施例 1 において、 A T O超微粒子粉体 1 0部と共に、酢酸銅 2 8部とジ（ 2 7/28225

1 5

—ェチルへキシル）フォスフヱート 1 0 0部との混合物 1 0 0部（接着性ァクリル系榭脂 1 0 0部に対する 2価の銅イオンの量が 7 . 7部）を添加したこと以外は、同様にして本発明の液状のァクリル系榭脂組成物を製造した。

得られたアクリル系樹脂組成物について、実施例 1 と同様にして光線吸収特性を調べた。結果を表 1 に示す。

〔実施例 3〕

実施例 1 において、 A T O超微粒子粉体 1 0部と共に、酢酸コバルト四水和物 3 0部とジ（ 2—ェチルへキシル）フォスフェート 1 0 0部との混合物 2 7 . 5 部（接着性ァクリル系樹脂 1 0 0部に対する 2価のコバルトィオンの量が 1 . 5 部）を添加したこと以外は、実施例 1 と同様にして本発明の液状のアクリル系榭脂組成物を製造した。

〔実施例 4〕

2—ェチルへキシルァクリレート 7 0部と、 2—ァクリロイルォキシアシッドフォスフェート 1 5部と、ビス（ 2 —ァクリロイルォキシアシッドフォスフエ一卜） 1 5部と、トルエン 2 0 0部と、酢酸銅 2 0部とを十分に攪拌混合し、更に、重合開始剤としてベンゾィルパーォキサイド 0 . 1部を添加して混合することにより、単量体組成物を調製した。この単量体組成物を、 6 0 °Cで 1 0時間の重合処理を行うことにより、粘着性ァクリル系樹脂および 2価の銅イオンを含有してなるポリマ一溶液を調製した。このポリマー溶液における粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0部に対する 2価の銅イオンの量は 7 . 5部であった。

このポリマー溶液に実施例 1で用いたものと同じ A T O超微粒子粉体 1 0部を添加し、十分に攪拌混合することにより、本発明の液状のァクリル系樹脂組成物を製造した。

〔実施例 5〕 2 —ェチルへキシルァクリレー卜 9 0部と、アクリロニトリル 7部と、メタクリル酸 2部と、フタル酸ジァリル 1部とよりなる混合単量体に、実施例 1で用いたものと同じ A T 0超微粒子粉体 1 0部を添加して混合し、 A T O超微粒子粉体が分散されてなる単量体組成物を調製した。重合容器内に、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフヱート 4部を溶解したィォン交換水 1 0 0部を注入し、この重合容器内の空気を窒素ガスで置換した後、当該重合容器内に上記の単量体組成物の 1 / 4量を注入し、擾拌しながら 7 0 °Cに加温し、 1 0質量％過硫酸ァンモニゥム水溶液 1部を添加して重合を開始した。

次いで、温度を 7 0 ~ 7 5 °Cに保ちながら、残りの単量体組成物を 1時間かけて連続的に注入した。次いで、 1 0質量％過硫酸ァンモニゥム水溶液 1部を添加し、温度 7 5〜8 0 °Cで、さらに 2時間攪拌を行い、本発明のラテツクス状のァクリル系樹脂組成物を製造した。

このァクリル系樹脂組成物について、以下のように粘着層を形成したこと以外は実施例 1 と同様にして光線吸収特性を調べた。結果を表 1 に示す。

ァクリル系樹脂組成物を、バーコ一ターを用いて厚みが 5 0 mのポリエステルフィルムの片面に塗布し、 9 0 °Cのオーブン中で 2分間乾燥して水分を除去処理することにより、フィルム上にァクリル系榭脂組成物よりなる厚みが 5 0 〃 m の粘着層を形成した。

実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 実施例 5 波長 4 0 0 n m 8 1 6 7 7 0 6 5 7 6 波長 5 0 0 n m 8 5 7 0 6 7 6 8 8 1 兀

波長 5 5 0 n m 8 3 6 5 6 5 6 1 7 9 鎳

波長 6 0 0 n m 8 0 5 9 7 1 5 7 7 5 透

波長 7 0 0 n m 7 8 5 2 7 8 5 0 7 3 過

波長 8 0 0 n m 7 5 5 6 7 6 5 3 7 0 率

波長 1 0 0 0 n m 6 3 5 9 6 0 6 0 6 0

% 波長 1 2 0 0 n m 4 0 3 5 4 0 4 1 3 8

波長 1 5 0 0 n m 1 7 1 4 1 5 2 0 1 8 波長 2 0 0 0 n m 3 2 1 5 3

表 1から明らかなように、実施例 1 〜 5に係る組成物は、波長 1 2 0 0 n m以上の近赤外線を高い効率で遮断若しくは減衰させるものであることが確認された。特に、特定可視光線吸収剤が含有された実施例 3に係る組成物によれば、波長 5 0 0 - 6 0 0 の可視光線が選択的に吸収されることが確認された。

Claims

請求の範囲

1. 粘着性アクリル系樹脂と、下記の（ a ) および（b ) から選ばれる少なくとも 1種の赤外線吸収剤とが含有されていることを特徴とするァクリル系樹脂組成物。

( a ) 2価の銅イオンからなる金属イオン

(b ) 酸化インジウム、酸化スズまたはこれらの両者からなる粒子伏金属酸化物 2 - 赤外線吸収剤として 2価の銅イオンからなる金属イオンが含有されると共に、リン酸エステル若しくはホスホン酸エステルよりなるリン酸基含有化合物が含有されていることを特徴とする請求項 1 に記載のァクリル系樹脂組成物。

3. リン酸基含有化合物が、下記式（ 1 ) で表されるリン酸エステルまたは下記式（ 2 ) で表されるホスホン酸エステルであることを特徴とする請求項 2に記載のァクリル系樹脂組成物。

式（ 1) PO (OH)„(OR¹)₃-„

〔但し、 R¹は炭素数が 1〜20のアルキル基、または

式（2) POR²(OH)(OR³)

であり、 R²と R³とは、同じであっても、異なっていてもよい。〕

4. 赤外線吸収剤として 2価の銅イオンよりなる金属イオンが、粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して 0. 0 1〜 1 .5質量部の割合で含有されていることを特徴とする請求項 1乃至請求項 3のいずれか一に記載のァクリル系樹脂組成物

5 . 赤外線吸収剤として酸化インジウム、酸化スズまたはこれらの両者からなる粒子状金属酸化物が、粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して 0 . 0 1〜 5 0質量部の割合で含有されていることを特徴とする請求項 i乃至請求項 3のいずれか一に記載のァクリル系樹脂組成物。

6 . 粘着性ァクリル系樹脂 1 0 0質量部に対して、波長 5 0 0 ~ 6 0 0 n mの可視光線を吸収する特定可視光線吸収剤 0 . 0 1〜 1 0質量部が含有されていることを特徴とする請求項 1乃至請求項 3のいずれか一に記載のァクリル系樹脂組成物。

7 . 特定可視光線吸収剤が、 2価のコバルトイオンよりなる金属イオンであることを特徴とする請求項 6に記載のァクリル系樹脂組成物。

8 . 請求項 1乃至請求項 3のいずれか一に記載のァクリル系樹脂組成物よりなることを特徴とするァクリル系粘着剤。

9 . 請求項 6に記載のァクリル系樹脂組成物よりなることを特徴とするァクリル系粘着剤。