JP6463196B2 - 疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体 - Google Patents

疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体 Download PDF

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本発明は、ハロゲン系ガスを発生せず、高い難燃性を発揮するとともに、疎水性樹脂で被覆することにより水や温水への溶出を抑制したポリリン酸アンモニウムに関するものである。
従来より、樹脂、エラストマーやコーティング剤に難燃性を付与する目的で種々の難燃性添加剤が使用されてきた。例えばハロゲン含有化合物は高い難燃性を有することから、単独、もしくは酸化アンチモン等のアンチモン化合物と組み合わせて使用されてきた。一方、これらを樹脂やエマルジョンに配合した難燃組成物は火災時にハロゲン系ガスや一酸化炭素を発生するおそれがあることから、使用が避けられるようになりつつある。
また、金属水酸化物を用いた場合はこのような問題はないものの、難燃性を発現させるためには大量に配合する必要があり、そのため、配合物本来の加工性や機械的強度が損なわれるといった問題点がある。
そこで、各種リン化合物が有力な選択肢として注目され、実際広く用いられている。中でも、ポリリン酸アンモニウムは難燃性に優れ、他のリン化合物よりも安全性が高く、ブリードアウトにしくいといった特長があり、自動車のシートやカーペット等の内装材織物用難燃剤(バッキング剤)等に添加されている。
一方、シート織物が高温多湿の条件下におかれたり、水や温水をシート織物上にこぼしたりした場合、ポリリン酸アンモニウムが水溶性のため表面に溶出しやすく、シミやぬめりを生じることがある。
また、内装材を製造する際、ポリリン酸アンモニウムをアクリル樹脂などのバインダー成分とともに織物繊維の裏地にコーティングしてウレタン製のシート基盤に貼り合わせるが、ポリリン酸アンモニウムが表面に溶出しているとぬめりによりシートと織物がずれて貼り合わさったり、乾燥後にシミが発生(きわ付き)したりすることにより、外観不良になる場合がある。
さらに、ポリリン酸アンモニウムを含有するコーティング剤を着色して使用する場合、顔料を添加しても発色性が悪いという問題があった。
特許文献1には、熱可塑性樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニウム含有物質が開示されているが、溶出による影響として難燃性低下のみが評価されており、わずかな溶出でも問題となる外観不良については十分に検討されていない。また、熱可塑性樹脂で被覆されることにより、水性溶媒中での保存安定性は低下傾向にある。
特開2001−262466号公報
本発明の課題は、ハロゲン系ガスを発生せず、高い難燃性を発揮するとともに、疎水性樹脂で被覆することにより水や温水への溶出を抑制し、配合物の保存安定性や発色性にも優れたポリリン酸アンモニウムを提供することである。
本発明は、重合性不飽和基またはエポキシ基を有するポリリン酸アンモニウム粒子、および界面活性剤の存在下において、疎水性単量体を含む重合性不飽和基含有単量体を重合することによって得られることを特徴とする疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム粒子複合体である。
本発明に係る改質されたポリリン酸アンモニウムは水や温水中への溶出を抑制できるため、シミやぬめりを抑制できる。よって、特に自動車シート等の内装材の織物用途において有用である。また、水中での貯蔵安定性にも優れるため、分散体を比較的長い期間保管する事ができる。さらに、発色性に優れるため、着色が必要な用途へも問題なく使用できる。
重合性不飽和基またはエポキシ基を有するポリリン酸アンモニウム粒子
本発明では重合性不飽和基またはエポキシ基を有するポリリン酸アンモニウムを用いる。ポリリン酸アンモニウム粒子が重合性不飽和基またはエポキシ基を有することにより、後述する疎水性単量体を重合して得られる疎水性樹脂により効果的に被覆されるものと推測される。
重合性不飽和基またはエポキシ基を有するポリリン酸アンモニウムの製造方法は特に限定されないが、例えばポリリン酸アンモニウムを重合性不飽和基あるいはエポキシ基を有するシランカップリング剤で処理する方法が挙げられる。
ポリリン酸アンモニウム
本発明においてポリリン酸アンモニウムとは、下記一般式(1)又は(2)で示されるリン酸アンモニウムの重合体であり(式中、nは10〜2000程度)、特に限定するものではない。
ポリリン酸アンモニウムは製造方法によりその結晶構造としてはI型、II型、III型、IV型、V型があるが、それらのいずれも使用することができる。
ポリリン酸アンモニウムの粒子径はMicrotrac社MT3000IIのレーザ回析(散乱法による)による平均粒子径が1〜100μmであるものが好ましい。平均粒子径がこの範囲外の場合、被覆された粒子が粗大粒子となるため実用上不適当である。
シランカップリング剤による処理をより効果的に行うため、ポリリン酸アンモニウムの表面をシランで処理した表面シラン処理ポリリン酸アンモニウムを用いることが好ましい。このような粒子はJLS社などから広く市販されており、市販品をそのまま用いることができる。
重合性不飽和基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤
本発明において重合性不飽和基、又はエポキシ基を有するシランカップリング剤とは、ビニル基または(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基、又はエポキシ基と、アルコキシシシリル基などの加水分解によってシラノール基を生成する基を分子内に併せ持つ化合物である。
具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、中でも(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。
また、重合性不飽和基を有しないシランカップリング剤を併用することによって、耐溶出性を高めることができる。
具体的には、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
重合性不飽和基またはエポキシ基を有するポリリン酸アンモニウム粒子の調製
ポリリン酸アンモニウムを重合性不飽和基あるいはエポキシ基を有するシランカップリング剤で処理する方法の具体例として、酢酸などの添加によって弱酸性とした水溶液に重合性不飽和基又はエポキシ基を有するシランカップリング剤を添加して加水分解によりシラノール基を生成させ、さらに表面処理されたポリリン酸アンモニウム粒子を添加した後にアンモニア水の添加によって水溶液をアルカリ性とすることでシラノール基の縮合反応が促進され、重合性不飽和基、又はエポキシ基含有ポリリン酸アンモニウム粒子が調製される。
シランカップリング剤の量はポリリン酸アンモニウム400重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく0.1〜5重量重量部がより好ましい。
重合性不飽和基含有単量体
表面処理されたポリリン酸アンモニウムを被覆するための重合性不飽和基含有単量体は疎水性単量体を含む必要がある。疎水性単量体としては、25℃における水への溶解度が5g/100ml以下であることが好ましく、さらに得られた被覆ポリマーのTgが(ガラス転移温度)0℃以上であると被覆されたポリリン酸アンモニウムを粉体として取り出しやすくなる。このような疎水性単量体としてはアクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキルおよびスチレンなどが挙げられる。
重合性不飽和基含有単量体として、さらに重合性不飽和基を2以上有する単量体を用いることにより、耐溶出性を高めることができる。
重合性不飽和基を2以上有する単量体の具体例として、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングルコールジメタクリレート、トリエチエレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1.9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングルコールジアクリレート、3−メチル-1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。その他、疎水性単量体および重合性不飽和基を2以上有する単量体に該当しない単量体を用いることができる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
単量体の量は表面処理されたポリリン酸アンモニウム100重量部に対して1〜80重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましい。
界面活性剤
界面活性剤は、本願発明において重合性不飽和基含有単量体によってポリリン酸アンモニウムを効果的に被覆するための乳化剤として用いられる。公知のものを広く使用でき、アニオン型、ノニオン型、カチオン型などが挙げられる。これらを複数併用してもよいし、分子内にアニオン部分とノニオン部分を併せ持つ界面活性剤及び分子内に不飽和基を含有している界面活性剤を使用してもよい。
具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルなどが挙げられる。
界面活性剤の量は単量体100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜2重量部がより好ましい。
前記重合性不飽和基含有単量体を重合するための重合開始剤の種類は、乳化重合に使用する水溶性開始剤を使用することが好ましく、代表例として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t-ブチルパーオキサイド等を用いることができる。さらには還元剤として重亜硫酸ソーダ、エリソルビン酸、ビタミンC等の還元剤を併用したレドックス触媒系を使用することもできる。
重合開始剤の量は、モノマーに対し、0.01〜1.0重量%である。0.01重量%未満である場合には、重合速度が著しく遅く、実用的な重合速度には不適当である。1.0重量%を超える場合には、重合速度は速くなるが、重合度が低下する上にポリリン酸アンモニウム表面以外での反応が促進される為、実用的な重合反応には不適当である。
本発明の疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体を得るためには、予め表面処理されたポリリン酸アンモニウムをシランカップリング剤によって表面処理した粒子および界面活性剤の存在下、重合性不飽和基含有単量体を重合すればよい。
具体例として、予め表面処理されたポリリン酸アンモニウムをシランカップリング剤によって表面処理した粒子および界面活性剤を水に分散させ、水溶性重合開始剤存在下にて重合性不飽和基含有単量体を逐次添加することにより重合を進行させることができる。
単量体を重合する際、空気中の酸素の影響を避けるため窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。また、重合温度は50〜90℃の温度範囲で行なうことが好ましく、この範囲であれば安定した重合が十分な速度で進行しやすい。さらに、pHがアルカリ領域では重合反応が進行しにくいため、弱酸性又は酸性領域で行うことが好ましい。このような方法で単量体を重合することにより、平均粒子径が1〜100μm程度の球状疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体が得られる。
このようにして得られた疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体は水や温水中への溶出が抑制されているため、これを難燃剤として添加した各組成物を基材に加工した際のシミやぬめりを抑制できる。また、リンの溶出が抑制させているのでコンパウンド後の貯蔵安定性も良化する。
以下、実施例及び比較例にて本出願に係る疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体について具体的に説明する。
シランカップリング剤処理ポリリン酸アンモニウム粒子分散液の調製
反応釜にイオン交換水1200g、重合性不飽和基含有シランカップリング剤としてKBM−503(3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業製、商品名)1g、加水分解促進剤として酢酸1gを配合して25℃雰囲気下で1時間攪拌を行う。その後表面処理されたポリリン酸アンモニウム(JLS製:APP−102)400gを添加して系中に分散した後に縮合触媒としてアンモニア水(25%)4gを添加した。40℃条件下にて2時間攪拌を行い、実施例1のポリリン酸アンモニウム粒子分散液を調整した。
実施例1
実施例1のポリリン酸アンモニウム粒子分散液を窒素ガスで置換し、界面活性剤としてハイテノールNF−17(第一工業製薬製、商品名)1gを添加して75℃まで昇温した後に重合触媒として過硫酸カリウム0.05gを添加して単量体としてメタクリル酸メチル(MMA)99gを3時間かけて逐次添加した。
その後2時間75℃で熟成した後に重合反応を終了し、生成重合物粒子を純水洗浄、濾別、乾燥した。得られた生成重合物粒子は、平均粒子径が25μmの非球状粒子であり、電子顕微鏡観察の結果、メタクリル酸メチル樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニムであった。
実施例2〜10、比較例1〜6
実施例1で用いた材料の他、重合性不飽和基を有するシランカップリング剤としてKBE−502(3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、信越化学工業製、商品名)、エポキシ基を有するシランカップリング剤としてKBM−403(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業製、商品名)、重合性不飽和基およびエポキシ基を有しないシランカップリング剤としてKBM−13(メチルトリメトキシシラン信越化学工業製、商品名)、KBE−103(フェニルトリエトキシシラン、信越化学工業製、商品名)を表1記載の配合に置き換えて各ポリリン酸アンモニウム粒子分散液を調製し、さらに25℃における水への溶解度が5g/100ml以下の単量体であるスチレン(SM)、メタクリル酸ブチル(BMA)、アクリル酸エチル(EA)、アクリル酸ブチル(BA)、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、25℃における水への溶解度が5g/100mlを超える単量体であるアクリル酸および2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)、アクリル酸(AA)、重合性不飽和基を2以上有する単量体としてエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTA)、界面活性剤としてハイテノールN−08(第一工業製薬製、商品名)、アクアロンBC−1025(第一工業製薬製、商品名)、DKSNL−180(第一工業製薬製、商品名)を表1記載の配合で用いた他は実施例1と同様にして各実施例生成重合物粒子を得た。実施例2〜10で得られた生成重合物粒子は、電子顕微鏡観察の結果、いずれもアクリル重合により得られたポリマーによってポリリン酸アンモニウム粒子の表面が被覆された疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム粒子複合体であった。
各生成重合物粒子について、以下の方法で評価を行い、結果を表2にまとめた。
難燃性樹脂組成物の調製
固形分を基準として、樹脂エマルジョン(アイカ工業製:RA−1200BA)を100重量部、消泡剤(サンノプコ製:SNデフォーマー369)0.5部、分散剤(ラウリル硫酸アンモニウム)1部、上記方法によって得られた疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体を150重量部、アルカリ増粘剤(アイカ工業製:V−280)4部を配合し、その後、アンモニア水でpHを8.5に混合することにより、難燃性樹脂水性組成物を得た。
難燃性
カーシート用の織物基布(目付270g/m)に各難燃性樹脂組成物をドクターナイフで固形分として60g/m塗布し、150℃雰囲気下で5分間乾燥した。これを350mm×200mmに裁断し、20℃、65%RH雰囲気中で24時間放置したものを試料とした。
自動車内装分野向け難燃規格であるFMVSS−302に従い、作成した試料について水平法により燃焼試験を行なった。
◎:不燃および評線以下で自己消火
○:評線を越えて燃焼速度80mm/分以下もしくは標線から51mm以内且つ60秒以内に自己消火
×:上記以外
溶解性
250mlのPPカップに各生成重合物粒子を10g秤量する。これに蒸留水を100℃に煮沸させた水を100g加え、室温下でマグネチックスターラーで60分攪拌する。攪拌後の試料を30mlスクリュー管に25gを入れて遠心分離機に掛け、透明層(僅かな濁りは透明層とする)を得る。透明層から2mlをピペットで採取し、160±5℃雰囲気下で20分間乾燥することにより、透明層の固形分を測定した。
貯蔵安定性
各難燃性樹脂組成物の初期粘度を測定後、ポリ容器に封入して50℃雰囲気下で1ヶ月保存した後に再度粘度を測定し、保存前の粘度と比較して以下のように評価した。
○:初期粘度から100%未満の範囲で増粘
×:初期粘度から100%以上の増粘
発色性
上記方法によって得られた疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体100gおよび1重量%に調整した以下記載の各顔料分散液200gを混合して30分攪拌した後、吸引ろ過による脱水を行い、80℃で12時間乾燥することにより、顔料によって着色された疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体を得た。脱水時のろ液の透明度および得られた着色粒子の外観を目視で観察し、以下のように評価した。
発色性○:粒子が均一に着色し、ろ液が透明
発色性×:粒子が未着色または着色にムラが有るか、ろ液が着色(各顔料色)
なお、着色剤として以下の顔料を使用した。
黒色:ネオカラーブラックMK−A(商品名、松井色素社製)
黄色:PSMエローRS(商品名、御国色素社製)
青色:SAブルー12422(商品名、御国色素社製)
赤色:AMI−2150 ORANGE(商品名、大日精化社製)
紫色:PSMバイオレットA721(商品名、御国色素社製)
緑色:PSMエローRSおよびSAブルー12422を重量比1:1で混合したもの
表1に示されるように各実施例の疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム複合体はいずれの評価も良好であった。一方、各比較例では耐溶解性、貯蔵安定性、発色性が十分でなかった。

Claims (4)

  1. 重合性不飽和基またはエポキシ基を有するポリリン酸アンモニウム粒子、および界面活性剤の存在下において、疎水性単量体を含む重合性不飽和基含有単量体を重合することによって得られることを特徴とする疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム粒子複合体。
  2. 前記重合性不飽和基またはエポキシ基を有するポリリン酸アンモニウム粒子が、重合性不飽和基あるいはエポキシ基を有するシランカップリング剤で処理されたポリリン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1記載の疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム粒子複合体。
  3. 疎水性単量体が、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、およびスチレンから選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2記載の疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム粒子複合体。
  4. 前記重合性不飽和基含有単量体として、重合性不飽和基を2以上有する単量体を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の疎水性樹脂−ポリリン酸アンモニウム粒子複合体。
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