JP6206137B2 - 水性再剥離型粘着剤および再剥離型粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、再剥離性を有する水性粘着剤に関する。
再剥離型粘着シートは、基材および粘着剤層から構成される。その基材は、プラスチックフィルム、合成紙、紙、金属箔等が用いられている。その中で特に紙基材を使用した再剥離型粘着シートは、食品や工業製品等の物流管理用ラベル、配送用の宛名表示ラベル、控え表等のフォーム印刷用原反、粘着テープ等に幅広く用いられている。
従来、紙基材は、ロジン系サイズ剤の定着に硫酸アルミニウムを使用して酸性抄紙した酸性紙が主流であったが、硫酸アルミニウムは弱酸性であるので繊維の主成分であるセルロースが加水分解し、紙基材が経時で劣化するため長期の保存が難しい問題があった。
そこで近年、紙基材の長期保存性を考慮して、炭酸カルシウム等の中性サイズ剤を使用して抄紙した中性紙が広く使用されている。
この炭酸カルシウムは、粒子径、粒度分布、粒子形状の制御が容易であり、白色度や不透明度も高く、コストも安かった。しかし、酸性下では溶解してしまうので、酸性紙では使用されてはいなかったが、中性紙では、炭酸カルシウムをサイズ剤として使用できる。
前記状況により再剥離型粘着シートの基材として中性紙が使用されるようになった。しかし、紙基材を使用した再剥離型粘着シートには水性のアクリル系粘着剤を使用するのが一般的であるが、前記粘着剤に含まれるアクリル樹脂は、重合の促進および所望の粘着力を得るためにカルボキシル基を有しているが、中性紙に含まれる炭酸カルシウムのような2価元素がイオン化しては雰囲気下の水分の影響により経時で粘着剤層に移行する。そして前記カルシウムイオンがカルボキシル基と架橋反応することで、再剥離型粘着シートの粘着力が大きく低下する問題が発生した。
そこで特許文献1には、紙層にカルシウム成分を含む表面基材、アクリル系共重合体を主成分とする粘着剤層、剥離シートを順次積層してなる粘着シートにおいて、表面基材中のカルシウム成分と、粘着剤層中のアクリル系共重合体のカルボン酸成分が、イオン化することを抑制した粘着シートが開示されている。
特開2002−338909号公報
しかし、従来の水性再剥離粘着剤は、硫酸塩や燐酸塩を配合していたが、カルシウムイオンに代表される2価元素イオンによる架橋の抑制は不十分であった。また、金属封鎖剤を使用すると粘着剤の粘度が低下するため、粘着剤の塗工で一般的な塗工装置(例えばコンマコーター)を使用できない問題があった。
本発明は、基材に中性紙を使用した場合に経時で粘着力が低下し難い再剥離粘着シートを作成できる、塗工性が良好な再剥離型粘着剤に提供を目的とする。
本発明の水性再剥離型粘着剤は、D50平均粒子径が20〜60μmのアクリル系粒子(A)と、D50平均粒子径が0.1〜0.6μmのアクリル系粒子(B)と、架橋剤(C)とを含み、
前記アクリル系粒子(B)は、カルボキシル基含有単量体、水酸基含有単量体およびその他の単量体を含む単量体混合物を、オキシ酸のアルカリ金属塩(D)およびポリリン酸のアルカリ金属塩(E)、アニオン反応性乳化剤(F)およびエチレンオキサイド単位の繰り返し数が7〜20であるノニオン非反応性乳化剤(G)の存在下で重合した粘着剤である。
上記構成の本発明によれば、アクリル系粒子(B)のカルボキシル基の一部と架橋剤(C)を反応させることで、経時でのカルシウムイオンとカルボキシル基の反応による粘着力低下を抑制した。また、アクリル系粒子(B)は、水酸基含有単量体およびアニオン反応性乳化剤(F)を使用したことで粒子の凝集力が向上し、かつエチレンオキサイド単位の繰り返し数が7〜20であるノニオン非反応性乳化剤(G)を使用したことで粒子の性情が疎水性寄りにシフトすることで粘着剤層に水が浸入し難い性質が得られた。さらに水性再剥離粘着剤がオキシ酸のアルカリ金属塩(D)およびポリリン酸のアルカリ金属塩(E)を含むことで粘着剤層に侵入したカルシウムイオンを捕集することができた。これらの要因により基材に中性紙を使用したときに経時で粘着力が低下し難い効果が得られた上、水性再剥離粘着剤は、塗工に支障が無い適度な粘度が得られた。
本発明により、基材に中性紙を使用した場合に粘着力が低下し難い再剥離粘着シートを作成できる、塗工性が良好な再剥離型粘着剤を提供できた。
まず、本発明の用語を説明する。粘着シートのシートは、フィルムおよびテープと同義語である。また、単量体はエチレン性不飽和単量体である。
本発明の水性再剥離型粘着剤は、D50平均粒子径が20〜60μmのアクリル系粒子(A)と、D50平均粒子径が0.1〜0.6μmのアクリル系粒子(B)と、架橋剤(C)とを含み、前記アクリル系粒子(B)は、アクリル酸、メチルメタクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレート、水酸基含有単量体を含む単量体混合物を、オキシ酸のアルカリ金属塩(D)およびポリリン酸のアルカリ金属塩(E)、アニオン反応性乳化剤(F)およびエチレンオキサイド単位の繰り返し数が7〜20であるノニオン非反応性乳化剤(G)の存在下に重合した粘着剤である。
本発明の水性再剥離型粘着剤は、剥離性シートまたは基材に塗工することで粘着剤層を形成し、基材を備えた再剥離型粘着シートとして使用することが好ましい。再剥離型粘着シートの基材は、紙、プラスチックおよび合成紙等の一般的な素材を使用できる。本発明では、特に基材に中性紙を使用したとき、経時で粘着力が低下し難い効果が得られる。
本発明の水性再剥離型粘着剤は、平均粒子径が比較的小さいアクリル系粒子(B)が被着体と密着し、粘着力を得るためのバインダー成分として働き、平均粒子径が比較的大きなアクリル系粒子(A)は、粘着剤層に多数の突起を形成することで、アクリル系粒子(B)と被着体との過剰な密着を抑制し、主に再剥離性を得るために働く。
前記アクリル系粒子(A)は、D50平均粒子径が20〜60μmである。この平均粒子径を得るためには、原料の単量体混合物を乳化剤と分散剤の存在下、懸濁重合により合成することが好ましい。なおD50平均粒子径は、光散乱式粒子径測定装置「マイクロトラック9320HRA」(商品名);日機装(株)製〕等で測定できる。なお測定は、水で希釈を行い、測定濃度は画面に表示される最適濃度ケ゛ーシ゛幅に入るように調整を行う。
前記単量体混合物は、カルボキシル基含有単量体、その他の単量体を使用することが好ましい。
前記カルボキシル基含有単量体は、例えば、アクリル酸(Tg 106℃)、メタクリル酸(Tg 186℃)、イタコン酸(Tg 100℃)、マレイン酸(Tg 130℃)などが挙げられる。これらの中では、アクリル酸が好ましい。なおTgはガラス転移温度(℃)、単量体のTgは、そのホモポリマーのガラス転移温度である。
カルボキシル基含有単量体は、前記単量体混合物中に0.5〜5重量部が使用することが好ましく、1〜3重量部がより好ましい。0.5〜5重量部の範囲にあることで重合安定性および粒子内の凝集力をより向上できる。
前記その他の単量体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびその他ビニル系単量体が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えばアクリル酸メチル(Tg 8℃)、アクリル酸エチル(Tg −22℃)、アクリル酸ブチル(Tg −52℃)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(Tg −70℃)等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル(Tg 105)、メタクリル酸エチル(Tg 65℃)、メタクリル酸ブチル(Tg 20℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(Tg −10℃)、メタクリル酸シクロヘキシル(Tg 66℃)等のメタクリル酸エステル類が挙げられる。
前記その他ビニル系単量体は、例えばスチレン(Tg 65℃)、α−メチルスチレン(Tg 168℃)、ベンジルメタクリレート(Tg 54℃)等の芳香族単量体;、酢酸ビニル(Tg 29℃)等のビニルエステル類;、ビニルピロリドン(Tg 180℃)の如き複素環式ビニル化合物;、グリシジルメタクリレート(Tg 41℃)等のグリシジル基含有単量体;、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg 55℃)等の水酸基含有単量体;、ジメチルアミノエチルメタクリレート(Tg 18℃)等のアミノ基含有単量体;、アクリルアミド(Tg 153℃)等のカルボン酸アミド基含有単量体;、アクリロニトリル(Tg 100℃)等のシアノ基含有単量体;、ジアリルフタレート(Tg 90℃)等の多官能ビニル単量体;などが挙げられる。これら単量体の中でも2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
単量体は、2種類以上使用することが好ましい。
前記その他の単量体は、前記単量体混合物中に95〜99.5重量部が使用することが好ましく、97〜99重量部がより好ましい。95〜99.5重量部の範囲にあることで粘着力と凝集力のバランスがより取り易くなる。
アクリル系粒子(A)のTgは、−70〜−65℃が好ましい。かかるTgにより被着体に対するタックをより向上できる。
本発明で粒子(共重合体)のガラス転移温度(Tg)は、下記数式(1)で得られた計算値である。
数式(1) 1/Tg=[(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・(Wn/Tgn)]/100
ただし、W1:単量体1の重量%、Tg1:単量体1のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)、W2:単量体2の重量%、Tg2:単量体2のみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)、Wn:単量体nの重量%、Tgn:単量体nのみから形成され得るホモポリマーのガラス転移温度(°K)。なお、W1+W2+・・・・+Wn=100である。また、Tgの計算には単量体のみを使用し、共重合可能であっても反応性乳化剤は含めない。
本発明においてホモポリマーのガラス転移温度は、『北岡協三著、「塗料用合成樹脂入門」、高分子刊行会、昭和49年5月25日発行』によった。
前記懸濁重合は、乳化剤と分散剤を併用することが好ましい。前記乳化剤は、アニオン乳化剤およびノニオン乳化剤が使用できるが、アニオン乳化剤を使用すると安定した懸濁液(アクリル系粒子(A)の分散液)を製造できるため好ましい。
前記乳化剤は、エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤、およびエチレン性不飽和基を有さない非反応性乳化剤が好ましい。
前記反応性乳化剤は、例えばビニルスルホン酸ソーダ、アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸アンモニウム、メタクリル酸ポリオキシエチレンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルケニルフェニル硫酸ソーダ、ナトリウムアリルアルキルスルホサクシネート、メタクリル酸ポリオキシプロピレンスルホン酸ソーダ等のアニオン反応性乳化剤。ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンメタクリロイルエーテル等のノニオン系反応性乳化剤などが挙げられる。
前記非反応性乳化剤は、例えばドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン乳化剤。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなどのポリオキシ多環フェニルエーテル類;、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン乳化剤などが挙げられる。
前記乳化剤は、単量体混合物100重量部に対し、0.1〜10重量部が使用することが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.1〜10重量部の範囲にあると再剥離性および重合安定性をより向上できる。
前記分散剤は、懸濁重合時に使用すると重合安定性をより高めることができる。前記分散剤は、いわゆる水溶性の保護コロイドである。具体的には、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール;、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;等が挙げられる。
前記分散剤は、単量体混合物100重量部に対して0.1〜10重量部が使用することが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
本発明において懸濁重合には、油溶性重合開始剤を使用することが好ましい。具体的には、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカルボナート、t-ブチルペルオキシビバラート、t-ブチルペルオキシベンゾアート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノアート、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビスメチルイソブチラート等が挙げられる。
前記油溶性重合開始剤は、単量体混合物100重量部に対して0.1〜1.2重量部が好ましく、0.3〜0.8重量部がより好ましい。0.1〜1.2重量部の範囲にあることで、懸濁重合時の重合安定性がより向上する。
本発明において懸濁重合の反応温度は70℃以上が好ましく、80℃以上で96℃以下がより好ましい。
本発明において懸濁重合の際、分子量の調節のため、連鎖移動剤を使用してもよい。
前記連鎖移動剤は、例えば、チオール基や水酸基を有する化合物が一般に知られている。チオール基を有する化合物としては、例えば、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエチルアルコール、ドデシルメルカプタン、メルカプトコハク酸等のメルカプタン類、メルカプトプロピオン酸n−ブチルやメルカプトプロピオン酸オクチル等のメルカプトプロピオン酸アルキル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル等のメルカプトプロピオン酸アルコキシアルキルが挙げられる。水酸基を有する化合物としてはメチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類があげられる。これらの中でも粘着剤の臭気および凝集物をより低減する観点からイソプロピルアルコール等のアルコール類が好ましい。
前記連鎖移動剤は、単量体混合物100重量部に対して0.01〜0.1重量部が好ましく、0.03〜0.07重量部がより好ましい。0.01〜0.1重量部の範囲にあることで所望の分子量に調整し易くなる。
本発明において懸濁重合で使用する溶媒は、水が好ましいが、本発明の効果が得られる範囲内であればアルコール等の親水性溶媒を使用できる。
前記アクリル系粒子(A)は、塩基性化合物で中和することが好ましい。塩基性化合物としては、アンモニアや、アミン類として、モノエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルプロパノールアミン等が好ましい。
アクリル系粒子(A)のD50平均粒子径は20〜60μmが好ましい。かかる平均粒子径により粘着力および再剥離性を両立し易くなる。
本発明においてアクリル系粒子(A)のゲル分率は、30〜95重量%が好ましく、50〜90重量%がより好ましい。30〜95重量%の範囲にあることで、粘着力および再剥離性がより向上するのに加えて、粘着剤と基材との密着性(投錨性ともいう)がより向上する。
本発明においてゲル分率(重量%)の測定方法は、次の通りである。すなわち、水性再剥離型粘着剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに乾燥膜厚が約200μmとなるように塗工後、23℃で7日間乾燥させる。次に200メッシュ金網の重量を測定する(その重量をMとする)。粘着シートを5cm×5cmの大きさに切断し、200メッシュ金網に貼り合わせた試験片の重量を測定する(その重量をAとする)。なお200メッシュはJIS G-3555で規定されたメッシュである。
その試験片を50mlの酢酸エチル中に50℃で1日放置する。その後取り出し、100℃にて20分間乾燥させた後、重量を測定する(その重量をTとする)。
続いて試験片からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを取り出し、酢酸エチルを用い、粘着剤層を除去し、PETフィルムの重量を測定する(その重量をKとする)。得られた数値を下記数式(1)に代入してゲル分率を求める。
数式(1) (T−M−K)×100/(A−M−K)
前記アクリル系重合体(B)は、カルボキシル基含有単量体、水酸基含有単量体およびその他の単量体を含む単量体混合物を、オキシ酸のアルカリ金属塩(D)およびポリリン酸のアルカリ金属塩(E)、アニオン反応性乳化剤(F)およびエチレンオキサイド単位の繰り返し数が7〜20であるノニオン非反応性乳化剤(G)の存在下に重合して得る。
前記アクリル系粒子(B)は、単量体混合物を乳化重合することで得ることが好ましい。
アクリル系重合体(B)は、水酸基含有単量体および乳化剤にアニオン反応性乳化剤(F)を使用したことで粒子の凝集力が向上し、および特定範囲のエチレンオキサイト鎖を有するノニオン非反応性乳化剤(G)を使用することでアクリル系粒子(B)を疎水性寄りにシフトできるため、粘着剤層の形成後に水が侵入し難い性質が得られたことで水と共に侵入するカルシウムイオンの侵入を抑制できる。
前記カルボキシル基含有単量体、アクリル系粒子(A)で説明した単量体を使用できる。
カルボキシル基含有単量体は、単量体混合物100重量%中に0.5〜2重量使用することが好ましく、0.8〜1.1重量がより好ましい。0.5〜2重量の範囲にあることで乳化重合のときの重合安定性がより向上し、中性紙含まれる、例えばカルシウムイオンとの間の架橋反応をより抑制できる。
前記水酸基含有単量体は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。
水酸基含有単量体は、単量体混合物100重量%中に1〜10重量使用することが好ましく、2.5〜7.5重量がより好ましい。1〜10重量の範囲にあることで、アクリル系粒子(B)の凝集力が向上できる。
前記その他の単量体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびその他ビニル系単量体が好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えばアクリル酸メチル(Tg 8℃)、アクリル酸エチル(Tg −22℃)、アクリル酸ブチル(Tg −52℃)、アクリル酸−2−エチルヘキシル(Tg −70℃)等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル(Tg 105)、メタクリル酸エチル(Tg 65℃)、メタクリル酸ブチル(Tg 20℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(Tg −10℃)、メタクリル酸シクロヘキシル(Tg 66℃)等のメタクリル酸エステル類が挙げられる。
前記その他ビニル系単量体は、例えばスチレン(Tg 65℃)、α−メチルスチレン(Tg 168℃)、ベンジルメタクリレート(Tg 54℃)等の芳香族単量体;、酢酸ビニル(Tg 29℃)等のビニルエステル類;、ビニルピロリドン(Tg 180℃)の如き複素環式ビニル化合物;、グリシジルメタクリレート(Tg 41℃)等のグリシジル基含有単量体;、ジメチルアミノエチルメタクリレート(Tg 18℃)等のアミノ基含有単量体;、アクリルアミド(Tg 153℃)等のカルボン酸アミド基含有単量体;、アクリロニトリル(Tg 100℃)等のシアノ基含有単量体;、ジアリルフタレート(Tg 90℃)等の多官能ビニル単量体;などが挙げられる。
これら単量体の中でも(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、2−エチルヘキシルアクリレートおよびメタクリル酸メチルが好ましい。2−エチルヘキシルアクリレートを使用すると粘着力および凝集力がより向上する。また、メタクリル酸メチルを使用すると粘着力および重合安定性のバランスが取り易くなる。
2−エチルヘキシルアクリレートを使用する場合、単量体混合物100重量%中、80〜98重量%使用することが好ましく、89〜94重量%がより好ましい。メタクリル酸メチルを使用する場合、単量体混合物100重量%中、1〜19重量%使用することが好ましく、5〜10重量%がより好ましい。
アクリル系粒子(B)のD50平均粒子径は、0.1〜0.6μmである。
前記アクリル系粒子(B)のガラス転移温度は、−70〜−45℃が好ましい。前記範囲にあることで粘着力および凝集力をより向上できる。
前記アクリル系粒子(B)は、単量体混合物を重合する際に、オキシ酸のアルカリ金属塩(D)(以下、アルカリ金属塩(D)という)およびポリリン酸のアルカリ金属塩(E)(以下、をアルカリ金属塩(E)という)使用する。アルカリ金属塩(D)およびアルカリ金属塩(E)を使用することで、カルシウムイオンのような2価元素イオンを捕集することで、カルボキシル基の架橋反応を抑制し、粘着力の経時低下を抑制できる。
アルカリ金属塩(D)は、例えばクエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムどが挙げられる。
アルカリ金属塩(E)は、例えばトリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。
本発明においてアルカリ金属塩(D)およびアルカリ金属塩(E)の合計量は、単量体混合物100重量部に対して1〜10重量部使用することが好ましく、1〜5重量部がより好ましい。
また、アルカリ金属塩(D)およびアルカリ金属塩(E)は、重量比で(D)/(E)=75/25〜25/75の範囲が好ましい。係る範囲により経時での粘着力低下がより抑制できる。
前記乳化重合は、アニオン反応性乳化剤(F)およびエチレンオキサイド単位の繰り返し数が7〜20であるノニオン非反応性乳化剤(G)を使用する。アニオン反応性乳化剤(F)を使用することでアクリル系粒子(B)の凝集力が向上する。また、エチレンオキサイド単位の繰り返し数が7〜20であるノニオン非反応性乳化剤(G)を使用することでアクリル系粒子(B)が疎水性寄りにシフトする。本発明では係る乳化剤の使用により凝集力、粘着力および再剥離性が良好な水性再剥離型粘着剤が得られる。
アニオン反応性乳化剤(F)は、アクリル系粒子(A)で説明した乳化剤を使用できる。
アニオン反応性乳化剤(F)は、単量体混合物100重量部に対して、0.1〜10重量部使用することが好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.1〜10重量部の範囲にあることで疎水性、再剥離性および重合安定性がより向上する。
ノニオン非反応性乳化剤(G)は、アクリル系粒子(A)で説明した乳化剤の中でエチレンオキサイド単位の繰り返し数(以下、EOユニット数という)が7〜20の乳化剤を使用する。EOユニット数が前記範囲にあることでアクリル粒子(B)の疎水性および重合安定性が向上する。
なお、本発明の効果が得られる範囲内であれば、他の乳化剤を併用できる。
ノニオン非反応性乳化剤(G)は、単量体混合物100重量部に対して、0.1〜5重量部使用することが好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。0.1〜5重量部の範囲にあることで疎水性、再剥離性および重合安定性がより向上する。
本発明において乳化重合に用いる重合開始剤は、水溶性重合開始剤が好ましい。前記水溶性重合開始剤は、過酸化物が好ましく、過酸化物に還元剤を組み合わせて用いること(以下、レドックス開始剤ともいう)がより好ましい。レドックス開始剤を使用するとアクリル系粒子(B)の分子構造は、分岐が少ない線状の構造になり易く、再剥離性がより向上する。これにより粘着力特にダンボールの様な粗面に対する粘着力と再剥離性を両立し易くなる。
前記過酸化物は、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、ターシャリーブチルハイドロパーオキサド等が挙げられる。
前記還元剤は、例えばピロ亜硫酸ソーダ、L−アスコルビン酸、鉄(II)塩等が挙げられる。
レドックス開始剤の具体的な組み合わせは、例えば、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩の組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ等が好ましい。本発明では再剥離性をより向上させる観点から過硫酸アンモニウムとピロ亜硫酸ソーダとの組み合わせがより好ましい。
水溶性重合開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、0.2〜1重量部使用することが好ましく、0.2〜0.6重量部がより好ましい。0.2〜1重量部であることで乳化重合性および再剥離性をより向上できる。なおレドックス開始剤を使用するときは過酸化物/還元剤=2/1(重量比)程度で使用することが好ましい。
アクリル系粒子(B)の乳化重合の際、アクリル系粒子(A)と同様に分子量の調節のため、連鎖移動剤を使用できる。
本発明において乳化重合で使用する溶媒は、水が好ましく、本発明の効果が得られる範囲内であればアルコール等の親水性溶媒を併用できる。
前記アクリル系粒子(B)は、塩基性化合物で中和することが好ましい。アクリル系粒子(A)と同様に塩基性化合物を使用できる。
アクリル系粒子(B)のD50平均粒子径は、0.1〜0.6μmが好ましく、0.2〜0.5μmがより好ましい。0.1〜0.6μmの範囲にあることでエマルジョンに粘度を適切にすることが容易になり、粘着剤の塗工性をより向上できる上、再剥離性もより向上できる。
本発明の水性再剥離型粘着剤は、アクリル系粒子(B)を含むことで、アクリル系粒子(A)が、粘着剤層の表面に多数の突起を形成する。突起部分(凸部分)に当たるアクリル系粒子(A)は、タックが少ないため、被着体に対する粘着力は、アクリル系粒子(A)により密着を阻害されたアクリル系粒子(B)が受け持つ。本発明の水性再剥離型粘着剤は、再剥離し易く、適度な粘着力が得られる粘着剤である。
アクリル系粒子(A)およびアクリル系粒子(B)の配合は重量比で(A)/(B)=
75/25〜25/75が好ましい。前記範囲にあることで粘着力および再剥離性をより高い水準で得ることができる。
本発明において架橋剤(C)は、カルボキシル基と反応できる官能基を有する化合物であれば良く、エポキシ化合物、アミン化合物、金属化合物等が好ましい。
前記金属化合物は、例えば、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、コバルト化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、銅化合物等が挙げられる。これらの中でも亜鉛化合物は、経時後の再剥離性が良好であり好ましい。なお金属化合物は金属錯体であることがより好ましい。
架橋剤(C)は、ごく微量使用すればよく、通常は、アクリル系粒子(A)とアクリル系粒子(B)の合計100重量部に対して0.01〜0.5重量部程度である。
本発明の水性再剥離型粘着剤は、粘着力をより向上させるため粘着付与樹脂を含むことができる。粘着付与樹脂は、主に天然樹脂と合成樹脂が好ましい。
前記天然樹脂は、例えばロジン樹脂(ロジン、ロジンエステル、ロジンフェノール、無色ロジン誘導体等)、テルペン樹脂(テルペン、芳香族変性テルペン、テルペンフェノール等)等が好ましい。
前記合成樹脂は、例えば石油樹脂(スチレン系、α―メチルスチレン系、脂肪族系等が挙げられる)、その他(フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等が挙げられる)が好ましい。これらの中でもロジン樹脂、テルペン樹脂、石油系樹脂が好ましく、ロジン樹脂がより好ましい。ロジン樹脂を用いると、タック、再剥離性および粘着力の経時安定性をより高めることができる。また、粘着付与樹脂は、水分散タイプを用いることが好ましい。
本発明の水性再剥離型粘着剤には、必要に応じて、一般の水性粘着剤に使用される種々
の添加剤、例えば消泡剤、湿潤剤、着色顔料、増粘剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、防腐剤などを配合することができる。
本発明において水性再剥離型粘着剤のゲル分率は、45〜90重量%が好ましく、60〜80重量%であることがより好ましい。ゲル分率が45〜90重量%の範囲にあることで再剥離性と投錨性をより高レベルで両立できる。ゲル分率の測定は、アクリル系粒子(A)で説明した方法を使用できる。
本発明の再剥離型粘着シートについて説明する。本発明の再剥離型粘着シートは、基材
および水性再剥離型粘着剤から形成した粘着剤層を有する。なお、本発明において粘着シートは、粘着フィルム、粘着テープまたは粘着ラベルということがある。
いう。
本発明の再剥離型粘着シートは、水性再剥離型粘着剤を剥離性シートに塗工し、乾燥した後に、基材と貼り合わせることで製造できる。または基材に水性再剥離型粘着シートを直接塗工し、乾燥後に剥離性シートと貼り合わせる方法により製造できる。
前記基材は、上質紙、コート紙、含浸紙および合成紙等が使用できる、また紙にサイズ剤を定着させる方法により酸性紙、中性紙がある。本発明では、基材に中性紙を使用した場合に経時で粘着力が低下し難い再剥離型粘着シートが得られる。
前記剥離性シートは、シリコーン等で剥離処理された紙およびプラスチックフィルム等を使用できる。
粘着剤の塗工は、例えばコンマコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等のロールコーター、スロットダイコーター、リップコーター、カーテンコーター等の公知の塗工装置を使用できる。また、粘着剤層の厚みは、0.1〜200μmが好ましい。
本発明の再剥離型粘着シートは、さらにアンカー層、印刷層、オーバーコート層等を備えることができる。
本発明の再剥離型粘着シートは、配送の荷札ラベル、産業用、家庭用の伝票ラベル、建材用、家庭用のマスキングテープなどに広くに使用できる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の みに限定されるものではない。なお、実施例において「部」は、「重量部」、「%」は、「重量%」を示す。
<実施例1>
「アクリル系粒子(A)の製造」
還流冷却器、攪拌機、温度計、窒素導入管、原料導入口を具備する容積2Lの4つ口フラスコ(以下、反応容器という)にイオン交換水700部、分散剤としてゴーセノールKH−17(部分ケン化ポリビニルアルコール、不揮発分5% 日本合成化学社製)水溶液100部、ニューコール707SF(アニオン非反応性乳化剤 不揮発分30% 日本乳化剤社製)の水溶液33.3部を仕込み、充分に攪拌して溶解した。
次に別の容器に2−エチルヘキシルアクリレート(以後、「2EHA」と略す)490部、アクリル酸10部(以後、「AA」と略す)、油溶性重合開始剤としてパーブチルPV(純度70% 日本油脂社製)1.7部を配合し攪拌混合し、油溶性重合開始剤が溶解した事を確認した後に、この混合液を前記反応容器に添加して1時間攪拌した。
次に反応容器にイオン交換水400部を添加し、窒素雰囲気下加熱を開始した。反応開始を確認後、内温を75℃に保持して4時間反応を行った。反応終了後冷却を開始した。常温まで冷却後し、アンモニア水で中和を行い不揮発分26.0%、pH8.0、粘度100mPa・s、D50平均粒子径50μmのアクリル系粒子(A)の分散体を得た。
なお単量体組成から算出されるガラス転移温度の理論Tgは−68.1℃であった。
「アクリル系粒子(B)の製造」
還流冷却器、攪拌機、温度計、窒素導入管、原料投入口を具備する容積2Lの反応容器に、イオン交換水31部を入れ、窒素を導入しつつ攪拌しながら、内温が70℃になるまで加熱した。
次に別の容器に、2EHA 90部、メタクリル酸メチル(以後、「MMA」と略す)3部、AA 1部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、「2−HEMA」と略す)6部、乳化剤としてとしてアクアロンKH−10(アニオン反応性乳化剤 エチレンオキサイト単位の繰り返し数(以下EO単位数という)10 不揮発分99% 第一工業製薬社製)2部、エマルゲン1118S−70(EO単位数18のノニオン非反応性乳化剤 不揮発分70% 花王社製)1部、クエン酸ナトリウム(オキシ酸のアルカリ金属塩 昭和化工社製)1部、トリポリリン酸ナトリウム(ポリリン酸のアルカリ金属塩 和光純薬工業社製)2部、イオン交換水36部の混合物をホモミキサーで攪拌混合することで乳化し、単量体エマルジョンを得た。
前記反応容器に、前記単量体エマルジョンのうち5%を添加し、同時に水溶性重合開始剤として5%過硫酸アンモニウム(以後、「APS」と略す)水溶液0.4部及び2%ピロ亜硫酸ナトリウム(以後、「SMBS」と略す)水溶液0.5部を添加して乳化重合を開始した。
前記水溶性重合開始剤添加から10分後に、上記単量体エマルジョンの95%及び5%APS水溶液3.6部及び2%SMBS水溶液4.5部を共に5時間かけて滴下した。この間反応温度を70℃に保った。
滴下終了後、70℃で3時間反応を継続した。その後冷却を開始し、常温でアンモニア水を添加し中和することで、不揮発分58.0%、pH7.0、 粘度200mPa・s、D50平均粒子径0.35μmのアクリル系粒子(B)エマルジョンを得た。
なお単量体組成から算出されるガラス転移温度の理論Tgは−61.2℃であった。
「水性再剥離型粘着剤の配合」
得られたアクリル系粒子(A)およびアクリル系粒子(B)を(A)/(B)=70/30(不揮発分の重量比)になるように混合した。さらにアクリル系粒子(A)およびアクリル系粒子(B)の合計100部(不揮発分換算)に対して、防腐剤:0.3部、濡れ剤:0.7部、消泡剤:1.0部、金属架橋剤としてZinc Oxide Solution No1(亜鉛化合物 不揮発分24% BASFジャパン社製)0.2部を加えホモミキサーにて増粘剤およびアンモニア水を使用してpHを7〜8の範囲内、粘度が3000mPa・s(BL型粘度計、25℃で#3ロータ/12rpmにて測定)になるように調製し水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例2]
アクリル系粒子(B)の合成で単量体を2EHAを86.7部、MMAを2.3部に変更し、ブチルアクリレート(以後、「BA」と略す)を4部追加した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例3]
アクリル系粒子(B)の合成で単量体を2-HEMAをアクリル酸2−ヒドロキシエチル(以後「2−HEA」と略す)に変更し、2EHAを87.8部、MMAを5.2部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例4]
アクリル系粒子(B)の合成でアクアロンKH−10を1部に減量し、新たにハイテノールLA−10〔アニオン非反応性乳化剤 不揮発分95% 第一工業製薬社製〕を1部併用した以外は実施例1と同様に行い水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例5]
アクリル系粒子(B)の合成でエマルゲン1118S−70をエマルゲン1108S〔EOユニット数8モルのノニオン非反応性乳化剤 不揮発分100% 花王社製〕に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例6]
アクリル系粒子(B)の合成でクエン酸ナトリウムを2部に増量し、トリポリリン酸ナトリウムを1部に減量した以外は実施例1と同様に行い水性再剥離型粘着剤を得た。
[実施例7]
水性再剥離型粘着剤の配合時で金属架橋剤をジルコゾールAC−7〔ジルコニウム化合物 不揮発分13% 第一稀元素化学工業社製〕に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例1]
アクリル系粒子(B)の合成で2−HEMAを使用せず、2EHAを91部、MMAを8部に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例2]
アクリル系粒子(B)の合成でアニオン反応性乳化剤アクアロンKH−10をアニオン非反応性乳化剤ハイテノールLA−10〔ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム 不揮発分95% 第一工業製薬社製〕に変更した以外は実施例1と同様に行い水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例3]
アクリル系粒子(B)の合成でエマルゲン1118S−70をエマルゲン1150S−70〔EOユニット数50モルのノニオン非反応性乳化剤 不揮発分70% 花王社製〕に変更した以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例4]
アクリル系粒子(B)製造時、トリポリリン酸ナトリウムを使用せず、クエン酸ナトリウムのみ3部に増量した以外は実施例1と同様に行い水性再剥離型粘着剤を得た。
[比較例5]
水性再剥離型粘着剤の配合時、金属架橋剤Zinc Oxide Solution No1を使用しない以外は実施例1と同様に行い、水性再剥離型粘着剤を得た。
実施例および比較例で得られた水性再剥離型粘着剤をアプリケーターを使用して市販中性紙(坪量80g/m2、炭酸カルシウムを約15%含有)上に乾燥後の厚さが20μmに塗工し、100℃の乾燥オーブンで3分間乾燥することで粘着剤層を形成した。次いで、粘着剤層に、剥離性シートを貼り合わせ、再剥離型粘着シートを作成した。
Figure 0006206137
表1中、乳化剤および重合開始剤の使用量は、全単量体の合計100部に対する、それぞれの不揮発分で換算した量を示す。また、架橋剤の使用量は、アクリル系粒子(A)および(B)の合計100部に対する、不揮発分量を示した。
<粘着力>
得られた再剥離型粘着シートを幅25mm、縦100mmの大きさに準備し試験片とした。23℃、50%RH環境下で、JIS Z0237に準拠し、試験片を被着体のステンレス板(SUS304BA)に貼付して試験サンプルとした。貼付後30分間後の試験サンプルを剥離角180°、引張り速度300mm/分で常態粘着力を測定した。また被着体をダンボール(Kライナー)に代えて、上記同様の方法により常態粘着力を測定した。
別途、得られた再剥離型粘着シートを60℃−95%RH環境下で3日間静置した。次いで前記再剥離型粘着シートを23℃、50%RH環境下で5時間静置した。その後幅25mm、縦100mmの大きさに準備し試験片とした。そして上記同様の方法で被着体の粘着力を測定し経時後粘着力とした。
基材に中性紙を使用したことに対する粘着力の低下を判定するために以下の数式(3)を使用して評価した。
数式(3) 粘着力保持率(%)=(経時後粘着力/常態粘着力)×100
Figure 0006206137
表2の結果から、本発明の水性再剥離型粘着剤を用いた実施例は、高温高湿環境を経た後でも粘着力の低下を抑制できた。一方、比較例は、上記の課題のいずれかを解決する
ことができなかった。

Claims (4)

  1. D50平均粒子径が20〜60μmのアクリル系粒子(A)と、D50平均粒子径が0.1〜0.6μmのアクリル系粒子(B)と、架橋剤(C)とを含み、
    前記アクリル系粒子(B)は、カルボキシル基含有単量体、水酸基含有単量体およびその他の単量体を含む単量体混合物を、オキシ酸のアルカリ金属塩(D)およびポリリン酸のアルカリ金属塩(E)、アニオン反応性乳化剤(F)およびエチレンオキサイド単位の繰り返し数が7〜20であるノニオン非反応性乳化剤(G)の存在下に重合してなり、
    前記単量体混合物100重量%中にカルボキシル基含有単量体を0.5〜2重量%、水酸基含有単量体を1〜10重量%含む、水性再剥離型粘着剤。
  2. オキシ酸のアルカリ金属塩(D)とポリリン酸のアルカリ金属塩(E)との重量比が、(D)/(E)=75/25〜25/75である請求項1記載の水性再剥離型粘着剤。
  3. 前記その他の単量体が2−エチルヘキシルアクリレートを含む、請求項1または2記載の水性再剥離型粘着剤。
  4. 基材、および請求項1〜3いずれか1項に記載の水性再剥離型粘着剤から形成される粘着剤層を備えた、再剥離型粘着シート。
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