JPH09208585A - 新規生理活性物質qm16−a、その使用および製造法 - Google Patents

新規生理活性物質qm16−a、その使用および製造法

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JPH09208585A
JPH09208585A JP1677396A JP1677396A JPH09208585A JP H09208585 A JPH09208585 A JP H09208585A JP 1677396 A JP1677396 A JP 1677396A JP 1677396 A JP1677396 A JP 1677396A JP H09208585 A JPH09208585 A JP H09208585A
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compound
culture
substance
streptomyces
extraction
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JP1677396A
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Kazutoshi Shindo
藤 一 敏 新
Yusuke Tokoro
祐 介 所
Toshiyuki Isoe
江 敏 幸 磯
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗腫瘍性を有する新規な化合物を提供する。 【解決手段】 次式(1)で示される化合物QM16−
Aまたはその付加塩。 【化1】 上記の化合物QM16−Aまたはその付加塩を有効成分
として含有してなる抗腫瘍剤。ストレプトミセス属に属
し、化合物QM16−Aの生産能を有する菌株を適当な
培地で好気的に培養し、その培養物よりQM16−Aを
得ることを特徴とする上記の化合物QM16−Aの製造
法。 【効果】 化合物QM16−Aおよびその付加塩は種々
の腫瘍細胞に対して強い増殖抑制活性を有し、特に抗腫
瘍剤もしくは腫瘍治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【発明の属する技術分野】本発明はシクロプロピルピロ
ロインドール構造を有する新規物質に関し、さらに詳し
くは、抗腫瘍作用を有する新規物質QM16−Aおよび
その用途ならびに製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗腫瘍物質に関しては、既に多数のもの
が医薬として実用化されている。一般に、化学物質の生
理活性はその化学構造に依存するところが大きいため、
抗腫瘍性を有する新規な化合物に対しては、不断の希求
があると言えよう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の希求
に応えるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ストレプ
トミセスに属する新規物質QM16−Aの産生能を有す
る菌株によって生産されうるQM16−Aが高い抗腫瘍
活性を有することを見出し、この知見をもとに本発明を
完成させるに至った。すなわち、本発明による新規化合
物は、次式(1)で示される化合物QM16−Aまたは
その付加塩である。本発明は、また、この物質の用途に
関する。すなわち、本発明による医薬組成物、特に抗腫
瘍剤は、次式(1)で示される化合物QM16−Aまた
はその付加塩を有効成分として含有してなるものであ
る。本発明は、また、この物質の製造法に関する。すな
わち、本発明による次式(1)で示されるQM16−A
の製造法は、ストレプトミセス属に属し化合物QM16
−Aの生産能を有する菌株を適当な培地で好気的に培養
し、その培養物よりQM16−Aを得ること、を特徴と
するものである。
【化3】
【0005】〔発明の具体的説明〕
【発明の実施の形態】
[新規化合物QM16−A]化合物QM16−Aは、式
(1)で示される構造を有するものであることは前記し
たところである。この化学構造は、プロトン核磁気共鳴
スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトル、紫外部吸収ス
ペクトル、赤外部吸収スペクトル及び質量分析スペクト
ルを詳細に解析して決定されたものである。本発明化合
物の物理化学的性状は以下に記す通りである。 (1)外観 黄色粉末 (2)融点 160〜162℃(分解) (3)溶解性 DMSO、DMFに可溶 メタノール、
エタノール、クロロホルム、アセトン、酢酸エチルに難
溶、水、n−ヘキサンに不溶 (4)Rf値(メルク社製「シリカゲル60F254 」使
用) クロロホルム−メタノール(20:1) 0.48 (5)FAB−MSスペクトル(m/z):(M+H)
+ 703 (6)紫外部吸収スペクトル(メタノール中) 図1
に示されている。 λmax nm (ε):276(27500)、370(3
3300) (8)赤外部吸収スペクトル(KBrディスク法)
図2に示されている。 (9)プロトン核磁気共鳴スペクトル(500MHz、
重DMSO中) 図3に示されている。 (10)13C核磁気共鳴スペクトル(125MHz、重
DMSO中) 図4に示されている。 (11)C38348 6 式(I)で示される化合物は、酸付加塩および塩基付加
塩が有り得る。本発明化合物は、これらの付加塩をも包
含するものである。酸付加塩としては、例えば無機酸、
例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸など、あるいは有機
酸、例えば酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、オレイン
酸、パルミチン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマ
ル酸、グルタミン酸、パントテン酸、ラウリルスルホン
酸、との塩などをあげることができる。また、塩基付加
塩としては、例えばアルカリ金属化合物(例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなど)との塩、アルカリ土
類金属化合物(例えば水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウムなど)との塩、アンモニウム塩、有機塩基(例え
ばトリエチルアミン、エタノールアミンなど)との塩な
どをあげることができる。なお、これらの付加塩を医薬
として使用する場合には、酸および塩基は薬学上許容さ
れるものでなければならないことは言うまでもない。
【0006】[QM16−Aの製造]本発明者等は、化
合物QM16−Aを微生物培養により取得しているが、
それ以外の合目的的な任意の方法で製造することも可能
であろう。例えば類縁化合物から出発して、これを合成
化学的ないし微生物学的修飾により製造したり、あるい
は全合成によることもできよう。さらに、微生物培養に
よる場合でも、化合物QM16−Aの生産に関与する遺
伝子を適当な宿主微生物に組み込み、得られた形質転換
体を培養し、この培養物から化合物QM16−Aを取得
するという、遺伝子工学的手法を経てもよい。化合物Q
M16−Aを微生物培養により取得する場合の菌株とし
ては、放線菌に属し、QM16−A生産能を有するもの
が好ましく使用される。具体的には、たとえば本発明者
らが分離した、QM16株がこのようなQM16−A生
産能を有する。また、抗生物質生産菌単離に慣用されて
いる手法により、自然界からこの物質を生産する他の適
当な菌株を得ることも可能である。QM16株を含むQ
M16−A生産菌を放射線照射その他の変異処理に付し
て、QM16−A生産能を高める余地もある。さらに前
述のように、遺伝子工学的手法を利用することもでき
る。
【0007】[QM16株]QM16−A生産能を有す
る放線菌に属する一菌株で、本発明者らが分離したQM
16株は、下記のような内容のものである。 1)由来および寄託番号 本株は、岡山県 高梁市で採取した土壌から分離された
もので、平成8年1月17日、工業技術院生命工学技術
研究所に、受託番号FERM BP−5363として寄
託されている。 2)菌学的性状 (1)形態 QM16株は、グリセロ−ル・アスパラギン寒天培地、
スターチ無機塩寒天培地、チロシン寒天培地、イ−スト
・麦芽寒天培地、及びオ−トミ−ル寒天培地で良く生育
し、気菌糸の着生も、良好である。基生菌糸より生じた
気菌糸は、単純分枝をなして非常に良く伸長し、数多く
の胞子が連鎖する。その形態は、直線状およびループ状
をなし、中にはその先端の短い一部が螺旋状をなす部分
もある。また螺旋部分が癒着して、菌糸の固まりを呈
し、一見、胞子嚢状となることもある。通常、胞子の連
鎖は50個以上で、形は俵型、大きさは0.5 〜
0.6× 0.7 〜 1.0μmであり、その表面は
平滑である。又、胞子嚢、鞭毛胞子、菌核などの特殊形
態は認められない。 (2)各種培地上の生育 QM16株を各種培地に27℃、3週間培養した結果
は、第1表に示す通りである。 (3)生理的性質 QM16株の生理的性質は、第2表に示す通りである。 (4)炭素源の利用性 QM16株の炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリ−ブ
寒天培地上)は、第3表に示す通りである。 (5)ジアミノピメリン酸の分析 細胞壁構成のアミノ酸の1つであるジアミノピメリン酸
を分析した結果、LL−ジアミノピメリン酸が検出され
た。以上の菌学的性状を要約すると、次の通りである。 (i)胞子鎖は直線状〜ループ状で、胞子の表面は平滑
である。 (ii)気菌糸の着生は非常に良好で、その色は黄味色で
ある。裏面色は、うす黄茶色〜暗い黄色〜黄味橙色〜に
ぶい橙色である。 (iii )ペプトン・イースト・鉄寒天培地、及びトリプ
トン・イースト液体培地では、メラニン様色素は認めら
れないが、チロシン寒天培地では認められる。またいず
れでも可溶性色素は認められない。 (iv)シュークロースの資化性は弱い。 上記性状より、QM16株はストレプトミセス属に属す
ると考えられる。ストレプトミセス属の既知菌種を検索
すると、近縁の種としてストレプトミセス・ミノエンシ
ス (Streptomyces minoensis)[ISP(インタ−ナショ
ナル・ストレプトミセス・プロジェクト)の記載(E.B.
Shirling and D.Gottlieb:Int.J.Syst.Bact.18巻 1
46(1968)] があげられる。しかし糖の利用性は
シュークロース、ラフィノースについて異なっているこ
とから、詳細な比較には基準菌株と本菌株の比較検討が
必要である。そこで現時点ではQM16株をストレプト
ミセス エスピー(Streptomyces sp.) QM16と命名
する。尚、QM16菌株は前述のように工業技術院生命
工学技術研究所に寄託申請し、平成8年1月17日、F
ERM BP−5363として受託されている。
【0008】
【表1】
【表2】
【表3】
【0009】[QM16−Aの生産]培養法による化合
物QM16−Aは、以下のように放線菌に属するQM1
6−A生産菌を適当な培地で好気的培養に培養し、この
培養物から目的物を採取することにより製造することが
できる。培地は、QM16−A生産菌が利用しうる任意
の栄養源を含有するものでよい。具体的な例としては、
炭素源としてグルコース、ガラクトース、グリセロー
ル、及び油脂類などが使用でき、窒素源としては大豆
粉、魚粉、綿実粕、乾燥酵母、酵母エキス、及びコーン
スティープリカーなどの有機物、並びにアンモニウム塩
または硝酸塩、たとえば硫酸アンモニウム、硝酸ナトリ
ウム及び塩化アンモニウムなどの無機物が利用できる。
必要に応じて、臭化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、炭酸カルシウム、燐酸塩、重金属塩などの無機
塩類を添加することもできる。発酵中の発泡を抑制する
ため、慣用の適する消泡剤、たとえばシリコーン油を添
加することもできる。培養方法としては、一般に抗生物
質採取目的で常用されている生産方法におけると同じ
く、好気的液体培養法が適している。培養温度は15〜
35℃が適当で、特に25〜30℃がよい。この条件で
振盪培養すると、通常5日間でQM16−A生産量は最
高に達する。QM16−Aが蓄積された培養物中におい
て、QM16−Aは培養濾液及び菌体中に存在する。こ
れからQM16−Aを採取するには、任意の合目的的な
方法が利用可能であるが、たとえば抽出操作による方法
を用いることができる。具体的には、培養濾液中のQM
16−Aについては前記した水不混和性溶媒、例えば酢
酸エチルで抽出する。また菌体中のQM16−Aについ
ては、濾過・遠心分離などで菌体集体を得て、これをメ
タノール、エタノール、アセトンなどで処理して抽出す
ることができる。菌体の分離を省略し、培養物をそのま
ま抽出操作に付すこともできる。適当な溶媒による向流
分配法も、広義の抽出の範疇に含めることができる。Q
M16−A採取のための第2の手法は、吸着法に基づく
ものである。QM16−A含有の液状物、例えば培養濾
液や上記の抽出液を対象とし、適当な吸着剤、例えばシ
リカゲル、活性炭、「ダイヤイオンHP20](三菱化
学社製)などにQM16−Aを吸着せしめた後、適当な
溶媒で溶離して、これを減圧濃縮乾固することにより、
QM16−A粗標品が得られる。かくして得られたQM
16−A粗標品をさらに精製するためには、上記の抽出
および吸着操作に必要に応じてゲル濾過法、高速液体ク
ロマトグラフィーなどを必要回数組み合わせて行なえば
よい。具体的には、たとえばシリカゲルなどの吸着剤、
「トヨパールHW40](東洋ソーダ社製)などのゲル
濾過剤によるカラムクロマトグラフィー、「YMCパッ
ク」(山村科学社製)などによる高速液体クロマトグラ
フィー、さらにこれらと向流分配法の組合わせが可能で
ある。好ましくは、QM16−A粗標品を少量のDMS
Oに溶解し、「YMC ODS−AM]HPLCカラム
に付し、70%アセトニトリルで活性画分を溶出せし
め、これを濃縮乾固することによりQM16−Aの純品
が得られる。本発明による化合物QM16−Aは、常法
によって前記したような酸付加塩および塩基付加塩の形
にすることができる。
【0010】[QM16−Aの用途]本発明による化合
物QM16−Aおよびその付加塩は、抗腫瘍活性を有す
るという点で有用である。 1)生物活性 (1)in vitro 抗腫瘍活性 各種腫瘍細胞に対するQM16−Aの増殖抑制作用を検
討した。平底96穴マイクロプレートを用い、培地で被
試験物質を順次に段階希釈し、5x103 /ウエルの細
胞を加え、5%CO2 インキュベーター中、37゜Cで
2〜3日間培養後、細胞数をMTT法でカウントした。
細胞数がコントロールの50%に減少した濃度をIC50
(ng/ml)とした。培地は、RPMI 1640に
牛胎児血清(10%)、ペニシリン(100U/m
l)、ストレプトマイシン(100μg/ml)、2ー
メルカプトエタノール(5.0x10-5M)を加えたも
のを使用した。被試験物質は水に難溶なので、DMSO
に溶解後、培地で希釈した。 結果:IC50 P388(マウス白血病) 0.08ng/ml K562(ヒト白血病) 0.86ng/ml A431(ヒト上皮癌) 0.72ng/ml MKN28(ヒト胃癌) 0.75ng/ml 結果に示されるように、QM16−Aは各種腫瘍細胞に
対して極めて低濃度でその増殖を抑制した。 (2)in vivo 抗腫瘍活性 QM16−Aは腫瘍細胞を接種したマウスに対して延命
効果を示した。マウス白血病細胞P388を1x106
個を腹腔内に接種したCDF1 マウスの腹腔内にQM1
6−Aを1、5、9日目に0.037mg/kgずつ投
与すると、対照群に、対して131%の延命効果が認め
られた。 2)医薬組成物/抗腫瘍剤 このように、本発明のQM16−Aは悪性腫瘍に対して
抗腫瘍性を示す事が明らかにされた。従って、本発明化
合物は、医薬(もしくは医薬組成物)として、特に抗腫
瘍剤もしくは腫瘍治療剤として使用することができる。
抗腫瘍剤としての本発明化合物は、合目的的な任意の投
与経路、具体的には、動物の場合には腹腔内投与、皮下
投与、静脈または動脈への血管内投与および注射による
局所投与などの方法が、またヒトの場合は静脈内投与、
動脈内投与、注射による局所投与、腹腔、胸腔への投
与、経口投与、皮下投与、筋肉内投与、舌下投与、経皮
吸収、または直腸投与により投与することができる。本
発明化合物を薬剤として投与する場合は、投与方法、投
与目的によってきまる適当な剤型、具体的には、注射
剤、懸濁剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、軟膏
剤、クリーム剤等の形態で投与することができる。これ
らの製剤を製造するには、製薬上許容される担体あるい
は希釈剤等、具体的には溶剤、可溶化剤、等張化剤、保
存剤、抗酸化剤、賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤等を
添加することができる。溶剤としては、例えば水、生理
食塩水等が、可溶化剤としては、例えばエタノール、ポ
リソルベート剤が、賦形剤としては、例えば乳糖、デン
プン、結晶セルロース、マンニトール、マルトース、リ
ン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウム
等が、結合剤としては、例えばデンプン、ポリビニルピ
ロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム等
が、崩壊剤としては、例えばデンプン、カルボキシメチ
ルセルロースカルシウム等が、滑沢剤としては、例えば
ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油等が、安定
剤としては、例えば乳糖、マンニトール、マルトース、
ポリソルベート類、マクロゴール類、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油等があげられる。また、必要に応じて、
グリセリン、ジメチルアセトアミド、70%乳酸ナトリ
ウム、界面活性剤、塩基性物質(例えば、エチレンジア
ミン、エタノールアミン、炭酸ナトリウム、アルギニ
ン、メグルミン、トリスアミノメタン)を添加すること
もできる。これらの成分を用いて、注射剤、錠剤、顆粒
剤、カプセル剤等の剤型に製造することができる。本発
明化合物の投与量は、動物実験の結果および種々の状況
を勘案して、連続的または間欠的に投与したときに総投
与量が一定量を越えないように定められる。具体的な投
与量は、投与方法、患者または被処理動物の状況、例え
ば年齢、体重、性別、感受性、食事(食餌)投与時間、
併用する薬剤、患者またはその病気の程度に応じて変化
することは言うまでもなく、また一定の条件のもとにお
ける適量と投与回数は、上記指針をもとにして専門医の
適量決定試験によって決定されなければならない。具体
的には、成人1日あたり0.01〜500mg程度、好
ましくは0.1〜100mg程度である。
【0011】〔実験例〕
【実施例】以下は、本発明化合物QM16−Aの製造例
を示すものであるが、本発明はこれによって限定される
ものではない。 [QM16−Aの製造] (1)種母の調製 使用した培地は、下記の組成の成分を1リットルの水に
溶解して調製したものである。 ポテトスターチ 10.0g グルコース 10.0g グリセロール 10.0g ポリペプトン 5.0g 酵母エキス 2.0g コーンステイ ープリカー 10.0g NaCl 1.0g炭酸カルシウム 3.2g pH 7.4 上記培地100mlを500ml容のイボ付き三角フラ
スコヘ分注したものに殺菌後、Streptomyce
sp. QM16株(FERM BP−5363)をス
ラントより各々のフラスコヘ1白金耳ずつ接種し、27
℃にて5日間、200rpmで振盪培養した。 (2)QM16−Aの採取 上記の条件で培養後、培養液(1リットル)をブフナー
濾過し、菌体を得た。この菌体を0.5リットルのアセ
トンで抽出した。抽出液を減圧下0.2リットルに濃縮
後、培養濾液と合一し等量の酢酸エチルで2回抽出し
た。抽出液に無水硫酸ナトリウムを添加して脱水し、濾
過した後、濾液を濃縮し、150mgの濃縮物を得た。
この濃縮物をクロロホルム−メタノ−ル(30:1)で
平衡化したシリカゲル(和光純薬製「ワコーゲル C−
200])のカラム(3cmφ×30cm)に吸着さ
せ、同一組成の溶液各300mlで展開した。QM16
−Aを含む画分を集めて粗QM16−Aを25mg得
た。この粗QM16−AをDMSOに溶解し、YMC
ODS−AMカラム((2cmφ x 25cm)、7
0%アセトニトリルにて展開)を用いてHPLC分取を
行なうことにより、純粋なQM16−Aを3.5mg得
た。
【0012】
【発明の効果】本発明によるQM16−Aおよびその付
加塩は、シクロプロピルピロロインドール構造を有する
新規物質であって種々の腫瘍細胞に対して強い増殖抑制
作用を示し、医薬(もしくは医薬組成物)として、特に
抗腫瘍剤もしくは腫瘍治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る新規物質QM16−Aの紫外部吸
収スペクトル(メタノール中)を示す。
【図2】本発明に係る新規物質QM16−Aの赤外部吸
収スペクトル(KBrディスク法)を示す。
【図3】本発明に係る新規物質QM16−Aのプロトン
核磁気共鳴スペクトル(500MHz、重DMSO中)
を示す。
【図4】本発明に係る新規物質QM16−Aの13C核磁
気共鳴スペクトル(125MHz、重DMSO中)を示
す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(1)で示される化合物QM16−A
    またはその付加塩。 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物QM16−Aまた
    はその付加塩を有効成分として含有してなる医薬組成
    物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化合物QM16−Aまた
    はその付加塩を有効成分として含有してなる抗腫瘍剤。
  4. 【請求項4】ストレプトミセス属に属し、化合物QM1
    6−Aの生産能を有する菌株を適当な培地で好気的に培
    養し、その培養物よりQM16−Aを得ることを特徴と
    する、次式(1)で示される化合物QM16−Aの製造
    法。 【化2】
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