JPH09208511A - 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法 - Google Patents

芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法

Info

Publication number
JPH09208511A
JPH09208511A JP8013260A JP1326096A JPH09208511A JP H09208511 A JPH09208511 A JP H09208511A JP 8013260 A JP8013260 A JP 8013260A JP 1326096 A JP1326096 A JP 1326096A JP H09208511 A JPH09208511 A JP H09208511A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic hydroxy
catalyst
reaction
titanium dioxide
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8013260A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Masaki
康浩 正木
Tadashi Yao
正 矢尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP8013260A priority Critical patent/JPH09208511A/ja
Publication of JPH09208511A publication Critical patent/JPH09208511A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素や酸化剤を用いず、分子状酸素により、
芳香族化合物 (例、ベンゼン) を直接酸化して、高い選
択率で芳香族ヒドロキシ化合物 (例、フェノール、カテ
ーテル) を製造する。 【解決手段】 二酸化チタンを担持した多孔性メタロシ
リケート (例、チタノシリケート、バナドシリケート、
フェリシリケート等) を触媒として、光照射下に酸化反
応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族化合物を酸
化して芳香族ヒドロキシ化合物を製造する方法に関す
る。生成物である芳香族ヒドロキシ化合物、例えば、フ
ェノール、クレゾール、カテコール等は、それ自体が殺
菌剤、キレート化剤、現像剤等として有用である他、樹
脂、農薬、医薬、染料、抗過酸化剤、劣化防止剤、その
他種々の有機薬品の原料または中間体として極めて重要
な化合物であり、幅広い用途に使用されている。
【0002】
【従来の技術】芳香族化合物を直接酸化してヒドロキシ
化合物を製造する方法は、従来より種々提案されてい
る。
【0003】例えば、鉄シリケート触媒の存在下、N2O
を用いてベンゼンを気相酸化する方法 [Appl. Cat. A,
98, 33 (1993)]や、チタノシリケート触媒の存在下、芳
香族炭化水素を過酸化水素で液相酸化する方法 (Stud.
Surf. Sci. Catal. 37, 413)等が知られている。しか
し、これら多孔性メタロシリケートの固体触媒作用を利
用する方法は、いずれも酸化剤として高価なN2O や過酸
化水素を使用しており、安価大量供給を目的とする芳香
族ヒドロキシ化合物の製造には不適当である。
【0004】特開平4−356429号公報および特開平5−
320082号公報には、パラジウム等の貴金属を担持したチ
タノシリケートを触媒として、芳香族炭化水素を酸素お
よび水素を含むガスと反応させる酸化方法が開示されて
いる。この方法は、安価な空気の利用を考慮したもので
あるが、反応活性、選択性、寿命等の触媒としての基本
性能を同時に満足しうるものではなかった。また、還元
剤として供給する水素が、原料ガスに含まれる酸素と局
所的に曝鳴気組成となる可能性があり、安全上の問題も
ある。
【0005】一方、光触媒を用いた芳香族化合物の酸化
方法も種々提案されている。例えば、二酸化チタン等の
金属酸化物を光触媒として、銀イオン共存下でベンゼン
を水と反応させて酸化する方法 [J. Phys. Chem., 88,
4083 (1984)]、二酸化チタンを光触媒としてアルキルベ
ンゼンを酸素で酸化する方法 [J. Chem. Soc. Chem.Com
mun., 1992, 1649]などが知られている。しかし、いず
れの方法も芳香族ヒドロキシ化合物への選択率が極めて
低く、二酸化炭素への完全酸化が圧倒的であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高価
な過酸化水素などの酸化剤を用いずに、芳香族化合物を
高選択的に酸化して芳香族ヒドロキシ化合物を安全に製
造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、酸化剤を用い
なくても、多孔性メタロシリケートの固体触媒作用を、
光触媒である二酸化チタンを介して光により引き出すこ
とができ、それにより酸化剤として分子状酸素を用い、
高い選択率で芳香族ヒドロキシ化合物を製造しうること
を見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、多孔性メタロシリケ
ートと二酸化チタンよりなる触媒の存在下、芳香族化合
物を酸素を用いて光酸化することを特徴とする、芳香族
ヒドロキシ化合物の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の方法について具体
的に説明する。本発明によると、多孔性メタロシリケー
トと二酸化チタンとからなる触媒の存在下、光照射によ
り芳香族化合物を分子状酸素と反応させて酸化すること
により、選択的に芳香族ヒドロキシ化合物を得ることが
できる。
【0010】本発明で固体酸化触媒として用いる多孔性
メタロシリケートは、ゼオライト骨格内の格子点ケイ素
の一部を他の金属で置き換えたゼオライト構造体であ
る。ここで、ゼオライトとは、多孔性のシリケート意味
し、狭義のアルミノシリケートのみを表すのではない。
ゼオライト型としては、シリカライト−1、シリカライ
ト−2、メソポーラスモレキュラーシーブ(M41S、MCM-
41、MCM-48他) 等が挙げられる。酸化反応に有効な、メ
タロシリケートの金属としては、チタン、バナジウムお
よび鉄が好ましいが、他にガリウム、クロム、ジルコニ
ウム、マンガン等も可能である。金属は1種でよいが、
2種以上を含有させることもできる。
【0011】多孔性メタロシリケートの調製は、公知の
合成法(例、特開昭56−96720 号公報参照) に従って実
施できる。例えば、シリカまたはその前駆体 (例、アル
コキシシラン) および/もしくは水ガラス (ケイ酸ナト
リウム濃厚溶液) と、金属酸化物前駆体としての加水分
解性金属化合物 (例、アルコキシド、塩化物等) との混
合物を加水分解して、含水シリカ上に金属水酸化物を析
出させた後、結晶化のための熱処理を行い、さらに焼成
することにより多孔性メタロシリケートが調製される。
【0012】ゼオライト骨格内に取込まれる金属の含有
量は限定されないが、最も高い触媒活性を得るために
は、Si/金属の金属含有比 (モル比) を120 以下、特に
50以下とすることが好適である。メタロシリケートの細
孔形態については特に限定されず、4〜5Å程度のミク
ロポーラスから20Å程度のメソポーラスまでのいずれで
もよい。
【0013】一方、二酸化チタンは、多孔性メタロシリ
ケートと均一に混合した混合物の状態で触媒中に存在さ
せることも可能であるが、好ましくは多孔性メタロシリ
ケート (の細孔内) に担持させる。二酸化チタンの担持
方法については特に制限はないが、二酸化チタンの前駆
体であるチタンアルコキシド、チタン塩化物等の加水分
解性チタン化合物をメタロシリケートに含浸させた後、
空気中で焼成することにより、メタロシリケートに二酸
化チタンを担持させることができる。
【0014】通常の多孔性メタロシリケートはイオン交
換点を持たないが、イオン交換性とするために、ゼオラ
イト骨格内に第3金属成分としてアルミニウムを導入す
ることもできる。
【0015】このイオン交換性のメタロシリケートを使
用する場合には、上記の含浸の代わりに、多孔性メタロ
シリケートをTi3+イオン含有溶液に浸漬して、細孔内カ
チオン (Na+ またはH+ ) をTi3+にイオン交換し、次い
で焼成することにより、メタロシリケートに二酸化チタ
ンを担持させることができる。また、メタロシリケート
がチタノシリケートである場合には、チタノシリケート
の調製時に予めチタン前駆体を多く仕込み、結晶化の際
に骨格外に晶出した二酸化チタンをそのまま担持物とし
て利用することも可能である。
【0016】二酸化チタンの担持量については、メタロ
シリケートの20重量%以下、特に10重量%以下が好まし
い。20重量%を超えると、二酸化チタンの結晶が大きく
なり、分散性も悪くなることから、二酸化チタン単独の
光触媒作用が強く現れ、芳香族ヒドロキシ化合物に対す
る選択性が低下しがちになる。
【0017】本発明による上記触媒を用いた芳香族化合
物の光酸化反応は、通常は液相で行う。反応溶媒につい
ては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニト
リルなどのニトリル系溶媒;塩化メチレン、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素;酢酸、プロピオン酸など
のカルボン酸;および水等が利用できるが、触媒が凝集
しにくいニトリル系溶媒が好ましい。
【0018】本発明で基質 (出発物質) となる芳香族化
合物として好ましいのは、ベンゼン、ならびにそのアル
キルもしくはアルケニル置換誘導体 (例、トルエン、エ
チルベンゼン、スチレン等) 、含酸素基置換誘導体
(例、フェノール、カテコール、クレゾール、安息香
酸、ベンズアルデヒド等) 、含窒素基置換誘導体 (ニト
ロベンゼン、アニリン等) 他が挙げられる。
【0019】これらの基質から本発明の方法により、フ
ェノール、カテコール、ヒドロキノン等のヒドロキシベ
ンゼン類;クレゾール、ヒドロキシエチルベンゼン等の
アルキルフェノール類;ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキ
シアニリンなどの芳香族ヒドロキシ化合物が製造され
る。即ち、基質の芳香環に結合した1個または2個の水
素原子が直接ヒドロキシル基に酸化される。また同時
に、アルデヒド基はカルボキシル基に酸化される。
【0020】反応液中の芳香族化合物の濃度は特に限定
されないが、5mol/L(=M) 以下、特に2mol/L 以下が
好ましい。5mol/L を越えると、触媒の凝集が顕著とな
り、反応活性が著しく低下すると共に、芳香族ヒドロキ
シ化合物に対する選択性も低下しがちになる。
【0021】反応液中の触媒の形態にも特に制限はな
く、懸濁状態あるいは固定化した状態のいずれも採用で
きる。なお、懸濁状態の場合は、触媒の沈降を防ぐた
め、反応中に反応液を攪拌することが好ましい。触媒の
使用量は特に限定されないが、溶媒1cc当たり2〜100
mgが好ましい。2mg/cc 未満では反応活性が低く、100
mg/cc を超えると、攪拌が困難となり、さらに経済的見
地からも不利である。
【0022】本発明の酸化反応は、水の添加によって反
応活性、選択性とも著しく向上する。水の添加量につい
ては限定されないが、5mol/L を越えると、基質である
芳香族化合物が溶媒に溶解し難くなるため分相傾向とな
り、反応活性が低下しがちである。より好ましくは 0.5
〜2.5 mol/L である。
【0023】光照射は、任意の紫外線光源を用いて実施
でき、例えば、水銀灯、キセノン放電管などが使用でき
る。照射する紫外線から、UVフィルター等により320 nm
以下の波長光をカットすることが好ましい。320 nm以下
の波長光を照射すると、酸化反応で生成した芳香族ヒド
ロキシ化合物類が光吸収して、再酸化あるいは分解等を
起こすため、芳香族ヒドロキシ化合物自体の収率と選択
率が低下する傾向がある。
【0024】反応雰囲気は、酸化剤となる分子状酸素を
含有していればよく、例えば、空気雰囲気および純酸素
雰囲気のいずれでもよいが、反応効率の面からは純酸素
雰囲気が好ましい。さらに好ましくは、光照射中も連続
的に酸素を反応液中に通気する。酸化反応中に酸素が継
続的に消費されるため、通気を行わないと、光照射時間
とともに反応活性が次第に低下する。反応温度は、通常
0〜70℃、好ましくは室温付近である。また、反応圧力
は、常圧でも加圧でも差し支えない。
【0025】反応終了後、反応液から蒸留、晶析、溶媒
抽出などの慣用手段により生成物の芳香族ヒドロキシ化
合物を分離ないし単離できる。例えば、ベンゼンからフ
ェノールとカテコールという2種類の芳香族ヒドロキシ
化合物が生成した場合、これらは蒸留により容易に分離
することができる。生成物は必要に応じて蒸留、再結
晶、カラムクロマトグラフィーなどの常法により精製す
る。
【0026】
【実施例】以下に本発明を製造例および実施例により具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0027】(製造例1)テトラエチルオルトチタネート
(=チタンエトキシド) 0.23gおよびテトラエチルオル
トシリケート (=エチルシリケート又はテトラエトキシ
シラン) 20.83gを混合し、40℃で1時間攪拌した後、
アルゴン気流下0℃において1.0 M水酸化テトラプロピ
ルアンモニウム水溶液46 ml を滴下した。滴下終了後、
反応液を80℃で5時間加熱し、エタノールを留去すると
ともに、水20 ml を数回に分けて加えた。反応液をオー
トクレーブ中に移し、静置条件下150 ℃で3日間水熱処
理を行った。析出した結晶を濾別し、水洗乾燥した後、
空気中550 ℃で6時間焼成して、金属含有比Si/Ti=10
0 のミクロポーラス・チタノシリケート[TS-1(100)と表
示] を得た。
【0028】次に、このチタノシリケート1gをヘキサ
ンに浸し、テトラエチルオルトチタネート 0.284gを超
音波によって含浸させた後、濾別した結晶を風乾し、空
気中450 ℃で10時間焼成することにより、二酸化チタン
を8重量%担持したチタノシリケート[TS-1(100)/TiO2
と表示] を得た。
【0029】(製造例2)水ガラス (SiO2含量35〜38%)
4.85gおよび25重量%水酸化テトラメチルアンモニウム
水溶液10gを蒸留水50 cc に加えた後、激しく攪拌しな
がら25重量%セチルトリエチルアンモニウムイオン水溶
液 (OH-/Br-) 80gを滴下した。さらにシリカ微粉末
(日本アエロジル製、AEROSIL 200)を4.52g加え、2時
間磁気攪拌した後、硫酸アルミニウム 0.895gとテトラ
ブチルオルトチタネート (=チタンブトキシド) 0.29g
とを加え、反応液を希硫酸によってpH 11.5 に調整し
た。反応液をオートクレーブに移し、静置条件下150 ℃
で3日間水熱処理を行った。析出した結晶を濾過し、水
洗乾燥後、窒素気流下で550 ℃で1時間、続いて空気中
で10時間焼成することにより、金属含有比Si/Ti=100
、かつSi/Al=20の、イオン交換能を持ったメソポー
ラス・チタノシリケート (Ti-MCM41と表示) を得た。
【0030】次に、このチタノシリケートを 0.5M三塩
化チタン水溶液中に浸漬して、Na+イオンをTi3+でイオ
ン交換した後、濾別した結晶を空気中450 ℃で焼成し
て、二酸化チタンを3.0 重量%担持したチタノシリケー
ト(Ti-MCM41/TiO2と表示) を得た。
【0031】(製造例3)テトラエチルオルトチタネート
の量を2.28gに変更した以外は実施例1と同様の手順で
チタノシリケート触媒を調製し、金属含有比Si/Ti=10
のチタノシリケート [TS-1(10)と表示] を得た。このチ
タノシリケートは骨格外に二酸化チタンを含有している
(即ち、二酸化チタン担持チタノシリケートである) こ
とを、紫外線吸収スペクトルおよびX線回折分析により
確認した。骨格内に導入しうるチタンの含有量の上限
は、Si/Ti=40であることが知られており [J. Catal.,
137, 497 (1992)] 、骨格外の二酸化チタンの量は、チ
タノシリケートに対し約10重量%と見積もられた。
【0032】(製造例4)テトラエチルオルトシリケート
20.83gとエタノール10 ml とを混合し、激しく攪拌し
ながら 0.5M塩化バナジウム水溶液2mlを滴下し、さら
に、1M水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶液46 m
l を加えた。その後、反応液を80℃で5時間加熱し、エ
タノールを留去するとともに、水20 ml を数回に分けて
加えた。この混合物をオートクレーブ中に移し、静置条
件下150 ℃で5日間水熱処理を行った。析出した結晶を
濾過し、水洗乾燥した後、空気中600 ℃で6時間焼成し
て、金属含有比Si/V=100 のミクロポーラス・バナド
シリケート(VS-1 と表示)を得た。
【0033】次に、このバナドシリケート1gをヘキサ
ンに浸し、テトラエチルオルトチタネート 0.284gを超
音波によって含浸させ、濾別した結晶を風乾し、次いで
空気中450 ℃で10時間焼成することにより、二酸化チタ
ンを8重量%担持したバナドシリケート(VS-1/TiO2と表
示) を得た。
【0034】(製造例5)塩化バナジル水溶液を硝酸鉄水
溶液に変えた以外は、製造例4と同様の手順で触媒調製
を行い、金属含有比Si/Fe=100 のミクロポーラス・フ
ェリシリケートに8重量%の二酸化チタンを担持させた
触媒 (FS-1/TiO2 と表示) を得た。
【0035】(比較製造例1)出発原料のうちテトラエチ
ルオルトチタネートを省略した以外は、実施例1と同様
の手順によって、金属を含有しないシリカライト(S-1)
に二酸化チタンを担持させた触媒 (S-1/TiO2と表示) を
調製した。
【0036】(実施例1)石英製反応管 (内径8mm、容量
10 cm3) に、製造例1で調製した二酸化チタン担持チタ
ノシリケート触媒[TS-1(100)/TiO2]を30 mg 入れ、これ
にベンゼン1.0mol/L および水2.0 mol/L を含むアセト
ニトリル溶液1.5 cc (ベンゼン供給量=1500μmol)を加
え、攪拌して触媒を溶液中に懸濁させた。この懸濁液に
対して、酸素を10分間通気し、反応管にセプタム栓をし
た。その後、25℃で磁気攪拌しながら、 500W超高圧水
銀灯からの紫外線を、320 nm以下の波長光をカットする
UVフィルターを通して、4時間照射した。
【0037】反応物の分析は、液相部は高速液体クロマ
トグラフィー (カラム:トーソー製TSK-GEL ODS-80TS)
、気相部はガスクロマトグラフィー (カラム:GLサイ
エンス製UNIBEADS-C) により行った。その結果、4時間
の光照射によって、フェノール15.1μmol 、カテコール
13.9μmol 、二酸化炭素9.2 μmol 、一酸化炭素0.75μ
mol が生成物として得られた。これらの生成物中の芳香
族ヒドロキシ化合物 (本例ではフェノールとカテコー
ル) への選択率は94.6%であった。なお、この選択率は
次式により算出した。
【0038】
【数1】
【0039】(実施例2)製造例2で調製した二酸化チタ
ン担持チタノシリケート(Ti-MCM41/TiO2) を触媒として
用いた以外は、実施例1と同様の条件でベンゼンの光酸
化反応を行った。4時間の光照射後の生成物の分析結果
と芳香族ヒドロキシ化合物への選択率は、表1に示した
通りである。本例では、表1に示すように、生成した芳
香族ヒドロキシ化合物中には少量のヒドロキノンも含ま
れていた。
【0040】(実施例3)製造例3で調製した二酸化チタ
ン担持チタノシリケート[TS-1(10)]を触媒として用いた
以外は、実施例1と同様にしてベンゼンの光酸化反応を
行った。4時間の光照射後の生成物の分析結果と芳香族
ヒドロキシ化合物への選択率は、表1に示した通りであ
る。
【0041】(実施例4)製造例4で調製した二酸化チタ
ン担持バナドシリケート(VS-1/TiO2) を触媒として用い
た以外は、実施例1と同様にしてベンゼンの光酸化反応
を行った。4時間の光照射後の生成物の分析結果と芳香
族ヒドロキシ化合物への選択率は、表1に示した通りで
ある。
【0042】(実施例5)製造例5で調製した二酸化チタ
ン担持フェリシリケート(FS-1/TiO2) を触媒として用い
た以外は、実施例1と同様にしてベンゼンの光酸化反応
を行った。4時間の光照射後の生成物の分析結果と芳香
族ヒドロキシ化合物への選択率は、表1に示した通りで
ある。
【0043】(実施例6)触媒として製造例2で得た二酸
化チタン担持チタノシリケート(Ti-MCM41/TiO2) を、反
応基質としてフェノールを用いた以外は、実施例1と同
様にしてフェノールの光酸化反応を行った。4時間の光
照射後の生成物を分析した結果、カテコール26.1μmol
、ヒドロキノン 8.3μmol 、二酸化炭素 6.5μmol 、
痕跡量のヒドロキシヒドロキノンが生成物として得られ
た。芳香族ヒドロキシ化合物への選択率は97%であっ
た。
【0044】(比較例1)触媒として二酸化チタン (日本
アエロジル製P−25) を用いた以外は、実施例1と同様
にしてベンゼンの光酸化反応を行った。4時間の光照射
後の生成物の分析結果と芳香族ヒドロキシ化合物への選
択率は、表1に示した通りである。
【0045】(比較例2)比較製造例1で調製した、ゼオ
ライト骨格中に他金属を含有しない、二酸化チタン担持
シリカライト(S-1/TiO2)を触媒として用いた以外は、実
施例1と同様にしてベンゼンの光酸化反応を行った。4
時間の光照射後の生成物の分析結果と芳香族ヒドロキシ
化合物への選択率は、表1に示した通りである。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、光触媒である二酸化チ
タンを併用することにより、多孔性メタロシリケートの
固体酸化触媒作用を効率よく引き出すことができる。そ
の結果、高価な酸化剤を用いることなく、分子状酸素に
よって芳香族化合物 (例、ベンゼン) を直接酸化し、芳
香族ヒドロキシ化合物 (例、フェノール、カテーテル)
を製造することができる。なお、実施例では光照射時間
を4時間に統一したが、この時間を長くすると転化率は
それだけ増大する。
【0048】本発明の方法では、従来の方法に比べて、
二酸化炭素への完全酸化が少ないため、非常に高い選択
率で芳香族ヒドロキシ化合物が得られる。また、反応
は、常温・常圧下で行うことができ、高価な酸化剤や、
酸素と接触すると爆発する恐れのある水素ガスを使用す
る必要がないので、経済上、安全上、さらにはプロセス
上著しく優位である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 39/08 9155−4H C07C 39/08 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性メタロシリケートと二酸化チタン
    よりなる触媒の存在下、芳香族化合物を酸素を用いて光
    酸化することを特徴とする、芳香族ヒドロキシ化合物の
    製造方法。
JP8013260A 1996-01-29 1996-01-29 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法 Withdrawn JPH09208511A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8013260A JPH09208511A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8013260A JPH09208511A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09208511A true JPH09208511A (ja) 1997-08-12

Family

ID=11828259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8013260A Withdrawn JPH09208511A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09208511A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100411177B1 (ko) * 2001-05-02 2003-12-18 한국화학연구원 산화반응용 촉매 및 이를 이용한 탄화수소 화합물의산화물 제조방법
KR100443261B1 (ko) * 2002-01-28 2004-08-04 한국화학연구원 카테콜의 선택적 합성을 위한 다공성 촉매
JP2005272463A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Nagoya Industrial Science Research Inst 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法
JP2006515584A (ja) * 2002-12-06 2006-06-01 エービービー ルマス グローバル インコーポレイテッド 活性金属を有するメソ孔物質
JP4626099B2 (ja) * 2000-07-17 2011-02-02 株式会社豊田中央研究所 光触媒体
JP2011126873A (ja) * 2009-11-18 2011-06-30 Jx Nippon Oil & Energy Corp チオール化合物の製造方法
JP2017057126A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 国立大学法人横浜国立大学 チタノシリケートの製造方法
CN117282472A (zh) * 2023-11-27 2023-12-26 中科益天环境工程(北京)有限公司 一种催化裂化催化剂老化方法及设备

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4626099B2 (ja) * 2000-07-17 2011-02-02 株式会社豊田中央研究所 光触媒体
KR100411177B1 (ko) * 2001-05-02 2003-12-18 한국화학연구원 산화반응용 촉매 및 이를 이용한 탄화수소 화합물의산화물 제조방법
KR100443261B1 (ko) * 2002-01-28 2004-08-04 한국화학연구원 카테콜의 선택적 합성을 위한 다공성 촉매
JP2006515584A (ja) * 2002-12-06 2006-06-01 エービービー ルマス グローバル インコーポレイテッド 活性金属を有するメソ孔物質
JP2005272463A (ja) * 2004-02-27 2005-10-06 Nagoya Industrial Science Research Inst 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法
JP2011126873A (ja) * 2009-11-18 2011-06-30 Jx Nippon Oil & Energy Corp チオール化合物の製造方法
JP2017057126A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 国立大学法人横浜国立大学 チタノシリケートの製造方法
CN117282472A (zh) * 2023-11-27 2023-12-26 中科益天环境工程(北京)有限公司 一种催化裂化催化剂老化方法及设备
CN117282472B (zh) * 2023-11-27 2024-02-09 中科益天环境工程(北京)有限公司 一种催化裂化催化剂老化方法及设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mal et al. Hydroxylation of phenol over Sn-silicalite-1 molecular sieve: solvent effects
Fan et al. Unique solvent effect of microporous crystalline titanosilicates in the oxidation of 1-hexene and cyclohexene
CN101229510B (zh) 一种含铋的硅酸盐的合成和应用
EP1110910B1 (en) A titanium-silicalite molecular sieve and the method for its preparation
Sun et al. A novel catalyst of Cu–Bi–V–O complex in phenol hydroxylation with hydrogen peroxide
Yu et al. Insights into the efficiency of hydrogen peroxide utilization over titanosilicate/H2O2 systems
JP5073133B2 (ja) 過酸化水素を直接合成するための触媒および方法
Eimer et al. Mesoporous titanosilicates synthesized from TS-1 precursors with enhanced catalytic activity in the α-pinene selective oxidation
Valange et al. Synthesis of copper bearing MFI zeolites and their activity in wet peroxide oxidation of phenol
CA2149894C (en) Titanium silicalite oxidation catalysts
US5409876A (en) Process for oxidating paraffinic compounds with oxygen
JPH09208511A (ja) 芳香族ヒドロキシ化合物の製造方法
JPS62102830A (ja) 担持触媒及びその製造法
Yin et al. Postsynthesis of Ti-UZM-35 titanosilicate as efficient catalyst for phenol hydroxylation reaction
US6991678B2 (en) Process for preparing microporous crystalline titanium silicate
WO1997029046A1 (en) Novel metal silicate compositions and catalysts
EP1131264A1 (fr) Procede de preparation d'une silicalite de titane de type mel, produit obtenu et ses applications en catalyse
RU2654477C2 (ru) Способ получения 2,6-ди-трет-бутил-п-бензохинона
KR20120139675A (ko) 프로필렌 옥사이드의 제조 방법
JP2000026347A (ja) 接触酸化によりヒドロキシル基を有する芳香族化合物を製造する方法
JP4816505B2 (ja) ケトン化合物の製造方法
JP2005213123A (ja) 炭素ドープ酸化チタンとその製造法、光触媒、及び該触媒を用いた有機化合物の酸化方法
Yu et al. Synthesis, characterization, and catalytic phenol hydroxylation of a novel complex oxide H x V 2 Zr 2 O 9. H 2 O
JPH1017559A (ja) 脂肪族エポキシド化合物の製造方法
JPH07116097B2 (ja) ピロメリツト酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030401