JP4816505B2 - ケトン化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空気又は分子状酸素を用いてオレフィンを酸化して、対応するケトンを製造するのに適した触媒に関する。
オレフィン類の直接酸化によるカルボニル化合物の製造方法としては、古くからPdCl−CuCl触媒によるワッカー法が知られている。しかし、このワッカー法においては、塩素による装置の腐食や塩素化合物の副生などの問題がある。そのうえ、原料オレフィンの炭素数が増加するにつれて反応速度が著しく低下することや内部オレフィンとの反応性が低いなどの問題があり、工業的にはアセトアルデヒドやアセトン等の低級カルボニル化合物の製造以外には用いられていない。石井らは、活性炭上に担持したPd(OAc)/モリブドバナドリン酸塩(NPMoV)を触媒成分として使用して、酸素雰囲気下でのシクロペンテンのワッカー型酸化反応を報告しているが(非特許文献1)、工業的には、その選択性や触媒系の調製法の点で必ずしも満足の行くものとは言えなかった。
テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Letters)41 (2000)99-102
オレフィンを対応するケトンに良好な選択性で酸化することのできる調製容易な触媒および当該触媒を用いたオレフィンのケトンへの酸化反応を提供する。
本発明は、下記i)、ii)およびiii)からなる触媒。
i)塩素を含まないパラジウム源、
ii)メソポーラスシリケート、
iii)式(1):

[M] (1)

(式中、Mは元素周期律表第5族及び第6族から選ばれる一種以上の元素を表し、xは2〜64の整数を表し、yは4〜196の整数を表す。)
で示されるアニオンおよび当該アニオンの対カチオンからなるイソポリ酸又はその酸性塩、さらに、本発明は、有効量のプロトン、当該触媒の存在下で置換されていても良いオレフィン化合物と分子状酸素及び水を反応させることを特徴とするケトン化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、オレフィンのケトンへの酸化は、本発明の触媒存在下で効率的かつ選択的に行うことができる。
本発明において使用されてもよい塩素を含まないパラジウム源は、例えば、パラジウム金属、塩素を含まないパラジウム化合物及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書において、塩素を含まないパラジウム塩とは、パラジウム源自体が塩素の塩でないことを意味する。塩素を含まないパラジウム化合物の例としては、例えば、パラジウムの有機酸塩、パラジウムの酸素酸塩、酸化パラジウム、硫化パラジウム、これらの塩、酸化物、及び硫化物の有機錯体又は無機錯体、ならびにこれらの混合物など塩素を含まないパラジウムの塩が挙げられる。
パラジウムの有機酸塩の例としては、例えば、酢酸パラジウム及びシアン化パラジウムが挙げられる。パラジウムの酸素酸塩の例としては、例えば、硝酸パラジウム及び硫酸パラジウムが挙げられる。これらの塩、酸化物、及び硫化物の有機錯体又は無機錯体の例としては、例えば、硝酸テトラアミンパラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナート)パラジウム、などが挙げられる。また、下記に示すイソポリ酸の対カチオンとしてパラジウムが入ったイソポリ酸パラジウム塩でもよい。パラジウムの有機酸塩又はパラジウムの酸素酸塩が好ましい。酢酸パラジウムが、より好ましい。
本発明において使用してもよいイソポリ酸又はその酸性塩としては、例えば、下記式(1):

[M] (1)

(式中、Mは元素周期律表第5族及び第6族から選ばれる少なくとも一種の元素、xは2〜64の整数を表し、yは4〜196の整数を表す。)
で表されるアニオンと、当該アニオンと均衡する対カチオンからなるイソポリ酸又はその酸性塩が例示される。
前記式(1)におけるMで表される元素周期律表第5族及び第6族の元素から選ばれる一種の元素としては、モリブデンもしくはバナジウムが好ましい。
式(1)のアニオン:[M]を具体的に例示すれば、例えば、
二モリブデン酸[Mo2−、六モリブデン酸[Mo192−
七モリブデン酸[Mo246−、八モリブデン酸[Mo266−
六タングステン酸[W192−、十バナジウム酸[V10286−
六ニオブ酸[Nb198−、六タンタル酸[Ta198−
五モリブデン一バナジウム酸[MoVO193−
四タングステン二ニオブ酸[WNb194−等が挙げられる。
式(1)において、[M]で表されるアニオンとしては、下記式(1A)又は(1B)が好ましい。

[VMo6−n19(2+n)− (1A)
(式中、nは0〜6の整数である)

[Mo246− (1B)
また、式(1)の対カチオンとしては特に制限はなく、カチオンの例としては、例えば、水素、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウムなど第三級アンモニウム塩を含むアンモニウム、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウムなど)、アルカリ土類金属(例えば、バリウム、マグネシウム、カルシウムなど)及びそれらの混合物が挙げられる。
イソポリ酸又はその酸性塩の例としては、[(CHCHCHCHN]Mo19、[(CHCHCHCHN]Mo 19、(NHMo24などが挙げられる。
使用することのできるイソポリ酸又はその酸性塩の量は、イソポリ酸又はその酸性塩の種類、ならびに反応するオレフィンの種類及び濃度に依存する。イソポリ酸又はその酸性塩は、パラジウム1モルあたり、通常は0.001モル以上、好ましくは0.005モル以上、なおさらに好ましくは0.01モル以上、なおさらにより好ましくは0.05モル以上の量で使用され、その上限は、パラジウム1モルあたり、通常は500モル、好ましくは100モル、なおさらに好ましくは10モル、なおさらにより好ましくは1モルである。
本明細書においてメソポーラスシリケートとは、細孔径が2nm〜50nmの規則性メソ多孔体を意味する。 メソポーラスシリケートの構造は、IZA(International Zeolite Association)の定義に基づく。M41S(例えば、MCM−41又はMCM−48等)の型に関して、Studiesin Surface Science and Catalysis 148(2004)53を参照することができる。
メソポーラスシリケートの例としては、例えば、シリカのみからなるメソポーラスシリカ、及びAl、Ti、Zr、Ga、Fe、B、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Co及びSnからなる群から選択される少なくとも1つの元素をその骨格中に含有するメタロシリケートが挙げられる。
メソポーラスシリカの例としては、MCM−41、MCM−48、FSM−16,SBA−15又はSBA−16(D.Zhao,ら,Science 279(1998)548;Zhao ら,J.Am.Chem.Soc.120(1998)6024)などのSBA型、HMSなど、孔径2nm〜50nmである規則性メソ多孔体を例示することができる。
メソポーラスシリケートは、典型的には、第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム及び臭化セチルトリメチルアンモニウム(USP5,098,684,Zeolite,18,408−416(1997)))、一級アミン(例えば、n−ドデシルアミン(Science Vol.267、865)又はブロック共重合体(Science Vol.269,1242))などのテンプレート存在下、テトラエチルオルトシリケートなどのケイ酸アルコキシドの加水分解によって合成される。Si−MCM−41などのメソポーラスシリケートを、Beck ら,Nature 359,710(1992)に従って調製することができる。また、HMSの調製は、Peter T.Tanev らの方法,(Science,vol.267,p.865)に従って合成することができる。さらに、ケイ素源として、沈降シリカ及びコロイド状シリカなどのシリカ、及び液体ガラスなどのケイ酸ナトリウムを用いることにより、例えば、水熱合成し、次いでトルエン、メタノール又はアセトンなどの適切な溶媒を用いて洗浄することによってテンプレートを除去するか、又は約300〜800℃の温度で焼成することによって、又は焼成後に洗浄することによって合成することができる。
これらのメソポーラスシリケートの中で、単位重量あたりの表面積がより大きいものが好ましい。メソポーラスシリケート1gあたり200m〜2000mの表面積を有するものが好ましく、メソポーラスシリケート1gあたり400m〜2000mの表面積を有するものがさらに好ましい。
細孔の形状及び規則性は、上記に定義されるようなメソ多孔体が存在する限り、特に限定されない。メソポーラスシリケートを、必要な場合には、パラジウム化合物及びイソポリ酸又はその酸性塩を担持する前又は担持した後に、ペレット形状、球面形状、円筒状形状などに成形してもよい。
パラジウム化合物、イソポリ酸又はそれらの酸性塩、及びメソポーラスシリケートは、別々に反応系に添加することができる。以下では、イソポリ酸の酸性塩を使用する場合を例にとって、本発明の触媒の調製法を説明する。また、本発明においては、イソポリ酸の酸性塩の変わりにイソポリ酸を用いて同様に触媒を調製することができる。例えば、パラジウム化合物、又はイソポリ酸の酸性塩を、メソポーラスシリケートに担持し、残りの成分を別個に反応物に添加してもよい。あるいは、パラジウム化合物、又はイソポリ酸の酸性塩を、段階的に又は同時にメソポーラスシリケートに担持し、担持触媒を形成してもよい。
本発明の触媒は、典型的には、パラジウム化合物の溶液又は懸濁液、又はイソポリ酸の酸性塩の溶液又は懸濁液、又はその両方を含む溶液又は懸濁液を用いて、メソポーラスシリケートに含浸することによって製造される。例えば、パラジウム化合物の溶液又はイソポリ酸の酸性塩の溶液を調製し、メソポーラスシリケートをそれらに添加し、得られた混合液を攪拌し、同時又はその後に触媒の残りの成分をそれらに添加する。通常は、固形物をろ過するか又は溶媒を蒸発させ、本発明の触媒を固体として得る。必要な場合には、これらを組み合わせても良い。あるいは、パラジウム化合物及びイソポリ酸の酸性塩の溶液又は懸濁液を調製し、得られた混合物にメソポーラスシリケートを加え、上述のようにろ過、蒸発、又は乾燥などの同様の処理を施すことで調製できる。パラジウム化合物、又はイソポリ酸の酸性塩を溶解することができる好ましい溶媒の例としては、例えば、水、メタノール又はエタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ならびにアセトニトリルなどの二トリル類などが挙げられる。メソポーラスシリケートに担持されるパラジウム化合物の量は、担体及びその量に依存して変動するが、通常はメソポーラスシリケートの0.001〜40重量%、好ましくは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明の酸化反応は、置換されていても良いオレフィン化合物の対応するケトン化合物への酸化に好適に用いられる。置換されていてもよいオレフィン化合物としては、典型的には、置換又は無置換シクロオレフィンが例示される。無置換シクロオレフィンの例としては、例えば、約4〜20個の炭素を有するシクロオレフィン、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロドデセン、シクロオクタデセンなどが挙げられる。置換オレフィンの置換基の例としては、例えば、塩素、フッ素、臭素及びヨウ素などのハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、アシル基、ニトロ基、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基などが挙げられる。より好適に使用されるシクロオレフィンはシクロヘキセンであり、シクロヘキセンからシクロヘキサノンが効率的に製造される。
本発明の酸化反応においては、分子状酸素が通常用いられ、分子状酸素としては、純酸素又は空気を使用することができ、又はこれらのガスを、窒素又はヘリウムなどの不活性ガスで希釈することによって分子状酸素を含有するガスとして使用してもよい。使用する酸素量は、酸化されるオレフィン化合物の種類及び量、使用される溶媒中の酸素溶解度などに応じて調整することができる。通常、分子状酸素は、オレフィン化合物1モルあたり、1モル〜約100モル、好ましくは約2モル〜約50モル、さらに好ましくは約5モル〜約20モルの量で使用される。または、酸素分圧として、好ましくは0.01〜10Ma、さらに好ましくは0.05〜5MPaの範囲にある。
水の量は、典型的には、オレフィン化合物1モルあたり1〜5000モル、好ましくは約5〜約1000モル、さらに好ましくは約10〜約200モルである。
本発明の酸化反応においては、反応に不活性な有機溶媒が使用されてもよい。かかる不活性有機溶媒の例としては、例えば、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなど)又はアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)などの極性有機溶媒が挙げられる。極性有機溶媒が好ましく使用され、アセトニトリルがさらに好ましい。また溶媒としては、上述の化合物を単独で用いても良いし混合物として使用してもよい。
本発明の酸化反応は酸性雰囲気下で行われるが、この際プロトンは、イソポリ酸によって与えられてもよく、又は別にプロトン酸として酸化反応に添加してもよい。プロトン酸としては、例えば、無機酸、有機酸、又は固体酸(固体プロトン酸)を酸化反応に対して添加してもよい。無機酸の例としては、例えば、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などが挙げられ、硫酸が好ましい。有機酸の例としては、例えば、カルボン酸、及びスルホン酸が挙げられる。また、何れの場合においても、それらの有機残基中に1個又は複数のハロゲン原子を有していてもよい。カルボン酸の例としては、例えば、ギ酸、脂肪族カルボン酸(例えば酢酸)、脂環式カルボン酸(例えばシクロヘキサンカルボン酸)、芳香族カルボン酸(例えば安息香酸)などが挙げられる。スルホン酸としては、例えば、アルキルスルホン酸(例えばメタンスルホン酸又はエタンスルホン酸)、アリールスルホン酸(例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸)などが挙げられる。固体プロトン酸の例としては、例えば、イオン交換樹脂(例えば、スルホン酸型イオン交換樹脂など)、酸性ゼオライトなど、及び硫酸化ジルコニアが挙げられる。
使用されるプロトン酸の有効量は、使用されるオレフィン化合物、使用される溶媒の量及び種類に依存して変動する。例えば、反応が水相及び有機相を含む2相系である液相中で行なわれる場合、水相中のプロトンの濃度が好ましくは10−5〜10mol/L、さらに好ましくは10−3〜1mol/Lになるように、プロトン酸を添加しても良い。反応が水及び有機溶媒から形成される均一液相中で行われる場合、添加されるプロトン酸及びイソポリ酸に含まれるプロトンの全てが遊離していると仮定して、均一液相中のプロトンの濃度が好ましくは10−5〜10mol/L、さらに好ましくは10−3〜1mol/Lになるように酸が添加することができる。なお、本発明の触媒の成分であるイソポリ酸は反応中のプロトン源となるので、上述のような有効量のプロトンを、本発明のイソポリ酸のみから提供することもできる。
酸化反応は、通常は、0〜200℃、好ましくは10〜150℃、さらに好ましくは30〜100℃の温度範囲で行われる。反応は、通常は、0.01〜10MPa(絶対圧)、好ましくは0.05〜7MPa(絶対圧)、さらに好ましくは0.1〜5MPa(絶対圧)の圧力範囲内で行われる。
生成物を含有する反応溶液、又は反応ガスは捕集され所望のケトンを単離する。生成したケトン化合物は、通常は、蒸留、相分離などによって分離される。ケトンの例としては、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロドデカノンなどが挙げられる。反応は、回分式、半回分式、連続法、又はそれらの組み合わせにおいて行うことができる。
触媒は、スラリー法又は固定床法において使用されてもよい。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)MCM−41の合成
ケイ酸含有MCM−41を、シリカ源としてNaSiO/SiO=0.124:1のモル比でメタケイ酸ナトリウム(NaSiO)及びAerosil 200(日本アエロジル株式会社の登録商標)を用いて文献(Carvalho ら,Zeolites,18,408,1997)に従って調製した。水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAOH)を鉱化剤として使用し、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMABr)をテンプレートとして使用した。NaSiO6.3g及びAerosil 200 25gをTMAOH(26%)13.12g中で懸濁させ、この懸濁物と水1043gに溶解した35.79gのCTMABrとをステンレス鋼オートクレーブ(1000ml)中で混合することによって反応ゲルを調製した。加熱速度17.5K/hで105℃まで加熱し、この温度で48時間維持した。得られた固体をろ過によって分離し、水で洗浄し、減圧下80℃で3時間乾燥し、最後に窒素流下530℃で1時間焼成し、次いで同じ温度で空気流下5時間焼成した。

(2)10重量%のPd(OAc)/MCM−41の調製:
Pd(OAc)(0.10g)をアセトン(10ml)に溶解し、MCM−41(1g)を添加した。室温で1時間攪拌した後、353Kで乾燥して、[10重量%のPd(OAc)/MCM−41]をほぼ定量的な収率で得た。

(3)[(CHCHCHCHN]Mo19の合成
NaMoO・2HO(2.4g)を水(25ml)に溶解し、これに10mol/lHCl水溶液(5ml)とアセトン(70ml)を混合した。この溶液に、(CHCHCHCHNBr(2g)を添加することで、標記の塩を黄色沈殿物として得た。

(4)シクロヘキセンのシクロヘキサノンへの酸化
シクロヘキセン(2mmol)、アセトニトリル/水(4.3ml/0.7ml)、96重量%の硫酸(8mg)、10重量%のPd(OAc)/MCM−41(100mg)及び[(CHCHCHCHN]Mo19(9mg)の混合物をガラス管に入れ、120mlの容量を有するオートクレーブに挿入し、加圧空気2MPaに加えて窒素ガス3MPaを導入し、323Kで2時間反応させた。結果を表1に示す。

実施例2
[(CHCHCHCHN]Mo 19の合成
NHVO(0.23g)を0.15mol/lNaOH水溶液(20ml)に溶解し、水(480ml)にNaMoO・2HO(2.4g)を溶解した液を加えた。
溶液のpHをHClで3.2にした。室温で1時間撹拌後、(CHCHCHCHNBr(5g)を添加することで、標記の塩を黄色沈殿物として得た。
[(CHCHCHCHN]Mo 19(12mg)を[(CHCHCHCHN]Mo19の代わりに使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。

実施例3
(NHMo24・4HO(8mg)(ナカライテスク株式会社製造)を[(CHCHCHCHN]Mo19の代わりに使用した以外は、実施例1と同様に反応を行った。結果を表1に示す。

比較例
(1)NPMoVの合成
文献(Tetrahedron Letters 41 (2000)99−102)に従い、NPMoVを合成した。NaMoO・2HO(8.22g、34mmol)含有水溶液(12ml)を、NaVO(7.32g、60mmol)含有水溶液(38ml)に添加した。得られた溶液に、85重量% HPO(7.6g、66mmol)水溶液(10ml)を添加し、混合物を攪拌しながら、1時間、368Kまで加熱した。混合物を273Kまで冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液(150ml)を添加し、褐色沈殿物としてNPMoVを得た。水からの再結晶により、固体生成物を精製した。次いで、ろ過により単離し、約363Kで乾燥した。得られたNPMoVは、N/P/Mo/V=9.1/1.0/4.2/7.5の平均原子比で、アンモニウムカチオンと部分的に置換されたモリブドバナドリン酸塩の複合混合物であった。NPMoVの平均組成は、(NHPMo7.5・nHOによって表される。
(2)10重量%のPd(OAc) 15重量%のNPMoV/ACの調製
文献(Tetrahedron Letters 41 (2000)99−102)に従い、担持触媒Pd/NPMoV/ACを調製した。Pd(OAc) 1(0.3g、1.3mmol)含有水溶液(150ml)に、活性炭(AC、和光純薬(株)製)(3g)を添加し、室温で8時間撹拌した。10重量%Pd(OAc)/ACをろ別し、減圧下60℃で乾燥させた。この10重量%Pd(OAc)/AC(3.3g)を水(150ml)に懸濁させ、NPMoV(0.45mg)を添加し、室温で30分間激しく撹拌した。固体をろ別し、水で洗い、減圧下90℃で乾燥させることで、10重量%のPd(OAc) 15重量%のNPMoV/ACがほぼ定量的に得られた。
(3) シクロヘキセンのシクロヘキサノンへの酸化
シクロヘキセン(2mmol)、アセトニトリル/イオン交換水(4.3ml/0.7ml)、96重量%の硫酸(8mg)、Pd/NPMoV/AC(100mg)をガラス管に入れ、120mlの容量を有するオートクレーブに挿入し、加圧空気2MPaに加えて窒素ガス3MPaを導入し、323Kで2時間反応させ、シクロヘキサノンを得た。結果を表1に示す。

表1
TOF(ターンオーバー頻度):1時間当り、Pd1モル当りに生成したモル数を示す。

Claims (11)

  1. 有効量のプロトン、および下記i)、ii)およびiii)からなる触媒の存在下、置換されていても良いオレフィン化合物と分子状酸素と水とを反応させることを特徴とするケトン化合物の製造方法。
    i)塩素を含まないパラジウム源、
    ii)メソポーラスシリケート、
    iii)式(1):
    [MxOy] (1)
    (式中、Mは元素周期律表第5族及び第6族から選ばれる一種以上の元素を表し、xは2〜64の整数を表し、yは4〜196の整数を表す。)
    で示されるアニオンおよび当該アニオンの対カチオンからなるイソポリ酸又はその酸性塩。
  2. メソポーラスシリケートが、Al、Ti、Zr、Ga、Fe、B、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Co及びSnからなる群から選択される少なくとも1つの元素をその骨格中に含有する、メソ多孔質シリカ、又はメタロシリケートであることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 触媒が、前記i)塩素を含まないパラジウム源、前記iii)イソポリ酸若しくはその酸性塩、又は前記i)塩素を含まないパラジウム源及び前記iii)イソポリ酸若しくはその酸性塩の両方がメソポーラスシリケートに担持されてなる触媒である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. メソポーラスシリケートが、M41S、FSM−16、HMS、又はSBAである請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. メソポーラスシリケートが、メソポーラスシリケート1gあたり400〜2000m の表面積を有するメソポーラスシリケートである請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 式(1)中、Mがバナジウム、モリブデン、及びタングステンから選ばれる一種以上の元素である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. イソポリ酸又はその酸性塩のアニオンが、式(1A)又は(1B)で表されるアニオンである請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
    [V Mo 6−n 19 ] (1A)
    (式中、nは0〜6の整数を表す。)又は、
    [Mo 24 ] (1B)
  8. 極性有機溶媒存在下で反応させる請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 極性有機溶媒がアセトニトリルである請求項に記載の製造方法。
  10. 有効量のプロトン源として硫酸を用いる請求項〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. オレフィン化合物がシクロヘキセンであり、ケトン化合物がシクロヘキサノンである請求項〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
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