JPH09206602A - 光触媒の定着方法 - Google Patents

光触媒の定着方法

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JPH09206602A
JPH09206602A JP8019010A JP1901096A JPH09206602A JP H09206602 A JPH09206602 A JP H09206602A JP 8019010 A JP8019010 A JP 8019010A JP 1901096 A JP1901096 A JP 1901096A JP H09206602 A JPH09206602 A JP H09206602A
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oxide photocatalyst
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昭 藤嶋
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Makoto Takada
高田  誠
Shinichi Kamiyama
真一 神山
Koichi Matsubara
弘一 松原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体光触媒を担体に担持させ、担体の劣化
崩壊を抑制しつつ、防臭、防汚、抗菌等の効果を発揮さ
せることができる光触媒の定着方法を提供する。 【解決手段】 半導体又は金属を含有する半導体の粉末
又はゾルからなる光触媒を、核となる物質に定着させた
後に、凝集剤により凝集させ、担体に担持させることに
より、光触媒作用によって担体が劣化するのを防止する
ようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光照射下での防
臭、防汚、抗菌の効果を持った微細な半導体光触媒の定
着方法に係り、特に、その担体自体が光触媒作用によっ
て劣化されないようにできる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生活環境に対する関心が集まるなか、環
境汚染物質の社会的排出抑制や自助努力による生活改善
の気運が高まっている。そのため、防臭、防汚、抗菌な
どの環境浄化方法、システムが要求されている。
【0003】このような要求に対し、半導体光触媒が注
目されている。その中で特に、酸化チタン光触媒が注目
されている。酸化チタンは、適度な硬度と無毒性から歯
磨剤などに利用され、また、卓越した着色性および隠蔽
力を有する白色顔料として、古くから塗料などに利用さ
れているほか、紫外線吸収剤として化粧品等に利用され
ている。また、酸化チタンの光触媒能力も古くから知ら
れており、特開昭61-135669 号公報では硫化物の分解、
特開平2-62297 号公報では窒素酸化物の光分解などが開
示されている。
【0004】日常生活における脱臭剤としては、活性炭
に代表される吸着剤などが挙げられる。しかし、脱臭剤
としてのガス吸着剤は、悪臭物質などの吸着が飽和に達
すると吸着能力が失活してしまう。殺菌剤には強酸性物
質や強塩基性物質などが挙げられる。しかし、これらは
程度の差こそあれ劇毒性を有しており、人体に対して悪
影響を及ぼす。これに対し、酸化チタン光触媒は効果の
即時性には劣るものの、効果は失活することなく、永久
的に続くものであり、無毒性であるという利点を有す
る。
【0005】酸化チタンに代表される光触媒は、紫外線
照射下で酸化力の強い正孔を作り、空気中の水蒸気や酸
素と反応して、OHラジカルやO2 - 等の活性酸素等の
反応活性種を発生し、防臭、防汚、抗菌の効果を出すこ
とが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸化チタン光
触媒を担体に担持させると、紫外線照射により悪臭物質
や汚れ物質の分解および細菌殺菌とともに担体の分解が
起こり、担体の強度低下が起きる。このように微細な酸
化チタン光触媒を担体と一緒に定着、凝集させる方法で
は、実用的な使用は不可能である。
【0007】特開平3-69695 号公報では、酸化チタン光
触媒などを紙類にコーティングして脱臭性、抗菌性など
を有するものの記載がある。また、特開平2-280818号お
よび同3-94814 号公報では、この担体の崩壊防止の一方
法として、セラミック繊維等を使用している。しかし、
この方法はセラミック繊維シートの後加工であるため製
造装置が特殊であること、素材に柔軟性がないことなど
課題が多い。また、特開平1-111100号および同1-156576
号公報では、紙または不織布に光触媒を内添または塗工
し、その表面をエッチングすることにより光触媒を露出
させる方法がある。これについては、エッチングの特殊
な加工が必要であり一般的な製造技術とはいえない。ま
た、通常製紙で使用される湿潤および乾燥紙力増強剤だ
けの添加では光触媒反応による劣化を防止することがで
きず、紫外線照射により極端に強度が低下し、実用に耐
えられるものではない。
【0008】このように、光触媒を用いて、防臭、防
汚、抗菌効果を持たせた担体は、光触媒作用により、劣
化崩壊を起こす。そこで、この担体の劣化防止技術を開
発が必要である。
【0009】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、半導体光触媒を担体、例えばシートに担持さ
せ、担体の劣化崩壊を抑制しつつ、防臭、防汚、抗菌効
果を発揮させることができる光触媒の定着方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る光触媒の定着方法は、(構成1) 半導
体又は金属を含有する半導体の粉末又はゾルからなる光
触媒を、核となる物質に定着させた後に、凝集剤により
凝集させ、担体に担持させることにより、光触媒作用に
よって担体が劣化するのを防止するようにしたことを特
徴とする構成とし、この構成1の態様として、(構成
2) 構成1 の光触媒の定着方法において、前記半導体
又は金属を担持した半導体の粉末またはゾルからなる光
触媒として、一次粒子径が5 nm〜0.1 μmの酸化チタ
ンの粉末またはゾルを用いることを特徴とする構成と
し、構成1または2の態様として、(構成3) 構成1
又は2 の光触媒の定着方法において、前記凝集剤によっ
て凝集した凝集体の大きさが、200nm 以上、望ましく
は、5μm 〜1cmであることを特徴とする構成とし、構
成1ないし3のいずれかの態様として、(構成4) 構
成1 ないし3 のいずれかの光触媒の定着方法において、
前記光触媒の配合量として、担体に対して重量比で1%〜
50% 、望ましくは5%〜30% であることを特徴とする構成
とし、構成1ないし4のいずれかの態様として、(構成
5) 構成1 ないし4 のいずれかの光触媒の定着方法に
おいて、前記核となる物質として、ポリテトラフルオロ
エチレン、ゼオライト、ホワイトカーボン、セピオライ
ト、活性炭、水酸化アルミニウム、シリコーンの単独ま
たは複数を用いることを特徴とする構成とした。
【0011】
【実施の形態】例えば、酸化チタン光触媒をスラリーと
混合して定着及び凝集させ、シートにすると、酸化チタ
ン光触媒の配合量が多くなる程、シートの強度保持が困
難となり、紫外線照射による光触媒反応によってさらに
強度の低下が起きる。
【0012】そこで、本願発明では、酸化チタン等の光
触媒の微粒子を、まず、核となる物質に定着させ、次
に、これらを凝集させて凝集体にし、次いで、スラリー
等の担体に担持させ、しかる後に必要に応じてシート等
の所定の構造体に形成するようにしたものである。これ
により、光触媒を担体と混合して定着と凝集を同時に行
うようにした従来の場合に比較して、光触媒作用による
担体自体の劣化を極めて効果的に防止できるようにした
ものである。
【0013】本発明における光触媒としては、一次粒子
径が5nm 〜0.1 μm の半導体機能を持つ酸化チタン単
体、あるいは、半導体機能を持つ、金属を含有した酸化
チタン等を用いることができる。酸化チタンに含有され
る金属としては、例えば、パラジウム、亜鉛、インジウ
ム等がある。
【0014】また、核となる物質としては、微粒子状の
光触媒を定着させることができる化学的性質や粒径を備
えたものであればよく、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレンディスパージョン、ゼオライト、ホワイトカーボ
ン、セピオライト、活性炭、水酸化アルミニウムの単独
または混合したものがあげられる。
【0015】また、そのほかに核となる物質としては、
活性白土、ハロイサイト、酸化亜鉛、カオリンクレー、
炭酸カルシウム、サチンホワイト、プラスチック顔料等
があり、これらと酸化チタン光触媒を混合して定着さ
せ、凝集させてもよい。
【0016】さらに、他の核となる物質としては、シリ
コーンディスパージョンのほかにポリ酢酸ビニルエマル
ジョン、酢酸ビニルコポリマーエマルジョン、アクリル
酸エステルコポリマーエマルジョン、塩化ビニリデンコ
ポリマーエマルジョン、塩化ビニルコポリマーエマルジ
ョン、ポリエチレンエマルジョン、エポキシ樹脂、ブタ
ジエンスチレンラテックス、ブタジエンアクリロニトリ
ルラテックスのほかに、スターチ、マンナンなどの水溶
性ポリマーなどを用いてもよい。
【0017】これら核となる物質の粒径は、5nm 〜100
μm であればよい。
【0018】本発明における定着とは光触媒と核となる
物質とを繋ぎとめることをいい、その定着作用を行なわ
せる定着剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、
硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウ
ム、アルミン酸ソーダ、ポリ酸化アルミニウムなどがあ
る。
【0019】本発明における凝集とは、光触媒を定着さ
せた状態の核となる物質同志を凝集させることをいい、
この凝集作用を行なわせる凝集剤としては、例えば、ポ
リアクリルアミド系、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
アクリル酸アミノアルキルエステル系、キトサン、ジメ
チルアリルアンモニウムクロライド、アルキルアミンエ
ピクロルヒドリン縮合物、ポリエチレンイミン、アルキ
レンジクロライドとポリアルキレンポリアミンの縮合
物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ビニルラクタ
ムアクリルアミド共重合体、ポリビニルピリジン、ビニ
ルイミダゾリン重合体、ジアルキルアミノエチルアクリ
レート、グアーガム、アルギン酸ソーダ、デンプン、ゼ
ラチン等であり、本発明はこれらを一種または複数種使
用することができる。
【0020】また、本発明における担体としては、例え
ば、凝集体を担持させる工程においてはスラリー状態に
あって、担持後にシート等の多孔質構造体に形成できる
ものが望ましい。
【0021】スラリーとしては、例えば、化学パルプ、
砕木パルプ、楮、三椏、雁皮、亜麻、大麻、ケナフ、マ
ニラ麻、サイザル麻、藁、竹、バガス、葦、エスパル
ト、リンター、パインアップル等の非木材繊維等の単独
または混合したものを水に分散させたものが挙げられ
る。また、レーヨン、ビニロン、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、アクリル、アラミド、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタンなどの化学繊
維または合成繊維、クリソタイルアスベスト、アモサイ
ト、クロシドライト、アンソフィライト、アクチノライ
ト、セピオライト等の鉱物繊維および炭素繊維、ガラス
繊維、金属繊維、セラミック繊維、ウィスカーなどの単
独または複数をスラリーに配合してもよい。
【0022】このスラリーを多孔質構造体に形成する方
法としては、従来公知の抄紙方法によって抄造する方法
を用いることができる。抄造するに当たっては、必要に
応じてスラリーに乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サ
イズ剤、染料、填料、顔料、粘剤、スライムコントロー
ル剤、歩留向上剤、消泡剤等の各種添加剤を配合しても
良い。
【0023】本発明の方法によれば、光触媒を核となる
物質に定着させた後、それ自身を凝集させ、担体に担持
させる。このため光触媒は担体一面に分散固定されてい
るのではなく、凝集体が分散した状態で固定されている
ため担体の劣化を抑制することが可能となった。
【0024】すなわち、本発明の方法によって得た光触
媒構造体は、比較的大きな粒径の核となる粒子の表面に
比較的小さな粒径の光触媒が多数定着され、この光触媒
の定着された核物質同志が凝集されてさらに大きな凝集
体を形成し、さらにこの凝集体が担体であるスラリーの
各々の繊維等の表面に多数担持され、そして、この多数
の凝集体を担持した多数の繊維等がシート状等の多孔質
構造体に形成されたものである。このため、光触媒の全
表面積に比較してその光触媒が繊維等の担体自体の表面
に接触する面積が著しく小さいものとなっている。それ
ゆえ、被処理物に対しては光触媒作用を行うに必要な十
分な接触面積を確保しつつ、この光触媒作用によって損
傷を受けやすい担体自体に対する光触媒の接触面積を小
さくすることを可能にしている。
【0025】なお、本発明にいたる契機の1つは、担体
として最適な条件(例えば製造が容易でかつ多孔質構造
体に形成でき、しかも光触媒構造体として汎用性に富む
等の条件)を満たせる材料(例えば繊維等)が、一般に
光触媒によって損傷を受けやすいものであるという事
実、逆に、光触媒に損傷を受けにくい材料は上記担体に
最適な条件を満たすものは少ないが、核物質となる粒子
状のものであればいくらでもあるという事実に着目した
点にある。また、他の1つは、担体の劣化を少なくする
には、被処理物に対しては光触媒作用を行うに必要な十
分な接触面積を確保しつつ、この光触媒作用によって損
傷を受けやすい担体自体に対する光触媒の接触面積を小
さくすればよいという発想をなした点にある。そして、
このような事実及び発想を基礎にして、光触媒を光触媒
作用に耐性のある核物質に定着させ、次にこれらを凝集
させて比較的大きな粒子状の凝集体を形成し、しかる後
にこの凝集体を担体に担持させるというアイデアを創出
して本発明をなすに至ったものである。
【0026】
【実施例】
(比較例1)本発明の実施例を掲げる前に、まず、本発
明の方法を用いた場合と比較するために、本発明の方法
を用いずに酸化チタン光触媒を試作し、その性能を試験
した比較例1を説明する。
【0027】酸化チタン光触媒と木材パルプを水に分散
させスラリーとし、定着剤として硫酸アルミニウムを添
加し、水酸化ナトリウムで中和し、発生する水酸化アル
ミニウムで酸化チタン光触媒を木材パルプに担持させた
後、ポリアクリルアミドで凝集させた。このときのパル
プ坪量は100g/m2 で、酸化チタン光触媒はパルプに対し
て5 ,10,15各重量% を内添し、タッピスタンダードシ
ートマシンにより比較例1の酸化チタン光触媒担持シー
トAを試作した。このときの配合を表1に示す。
【0028】
【表1】 なお、表1 における酸化チタンゾル(石原産業株式会社
製:STSー01)の一次粒径は7nmである。また、後
述する酸化チタンゾル(石原産業株式会社製:STー0
1)の一次粒径は20nm であり、STー31の一次粒
径は7nmである。
【0029】比較例1の酸化チタン光触媒担持シートA
の光触媒活性試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器(容
積:1.6 l)に、比較例1の方法を用いて作製した酸化
チタン光触媒担持シートAを入れ、光触媒活性を検討し
た。紫外線強度0.1mW/cm2 の白色蛍光灯を照射したとき
の悪臭物質であるアセトアルデヒドガスの分解の測定結
果を図1 に示す。このときのアセトアルデヒドガス初期
濃度は10ppm である。
【0030】図1から明らかなように、酸化チタン光触
媒が配合されていないパルプシートではアセトアルデヒ
ドガスは分解されないが、酸化チタン光触媒担持シート
Aは紫外線を照射するとアセトアルデヒドが分解され、
酸化チタン光触媒量が多くなるほどアセトアルデヒドガ
スの分解量が多くなる。これは酸化チタン光触媒担持シ
ートが微弱光で高い光触媒活性を持つことを示してい
る。
【0031】また、アセトアルデヒドガスを充満させた
密封ガラス容器(容積:1.6 l)に酸化チタン光触媒担
持シートAを入れ、光触媒活性を検討した。紫外線強度
0.44mW/cm 2 の紫外線を照射したときの悪臭物質である
アセトアルデヒドガスの分解を測定した。このときのア
セトアルデヒドガス初期濃度は1000ppm である。このと
きのアセトアルデヒドガスの50分後の分解率を表2 に示
す。表2 に示されるように十分な光触媒活性を有してい
ることがわかる。
【0032】
【表2】 比較例1の酸化チタン光触媒担持シートAの破裂強さ試
紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、酸化チタ
ン光触媒担持シートAの破裂強さを測定した。この結果
を表3 に示す。
【0033】
【表3】 表3から明らかなように、酸化チタン光触媒をパルプス
ラリーに添加し、定着、凝集させるとシート強度が弱
く、酸化チタン光触媒の配合量が多い程、紫外光を照射
しなくても強度低下を起こす。また、光を照射すればこ
の傾向はさらに増幅され、悪臭物質の分解とともにシー
ト素材の崩壊も促進する。このように酸化チタン光触媒
は内添定着が可能であるが、強度低下が著しく製品化は
不可能であった。
【0034】(実施例1)次に、本発明の実施例1を説
明する。
【0035】酸化チタン光触媒を水中に分散させ、定着
剤として硫酸アルミニウムを添加後、水酸化ナトリウム
で中和し、発生する水酸化アルミニウムで酸化チタン光
触媒を定着させた後、ポリアクリルアミドで凝集させ
た。この時の凝集体の大きさは100μm〜1cmの塊
状集合体であった。この塊状集合体の一部を取り、光学
顕微鏡で観察するとさらに細かい粒子(5〜10μm)
が結合していた。さらに別に用意したパルプスラリーに
混合後、パルプに担持させ、さらにポリアクリルアミド
で凝集させた。このときのパルプ坪量は100g/m2 、酸化
チタン光触媒はパルプに対して10重量% を内添し、タッ
ピスタンダードシートマシンにより実施例1の酸化チタ
ン光触媒担持シートBを試作した。このときの配合を表
4に示す。
【0036】
【表4】 実施例1の酸化チタン光触媒担持シートBの光触媒活性
試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器(容
積:1.6 l)に酸化チタン光触媒担持シートBを入れ、
光触媒活性を検討した。紫外線強度0.44mW/cm2 の紫外
線を照射したときの悪臭物質であるアセトアルデヒドガ
スの分解を測定した。このときのアセトアルデヒドガス
初期濃度は1000ppm である。このときのアセトアルデヒ
ドガスの50分後の分解率を表5 に示す。
【0037】
【表5】 表5から明らかなように、実施例1の酸化チタン光触媒
担持シートBは、50分間で68.5%のアセトアルデヒドガ
スを分解し、十分な光触媒活性を示した。
【0038】実施例1の酸化チタン光触媒担持シートB
の破裂強さ試験 紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、酸化チタ
ン光触媒担持シートBの破裂強さを測定した。この結果
を表6 に示す。
【0039】
【表6】 表6 から明らかなように、酸化チタン光触媒を予め定着
凝集させることにより、飛躍的に強度物性が向上し、担
体の劣化を防止することができた。
【0040】(実施例2)次に実施例2を説明する。
【0041】酸化チタン光触媒を水中に分散させ、化学
反応には極めて安定なポリテトラフルオロエチレン(粒
径:200 〜400nm )に定着させ、水酸化ナトリウムで中
和させながら、ポリアクリルアミド及びポリアミンで凝
集させた。さらに別に用意したパルプスラリーに混合
後、パルプに担持させ、さらにポリアクリルアミド及び
ポリアミンで凝集させた。このときのパルプ坪量は100g
/m2 、酸化チタン光触媒はパルプに対して10重量% を内
添し、タッピスタンダードシートマシンにより実施例2
の酸化チタン光触媒担持シートCを試作した。配合を表
7に示す。
【0042】
【表7】 実施例2の酸化チタン光触媒担持シートCの光触媒活性
試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器(容
積:1.6 l)に実施例2の酸化チタン光触媒担持シート
Cを入れ、光触媒活性を検討した。紫外線強度0.44mW/c
m 2 の紫外線を照射したときの悪臭物質であるアセトア
ルデヒドガスの分解を測定した。このときのアセトアル
デヒドガス初期濃度は1000ppm である。このときのアセ
トアルデヒドガスの50分後の分解率を表8 に示す。
【0043】
【表8】 実施例2の酸化チタン光触媒担持シートCの破裂強さ試
紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、実施例2
の酸化チタン光触媒担持シートCの破裂強さを測定し
た。この結果を表9 に示す。
【0044】
【表9】 表9 から明らかなように、酸化チタン光触媒をポリテト
ラフルオロエチレンと混合し、定着、凝集することによ
り、パルプの崩壊を防ぐことができ、酸化チタン光触媒
担持シートは飛躍的に安定性を増した。
【0045】(実施例3,4,5,6,7)酸化チタン
光触媒を水中に分散させ、シリコーンディスパージョ
ン、ゼオライト、ホワイトカーボン、セピオライト、活
性炭をそれぞれ混合後、硫酸アルミニウムを添加し、水
酸化ナトリウムで中和させ発生する水酸化アルミニウム
で定着し、ポリアクリルアミド及びポリアミンで凝集さ
せた。これを別に用意したパルプスラリーに混合し、パ
ルプに担持させ、ポリアクリルアミド及びポリアミンで
凝集させた。このときのパルプ坪量は100g/m2 、酸化チ
タン光触媒はパルプに対して10重量% を内添し、タッピ
スタンダードシートマシンにより実施例3,4,5,
6,7の酸化チタン光触媒担持シートD、E、F、G、
Hを試作した。配合を表10に示す。
【0046】
【表10】 実施例3〜7の酸化チタン光触媒担持シートD〜Hの光
触媒活性試験 アセトアルデヒドガスを充満させたガラス容器(容積:
1.6 l)に実施例3〜7の酸化チタン光触媒担持シート
D、E、F、G、Hを入れ、光触媒活性を検討した。紫
外線強度0.44mW/cm 2 の紫外線を照射したときの悪臭物
質であるアセトアルデヒドガスの分解を測定した。この
ときのアセトアルデヒドガス初期濃度は1000ppm であ
る。このときのアセトアルデヒドガスの50分後の分解率
を表11に示す。
【0047】
【表11】 表11から明らかなように、実施例5,6のシートF、G
が良い光触媒活性を示した。
【0048】実施例3〜7の酸化チタン光触媒担持シー
トD、E、F、G、Hの破裂強さ試験 紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、実施例3
〜7の酸化チタン光触媒担持シートD、E、F、G、H
の破裂強さを測定した。この結果を表12に示す。
【0049】
【表12】 表12から明らかなように、酸化チタン光触媒をシリコー
ンディスパージョン、ゼオライト、ホワイトカーボン、
セピオライト、活性炭と混合し、定着凝集することによ
り、パルプの崩壊を防ぐことができた。
【0050】(実施例8,9,10,11)酸化チタン
光触媒を水中に分散させ、硫酸アルミニウムを添加後、
水酸化ナトリウムで中和し、発生する水酸化アルミニウ
ムで酸化チタン光触媒を定着させた後、ポリアクリルア
ミドで凝集させた。これを70重量% のパルプと30重量%
のレーヨン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維
およびポリプロピレン繊維をそれぞれ分散させたスラリ
ーに添加し、ポリアクリルアミドで繊維上に担持させ
た。この時のスラリーの抄紙坪量を100g/m2 、酸化チタ
ン光触媒はスラリーに対して10重量% を内添し、タッピ
スタンダードシートマシンにより、実施例8,9,1
0,11の酸化チタン光触媒担持シートI、J、K、L
とした。配合を表13に示す。
【0051】
【表13】 実施例8〜11の酸化チタン光触媒担持シートI〜Lの
光触媒活性試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器に、
実施例8〜11の酸化チタン光触媒担持シートI、J、
K、Lを入れ、光触媒活性を検討した。紫外線強度0.44
mW/cm 2 の紫外線を照射したときの悪臭物質であるアセ
トアルデヒドガスの分解を測定した。このときのアセト
アルデヒドガス初期濃度は1000ppm である。このときの
アセトアルデヒドガスの50分後の分解率を表14に示す。
【0052】
【表14】 表14から明らかなように、サンプルIはポリビニルアル
コールの造膜により酸化チタン光触媒を被覆しているた
め、分解率が悪いがその他は良い光触媒活性を示した。
【0053】実施例8〜11の酸化チタン光触媒担持シ
ートI、J、K、Lの破裂強さ試験 実施例8〜11の酸化チタン光触媒担持シートI、J、
K、Lの紫外線照射下での安定性をみるため、紫外線強
度1.6mW/cm2 の紫外線の連続照射を行い、破裂強さ試験
を行った。これを表15に示す。
【0054】
【表15】 表15から明らかなように、サンプルJ、Kは酸化チタン
光触媒を予め定着凝集することにより、酸化チタン光触
媒がパルプ等の繊維との接触を少なくしたことのほか
に、繊維による強度物性が強いためより安定的な酸化チ
タン光触媒担持シートができた。
【0055】(実施例12)酸化チタン光触媒を水中に
分散させ、硫酸アルミニウムを添加後、水酸化ナトリウ
ムで中和し、発生する水酸化アルミニウムで酸化チタン
光触媒を定着させた後、ポリアクリルアミドで凝集させ
た。さらにこれを紙力増強剤であるアクリル及びポリア
ミドエピクロルヒドリンを配合したパルプスラリーに添
加し、ポリアクリルアミド及びポリアミンで担持させ
た。このときのパルプ坪量は100g/m2 、酸化チタン光触
媒はパルプに対して10重量% を内添し、タッピスタンダ
ードシートマシンにより実施例12の酸化チタン光触媒
担持シートMを試作した。このときの配合を表16に示
す。
【0056】
【表16】 実施例12の酸化チタン光触媒担持シートMの光触媒活
性試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器に、
実施例12の酸化チタン光触媒担持シートMを入れ、光
触媒活性を検討した。紫外線強度0.44mW/cm 2の紫外線
を照射したときの悪臭物質であるアセトアルデヒドガス
の分解を測定した。このときのアセトアルデヒドガス初
期濃度は1000ppm である。このときのアセトアルデヒド
ガスの50分後の分解率を表17に示す。
【0057】
【表17】 表17から明らかなように、酸化チタン光触媒担持シート
Mは、50分間で53.6%のアセトアルデヒドガスを分解
し、光触媒活性を示した。
【0058】実施例12の酸化チタン光触媒担持シート
Mの破裂強さ試験 紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、酸化チタ
ン光触媒担持シートMの破裂強さを測定した。この結果
を表18に示す。
【0059】
【表18】 表18から明らかなように、酸化チタン光触媒担持シート
Mは、紫外線照射下において、担体の強度劣化を抑制す
ることができた。
【0060】(実施例13)酸化チタン光触媒を水中に
分散させ、硫酸アルミニウムを添加後、水酸化ナトリウ
ムで中和し、発生する水酸化アルミニウムで酸化チタン
光触媒を定着させた後、ポリアクリルアミドで凝集させ
た。さらにこれを紙力増強剤であるアクリル及びポリア
ミドエピクロルヒドリンを配合したパルプスラリーに添
加し、ポリアクリルアミド及びポリアミンで担持させ
た。このときのパルプ坪量は100g/m2 、酸化チタン光触
媒はパルプに対して10重量% を内添し、シートマシンに
より連続抄紙を行い、実施例13の酸化チタン光触媒担
持シートNを試作した。このときの配合を表19に示す。
【0061】
【表19】 実施例13の酸化チタン光触媒担持シートNの光触媒活
性試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器(容
積:1.6 l)に、実施例13の酸化チタン光触媒担持シ
ートNを入れ、光触媒活性を検討した。紫外線強度0.44
mW/cm 2 の紫外線を照射したときの悪臭物質であるアセ
トアルデヒドガスの分解を測定した。このときのアセト
アルデヒドガス初期濃度は1000ppm である。このときの
アセトアルデヒドガスの50分後の分解率を表20に示す。
【0062】
【表20】 表20から明らかなように、酸化チタン光触媒担持シート
Nは、50分間で42.8%のアセトアルデヒドガスを分解
し、光触媒活性を示した。
【0063】実施例13の酸化チタン光触媒担持シート
Nの破裂強さ試験 紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、酸化チタ
ン光触媒担持シートNの破裂強さを測定した。この結果
を表21に示す。
【0064】
【表21】 表21から明らかなように、酸化チタン光触媒担持シート
Nは、紫外線照射下において、担体の強度劣化を抑制す
ることができた。
【0065】実施例12の酸化チタン光触媒担持シート
Mによるタバコのヤニの分解試験 実施例12の酸化チタン光触媒担持シートMにタバコ
(日本たばこ産業社製:MILD SEVEN Super Lights)のヤ
ニを付着させ紫外線照射によるヤニの分解実験を行っ
た。酸化チタン光触媒担持シートMを入れた50cm×50cm
×50cmの箱に火をつけたタバコを入れ、煙を充満させ、
タバコのヤニをシートに付着させた。そして酸化チタン
光触媒担持シートMを取り出し紫外線強度3.0mw/cm2
紫外線を照射し、ヤニの分解を行った。
【0066】タバコのヤニの付着量を色差で測定した。
タバコ3本分を付着させた酸化チタン光触媒担持シート
M及び酸化チタン光触媒を担持していないパルプシート
に、紫外線を照射し酸化チタン標準白板との色差の経時
変化を測定した。この結果を表22に示す。
【0067】
【表22】 表22から明らかなように、酸化チタン光触媒が配合され
ていないパルプシートはヤニが付着したままであった
が、酸化チタン光触媒担持シートMは光触媒反応により
6 時間で完全にヤニが分解された。
【0068】実施例13の酸化チタン光触媒担持シート
Nによるタバコのヤニの分解試験 実施例13の酸化チタン光触媒担持シートNにタバコ
(日本たばこ産業社製:MILD SEVEN Super Lights)のヤ
ニを付着させ紫外線照射によるヤニの分解実験を行っ
た。酸化チタン光触媒担持シートを入れた50cm×50cm×
50cmの箱に火をつけたタバコを入れ、煙を充満させ、タ
バコのヤニを付着させた。そして酸化チタン光触媒担持
シートを取り出し紫外線強度3.0mW/cm2 のブラックライ
ト及び0.08mW/cm 2 白色蛍光灯の紫外線を照射し、ヤニ
の分解を行った。白色蛍光灯照射によるヤニ未吸着の酸
化チタン光触媒担持シートとの色差の変化を図2に、ブ
ラックライト照射によるヤニ未吸着の酸化チタン光触媒
担持シートとの色差の変化を図3に示す。
【0069】図2,3から明らかなように、紫外線照射
により色差が減少していくため、タバコのヤニが分解さ
れる。さらに、照射時間をもっと長くすればヤニは完全
に分解される。以上のように、酸化チタン担持シートは
タバコのヤニの分解ができ、防汚効果が認められた。
【0070】実施例13の酸化チタン光触媒担持シート
Nを用いた大腸菌抗菌試験 酸化チタン光触媒担持シートNを用いて大腸菌(Escher
ichia coli)の抗菌試験を行った。酸化チタン光触媒担
持シートNに1200個/cm 2 の大腸菌を蒔き、紫外線照射
時間を変化させて生存菌数を測定した。紫外線強度1.0m
W/cm2 のブラックライトと0.03mW/cm 2 の白色蛍光灯を
用いた。
【0071】まず、大腸菌の菌液を酸化チタン光触媒担
持シートNに滴下し、滅菌カバーガラスで鋏み、所定時
間の光照射の後に菌を回収する。光照射しない場合は暗
所に放置する。回収の際には滅菌ガーゼを用い、酸化チ
タン光触媒担持シートN及びガラス上の菌液を拭き取
る。その滅菌ガーゼに含まれている菌を生理食塩水中で
洗い落とし、その溶液を回収菌液とし寒天培地で一昼夜
培養する。このときの結果を図4に示す。
【0072】図4から明らかなように、光照射なしで大
腸菌は40% 程死滅するが、ブラックライトを照射するこ
とにより90% 以上の大腸菌が死滅した。また、同じよう
な実験を酸化チタン光触媒を担持してないパルプシート
にも行った結果を図5に示す。 図5から明らかなよう
に、紫外線を照射することにより、パルプシートでも30
% 程の大腸菌は死滅するが、酸化チタン光触媒担持シー
トNはほとんどの大腸菌を死滅させた。酸化チタン光触
媒担持シートは抗菌効果があることが証明できた。
【0073】(比較例2)酸化チタン光触媒パウダーと
木材パルプを水に分散させスラリーとし、定着剤として
硫酸アルミニウムを添加し、水酸化ナトリウムで中和
し、発生する水酸化アルミニウムで酸化チタン光触媒を
木材パルプに担持させた後、ポリアクリルアミドで凝集
させた。このときのパルプ坪量は100g/m2 で、酸化チタ
ン光触媒はパルプに対し10重量% を内添し、タッピスタ
ンダードシートマシンにより、比較例2の酸化チタン光
触媒担持シートOを試作した。このときの配合を表23に
示す。
【0074】
【表23】 比較例2の酸化チタン光触媒担持シートOの光触媒活性
試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器(容
積:0.5 l)に酸化チタン光触媒担持シートOを入れ、
光触媒活性を検討した。紫外線強度0.5mW/cm2の紫外線
を照射したときのアセトアルデヒドガスの分解を測定し
た。このときのアセトアルデヒドガス初期濃度は1000pp
m である。このときのアセトアルデヒドガスの50分後の
分解率を表24に示す。
【0075】
【表24】 比較例2の酸化チタン光触媒担持シートOの破裂強さ試
紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、酸化チタ
ン光触媒担持シートOの破裂強さを測定した。この結果
を表25に示す。
【0076】
【表25】 (実施例14)酸化チタン光触媒パウダーを水中に分散
させ、定着剤として硫酸アルミニウムを添加後、水酸化
ナトリウムで中和し、発生する水酸化アルミニウムで酸
化チタン光触媒パウダーを定着させた後、ポリアクリル
アミドで凝集させた。さらに別に用意したパルプスラリ
ーに混合後、パルプに担持させ、さらにポリアクリルア
ミドで凝集させた。このときのパルプ坪量は100g/m2
酸化チタン光触媒はパルプに対して10重量% を内添し、
タッピスタンダードシートマシンにより、実施例14の
酸化チタン光触媒担持シートPを試作した。このときの
配合を表26に示す。
【0077】
【表26】 実施例14の酸化チタン光触媒担持シートPの光触媒活
性試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器に実
施例14の酸化チタン光触媒担持シートPを入れ、光触
媒活性を検討した。紫外線強度0.5mW/cm2 の紫外線を照
射したときの悪臭物質であるアセトアルデヒドガスの分
解を測定した。このときのアセトアルデヒドガス初期濃
度は1000ppm である。アセトアルデヒドガスの50分後の
分解率を表27に示す。
【0078】
【表27】 表27から明らかなように、酸化チタン光触媒担持シート
Pは、50分間で11.3%のアセトアルデヒドガスを分解
し、光触媒活性を示した。
【0079】実施例14の酸化チタン光触媒担持シート
Pの破裂強さ試験 紫外線強度1.6mW/cm 2の紫外線を連続照射し、酸化チタ
ン光触媒担持シートPの破裂強さを測定した。この結果
を表28に示す。
【0080】
【表28】 表28から明らかなように、酸化チタン光触媒を予め定着
凝集させることにより、強度物性が向上し、担体の劣化
を防止することができた。
【0081】(実施例15,16,17,18,19)
酸化チタン光触媒を水中に分散させ、硫酸アルミニウム
を添加後、水酸化ナトリウムで中和し、発生する水酸化
アルミニウムで酸化チタン光触媒を定着させた後、ポリ
アクリルアミドで凝集させた。これを90重量% のレーヨ
ン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維及びマイクロガラス繊維と10重量% の低融
点熱可塑性繊維をそれぞれ分散させたスラリーに添加
し、担持させた。この時のスラリーの抄紙坪量を100g/m
2 、酸化チタン光触媒はスラリーに対して10重量% を内
添し、タッピスタンダードシートマシンにより、実施例
15,16,17,18,19の酸化チタン光触媒担持
シートQ、R、S、T、Uとした。配合を表29に示す。
【0082】
【表29】 実施例15〜19の酸化チタン光触媒担持シートQ〜U
の光触媒活性試験 アセトアルデヒドガスを充満させた密封ガラス容器に酸
化チタン光触媒担持シートQ、R、S、T、Uを入れ、
光触媒活性を検討した。紫外線強度0.5mW/cm2の紫外線
を照射したときのアセトアルデヒドガスの分解を測定し
た。このときのアセトアルデヒドガス初期濃度は1000pp
m である。アセトアルデヒドガスの50分後の分解率を表
30に示す。
【0083】
【表30】 実施例15〜19の酸化チタン光触媒担持シートQ〜U
の破裂強さ試験 紫外線強度4.0mW/cm2 の紫外線の連続照射を行い、酸化
チタン光触媒担持シートQ、R、S、T、Uの破裂強さ
試験を測定した。これを表31に示す。
【0084】
【表31】 表31から明らかなようにサンプルUシートは保持強度は
あったが、破裂強さ試験器で測定できる程の強度は無
く、安定したデータは得られなかった。
【0085】(実施例20)亜鉛を含有する酸化チタン
光触媒パウダーを水中に分散させ、定着剤として硫酸ア
ルミニウムを添加後、水酸化ナトリウムで中和し、発生
する水酸化アルミニウムで酸化チタン光触媒を定着させ
た後、ポリアクリルアミドで凝集させた。さらに別に用
意したパルプスラリーに混合後、パルプに担持させ、さ
らにポリアクリルアミドで凝集させた。このときのパル
プ秤量は100g/m2 、酸化チタン光触媒はパルプに
対して10重量%内添し、タッピスタンダードシートマ
シンにより、実施例20の酸化チタン光触媒担持シート
Vを試作した。このときの配合を表32に示す。
【0086】
【表32】 実施例20の酸化チタン光触媒担持シートVの光触媒活
性試験 紫外線強度1.6mW/cm2 の紫外線を連続照射し、
酸化チタン光触媒担持シートVの破裂強さを測定した。
この結果を表33に示す。
【0087】
【表33】
【0088】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
紫外線照射下で極めて安定でかつ脱臭、消臭、防汚、抗
菌の機能を持った担体、例えば紙類で言えば、障子紙な
どの安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化チタン光触媒担持シートAのアセトアルデ
ヒドガス分解の測定結果を示すグラフである。
【図2】酸化チタン光触媒担持シートNの白色螢光灯照
射によるタバコヤニ分解の測定結果を示すグラフであ
る。
【図3】酸化チタン光触媒担持シートNのブラックライ
ト照射によるタバコヤニ分解の測定結果を示すグラフで
ある。
【図4】酸化チタン光触媒担持シートNの殺菌効果の測
定結果を示すグラフである。
【図5】各種の光照射による光触媒担持シートNの殺菌
効果の測定結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 5/22 C (71)出願人 595029439 神山 真一 岐阜県岐阜市折立679 (71)出願人 595029440 松原 弘一 岐阜県羽島郡岐南町野中5丁目70番地 (71)出願人 000000354 石原産業株式会社 大阪府大阪市西区江戸堀一丁目3番15号 (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710番地5 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷町2000番地の 10 南小菅ケ谷住宅2棟506号 (72)発明者 高田 誠 岐阜県関市西本郷通り6丁目10番5号 (72)発明者 神山 真一 岐阜県岐阜市折立679 (72)発明者 松原 弘一 東京都荒川区荒川5丁目39番6号 第2エ ステートイケダ203号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体又は金属を含有する半導体の粉末
    又はゾルからなる光触媒を、核となる物質に定着させた
    後に、凝集剤により凝集させ、担体に担持させることに
    より、光触媒作用によって担体が劣化するのを防止する
    ようにしたことを特徴とする光触媒の定着方法。
  2. 【請求項2】 請求項1 に記載の光触媒の定着方法にお
    いて、 前記半導体又は金属を担持した半導体の粉末またはゾル
    からなる光触媒として、一次粒子径が5nm 〜0.1 μmの
    酸化チタンの粉末またはゾルを用いることを特徴とする
    光触媒の定着方法。
  3. 【請求項3】 請求項1 又は2 に記載の光触媒の定着方
    法において、 前記凝集剤によって凝集した凝集体の大きさが、200nm
    以上、望ましくは、5μm 〜1cm であることを特徴とす
    る光触媒の定着方法。
  4. 【請求項4】 請求項1 ないし3 のいずれかに記載の光
    触媒の定着方法において、 前記光触媒の配合量として、担体に対して重量比で1%〜
    50% 、望ましくは5%〜30% であることを特徴とする光触
    媒の定着方法。
  5. 【請求項5】 請求項1 ないし4 のいずれかに記載の光
    触媒の定着方法において、 前記核となる物質として、ポリテトラフルオロエチレ
    ン、ゼオライト、ホワイトカーボン、セピオライト、活
    性炭、水酸化アルミニウム、シリコーンの単独または複
    数を用いることを特徴とする光触媒の定着方法。
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