JPH1133100A - 光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子とその使用方法、および光触媒含有高分子固体 - Google Patents

光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子とその使用方法、および光触媒含有高分子固体

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JPH1133100A
JPH1133100A JP9194391A JP19439197A JPH1133100A JP H1133100 A JPH1133100 A JP H1133100A JP 9194391 A JP9194391 A JP 9194391A JP 19439197 A JP19439197 A JP 19439197A JP H1133100 A JPH1133100 A JP H1133100A
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fine particles
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Hisanori Shinohara
久典 篠原
Toshio Kadoi
寿雄 角井
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒微粒子をシリカ粒子の中に含有させる
ことにより、樹脂、繊維等と複合化して用いた場合に
も、樹脂等を劣化させることなく、紫外線照射により有
機物を分解し得る光触媒微粒子含有シリカ粒子を提供す
る。 【解決手段】 一次粒子径が0.001μm〜0.3μ
mである光触媒微粒子を、SiO2含有率が5.0mo
l/dm3以上であるアルカリ金属珪酸塩水溶液に分散
させ、乳化剤の存在下で有機溶媒中に乳化して油中水型
の乳化液を調製し、この乳化液を前記アルカリ金属珪酸
塩に対して不溶性シリカ形成反応を示す化合物の水溶液
に混合し、光触媒微粒子を0.01〜50重量%の割合
で含有する光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子を製
造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子内に光触媒微
粒子を分散含有する光触媒微粒子含有粒子とその使用方
法、およびこの粒子を含む高分子固体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染が社会問題としてクロー
ズアップされ、人間の生活環境、特に不快な臭気や細菌
に対する意識が向上してきている。
【0003】不快な臭気ガスとしては、アンモニア、メ
チルメルカプタン、硫化水素、トリメチルアミン、アセ
トアルデヒド、酢酸エチル、トルエン、キシレン等が挙
げられる。これら臭気ガスに起因する悪臭を除去するた
めに、比表面積の大きな活性炭が多用されている。しか
し、活性炭は黒色であるため清潔感をイメージした商品
には適していない。そこで、特公平3−33022号公
報には、白色脱臭剤として酸化亜鉛と二酸化チタンと水
との緊密結合体粒子が提案されている。この粒子は、種
々の色に着色でき、比表面積が大きいという長所がある
が、ガスを吸着消臭するため、耐久性、持続性に問題が
あった。また、特開平4−65312号公報には、透明
性に優れた粉末消臭剤として、金属化合物を含有する中
実多孔質シリカビーズが提案されている。
【0004】悪臭とともに、人間の生活環境に影響を及
ぼす細菌の例としては、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑濃
菌等がある。これらの菌から我々を保護する手段として
は、塩化ベンザルコニウム等の有機系の抗菌剤がある
が、有機系抗菌剤は、耐熱性等耐久性に乏しいという問
題がある。
【0005】消臭性と抗菌性とを兼ね備え、さらに耐久
性もある物質としては光触媒が挙げられる。光触媒の例
としては、Se、Ge、Si、Ti、Zn、Cu、A
l、Sn、Ga、In、P、As、Sb、C、Cd、
S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、Mo、Sr、W、
Cr、Ba、Pb等の酸化物等化合物で水に不溶のもの
が挙げられる。これら光触媒を利用する方法としては、
例えば、特開平2−280818号公報や特開平3−9
4814号公報に記載の脱臭方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記光触媒を利用した
脱臭方法は、いずれも光触媒を担持したセラミックスに
紫外線を照射するものであるが、この光触媒担持体を樹
脂、繊維、紙等に複合化した場合には、光触媒そのもの
の特性、つまり有機物を分解するという特性により、前
記樹脂等が劣化してしまうという問題があった。
【0007】本発明は、かかる問題を解決すべく、樹脂
等と複合化した際の樹脂等の劣化を抑制しながら光触媒
の特性を発揮し得る光触媒含有体を提供することを目的
とし、さらに、この光触媒含有体を含む高分子固体およ
びこの高分子固体を用いた有機物分解方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意研究を
重ねた結果、完成するに至った本発明の第1の光触媒含
有体は、一次粒子径が0.001μm〜0.3μmの範
囲にある光触媒微粒子を0.01〜50重量%の割合で
多孔質シリカからなる粒子内に含有する光触媒微粒子含
有中実多孔質シリカ粒子であって、この中実多孔質シリ
カ粒子を含む高分子固体を、有機物、カビおよび細菌か
ら選ばれる少なくとも一つの被作用体と接触させながら
紫外線を照射したときに、前記光触媒微粒子の作用によ
る高分子固体の劣化が前記多孔質シリカの存在により抑
制されながら、前記被作用体が分解されるかまたは死滅
することを特徴とする光触媒微粒子含有中実多孔質シリ
カ粒子である。
【0009】また、本発明の第2の光触媒含有体は、一
次粒子径が0.001μm〜0.3μmの範囲にある光
触媒微粒子を分散含有させた、SiO2含有率が少なく
とも5.0mol/dm3であるアルカリ金属珪酸塩水
溶液を、乳化剤の存在下で有機溶媒中に乳化して油中水
型の乳化液を調製し、この乳化液を前記アルカリ金属珪
酸塩に対して不溶性シリカ形成反応を示す化合物の水溶
液に混合して製造し得る、前記光触媒微粒子を0.01
〜50重量%の割合で多孔質シリカからなる粒子内に含
有する光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子であっ
て、この中実多孔質シリカ粒子を含む高分子固体を、有
機物、カビおよび細菌から選ばれる少なくとも一つの被
作用体と接触させながら紫外線を照射したときに、前記
光触媒微粒子の作用による高分子固体の劣化が前記多孔
質シリカの存在により抑制されながら、前記被作用体が
分解されるかまたは死滅することを特徴とする光触媒微
粒子含有中実多孔質シリカ粒子である。
【0010】本発明の光触媒含有中実多孔質シリカ粒子
は、樹脂、繊維、紙、不織布、塗膜等高分子固体に含ま
せても、この高分子固体を大きく劣化させることなく、
脱臭、抗菌等光触媒の機能を発揮し得る汎用性の高い光
触媒含有体である。
【0011】また、本発明の光触媒含有高分子固体は、
一次粒子径が0.001μm〜0.3μmの範囲にある
光触媒微粒子を0.01〜50重量%の割合で粒子内に
含有する光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子を含む
ことを特徴とする。なお、この中実多孔質シリカ粒子
は、前記第2の光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子
であってもよい。
【0012】この光触媒含有高分子固体によれば、母体
となっている高分子固体を光触媒の作用により大きく劣
化させることなく、前記光触媒の機能を発揮させること
ができる。この高分子固体を利用して行う本発明の光触
媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子の使用方法は、前記
第1または第2の光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒
子を含む光触媒含有高分子固体と、有機物、カビおよび
細菌から選ばれる少なくとも一つの被作用体とを接触さ
せながら紫外線を照射することにより、前記光触媒微粒
子の作用による高分子固体の劣化を前記多孔質シリカの
存在により抑制しながら、前記被作用体を分解するかま
たは死滅させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、油中水型の乳化液を経由し
て本発明の光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子を製
造する方法について説明する。
【0014】アルカリ金属珪酸塩としては、式M2O・
xSiO2(MはNa、K等のアルカリ金属から選ばれ
る少なくとも1種の元素であり、xは1〜4.5)で表
されるものが挙げられる。具体的には、例えば、Na4
SiO4、Na2Si25、Na2Si49、K2Si
3、K2SiO4、K2SiO8・H2O、Li2SiO3
を用い得るが、SiO2/Na2Oのモル比が3以上の珪
酸ナトリウムの使用が望ましい。
【0015】アルカリ金属珪酸塩の水溶液に分散する光
触媒は、溶液中において珪酸ナトリウムと実質的に反応
しない水不溶性のものであれば特に制限されない。具体
的には、Se、Ge、Si、Ti、Zn、Cu、Al、
Sn、Ga、In、P、As、Sb、C、Cd、S、T
e、Ni、Fe、Co、Ag、Mo、Sr、W、Cr、
Ba、Pb等の酸化物等の化合物である。光触媒は、酸
化チタンおよび酸化タングステンから選ばれる少なくと
も1種からなることが好ましい。
【0016】光触媒は、紫外線照射によりその表面で電
子と正孔とが分離し、この正孔が周囲の水、酸素等から
強力な酸化作用を有する活性酸素を生成させる。そし
て、この活性酸素が有機物や微生物を酸化分解する。
【0017】アルカリ金属珪酸塩の水溶液中のSiO2
含有率は5.0mol/dm3(モル/リットル)以上
である。5.0mol/dm3未満とすると、得られる
シリカ粒子が、球状ではなく中空状やカプセル状となり
易い。シリカ粒子が中空状やカプセル状の構造を有する
と、光触媒の機能が十分に発揮されなかったり、高分子
固体と複合化した場合に高分子固体を劣化させることと
なる。また、粒子の中空率を減少させるためには、Si
2含有率は5.5mol/dm3以上とすることが好ま
しい。一方、5.0mol/dm3水溶液中のSiO2
有率の上限は、水溶液中のアルカリ金属珪酸塩の飽和濃
度に対応する値であって、特に制限はない。
【0018】また、水溶液中の光触媒微粒子濃度は、生
成するシリカ粒子中に含まれる光触媒微粒子含有率(乾
燥シリカ粒子基準)で0.1〜50重量%である。光触
媒微粒子濃度を50重量%超となるようにすると、光触
媒微粒子がアルカリ金属珪酸塩水溶液中で凝集し易くな
り、カプセル状構造のシリカ粒子が生じやすくなる。ま
た、球状のシリカ粒子が得られず、光触媒微粒子がシリ
カ粒子内に含有されない状態で存在することとなる。一
方、0.1重量%未満とすると光触媒の効果が十分に得
られない。同様の観点から、水溶液中の光触媒微粒子濃
度は、前記基準で1.0〜30重量%であることが好ま
しい。
【0019】添加される光触媒微粒子は、一次粒子の凝
集体(二次粒子)であってもよく、このような凝集体は、
アルカリ金属珪酸塩水溶液中での撹拌や超音波処理によ
り一次粒子として分散される。従って、一次粒子径が
0.001μm〜0.3μmの範囲にあれば、二次粒子
径には特に制限はない。なお、光触媒微粒子をアルカリ
金属珪酸塩水溶液中に分散させるためには、ディスパー
ザー等や超音波ホモジナイザーの一般的な分散機を用い
ることができる。
【0020】光触媒微粒子を分散含有するアルカリ金属
珪酸塩水溶液(以下、「水溶液A」ということがあ
る。)を乳化剤の存在下で有機溶媒中に乳化して、油中
水型(W/O型)乳化液とする。この場合、使用する乳化
剤はあらかじめ有機溶媒に溶解させて用いることが好ま
しい。乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタント
リオレート、ポリオキシソルビタンモノオレート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油等を用いることができる。また、
有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチル
ベンゼン、クロロホルム、酢酸エチル等を用いることが
できる。
【0021】これらの乳化剤や有機溶媒は2種以上を混
合して用いることもできる。水溶液Aと有機溶媒との混
合比は、W/O型の乳化液が得られる範囲であれば、特
に制限されないが、一般には体積比で1/9〜2/1の
範囲とすることが好ましい。
【0022】次いで、調整した乳化液を、この乳化液中
のアルカリ金属珪酸塩に対して不溶性シリカ形成反応を
示す化合物の水溶液(以下、「水溶液B」ということが
ある。)を混合し、反応させる。この反応操作によって
粒子内に光触媒微粒子が均一に分散した、実質的に中実
である(中空でない)シリカ粒子が生成する。乳化液と
水溶液Bの混合は、水溶液Bを撹拌しながら、この撹拌
液に乳化液を注入するように行うことが好ましい。ま
た、乳化液の注入は、特に、撹拌液の下部において行う
ことが好ましい。
【0023】乳化液と水溶液Bとの混合比は特に限定さ
れないが、一般には、体積比で1/9〜4/1の範囲と
することが好ましい。また、乳化液と水溶液との混合反
応は、一般には、常温、常圧の条件で行われるが、必要
に応じて、加圧下や減圧下、あるいは加熱下や冷却下で
行ってもよい。反応時間は5分〜1時間程度で十分であ
る。なお、生成する中実シリカ粒子の粒径は、乳化条件
や撹拌条件等によって調節することができる。
【0024】アルカリ金属珪酸塩に対して不溶性シリカ
形成反応を示す化合物としては、例えば、硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩
や、硫酸、塩酸等の無機酸の水溶液、その他亜硫酸水素
ナトリウム等が挙げられる。これらの化合物は、アルカ
リ金属珪酸塩1モルに対し、1.0〜10モル、好まし
くは1.5〜5モルの割合で用いられる。
【0025】得られた光触媒微粒子含有中実シリカ粒子
は、遠心分離やろ過等の固液分離操作によって反応液か
ら分離、回収することができる。回収されたシリカ粒子
は、そのまま乾燥して製品とすることもできるが、水や
アルコール等の洗浄液で1回〜数回洗浄した後、乾燥、
加熱処理を行って製品とすることもできる。
【0026】このような製造方法により、平均粒径が
0.1〜50μmの範囲にあり、かつ比表面積が10m
2/g以上、好ましくは60m2/g以上のシリカ粒子を
効率よく製造することができる。このシリカ粒子は、そ
の表面に多数の細孔を含む多孔質粒子である。細孔の孔
径は10nm以下であることが好ましく、平均細孔径が
2nm〜8nmであることが好ましい。
【0027】また、この多孔質シリカ粒子は実質的に中
実構造を有し、好ましくは、0.3μm以上の空孔を実
質的に有しないものである。分散含有する光触媒微粒子
も可視光の波長に比べて十分に小さい粒子であるため、
このようなシリカ粒子は、高い透明性を有するという特
徴も有する。
【0028】得られた光触媒微粒子含有中実多孔質シリ
カ粒子を含有させる高分子固体の材料には、特に制限は
なく、各種の合成樹脂、繊維、紙、不織布、塗膜等を適
宜用いることができる。また、光触媒による分解の対象
も、前述の悪臭物質の他、各種の液体または気体の有機
物とすることができる。同様に、光触媒による抗菌作用
の対象となる細菌も、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑濃菌
等の他、特に限られるものではなく、さらに光触媒をカ
ビ類に対して作用させてもよい。なお、光触媒に照射す
る紫外線としては、太陽光に含まれる紫外線の他、各種
人工照明に含まれる紫外線を利用してもよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 (実施例1〜4)3号水ガラスの原液(SiO2含有
率:6.9mol/dm3)80cm3に、表1に示す光
触媒微粒子を表1に示す割合で加え、ディスパーザーで
5分間分散させた。この分散液を、混合乳化剤(Spa
n−80とTween−85との混合物、混合重量比=
2:1)を0.7重量%含有するシクロヘキサン160
cm3に加え、ホモジナイザーで7000rpmの条件
で1分間処理して、W/O型乳化液を調製した。次に、
この乳化液を、濃度3.0mol/dm3の硫酸アンモ
ニウム水溶液300cm3中に撹拌下、足長ロートを用
いて下部から注入した。室温で1時間反応を行った後、
得られた反応液を遠心分離により処理して、生成した粒
子を分離し、次いで、これを水洗し、温度105℃で乾
燥して光触媒微粒子含有シリカ粒子(シリカビーズ)を
得た。得られたシリカ粒子の特性を表1に示す。
【0030】(比較例1)実施例2において、光触媒粒
子として粒径1〜2μmの二酸化チタンを用いた以外は
同様にして二酸化チタン含有シリカ粒子を得た。得られ
たシリカ粒子の特性を表1に示す。
【0031】(比較例2)実施例3において、3号水ガ
ラスの原液の代わりに、これを水で希釈してSiO2
有率:4.0mol/dm3の水溶液として用いた以外
は同様にしてTiO 2含有シリカ粒子を得た。得られた
シリカ粒子の特性を表1に示す。
【0032】 [表1] 光触媒 重量平 中空率 平均細 球形率 光触媒 番号 均粒径 孔径 の含有 種類 粒径 添加量 状態 (μm) (g) (μm) (%) (nm) (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 TiO2 0.007 4 7.5 <0.1 3.4 100 均一分散 実施例2 TiO2 0.007 8 8.8 <0.1 4.5 100 均一分散 実施例3 TiO2 0.007 33 10.9 <0.1 2.5 100 均一分散 実施例4 ZnO 0.1 14 9.6 <0.1 3.3 100 均一分散 比較例1 TiO2 1.5 8 9.1 <0.1 2.4 100 カプセル状 比較例2 TiO2 0.007 33 5.5 40 3.3 85 均一分散
【0033】なお、表1に示した中空率、平均細孔径お
よび光触媒微粒子の含有状態は、以下のようにして評価
したものである。 (1)中空率(%) シリカ粒子の割断面のSEM写真から内部に0.3μm
以上の空孔を有する粒子の割合を求めた。 (2)平均細孔径(nm) BET法による窒素吸着量から求めた。 (3)球形率(%) 全粒子の内、球形粒子の割合をSEM写真から求めた。 (4)光触媒微粒子の含有状態 シリカ粒子の割断面をEPMA(日本電子(株)製JXA
-8600)面分析によって観察した。
【0034】(実施例5)実施例3において、光触媒と
して、種々の粒径の酸化チタンを用いた以外は同様にし
てシリカ粒子を得た。その特性を同様に評価した。結果
を表2に示す。
【0035】 [表2] 光触媒 重量平 中空率 平均細 球形率 光触媒 番号 均粒径 孔径 の含有 種類 粒径 添加量 状態 (μm) (g) (μm) (%) (nm) (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− TiO2 0.007 33 10.9 <0.1 2.5 100 均一分散 TiO2 0.3 33 10.6 <0.1 3.2 100 均一分散 TiO2 0.4 33 9.9 <0.1 2.8 100 凝集
【0036】(実施例6)実施例1において、酸化チタ
ンの添加量を種々変化させた以外は同様にしてシリカ粒
子を得た。その特性を同様にして評価した。結果を表3
に示す。
【0037】 [表3] 光触媒 重量平 中空率 平均細 球形率 光触媒 番号 種類 含有率 均粒径 孔径 の含有 (wt%) (μm) (%) (nm) (%) 状態 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− TiO2 5 7.7 <0.1 2.6 100 均一分散 TiO2 15 8.5 <0.1 3.6 100 均一分散 TiO2 50 10.9 <0.1 4.5 100 均一分散 TiO2 60 6.1 15 4.1 50 凝集
【0038】(実施例7)実施例1において、アルカリ
金属珪酸塩水溶液として、3号水ガラスの原液の水希釈
または水分蒸発により得られた種々のSiO2含有率を
有する水溶液を用いた以外は同様にしてシリカ粒子を得
た。その特性を同様に評価し、その結果を表4に示す。
【0039】 [表4] 水ガラス水溶液 重量平 中空率 平均細 球形率 光触媒 番号 のSiO2含有率 均粒径 孔径 の含有 (mol/dm3) (μm) (%) (nm) (%) 状態 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 7.5 7.7 <0.1 4.1 100 均一分散 5.5 6.9 <0.1 2.9 100 均一分散 5.0 5.8 1 3.8 100 均一分散 4.5 5.6 10 4.0 90 均一分散
【0040】実施例1〜4および比較例1〜2で調製し
た粉体をポリスチレン樹脂に10%添加したプレートを
作成し、それらの特性を評価した。結果を表5に示す。
【0041】 [表5] 消臭性 有機物 樹脂 (ppm) 抗菌性 分解性 劣化性 トルエン 酢酸エチル (%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フ゛ランク 160 320 無し 0 色調変化無し (PS樹脂のみ) 実施例1 15 20 有り 52 色調変化無し 実施例2 0 10 有り 58 色調変化無し 実施例3 0 10 有り 63 色調変化無し 実施例4 10 20 有り 55 色調変化無し 比較例1 120 280 無し 11 色調変化あり 比較例2 30 100 無し 39 色調変化あり
【0042】なお、表5に示した消臭性、抗菌性、有機
物分解性および樹脂劣化性は、以下のようにして評価し
たものである。 (1)消臭性 1cm×10cm×1mmのプレート10本を500c
3のバイアル瓶に入れ、密栓する。そこに、一定量の
悪臭物質をシリンジを用いて添加し、0.5mW/cm
2の紫外線を3時間照射した後、プレートを入れなかっ
たバイアル瓶(ブランク)と、ガス濃度を比較する。な
お、ガス濃度は、検知管を用いて測定した。 (2)抗菌性 10cm×10cm×1mmのプレート上に、大腸菌を
含んだ菌液を塗布し、0.5mW/cm2の紫外線を3
0分間照射する。その後、プレート上の菌液の1部をサ
ンプリングし、培養を行い、菌の有無を確認した。 (3)有機物分解性 10cm×10cm×1mmのプレート上に、サラダオ
イルを均一に塗布し、1.0mW/cm2の紫外線を6
時間照射する。その後、プレート全体の重量を測定し、
サラダオイルの重量減少を測定した。 (4)樹脂劣化性 10cm×10cm×1mmのプレートに2.0mW/
cm2の紫外線を24時間照射した後、目視で色調変化
の有無を確認した。
【0043】前記各実施例で作製したシリカ粒子には光
触媒微粒子が微細状態で均一に分散しているため、その
光触媒微粒子による効果発現は効率よく行われる。すな
わち、多孔質表面に吸着した気体または液体の有機物
は、粒子内部に拡散した光触媒微粒子による迅速な分解
作用を受ける。その一方、樹脂、繊維等固体の有機物は
シリカ粒子内部に拡散しないため光触媒微粒子の作用を
実質的に受けない。
【0044】さらに、このシリカ粒子は、粒子内に微細
な光触媒微粒子が均一に分散した中実構造を有している
ため、光の散乱や反射が少なく、外観上も透明性に優れ
たものであった。
【0045】
【発明の効果】本発明の光触媒微粒子含有中実多孔質シ
リカ粒子によれば、多孔質シリカの特性と光触媒の特性
とが相俟って発揮される。すなわち、多孔質表面に吸着
された吸着物、例えば、アンモニア、メルカプタン、ア
ルデヒド等の悪臭ガスやタバコのヤニ、サラダオイル等
の液状有機物は、紫外線の照射とともに、光触媒微粒子
による分解作用を受ける。その一方、樹脂、繊維等の固
体はシリカ粒子内部に拡散しないため、光触媒微粒子の
作用を受けず劣化が抑制される。本発明の光触媒微粒子
含有中実多孔質シリカ粒子は、カビ、細菌等の死滅低減
にも有効である。
【0046】また、本発明の光触媒含有高分子固体は、
前記光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子の特性を利
用したものであり、この高分子固体を利用して実施され
る本発明の光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子の使
用方法によれば、有害な悪臭ガス等の有機物、カビ、細
菌等を、樹脂、繊維、紙、不織布、塗膜等高分子固体自
体の劣化を抑制しながら、光触媒の作用により分解した
り死滅させたりすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01B 33/12 B01D 53/36 J H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次粒子径が0.001μm〜0.3μ
    mの範囲にある光触媒微粒子を0.01〜50重量%の
    割合で多孔質シリカからなる粒子内に含有する光触媒微
    粒子含有中実多孔質シリカ粒子であって、この中実多孔
    質シリカ粒子を含む高分子固体を、有機物、カビおよび
    細菌から選ばれる少なくとも一つの被作用体と接触させ
    ながら紫外線を照射したときに、前記光触媒微粒子の作
    用による高分子固体の劣化が前記多孔質シリカの存在に
    より抑制されながら、前記被作用体が分解されるかまた
    は死滅することを特徴とする光触媒微粒子含有中実多孔
    質シリカ粒子。
  2. 【請求項2】 一次粒子径が0.001μm〜0.3μ
    mの範囲にある光触媒微粒子を分散含有させた、SiO
    2含有率が少なくとも5.0mol/dm3であるアルカ
    リ金属珪酸塩水溶液を、乳化剤の存在下で有機溶媒中に
    乳化して油中水型の乳化液を調製し、この乳化液を前記
    アルカリ金属珪酸塩に対して不溶性シリカ形成反応を示
    す化合物の水溶液に混合して製造し得る、前記光触媒微
    粒子を0.01〜50重量%の割合で多孔質シリカから
    なる粒子内に含有する光触媒微粒子含有中実多孔質シリ
    カ粒子であって、この中実多孔質シリカ粒子を含む高分
    子固体を、有機物、カビおよび細菌から選ばれる少なく
    とも一つの被作用体と接触させながら紫外線を照射した
    ときに、前記光触媒微粒子の作用による高分子固体の劣
    化が前記多孔質シリカの存在により抑制されながら、前
    記被作用体が分解されるかまたは死滅することを特徴と
    する光触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子。
  3. 【請求項3】 一次粒子径が0.001μm〜0.3μ
    mの範囲にある光触媒微粒子を0.01〜50重量%の
    割合で多孔質シリカからなる粒子内に含有する光触媒微
    粒子含有中実多孔質シリカ粒子を含むことを特徴とする
    光触媒含有高分子固体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の光触媒含有中
    実多孔質シリカ粒子を含む光触媒含有高分子固体と、有
    機物、カビおよび細菌から選ばれる少なくとも一つの被
    作用体とを接触させながら紫外線を照射することによ
    り、前記光触媒微粒子の作用による高分子固体の劣化を
    前記多孔質シリカの存在により抑制しながら、前記被作
    用体を分解するかまたは死滅させることを特徴とする光
    触媒微粒子含有中実多孔質シリカ粒子の使用方法。
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