JPH09206379A - 吸入式投薬器 - Google Patents

吸入式投薬器

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JPH09206379A
JPH09206379A JP4419296A JP4419296A JPH09206379A JP H09206379 A JPH09206379 A JP H09206379A JP 4419296 A JP4419296 A JP 4419296A JP 4419296 A JP4419296 A JP 4419296A JP H09206379 A JPH09206379 A JP H09206379A
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JP
Japan
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capsule
inhalation
powder
plate
suction
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Pending
Application number
JP4419296A
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English (en)
Inventor
Hisatomo Oki
久朝 大木
Shigemi Nakamura
茂巳 中村
Kazunori Ishizeki
一則 石関
Yoshiyuki Tanizawa
嘉行 谷澤
Akira Yanagawa
明 柳川
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DOT KK
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
DOT KK
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カプセルの破片の吸入を確実に防止すると共
に、咳込んだときに、破片捕捉部材の通路を塞いで、カ
プセル内の薬粉が外部に放出するのを防止する。 【解決手段】 投薬器本体1の吸入口17の内周に捕捉
板19と軸方向に移動可能な移動弁体20を設ける。捕
捉板19には複数の通気孔19Aが穿設され、移動弁体
20には各通気孔19Aを閉塞するように位置をずらし
て複数の通気孔20Aが穿設されている。捕捉板19で
は、カプセルに貫通穴をあけるときに発生した破片を薬
粉の吸入時に捕捉でき、捕捉板19を通過する薬粉は捕
捉板19に衝突して微細化される。また、咳込んだとき
には、移動弁体20で捕捉板19を閉塞して逆流防止を
図り、カプセル内の薬粉が外部に放出されるのを防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、患者の息
の吸込みによって粉体状の薬品(薬粉)を肺内に投与す
るのに用いて好適な吸入式投薬器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、喘息患者等の肺に薬品を投与す
る方法には、薬液を注射する方法、液体エアゾール噴霧
器で吸引させる方法、薬粉収容室やカプセル内に充填さ
れた粉体状の薬品(以下、薬粉という)を吸入する方法
等が用いられている。
【0003】これら喘息患者用の薬品投与方法のうち、
カプセルに充填された薬粉を吸入する方法では、患者が
くわえる吸入口を有し、内部に一側が大気側に開口し他
側がカプセル収容室を通って該吸入口に開口した通気路
が設けられた吸入器を用い、該吸入器のカプセル収容室
にカプセルを装着し、穴あけ針等を用いて該カプセルに
前記通気路に連通する穴を形成する。そして、この状態
で吸入口をくわえて息を吸込むことにより通気路を通る
空気流によってカプセル内の薬粉を吸入口内に放出し、
患者の肺内に吸入させるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるカプセル用の吸入器では、吸入口から息を
吸い込むことにより通気路を介してカプセル内の薬粉を
吸入するようになっている。
【0005】しかし、薬粉の吸入時には、患者が咳込む
ことがあり、この場合には、吸入口から通気路側に空気
が逆流して、カプセル内の薬粉が外部に放出されてしま
う。この結果、カプセル内の薬粉量が減少してしまい、
規定量の薬粉を吸入できず、薬粉の効能が低下するとい
う問題がある。
【0006】また、薬粉を吸入するときにカプセルを破
断したときの破片が薬粉と共に吸入されるから、この破
片の吸込みによって患者が咳込んでしまい、薬粉を肺内
に良好に吸引させることができないという問題がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、カプセルの穴あけ時に発生する破片の吸
入を防止すると共に、吸入口内に逆流する空気によって
カプセル収容室内に収容されたカプセル内の薬粉が外部
に放出されるのを防止し、カプセル内の薬粉を確実に患
者に投与できるようにした吸入式投薬器を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する吸入式投薬器は、軸
方向の一側が内部に薬粉が充填されたカプセルを収容す
るカプセル収容室となり、他側が薬粉を吸入する吸入口
となった投薬器本体と、該投薬器本体のカプセル収容室
に収容されたカプセル内の薬粉を前記吸入口側に供給す
るため、一側が大気側に開口し他側が該カプセルを通っ
て吸入口に開口した通気路と、前記カプセル収容室内の
カプセルに該通気路に連通する穴をあけるために前記投
薬器本体に設けられた穴あけ具と、前記吸入口の内周に
設けられ、該穴あけ具によるカプセルの穴あけ時に発生
した破片を捕捉し薬粉の通過のみを許す破片捕捉部材
と、該破片捕捉部材の下流側に位置して該吸入口内に軸
方向に可動に設けられ、該吸入口に逆流が生じたときに
軸方向に移動して該破片捕捉部材の通路を閉じる移動弁
体とから構成してなる。
【0009】このように構成したことにより、患者が吸
入口をくわえて空気を吸込んだ場合には、カプセル収容
室内の薬粉を通気路,吸入口を介して肺内に吸引でき
る。一方、吸入口をくわえた状態で患者が咳込み、吸入
口内に空気を逆流させた場合には、移動弁体が破片捕捉
部材の通路を閉じることにより、この逆流する空気がカ
プセル収容室内の薬粉を外部に放出するのを防止でき
る。
【0010】請求項2の発明は、破片捕捉部材を多数の
通気孔を有する捕捉板として形成し、前記移動弁体を該
捕捉板の各通気孔と位置をずらした多数の通気孔を有す
る弁板として形成したことにある。
【0011】このように構成したことにより、薬粉の投
与時には患者の息の吸込みによって弁板は吸込まれて捕
捉板から離間して通気孔を開き、カプセル内の薬粉は該
捕捉板の通気孔と弁板の通気孔とを通って吸入口から噴
出される。一方、吸入口をくわえた状態で患者が咳込
み、吸入口内に空気を逆流させた場合には、弁板は捕捉
板側に移動して該弁板が捕捉板に合わさり、捕捉板の通
気孔を弁板で塞ぐことにより、カプセル側に空気が流れ
込むのを防止する。
【0012】請求項3の発明は、前記投薬器本体は、一
側がホルダ収容部となり、他側が吸入口となった吸引ピ
ースと、該吸引ピースのホルダ収容部内に設けられ、内
部にカプセル収容穴が一側に開口して形成されたカプセ
ルホルダとからなり、前記破片捕捉部材と移動弁体は前
記吸引ピースの吸入口内周に設けたことにある。
【0013】このように構成したことにより、吸引ピー
スのホルダ収容部からカプセルホルダを取外して、カプ
セルホルダ、吸引ピース、破片捕捉部材および移動弁体
を容易に洗浄することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
吸入式投薬器を添付図面に従って詳細に説明する。
【0015】まず、図1ないし図4に本発明の第1の実
施例を示す。
【0016】図中、1は吸入式投薬器の基部をなす投薬
器本体を示し、該投薬器本体1は、後述する吸引ピース
2とカプセルホルダ5とから構成されている。
【0017】2は略円筒状に形成された吸引ピースを示
し、該吸引ピース2は、一側に位置して内部にカプセル
ホルダ5を挿入保持するホルダ収容部3と、該ホルダ収
容部3の他側に配設された後述の吸入口17とから大略
構成され、前記ホルダ収容部3の外周側には後述する穴
あけ具13の支持部14を可動に支持するガイド筒部4
が径方向外向きに突設されている。また、ホルダ収容部
3の一端側には、カプセルホルダ5のストッパ部5Aが
嵌合される環状段部3Aが形成され、他端側には吸入口
17の嵌合筒部17Aが着脱可能に嵌合される嵌合段部
3Bが形成されている。さらに、ホルダ収容部3には、
ガイド筒部4内に位置して後述する流入側通気路9のピ
ン挿通穴9Bに対応するピン穴3Cと流出側通気路10
のピン挿通穴10Bに対応するピン穴3Dとがそれぞれ
径方向に穿設されている。
【0018】5はホルダ収容部3内に挿着されたカプセ
ルホルダを示し、該カプセルホルダ5は略円柱状に形成
され、一端側外周にはホルダ収容部3の環状段部3Aに
嵌合することによって当該カプセルホルダ5をホルダ収
容部3内に位置決めする環状のストッパ部5Aが形成さ
れている。また、カプセルホルダ5の一端側には他側に
向けて漸次縮径するテーパ状のカプセル挿入ガイド6が
形成され、カプセルホルダ5の他側外周面は他側に向け
て漸次縮径するテーパ面部7となっている。
【0019】8はカプセルホルダ5の中央部に位置して
軸方向に形成されたカプセル収容室で、該カプセル収容
室8は、その一端側がカプセル挿入ガイド6に開口する
有底穴として形成されている。そして、カプセル収容室
8は、図4に示すように、その一端側開口から挿入され
たカプセルKを収容するものである。ここで、前記カプ
セルKは長円筒状に形成され、その内部に粉体状の薬品
(以下、薬粉という)が充填されている。
【0020】9,9はカプセルホルダ5の一側に設けら
れた2本の流入側通気路を示し、該各流入側通気路9
は、カプセル収容室8の外周側に位置してカプセル挿入
ガイド6に開口するようにカプセルホルダ5の軸方向に
形成された流入通路9A,9Aと、該各流入通路9Aと
連通しカプセル収容室8に開口するように径方向に形成
されたピン挿通穴9B,9Bとから構成され、該各ピン
挿通穴9Bはホルダ収容部3のピン穴3Cと連通してい
る。
【0021】10,10はカプセルホルダ5の他側に設
けられた2本の流出側通気路を示し、該各流出側通気路
10は、カプセル収容室8の外周側に位置してテーパ面
部7を切欠くようにカプセルホルダ5に形成された流出
通路10A,10Aと、該各流出通路10Aと連通しカ
プセル収容室8に開口するように径方向に形成されたピ
ン挿通穴10B,10Bとから構成され、該各ピン挿通
穴10Bはホルダ収容部3のピン穴3Dと連通してい
る。
【0022】ここで、前記各流入側通気路9は、吸入口
17から空気を吸込んだときに、流入通路9Aから外気
を流入させ、この空気をピン挿通穴9BからカプセルK
内に供給する。また、前記各流出側通気路10は、カプ
セルKから薬粉と共に流出する空気をピン挿通穴10B
を介して流出通路10Aから吸入口17側に放出させる
ものである。
【0023】11,11はカプセル収容室8の外周側に
位置してカプセルホルダ5に設けられた2本の補助通気
路(1本のみ図示)で、該各補助通気路11は、各通気
路9,10から約90度ずらした位置でカプセルホルダ
5を軸方向に貫通するように穿設されている。そして、
補助通気路11は、息を吸込むときに流通する空気の流
量を増やすことで、このときの息苦しさを解消するもの
である。
【0024】また、12はカプセルホルダ5の他端中央
にカプセル収容室8と連通するように軸方向に穿設され
た小径孔で、該小径孔12にはカプセル収容室8からカ
プセルKを取出すための治具が挿通されるようになって
いる。
【0025】次に、13はカプセル収容室8内に収容さ
れたカプセルKに穴をあけるための穴あけ具を示し、該
穴あけ具13は、ガイド筒部4内に可動に支持された支
持部14と、基端側が該支持部14に固着され、先端が
鋭利な針先15Aとなってピン穴3C,3Dに挿入され
たピン15,15と、前記支持部14とホルダ収容部3
との間に設けられた戻しばね16とから構成され、該戻
しばね16は、カプセルKの穴あけ後に各ピン15の針
先15Aが僅かにピン挿通穴9B,10Bに進入した状
態となる初期位置まで支持部14、各ピン15を戻すも
のである。
【0026】そして、穴あけ具13は、支持部14を戻
しばね16に抗してガイド筒部4内に押込んで各ピン1
5をピン挿通穴9B,10Bに挿通させることにより、
その針先15Aをカプセル収容室8内のカプセルKを貫
通させ、該カプセルKの軸方向両端側に径方向に貫通す
る貫通穴H,H,…(図4参照)をあけるようになって
いる。また、支持部14への押圧力を取除くと、戻しば
ね16の付勢力によって支持部14、各ピン15が初期
位置まで後退する。
【0027】一方、17はホルダ収容部3の他側に設け
られ、該ホルダ収容部3と共に吸引ピース2を構成する
吸入口を示し、該吸入口17の一端側にはホルダ収容部
3の嵌合段部3Bに着脱可能に嵌合する嵌合筒部17A
が一体形成され、他端側外周は患者がくわえ易いように
他側に向けて漸次縮径したテーパ面17Bとなり、該吸
入口17の上,下には軸方向に延びるガイド溝17C,
17Cが形成され、該各ガイド溝17Cには後述する捕
捉板19の位置決め突起19B,19Bおよび移動弁体
20のガイド突起20B,20Bが係合されている。ま
た、吸入口17の内周側は吸込通路18となり、該吸込
通路18には後述する捕捉板19、移動弁体20等が設
けられている。
【0028】また、19は吸入口17の吸込通路18に
位置して設けられた捕捉板を示し、該捕捉板19は、円
板に複数の通気孔19A,19A,…が穿設され、その
外周側が吸入口17のガイド溝17Cの上流側に上,下
の位置決め突起19B,19Bによって位置決めされた
状態で接着、溶着等の固定手段によって固着されてい
る。また、該捕捉板19の中央部には吸入口17の開口
部に向けて延びる小径の支柱19Cが立設されている。
【0029】そして、前記捕捉板19は、図4に示すよ
う、穴あけ具13によってカプセルKに貫通穴H,H,
…をあけたときに発生したカプセルの破片C,C,…が
薬粉と共に吸引されると 該各破片Cは前記各通気孔1
9Aによって捕捉され、薬粉だけを通過させて患者に吸
入させると共に、この薬粉の通過時に捕捉板19に衝突
することにより固着した薬粉を分散して微細化するもの
である。
【0030】20は捕捉板19の下流側に位置して移動
可能に設けられた移動弁体を示し、該移動弁体20は、
円板に複数の通気孔20A,20A,…が前記捕捉板1
9の各通気孔19Aを閉塞するように位置をずらして穿
設され、該移動弁体20の上,下には吸入口17のガイ
ド溝17Cに係合する断面半円状のガイド突起20B,
20Bが突設されている。さらに、該移動弁体20の中
央部には前記捕捉板19の支柱19Cが挿通される挿通
穴20Cが穿設されている。
【0031】そして、移動弁体20は、患者が吸入口1
7から空気を吸込んだ場合には、該移動弁体20は下流
側に移動し、図4に示す如くカプセルK内の薬粉を含ん
だ空気が流通するのを許す。一方、吸入口17をくわえ
た状態で患者が咳込み、吸入口17の吸込通路18に空
気を吹出して逆流させた場合には、図1に示すように、
この逆流する空気によって矢示A方向に移動して捕捉板
19の各通気孔19Aを閉じて、吸込通路18を閉塞
(閉弁)し、空気が通気路9,10内を逆流するのを防
止する。
【0032】本実施例による吸入式投薬器は上述の如き
構成を有するもので、次に、患者が薬粉を吸入するまで
の準備動作および吸入時の投薬器内の空気と薬粉の流れ
等について説明する。
【0033】最初に、投薬器内にカプセルKを収容し、
このカプセルKに貫通穴Hを開けるまでの準備動作につ
いて説明する。
【0034】まず、ホルダ収容部3内にカプセルホルダ
5を一端側から挿入し、該カプセルホルダ5のストッパ
部5Aをホルダ収容部3の環状段部3Aに嵌合させる。
この場合には、ホルダ収容部3に形成されたピン穴3C
とカプセルホルダ5に形成されたピン挿通穴9Bと、ピ
ン穴3Dとピン挿通穴10Bとをそれぞれ一直線上に位
置するように配置する。
【0035】この状態において、カプセル収容室8内に
カプセルKを一側から挿入する。なお、カプセルホルダ
5の一端面はテーパ状のカプセル挿入ガイド6となって
いるから、容易にカプセルKをカプセル収容室8内に誘
導できる。
【0036】そして、カプセルKに貫通穴Hをあけるに
は、穴あけ具13の支持部14をガイド筒部4に沿って
押込むことにより、各ピン15をピン挿通穴9B,10
Bに沿って挿入し、該各ピン15の針先15Aでカプセ
ル収容室8内に収容されたカプセルKに4個の貫通穴H
を形成する。また、カプセルKに4個の貫通穴Hを形成
した後には、支持部14、各ピン15が戻しばね16の
付勢力によって初期位置まで戻される。
【0037】次に、患者が薬粉を吸込むときの吸入式投
薬器内の空気と薬粉の流れについて説明する。
【0038】まず、患者が吸入口17のテーパ面17B
をくわえ息を吸込むと、図4に示す如く、移動弁体20
は下流側に移動して捕捉板19の各通気孔19Aを移動
弁体20の各通気孔20Aを介して開き、吸込通路18
と通気路9,10とを連通する。このとき、空気は各流
入側通気路9の流入通路9Aからピン挿通穴9Bを通っ
てカプセル収容室8側に流通し、一側の貫通穴H,Hを
介してカプセルK内に流入する。そして、カプセルK内
に流入した空気はカプセルK内の薬粉を強制的に拡散さ
せ、薬粉を空気中に混入させる。
【0039】このようにしてカプセルK内の薬粉を含ん
だ空気は、他側の貫通穴H,Hから流出側通気路10の
ピン挿通穴10B、流出通路10Aを介して吸入口17
の吸込通路18側に放出される。そして、この薬粉の吸
入時には、移動弁体20は下流側に移動しているから、
薬粉を含んだ空気を吸込通路18から患者の口内、気管
を介して肺内に到達させることができる。
【0040】また、このときには、カプセルKに各貫通
穴Hをあけるときに発生した破片Cは薬粉と共に吸引さ
れるが、この破片は捕捉板19によって捕捉されるか
ら、患者は薬粉だけを吸込むことができる。しかも、薬
粉は捕捉板19を通過するときに該捕捉板19に衝突し
て分散するから、薬粉を微細化して吸入途中での落下を
防ぐことができ、確実に肺内に投与することができる。
【0041】一方、薬粉の吸入途中で患者が咳込んだ場
合、即ち、吸入口17の吸込通路18に空気が吹出され
た場合には、吹出された空気によって移動弁体20が矢
示A方向の上流側に移動して捕捉板19に当接させるこ
とにより、各通気孔19Aを移動弁体20により閉じて
吸込通路18を閉塞するから、吹出された空気が該吸込
通路18から通気路9,10内を逆流し、カプセルK内
の薬粉を外部に放出するのを防止できる。
【0042】かくして、本実施例によれば、薬粉を吸入
するために吸入口17から空気を吸込んだ場合には、吸
込通路18に設けられた移動弁体20を下流側に移動さ
せて捕捉板19の各通気孔19Aを移動弁体20の各通
気孔20Aを介して開けることにより、カプセルK内の
薬粉を含んだ空気を吸込通路18内で流通させ、一方、
吸入口17をくわえた状態で患者が咳込み、吸入口17
の吸込通路18に空気を吹出して逆流させた場合には、
移動弁体20を捕捉板19に当接させて各通気孔19A
を閉じ、空気が通気路9,10側に逆流するのを防止で
きる。
【0043】従って、例えば、咳込みによって吹出され
た空気が各流出側通気路10からカプセルK内に流入
し、該カプセルK内の薬粉が各流入側通気路9から外部
に放出するのを防止できるから、カプセルK内の薬粉の
減少を防止して薬粉を効率よく吸込むことができ、患者
に規定量の薬粉を投与することにより薬粉の効能を高め
ることができる。
【0044】一方、吸入口17の吸込通路18に捕捉板
19を設け、カプセルKに貫通穴Hをあけるときに発生
した破片Cを該捕捉板19で捕捉するようにしたから、
薬粉の吸入時に薬粉と共に破片Cを吸込んで患者が咳込
むのを防止し、患者に薬粉だけを吸入させて、当該吸入
式投薬器に対する信頼性を向上することができる。
【0045】しかも、吸入する薬粉を捕捉板19に衝突
させることにより、薬粉を分散して微細化することがで
きるから、薬粉が気管等の吸入途中で落下するのを防止
でき、規定量の薬粉を肺内まで確実に供給して、投薬効
率を向上できる。
【0046】また、吸入口17をホルダ収容部3に着脱
可能に取付けているから、薬粉の吸入後に吸入口17、
吸込通路18を洗浄する場合に該吸入口17を取外すこ
とにより、吸入口17の洗浄や捕捉板19に捕捉された
カプセルKの破片や付着した薬粉の洗浄を容易に行うこ
とができ、洗浄時の作業性を向上することができる上
に、吸入口17は、一側を把持した状態で軸方向に引張
ることにより患者がくわえる部分に触れることなく短時
間で取外すことができるから、雑菌等が付着するのを防
止することができ、衛生面を向上することができる。
【0047】次に、図5ないし図7に本発明の第2の実
施例を示すに、本実施例の特徴は、捕捉板と移動弁体の
通気孔の形状をスリット状にしたことにある。なお、本
実施例では、前述した第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0048】図中、21は吸入口17の吸込通路18に
位置して設けられた捕捉板を示し、該捕捉板21は、円
板状に形成された板体に複数の縦スリット21A,21
A,…が形成され、外周側は上,下に設けられた位置決
め突起21B,21Bによって吸入口17のガイド溝1
7Cの上流側に位置決めされた状態で接着、溶着等の固
着手段によって固着されている。また、該捕捉板21の
中央部には吸入口17の開口部に延びる小径の支柱21
Cが立設されている。
【0049】22は本実施例による移動弁体を示し、該
移動弁体22は、円板状に形成された板体に複数の縦ス
リット22A,22A,…が、前記捕捉板21の各通気
孔20Aを閉塞するように位置をずらして穿設され、
上,下には前記吸入口17のガイド溝17Cに係合する
断面半円弧状のガイド突起22B,22Bが突設されて
いる。さらに、該移動弁体22の中央部には前記捕捉板
21の支柱21Cが挿通される挿通穴22Cが穿設され
ている。
【0050】本実施例による吸入式投薬器は上述の如き
構成を有するもので、患者に薬粉を投与するときの準備
動作および吸入時の動作については、前述した第1の実
施例と同様であるので、その説明を省略する。
【0051】また、本実施例による捕捉板21と移動弁
体22の動作においても、第1の実施例と同様に、咳込
んだときに捕捉板21の各縦スリット21Aを移動弁体
22によって閉塞し、逆流した空気が通気路9,10側
に流れ込むのを積極的に防止でき、カプセルK内の薬粉
が外部に放出されるのを防止することができる。
【0052】かくして、本実施例では、カプセルK内の
薬粉が外部に放出されるのを防止して、該カプセルK内
の薬粉を患者に規定量正確に投与することができる。
【0053】なお、前記各実施例では、移動弁体20
(22)の倒れ防止として、捕捉板19(21)の中央
部に支柱19C(21C)を立設し、移動弁体20(2
2)に該支柱19C(21C)に遊嵌する挿通穴20C
(22C)を穿設したが、本発明はこれに限らず、移動
弁体20(22)を厚くすることにより、この支柱19
C(21C)と挿通穴20C(22C)を廃止しても、
捕捉板19(21)に数本の支柱を立設して該各支柱に
遊嵌する挿通穴を移動弁体20(22)に形成してもよ
い、要は移動弁体20(22)の回り止めと倒れ防止が
図れる構成であればよい。
【0054】また、前記各実施例では、ホルダ収容部3
に嵌合段部3Bを設けると共に吸入口17に嵌合筒部1
7Aを設け、該嵌合段部3B、嵌合筒部17Aを介して
ホルダ収容部3に吸入口17を着脱可能に嵌合するもの
として述べたが、ホルダ収容部と吸入口とを螺合により
着脱可能としてもよく、ピンと溝とを係合させることに
より着脱するようにしてもよい。
【0055】また、前記各実施例では、薬粉を搬送する
ための通気路(流入側通気路9,9と流出側通気路1
0,10)および補助通気路11,11をそれぞれ2本
ずつ形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、各
通気路は患者の吸引力(肺活量)に応じてその本数を1
本、4本等に調整してもよく、または、補助通気路は廃
止するようにしてもよいものである。
【0056】さらに、前記実施例では、投薬器本体1を
ホルダ収容部3、吸入口17およびカプセルホルダ5の
3部材から構成したが、これに替えて、投薬器本体を1
部材から構成するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、患者が吸入口をくわえて空気を吸込んだ場合に
は、カプセル収容室内の薬粉を通気路、吸入口を介して
肺内に吸引できる。一方、吸入口をくわえた状態で患者
が咳込み、吸入口内に空気(息)を逆流させた場合に
は、移動弁体が破片捕捉部材の通路を閉じることによ
り、この逆流する空気がカプセル収容室内の薬粉を外部
に放出するのを防止でき、カプセル収容室内の薬粉の減
少を防止して薬粉を効率よく吸込むことができ、患者に
規定量の薬粉を投与することにより薬粉の効能を高める
ことができる。
【0058】請求項2の発明では、破片捕捉部材は多数
の通気孔を有する捕捉板とし形成し、移動弁体は該捕捉
板の各通気孔と位置をずらした多数の通気孔を有する弁
体として形成したから、薬粉の投与時には患者の息の吸
込みによって弁板は吸込まれて捕捉板から離間して通気
孔を開き、カプセル内の薬粉は該捕捉板の通気孔と弁板
の通気孔とを通って吸入口から噴出される。一方、吸入
口をくわえた状態で患者が咳込み、吸入口内に空気を逆
流させた場合には、弁板は捕捉板側に移動して該弁板が
捕捉板に合わさり、捕捉板の通気孔を弁板で塞ぐことに
より、カプセル側に空気が流れ込むのを防止して、カプ
セル収容室内の薬粉が外部に放出するのを防止できる。
【0059】請求項3の発明では、吸引ピースのホルダ
収容部からカプセルホルダを取外して、カプセルホル
ダ、吸引ピース、破片捕捉部および移動弁体を容易に洗
浄することができ、当該投薬器全体を洗浄する場合に、
隅々まで洗浄することができ、衛生面をより一層向上す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による吸入式投薬器を示
す断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた横断面図であ
る。
【図3】図1中の矢示 III−III 方向からみた横断面図
である。
【図4】薬粉の吸入時に薬粉と共に吸入されるカプセル
の破片を捕捉板で捕捉した状態を示す図1と同様位置か
らみた断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例による吸入式投薬器を示
す断面図である。
【図6】図5中の矢示VI−VI方向からみた横断面図であ
る。
【図7】図5中の矢示 VII−VII 方向からみた横断面図
である。
【符号の説明】
1 投薬器本体 8 カプセル収容室 9 流入側通気路 10 流出側通気路 17 吸入口 19,21 捕捉板(破片捕捉部材) 19A,20A 通気孔 20,22 移動弁体 21A,22A 縦スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石関 一則 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 谷澤 嘉行 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 (72)発明者 柳川 明 神奈川県横浜市都筑区富士見が丘5−3

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向の一側が内部に薬粉が充填された
    カプセルを収容するカプセル収容室となり、他側が薬粉
    を吸入する吸入口となった投薬器本体と、該投薬器本体
    のカプセル収容室に収容されたカプセル内の薬粉を前記
    吸入口側に供給するため、一側が大気側に開口し他側が
    該カプセルを通って吸入口に開口した通気路と、前記カ
    プセル収容室内のカプセルに該通気路に連通する穴をあ
    けるために前記投薬器本体に設けられた穴あけ具と、前
    記吸入口の内周に設けられ、該穴あけ具によるカプセル
    の穴あけ時に発生した破片を捕捉し薬粉の通過のみを許
    す破片捕捉部材と、該破片捕捉部材の下流側に位置して
    該吸入口内に軸方向に可動に設けられ、該吸入口に逆流
    が生じたときに軸方向に移動して該破片捕捉部材の通路
    を閉じる移動弁体とから構成してなる吸入式投薬器。
  2. 【請求項2】 前記破片捕捉部材は多数の通気孔を有す
    る捕捉板として形成し、前記移動弁体は該捕捉板の各通
    気孔と位置をずらした多数の通気孔を有する弁板として
    形成してなる請求項1に記載の吸入式投薬器。
  3. 【請求項3】 前記投薬器本体は、一側がホルダ収容部
    となり、他側が吸入口となった吸引ピースと、該吸引ピ
    ースのホルダ収容部内に設けられ、内部にカプセル収容
    穴が一側に開口して形成されたカプセルホルダとからな
    り、前記破片捕捉部材と移動弁体は前記吸引ピースの吸
    入口内周に設けてなる請求項1または2に記載の吸入式
    投薬器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540857A (ja) * 1999-04-07 2002-12-03 トラデル メディカル インターナショナル エーロゾル薬物供給装置及び方法
JP2005525393A (ja) * 2002-04-09 2005-08-25 ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト チオトロピウムの吸入性散剤を含有する吸入用キット
US8022082B2 (en) 2002-04-09 2011-09-20 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co., Kg Method for the administration of an anticholinergic by inhalation

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