JPH09204825A - Nb3 Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材 - Google Patents
Nb3 Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材Info
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- JPH09204825A JPH09204825A JP8011973A JP1197396A JPH09204825A JP H09204825 A JPH09204825 A JP H09204825A JP 8011973 A JP8011973 A JP 8011973A JP 1197396 A JP1197396 A JP 1197396A JP H09204825 A JPH09204825 A JP H09204825A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 縮径加工時の断線の発生を防ぐと共に、十分
な臨界電流密度、及び臨界磁界を得ること。 【解決手段】 芯棒13とマトリックス12を、Nb、
或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金との変形抵
抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金と固溶性が
良く、且つ、融点が1600℃以上の金属より構成し
た。
な臨界電流密度、及び臨界磁界を得ること。 【解決手段】 芯棒13とマトリックス12を、Nb、
或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金との変形抵
抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金と固溶性が
良く、且つ、融点が1600℃以上の金属より構成し
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高磁場発生超電導マ
グネット等に用いられるNb3 Al系化合物超電導体、
及びNb3 Al系化合物超電導線材に関し、特に、縮径
加工時の断線の発生を防いで加工性を高めると共に十分
な臨界電流密度、及び臨界磁界が得られるようにしたN
b3 Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超
電導線材に関する。
グネット等に用いられるNb3 Al系化合物超電導体、
及びNb3 Al系化合物超電導線材に関し、特に、縮径
加工時の断線の発生を防いで加工性を高めると共に十分
な臨界電流密度、及び臨界磁界が得られるようにしたN
b3 Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超
電導線材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のNb3 Al系化合物超電導線材と
して、図3に示されるものがある。このNb3 Al系化
合物超電導線材は、Cu、或いはCu合金より成るマト
リックス2中に、Nb3 Al系化合物の超電導フィラメ
ント1を複数本、埋設して構成されている。
して、図3に示されるものがある。このNb3 Al系化
合物超電導線材は、Cu、或いはCu合金より成るマト
リックス2中に、Nb3 Al系化合物の超電導フィラメ
ント1を複数本、埋設して構成されている。
【0003】超電導フィラメント1は、図4に示すよう
に、Cuより成る芯棒3の外周に、Nbより成る拡散障
壁4を介してNb、或いはNb合金の帯状体5、及びA
l、或いはAl合金の帯状体6を積層して同心円状に複
数層巻回し、これらの積層体の外周にNbより成る拡散
障壁7を介してCuより成る管体8を挿入し、これらを
所定の直径まで縮径することにより構成されている。
に、Cuより成る芯棒3の外周に、Nbより成る拡散障
壁4を介してNb、或いはNb合金の帯状体5、及びA
l、或いはAl合金の帯状体6を積層して同心円状に複
数層巻回し、これらの積層体の外周にNbより成る拡散
障壁7を介してCuより成る管体8を挿入し、これらを
所定の直径まで縮径することにより構成されている。
【0004】以下、上記Nb3 Al系化合物超電導線材
の製造手順を説明する。まず、Cuより成る芯棒6の外
周にNbから成る拡散障壁7を設けると共に、その外周
にNb、或いはNb合金の帯状体8とAl、或いはAl
合金の帯状体9を積層して同心円状に複数層巻回し、更
にその外周にNbより成る拡散障壁10を設ける。そし
て、これらをCu製の管体11に挿入して複合線を形成
し、これを所定の直径まで縮径加工して、図4に示す超
電導フィラメント1とする。
の製造手順を説明する。まず、Cuより成る芯棒6の外
周にNbから成る拡散障壁7を設けると共に、その外周
にNb、或いはNb合金の帯状体8とAl、或いはAl
合金の帯状体9を積層して同心円状に複数層巻回し、更
にその外周にNbより成る拡散障壁10を設ける。そし
て、これらをCu製の管体11に挿入して複合線を形成
し、これを所定の直径まで縮径加工して、図4に示す超
電導フィラメント1とする。
【0005】次に、Cu、或いはCu合金より成る管体
に複数の超電導フィラメント1を挿入し、これを所定の
直径まで縮径加工した後、700〜1000℃で拡散熱
処理することによりNb3 Al系化合物超電導線材を得
る。
に複数の超電導フィラメント1を挿入し、これを所定の
直径まで縮径加工した後、700〜1000℃で拡散熱
処理することによりNb3 Al系化合物超電導線材を得
る。
【0006】このような構成を有するNb3 Al系化合
物超電導線材は、Nb、或いはNb合金の帯状体8とA
l、或いはAl合金の帯状体9を積層した積層体によっ
て超電導特性を提供し、Cu、或いはCu合金の芯棒
6、マトリックス2によって常電導部の安定性を提供す
る。
物超電導線材は、Nb、或いはNb合金の帯状体8とA
l、或いはAl合金の帯状体9を積層した積層体によっ
て超電導特性を提供し、Cu、或いはCu合金の芯棒
6、マトリックス2によって常電導部の安定性を提供す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のNb3
Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導
線材によると、常電導部の安定性を付与するためにC
u、或いはCu合金を使用しているため、次のような問
題がある。 (1) Cu、或いはCu合金はNbとAlの積層部、或い
はNbの拡散障壁と変形抵抗の差が大きく、縮径加工中
にネッキング現象が起こり、断線が発生したり、臨界電
流密度が低下するという問題が生じる。 (2) Cuは金属的にNbと固溶せず密着が悪いため、縮
径加工中にNbとの界面で滑りが生じ、長手方向に不均
一なフィラメントが形成され、前述の問題と同様にネッ
キング現象が起こる。 (3) 良好なNb3 Alを得るには1600℃以上で熱処
理する必要があるが、Cuの融点が1083℃であるた
め、これ以上の温度で熱処理できない。従って、十分な
臨界電流密度、及び臨界磁界が得られない。
Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導
線材によると、常電導部の安定性を付与するためにC
u、或いはCu合金を使用しているため、次のような問
題がある。 (1) Cu、或いはCu合金はNbとAlの積層部、或い
はNbの拡散障壁と変形抵抗の差が大きく、縮径加工中
にネッキング現象が起こり、断線が発生したり、臨界電
流密度が低下するという問題が生じる。 (2) Cuは金属的にNbと固溶せず密着が悪いため、縮
径加工中にNbとの界面で滑りが生じ、長手方向に不均
一なフィラメントが形成され、前述の問題と同様にネッ
キング現象が起こる。 (3) 良好なNb3 Alを得るには1600℃以上で熱処
理する必要があるが、Cuの融点が1083℃であるた
め、これ以上の温度で熱処理できない。従って、十分な
臨界電流密度、及び臨界磁界が得られない。
【0008】従って、本発明の目的は縮径加工時の断線
の発生を防ぐと共に、十分な臨界電流密度、及び臨界磁
界を得ることができるNb3 Al系化合物超電導体、及
びNb3 Al系化合物超電導線材を提供することであ
る。
の発生を防ぐと共に、十分な臨界電流密度、及び臨界磁
界を得ることができるNb3 Al系化合物超電導体、及
びNb3 Al系化合物超電導線材を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
み、縮径加工時の断線の発生を防ぐと共に、十分な臨界
電流密度、及び臨界磁界を得られるようにするため、N
b、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金との変
形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金との固
溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属より成
る芯棒の外周に、Nb、或いはNb合金の帯状体とA
l、或いはAl合金の帯状体が積層されて同心円状に複
数層巻回され、これらの外周にNb、或いはNb合金、
及びAl、或いはAl合金との変形抵抗差が小さいと共
に、Nb、或いはNb合金との固溶性が良く、且つ、融
点が1600℃以上の金属より成る被覆層が施されたN
b3Al系化合物超電導体を提供するものである。
み、縮径加工時の断線の発生を防ぐと共に、十分な臨界
電流密度、及び臨界磁界を得られるようにするため、N
b、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金との変
形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金との固
溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属より成
る芯棒の外周に、Nb、或いはNb合金の帯状体とA
l、或いはAl合金の帯状体が積層されて同心円状に複
数層巻回され、これらの外周にNb、或いはNb合金、
及びAl、或いはAl合金との変形抵抗差が小さいと共
に、Nb、或いはNb合金との固溶性が良く、且つ、融
点が1600℃以上の金属より成る被覆層が施されたN
b3Al系化合物超電導体を提供するものである。
【0010】上記Nb、或いはNb合金、及びAl、或
いはAl合金との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或
いはNb合金との固溶性が良く、且つ、融点が1600
℃以上の金属は、Nb、或いはNb合金であり、Nb合
金は、Ta、Hf、V、Zr、Tiの少なくとも1種が
合計5at%以下添加されている構成が好ましい。
いはAl合金との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或
いはNb合金との固溶性が良く、且つ、融点が1600
℃以上の金属は、Nb、或いはNb合金であり、Nb合
金は、Ta、Hf、V、Zr、Tiの少なくとも1種が
合計5at%以下添加されている構成が好ましい。
【0011】また、本発明は上記の問題点を解決するた
め、Nb、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金
との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金
との固溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属
より成る芯棒の外周に、Nb、或いはNb合金の帯状体
とAl、或いはAl合金の帯状体が積層されて同心円状
に複数層巻回され、これらの外周にNb、或いはNb合
金、及びAl、或いはAl合金との変形抵抗差が小さい
と共に、Nb、或いはNb合金との固溶性が良く、且
つ、融点が1600℃以上の金属より成る被覆層が施さ
れたNb3 Al系化合物超電導フィラメントを、複数
本、Nb、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金
との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金
との固溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属
より成る管体に挿入し、これらを縮径加工して1600
℃以上の温度で熱処理された構成を有したNb3 Al系
化合物超電導線材を提供するものである。
め、Nb、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金
との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金
との固溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属
より成る芯棒の外周に、Nb、或いはNb合金の帯状体
とAl、或いはAl合金の帯状体が積層されて同心円状
に複数層巻回され、これらの外周にNb、或いはNb合
金、及びAl、或いはAl合金との変形抵抗差が小さい
と共に、Nb、或いはNb合金との固溶性が良く、且
つ、融点が1600℃以上の金属より成る被覆層が施さ
れたNb3 Al系化合物超電導フィラメントを、複数
本、Nb、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金
との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金
との固溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属
より成る管体に挿入し、これらを縮径加工して1600
℃以上の温度で熱処理された構成を有したNb3 Al系
化合物超電導線材を提供するものである。
【0012】上記した構成では、複数のNb3 Al系化
合物超電導フィラメントを、管体に挿入し、これらを縮
径加工すると、超電導フィラメントの芯棒と最外周の被
覆層がNb、或いはNb合金との界面が結合した状態
で、且つ、Nb、或いはNb合金、及びAl、或いはA
l合金の積層部と近似した変形量で変形する。このた
め、ネッキング現象が防がれ、断線や臨界電流密度の低
下を防ぐことができる。ここで、芯棒と最外周の被覆層
にNb合金を用いると、Nb、或いはNb合金、及びA
l、或いはAl合金の積層部との加工硬化による変形抵
抗差を純Nbより小さくすることが可能であり、ネッキ
ング現象をより小さくする効果がある。また、芯棒とマ
トリックスが融点1600℃以上の金属より構成されて
いるため、縮径加工後、1600℃以上の温度で熱処理
でき、超電導線材として十分な臨界電流密度、及び臨界
磁界を得ることができる。この特性の向上によりNb3
Al線材は、高い電流、及び磁界マージンを有すること
ができ、定化材Cuが不要になる。
合物超電導フィラメントを、管体に挿入し、これらを縮
径加工すると、超電導フィラメントの芯棒と最外周の被
覆層がNb、或いはNb合金との界面が結合した状態
で、且つ、Nb、或いはNb合金、及びAl、或いはA
l合金の積層部と近似した変形量で変形する。このた
め、ネッキング現象が防がれ、断線や臨界電流密度の低
下を防ぐことができる。ここで、芯棒と最外周の被覆層
にNb合金を用いると、Nb、或いはNb合金、及びA
l、或いはAl合金の積層部との加工硬化による変形抵
抗差を純Nbより小さくすることが可能であり、ネッキ
ング現象をより小さくする効果がある。また、芯棒とマ
トリックスが融点1600℃以上の金属より構成されて
いるため、縮径加工後、1600℃以上の温度で熱処理
でき、超電導線材として十分な臨界電流密度、及び臨界
磁界を得ることができる。この特性の向上によりNb3
Al線材は、高い電流、及び磁界マージンを有すること
ができ、定化材Cuが不要になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のNb3 Al系化合
物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材を添付
図面を参照しながら詳細に説明する。
物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材を添付
図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】図1には、本発明の第1の実施の形態のN
b3 Al系化合物超電導線材の構成が示されている。こ
のNb3 Al系化合物超電導線材は、Nb、或いはNb
合金より成るマトリックス12の内部に、Nb3 Al系
化合物超電導フィラメント11を埋設して構成されてい
る。
b3 Al系化合物超電導線材の構成が示されている。こ
のNb3 Al系化合物超電導線材は、Nb、或いはNb
合金より成るマトリックス12の内部に、Nb3 Al系
化合物超電導フィラメント11を埋設して構成されてい
る。
【0015】超電導フィラメント11は、図2に示すよ
うに、Nb、或いはNb合金より成る芯棒13の外周に
Nb、或いはNb合金の帯状体14、及びAl、或いは
Al合金の帯状体15を積層して同心円状に複数層巻回
し、その外周にNb合金より成る管体16を挿入し、こ
れを所定の直径まで縮径して構成されている。
うに、Nb、或いはNb合金より成る芯棒13の外周に
Nb、或いはNb合金の帯状体14、及びAl、或いは
Al合金の帯状体15を積層して同心円状に複数層巻回
し、その外周にNb合金より成る管体16を挿入し、こ
れを所定の直径まで縮径して構成されている。
【0016】以下、本発明の第1の実施の形態のNb3
Al系化合物超電導線材の製造手順を説明する。
Al系化合物超電導線材の製造手順を説明する。
【0017】まず、Nb、或いはNb合金の芯棒13の
外周に、Nb、或いはNb合金の帯状体14とAl、或
いはAl合金の帯状体15を積層して同心円状に複数層
巻回する。そして、これらをNb、或いはNb合金の管
体16に挿入して複合線を形成し、これを所定の直径ま
で縮径して、図2に示す超電導フィラメント11とす
る。
外周に、Nb、或いはNb合金の帯状体14とAl、或
いはAl合金の帯状体15を積層して同心円状に複数層
巻回する。そして、これらをNb、或いはNb合金の管
体16に挿入して複合線を形成し、これを所定の直径ま
で縮径して、図2に示す超電導フィラメント11とす
る。
【0018】次に、Nb、或いはNb合金の管体12に
複数の超電導フィラメント11を挿入し、これを所定の
直径まで縮径加工した後、1600℃以上の温度で拡散
熱処理して、図1に示すNb3 Al系化合物超電導線材
を得る。
複数の超電導フィラメント11を挿入し、これを所定の
直径まで縮径加工した後、1600℃以上の温度で拡散
熱処理して、図1に示すNb3 Al系化合物超電導線材
を得る。
【0019】なお、以上の実施の形態では、芯棒をN
b、或いはNb合金から構成したが、NbとAlの複合
部(積層部)との変形抵抗差が小さく、且つ、融点が1
600℃以上の材料、例えば、Ta、V、Zr、或いは
これらの合金で構成しても良く、また、芯棒がない構成
にしても良い。また、マトリックスについてもNbとA
lの複合部との変形抵抗差が小さく、且つ、融点が16
00℃以上の材料、例えば、Ta、V、Zr、或いはこ
れらの合金で構成しても良い。
b、或いはNb合金から構成したが、NbとAlの複合
部(積層部)との変形抵抗差が小さく、且つ、融点が1
600℃以上の材料、例えば、Ta、V、Zr、或いは
これらの合金で構成しても良く、また、芯棒がない構成
にしても良い。また、マトリックスについてもNbとA
lの複合部との変形抵抗差が小さく、且つ、融点が16
00℃以上の材料、例えば、Ta、V、Zr、或いはこ
れらの合金で構成しても良い。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず、図
1、及び図2に示す構成、つまり、芯棒、及びマトリッ
クスがNb、或いはTa、Hf、V、Zr、Tiの少な
くとも1種が合計5at%以下添加されたNb合金より
成る構成で、芯棒、及びマトリックスに使用する材料を
表1のように異ならせて、実施例1から実施例7のNb
3 Al系化合物超電導線材を製造した。
1、及び図2に示す構成、つまり、芯棒、及びマトリッ
クスがNb、或いはTa、Hf、V、Zr、Tiの少な
くとも1種が合計5at%以下添加されたNb合金より
成る構成で、芯棒、及びマトリックスに使用する材料を
表1のように異ならせて、実施例1から実施例7のNb
3 Al系化合物超電導線材を製造した。
【0021】一方、図3、及び図4に示す構成のもの、
つまり、芯棒、及びマトリックスがCuより成るNb3
Al系化合物超電導線材を比較例1として製造した。
つまり、芯棒、及びマトリックスがCuより成るNb3
Al系化合物超電導線材を比較例1として製造した。
【0022】更に、実施例2〜7の構成において、Nb
合金にTa、Hf、V、Zr、Tiを合計5at%以上
添加したものを比較例2として製造した。
合金にTa、Hf、V、Zr、Tiを合計5at%以上
添加したものを比較例2として製造した。
【0023】
【表1】
【0024】これら実施例1〜7、及び比較例1、2の
Nb3 Al系化合物超電導線材は、何れもフィラメント
本数:726本、マトリックス/フィラメント比:1.
5とし、最終工程の拡散熱処理を行わないようにした。
Nb3 Al系化合物超電導線材は、何れもフィラメント
本数:726本、マトリックス/フィラメント比:1.
5とし、最終工程の拡散熱処理を行わないようにした。
【0025】次に、このようにして得た実施例1〜7、
及び比較例1、2のNb3 Al系化合物超電導線材に対
し、伸線(縮径)試験を行った。表2には、直径0.5
mmまで伸線(縮径)したときの伸線結果が示されてい
る。これから判るように、芯棒、及びマトリックスの材
料がNb、或いは添加元素の添加量が合計5at%以下
のNb合金の実施例1から実施例7は何れも加工性が良
好で、直径0.5mmまで無断線で伸線加工が行えてい
る。一方、比較例1は直径0.74mmで、また、比較
例2は0.93mmでそれぞれ断線が発生している。つ
まり、芯棒、及びマトリックスの材料としてCuを用い
ると断線が最も発生し易く、また、Nbを用いても合金
としてその添加量5at%以上になると、断線が発生し
易くなることが判る。このことから良好な加工性を得る
には、Nb合金の添加元素の添加量を5at%以下にす
る必要があることが判る。
及び比較例1、2のNb3 Al系化合物超電導線材に対
し、伸線(縮径)試験を行った。表2には、直径0.5
mmまで伸線(縮径)したときの伸線結果が示されてい
る。これから判るように、芯棒、及びマトリックスの材
料がNb、或いは添加元素の添加量が合計5at%以下
のNb合金の実施例1から実施例7は何れも加工性が良
好で、直径0.5mmまで無断線で伸線加工が行えてい
る。一方、比較例1は直径0.74mmで、また、比較
例2は0.93mmでそれぞれ断線が発生している。つ
まり、芯棒、及びマトリックスの材料としてCuを用い
ると断線が最も発生し易く、また、Nbを用いても合金
としてその添加量5at%以上になると、断線が発生し
易くなることが判る。このことから良好な加工性を得る
には、Nb合金の添加元素の添加量を5at%以下にす
る必要があることが判る。
【0026】
【表2】
【0027】また、上記実施例2を2000℃と825
℃で拡散熱処理したものをそれぞれ実施例8、9として
製造し、更に、上記比較例1をCuの融点温度以下の8
25℃で拡散熱処理したものを比較例3として製造し
た。
℃で拡散熱処理したものをそれぞれ実施例8、9として
製造し、更に、上記比較例1をCuの融点温度以下の8
25℃で拡散熱処理したものを比較例3として製造し
た。
【0028】そして、これら実施例8、9、及び比較例
3に対し、臨界電流密度特性について考察した。表3に
は、拡散熱処理の条件(温度と時間)と15Tの磁界中
における臨界電流密度が示されている。これから判るよ
うに、芯棒、及びマトリックスの材料がNb合金の実施
例9は、245A/mm2 の特性が得られているのに対
し、芯棒、及びマトリックスの材料がCuの比較例3は
実施例9と拡散熱処理の条件が同一であっても193A
/mm2 の特性しか得られてない。これは実施例9がC
uを使用しないことにより伸線時のネッキング現象が防
止されている効果によるものである。また、2000℃
で拡散熱処理した実施例8は、1052A/mm2 の特
性が得られており、大幅に臨界電流密度特性が向上して
いる。また、実施例8のこのときの臨界磁界は約30T
であり、比較例3の臨界磁界が約21Tであることか
ら、この点でも大幅な向上を見ることができる。
3に対し、臨界電流密度特性について考察した。表3に
は、拡散熱処理の条件(温度と時間)と15Tの磁界中
における臨界電流密度が示されている。これから判るよ
うに、芯棒、及びマトリックスの材料がNb合金の実施
例9は、245A/mm2 の特性が得られているのに対
し、芯棒、及びマトリックスの材料がCuの比較例3は
実施例9と拡散熱処理の条件が同一であっても193A
/mm2 の特性しか得られてない。これは実施例9がC
uを使用しないことにより伸線時のネッキング現象が防
止されている効果によるものである。また、2000℃
で拡散熱処理した実施例8は、1052A/mm2 の特
性が得られており、大幅に臨界電流密度特性が向上して
いる。また、実施例8のこのときの臨界磁界は約30T
であり、比較例3の臨界磁界が約21Tであることか
ら、この点でも大幅な向上を見ることができる。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のNb3 Al
系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材
によると、芯棒とマトリックスがNb、或いはNb合
金、及びAl、或いはAl合金との変形抵抗差が小さい
と共に、Nb、或いはNb合金との固溶性が良く、且
つ、融点が1600℃以上の金属より構成されているた
め、縮径加工時の断線の発生を防ぐと共に、十分な臨界
電流密度、及び臨界磁界を得ることができる。
系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材
によると、芯棒とマトリックスがNb、或いはNb合
金、及びAl、或いはAl合金との変形抵抗差が小さい
と共に、Nb、或いはNb合金との固溶性が良く、且
つ、融点が1600℃以上の金属より構成されているた
め、縮径加工時の断線の発生を防ぐと共に、十分な臨界
電流密度、及び臨界磁界を得ることができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図。
【図2】第1の実施の形態に係る超電導フィラメントを
示す断面図。
示す断面図。
【図3】従来のNb3 Al系化合物超電導線材を示す断
面図。
面図。
【図4】従来のNb3 Al系化合物超電導線材の超電導
フィラメントを示す断面図。
フィラメントを示す断面図。
1 超電導フィラメント 2 マトリックス 3 芯棒 4、7 拡散障壁 5、6 帯状体 8 管体 11 超電導フィラメント 12 マトリックス 13 芯棒 14、15 帯状体 16 管体
Claims (4)
- 【請求項1】 Nb、或いはNb合金、及びAl、或い
はAl合金との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或い
はNb合金との固溶性が良く、且つ、融点が1600℃
以上の金属より成る芯棒の外周に、Nb、或いはNb合
金の帯状体とAl、或いはAl合金の帯状体が積層され
て同心円状に複数層巻回され、これらの外周に前記N
b、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金との変
形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金との固
溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属より成
る被覆層が施されていることを特徴とするNb3 Al系
化合物超電導体。 - 【請求項2】 前記Nb、或いはNb合金、及びAl、
或いはAl合金との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、
或いはNb合金との固溶性が良く、且つ、融点が160
0℃以上の金属は、Nb、或いはNb合金であり、 前記Nb合金は、Ta、Hf、V、Zr、Tiの少なく
とも1種が合計5at%以下添加されている構成のNb
3 Al系化合物超電導体。 - 【請求項3】 Nb、或いはNb合金、及びAl、或い
はAl合金との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、或い
はNb合金との固溶性が良く、且つ、融点が1600℃
以上の金属より成る芯棒の外周に、Nb、或いはNb合
金の帯状体とAl、或いはAl合金の帯状体が積層され
て同心円状に複数層巻回され、これらの外周に前記N
b、或いはNb合金、及びAl、或いはAl合金との変
形抵抗差が小さいと共に、Nb、或いはNb合金との固
溶性が良く、且つ、融点が1600℃以上の金属より成
る被覆層が施されたNb3 Al系化合物超電導フィラメ
ントを、複数本、前記Nb、或いはNb合金、及びA
l、或いはAl合金との変形抵抗差が小さいと共に、N
b、或いはNb合金との固溶性が良く、且つ、融点が1
600℃以上の金属より成る管体に挿入し、これらを縮
径加工して1600℃以上の温度で熱処理された構成を
有することを特徴とするNb3 Al系化合物超電導線
材。 - 【請求項4】 前記Nb、或いはNb合金、及びAl、
或いはAl合金との変形抵抗差が小さいと共に、Nb、
或いはNb合金との固溶性が良く、且つ、融点が160
0℃以上の金属は、Nb、或いはNb合金であり、 前記Nb合金は、Ta、Hf、V、Zr、Tiの少なく
とも1種が合計5at%以下添加されている構成のNb
3 Al系化合物超電導線材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8011973A JPH09204825A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | Nb3 Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8011973A JPH09204825A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | Nb3 Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09204825A true JPH09204825A (ja) | 1997-08-05 |
Family
ID=11792555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8011973A Pending JPH09204825A (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | Nb3 Al系化合物超電導体、及びNb3 Al系化合物超電導線材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09204825A (ja) |
-
1996
- 1996-01-26 JP JP8011973A patent/JPH09204825A/ja active Pending
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