JPH09139124A - 複合多芯超電導線およびその製造方法 - Google Patents

複合多芯超電導線およびその製造方法

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JPH09139124A
JPH09139124A JP7295505A JP29550595A JPH09139124A JP H09139124 A JPH09139124 A JP H09139124A JP 7295505 A JP7295505 A JP 7295505A JP 29550595 A JP29550595 A JP 29550595A JP H09139124 A JPH09139124 A JP H09139124A
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core
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core superconducting
matrix material
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Yuichi Yamada
雄一 山田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単芯超電導線を複合化して複合多芯超電導線
を製造する方法において、より断線が少なく単芯超電導
線密度の高い複合多芯超電導線を提供する。 【解決手段】 常電導体からなるマトリックス材中に超
電導体からなるフィラメントを埋込んで単芯超電導線を
作製し、その断面を略円形のまま複合多芯化して複合多
芯超電導線を作製する。このような複合多芯超電導線
は、例えば、長さ方向に円筒形の穴2をあけた銅製のビ
レット1の穴2にそれぞれ単芯超電導線を挿入し作製す
ることができる。また、マトリックス材からなる管の中
に単芯超電導線を充填し、隙間をマトリックス材によっ
て埋めることもできる。上述の超電導体はNbバリアを
有するNbTi合金とすることができ、ジェリーロール
法に従い作製されるNb3 Al合金とすることもでき
る。なお、六角形で示す補助線100は、比較のため示
した従来例であり、本発明では、丸で示す穴2 を用い
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単芯超電導線が複
合化されてなる複合多芯超電導線およびその製造方法に
関し、特に、線材の伸線加工等における断線をより少な
くするための、複合多芯超電導線における単芯超電導線
の構造ならびに複合化の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複合多芯超電導線は、一般に単芯超電導
線を、複数本、マトリックス材料からなる管の中に充填
したビレットに、押出し加工や伸線加工を施して作製す
る。
【0003】単芯超電導線は、図6(a)に示すよう
に、マトリックス材23aの中に超電導体からなるフィ
ラメント22aを埋込んで作製するが、この単芯超電導
線21aが、複数本、ビレットに充填される場合には、
一般に、図6(b)に示すように、その断面が六角形状
となるように、塑性加工を施される。このように、複合
化の際に単芯超電導線の断面を六角形状にするのは、図
7に示すように、ビレット24内に充填した単芯超電導
線25の間などの隙間をより少なくすることにより、充
填率を高めるためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超電導線材における、
フィラメントの断線は、微小な抵抗の原因となるため、
MRI用等の永久電流モードで超電導線材を使用する場
合、その線材の発生可能な磁場の減少をもたらす。ま
た、フィラメントの断線だけでなく、線材自体の断線を
もたらす場合もあり、それによって歩留の低下を起こ
す。
【0005】本発明者は、単芯超電導線および/または
複合多芯超電導線の伸線途中に起こる断線の原因を調査
した結果、上述の単芯超電導線の塑性加工による六角化
での超電導体よりなるフィラメントの六角化が原因とな
る場合があることを発見した。
【0006】単芯超電導線を作製する場合、その断面
は、はじめは図6(a)のように円形状であるが、塑性
加工によって六角化を行なうと、図6(b)に示すよう
に六角形状となり、この場合に、マトリックス材23b
に囲まれたフィラメント22bも円形から略六角とな
る。このフィラメント22bの六角化の程度は、マトリ
ックス材23bの厚さ(フィラメント部との比率)、超
電導体の種類、マトリックス材の強度および/または塑
性加工における六角化の工程によるが、図8のように、
単芯超電導線26のマトリックス材28の内部のフィラ
メント27が完全に円形を保つことはない。そして、こ
の六角化という不均一な変形は、フィラメントの破断の
原因となり、ひいては、単芯超電導線および/または複
合多芯超電導線の断線の原因となるのである。
【0007】たとえば、MRI用等の永久電流モードで
使用される超電導線材の1つとして、NbTi超電導線
材がある。
【0008】このNbTi超電導線材のように、比較的
高電流密度を要する超電導線材においては、臨界電流密
度の向上のために熱処理を行なうが、その熱処理におい
て、マトリックスの銅とNbTi中のTiが化合物をつ
くることによる単芯超電導線の欠陥を防ぐために、図9
に示すように、NbTiフィラメント30の周りに、マ
トリックス材29のフィラメント30部分への拡散を防
ぐ拡散障壁層31としてNb等を被覆することがある。
この被覆は、超電導線としての臨界電流密度を高くする
ためには、薄い方が良い。しかし、図10(a)に示す
ようなマトリックス材37の内部のフィラメント36の
周りに拡散障壁層35を施した場合に、その拡散障壁層
35が余りに薄すぎると、図10(b)に示すように単
芯超電導線の塑性加工による六角化成形によって拡散障
壁層38に破断が生じ、図10(c)に示すように、そ
の破断部に前述の銅とTiとの化合物44が生成し、そ
れによって単芯超電導線中のフィラメント42がソーセ
ージ状になる現象や、図10(d)に示すように、生じ
た銅とTiとの化合物48によるフィラメント46の破
断などが生じるという問題があった。
【0009】また、最近は、高磁界材料としてNb3
nより耐歪み特性の良好なNb3 Al超電導線の開発が
盛んに行なわれている。現在では、実用線材の作製に不
可欠な銅安定化と多芯化が容易に行なえることから、ジ
ェリーロール法によるものだけが実用化線材となろうと
している。ジェリーロール法によるNb3 Alの複合多
芯超電導線は、NbまたはNb合金からなるシートと、
Nbと、純AlまたはAlを含む合金からなるシートと
を重ね合わせて巻き上げロール状積層物を作製し、これ
を銅パイプに挿入したものを、複数本、複合化し、押出
し伸線等が施されて作製する。しかし、このNbとAl
の積層物は、強固に一体化したものではないため、塑性
加工による六角化のような不均一な変形により、その積
層の状態に歪みを生じる。つまり、六角形の角にあたる
部分は、六角形の辺にあたる部分より加えられる力が弱
いため、積層物において角にあたる部分の積層間に隙間
を生じることによる積層間の剥離や、剥離により生じた
隙間に周辺のNbが溜まるNb溜まりを生じ、これら
は、複合化した後の複合多芯超電導線の破断の原因とな
ることから、ジェリーロール法で作製される超電導線に
おいて深刻な問題であった。
【0010】本発明の目的は、単芯超電導線を複合化し
複合多芯超電導線を製造する方法において、より断線が
少ない複合多芯超電導線を提供することである。
【0011】また、本発明のさらなる目的は、単芯超電
導線を複合化し複合多芯超電導線を製造する方法におい
て、よりビレット密度の高い複合多芯超電導線を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の複合多芯超電導
線は、常電導体からなるマトリックス材の中に超電導体
からなるフィラメントが埋込まれた単芯超電導線を複合
多芯化することにより作製される。このような単芯超電
導線は、たとえば、Nb系超電導材料を銅または銅合金
のパイプの中に挿入してなるビレットに伸線加工等の塑
性加工を施すことによって形成される。なお、得られる
単芯超電導線は、通常丸線である。次に、この単芯超電
導線を複数本束ね、再び、上述のマトリックス材で覆う
ことによる複合化を行ない、複合多芯超電導線を形成す
る。
【0013】また、従来技術においては、複合化の際
に、単芯超電導線の充填密度および設計の自由度の向上
という観点から、単芯超電導線の断面の形状を、さらに
塑性加工により六角形状へと変形させていた。しかし、
単芯超電導線を塑性加工により六角形状へと変形させる
と、このことが、前述のとおり単芯超電導線の中のフィ
ラメントの破断の原因となる。そこで、本発明において
は、複合多芯超電導線における単芯超電導線の断面の形
状を略円形のままとし、前述の塑性加工による六角形状
への変形を行なわないことを特徴としている。
【0014】単芯超電導線を複数本束ね、マトリックス
材で覆う場合、予めマトリックス材からなる管を準備
し、その中に単芯超電導線の束を充填することができ
る。このような管としては、たとえば、50〜300m
mの外径を有する銅管が考えられるが、これに限定され
るものではない。また、上記のような管の中に単芯超電
導線を充填し、その複合化を行なう際には、その管内に
生じた隙間を、マトリックス材等によって埋めることが
好ましい。
【0015】隙間の埋め方としては、たとえば、各種の
銅線を隙間へと挿入することができ、さらに、互いに隣
接し三角形状を形成するように配置された3本の単芯超
電導線に囲まれた隙間には、その隙間と同じ断面形状を
有するマトリックス材等からなる異型線を予め準備し、
それを挿入することもできる。また、円柱状のマトリッ
クス材に長さ方向に単芯超電導線と同形の円柱状の穴を
所定の本数だけあけ、その穴へ、所定の本数の単芯超電
導線を挿入する、という方法も考えられる。なお、この
場合、円柱状のマトリックス材に単芯超電導線を挿入す
る穴は、ガンドリル等によってあけることができるが、
これに限定されるものではない。
【0016】最後に、単芯超電導線が複数本充填された
管に、たとえば、銅等のブロックで蓋がなされ、電子ビ
ーム溶接等の溶接によって封じ切られ、複合多芯超電導
線が作製される。このように作製された複合多芯超電導
線は、適当な直径まで伸線されて用いることができ、ま
た、さらに複合化して用いることもできる。
【0017】なお、単芯超電導線を構成する超電導体と
しては、たとえば、Nbバリアを有するNbTi合金と
することができる。また、単芯超電導線は、ジェリーロ
ール法に従って作製されたものを用いてもよい。そのジ
ェリーロール法においては、たとえば、銅からなる芯材
の周りに、たとえばNbまたはNb合金からなるシート
と、そのNbと反応して超電導性を示す元素Xまたは元
素Xを含む合金からなるシートとを重ね巻きしてロール
状積層物を作製することができる。また、このロール状
積層物の超電導体としての安定性を増加させるために、
銅または銅合金からなる安定化材でこれを被覆すること
ができ、さらには、ロール状積層物に、元素Xの芯材へ
の拡散および芯材に含まれる元素のフィラメント内への
拡散を抑制するために、ロール状積層物と芯材の間に、
Nbなどの拡散障壁層を設けることができる。
【0018】また、最近では、超電導線材の超電導特性
の改善、特に、臨界電流密度の向上をめざし、ジェリー
ロール法において作製したロール状積層物から芯材を除
去するステップを含む超電導線の製造方法なども提案さ
れているが、この方法によると、線材の臨界電流密度は
向上するが、その一方で、塑性加工による六角化を施す
ことにより、芯材を除去した後の空間を埋めるため、芯
材が除去されないものよりロール状積層物の積層の歪み
が大きく、断線が起こりやすくなる。しかし、本発明に
おいては、塑性加工による六角化を施すことがないた
め、本発明における単芯超電導線の、ジェリーロール法
に従う製造方法が、作製したロール状積層物から芯材を
除去するステップを含むことが好ましい。このことによ
り、複合多芯超電導線において、線材の断線の減少に加
え、臨界電流密度の向上という効果も得られるからであ
る。
【0019】また、ジェリーロール法におけるNb合金
および/または前述の元素Xを含む合金中に含有される
合金元素には、たとえば、Bi、Cd、Ge、Hf、M
g、Pb、Si、Sn、TiおよびZrなどがある。
【0020】ところで、従来技術においては、単芯超電
導線は、複合化において、塑性加工により六角形状に変
形されていた。しかし、この塑性加工による六角化が、
超電導線材の断線の原因の1つであることを見出したた
め、単芯超電導線を、六角化を行なわずに複合化する複
合多芯超電導線に関する発明についてここまで説明して
きたが、単芯超電導線の断面を六角形状とする際に、塑
性加工を用いなければ、本発明の課題は解決され、さら
に、ビレット内の単芯超電導線の密度を高めることがで
きると考えられる。そこで、本発明においては、単芯超
電導線を製造する際に、超電導体からなるフィラメント
を、予め外側が六角形状であり内側に丸穴を有する棒状
のマトリックス材中に埋込むこと、もしくは、円柱状に
製造された単芯超電導線の外周部のマトリックス材を切
削用の手段によって加工し、その断面を六角形状とする
ことができる。
【0021】以上説明してきたように、複合多芯超電導
線において、単芯超電導線に六角形状へと変形させる塑
性加工を施すことなく断面が円形状の単芯超電導線を複
合化することにより、単芯超電導体中のフィラメントが
六角形に変形することなく、より断線の少ない複合多芯
超電導線を提供することができる。
【0022】また、上述のように単芯超電導線を塑性加
工以外の方法で六角形状へと変形すれば、上記の効果に
加え、さらに、ビレット内の密度の向上という効果も得
られる。
【0023】なお、本発明に従った複合多芯超電導線は
さらに複合化して用いることもできるが、その場合も、
複数本の複合多芯超電導線をマトリックス材よりなる管
に充填する際に、複合多芯超電導線に対して塑性変形に
よる六角化を行なわず、管内に生じた隙間をマトリック
ス材等で埋めること、単芯超電導線を充填する管の断面
を予め六角形状に加工しておくこと、または、単芯超電
導線を充填した管の外周のマトリックス材を切削等によ
って断面が六角形状を有するように加工することが好ま
しい。
【0024】
【実施例】
(実施例1)NbTiインゴットの周りに、純Nbシー
トを巻いたものを無酸素銅製のパイプの中に挿入してビ
レットを作製し、そのビレットを熱間押出しすることに
より、Cu/Nb/NbTi単芯超電導線を作製した。
次に、このCu/Nb/NbTi単芯超電導線を、直径
22mmまで伸線し、予め準備していた、図1に示すよ
うな、長さ方向に30個の直径22.5mmの穴2をあ
けた外径260mmの銅製のビレット1の、穴2にそれ
ぞれ挿入し、複合化を行なった。その後、そのビレット
の前後を銅製のブロックで蓋をして、電子ビーム溶接に
より封じ切り、複合多芯超電導線を作製した。なお、図
1中の六角形で示す補助線100は、後述の比較例1で
用いた管の断面と図1中の穴2との位置関係をより明確
にするための補助線であり、実施例1では丸で示す穴2
を用いた。
【0025】(比較例1)実施例1と同様に作製したC
u/Nb/NbTi単芯超電導線を、直径24mmまで
伸線し、さらに対辺距離21mmの断面六角形状へと塑
性加工により成形した。次に、図2のように、作製した
断面が六角形状を有する単芯超電導線3を30本、銅製
の管4の中に整列させ、管4と単芯超電導線3との隙間
部分を銅六角棒5を適当な本数だけ挿入して埋め、管の
前後を銅製のブロックで蓋をし、電子ビーム溶接により
封じ切り、複合多芯超電導線を作製した。
【0026】[実験1]実施例1および比較例1に従っ
た複合多芯超電導線に対し、それぞれ押出しおよび伸線
によって細線化し、これらに、以下の(A)または
(B)の熱処理を施した。
【0027】 (A):380℃、80時間の熱処理を1回行なう。 (B):380℃、80時間の熱処理を行なった後伸線
し、2回目の熱処理を行ない、さらに伸線し、3回目の
熱処理を行なう。
【0028】以下の表1に、上記の処理後、直径0.8
mmまで伸線したときの、それぞれの複合多芯超電導線
においての単芯超電導線の断線状況を示す。
【0029】
【表1】
【0030】この結果から、本発明に従った実施例1の
複合多芯超電導線においては、従来から一般に用いられ
てきた、塑性加工により断面を六角成形された単芯超電
導線を複合化した比較例1のものと比較して、内部のフ
ィラメントの断線が、かなり起こりにくくなっているこ
とがわかる。なお、各複合多芯超電導線の断面を観察し
たところ、比較例1では各単芯超電導線におけるフィラ
メントはほぼ六角形状を有していたのに対して、実施例
1については、フィラメントはほぼ円形状が保たれてい
た。また、各複合多芯超電導線における単芯超電導線を
電子顕微鏡にて観察したところ、比較例1に従い熱処理
(A)を施したものについては、若干がソーセージ状に
なっており、比較例1に従い熱処理(B)を施したもの
については、一部CuとTiの化合物が見られた。これ
に対して、実施例1に従い熱処理(A)または(B)を
施したものについては、いずれも顕著な欠陥(ソーセー
ジ化またはCu−Ti化合物生成等)は見られなかっ
た。
【0031】(実施例2)純Nbシートと純Alシート
とを巻き合わせ、ジェリーロール法に従ってCu/Nb
/Al単芯超電導線を作製した。これを直径11.5m
mまで伸線し、外径68mmの銅製の管の中に整列させ
た。次に、図3に示すように、互いに隣接し点線13で
囲ったように三角形状を形成するように配置された3本
の単芯超電導線6、7および8に囲まれた隙間部分9に
は、それと同じ断面形状を有する、図4に示すような、
銅異型線を埋込んだ。そして、管の前後を銅製のブロッ
クで蓋をして、電子ビーム溶接により封じ切り、複合多
芯超電導線を作製した。
【0032】(実施例3)実施例2と同様に作製したC
u/Nb/Al単芯超電導線を直径11.5mmまで伸
線し、予め準備していた長さ方向に19個の直径11.
5mmの穴をあけた外径68mmの銅製のビレットの、
穴にそれぞれ挿入した。その後そのビレットの前後を銅
製のブロックで蓋をし、電子ビーム溶接により封じ切
り、複合多芯超電導線を作製した。
【0033】(実施例4)実施例2と同様に作製したC
u/Nb/Al単芯超電導線を直径9mmまで伸線した
後、図5に示すような、対辺距離11mmの六角形の断
面形状を有し、内側に直径9mmの円形状の穴11を有
する銅製のパイプ12に挿入して六角棒とし、19本の
その六角棒を、外径68mmの銅製の管の中に整列させ
た。次に、管と六角棒の隙間を各種銅線を挿入して埋
め、管の前後を銅製のブロックで蓋をし、電子ビーム溶
接により封じ切り、複合多芯超電導線を作製した。
【0034】(実施例5)実施例2と同様に作製したC
u/Nb/Al単芯超電導線を、直径13mmまで伸線
し、断面が対辺距離11mmの六角形状となるよう外周
のCu部分を切削し、六角棒とした。そして、19本の
六角棒を外径68mmの銅製の管の中に整列させ、管と
六角棒の隙間を各種銅線を挿入して埋め、管の前後を銅
製のブロックで蓋をし、電子ビーム溶接により封じ切
り、複合多芯超電導線を作製した。
【0035】(比較例2)実施例2と同様に作製したC
u/Nb/Al単芯超電導線を直径13mmまで伸線し
た後、断面が対辺距離11mmの六角形状を有するよう
に塑性加工を施し、六角棒とした。その六角棒19本
を、外径68mmの銅製の管の中に整列させ、管と六角
棒の隙間を各種銅線を挿入して埋め、管の前後を銅製の
ブロックで蓋をし、電子ビーム溶接により封じ切り、複
合多芯超電導線を作製した。
【0036】[実験2]実施例2、3、4および5なら
びに比較例2に従った複合多芯超電導線をそれぞれ押出
し伸線により0.4mmまで伸線した。以下の表2に、
それぞれの長さまで伸線を行なったときの、各複合多芯
超電導線の断線箇所数を示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例2、3、4および5と比較例2の結
果を比較することにより、本発明に従って塑性加工によ
る六角成形を施さない単芯超電導線を用いて作製した複
合多芯超電導線は、従来から一般に用いられてきた塑性
加工による六角成形を施された単芯超電導線を用いて作
製したものよりも、伸線における断線がかなり起こりに
くくなっていることがわかる。なお、各複合多芯超電導
線の断面を観察したところ、比較例2では、各単芯超電
導線におけるフィラメントはほぼ六角形状を有していた
のに対して、実施例2、3、4および5については、フ
ィラメントはほぼ円形状を保っていた。
【0039】また、複合多芯超電導ビレットの充填率に
ついては、断面が円形状のままの単芯超電導線を複合化
した実施例2および3においては92〜94%程度であ
ったのに対し、塑性変形以外の方法で断面を六角形状と
した単芯超電導線を複合化した実施例4および5におい
ては95〜98%程度の充填率が得られた。したがっ
て、塑性変形以外の方法で断面を六角形状とした単芯超
電導線を複合化した複合多芯超電導線においては、伸線
における断線の現象とともに複合多芯超電導ビレットの
充填率の向上という効果も得られた。
【0040】なお、上述の実施例および比較例におい
て、ジェリーロール法におけるロール状積層物には安定
化材に対して元素Xまたは合金元素が拡散しないように
拡散障壁層としてNb層を設けていた。
【0041】今回開示された実施例は、すべての点で例
示であって制限的なものではないと考えられるべきであ
る。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の
範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味およ
び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1に用いられるビレットの
断面図である。
【図2】従来技術による比較例1で作製される複合多芯
超電導線の断面図である。
【図3】本発明による実施例2で作製される複合多芯超
電導線を構成するうちの3本の単芯超電導線の断面図で
ある。
【図4】図3の隙間部分9に埋込むための銅異型線の部
分斜視図である。
【図5】本発明による実施例4に用いられる銅製のパイ
プの断面図である。
【図6】従来の技術において、単芯超電導線が塑性加工
による六角成形を施されるときの断面形状の変化を示し
た図である。
【図7】従来の一般的な方法において単芯超電導線が充
填された、ビレットの断面図である。
【図8】単芯超電導線の断面が六角形状であり、かつ、
内部のフィラメントが円形状のままの単芯超電導線を模
式的に示した図である。
【図9】NbTi超電導線材において、フィラメントの
周りに拡散障壁層を設けた単芯超電導線の断面図であ
る。
【図10】NbTi超電導線材における単芯超電導線に
おいて、塑性加工による六角成形による拡散障壁層の破
断、ならびに、Ti−Cu化合物の生成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ビレット 2 穴 3,6,7,8 単芯超電導線 4 管 5 銅六角棒 9 隙間部分 10 銅異型線 11 円形状の穴 12 パイプ 100 補助線

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常電導体からなるマトリックス材中に、
    超電導体からなるフィラメントが埋込まれた単芯超電導
    線が複合多芯化されてなる複合多芯超電導線であって、 前記単芯超電導線が、その断面を略円形のまま複合多芯
    化されていることを特徴とする、複合多芯超電導線。
  2. 【請求項2】 前記単芯超電導線を複合多芯化する際
    に、前記単芯超電導線を複数本束ね、それをマトリック
    ス材からなる管の中に充填し、その隙間をマトリックス
    材によって埋めることを特徴とする、請求項1に記載の
    複合多芯超電導線の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記隙間をマトリックス材によって埋め
    る場合、互いに隣接し三角形状を形成するように配置さ
    れた3本の単芯超電導線に囲まれた隙間を、その隙間と
    同じ断面形状を有するマトリックス材で埋めることを特
    徴とする、請求項2に記載の複合多芯超電導線の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記隙間をマトリックス材で埋める場
    合、円形状のマトリックス材に長さ方向に単芯超電導線
    と同径の円柱状の穴を複数個あけ、その穴へ、断面が略
    円形状のままの単芯超電導線を挿入することを特徴とす
    る、請求項2に記載の複合多芯超電導線の製造方法。
  5. 【請求項5】 常電導体からなるマトリックス材中に、
    超電導体からなるフィラメントが埋込まれた、単芯超電
    導線が複合多芯化されてなる複合多芯超電導線の製造方
    法であって、 前記フィラメントが埋込まれる前記マトリックス材が、
    外側が六角形状を有し、内側に丸穴を有する棒状のマト
    リックス材であることを特徴とする、複合多芯超電導線
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 常電導体からなるマトリックス材中に、
    超電導体からなるフィラメントが埋込まれた、単芯超電
    導線が複合多芯化されてなる複合多芯超電導線の製造方
    法であって、 前記単芯超電導線の外周部のマトリックス材を切削手段
    によって断面が六角形状になるように加工するステップ
    を含むことを特徴とする、複合多芯超電導線の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記単芯超電導線に埋込まれる超電導体
    が、Nbバリアを有するNbTi合金であることを特徴
    とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の複合多芯
    超電導線の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記単芯超電導線が、ジェリーロール法
    に従って作製されることを特徴とする、請求項2〜6の
    いずれか1項に記載の複合多芯超電導線の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記単芯超電導線を作製する場合、芯材
    の周りに、NbまたはNb合金からなるシートと、Nb
    と反応して超電導性を示す元素Xまたは元素Xを含む合
    金からなるシートとを重ね巻きしてロール状積層物を作
    製し、そのロール状積層物から芯材を抜き取った後、塑
    性加工を施すステップを含むことを特徴とする、請求項
    8に記載の複合多芯超電導線の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記単芯超電導線を作製する場合、前
    記ロール状積層物を銅または銅合金からなる安定化材で
    被覆することを特徴とする、請求項9に記載の複合多芯
    超電導線の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ロール状積層物に、拡散障壁層が
    設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の
    複合多芯超電導線の製造方法。
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