JPH09203218A - 既存建物の耐震補強方法 - Google Patents
既存建物の耐震補強方法Info
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- JPH09203218A JPH09203218A JP1176196A JP1176196A JPH09203218A JP H09203218 A JPH09203218 A JP H09203218A JP 1176196 A JP1176196 A JP 1176196A JP 1176196 A JP1176196 A JP 1176196A JP H09203218 A JPH09203218 A JP H09203218A
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- column
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- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 補強後の断面積を拡大することなく、簡易な
方法で既存建物を耐震補強する。 【解決手段】 柱１とそれに接続する壁２の境界部分を
斫り、柱１と壁２間に縦方向にスリット３を形成し、分
離した柱１と壁２の少なくともいずれか一方の回りに個
別に強化繊維４を巻き付ける。
方法で既存建物を耐震補強する。 【解決手段】 柱１とそれに接続する壁２の境界部分を
斫り、柱１と壁２間に縦方向にスリット３を形成し、分
離した柱１と壁２の少なくともいずれか一方の回りに個
別に強化繊維４を巻き付ける。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は既存建物の柱，ま
たは壁を補強することにより既存建物を耐震補強する既
存建物の耐震補強方法に関するものである。
たは壁を補強することにより既存建物を耐震補強する既
存建物の耐震補強方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】既存建
物を耐震補強するために、柱や壁の耐力を増大させる方
法としては、柱や壁の回りに補強筋を配筋し、コンク
リートを増し打ちする方法と、柱や壁の回りに鋼板を
巻く方法が考えられるが、前者の方法では新規に打設さ
れるコンクリートの厚さが数10mm〜100mm 程度になるた
め補強後の断面積が大きくなり過ぎる。
物を耐震補強するために、柱や壁の耐力を増大させる方
法としては、柱や壁の回りに補強筋を配筋し、コンク
リートを増し打ちする方法と、柱や壁の回りに鋼板を
巻く方法が考えられるが、前者の方法では新規に打設さ
れるコンクリートの厚さが数10mm〜100mm 程度になるた
め補強後の断面積が大きくなり過ぎる。
【０００３】後者の方法によればコンクリートを増し打
ちする方法より断面積を小さく抑えられるが、分割され
ている複数枚の鋼板を溶接して組み立てることになるこ
とから、運搬時や施工時の取り扱いに難点がある上、現
場での溶接作業になるため信頼性に欠ける。
ちする方法より断面積を小さく抑えられるが、分割され
ている複数枚の鋼板を溶接して組み立てることになるこ
とから、運搬時や施工時の取り扱いに難点がある上、現
場での溶接作業になるため信頼性に欠ける。
【０００４】この発明は上記方法の問題点を解消する補
強方法を提案するものである。
強方法を提案するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明では鋼板に代え
て、取り扱いの容易な強化繊維を柱と壁の回りに個別に
巻くことにより作業性を向上させながら断面積の拡大を
防止する。
て、取り扱いの容易な強化繊維を柱と壁の回りに個別に
巻くことにより作業性を向上させながら断面積の拡大を
防止する。
【０００６】単純に柱と壁の回りに連続的に強化繊維を
巻く方法では、図７に示すように柱と壁の断面形状に沿
って巻き付けることになるが、強化繊維は図８に示す向
きの水平力を受けたときに躯体を拘束する結果、引張力
を負担するため、この引張力により柱と壁の境界の凹部
に位置する部分が躯体表面から剥離する可能性があり、
有効に機能しない。
巻く方法では、図７に示すように柱と壁の断面形状に沿
って巻き付けることになるが、強化繊維は図８に示す向
きの水平力を受けたときに躯体を拘束する結果、引張力
を負担するため、この引張力により柱と壁の境界の凹部
に位置する部分が躯体表面から剥離する可能性があり、
有効に機能しない。
【０００７】そこで本発明では柱とそれに接続する壁の
境界部分を斫り、柱と壁間に縦方向に、壁の面外方向に
貫通するスリットを形成し、分離した柱と壁の少なくと
もいずれか一方の回りに個別に強化繊維を巻き付けるこ
とにより剥離の問題を解消する。
境界部分を斫り、柱と壁間に縦方向に、壁の面外方向に
貫通するスリットを形成し、分離した柱と壁の少なくと
もいずれか一方の回りに個別に強化繊維を巻き付けるこ
とにより剥離の問題を解消する。
【０００８】柱と壁を分離することにより横断面上、凹
部がなくなるため、それぞれに巻かれる強化繊維が引張
力によって剥離する事態は回避される。
部がなくなるため、それぞれに巻かれる強化繊維が引張
力によって剥離する事態は回避される。
【０００９】柱と壁間のスリットには必要により隙間を
塞ぐための充填材が充填される。壁が外壁の場合には雨
水浸入防止のためのシール材が充填され、壁が内壁で、
建物内を防火区画化する場合には耐火材が充填される。
塞ぐための充填材が充填される。壁が外壁の場合には雨
水浸入防止のためのシール材が充填され、壁が内壁で、
建物内を防火区画化する場合には耐火材が充填される。
【００１０】
【発明の実施の形態】この発明は図１，図２に示すよう
に既存建物内の柱１とそれに接続する壁２の境界部分を
斫り、柱１と壁２間に縦方向にスリット３を形成し、分
離した柱１と壁２の少なくともいずれか一方の回りに強
化繊維４を巻き付け、柱１，または壁２、もしくは両者
を補強する方法である。
に既存建物内の柱１とそれに接続する壁２の境界部分を
斫り、柱１と壁２間に縦方向にスリット３を形成し、分
離した柱１と壁２の少なくともいずれか一方の回りに強
化繊維４を巻き付け、柱１，または壁２、もしくは両者
を補強する方法である。
【００１１】図１，図２は壁２に開口５がない場合の実
施状況を示すが、スリット３は柱１と壁２が接続する部
分に、壁２の面外方向に貫通して形成される。スリット
３の形成部分のコンクリートと鉄筋は共に斫られ、除去
される。
施状況を示すが、スリット３は柱１と壁２が接続する部
分に、壁２の面外方向に貫通して形成される。スリット
３の形成部分のコンクリートと鉄筋は共に斫られ、除去
される。
【００１２】図３は壁２が垂れ壁と腰壁の場合を示す
が、この場合の壁２は耐力壁として働かないため強化繊
維４は柱１の回りに巻かれ、壁２の回りには巻かれな
い。
が、この場合の壁２は耐力壁として働かないため強化繊
維４は柱１の回りに巻かれ、壁２の回りには巻かれな
い。
【００１３】図４は壁２と一方の柱１間に開口５がある
場合を、図５は壁２とスラブ６との間に開口５がある場
合をそれぞれ示すが、これらの場合は柱１と壁２の回り
に強化繊維４が巻き付けられる。
場合を、図５は壁２とスラブ６との間に開口５がある場
合をそれぞれ示すが、これらの場合は柱１と壁２の回り
に強化繊維４が巻き付けられる。
【００１４】強化繊維４で補強された柱１と壁２間のス
リット３には図６に示すように必要により、壁２の平面
上の位置に応じて雨仕舞いのためのシール材や、耐火・
防火区画のための耐火材等の充填材７が充填される。充
填材７にはフレームの変形能力を阻害しないよう、力を
負担，あるいは伝達しない材料が使用される。
リット３には図６に示すように必要により、壁２の平面
上の位置に応じて雨仕舞いのためのシール材や、耐火・
防火区画のための耐火材等の充填材７が充填される。充
填材７にはフレームの変形能力を阻害しないよう、力を
負担，あるいは伝達しない材料が使用される。
【００１５】
【発明の効果】柱とそれに接続する壁の境界部分を斫っ
て柱と壁間に縦方向にスリットを形成し、分離した柱と
壁の回りに取り扱いが容易な強化繊維を個別に巻くこと
により柱や壁を補強する方法であるため、補強後に柱や
壁の断面積を拡大することはなく、また補強のための作
業性がよい。
て柱と壁間に縦方向にスリットを形成し、分離した柱と
壁の回りに取り扱いが容易な強化繊維を個別に巻くこと
により柱や壁を補強する方法であるため、補強後に柱や
壁の断面積を拡大することはなく、また補強のための作
業性がよい。
【００１６】特に柱と壁を分離することにより断面上、
凹部がなくなるため、それぞれに巻かれる強化繊維が引
張力によって剥離する事態は回避される。
凹部がなくなるため、それぞれに巻かれる強化繊維が引
張力によって剥離する事態は回避される。
【図１】強化繊維による補強状況を示した立面図であ
る。
る。
【図２】図１の水平断面図である。
【図３】壁の中間部に開口がある場合の補強状況を示し
た立面図である。
た立面図である。
【図４】壁の片側に開口がある場合の補強状況を示した
立面図である。
立面図である。
【図５】壁とスラブ間に開口がある場合の補強状況を示
した立面図である。
した立面図である。
【図６】スリットに充填材を充填した状況を示した水平
断面図である。
断面図である。
【図７】スリットを形成せずに強化繊維を巻いた状況を
示した水平断面図である。
示した水平断面図である。
【図８】図７の柱と壁が水平力をうけたときの様子を示
した水平断面図である。
した水平断面図である。
１……柱、２……壁、３……スリット、４……強化繊
維、５……開口、６……スラブ、７……充填材。
維、５……開口、６……スラブ、７……充填材。
Claims (2)
- 【請求項１】 既存建物内の柱とそれに接続する壁の境
界部分を斫り、柱と壁間に縦方向に、壁の面外方向に貫
通するスリットを形成し、分離した柱と壁の少なくとも
いずれか一方の回りに個別に強化繊維を巻き付け、柱，
または壁、もしくは柱と壁を補強する既存建物の耐震補
強方法。 - 【請求項２】 柱と壁間のスリットに隙間を塞ぐための
充填材を充填する請求項１記載の既存建物の耐震補強方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01176196A JP3257385B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | 既存建物の耐震補強方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP01176196A JP3257385B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | 既存建物の耐震補強方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09203218A true JPH09203218A (ja) | 1997-08-05 |
| JP3257385B2 JP3257385B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
ID=11786972
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP01176196A Expired - Fee Related JP3257385B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | 既存建物の耐震補強方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3257385B2 (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH09324543A (ja) * | 1996-06-04 | 1997-12-16 | Shimizu Corp | 既設建物の補強構造 |
| JPH1030345A (ja) * | 1996-04-24 | 1998-02-03 | Shimizu Corp | 壁の耐震補強工法及びこれにより構築された耐震補強壁 |
| WO2003027414A1 (fr) * | 2001-09-25 | 2003-04-03 | Structural Quality Assurance, Inc. | Construction et procede de consolidation de structure, construction et procede d'isolation de base et materiau de consolidation |
| JP2004100247A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd | 耐力壁の耐震補強構造 |
| JP2004339843A (ja) * | 2003-05-16 | 2004-12-02 | Ohbayashi Corp | コンクリート部材の補強構造および補強方法 |
| JP2005314928A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Kumagai Gumi Co Ltd | 制震構造 |
| JP2007291665A (ja) * | 2006-04-24 | 2007-11-08 | Kajima Corp | 耐震補強構造及び耐震補強方法 |
| JP2016065432A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-04-28 | 株式会社竹中工務店 | 耐震補強構造 |
| JP2019044498A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | 株式会社竹中工務店 | 耐震スリット構造 |
-
1996
- 1996-01-26 JP JP01176196A patent/JP3257385B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH1030345A (ja) * | 1996-04-24 | 1998-02-03 | Shimizu Corp | 壁の耐震補強工法及びこれにより構築された耐震補強壁 |
| JPH09324543A (ja) * | 1996-06-04 | 1997-12-16 | Shimizu Corp | 既設建物の補強構造 |
| WO2003027414A1 (fr) * | 2001-09-25 | 2003-04-03 | Structural Quality Assurance, Inc. | Construction et procede de consolidation de structure, construction et procede d'isolation de base et materiau de consolidation |
| WO2003027416A1 (fr) * | 2001-09-25 | 2003-04-03 | Structural Quality Assurance, Inc. | Construction de renforcement de structure, materiau de renforcement, dispositif permettant de resister aux tremblements de terre et procede de renforcement |
| JPWO2003027414A1 (ja) * | 2001-09-25 | 2005-01-06 | 構造品質保証研究所株式会社 | 構造物の補強構造、補強方法、免震構造、免震方法、補強材 |
| JP2004100247A (ja) * | 2002-09-09 | 2004-04-02 | Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd | 耐力壁の耐震補強構造 |
| JP2004339843A (ja) * | 2003-05-16 | 2004-12-02 | Ohbayashi Corp | コンクリート部材の補強構造および補強方法 |
| JP2005314928A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Kumagai Gumi Co Ltd | 制震構造 |
| JP4602693B2 (ja) * | 2004-04-28 | 2010-12-22 | 株式会社熊谷組 | 制震構造 |
| JP2007291665A (ja) * | 2006-04-24 | 2007-11-08 | Kajima Corp | 耐震補強構造及び耐震補強方法 |
| JP2016065432A (ja) * | 2014-09-26 | 2016-04-28 | 株式会社竹中工務店 | 耐震補強構造 |
| JP2019044498A (ja) * | 2017-09-04 | 2019-03-22 | 株式会社竹中工務店 | 耐震スリット構造 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3257385B2 (ja) | 2002-02-18 |
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Legal Events
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| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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