JPH09202841A - 塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル樹脂組成物

Info

Publication number
JPH09202841A
JPH09202841A JP1234196A JP1234196A JPH09202841A JP H09202841 A JPH09202841 A JP H09202841A JP 1234196 A JP1234196 A JP 1234196A JP 1234196 A JP1234196 A JP 1234196A JP H09202841 A JPH09202841 A JP H09202841A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
weight
chloride resin
compound
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1234196A
Other languages
English (en)
Inventor
Ushirou Okabe
有司郎 岡部
Toshikazu Haga
俊和 芳賀
Yasuharu Tsunasawa
康晴 綱澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Color Co Ltd
Original Assignee
Sumika Color Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumika Color Co Ltd filed Critical Sumika Color Co Ltd
Priority to JP1234196A priority Critical patent/JPH09202841A/ja
Publication of JPH09202841A publication Critical patent/JPH09202841A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル樹脂組成物の、耐候性を向上さ
せ、チョーキングを防止し、耐熱性を改善する。 【解決手段】 この塩化ビニル樹脂組成物は、塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対し、酢酸銅0.001〜0.5
重量部と、ハイドロタルサイト化合物0.001〜5重
量部と、ベンゾトリアゾール化合物の銅塩、ベンゾフェ
ノン化合物の銅塩および酸化ビスマスからなる群から選
ばれる少なくとも1つの化合物0.001〜5重量部と
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は、汎用の熱可塑性樹脂
であるが、熱や光に対して不安定で加熱成形加工時に着
色したり機械的強度が低下したり、あるいは耐候性が悪
く成形品を屋外で使用した時に劣化しやすかったりする
という欠点がある。これらの欠点を改良するために、塩
化ビニル樹脂に金属石鹸、鉛系安定剤、有機錫安定剤、
紫外線吸収剤、紫外線安定剤、滑剤、充填剤、着色剤等
を添加した塩化ビニル樹脂組成物で、雨樋、パイプ、窓
枠、デッキ材等の成形品が作られている。
【0003】しかし、塩化ビニル樹脂組成物の成形品を
屋外で長期間使用すると、日光にさらされた部分の表面
がチョーキングと呼ばれる白化現象を起こし著しく外観
が損なわれる。塩化ビニル樹脂に酢酸銅を添加すること
によりチョーキング性を改善した塩化ビニル樹脂組成物
が提案されている(特公昭62−41532号公報)。
この樹脂組成物は、耐熱性において改善の余地がある。
【0004】塩化ビニル樹脂にベンゾトリアゾール化合
物の銅塩またはベンゾフェノン化合物の銅塩を配合し、
必要に応じてハイドロタルサイトを配合することにより
チョーキング性を改善した塩化ビニル樹脂組成物が提案
されている(特開平5−320450号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、後述する比較
例にみるとおり、ベンゾトリアゾール化合物の銅塩また
はベンゾフェノン化合物の銅塩は、チョーキングを防止
する作用において、酢酸銅に比べてかなり劣っている。
従来の塩化ビニル樹脂組成物では、耐候性、チョーキン
グ防止、および耐熱性において、改善の余地がある。
【0006】本発明の課題は、耐候性の向上、チョーキ
ングの防止、および耐熱性の改善された塩化ビニル樹脂
組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル樹脂
組成物は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、酢酸銅
0.001〜0.5重量部と、ハイドロタルサイト化合
物0.001〜5重量部と、ベンゾトリアゾール化合物
の銅塩、ベンゾフェノン化合物の銅塩および酸化ビスマ
スからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物0.
001〜5重量部とを含有する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の塩化ビニル樹脂組成物
は、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、酢酸銅0.0
01〜0.5重量部と、ハイドロタルサイト化合物0.
001〜5重量部と、ベンゾトリアゾール化合物の銅
塩、ベンゾフェノン化合物の銅塩および酸化ビスマスか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物0.00
1〜5重量部とを含有する。
【0009】本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、好まし
くは、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、酢酸銅0.
01〜0.2重量部と、ハイドロタルサイト化合物0.
02〜2重量部と、ベンゾトリアゾール化合物の銅塩、
ベンゾフェノン化合物の銅塩および酸化ビスマスからな
る群から選ばれる少なくとも1つの化合物0.01〜1
重量部とを含有する。
【0010】本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、より好
ましくは、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、酢酸銅
0.01〜0.07重量部と、ハイドロタルサイト化合
物0.5〜1重量部と、ベンゾトリアゾール化合物の銅
塩、ベンゾフェノン化合物の銅塩および酸化ビスマスか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物0.05
〜0.5重量部とを含有する。
【0011】本発明において塩化ビニル樹脂とは、塩化
ビニルを構成単量体とする単独重合体または共重合体を
指し、これら重合体に金属石鹸、鉛系安定剤、有機錫安
定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、滑剤、充填剤、着
色剤、可塑剤等の添加剤を1種または2種以上併存して
いてもさしつかえない。酢酸銅の使用量は、塩化ビニル
樹脂100重量部に対して、0.001〜0.5重量
部、好ましくは0.01〜0.2重量部、より好ましく
は0.01〜0.07重量部の範囲が適当である。酢酸
銅の量が前記範囲を上回ると、塩化ビニル樹脂の耐熱性
を悪くして加工性を損なうおそれがあり、下回ると、耐
候性の向上またはチョーキング防止効果が認められない
おそれがある。
【0012】本発明で用いられるハイドロタルサイト化
合物は、たとえば、次の一般式: Mg1-x Alx (OH)2 (A)x/2 ・mH2 O (ここで、xは、0<x≦0.5の範囲の実数であり;
Aは、CO3 およびSO 4 からなる群から選ばれる少な
くとも1つであり;mは、0または正の実数である。)
で示される、マグネシウムとアルミニウムからなる含水
複塩化合物である。
【0013】上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物
であってもよく、また合成品であってもよい。合成方法
としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−
30039号公報、特公昭51−29129号公報など
に記載の公知の方法を例示することができる。また、本
発明においては、ハイドロタルサイト化合物は、その結
晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用する
ことが可能である。
【0014】また、ハイドロタルサイト化合物の表面を
ステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ
金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンス
ルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属
塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワッ
クス等で被覆したものも使用できる。さらに、亜鉛など
で変性したハイドロタルサイト化合物も使用できる。
【0015】ハイドロタルサイト化合物の使用量は、塩
化ビニル樹脂100重量部に対して、0.001〜5重
量部であり、0.02〜2重量部とするのが好ましく、
特に0.5〜1重量部とするのが好ましい。ハイドロタ
ルサイト化合物の量が前記範囲を上回ると、加熱成形時
の加工性及び成形品の表面を悪くするおそれがあり、下
回ると、塩化ビニル樹脂の加工成形時に必要な耐熱安定
性が得られないおそれがある。
【0016】本発明に用いられるベンゾトリアゾール化
合物の銅塩としては、下記一般式(1):
【0017】
【化1】
【0018】(ここで、R1 、R2 、および、R3 は、
それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
ル基、炭素原子数1〜18のアルキル基、または炭素原
子数1〜18のアルコキシ基を表す。)などが挙げら
れ、いずれか1つが単独で使用されたり、あるいは、2
以上が併用されたりする。
【0019】本発明に用いられるベンゾフェノン化合物
の銅塩としては、下記一般式(2):
【0020】
【化2】
【0021】(ここで、R4 、R5 、および、R6 は、
それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
ル基、炭素原子数1〜18のアルキル基、または炭素原
子数1〜18のアルコキシ基を表す。)などが挙げら
れ、いずれか1つが単独で使用されたり、あるいは、2
以上が併用されたりする。
【0022】上記ベンゾトリアゾール化合物としては、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert
−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−
tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−オク
トキシカルボニルエチルフェニル)ベンゾトリアゾール
などがあげられる。
【0023】上記ベンゾフェノン化合物としては、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリル
オキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−3’−メチルベンゾフェノン
などがあげられる。
【0024】上記一般式(1) または(2) で表される銅塩
としては、たとえば、下式(3) 〜(7) の化合物などがあ
げられる。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】酸化ビスマスとしては、平均粒径1.5〜
3.5μm、純度98.5〜100重量%が好ましく、
平均粒径2.0〜3.0μm、純度98.9〜100重
量%がより好ましい。ベンゾトリアゾール化合物の銅塩
とベンゾフェノン化合物の銅塩と酸化ビスマスとは、い
ずれか1つだけが使用されてもよいし、2以上のものが
併用されてもよい。
【0031】ベンゾトリアゾール化合物の銅塩とベンゾ
フェノン化合物の銅塩と酸化ビスマスとからなる群から
選ばれる少なくとも1つの化合物の使用量は、塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対し、0.001〜5重量部であ
り、0.01〜1.0重量部とするのが好ましく、特に
0.05〜0.5重量部とするのが好ましい。ベンゾト
リアゾール化合物の銅塩とベンゾフェノン化合物の銅塩
と酸化ビスマスとからなる群から選ばれる少なくとも1
つの化合物の量が前記範囲を上回ると、塩化ビニル樹脂
の耐熱性を悪くして加工性を損なうおそれがあり、下回
ると、耐候性の向上またはチョーキング防止効果が認め
られないおそれがある。
【0032】本発明の樹脂組成物は、無機顔料および有
機顔料などの着色剤を含むことができる。無機顔料とし
ては、弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒、チタン白、チタンイエ
ロー、クロームイエロー、クロームバーミリオン、酸化
クロムグリーン、カーボンブラック、および焼成顔料な
どがあげられる。有機顔料としては、キナクリドン系、
ポリアゾ系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、ペ
リノン系、キノフタロン系、スレン系、ベンズイミダゾ
ロン系、イソインドリノン系、フタロシアニン系顔料な
どがあげられる。
【0033】無機顔料と有機顔料とは、いずれか一方だ
けが使用されてもよいし、両方が使用されてもよい。無
機顔料および有機顔料からなる群から選ばれる少なくと
も1つの化合物の使用量は、塩化ビニル樹脂100重量
部に対し、0.01〜10重量部であり、0.2〜5重
量部とするのが好ましく、特に0.5〜2重量部とする
のが好ましい。無機顔料および有機顔料からなる群から
選ばれる少なくとも1つの化合物の量が前記範囲を上回
ると、塩化ビニル樹脂の加工性を悪くしたり成形物の機
械的強度を悪くするおそれがあり、下回ると、耐候性が
悪く成形品を屋外で使用した時に劣化しやすくなるおそ
れがある。
【0034】無機顔料は、有機顔料に比べて安価である
が、塩化ビニル樹脂を劣化させやすい傾向を有する。し
かし、本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、従来のものに
比べて無機顔料を大量に(塩化ビニル樹脂100重量部
に対して、たとえば0.1〜5重量部、好ましくは0.
5〜2重量部)含有することができ、劣化しにくくな
る。このため、本発明によれば、従来に比べて濃色(た
とえば、弁柄を配色したブラウン(雨樋用などに使用さ
れるブラウン色))でしかもチョーキングを起こしにく
い塩化ビニル樹脂組成物を得ることができる。
【0035】本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、必要に
応じて、金属石鹸、鉛系安定剤、有機錫安定剤、紫外線
吸収剤、紫外線安定剤、滑剤、充填剤、着色剤等の添加
剤を配合することができる。本発明の塩化ビニル樹脂組
成物は、たとえば、雨樋、パイプ、窓枠、デッキ材等の
成形品として使用されるが、用途には特に限定はない。
【0036】酢酸銅と、ハイドロタルサイト化合物と、
ベンゾトリアゾール化合物の銅塩、ベンゾフェノン化合
物の銅塩および酸化ビスマスからなる群から選ばれる少
なくとも1つの化合物と必要に応じて配合される添加剤
とを塩化ビニル樹脂に添加する方法は、それぞれを直接
塩化ビニル樹脂に添加混合しても良いし、着色剤以外の
成分を着色剤成分に含有させてそれを塩化ビニル樹脂と
混合しても良い。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例および比較
例を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。 (実施例1〜3)塩化ビニル樹脂(重合度1100)1
00重量部にステアリン酸カルシウム0.5重量部、ス
テアリン酸亜鉛1.0重量部、ジブチル錫マレート0.
3重量部、弁柄0.5重量部、表1に示す重量部の酢酸
銅・ハイドロタルサイト化合物・ベンゾトリアゾール化
合物銅塩を配合した。この配合物を高速ミキサーで3分
間混合し、170℃の二本ロールで5分間混練りして
1.5mm厚みのシートを作製した。このシートを190
℃のオーブン中に入れ、熱安定性試験を行い、黒化する
までの時間を測定した。また、同様に作製したシートを
熱プレスで1mm厚みのシートを作製し、屋外暴露した。
暴露12か月、18か月、24か月後のチョーキングを
含めた色変化を屋外暴露しないシートを標準として分光
光度計(マクベス社製マクベスカラーアイCE−300
0)で測色し、ΔEで表示した。ΔEが小さいほどチョ
ーキング防止効果が大きいことを示す。ハイドロタルサ
イト化合物としては、協和化学工業製アルカマイザー2
(この化合物は、上記化1で示されるもので、xが0.
25、AがCO3 、mが1であり、平均粒径が1.0μ
m以下である)を用いた。ベンゾトリアゾール化合物銅
塩としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾールの銅塩(上記(3) 式参照)
を用いた。
【0038】(比較例1〜7)実施例1〜3において酢
酸銅またはハイドロタルサイト化合物またはベンゾトリ
アゾール化合物銅塩の量を表1に示す値に変えた以外は
全く同様にシートを作製し、屋外暴露と熱安定性試験を
行った。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例4〜6)実施例1〜3においてベ
ンゾトリアゾール化合物銅塩の代わりにベンゾフェノン
化合物銅塩を用いた以外は全く同様にシートを作製し、
屋外暴露と熱安定性試験を行った。ベンゾフェノン化合
物銅塩としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノンの銅化合物(上記式(6) 参照)を用いた。
【0041】(比較例8〜14)実施例4〜6において
酢酸銅またはハイドロタルサイト化合物またはベンゾフ
ェノン化合物銅塩の量を表2に示す値に変えた以外は全
く同様にシートを作製し、屋外暴露と熱安定性試験を行
った。
【0042】
【表2】
【0043】表1と2にみるように、実施例の塩化ビニ
ル樹脂組成物は、チョーキングを起こしにくく耐候性に
優れており、しかも、耐熱性にも優れている。比較例
1、8のものは、酢酸銅と、ハイドロタルサイト化合物
と、ベンゾトリアゾール化合物銅塩またはベンゾフェノ
ン化合物銅塩とを含まないので、チョーキングを極めて
起こしやすい。比較例2〜3、9〜10のものは、酢酸
銅を含むが、ハイドロタルサイト化合物と、ベンゾトリ
アゾール化合物銅塩またはベンゾフェノン化合物銅塩と
を含まないので、耐熱性に劣っており、しかも、耐候性
にもやや劣っている。比較例4、11のものは、ハイド
ロタルサイト化合物を含むが、酢酸銅と、ベンゾトリア
ゾール化合物銅塩またはベンゾフェノン化合物銅塩とを
含まないので、チョーキングを極めて起こしやすい。比
較例5、12のものは、ベンゾトリアゾール化合物銅塩
またはベンゾフェノン化合物銅塩を含むが、酢酸銅と、
ハイドロタルサイト化合物とを含まないので、チョーキ
ングを防止する作用が弱く、耐熱性にやや劣っている。
比較例6、13のものは、ハイドロタルサイト化合物
と、ベンゾトリアゾール化合物銅塩またはベンゾフェノ
ン化合物銅塩とを含むが、酢酸銅を含まないので、チョ
ーキングを極めて起こしやすい。比較例7、14のもの
は、酢酸銅と、ハイドロタルサイト化合物とを含むが、
ベンゾトリアゾール化合物銅塩またはベンゾフェノン化
合物銅塩を含まないので、耐候性がやや劣っている。ハ
イドロタルサイト化合物はチョーキングの防止にはほと
んど役立たない。
【0044】(実施例7)塩化ビニル樹脂(重合度11
00)100重量部にステアリン酸カルシウム0.5重
量部、ステアリン酸亜鉛1.0重量部、ジブチル錫マレ
ート0.3重量部、ノンカーボンブラック色(重量比:
ベンズイミダゾロン系ブラウン/銅フタロシアニンブル
ー/イソインドリノン系エロー=3/1/1)0.5重
量部、表1に示す重量部の酢酸銅・ハイドロタルサイト
化合物・ベンゾトリアゾール化合物銅塩を配合した。こ
の配合物を高速ミキサーで3分間混合し、170℃の二
本ロールで5分間混練りして1.5mm厚みのシートを作
製した。このシートを190℃のオーブン中に入れ、熱
安定性試験を行い、黒化するまでの時間を測定した。ま
た、同様に作製したシートを熱プレスで1mm厚みのシー
トを作製し、屋外暴露した。暴露12か月、18か月、
24か月後のチョーキングを含めた色変化を屋外暴露し
ないシートを標準として分光光度計(マクベス社製マク
ベスカラーアイCE−3000)で測色し、ΔEで表示
した。ΔEが小さいほどチョーキング防止効果が大きい
ことを示す。ハイドロタルサイト化合物としては、協和
化学工業製アルカマイザー2を用いた。ベンゾトリアゾ
ール化合物銅塩としては、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールの銅塩(上
記式(3) 参照)を用いた。
【0045】(実施例8〜11および比較例15〜2
0)実施例7において添加剤または顔料の種類または量
を表3〜4に示すとおりに変えた以外は全く同様にシー
トを作製し、屋外暴露と熱安定性試験を行った。酸化ビ
スマスは、平均粒径2.8μm、純度98.9重量%の
ものを用いた。ベンゾフェノン化合物銅塩としては、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンの銅化合物
(上記式(6) 参照)を用いた。弁柄併用ブラウン色(重
量比:弁柄/ベンズイミダゾロン系ブラウン/銅フタロ
シアニンブルー=3/1/1)を用いた。
【0046】なお、表3および4中、屋外暴露試験の評
価は、それぞれ、比較例15および19を基準(STで表
示)にした相対評価である。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表3と表4とを対比するとわかるように、
本発明の配合によれば、無機顔料を用いた場合でも、有
機顔料を用いた場合と同等の性能が得られる。
【0050】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、塩化
ビニル樹脂100重量部に対し、酢酸銅0.001〜
0.5重量部と、ハイドロタルサイト化合物0.001
〜5重量部と、ベンゾトリアゾール化合物の銅塩、ベン
ゾフェノン化合物の銅塩およびおよび酸化ビスマスから
なる群から選ばれる少なくとも1つの化合物0.001
〜5重量部とを含有するので、耐候性が向上し、チョー
キングが防止され、耐熱性が改善されたものとなる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/098 C08K 5/098 5/3475 KHL 5/3475 KHL

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル樹脂100重量部に対し、酢酸
    銅0.001〜0.5重量部と、ハイドロタルサイト化
    合物0.001〜5重量部と、ベンゾトリアゾール化合
    物の銅塩、ベンゾフェノン化合物の銅塩、および酸化ビ
    スマスからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物
    0.001〜5重量部とを含有する、塩化ビニル樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】前記塩化ビニル樹脂100重量部に対し、
    0.1〜10重量部の無機顔料をも含有する、請求項1
    に記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記無機顔料が、弁柄、黄色酸化鉄、鉄
    黒、チタン白、チタンイエロー、クロームイエロー、ク
    ロームバーミリオン、酸化クロムグリーン、カーボンブ
    ラック、および焼成顔料からなる群から選ばれる少なく
    とも1つである、請求項2に記載の塩化ビニル樹脂組成
    物。
JP1234196A 1996-01-26 1996-01-26 塩化ビニル樹脂組成物 Pending JPH09202841A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1234196A JPH09202841A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 塩化ビニル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1234196A JPH09202841A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 塩化ビニル樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09202841A true JPH09202841A (ja) 1997-08-05

Family

ID=11802594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1234196A Pending JPH09202841A (ja) 1996-01-26 1996-01-26 塩化ビニル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09202841A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003064233A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム及び塩化ビニル系樹脂組成物
CN1069667C (zh) 聚烯烃系树脂组合物及树脂薄膜
JPH09202841A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
GB2303371A (en) Hydrophilic resin composition and process for preparing it
JP2019108411A (ja) 硬質塩化ビニル系樹脂成形体
JP2003138035A (ja) ポリオレフィン系農業用フィルム
JPH02187442A (ja) ハロゲン化樹脂組成物
KR100283786B1 (ko) 수지 조성물과 그 성형품
JPH06322206A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JPH0762162A (ja) ポリオレフィン樹脂組成物およびフィルム
JPS5939462B2 (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JPH0971703A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JPH0116262B2 (ja)
JPH11323050A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物および塩化ビニル樹脂用着色剤組成物
JPS6241532B2 (ja)
JPH0144211B2 (ja)
JP2733976B2 (ja) 塩素含有樹脂用着色剤組成物及び塩素含有樹脂組成物
JPS6252774B2 (ja)
JP3176751B2 (ja) 塩素含有重合体用安定剤
JPH04209642A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2001164067A (ja) 塩素化塩化ビニル系樹脂組成物
EP0304274B1 (en) Chlorine-containing resin compositions
JP2001049067A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JPH0967491A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JP2001061356A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040907

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02