JPH09200273A - 残留側帯波変調回路 - Google Patents

残留側帯波変調回路

Info

Publication number
JPH09200273A
JPH09200273A JP276596A JP276596A JPH09200273A JP H09200273 A JPH09200273 A JP H09200273A JP 276596 A JP276596 A JP 276596A JP 276596 A JP276596 A JP 276596A JP H09200273 A JPH09200273 A JP H09200273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
filter
circuit
frequency
complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP276596A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Onishi
誠 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Denshi KK
Original Assignee
Hitachi Denshi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Denshi KK filed Critical Hitachi Denshi KK
Priority to JP276596A priority Critical patent/JPH09200273A/ja
Publication of JPH09200273A publication Critical patent/JPH09200273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplitude Modulation (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタル信号処理により構成したVSB変
調回路に於いて、90°移相器の高性能化により、回路
の高精度化を図ると共に、処理量が少なく、かつ動作標
本化周波数をさほど高くしなくて済む回路構成を提供す
る。 【解決手段】 実係数フィルタの周波数特性を、動作標
本化周波数の1/4周波数シフトして設計した、複素係
数フィルタを用いてVSB変調回路の90°移相器を設
計し、複素信号の実数部、虚数部信号の各々に、搬送波
信号の同相、直交成分を乗積して加えることにより、V
SB変調回路を構成する。複素係数フィルタを用いるこ
とにより、直交度の高い90°移相器が、小さい回路規
模で実現できるので、VSB変調回路の簡単化、高精度
化が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はVSB変調回路に係
わり、特にTV映像信号を残留側帯域(VSB)変調し
て、TV放送波信号を得るVSB変調回路をディジタル
信号処理を用いて実現したディジタルVSB変調回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】TV映像信号は、4.5MHzと周波数帯域が
広いため、TV放送用の変調方式には伝送帯域を狭める
目的で、VSB振幅変調方式が採用されている。この方
式は、振幅変調の際に生ずる両側側帯波のうち、片方の
帯域を一部削って伝送する方式で、具体的には、映像搬
送周波数fcに対して、fc−1.25MHz〜fc+4.75MHz
の6MHz帯域幅を用いる。従来、VSB変調を実現する方
法としては、振幅変調波を中間周波数帯に周波数変換し
てから、SAWフィルタなどのVSBフィルタを用いて
VSB変調波を得る方法と、RF帯で処理する方法が用
いられていた。
【0003】また、ディジタル的にVSB変調を実現す
る方法も検討されており、例示すると、テレビジョン学
会技術報告 BCS'93-21,“ディジタルVSB変調器”,19
93年6月に述べられた方法等がある。ディジタル信号処
理ではDA変換器の標本化周波数が高くならないよう
に、基底帯域でVSBフィルタ処理を行うのが普通であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の問題点
として、アナログ回路技術でVSB変調を実現しようと
すると、中間周波数帯で処理する方法ではフィルタが1
個で済むが、周波数変換が要るので、スプリアスの発生
を抑える必要がある。また、RF帯でVSB変調処理す
る方法では、スプリアスの問題は避けられるが、RF周
波数毎にVSBフィルタを用意しなければならない。
【0005】ディジタル的にVSB変調する方法では、
アナログ回路に起因する性能劣化要因を避けることが出
来るが、標本化周波数が高くなるのを抑えるため、基底
帯域で処理を行う必要がある。図5を参照して、ディジ
タル的に実現したVSB変調回路の従来例の動作を説明
する。図中、1はAD変換器、2,51,52は低域通過
フィルタ(LPF)、51は映像信号同相成分フィルタ
(I−フィルタ)、52は映像信号直交成分フィルタ
(Q−フィルタ)、53は遅延回路、54は90°移相
回路、41,42はDA変換器、61,62は周波数混合
器、7は信号加算器である。図5において、入力映像信
号は、AD変換器1でディジタル化されて、LPF2で
4.2MHzに帯域制限される。また、図6に示すような周波
数特性を持つ同相成分フィルタ51及び直交成分フィル
タ52でフィルタ処理された後、直交成分は90°移相
回路54で位相を90°シフトされ、直交信号成分に変
換される。遅延回路53は90°位相回路54での処理
遅延時間と同じ量の遅延を同相信号成分に与えるための
ものである。こうして得られた同相直交映像信号を、各
々DA変換器41,42によってアナログ信号に変換し、
LPF51,52によって折返し成分除去を行い、周波数
混合器61,62で同相、直交搬送波信号(cosωct,sin
ωct)を乗積し、信号加算器7で合成することにより、
VSB変調波信号が得られる。
【0006】以上のように、ディジタル的にVSB変調
を行うには、AD,DA変換の他に同相、直交成分フィ
ルタ、90°移相回路等が必要となる。ここで、90°
移相回路としては、直交周波数変換の単一周波数の信号
でなく、画像信号帯域の全域(30Hzから4.2MHz)にわた
って90°移相出来るような回路が必要となる。この様
な回路としては、ヒルベルト変換器が知られているが、
有限個数のフィルタ係数では、直流近辺の信号の移相精
度が悪くなる欠点があった。また、同相、直交成分フィ
ルタ(VSBフィルタ)の周波数特性も、図6の様なフ
ィルタ特性を正確に実現するのが難しく、同相、直交成
分の利得、位相バランスが悪くなる等の問題点があっ
た。
【0007】本発明の目的は、ディジタル信号処理を用
いたVSB変調器において、これらの問題点を避けるこ
との出来る回路構成を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、ディジタル処理によるVSB変調器において、複素
信号処理を用いて、VSBフィルタを実現する。ここ
で、複素信号処理について簡単に説明する。複素の正弦
波信号 exp(jω0t)は、二つの(実)正弦波信号 sinω0
t, cosω0tによって、次の(数1)式のように表わすこ
とができる。
【0009】 exp(jω0t)=cosω0t+jsinω0t ‥‥‥‥‥‥‥‥‥(数1) ここで、j=√(−1)は虚数単位である。
【0010】この(数1)式から、次の(数2)式が導
かれる。 cosω0t={exp(jω0t)+exp(-jω0t)}/2 sinω0t={exp(jω0t)−exp(-jω0t)}/2j ‥‥‥(数2) この(数2)式から、実信号は±ω0 にスペクトルを持
つ(正負対称)が、複素信号は±ω0 のいずれか一方の
みにスペクトルを持つ(正負非対称)ことが分かる。こ
のことは一般的に成立し、実信号は正負対称のスペクト
ルを持つが、これを90°位相シフトして虚部信号と
し、上記(数1)式のように生成した複素信号(正式に
は解析信号という)は、正負対称なスペクトルでない。
【0011】実信号から、複素信号を生成する方法とし
ては、[1]実入力信号を90°位相シフトした信号を
虚数部とする方法、[2]複素正弦波信号を乗積する方
法、[3]複素係数フィルタを通す方法等がある。
[1]は従来の技術でも述べたように、ヒルベルト変換
器を用いる方法である。[2]は、いわゆる直交変調を
行うことと等価な方法である。[3]の方法は、複素数
の係数を持つフィルタに実信号を入力し、出力として得
られる複素信号を用いる方法である。本発明では上記
[3]の方法を用いて、VSB変調器を構成する。
【0012】複素係数フィルタは、係数が複素数のフィ
ルタであり、実係数フィルタの周波数特性を周波数シフ
トすることにより、簡単に構成できる。ディジタルフィ
ルタの伝達関数は、次の(数3)式で表される。
【0013】 H(z)=a0+a1-1+a2-2+…+an-n+… ‥‥‥‥(数3) この(数3)式で、z=exp(jωT)=exp(j2πfT)は遅延
演算子、Tはフィルタの動作標本化周波数fsの逆数で
ある。(数3)式において、フィルタの周波数特性を、
fからf+faにシフトすると、遅延演算子zは、exp
(j2π(f+fa)T)=z・exp(j2πfaT)=α・zとなり、
(数3)式は次の(数4)式のように変形されて、複素
係数のフィルタとなる。
【0014】 H(αz)=a0+a1α-1-1+a2α-2-2+…+anα-n-n+… =α0+α1-1+α2-2+…+αn-n+… ‥‥‥(数4) この(数4)式において、α= exp(j2πfaT)= exp(j2
πfa/fs)は、振幅1の複素数である。複素フィルタの周
波数特性も複素信号と同じように正負非対称となる。V
SB変調回路に用いるVSBフィルタは同相、直交成分
を持つので、本来は複素フィルタとして実現することが
出来る。複素フィルタは係数が複素数であり、信号自体
も複素数であるので、一般的には実係数フィルタに較べ
て、演算量が4倍となる。複素フィルタを実信号の複素
化に用いる場合でも、ハードウェア量は2倍となる。
【0015】しかしながら、構成を工夫することによっ
て、実信号フィルタと同じハードウェア量で実現でき
る。即ち、(数4)式のα=exp(j2πfa/fs)は周波数シ
フト量faを±fs/4に選ぶと、α=exp(±jπ/4)=
±jとなって、純虚数となる。これを(数4)式に代入
すると、次の(数5)式の通りとなる。
【0016】 H(jz)=a0+ja1z-1−a2-2−ja3-3+…+an-n-n+ … =a0 −a2-2 +a4-4 − … +ja1z-1 −ja3-3 + … ‥‥(数5) 即ち、(数5)式に示すように、係数は、実係数または
純虚数係数となって、係数の個数は、周波数シフトした
元の実係数フィルタと変わらない。従って、複素フィル
タの構成ハードウェア量も変わらない事が分かる。
【0017】図面を用いて、複素フィルタの構成につい
て説明する。図7aは複素フィルタを設計する元となる
実係数フィルタの構成、図7bはfs/4周波数シフト
によって、図7aの実係数フィルタから設計した複素係
数フィルタの構成例である。図において、711,7
2,〜,71Nは遅延素子、720,721,722
〜,72N-1,72Nは係数掛算器、731,732,〜,
73N-1,73Nは加算器である。図7aの実フィルタで
は、入力(実)信号xnは遅延素子列711,712
〜,71Nに入力し、各遅延素子の出力に係数掛算器7
0,721,722,〜,72N-1,72N によって、フ
ィルタ係数ai(i=0〜N)を掛け算する。ここで説
明の簡単のため、Nは4の整数倍とする。さらに各係数
掛算器出力を加算器731,732,〜,73N-1,73N
によって総和し、フィルタ出力ynを得る。このフィル
タは(数3)式に示した伝達関数のN次までの部分和か
らなるフィルタとなる。
【0018】この実係数フィルタの周波数特性をfs/
4だけずらしたフィルタは、(数5)式のN次までの項で
表される複素係数フィルタとなる。この複素係数フィル
タに実信号を入力する場合の構成は図7bの様になる。
入力(実)信号xn は遅延素子列711,712,〜,7
N に入力し、偶数番目の遅延素子の出力に、偶数番目
の係数掛算器720,722,〜,72Nによって、実数
係数a0,−a2,a4,〜,aNを掛け算する。さらに実
数係数掛算器の出力を加算器732,734,〜,73N
によって総和して、実数部フィルタ出力ynRを得る。同
様に奇数番目の遅延素子の出力に、奇数番目の係数掛け
算器721,723,〜,72N-1によって、純虚数係数
1,−a3,〜,−aN-1 を掛け算する。純虚数係数掛
け算器の出力を加算器733,735,〜,73N-1 によ
って総和すると、虚数部フィルタ出力yn 1を得る。
【0019】図7a,bの構成ハードウェアを比較する
と、複素フィルタにしても全くハードウェア量は変化し
ていないことが分かる。すなわち、実信号の複素信号化
にfs/4周波数シフトの方法で設計した複素係数フィ
ルタを用いると、元の実フィルタと同じ構成規模で、実
現することが可能である。また、複素化しても元のフィ
ルタ周波数特性は周波数シフトされるだけで、周波数特
性の形状そのものは全く変化しない。すなわち、実フィ
ルタでVSBフィルタを構成する場合のような(図6に
示した)複雑な周波数特性を実現する必要はなく、ここ
でも構成の簡単化が図れる。
【0020】以上説明した様に、本発明によれば、VS
Bフィルタを複素フィルタとして実現する事により、V
SBフィルタの高精度化と同時に90°移相器の省略が
可能であり、ディジタルVSB変調器の回路の簡単化
と、高精度化を実現できる。
【0021】以上の説明では、DA変換を行ってから、
直交変調を行う方法を述べた。アナログ的に直交変調を
行う場合、DA変換器を2個用いるので、同相、直交成
分の利得偏差、位相偏差等の問題点が生ずる。他方、デ
ィジタル的に直交変調を行うと、一般的には、動作標本
化周波数が高くなり、実現が困難である。しかしなが
ら、搬送波周波数fcが標本化周波数の1/4に等しい
場合には、ディジタル回路でも容易に直交変調可能であ
る。すなわち、fc=fs/4の条件の時、直交搬送波
信号は、次の(数6)式となり、±1と0のみで表現さ
れる。
【0022】 cos(2πn fc/fs)= cos(nπ/4)=1,0,−1,0,… sin(2πn fc/fs)= sin(nπ/4)=1,0,−0,1,… ‥‥(数6) 従って、搬送波信号の発生、変調のための信号乗積回路
が、極簡単な回路で実現できる。ディジタル的に直交変
調を行う場合には、DA変換器が1個で済み、さらに回
路が簡素化される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
例を説明する。図1は本発明をNTSC方式のTV放送
用VSB変調器に適用した実施例である。図において、
1はAD変換器、2,51,52は低域通過フィルタ、3
は複素フィルタ、41,42はDA変換器、61,62は周
波数混合器、7は信号加算器である。以下、この図1の
実施例の動作原理を図2の周波数スペクトル図を参照し
ながら説明する。
【0024】図1において、入力映像信号は、AD変換
器1によって、ディジタル信号に変換される。図1に示
すVSB変調器の動作標本化周波数は色信号副搬送波周
波数(fsc=3.58MHz)の4倍(fs=14.3MHz)とす
る。ディジタル化された映像信号は、LPS2で4.2MHz
以下に帯域制限される。一般的にAD変換する前に折り
返し除去のアナログフィルタを置くので、これで代用
し、LPF2は省略することもできる。次に複素係数フ
ィルタ(CPX)3に入力する。CPX3は、図2に示
す実フィルタをfs/4(=fsc)周波数シフトして構
成する。従って、図2に示すように、CPXの周波数特
性は、“0”周波数に対して正負非対称になる。CPX
の実数部出力のスペクトルは、図2の実数部で示すよう
に、また、虚数部出力は図2の虚数部スペクトルで示す
ようになる。ここで、CPXの実数部、虚数部出力を各
々、DA変換器41,42によってアナログ信号化し、さ
らに、LPF51,52によって、高調波信号成分を除去
してから、周波数混合器61,62によって、各々、同相
搬送波信号cosωct、直交搬送波信号sinωctを乗積
し、信号加算器7によって加算すると、所望のVSB変
調波出力を得ることが出来る。
【0025】図1の実施例と図5の従来例を比較すると
分かるように、従来のIフィルタ、Qフィルタ、90°
移相器、遅延器が、本発明の実施例では1個の複素フィ
ルタで実現できていることが分かる。また、複素フィル
タを用いているために、実係数フィルタでIフィルタ、
Qフィルタを設計するときのように、複雑な周波数特性
のフィルタを合成する必要はない。また、有限の係数個
数では、正確な90°移相を実現することは不可能であ
り、位相誤差を生ずるが、複素フィルタを用いる方法で
は、この誤差は発生しない。さらに、同相信号側の遅延
器も必要ないので、構成ハードウェア量の大幅な縮減が
図れ、かつ高精度のVSB変調器が実現できる。
【0026】ところで、図1に示す実施例では、直交変
調をアナログ的に行っているので、ディジタル回路の動
作標本化周波数は低く抑えられるが、アナログ回路によ
る利得偏差、直交位相偏差などが発生する欠点がある。
そこで、動作標本化周波数をさほど高くしないで、か
つ、ディジタル的に直交変調を行うことの出来るVSB
変調回路の実施例を図3に示す。図において、1はAD
変換器、2,5,32は低域通過フィルタ、3は複素フ
ィルタ、4はDA変換器、6は周波数混合器、31は遅
延回路、33は切替スイッチ、34は極性反転回路、3
5は局部発振器である。
【0027】図3の実施例の動作原理を図4の信号スペ
クトル図を参照しながら説明する。図3の複素フィルタ
CPX3までの動作は、図1の実施例と全く同様であ
る。このCPX3の出力信号スペクトルは図4の複素信
号に示したようになる。この信号のスペクトル帯域幅は
6MHzであるから、VSB変調器の搬送周波数は少なくと
も、6MHz以上必要である。また、ディジタル的に直交変
調を行うには、上述したように、動作標本化周波数が搬
送周波数の4倍であることが望ましい。そこで、搬送周
波数は 7.16MHz(色副搬送波周波数fscの2倍)、動作
標本化周波数は、28.6MHz(fscの8倍)とする。そのた
めに、図4の複素信号のところの補間LPF特性に示し
たような周波数特性を持つフィルタにより、複素フィル
タCPX3の出力を補間し、信号の標本化周波数を 28.
6MHzに上げる。このフィルタは複素係数である必要はな
く、実係数フィルタで構わない。直交変調を行うため、
(数6)式に示した様な7.16MHzの直交正弦波信号を補
間フィルタ出力に乗積する。ここで、直交正弦波信号
は、交互に“0”の値をとるので、図3の切替スイッチ
33の様に、同相、直交信号成分を交互に出力すればよ
い。
【0028】さらに、このことは、同相、直交信号成分
は互いに 28.6MHzの標本化周期ずれて、各々は14.3MHz
の周期のデータであれば良いことを示している。すなわ
ち、上記した補間フィルタは、同相、直交信号成分のど
ちらか一方にあれば十分であることが分かる。この原理
を実際のハードウェアで構成すると、図3のCPX3の
複素信号出力(実数部、虚数部の2出力)のいずれか一
方に、補間低域フィルタ32を挿入し、他方は単に遅延
回路31で構成することが可能である。低域フィルタ3
2と遅延回路31の出力を、切替スイッチ33で切り替
えて選択し、さらに、交互に(7.16MHzの周期で)極性反
転回路34で信号の極性を反転すると、直交正弦波信号
の乗積(すなわち、直交変調)が実現される。この信号
スペクトルは、図4の周波数シフトの点線で示したよう
に成っている。この信号をDA変換器4でアナログ信号
に変換し、さらにアナログ低域通過フィルタ5を通す
と、図4のVSB変調波信号に示した様な、搬送周波数
7.16MHzのVSB変調波信号が得られる。最後に、局部
発振器35と周波数混合器6によってVSB変調波信号
を搬送波周波数fcに周波数変換し、出力を得る。
【0029】図3に示した実施例では、ディジタル的に
直交変調を行うので、DA変換器が1つで済み、アナロ
グ回路素子のばらつきによる、直交位相誤差、利得アン
バランス、直流オフセットの発生などの問題を避けるこ
とが出来る。直交変調をディジタル化するために、標本
化周波数が若干高くは成るが、現状のLSI技術で十分
な性能のDA変換器が使用可能であり、特に問題とはな
らない。かつ、ディジタルによる直交変換も、極簡単な
回路で実現できるので、ハードウェア構成の大幅な縮減
が可能である。
【0030】以上、本発明をVSB変調回路に適用した
実施例に付いて説明した。本発明では、信号の直交化
(同相成分と、直交成分の位相差を90°とし、両成分
の利得を全く同一とすること)に、従来のヒルベルト変
換器による方法でなく、複素フィルタを用いて信号を複
素信号化する方法を用いているので、全く誤差のない直
交化が実現できる利点がある。さらに、複素フィルタの
実現には、実係数フィルタの周波数特性を標本化周波数
の1/4だけ周波数シフトして、設計する方法を用いる
ことが出来るので、ハードウェア構成の余分な増加を避
けることが出来、従来の方法に較べても、小さい回路規
模で実現することが出来る。さらに、直交変調もディジ
タル的に実現することが出来るため、DA変換器を1個
で済ませることが出来、回路規模の縮減、小型化、省電
力化、高精度化が可能な回路構成を提供することが出来
る。
【0031】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、ディジ
タル信号処理で構成するVSB変調回路において、信号
の直交化に用いる90°移相器(あるいはヒルベルト変
換器)の位相精度、利得平衡度を高くすることが出来、
なおかつ構成の簡単な回路を提供することが出来る。ま
た、直交変調をディジタル的にかつ、少ない回路構成で
実現出来るので、より一層の回路規模縮減が図れる。
【0032】本発明のVSB変調回路は、大部分がディ
ジタル回路であるので、容易にLSI化が可能であり、
アナログ回路によるVSB変調回路に較べ、装置の小型
化、低消費電力化、高性能化、無調整化、動作安定化が
図れ、非常に実用的なVSB変調回路を実現することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のVSB変調回路の実施例の構成図であ
る。
【図2】図1の動作を説明する動作スペクトル図であ
る。
【図3】本発明による第2の実施例の構成図である。
【図4】図3の動作を説明する動作スペクトル図であ
る。
【図5】従来のVSB変調回路の構成図である。
【図6】図5の従来例で用いられるフィルタの周波数特
性図である。
【図7】本発明に用いる複素フィルタの設計法を示す原
理説明図である。
【符号の説明】
1…AD変換器、2,5,51,52,32…低域通過フ
ィルタ(LPF)、3…複素フィルタ、
4,41,42…AD変換器、6,61,62…周波数混
合器、 7…信号加算器、31,53…遅延回路、
33…切替スイッチ、34…極性反転回
路、 35…局部発振器、51…映像信号
同相成分フィルタ、 52…映像信号直交成分フィル
タ、54…90°移相回路、 711,7
2,〜,71N…遅延素子、720,721,722
〜,72N-1,72N…係数掛算器、731,732,〜,
73N-1,73N…加算器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送波信号を振幅変調して得られた側帯
    波の一方を帯域制限して伝送する残留側帯波変調回路に
    おいて、 基底帯域の変調信号を複素係数フィルタにより帯域制限
    して複素信号を作り、該複素信号の実数部を同相搬送波
    信号と乗積し、複素信号の虚数部を直交搬送波信号と乗
    積して加算合成することにより、前記残留側帯波信号を
    得ることを特徴とする残留側帯波変調回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の残留側帯波変調回路にお
    いて、 前記複素係数フィルタを、元となる実係数フィルタの周
    波数特性を、該残留側帯波変調回路の動作標本化周波数
    の1/4に等しい周波数だけシフトした周波数特性を持
    つ、複素係数フィルタとして構成することを特徴とする
    残留側帯波変調回路。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2記載の残留側帯波変
    調回路において、 同相および直交搬送波信号を乗積加算する回路部分にお
    いて、前記搬送波信号の周波数を、該搬送波信号乗積加
    算回路の動作標本化周波数の1/4に等しい周波数と
    し、該搬送波信号乗積加算回路を切替スイッチおよび極
    性反転操作によって実現することを特徴とする残留側帯
    波変調回路。
JP276596A 1996-01-11 1996-01-11 残留側帯波変調回路 Pending JPH09200273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP276596A JPH09200273A (ja) 1996-01-11 1996-01-11 残留側帯波変調回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP276596A JPH09200273A (ja) 1996-01-11 1996-01-11 残留側帯波変調回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09200273A true JPH09200273A (ja) 1997-07-31

Family

ID=11538442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP276596A Pending JPH09200273A (ja) 1996-01-11 1996-01-11 残留側帯波変調回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09200273A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6041082A (en) * 1996-09-06 2000-03-21 Nec Corporation Digital amplitude modulation amplifier and television broadcasting machine
JP2016139854A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 株式会社ソシオネクスト 電子回路、電源回路、回路の特性測定方法、及び振幅及び位相特性の演算プログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6041082A (en) * 1996-09-06 2000-03-21 Nec Corporation Digital amplitude modulation amplifier and television broadcasting machine
JP2016139854A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 株式会社ソシオネクスト 電子回路、電源回路、回路の特性測定方法、及び振幅及び位相特性の演算プログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4974236A (en) Arrangement for generating an SSB signal
KR0161678B1 (ko) 샘플링 주파수 변환기
JPS61288604A (ja) Ssb信号復調方法及び復調器
US5473280A (en) Modulation/demodulation method and system for realizing quadrature modulation/demodulation technique used in digital mobile radio system with complex signal processing
JPH0856339A (ja) 高品位テレビジョン受信機において、記号レートの約数で最後の中間周波数搬送波を有するディジタル残留側波帯(vsb)検出器
US6308057B1 (en) Radio receiver having compensation for direct current offset
JPH0823231A (ja) Fm変調回路
EP0658017A1 (en) FM stereo broadcasting apparatus and method, using digital signal processing
JPS5846788A (ja) デジタル・カラ−・テレビジヨン信号復調器
JPH09200273A (ja) 残留側帯波変調回路
JPH0251986A (ja) 信号サンプリング装置
JP3953164B2 (ja) ディジタル直交変調器及び復調器
JPS6148316B2 (ja)
JPH077741A (ja) 色信号復調方法及びその回路
JPH071850B2 (ja) デイジタル処理fm変調装置
JPS60111590A (ja) 色信号のデイジタル処理装置
JP3409136B2 (ja) ディジタル放送用直交変調装置
JP2650162B2 (ja) 映像信号処理装置
JPS61290894A (ja) デイジタル処理色信号処理装置
JP2003333005A (ja) マルチチャンネル受信機
JPH02192392A (ja) 位相変動補正装置
Rodrigues et al. Implementation of an AM-VSB modulator using the Hilbert transform [digital TV transmission]
JP2649254B2 (ja) カラーテレビジョン信号のfm伝送受信装置
JPS63290014A (ja) ディジタル振幅変調器
JPH07115620A (ja) 時間軸補正装置