JPH09199861A - 多層印刷配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層印刷配線板およびその製造方法

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JPH09199861A
JPH09199861A JP826096A JP826096A JPH09199861A JP H09199861 A JPH09199861 A JP H09199861A JP 826096 A JP826096 A JP 826096A JP 826096 A JP826096 A JP 826096A JP H09199861 A JPH09199861 A JP H09199861A
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健志郎 福里
Toshiro Okamura
寿郎 岡村
Hiroyoshi Yokoyama
博義 横山
Yasuhiro Iwasaki
康弘 岩崎
Satoshi Isoda
聡 磯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非貫通接続穴と内層回路間の接触抵抗を小さ
くするとともに、導通不良を低減させる。 【解決手段】 銅張積層板1の一方に形成した第1の内
層回路2に径がR1 なるランド部2aを形成する。絶縁
樹脂層5を隔てて第2の内層回路9が形成されており、
この内層回路9には、径がR3なる孔9bが穿設された
径がR1なるランド部9aが形成されている。そして、
1>R2>R3の関係を有する径がR2なるレーザにより
径がR2なる半非貫通穴部131と、径がR3なる非貫通
穴部132を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外層回路および少
なくとも2つの内層回路からなる3層以上の回路と非貫
通接続穴とで形成される多層印刷配線板およびその製造
方法に関し、特に、非貫通接続穴と内層回路との電気的
な接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7および図8は従来の多層印刷配線板
を示すもので、図7(a)は従来の多層印刷配線板の製
造方法において、非貫通穴および貫通穴を穿孔した状態
を示す断面図、同図(b)は非貫通穴を示す要部の斜視
図、図8は非貫通接続穴および貫通接続穴を形成した状
態を示す断面図である。図7において、1a,1bは銅
張積層板、2,3は第1の内層回路であって、これら2
つの内層回路2,3のうち一方の内層回路、すなわち後
述する非貫通穴13の接続導体部17と電気的に接続さ
れる側の内層回路2には、図7(b)に示すように非貫
通穴13の径より大なる径に形成されたランド部2aが
設けられている。
【0003】5は絶縁樹脂層、8,20は第2の内層回
路であって、これら第2の内層回路8,20のうちの一
方の内層回路、すなわち非貫通穴13の接続導体部17
と電気的に接続される側の内層回路20には、図7
(b)に示すように非貫通穴13の径より大なる径に形
成されたランド部20aが設けられている。11はプラ
イマー層10を介して積層された絶縁樹脂層、12は接
着剤層、16aは銅張板である。
【0004】このように構成されたものにドリルによっ
て絶縁樹脂層5を穿孔し、ドリルの穿孔深さを制御する
ことによって非貫通穴13を凹設するとともに、ドリル
によって貫通穴14を穿孔する。このとき、図7(b)
に示すように第2の内層回路20のランド部20aに
も、孔20bが穿孔される。そして、図8に示すよう
に、外層回路16、導体接続部17,18を析出して非
貫通接続穴および貫通接続穴を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の多層印
刷配線板の製造においては、非貫通穴13をドリルで凹
設するため、穿孔深さが微小であるため難しく時間を要
していた。また、第2の内層回路20のランド部20a
と非貫通穴13の接続導体部17との電気的な接続を、
厚みの薄いランド部20aの孔20bの孔壁面を介して
行う構造としているので、接続導体部17と孔20bの
孔壁面との接触面積が小さく、このため接触抵抗が大き
くなり易かった。さらに、非貫通孔13を穿孔する際に
孔20bの孔壁面にスミアが残り易く、このスミアによ
って接続導体部17と孔20bの内壁面との間で導通不
良のおそれがあった。
【0006】本発明は上記した従来の問題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、非貫通接続
穴と内層回路間の接続を確実なものとするとともに、迅
速な製造を可能とした多層印刷配線板およびその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係る多層印刷配線板は、絶縁層によって厚
み方向に隔てられた外層回路および少なくとも2つの内
層回路と、これら外層回路と2つの内層回路とを電気的
に接続する非貫通接続穴とを備えた多層印刷配線板にお
いて、前記2つの内層回路のうち外層回路側の一方の内
層回路の非貫通穴に対応した位置に孔が穿設された一方
のランド部を形成するとともに、外層回路から離れた側
の他方の内層回路の非貫通穴の底部に対応した位置に前
記一方のランド部の孔の径よりも大きい径をもつ他方の
ランド部を形成し、前記両内層回路間を一方のランド部
の孔の径と同じ径でかつ一方の内層回路と外層回路間の
径を大きくするようにレーザにより穿孔した非貫通穴に
スルーホールめっきを形成したものである。したがっ
て、非貫通接続穴と一方のランド部との電気的接続は、
一方のランド部の孔の周端縁の表面で行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1〜図6は本発明に係る多層印刷
配線板の製造方法を説明する断面図、図1(b)は他方
の内層回路に形成したランド部を示す斜視図、図3
(b)は一方の内層回路に形成したランド部を示す斜視
図、図5(b)は非貫通孔を示す要部の斜視図である。
図1において、1はめっき触媒入りガラスエポキシ銅張
積層板であって、先ず、この銅張積層板1の両面にエッ
チングによって第1の内層回路2,3を形成する。これ
ら第1の内層回路2,3のうち、上述した従来技術と同
様に、一方の内層回路2には、同図(b)に示すように
径がR1 に形成されたランド部2aが設けられている。
【0009】次に、図2に示すように、第1の内層回路
2,3の粗面化処理を行った後、銅張積層板1の両面に
プライマー層4,4を介して絶縁樹脂と充填材からなる
絶縁樹脂層5,5を積層し、絶縁樹脂層5,5の表面に
接着剤6,6を塗布する。そして、図3に示すように、
スミア処理、シーダー処理後、めっきレジスト7,7を
施し、粗化して、無電解銅めっきにより第2の内層回路
8,9を形成する。このとき、一方の内層回路9には、
同図(b)に示すように上述したランド部2aと同じ径
1 に形成されたランド部9aが設けられており、この
ランド部9aの中心には後述する穿孔用のレーザビーム
の径よりも小さな径R3 に形成された孔9bが穿設され
ている。
【0010】さらに、図4に示すように、第2の内層回
路8,9の粗面化処理を行った後、上述した図2に示す
工程と同様に、プライマー層10,10、絶縁樹脂層1
1,11、接着層12,12を積層形成する。しかるの
ち、図5に示すように、短時間に高いエネルギーで絶縁
樹脂層を炭化することなく切削することができるパルス
幅10-4〜10-8秒の範囲で、かつビーム径R2 の短パ
ルスCO2 レーザを一方の絶縁樹脂層11の上方から第
2の内層回路9のランド部9aおよび第1の内層回路2
のランド部2aに向かって照射する。ここで、レーザの
ビームの径R2と、前記両ランド部2a,9aの径R
1と、ランド部9aの孔9bの径R3とは、R1>R2>R
3となっている。
【0011】照射された短パルスCO2 レーザは金属、
すなわち銅を用いている第1の内層回路2のランド部2
aおよび第2の内層回路9のランド部9aを貫通しない
ので、絶縁樹脂層11には径がR2 に形成された半非貫
通穴部131が穿孔され、絶縁樹脂層5には小径の穴9
bを通過した短パルスCO2レーザによって穴9bと同
じR3の径に形成された非貫通穴部132が穿孔され
る。このように段状に形成された非貫通穴部131,1
32からなる非貫通穴13を凹設後、ドリルによって貫
通穴14を穿孔する。最後に、図6に示すようにスミア
処理、シーダ処理を行い、めっきレジスト15,15を
施し、粗化、無電解めっきにより外層回路16,16お
よび非貫通接続穴および貫通接続穴の接続導体部17,
18を施してスルーホールめっきを形成する。
【0012】このように形成された本発明の多層印刷配
線板においては、非貫通穴13を径が大きい半非貫通穴
部131と径が小さい非貫通穴部132とで形成したの
で、接続導体部17とランド部9aとのスルーホールに
よる電気的接続が、孔9bの孔壁面のみならず、孔9b
の周端縁の表面とでも行う構造となり、接続導体部17
とランド部9aとの電気的な接触面積を大きすることが
できるので、導通不良を防止できる。
【0013】下表は図6に示す本発明の非貫通接続穴
と、図8に示す従来の非貫通接続穴との熱衝撃を与えた
ときの比較結果である。この表から明らかなように、本
発明の非貫通接続穴の方が従来のものと比較して信頼性
が高いことがわかる。なお、この表は、JIS−C−5
012 9、3項に準じて、260℃のオイル槽に5秒
間浸漬したのち、冷却水槽に5秒間浸漬したものを1サ
イクルとし、非貫通接続穴の抵抗値が初期値に対して1
0%越えるまで繰り返し行った。また、多層印刷配線板
の評価パターンとして穴径が0.2mmの非貫通穴を2
00個含んでいる。
【0014】また、短パルスCO2 レーザによって非貫
通穴13を凹設したので、半非貫通穴部131,非貫通
穴部132の壁面が極微的に見て凹凸状の粗面に形成さ
れる。一般に、レーザ光によって非貫通穴13を凹設す
るときには、内層回路2の表面に絶縁樹脂層5の樹脂が
残存し易く、このため接続導体部17と内層回路2との
密着力が低く、外部から衝撃等が加わると、接続導体部
17と内層回路2との間に応力が発生して、接続導体部
17が内層回路2から剥離して導通不良が発生する。上
述したように、半非貫通穴部131,非貫通穴部132
の壁面が凹凸状の粗面に形成されることにより、接続導
体部17とこれらの穴部131,132の壁面との密着
性が向上して、接続導体部17と内層回路2との間に発
生する応力が緩和される。このため接続導体部17の内
層回路2からの剥離による導通不良が防止される。
【0015】この場合、接続導体部17とこれらの穴部
131,132の壁面との密着力は、壁面の凹凸の間隔
に密接に関係し、実験の結果から密着性を向上させるた
めには、凹凸を4〜15μmの間隔に形成することが望
ましいことがわかった。一方、この凹凸の間隔は、短パ
ルスCO2 レーザの発振波長に密接に関係し、発振波長
の1/2の間隔で凹凸が形成されることがわかってい
る。したがって、密着性を向上させるための凹凸の間隔
を4〜15μmとするためには、発振波長が8〜30μ
mの範囲の短パルスCO2 レーザを使用するのが望まし
く、本実施の形態では、発振波長10.6μmのものを
使用し、略5.3μmの間隔の凹凸が形成されている。
【0016】また、第1の内層回路2と外層回路16と
の間に、レーザ光が乱反射するプリプレグとしてのガラ
スクロス樹脂含浸布が介在していないので、レーザ光に
よる非貫通穴13の形成が良好に行われ、このため非貫
通穴13の壁面には、接続導体部17と非貫通穴部13
1,132の壁面との密着性を向上させるための凹凸が
形成される。
【0017】なお、本実施の形態では、第1、2の内層
回路2,9および外層回路16からなる3層構造の多層
印刷配線板としたが、第2の内層回路9を2層以上とす
る4層以上の多層印刷配線板に適用できることは勿論で
ある。また、ランド部2a,9aを円形としたが、必ず
しも円形とする必要はなく、例えばこの部分を幅広の帯
状配線としても同様な作用効果が得られ、ランド部2
a,9aの形状については種々の設計変更が可能であ
る。
【0018】
【実施例】スミア処理は、38℃の無水クロム酸950
g/lを使用して18分間行う。粗化は、NaF10g
/l,CrO315g/l,H2SO4400ml/lの
3成分からなる36℃の粗化液を使用して5分間行う。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、2
つの内層回路のうち外層回路側の一方の内層回路の非貫
通穴に対応した位置に孔が穿設された一方のランド部を
形成するとともに、外層回路から離れた側の他方の内層
回路の非貫通穴の底部に対応した位置に前記一方のラン
ド部の孔の径よりも大きい径をもつ他方のランド部を形
成し、前記両内層回路間を一方のランド部の孔の径と同
じ径でかつ一方の内層回路と外層回路間の径を大きくす
るようにレーザにより穿孔した非貫通穴にスルーホール
めっきを形成したことにより、非貫通接続穴と一方のラ
ンド部との電気的接続を、孔の周端縁の表面で行うこと
ができるので、非貫通接続穴と一方のランド部との電気
的な接触面積を大きすることができるので、導通不良を
防止できる。
【0020】また、本発明によれば、レーザ光を短パル
スCO2 レーザとしたので、非貫通穴の壁面を微細な凹
凸に形成することができるとともに、非貫通穴の断面形
状を断面積に対して断面の外周の長さを大きくすること
ができるので、貫通穴の壁面と導体接続部との密着性が
向上し、外部からの衝撃に対しても剥離して導通不良と
なるようなことがなく、このため信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る多層印刷配線板の製造
方法において、第1の内層回路を形成した状態を示す断
面図、(b)は第1の内層回路の一方に形成したランド
部を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る多層印刷配線板の製造方法にお
いて、絶縁樹脂層を形成した状態を示す断面図である。
【図3】 (a)は本発明に係る多層印刷配線板の製造
方法において、第2の内層回路を形成した状態を示す断
面図、(b)は第2の内層回路の一方に形成したランド
部を示す斜視図である。
【図4】 本発明に係る多層印刷配線板の製造方法にお
いて、絶縁樹脂層を形成した状態を示す断面図である。
【図5】 (a)は本発明に係る多層印刷配線板の製造
方法において、非貫通穴および貫通穴を穿孔した状態を
示す断面図、(b)は非貫通穴を示す斜視図である。
【図6】 本発明に係る多層印刷配線板の製造方法にお
いて、非貫通接続穴および貫通接続穴を形成した状態を
示す断面図である。
【図7】 (a)は従来の多層印刷配線板の製造方法に
おいて、非貫通穴および貫通穴を穿孔した状態を示す断
面図、(b)は非貫通穴を示す斜視図である。
【図8】 従来の多層印刷配線板の製造方法において、
非貫通接続穴および貫通接続穴を形成した状態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…銅張積層板、2…第1の内層回路、2a,9a…ラ
ンド部、5,11…絶縁樹脂層、9…第2の内層回路、
9b…孔、13…非貫通穴、14…貫通穴、16…外層
回路、17,18…接続導体部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 康弘 栃木県芳賀郡二宮町大字久下田1065 日立 エーアイシー株式会社内 (72)発明者 磯田 聡 栃木県芳賀郡二宮町大字久下田1065 日立 エーアイシー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層によって厚み方向に隔てられた外
    層回路および少なくとも2つの内層回路と、これら外層
    回路と2つの内層回路とを電気的に接続する非貫通接続
    穴とを備えた多層印刷配線板において、前記2つの内層
    回路のうち外層回路側の一方の内層回路に、前記非貫通
    穴に対応して孔が穿設された一方のランド部を形成する
    とともに、外層回路から離れた側の他方の内層回路に、
    前記非貫通穴の底部に対応して前記一方のランド部の孔
    の径よりも大きい径をもつ他方のランド部を形成し、前
    記両内層回路間を一方のランド部の孔の径と同じ径でか
    つ一方の内層回路と外層回路間を前記一方のランド部の
    孔の径よりも大きくするようにレーザにより穿孔した非
    貫通穴にスルーホールめっきを形成したことを特徴とす
    る多層印刷配線板。
  2. 【請求項2】 絶縁層によって厚み方向に隔てられた外
    層回路および少なくとも2つの内層回路と、これら外層
    回路と2つの内層回路とを電気的に接続する非貫通接続
    穴とを備えた多層印刷配線板において、前記2つの内層
    回路のうち外層回路側の一方の内層回路に、前記非貫通
    穴に対応して孔が穿設された一方のランド部を形成する
    とともに、外層回路から離れた側の他方の内層回路に、
    前記非貫通穴の底部に対応して他方のランド部を形成
    し、この他方のランド部の径を前記一方のランド部の孔
    の径よりも大きく形成し、前記両ランド部の径よりも小
    さくかつ一方のランド部の孔の径よりも大きい径をもつ
    短パルスCO2 レーザのレーザビームにより前記非貫通
    穴を穿孔し、しかる後スルーホールめっきを施すことを
    特徴とする多層印刷配線板の製造方法。
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