JPH09199713A - 半導体装置 - Google Patents
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- H01L29/0834—Anode regions of thyristors or gated bipolar-mode devices, e.g. supplementary regions surrounding anode regions
Abstract
に、各不純物領域形成時の熱処理の影響を受けにくい半
導体装置を提供する。 【解決手段】 n- 領域1のコレクタ面側にはn型バッ
ファ領域2を介在してp型コレクタ領域3が形成されて
いる。このp型コレクタ領域3は、p型不純物領域3a
とp+ 不純物領域3bとの混在構造を有している。p型
不純物領域3aとp+ 不純物領域3bとn型バッファ領
域2とのコレクタ面における不純物濃度が所定の関係を
有しており、かつp型不純物領域3aのコレクタ面から
の拡散深さが2.0μm以上である。
Description
し、より具体的には、高電圧インバータなどに使用され
る高耐圧半導体装置の構造に関するものである。
電圧の高耐圧半導体素子が求められている。数千V級の
領域では従来、GTO(Gate Turn-Off )サイリスタ素
子が使用されてきたが、高速化の可能なIGBT(Insu
lated Gate Bipolar Transistor )の高耐圧化が検討さ
れるようになった。
BTの1セルの構成を示す概略断面図である。図12を
参照して、従来の高耐圧IGBTは、n- 領域(基板)
1と、n型バッファ領域2と、p+ コレクタ領域103
と、p型ウェル領域4と、n + エミッタ領域5と、ゲー
ト絶縁層6と、ゲート電極層7と、コレクタ(アノー
ド)電極9と、エミッタ(カソード)電極10とを有し
ている。
している面をコレクタ面と呼び、エミッタ電極10が接
している面をエミッタ面と呼ぶこととする。
型ウェル領域4が形成されている。このp型ウェル領域
4内の表面にはn+ エミッタ領域5が形成されている。
ゲート電極層7は、n- 領域1とn+ エミッタ領域5と
に挟まれるp型ウェル領域4の表面領域をチャネル領域
とし、そのチャネル領域上にゲート絶縁層を介在して形
成されている。カソード電極10は、p型ウェル領域4
とn+ エミッタ領域5とに接するように形成されてい
る。
とは、ゲート電極層7を覆う絶縁層8によって絶縁され
ている。
タ領域103が形成されている。p + コレクタ領域10
3とn- 領域1との間には、n型バッファ領域2が形成
されている。アノード電極103は、p+ コレクタ領域
103に接するように形成されている。
ゲート電極、エミッタなどの構造は、耐圧が1000V
以下のIGBTの構造とほぼ同様である。また高耐圧化
のため低不純物濃度で厚いn- 基板1を使用し、かつp
in構造として低損失化を図るためアノード(コレク
タ)側にはn型バッファ領域2とp+ コレクタ領域10
3とを拡散して構成するのが一般的に行なわれている。
を狙って、p+ コレクタ領域103を一部形成しない部
分を設けて、アノード電極9とn型バッファ領域2とを
n型半導体領域2aで短絡した、いわゆるコレクタショ
ート構造が用いられている。
VのIGBT素子のダイオードクランプされた誘導性負
荷ターンオフ動作波形の一例を図13に示す。図13を
参照して、コレクタ電流(Ic)波形で、時間t=5μ
s〜14μsの間に大きなテール電流が見られるととも
に、コレクタ電圧(VCE)が立上がり始めてからコレク
タ電流IC が減少し始めるまでの時間が長い。つまり、
このコレクタショート構造では、ターンオフ時の電力損
失であるターンオフ損失が大きいという問題点があっ
た。
では、ターンオン時に電子がn型半導体領域2aを通っ
てコレクタ電極9に抜けてしまう。このため、n型バッ
ファ領域2とp+ コレクタ領域103との接合電位を超
える大きさの電圧降下が生じにくい。
は、ショート部2aの抵抗R1に流れる電流による電圧
降下と、n型バッファ領域2の横方向抵抗R2に流れる
横方向電流による電圧降下との和が、約0.7Vを超え
るまではp+ コレクタ領域103とn型バッファ領域2
との接合にとって十分な順バイアス条件とならない。こ
のため、抵抗R1,R2が小さいと、p+ コレクタ領域
103からのn- 領域1へのホールの注入がほとんど起
こらず、この素子は、高いオン抵抗を持ったMOSFE
T(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transis
tor )のような動作をする。したがって、1A/cm2
程度の低い電流密度でもIGBTとして低いオン電圧を
得るためには、抵抗R1、R2を十分大きくする必要が
ある。
n型バッファ領域2の構成では、R2>>R1となる。
このため、抵抗R2を実用的な値とするには、図14に
示すようにショート部2aの間隔Lを数百μm程度と極
めて広くする必要がある。
イズが数十μm程度(トレンチ形IGBTでは数μm程
度)であるのに比べ非常に広くなる。このため、p+ コ
レクタ領域103からn型バッファ領域2へのホール注
入は、IGBT素子内でショート部2aから遠い位置に
あるIGBTのセルでは多く、ショート部2aから近い
位置にあるIGBTのセルでは少なくなる。したがっ
て、チップ内の各IGBTセルにおいて大きな動作の不
均一が発生するという問題点があった。
域103とn型バッファ領域2との間の電圧降下が0.
8V程度にクランプされる。このため、図12に示すシ
ョート部2aの抵抗R1に流れる電流は、0.8/R1
となり、ほとんどコレクタ電流密度に依存しなくなる。
したがって、コレクタ電流密度が高い場合には、ショー
ト部2aを流れる電流のコレクタ電流密度に対する割合
が小さくなるため、ショート部2aの効果がどんどん低
下し、ほとんどショートなしのものと同様な大量のホー
ルをn- 領域1に注入するようになる。図13のコレク
タ電流波形で大きなテール電流が観測されるのは、この
ように大量に注入されたホールをターンオフ時に引抜く
のに時間がかかるためである。
に示すような回路が使用される。図15を参照して、こ
の回路はIGBTよりなる主スイッチS1、S2に逆並
列に高速ダイオードD1、D2を接続して、誘導性負荷
Lに流れる電流を電源P1、P2に還流させる回路であ
る。この回路では、ダイオードに還流する際に発生する
ダイオードの順電圧降下(過渡的なものも含めて)によ
り、主スイッチをなすIGBTが逆バイアスされる場合
が生じる。
をオン状態にすると、実線の矢印で示すように回路内に
電流が流れる。この状態からスイッチS1をオフする
と、誘導性負荷Lに実線の矢印方向に電流が流れ続けよ
うとする。その結果、点線の矢印で示すように電流が流
れようとするため、スイッチS2のIGBTに逆電圧が
印加される。
BTに逆電圧が印加された場合、エミッタ電極10に正
電圧が、かつコレクタ電極9に負電圧が印加される。こ
のため、p型ウェル領域4とn- 領域1との接合部が順
バイアスとなり、n- 領域1にp型ウェル領域4からホ
ールが注入されることになる。このホールが再結合で消
滅する前にIGBTに印加される電圧が逆転すると、こ
のIGBTは導通状態となってしまう。このようにn-
領域1への不要なホールの注入が、IGBTの誤動作を
引起こすという問題点があった。
決可能なIGBTのコレクタ側の構造が、特開平4−3
0476号公報に開示されている。
のコレクタ側の構造を示す概略断面図である。図16を
参照して、この構造ではコレクタショート構造は採用さ
れておらず、かつコレクタ領域203がp+ エミッタア
イランド203aとp型エミッタ203bとの混在構造
よりなっている。
に示す従来のIGBTの構成とほぼ同様であるため、同
一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略
する。
に示す構造においても、以下の問題点があった。
フ損失が大きく、不十分な場合があり、この点において
改善の余地があった。
3bのコレクタ面からの拡散深さが1.2μm程度と極
端に浅い。通常、このコレクタ面側は、ダイボンドなど
の組立工程において、リードフレームなどに固定される
面である。このためp型コレクタ領域203bの拡散深
さが浅いと、この固定時などにおいて、コレクタ面近傍
に各種のストレスの影響が現れやすい。
タ面からの拡散深さを1.2μmと極端に浅く形成する
には、p型コレクタ領域203b形成後の熱処理を考慮
しなければならない。たとえば、p型コレクタ領域20
3bを形成した後に、n+ エミッタ領域5中の熱処理に
より、p型コレクタ領域203bの拡散深さが1.2μ
mより大きくならないようにしなければならない。この
ように、ウェハプロセスにおける各不純物領域形成のた
めの熱処理条件との競合を考慮しなければならないとい
う製造上の問題点があった。
いターンオフ損失を有する半導体装置を提供することと
である。
形成時の熱処理の影響を受けにくい半導体装置を提供す
ることである。
真正もしくは第1導電型の半導体基板を挟んで両主面の
間で主電流が流れる半導体装置であって、第2導電型の
第1不純物領域と、第1導電型の第2不純物領域と、ゲ
ート電極層と、第2導電型の第3不純物領域と、第1導
電型の第4不純物領域とを備えている。第1不純物領域
は、半導体基板の第1主面に選択的に形成されている。
第2不純物領域は、第1不純物領域内の第1主面に選択
的に形成されている。ゲート電極層は、半導体基板の領
域と第2不純物領域とに挟まれる第1不純物領域をチャ
ネル領域として、そのチャネル領域にゲート絶縁層を介
在して対向するように形成されている。第3不純物領域
は、第2主面に形成されている。第4不純物領域は、第
3不純物領域と半導体基板の領域との間に位置し、半導
体基板より高い不純物濃度を有している。第3不純物領
域は、第2主面において第1の不純物濃度を有する第5
不純物領域と、第2主面において第1の不純物濃度より
高い第2の不純物濃度を有する第6不純物領域とを有し
ている。第5不純物領域の第1の不純物濃度をCS(p)、
前記第6不純物領域の前記第2の不純物濃度を
CS(p+) 、前記第4不純物領域の前記第2主面における
不純物濃度をCS(nbuf) としたとき、
第4不純物領域に対する第2主面からの拡散深さは2.
0μm以上である。
なる第4不純物領域とコレクタ領域を構成する第5およ
び第6不純物領域との各不純物濃度が所定の関係を満た
すように設定されている。このため、十分に低いターン
オフ損失を得ることができる。
領域の拡散深さを所定深さ以上としたため、ダイボンド
などの組立工程において、第6不純物領域と第4不純物
領域との接合部に各種ストレスの影響が生じにくくな
る。また第6不純物領域の拡散深さは所定深さ以上であ
ればよいため、ウェハプロセスにおいて他の不純物拡散
領域形成時の熱処理をそれほど厳密に考慮する必要もな
い。
領域の第1の不純物濃度CS(p)と第4不純物領域の前記
第2主面における不純物濃度CS(nbuf) とが、
タ領域を構成する第5不純物領域とバッファ領域をなす
第4不純物領域との不純物濃度が所定の関係を有するよ
うに設定されているため、低いオン電圧を得ることがで
きる。
領域の第2主面における不純物濃度CS(nbuf) は、半導
体基板の不純物濃度の1000倍以上である。
た動作を得ることができる。
て図に基づいて説明する。
導体装置の構成を概略的に示す1セル分の概略断面図で
ある。本実施の形態のIGBT素子は、図12に示した
従来の構成と比較して、特にp型コレクタ3の構成にお
いて異なる。
aと、p+ 不純物領域3bとを有している。p型不純物
領域3aのコレクタ面における不純物濃度CS(p)は、p
+ 不純物領域3bのコレクタ面における不純物濃度C
S(p+) より低い。またp型不純物領域3aのコレクタ面
からの拡散深さは、p+ 不純物領域3bのコレクタ面か
らの拡散深さよりも小さく、かつ2.0μm以上であ
る。
不純物濃度をCS(nbuf) としたとき、各不純物濃度C
S(p)、CS(p+) およびCS(nbuf) は、
る。また、n型バッファ領域2のコレクタ面における不
純物濃度CS(nbuf) は、n - 領域1の不純物濃度の10
00倍以上の濃度を有している。
に示す従来の構成とほぼ同様であるため、同一の部材に
ついては同一の符号を付し、その説明を省略する。
n- 領域1と、n型バッファ領域2と、p型コレクタ領
域3との形成方法について簡単に説明する。
り高抵抗率を有するn- シリコン基板1が形成される。
このn- シリコン基板1のコレクタ面側の表面に、たと
えば拡散係数の大きいリン(P)がイオン注入された
後、高温で長時間の熱拡散を行なって、n型バッファ領
域2が形成される。
たとえば所定量の硼素(B)が全面にイオン注入され
る。これにより、p型不純物領域3aがn型バッファ領
域2よりも浅く形成される。さらに、コレクタ面上に所
望の形状を有するレジストパターンが形成され、そのレ
ジスタパターンをマスクとして選択的にさらに硼素が注
入されて、熱拡散される。これにより、所望の位置に選
択的にp+ 不純物領域3bがp型不純物領域3aより深
く、かつn型バッファ領域2より浅く形成される。
主電流導通状態と主電流遮断状態との制御方法について
説明する。
電極10−コレクタ電極9間に順バイアス、すなわちコ
レクタ電極9に正(+)電圧が、エミッタ電極10に負
(−)電圧が印加された状態で、ゲート電極層7に正
(+)電圧を印加することで実現する。
するターンオン過程について以下に説明する。
と、ゲート絶縁層6近傍のp型ウェル領域4にn型反転
した電子濃度の非常に高いnチャネル(反転n領域)が
生成する。電流担体(以下、キャリアと呼ぶ)の1つで
ある電子が、n+ エミッタ領域5からこのnチャネルを
通してn- 領域1中に注入され、正(+)電圧が印加さ
れているp型コレクタ領域3に向かって流れていく。こ
の電子がp型コレクタ領域3に到達すると、p型コレク
タ領域3からもう1つの電流キャリアであるホールが、
n- 領域1中に注入され、負(−)電圧が印加されてい
るn+ エミッタ領域5に向かって流れていき、前述のn
チャネルがn- 領域1と接しているところまで到達す
る。
0とから、両電極間に印加されている電位差に応じて、
十分なキャリアがn- 領域1中に半導体基板濃度より2
ないし3桁多く蓄積される。これにより、電子−正孔対
による導電率変調と呼ばれる低抵抗状態が出現し、ター
ンオンが完了する。
態という。主電流遮断状態(オフ状態)は、コレクタ電
極9−エミッタ電極10間に順バイアスが印加されたま
まの状態でも、ゲート電極層7に負(−)電圧を印加す
ることで実現する。
するターンオフ過程について説明する。
と、ゲート電極層7の近傍に形成されていたnチャネル
(反転n領域)が消失し、n+ エミッタ領域5からn-
領域1中への電子供給が止まる。
1中に注入されていた電子濃度が、n+ エミッタ領域5
近傍から徐々に減少し始める。電荷中性条件を保つため
に、n- 領域1中に注入されていたホールも減少し始
め、p型ウェル領域4とn- 領域1とが逆バイアスされ
る。このため、p型ウェル領域4とn- 領域1との界面
で空乏層が広がり始め、両電極間のオフ状態での印加電
圧に応じた厚みに到る。
クタ領域3寄り)の、両キャリアが残っている電気的に
中性の領域のホールが、空乏化領域を通過し、p型ウェ
ル領域4を通ってエミッタ電極10へ抜けきり、キャリ
アがすべて消滅し、ターンオフが完了する。
態という。次に、図1のIGBTで、飽和電圧が3V程
度となるようにp型領域の濃度を設定した場合におけ
る、n型バッファ領域2およびp型コレクタ領域3付近
でのオン状態における電子電流密度の分布のようすを計
算した結果を図2に示す。
法をXとし、図中縦方向の寸法をYとしたときの電子電
流密度Jを示している。
電子電流密度は約70A/cm2 であり、全体の電流密
度の約70%を占めている。この電流は、p型不純物領
域では約130A/cm2 と増大し、その反面、p+ 不
純物領域3bでは約30A/cm2 しか流れていない。
つまり、n型バッファ領域2内に多量にある電子は、比
較的低濃度であるp型不純物領域3aを通じてコレクタ
電極9に流れ出してしまい、比較的高濃度のp+ 不純物
領域3bには少ししか流れ込まない。このため、p+ 不
純物領域3bに流れ込む電子を補償する形でp+ 不純物
領域3bからn型バッファ領域2内へ流れ込むホールの
量も減少してホールの注入量が制限される。
ァ領域2へのホールの注入は、p型不純物領域3aの不
純物濃度が低いため極めて少ない。
電子電流によって、n型バッファ領域2とコレクタ電極
9との間の電位差が低くなる。このため、n型バッファ
領域2とp+ 不純物領域3bとの間の接合電位を超える
大きさの電圧降下となりにくく、これによってもp+ 不
純物領域3bからn型バッファ領域2へのホールの注入
量が減少する。
3bおよびn型バッファ領域2の各不純物濃度の比率に
よって、n- 領域1に対するホール注入量の制御レベル
は変化する。
での不純物濃度を変化させてIGBT素子を構成した場
合のオン状態特性を計算した結果を示すグラフである。
クタ面からの接合深さとを、n型バッファ領域2では1
×1018cm-3、30μmとし、p+ 不純物領域3bで
は5×1018cm-3、10μmとした。またp型不純物
領域3aには、p+ 不純物領域3bと同一の熱処理を行
なうものとし、かつp型不純物領域3aのコレクタ面で
の不純物濃度を2×1018〜5×1018cm-3の範囲で
変化させた。この場合、p型不純物領域3aのnバッフ
ァ領域2に対する接合深さは2.5〜3.8μm程度で
あった。
レクタ面における不純物濃度CS(p)を下げることによ
り、コレクタ電流密度Icが一定の場合、飽和電圧が大
幅に増加することがわかる。具体的には、コレクタ電流
密度Icが100A/cm2 のときは、飽和電圧が約2
Vから6V以上まで大幅に変わる。
を制御して飽和電圧が3.13Vとなった本実施の形態
のIGBT素子のダイオードクランプされた誘導性負荷
ターンオフ動作波形の一例を示すグラフである。図4よ
り、図12に示す従来のコレクタショート構造のものに
比べて、本実施の形態のIGBT素子では、テール電流
が大幅に減少するとともに、ターンオフ損失も小さくな
ることがわかる。
のは、本実施の形態のIGBT素子では、大電流動作時
においてもp型コレクタ領域3からn- 領域1へのホー
ルの注入量を少なくできるため、ターンオフ時にn- 領
域1内のホールの引抜きが即座に完了するためと考えら
れる。
ンオフ損失Eoffと100A/cm2 におけるオン電
圧との相関性を各種不純物プロファイルのIGBTにつ
いてp型不純物領域3aの不純物濃度をパラメータにし
て調べた結果を示すグラフである。図5より、本実施の
形態のIGBTは、従来のコレクタショート型IGBT
(×印)に比べていずれも良好なトレードオフを示すこ
とがわかる。また本実施の形態による構造のIGBT
は、n型バッファ領域2とp+ 不純物領域3bとの濃度
が高いほうが若干トレードオフが良好である。
が、p型不純物領域3aの表面濃度CS(p)とn型バッフ
ァ領域2の表面濃度CS(nbuf) との比(K1とする)で
どのように変化するか調べた結果を示すグラフである。
図6より、比率K1が2より低くなると、オン電圧が急
激に増大することがわかる。これより、低いオン電圧を
維持するためには、p型不純物領域3aの表面濃度の下
限は、n型バッファ領域2の表面濃度の2倍以上でなけ
ればならないことがわかる。
が、p型不純物領域3aの表面濃度CS(p)と、n型バッ
ファ領域2の表面濃度CS(nbuf) と、p+ 不純物領域3
bの表面濃度CS(p+) との幾何平均の比(K2とする)
でどのように変化するかを調べたグラフである。図7よ
り、比率K2が1.1より大きくなるとオン電圧はほと
んど減少しなくなることがわかる。
ーンオフ損失が前述の比率K2の値でどのように変化す
るかを調べたグラフである。図8より、比率K2に対し
てターンオフ損失はほぼ直線的に増大することがわか
る。またn型バッファ領域2およびp+ 不純物領域3b
の不純物濃度によって傾きは変わるが、比率K2=1.
1〜1.2で、ほぼ同一のターンオフ損失を示してい
る。
本実施の形態における半導体装置のp型不純物領域3a
の表面濃度CS(p)は、比率K2が1.1以下となるよう
に設定すればよいことがわかる。これは、オン電圧の減
少を伴なわないターンオフ損失の増加が実用的価値を持
たないことに基づいている。
物領域3aおよびp+ 不純物領域3bの各表面濃度C
S(nbuf) 、CS(p)、CS(p+) が、
を維持できるとともにターンオフ損失も小さくできる。
p型不純物領域3aとp+ 不純物領域3bとの面積比率
は各50%としているが、この面積比率を変えるとp型
コレクタ領域3からn- 領域1へのホールの注入量が変
化する。このため、p+ 不純物領域3b形成のためのイ
オン注入時にマスクとなるレジストパターンの形状を変
えることによって、p型コレクタ領域3からn- 領域1
へのホール注入量の制御を行なうことが可能となる。
公報では、図16に示す構成において、p+ エミッタア
イランド203aの不純物濃度が1×1019cm-3であ
り、p型透過エミッタ領域203bの不純物濃度が1×
1018cm-3であり、nバッファ領域2の不純物濃度が
3×1016cm-3である。このため、これらの不純物濃
度を各々、コレクタ面における不純物濃度と見なせば、
ている。つまり、この公報に示された図16に示す構成
では、本実施の形態の構成と比較して、ターンオフ損失
が高くなってしまうことがわかる。
域203bの不純物濃度が比較的高く設定されている。
しかし、これはp型透過エミッタ領域203bの拡散深
さが浅いことを前提としており、この拡散深さを浅くす
ることは、上述で述べたように製造上問題がある。
領域3aのエミッタ面からの拡散深さが2.0μm以上
に設定されている。このため、ダイボンドなどの組立工
程において、p型不純物領域3aとn型バッファ領域2
との接合部に各種ストレスの影響が生じにくくなる。ま
た、p型不純物領域3aのエミッタ面からの拡散深さは
2.0μm以上であればよいため、ウェハプロセスにお
いて、n+ エミッタ領域などの他の不純物拡散領域形成
時の熱処理をそれほど厳密に考慮する必要もない。
されているとき、空乏層がn- 領域1を超えてn型バッ
ファ領域2も空乏化するのが、いわゆるパンチスルー型
(あるいはpin構造)素子に共通な設計である。パン
チスルー型IGBTでは、空乏化していないn型バッフ
ァ領域2の厚みが、内部のpnpトランジスタのベース
幅に相当し、この厚さがバイポーラ動作時の増幅率と密
に関係する。高電圧動作時にはpnpトランジスタの増
幅率が低いほうが安定に動作するため、この空乏化して
いないn型バッファ2の厚みをある程度残す必要があ
る。
し、前述の空乏化していないn型バッファ領域2の厚み
をp+ 拡散領域3bに到るまで10μm以上残すために
は、n型バッファ領域2の表面濃度が1×1016cm-3
以上である必要がある。これは、n型バッファ領域2の
空乏領域内で発生する電界の強さを1×105 V/cm
とし、n型バッファ領域2に対するp+ 拡散領域3bの
コレクタ面からの拡散接合深さを5μmとすると計算で
求めることができる。
程度の降伏電圧が必要なため、n-領域(基板)1は5
00Ω・cm程度(≡不純物密度1×1013cm-3)を
使用するため、n型バッファ領域2の表面濃度(1×1
016cm-3以上)はn- 基板1の濃度に対して1000
倍以上となる。
コレクタ面の全面においてp型コレクタ領域3とn型バ
ッファ領域2とのpn接合が形成されている。よって、
この接合部分の逆耐圧は30V程度は得られる。したが
って、本実施の形態のIGBTに逆電圧が印加されても
誤動作の問題は生じない。
は、チップ内の各位置による注入レベルの変化は少な
く、チップ内で均一な動作を得ることができる。
域3bとの平面的配置(パターン)については特別な制
約はない。しかし、p型コレクタ領域3からn- 領域1
へのホール注入の2次元的な分布が、IGBTのチャネ
ル部の繰返しパターンに対して粗くなりすぎるような広
いピッチでの配置は動作の均一性を保つために避けるべ
きである。このため、n- 領域1の厚みに対してp型不
純物領域3aとp+ 不純物領域3bとの繰返しピッチを
十分狭くすればよく、具体的には数〜数十μmオーダの
ピッチが適当である。
図9に示すようにたとえばストライプ状のパターンであ
れば、チャネル部のパターンに対してどのような角度で
p型不純物領域3aとp+ 不純物領域3bとが配置され
てもよい。また図10に示すように全体的にp+ 不純物
領域3bが分布する中にp型不純物領域3aの島がある
ようなパターンや、図11に示すように全体的にp型不
純物領域3aが分布する中にp+ 不純物領域3bの島が
あるようなパターンにも本発明を適用することができ
る。
物領域3bの面積比を高くすると、p型コレクタ領域3
からn- 領域1へのホールの注入が増大する。そこで、
IGBTチップ内部で、たとえばチップ周辺部でのホー
ル注入を抑えたい場合には、p型不純物領域3aに対す
るp+ 不純物領域3bの面積比をその部分において減ら
すことで対応することも可能である。
は、n型バッファ領域2、p型不純物領域3a、p+ 不
純物領域3bの各領域の不純物濃度の比率に対してホー
ルの注入が極めて敏感に変化する。このため、これらの
不純物の導入にあたってはイオン注入機を使用し、でき
れば同一の装置でこれらの領域の不純物注入を行なうこ
とが望ましい。
プレーナ型nチャネルIGBTについて説明したが、本
発明は、トレンチ型やpチャネル型のIGBTにも適用
可能であり、さらに他のバイポーラ素子で少数キャリア
注入レベルの制御が必要なものに対しても適用可能であ
る。
純物が低効率制御のためにドーピングされており、本実
施の形態ではn型の不純物が導入されている。しかし、
バイポーラ型素子のオン状態では、電流担体(キャリ
ア)である電子と正孔とがこのn- 領域1内に十分蓄積
され導電率変調を起こすため、場合によってはn- 領域
(基板)1は真正半導体基板と見なすこともできる。
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示されて、特許請求の範囲と均等の意味
および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図さ
れる。
構成を概略的に示す1セル分の概略断面図である。
ようにp型領域濃度を設定した場合、オン状態における
電子電流の密度がコレクタ側においてどのように分布す
るかを計算した結果を示すグラフである。
度を変化させた場合のオン状態特性を計算した結果を示
すグラフである。
おいて飽和電圧が3.13VとなったIGBT素子のダ
イオードクランプされた誘導性負荷ターンオフ動作波形
の一例を示すグラフである。
と100A/cm2におけるオン電圧との相関性を各種
不純物プロファイルのIGBTについてp型領域の不純
物濃度をパラメータにして調べた結果を示すグラフであ
る。
1でどのように変化するかを調べた結果を示すグラフで
ある。
2でどのように変化するかを調べた結果を示すグラフで
ある。
比率K2の値でどのように変化するかを調べた結果を示
すグラフである。
イプ状に配置された平面的配置構造を示す概略斜視図で
ある。
的配置構造を示す概略斜視図である。
的配置構造を示す概略斜視図である。
セル分の概略断面図である。
5VのIGBT素子のダイオードクランプされた誘導性
負荷ターンオフ動作波形の一例を示すグラフである。
面図である。
用いられる回路構造を示す図である。
(コレクタ)側の構成を示す概略断面図である。
タ領域、3a p型不純物領域、3b p+ 不純物領
域、4 p型ウェル領域、5 n+ エミッタ領域、6
ゲート絶縁層、7 ゲート電極層、9 コレクタ電極、
10 エミッタ電極。
Claims (3)
- 【請求項1】 真正もしくは第1導電型の半導体基板を
挟んで両主面の間で主電流が流れる半導体装置であっ
て、 前記半導体基板の第1主面に選択的に形成された第2導
電型の第1不純物領域と、 前記第1不純物領域内の前記第1主面に選択的に形成さ
れた第1導電型の第2不純物領域と、 前記半導体基板の領域と前記第2不純物領域とに挟まれ
る前記第1不純物領域をチャネル領域として、そのチャ
ネル領域にゲート絶縁層を介在して対向するように形成
されたゲート電極層と、 前記第2主面に形成された第2導電型の第3不純物領域
と、 前記第3不純物領域と前記半導体基板の前記領域との間
に位置し、前記半導体基板より高い不純物濃度を有する
第1導電型の第4不純物領域とを備え、 前記第3不純物領域は、前記第2主面において第1の不
純物濃度を有する第5不純物領域と、前記第2主面にお
いて前記第1の不純物濃度より高い第2の不純物濃度を
有する第6不純物領域とを有し、 前記第5不純物領域の前記第1の不純物濃度をCS(p)、
前記第6不純物領域の前記第2の不純物濃度を
CS(p+) 、前記第4不純物領域の前記第2主面における
不純物濃度をCS(nbuf) としたとき、 【数1】 の関係を満たし、かつ前記第5不純物領域の前記第4不
純物領域に対する前記第2主面からの拡散深さは2.0
μm以上である、半導体装置。 - 【請求項2】 前記第5不純物領域の前記第1の不純物
濃度CS(p)と前記第4不純物領域の前記第2主面におけ
る不純物濃度CS(nbuf) とが、 【数2】 の関係を満たす、請求項1に記載の半導体装置。 - 【請求項3】 前記第4不純物領域の前記第2主面にお
ける不純物濃度CS( nbuf) は、前記半導体基板の不純物
濃度の1000倍以上である、請求項1に記載の半導体
装置。
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