JPH09199014A - カラープラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

カラープラズマディスプレイパネルの製造方法

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JPH09199014A
JPH09199014A JP8006368A JP636896A JPH09199014A JP H09199014 A JPH09199014 A JP H09199014A JP 8006368 A JP8006368 A JP 8006368A JP 636896 A JP636896 A JP 636896A JP H09199014 A JPH09199014 A JP H09199014A
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JP
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phosphor
color
display
resin
solvent
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JP8006368A
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English (en)
Inventor
Kiyohito Miwa
清仁 三輪
Koji Matsunaga
浩二 松永
Yasutomo Funakoshi
康友 船越
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】表示セル内に形成するレッド、グリーンおよび
ブルーの各色の蛍光体層の形状のばらつきが殆どなく、
色むらや輝度のばらつきが極めて少ない高画質のカラー
プラズマディスプレイパネルを製造できる方法を提供す
る。 【解決手段】各色の蛍光体インク9〜12を、表示セル
7A〜7Dへの挿入順に対応して挿入順が後になるに従
って一定量の蛍光体に対する溶剤と樹脂の体積比率を減
少させた組成に設定することにより、レッド、グリーン
およびブルーの各色において蛍光体、溶剤および樹脂の
それぞれの含有量が全て同一の蛍光体層8を形成する。
それにより、表示セル7A〜7D内に、発光色の相違に
拘わらず略同一形状の蛍光体層8を形成でき、色むらや
輝度のばらつきが殆どない高画質を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大画面を有しなが
らも壁掛け形式で設置できる新規なカラーテレビジョン
受像機の実現が可能なカラープラズマディスプレイパネ
ルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラープラズマディスプレイパネルは、
不活性ガスの放電による紫外線で蛍光体を発光させるも
のであって、極めて平面型のディスプレイパネルとなる
ことから、これを表示部に利用することにより、大画面
を有しながらも壁掛け形式で設置できる新規なカラーテ
レビジョン受像機の実現も可能となるものである。この
カラープラズマディスプレイパネルとしては、多数の陰
極電極群と陽極電極群とを直交して対向配置し、この両
電極群におけるマトリックス状に分布する交点箇所にそ
れぞれ気体放電空間となる表示セルを配置し、両電極間
に電圧を印加して表示セルに封入した不活性ガスを放電
させ、その放電による紫外線で表示セルの蛍光体層を発
光させる構成としたものが従来から知られている。
【0003】上記の表示セルは、障壁で囲んだ小孔に形
成されており、その障壁の内壁周面に蛍光体層が付着形
成されている。蛍光体層は、蛍光体、溶剤および樹脂を
基本組成とするレッド、グリーンおよびブルーの各色の
蛍光体インクを用いて、スクリーン印刷法などによって
障壁の内壁周面、つまり表示セルの内周面に形成されて
いる。この表示セルは、1個のレッド表示セルと2個の
グリーン表示セルと1個のブルー表示セルとの4個を一
つの画素グループとして、平面状に多数個配列されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の蛍光
体層の形成に際しては、先ず、蛍光体、溶剤および樹脂
を所定の体積比率で混合したそれぞれ同一量のレッド、
グリーンおよびブルーの各色の蛍光体インクを、各色毎
に順番に表示セルに挿入している。この蛍光体インクを
表示セルに挿入したときに、蛍光体インクの溶剤と樹脂
とが多孔質の障壁の微小空孔に浸透するため、蛍光体イ
ンクにおける蛍光体に対する溶剤および樹脂の体積比率
は、表示セルへの挿入前と挿入後とで変化する。
【0005】しかしながら、蛍光体インクの表示セルへ
の挿入は、上述のようにレッド、グリーンおよびブルー
の各色毎に順番に行われるため、挿入順が1番目の蛍光
体インクの溶剤と樹脂が障壁に浸透することによって障
壁の小孔が溶剤と樹脂で充填されると、障壁の空孔率が
蛍光体インクの挿入前よりも低下し、2番目の蛍光体イ
ンクにおける障壁へ浸透する溶剤と樹脂の量が1番目の
蛍光体インクよりも低減する。すなわち、蛍光体インク
における障壁へ浸透する溶剤と樹脂の量は、表示セルへ
の挿入順番が後になるほど少なくなり、表示セル内に挿
入された後の各色の蛍光体インクには、表示セルへの挿
入順に応じてレッド、グリーンおよびブルーの色毎に蛍
光体、溶剤および樹脂の体積比率にばらつきが生じる。
【0006】そのため、表示セルに形成される蛍光体層
には、上記の体積比率のばらつきに伴って、発光に寄与
する表面積などの形状にもばらつきが生じ、さらに、形
状のばらつきに伴って蛍光体層が陽極電極の一部を覆う
ので、陽極電極の電極面積にもばらつきが生じ、色毎ま
たは表示セル毎に発光輝度が異なったり、色むらが発生
したりする。この色の相違による輝度のばらつきおよび
色むらがカラープラズマディスプレイパネルの画質を低
下させる要因になっている。
【0007】そこで、本発明は、表示セル内に形成する
レッド、グリーンおよびブルーの各色の蛍光体層の形状
のばらつきが殆どなく、色むらや輝度のばらつきが極め
て少ない高画質のカラープラズマディスプレイパネルを
製造することのできる方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のカラープラズマ
ディスプレイパネルの製造方法は、多数の微小空孔を有
するガラス質からなり、微小な容積の表示セルが所定の
配置で多数個形成された障壁と、多数個の前記表示セル
が平面的に配置されて所定面積の表示部が形成された背
面板と、前記各表示セル内にそれぞれ配置されて前記背
面板に設けられた陽極電極と、レッド、グリーンおよび
ブルーの各色の蛍光体、溶剤および樹脂を基本組成とし
てなり、色毎に指定された所定の前記表示セル内の前記
障壁における内壁周面に付着された各色の蛍光体層とを
備えたカラープラズマディテプレイパネルの製造方法に
おいて、レッド、グリーンおよびブルーの各色の前記蛍
光体層の形成素材である蛍光体インクを各色毎に対応す
る表示セル内に挿入するに際して、各色の前記蛍光体イ
ンクを、前記表示セルへの挿入順に対応して挿入順が後
になるに従って一定量の前記蛍光体に対する前記溶剤と
前記樹脂の体積比率を減少させた組成に設定することを
特徴とする。
【0009】この発明のカラープラズマディスプレイパ
ネルの製造方法によれば、表示セルに挿入された蛍光体
インクにおける溶剤と樹脂の障壁への浸透量が表示セル
への挿入順が後になるほど低減するのに対応して、蛍光
体インクが、全ての色に一定量に設定された蛍光体に対
する溶剤と樹脂の体積比率が表示セルの挿入順に応じて
後になるほど障壁への浸透量が低減する分だけ減少させ
た組成になっいる。したがって、蛍光体インクにより表
示セルに形成される各色の蛍光体層は、蛍光体、溶剤お
よび樹脂のそれぞれの含有量がレッド、グリーンおよび
ブルーの各色において全て同一の組成になる。
【0010】上記の各発明において、蛍光体インクに含
有される樹脂として、所定波長の紫外線の露光によって
硬化する紫外線硬化型樹脂を用いるのが好ましい。
【0011】それにより、多数の表示セルの蛍光体層
を、紫外線の露光により同時に、且つ高速に安定した形
状に形成できる利点がある。
【0012】また、上記各発明において、背面板とし
て、蛍光体インクに含有される紫外線硬化型樹脂を硬化
させるのに必要な露光量の光透過が可能な光透過率を有
するガラス基板を用いるのが好ましい。
【0013】それにより、表示セル内に蛍光体インクを
挿入したのちに、背面板における障壁が形成されている
面とは反対側の面から紫外線を露光すれば、背面板に設
けられている陽極電極を、蛍光体インクにおける陽極電
極に対向する箇所への露光を防止するための露光マスク
として利用できる利点があるとともに、蛍光体層を、陽
極電極に対しその電極機能を損なわないように確実に形
成できる。
【0014】本発明のカラープラズマディスプレイパネ
ルにおいては、多数の微小空孔を有するガラス質からな
り、微小な容積の表示セルが所定の配置で多数個形成さ
れた障壁と、多数個の前記表示セルが平面的に配置され
て所定面積の表示部が形成された背面板と、前記各表示
セル内にそれぞれ配置されて前記背面板に設けられた陽
極電極と、レッド、グリーンおよびブルーの各色の蛍光
体、溶剤および樹脂を基本組成としてなり、色毎に指定
された所定の前記表示セル内の前記障壁における内壁周
面に付着された各色の蛍光体層とを備え、前記各蛍光体
層は、上記の製造方法を用いて、各色の前記蛍光体イン
クを前記表示セルへの挿入順に対応して挿入順が後にな
るに従って一定量の前記蛍光体に対する前記溶剤と前記
樹脂の体積比率を減少させた組成に設定して製造された
ことにより、蛍光体、溶剤および樹脂のそれぞれの含有
量がレッド、グリーンおよびブルーの各色において全て
同一量に形成されていることを特徴とするものである。
【0015】この発明のカラープラズマディスプレイパ
ネルによれば、蛍光体インクの挿入により表示セルに形
成された蛍光体層は、蛍光体、溶剤および樹脂のそれぞ
れの含有量がレッド、グリーンおよびブルーの各色にお
いて全て同一に設定されているから、各色の蛍光体層
は、発光に寄与する表面積などの形状も各色においてほ
ぼ均一形成され、且つ陽極電極に対しその電極面積にば
らつきが生じないよう形成される。したがって、各色の
蛍光体層または各表示セルにおける発光がほぼ均等とな
って、輝度のばらつきおよび色むらの極めて少ない高画
質を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照しながら詳述する。
【0017】図1は本発明の一実施の形態に係るカラー
プラズマディスプレイパネルを示す一部破断した要部の
斜視図である。同図において、それぞれガラス基板から
なる背面板1および表面板(図示せず)との間に障壁2
が挟持されている。図示していないが、背面板1には陽
極電極群が、且つ表面板には陰極電極群が配設されてお
り、背面板1と表面板とは、陽極電極群と陰極群とが直
交して対向するよう対面配置されている。背面板1は所
定の光透過率を有するガラス基板からなり、その一面
(図1における上面)上には、陽極電極群に接続された
金属材料からなる陽極電極3がマトリックス状の配置で
形成されている。
【0018】障壁2は、格子状の形状になっており、内
部が多数の微小空孔4を有する多孔のガラス質になって
いる。この障壁2に形成された多数の矩形状の小孔が両
側の表面板および背面板1とにより閉塞され、その内部
に不活性ガスを封入して放電空間となる多数の表示セル
7A〜7Dが形成される。この各表示セル7A〜7D
は、長さL、幅Wおよび高さHをそれぞれ一定に形設さ
れており、その内壁周面に蛍光体層8が断面すり鉢形状
に付着されて形成されている。蛍光体層8は、蛍光体、
溶剤および所定波長の紫外線によって硬化する紫外線硬
化性樹脂を基本組成とする蛍光体インクにより形成され
ている。各表示セル7A〜7Dは、1個のレッド表示セ
ル7Aと2個のグリーン表示セル7B,7Cと1個のブ
ルー表示セル7Dとの4個を一つの画素グループとし
て、平面状に多数個配列されている。
【0019】また、各表示セル7A〜7Dはそれぞれ陽
極電極3に対しこれが中央部に対向するよう位置決めさ
れている。
【0020】上記の蛍光体層8は、全ての表示セル7A
〜7Dにおいて、同一の高さhと同一の表面積を有する
形状に形成されており、且つ陽極電極3を被覆せずに完
全に露出させる状態に形成されている。すなわち、陽極
電極3は、全ての表示セル7A〜7Dにおいて、長径お
よび短径がそれぞれd1およびd2の同一寸法で露呈さ
れており、その機能を何ら損なうことがない。したがっ
て、上記のカラープラズマディスプレイパネルは、発光
に寄与する蛍光体層8の形状が全ての色にわたり同一に
形成され、且つ陽極電極3が同一寸法で露呈されている
ので、色むらや輝度のばらつきが殆どない優れた画質を
得られる。つぎに、このカラープラズマディスプレイパ
ネルを得ることのできる製造方法について、図2ないし
図4を参照しながら説明する。
【0021】この実施形態では、一例として、蛍光体イ
ンクをレッド、グリーンおよびブルーの各色の順序で各
表示セル7A〜7Dに挿入する場合について説明する。
先ず、図2に示すように、レッド表示用蛍光体インク9
を、所定のレッド表示セル7A内にその高さHまで挿入
する。つづいて、第1グリーン表示用蛍光体インク、第
2グリーン表示用蛍光体インクおよびブルー表示用蛍光
体インクを、この順番で所定の表示セル7B〜7Dに図
2に示す状態まで挿入する。但し、後述するが、各蛍光
体インクは、蛍光体に対する溶剤と樹脂の含有率が表示
色毎にそれぞれ異なるように設定されている。各表示セ
ル7A〜7Dに挿入された蛍光体インクに含有されてい
る溶剤と樹脂は、障壁2の微小空孔4に浸透していき、
浸透不能な平衡状態となるまで浸透する。
【0022】図3(a)〜(d)は、各蛍光体インク9
〜12の溶剤と樹脂が平衡状態まで浸透し終えたときの
各表示セル7A〜7Dを示す縦断面図である。(a)は
レッド表示用蛍光体インク9が浸透し終えた後のレッド
表示セル7Aを示し、レッド表示用蛍光体インク9は、
これに含有されている溶剤と樹脂が微小空孔4に浸透す
ることから、図2の状態から断面すり鉢状に変形してい
る。すなわち、レッド表示用蛍光体インク9は、その略
中央部が大きく凹んで障壁2の高さHよりも相当に低い
高さH1になっており、且つ障壁3の内壁面に接した外
周部が、障壁2とレッド表示用蛍光体インク9との所謂
ぬれ性によって障壁2の高さHよりも僅かに低い高さh
1を保っている。
【0023】同図(b)は第1グリーン表示用蛍光体イ
ンク10の溶剤と樹脂が浸透し終えた後の第1グリーン
表示セル7Bを示し、第1グリーン表示用蛍光体インク
10は、これに含有されている溶剤と樹脂が微小空孔4
に浸透することから、図2の状態から断面すり鉢状に変
形しており、その略中央部の高さH1および障壁3の内
壁面に接した外周部の高さh2が、レッド表示用蛍光体
インク9の高さh1とほぼ同一になっている。
【0024】ここで、レッド表示用蛍光体インク9の溶
剤と樹脂がレッド表示セル7Aを構成する周囲の障壁2
の微小空孔4に既に浸透しているため、第1グリーン表
示用蛍光体インク10の溶剤と樹脂の障壁体2への浸透
量は、レッド表示用蛍光体インク9の場合よりも少なく
なる。いま仮に、第1グリーン表示用蛍光体インク10
として、従来の蛍光体層の形成手段のように、蛍光体に
対する溶剤および樹脂の含有率がレッド表示用蛍光体イ
ンク9と同一に設定されたものを用いると、同図(b)
に2点鎖線で示すように、溶剤と樹脂が浸透し終えた後
の第1グリーン表示用蛍光体インク10は、中央部がレ
ッド表示用蛍光体インク9の高さH1よりも大きい高さ
H2を有する形状になってしまう。
【0025】そこで、上記の第1グリーン表示用蛍光体
インク10は、溶剤と樹脂の含有量がレッド表示用蛍光
体インク9よりも少なく設定されている。この溶剤と樹
脂の含有量は、レッド表示用蛍光体インク9の溶剤と樹
脂が浸透した後の微小空孔4の空孔率に基づき、平衡状
態になったときの第1グリーン表示用蛍光体インク10
の形状がレッド表示用蛍光体インク9と同一となる値に
実験的に求めることができる。
【0026】同図(c)は第2グリーン表示用蛍光体イ
ンク11の溶剤と樹脂が浸透し終えた後の第2グリーン
表示セル7Cを示し、第2グリーン表示用蛍光体インク
11は、これに含有されている溶剤と樹脂が微小空孔4
に浸透することから、図2の状態から断面すり鉢状に変
形しており、その中央部の高さH1および障壁3の内壁
面に接した外周部の高さh3が、レッド表示用蛍光体イ
ンク9の高さh1とほぼ同一になっている。
【0027】ここで、レッド表示用蛍光体インク9およ
び第1グリーン表示用蛍光体インク10の各々の溶剤と
樹脂がそれらの表示セル7A,7Bをそれぞれ構成する
障壁2の矩形状の内壁周面の微小空孔4に既に浸透して
いるため、第2グリーン表示用蛍光体インク10の溶剤
と樹脂の障壁体2への浸透量は、第1グリーン表示用蛍
光体インク10の場合よりもさらに少なくなる。いま仮
に、第2グリーン表示用蛍光体インク11として、従来
の蛍光体層の形成手段のように、蛍光体に対する溶剤お
よび樹脂の含有率がレッド表示用蛍光体インク9と同一
に設定されたものを用いると、同図(c)に2点鎖線で
示すように、溶剤と樹脂が浸透し終えた後の第2グリー
ン表示用蛍光体インク11は、略中央部がレッド表示用
蛍光体インク9の高さH1よりもかなり大きい高さH3
を有する形状になってしまう。
【0028】そこで、上記の第2グリーン表示用蛍光体
インク11は、溶剤と樹脂の含有量が第1グリーン表示
用蛍光体インク10よりも少なく設定されている。この
溶剤と樹脂の含有量は、レッド表示用蛍光体インク9お
よび第1グリーン表示用蛍光体インク10の各々の溶剤
と樹脂が浸透した後の微小空孔4の空孔率に基づき、平
衡状態になったときの第2グリーン表示用蛍光体インク
10の形状がレッド表示用蛍光体インク9と同一となる
値に実験的に求めることができる。
【0029】同図(d)はブルー表示用蛍光体インク1
2の溶剤と樹脂が浸透し終えた後のブルー表示セル7D
を示したもので、ブルー表示用蛍光体インク12は、こ
れに含有されている溶剤と樹脂が微小空孔4に浸透する
ことから、図2の状態から断面すり鉢状に変形してお
り、その略中央部の高さH1および障壁3の内壁面に接
した外周部の高さh4が、レッド表示用蛍光体インク9
の高さh1とほぼ同一になっている。
【0030】ここで、レッド表示用蛍光体インク9と第
1および第2グリーン表示用蛍光体インク10,11の
各々の溶剤と樹脂がそれらの表示セル7A〜7Cをそれ
ぞれ構成する障壁2の内壁周面の微小空孔4に既に浸透
しているため、ブルー表示用蛍光体インク12の溶剤と
樹脂の障壁体2への浸透量は、第2グリーン表示用蛍光
体インク11の場合よりもさらに少なくなる。いま仮
に、ブルー表示用蛍光体インク12として、従来の蛍光
体層の形成手段のように、蛍光体に対する溶剤および樹
脂の含有量がレッド表示用蛍光体インク9と同一に設定
されたものを用いると、同図(d)に2点鎖線で示すよ
うに、溶剤と樹脂が浸透し終えた後のブルー表示用蛍光
体インク12は、略中央部がレッド表示用蛍光体インク
9の高さH1よりも相当に大きい高さH4を有する形状
になってしまう。
【0031】そこで、上記のブルー表示用蛍光体インク
12は、溶剤と樹脂の含有率が第2グリーン表示用蛍光
体インク10よりもさらに少なく設定されている。この
溶剤と樹脂の含有量は、レッド表示用蛍光体インク9と
第1および第2グリーン表示用蛍光体インク10,11
の各々の溶剤と樹脂が浸透した後の微小空孔4の空孔率
に基づき、平衡状態になったときのブルー表示用蛍光体
インク12の形状がレッド表示用蛍光体インク9と同一
となる値に実験的に求めることができる。
【0032】上述のように、各表示セル7A〜7Dにそ
れぞれ挿入された蛍光体インク9〜12が平衡状態にな
ると、図4(a)〜(d)に示すように、各蛍光体イン
ク9〜12を背面板1の障壁2とは反対側の面から紫外
線13により露光する。同図(a)は背面板1の障壁2
とは反対側の面から紫外線13を照射したときのレッド
表示セル7Aを示す縦断面図である。紫外線13は、所
定波長を有するほぼ平行光になっており、所定の光透過
率を有する背面板1を透過することによって蛍光体イン
ク9〜12に含有されている樹脂を硬化するために必要
な露光量となる。したがって、レッド表示用蛍光体イン
ク9における水平な平行線で図示した一部分は、紫外線
13の照射により硬化して、図1に示した蛍光体層8と
なる。このとき、紫外線13は金属材料からなる陽極電
極3を透過しないため、レッド表示用蛍光体インク9に
おける陽極電極3の上方部分は未硬化のまま残存する。
すなわち、陽極電極3はレッド表示用蛍光体インク9の
必要以外の部分への紫外線13の照射を防止するための
露光マスクとして機能する。
【0033】各蛍光体インク10〜12に対する紫外線
13の照射は同時に行われ、同図(b)〜(d)は、そ
れぞれ背面板1の障壁2とは反対側の面から紫外線13
を照射したときの第1グリーン表示セル7B、第2グリ
ーン表示セル7Cおよびブルー表示セル7Dを示す縦断
面図である。第1,第2グリーン表示用蛍光体インク1
0,11およびブルー表示用蛍光体インク12の各表示
セル7B〜7Dに挿入したのちの平行状態における形状
は、図3に示したように、全て同一であるため、第1,
第2グリーン表示用蛍光体インク10,11およびブル
ー表示用蛍光体インク12の露光により硬化させて得ら
れる蛍光体層8は、(b)〜(d)にそれぞれ実線で示
すように全て同一形状となる。このように、各表示セル
7A〜7Dに同一形状の蛍光体層8を形成できるから、
色むらや輝度のばらつきが殆どない高画質のカラープラ
ズマディスプレイパネルを得ることができる。
【0034】ところで、紫外線13の照射により蛍光体
層8の形状を決める要因として、蛍光体インク7A〜7
D内を通過するときの紫外線13の蛍光体インク7A〜
7D内部での減衰および散乱がある。蛍光体インク7A
〜7Dの蛍光体、溶剤および樹脂の組成による光透過率
が低い場合には、紫外線13の減衰が大きくなって紫外
線13による露光が不十分となることから、蛍光体イン
ク7A〜7Dの硬化により形成される蛍光体層8の高さ
が高くならないという不都合が生じる。
【0035】一方、紫外線13の散乱は、主に光透過率
が最も低い蛍光体インク7A〜7Dの表面での光反射に
起因して発生するが、この紫外線13の散乱が発生する
と、紫外線13の進行方向に対する周辺への紫外線13
の回り込みが発生する。その場合、蛍光体インク7A〜
7Dには、紫外線13の進行方向の硬化よりも進行方向
に対する周辺箇所の硬化が促進されてしまうことがあ
る。上述の紫外線13の減衰による露光不足を防止する
対策としては、紫外線13の露光時間を長くすることに
よって露光量を大きくすることも考えられるが、そのよ
うにすれば、蛍光体インク7A〜7Dには、紫外線13
の進行方向の箇所の硬化促進よりも紫外線13の進行方
向に対する周辺箇所の硬化の方がさらに促進されること
になる。すなわち、蛍光体インク7A〜7Dにおける陽
極電極3の上方箇所の硬化の方が促進されてしまい、陽
極電極3は、その外部露呈される電極面積が硬化された
蛍光体層8によって小さくなってしまい、電極機能が劣
化することになる。
【0036】以上のことに基づいて、上記実施形態の製
造方法により得られるカラープラズマディスプレイパネ
ルの利点について、以下に説明する。上記実施形態で
は、上述のように、各蛍光体インク9〜12を、対応す
る表示セル7A〜7Dへの挿入順序に応じて溶剤および
樹脂の含有量が低減するように設定したが、各色の蛍光
体インク9〜12として、仮に蛍光体、溶剤および樹脂
の体積比率がそれぞれ同一に設定したものを用いた場合
には、挿入順序が2番目以下の第1,第2グリーン表示
用蛍光体インク10,11およびブルー表示用蛍光体イ
ンク12が、図3(b)〜(d)にそれぞれ2点鎖線で
示すように、平衡状態となった時に各々の中央部の高さ
H2〜H4が相違する形状となる。すなわち、H1<H
2<H3<H4となる。
【0037】この形状の異なる各蛍光体インク7A〜7
Dに対し紫外線13を照射すると、第1,第2グリーン
表示用蛍光体インク10,11およびブルー表示用蛍光
体インク12の硬化により形成される蛍光体層8は、図
4(b)〜(d)にそれぞれ2点鎖線で示すような形状
となる。すなわち、レッド表示セル7Aに形成された蛍
光体層8の体積が最も小さく、第1,第2グリーン表示
セル7B,7Cおよびブルー表示セル7Dの各々の蛍光
体層8の体積は順次大きくなっている。それに伴って、
各表示セル7A〜7Dにおける陽極電極3の上方箇所の
未硬化の蛍光体インク9〜12の幅D1〜D4は、順次
小さくなってしまう。この未硬化の蛍光体インク9〜1
2は、紫外線13の露光工程後に純水またはアルカリ溶
液などを用い現像することより除去され、それにより、
陽極電極3が露呈されて電極としての機能を果たせる状
態となる。しかし、除去される未硬化の蛍光体インク9
〜12の幅D1〜D4がD1<D2<D3<D4の関係
にあることから、各表示セル7A〜7Dにおける陽極電
極3は、レッド、第1および第2グリーン、ブルーの各
色の順に露呈面積が小さくなり、電極特性が低下する。
そのため、レッド、第1および第2グリーン、ブルーの
各色の表示セル7A〜7Dの明るさは順に低減するた
め、色むらや輝度のばらつきが生じる。
【0038】これに対し、上記の実施形態のカラープラ
ズマディスプレイパネルでは、各蛍光体インク9〜12
を、表示セル7A〜7Dに挿入する順序に従って溶剤お
よび樹脂の含有量を所定の値だけ低減することにより、
平衡状態となった時に各表示セル7A〜7D内に残存す
る各蛍光体インク9〜12は、各々の蛍光体、溶剤およ
び樹脂の体積比率が一定になって、全てほぼ同一の形状
となる。
【0039】なお、平衡状態における各蛍光体インク9
〜12の形状としては、図3における障壁体2の内周面
に付着する外周部の高さh1〜h4と略中央部の高さH
1との差が大きい方が望ましいので、平衡状態時の各蛍
光体インク9〜12の蛍光体、溶剤および樹脂の体積比
率は、1番目に挿入するレッド表示用蛍光体インク9の
平衡状態時に合致するよう設定することが好ましい。こ
の平衡状態の各蛍光体インク9〜12を陽極電極3をあ
たかも露光マスクに兼用して同時に紫外線13を照射す
ると、各表示セル7A〜7Dには全て同一形状の蛍光体
層8が形成され、且つ、陽極電極3も完全に露出され
て、その電極寸法は長径d1および短径d2が所定の値
となって、所期の電極機能を果たすことができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、各色の蛍
光体インクを、表示セルへの挿入順に対応して挿入順が
後になるに従って一定量の蛍光体に対する溶剤と樹脂の
体積比率を減少させた組成に設定することにより、レッ
ド、グリーンおよびブルーの各色において蛍光体、溶剤
および樹脂のそれぞれの含有量が全て同一の蛍光体層を
形成することができる。そのため、表示セル内には発光
色の相違に拘わらず略同一形状の蛍光体層が形成される
ので、色むらや輝度のばらつきが殆どない高画質のカラ
ープラズマディスプレイパネルを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るカラープラズマデ
ィスプレイパネルを示す一部破断した要部の斜視図。
【図2】同上のカラープラズマディスプレイパネルの製
造に際して蛍光体インクを挿入した表示セルを示す縦断
面図。
【図3】(a)〜(d)は各蛍光体インクの溶剤と樹脂
が平衡状態まで浸透し終えた状態のレッド、第1および
第2グリーンおよびブルーの各表示セル7A〜7Dを示
す縦断面図。
【図4】(a)〜(d)は各蛍光体インク9〜12を露
光して蛍光体層を形成した状態のレッド、第1および第
2グリーンおよびブルーの各表示セル7A〜7Dを示す
縦断面図。
【符号の説明】
1 背面板 2 障壁 3 陽極電極 7A〜7D 表示セル 8 蛍光体層 9/12 蛍光体インク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の微小空孔を有するガラス質からな
    り、微小な容積の表示セルが所定の配置で多数個形成さ
    れた障壁と、多数個の前記表示セルが平面的に配置され
    て所定面積の表示部が形成された背面板と、前記各表示
    セル内にそれぞれ配置されて前記背面板に設けられた陽
    極電極と、レッド、グリーンおよびブルーの各色の蛍光
    体、溶剤および樹脂を基本組成としてなり、色毎に指定
    された所定の前記表示セル内の前記障壁における内壁周
    面に付着された各色の蛍光体層とを備えたカラープラズ
    マディスプレイパネルの製造方法において、 レッド、グリーンおよびブルーの各色の前記蛍光体層の
    形成素材である蛍光体インクを各色毎に対応する表示セ
    ル内に挿入するに際して、各色の前記蛍光体インクを、
    前記表示セルへの挿入順に対応して挿入順が後になるに
    従って一定量の前記蛍光体に対する前記溶剤と前記樹脂
    の体積比率を減少させた組成に設定することを特徴とす
    るカラープラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 蛍光体インクに含有される樹脂は、所定
    波長の紫外線の露光によって硬化する紫外線硬化型樹脂
    であることを特徴とする請求項1記載のカラープラズマ
    ディスプレイパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 背面板は、蛍光体インクに含有される紫
    外線硬化型樹脂を硬化させるのに必要な露光量の光透過
    が可能な光透過率を有するガラス基板であることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載のカラープラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 多数の微小空孔を有するガラス質からな
    り、微小な容積の表示セルが所定の配置で多数個形成さ
    れた障壁と、 多数個の前記表示セルが平面的に配置されて所定面積の
    表示部が形成された背面板と、 前記各表示セル内にそれぞれ配置されて前記背面板に設
    けられた陽極電極と、 レッド、グリーンおよびブルーの各色の蛍光体、溶剤お
    よび樹脂を基本組成としてなり、色毎に指定された所定
    の前記表示セル内の前記障壁における内壁周面に付着さ
    れた各色の蛍光体層とを備え、 前記各蛍光体層は、請求項1の製造方法を用いて、各色
    の前記蛍光体インクを前記表示セルへの挿入順に対応し
    て挿入順が後になるに従って一定量の前記蛍光体に対す
    る前記溶剤と前記樹脂の体積比率を減少させた組成に設
    定して製造されたことにより、蛍光体、溶剤および樹脂
    のそれぞれの含有量がレッド、グリーンおよびブルーの
    各色において全て同一量に形成されていることを特徴と
    するカラープラズマディスプレイパネル。
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