JPH0919884A - 移動ロボット - Google Patents

移動ロボット

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Publication number
JPH0919884A
JPH0919884A JP7192430A JP19243095A JPH0919884A JP H0919884 A JPH0919884 A JP H0919884A JP 7192430 A JP7192430 A JP 7192430A JP 19243095 A JP19243095 A JP 19243095A JP H0919884 A JPH0919884 A JP H0919884A
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JP
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cable
work
robot
handling device
mobile robot
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Application number
JP7192430A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yuguchi
口 康 弘 湯
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH0919884A publication Critical patent/JPH0919884A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Manipulator (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルの損傷を防止し、かつ、余剰のケー
ブルによる弊害を解消した移動ロボットを提供する。 【解決手段】 移動手段と、作業あるいは検査を行う手
段を有する作業ロボット3a,3bと、動力および信号
を伝達するケーブル4a,4bと、ケーブル4a,4b
を巻き取るケーブル巻取装置6a,6bと、ケーブル4
a,4b上に複数配設され、それぞれが移動手段と、固
定手段と、ケーブル送り手段とを有する少なくとも一つ
のケーブル取扱装置5a〜5jと、作業ロボット3a,
3bとケーブル巻取装置6a,6bとケーブル取扱装置
5a〜5jの動作を制御する制御装置7とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
トの配管や炉内構造物、あるいは火災現場等の災害現
場、あるいは洞窟や未知の惑星等の未知の環境におい
て、人間の代わって探査、点検、補修等を行う移動ロボ
ットに関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントにおいては、作業員
の被曝低減やプラントの信頼性、安全性の向上のため、
作業員が近づくことができない原子炉内部の配管や炉内
構造物等にロボットを接近させ、点検、補修等の作業を
行う必要が近年特に高まっている。
【0003】このようなロボットは、原子力発電プラン
ト以外でも、火災現場等の危険な災害現場への接近や、
洞窟や惑星の探査など、人間が近づくことができない環
境下での危険作業にロボットを適用する必要が高まって
いる。
【0004】このような作業に適したロポットとして
は、動力、および情報処理系を内蔵し、自律的に作業を
遂行できるものであることが望ましい。しかし、現実に
は情報処理系に必要となる半導体製品の耐放射線性、耐
熱性が悪く、情報処理系等を内蔵したロボットでは放射
線量の高い現場や高温の現場には適さない問題があっ
た。また動力を発生する装置等の重量についても、登載
重量、安全性等の制限から作業ロボットに搭載すること
ができない問題があった。
【0005】このため現状では、作業ロボット本体と制
御装置とを分離し、作業ロボットと制御装置の間をケー
ブルで接続し、このケーブルを介して外部から作業ロボ
ットに動力と制御信号を与える方式が一般的となってい
る。
【0006】この場合、ケーブルは動力や信号伝達のほ
かに現場で有用な働きを有する。例えば、原子炉の炉内
構造物は、複雑な形状を有しているため、作業ロボット
が人の近づけない場所で引っかかって動けなくなった
り、あるいはどこで動けなくなったのか判らなくなる可
能性がある。このような場合、作業ロボットを引き戻す
時のいわば綱としての機能を発揮する。しかし、このケ
ーブルは同時に、作業ロボットの動きを制限する欠点を
有する。
【0007】図35は、水で満たされた原子炉圧容器内
を移動する従来の移動ロボットの一例を示している。
【0008】この従来の移動ロボット160は、点検用
装置等を搭載して満水状態の原子炉圧力容器161内を
移動する水中ビークル162と、この水中ビークル16
2に動力や信号を送るケーブル163と、水中ビークル
162を制御する制御装置164とからなる。
【0009】このような、移動ロボット160では、ケ
ーブル163の長さより短い距離の目標物に接近して作
業等する場合、ケーブル163の存在そのものが、水中
ビークル162の移動の妨げとなることがある。
【0010】これに対して図36に示すような移動ロボ
ットが提案されていた。図36の移動ロボット164
は、検査・作業用装置を搭載した走行ロボット165
と、この走行ロボット165に接続されたケーブル16
6と、予め敷設した走行レール167と、走行レール1
67上を走行するケーブル牽引車168と、ケーブル1
66を巻取りあるいは繰出しを行うケーブル貯線装置1
69と、制御装置170とからなる。ケーブル166
は、走行ロボット165に一端を接続し、ケーブル牽引
車168とケーブル貯線装置169を経て、原子炉圧力
容器171を貫通して制御装置170に他端を接続して
いる。
【0011】この移動ロボット164によれば、ケーブ
ル牽引車168が走行レール167上で走行ロボット1
65の動きに合わせて移動し、ケーブル牽引車168と
走行ロボット165間でケーブル166が最短となるよ
うにケーブル166の繰出しあるいは巻取り等を行っ
て、余剰のケーブルが生じないように処理している。
【0012】同様に余剰のケーブルが生じないようにケ
ーブルの巻取りや繰出しを行う他の従来の移動ロボット
も提案されていた(特開平01−064514号公報参
照)。
【0013】図37は上記他の移動ロボットの例を示し
ている。この移動ロボット172は、検査・作業用装置
を搭載した走行ロボット173と、この走行ロボット1
73に接続されたケーブル174と、走行経路の途中の
周辺構造物のコーナー部に設置した複数のケーブルガイ
ド175a〜175fと、ケーブル174を巻取りある
いは繰出すケーブル巻取機176とからなる。
【0014】この移動ロボット172によれば、移動ロ
ボット172が構造物の間を進行し、構造物のコーナー
を曲がるときにそのコーナー部に設置されたケーブルガ
イド175a〜175fにケーブル174を係合させな
がら進む。これにより、走行ロボット173が幾つかの
コーナーを曲がった後は、ケーブル174は図37に示
すようにケーブルガイド175a〜175fによってガ
イドされる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
35に示す移動ロボットでは、ケーブルの長さを調節し
ないために、ケーブル長さが余って構造物のコーナー部
や屈曲部に擦れてケーブルを傷つけるおそれがあった。
また、ケーブルの重さや摩擦によって水中ビークルの推
進力が低減して移動不能となる可能性があるので、配管
内部などの狭隘な空間に、水中ビークルを送り込むこと
ができなかった。
【0016】一方、図36の移動ロボットは、予め走行
ロボットの走行ルートを決め、その走行ルートにケーブ
ルを送ることができるように走行レールを敷設しなけれ
ばならなかった。したがって、走行ロボットは、限られ
た範囲内でしか移動することができず、走行ロボットの
作業に対する制約が多かった。また、走行レールを敷設
するために比較的広い空間が必要となった。
【0017】また、図37の移動ロボットによっても、
予めケーブルガイドを設置しなければならない点は解決
されていない。従って、ケーブルガイドを設置しない場
所への接近は困難であった。特に原子力発電所内では、
配管内部など予めケーブルガイドの設置が不可能な場所
が多く、この問題を解決したい要求が高まっていた。ま
た、この移動ロボットのケーブルガイドは、ケーブルを
受動的に把持するだけであるので、ケーブルを把持する
ケーブルガイドの数の増加にともなって走行ロボットの
推進力が低減した。
【0018】そこで、本発明の目的は、上記従来の技術
の課題を解決し、ケーブルの損傷を防止し、かつ、余剰
のケーブルによる弊害を解消した移動ロボットを提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するために、本願請求項1に係る移動ロボットは、移
動手段と、作業あるいは検査を行う手段を有する作業ロ
ボットと、動力および信号を伝達するケーブルと、前記
ケーブルを巻き取るケーブル巻取装置と、前記ケーブル
上に複数配設され、それぞれが移動手段と、固定手段
と、ケーブル送り手段とを有する少なくとも一つのケー
ブル取扱装置と、前記作業ロボットとケーブル巻取装置
とケーブル取扱装置の動作を制御する制御装置と、を有
することを特徴とするものである。
【0020】上記請求項1に記載の移動ロボットによれ
ば、制御装置が、作業ロボットの繰り出し時には、作業
ロボットに追随してケーブル取扱装置を移動させ、作業
ロボットの移動経路が湾曲した地点や、周囲の構造物を
迂回等する地点で最後方のケーブル取扱装置を固定させ
る。制御装置は、固定したケーブル取扱装置を制御して
ケーブルを先頭の作業ロボットへ向かって送らせる。こ
の場合、ケーブル取扱装置のケーブルの送りは、ケーブ
ル巻取装置のケーブルと同調して行われる。
【0021】逆に、作業ロボットを回収するときは、制
御装置は、ケーブル巻取装置とケーブル取扱装置を制御
してケーブルを同調して巻き取らせる。作業ロボットが
回帰する途中で近づいたケーブル取扱装置は、固定を解
除して作業ロボットとともに回帰する。
【0022】上述したように作業ロボットの繰り出しと
回収を行うので、ケーブルは固定したケーブル取扱装置
に案内されて周辺構造物との接触を避けられ、破損を防
止することができる。また、ケーブルが弛むことなく作
業ロボットの繰り出し量に応じて繰り出されるので、作
業ロボットの移動を妨げることがない。また、必要最短
のケーブル長さが作業ロボットと制御装置の間に引き回
されことになる。したがって、効率的にケーブルの長さ
を使用でき、かつ、ケーブルにノイズ等が入り込む可能
性が低減される。
【0023】本願請求項2に係る移動ロボットは、前記
請求項1の移動ロボットにおいて、ケーブル取扱装置に
ケーブル監視用の視覚装置を設けたことを特徴とするも
のである。
【0024】上記請求項2に記載の移動ロボットは、ケ
ーブル取扱装置に設けたケーブル監視用の視覚装置によ
って、ケーブルの状態の目視監視ができる。これによ
り、各ケーブル取扱装置の間で、ケーブルと周辺構造物
との引っかかりが生じた場合でも、不具合場所を容易に
知ることができる。
【0025】本願請求項3に係る移動ロボットは、前記
請求項1の移動ロボットにおいて、ケーブル取扱装置に
作業あるいは検査を行う手段を設けたことを特徴とする
ものである。
【0026】上記請求項3に記載の移動ロボットによれ
ば、ケーブル取扱装置が作業あるいは検査を行う手段を
有しているので、ケーブル取扱装置を点検・補修等する
必要がある場所に固定して作業・補修等することができ
る。これにより、ケーブル取扱装置は、単にケーブルの
送り出しを行うだけでなく、点検もしくは表面改質等の
作業を作業ロボットの作業と同時並行的に行うことがで
きる。
【0027】本願請求項4に係る移動ロボットは、前記
請求項1の移動ロボットにおいて、ケーブル表面に長さ
の目盛りと距離表示を施し、現在繰り出しているケーブ
ルの長さを目視監視可能な視覚装置を設けたことを特徴
とするものである。
【0028】上記請求項4に記載の移動ロボットによれ
ば、ケーブルを繰り出しあるいは回収している時に視覚
装置によってケーブル表面に施した長さの目盛りと距離
表示とを確認することができる。これによって、ケーブ
ルの繰出し量から現在の作業ロボットの到達位置あるい
は水中における深度を概算することができる。
【0029】本願請求項5に係る移動ロボットは、前記
請求項1の移動ロボットにおいて、ケーブル表面に長さ
の情報を与える表示を施し、前記ケーブル取扱装置に前
記長さ情報の表示からケーブルの把持位置を読みとる検
出器を設けたことを特徴とするものである。
【0030】上記請求項5に記載の移動ロボットによれ
ば、ケーブル取扱装置に取り付けた検出器によってケー
ブルの長さ情報の表示から自動的にその把持位置を検出
することができる。さらに、各ケーブル取扱装置のケー
ブル把持位置の情報を制御装置にフィードバックし、制
御装置によって、各ケーブル取扱装置のケーブル送り速
度を調整し、ケーブルを弛ませることなく、あるいは過
度に緊張させることなく作業ロボットに送ることができ
る。
【0031】本願請求項6に係る移動ロボットは、前記
請求項1の移動ロボットにおいて、作業ロボットとケー
ブル取扱装置の移動手段はスクリュー推進機からなるこ
とを特徴とするものである。
【0032】上記請求項6に記載の移動ロボットによれ
ば、ケーブル取扱装置の移動手段がスクリュー推進機か
らなるので、たとえば、原子炉の炉内構造物や、水等が
満たされた配管内等での作業・検査に好適な移動ロボッ
トを提供することができる。
【0033】本願請求項7に係る移動ロボットは、前記
請求項6の移動ロボットにおいて、ケーブル取扱装置の
固定手段は、前記ケーブル取扱装置の外殻に取り付けら
れた複数の枢動可能な気室構造部材と、前記気室構造部
材の外側に設けられた伸縮可能な弾性シートと、給排気
手段とを有する膨張・収縮可能な気室からなることを特
徴とするものである。
【0034】上記請求項7に記載の移動ロボットによれ
ば、気室構造部材と弾性シートからなる膨張・収縮可能
な気室によってケーブル取扱装置を配管内などに固定す
ることができる。
【0035】上記気室を膨張させる場合、気室内に気体
を供給して気室構造部材を放射状になるように枢動させ
る。これによって気室構造部材の外側の弾性シートが拡
開し、気室が膨張してケーブル取扱装置の外径が増大す
る。これによって、ケーブル取扱装置を配管内に固定す
ることができる。
【0036】本願請求項8に係る移動ロボットは、前記
請求項6の移動ロボットにおいて、ケーブル取扱装置の
固定手段は、前記ケーブル取扱装置の外殻に設けられ、
膨張あるいは収縮可能な弾性シートによって画成された
気室と、前記気室のガスを供給あるいは排気する手段と
からなることを特徴とするものである。
【0037】上記請求項8に記載の移動ロボットは、ガ
スによって気室を膨張させてケーブル取扱装置を配管内
に固定する。すなわち、ケーブル取扱装置を固定したい
場合、弾性シートによって画成された気室にガスを供給
し、気室を膨張させる。これによって、ケーブル取扱装
置の外径が増大して配管等の内部に固定される。逆に、
排気手段によって気室内のガスを排出すれば、ケーブル
取扱装置の外径が減少して固定が解除される。
【0038】本願請求項9に係る移動ロボットは、前記
請求項6の移動ロボットにおいて、ケーブル取扱装置の
固定手段は、前記ケーブル取扱装置の外側に取り付けら
れた推進方向が可変な推進機からなることを特徴とする
ものである。
【0039】上記請求項9に記載の移動ロボットは、ケ
ーブル取扱装置の固定手段がケーブル取扱装置の外殻に
取り付けられた推進方向が可変な推進機からなる。この
推進機によってケーブル取扱装置を固定するには、他の
ケーブル取扱装置の推進機との関係でケーブルを緊張さ
せるように各推進機の推進方向を調整する。たとえば、
迂回する構造物から遠ざかる方向に各推進機の推進方向
を調整することにより、ケーブルを構造物から遠ざける
と同時に、各ケーブル取扱装置を固定することができ
る。
【0040】本願請求項10に係る移動ロボットは、前
記請求項6の移動ロボットにおいて、ケーブル取扱装置
の固定手段は、前記作業ロボットの移動経路周辺の構造
物に応じて、クランプ手段、吸盤あるいは磁石による吸
着手段、請求項7あるいは請求項8に記載した気室、請
求項9に記載の推進機を組み合わせたものからなること
を特徴とするものである。
【0041】上記請求項10に記載の移動ロボットによ
れば、種々の固定手段を組み合わせることにより、原子
炉内のジェットポンプの点検など特定の目的に好適な移
動ロボットを得ることができる。すなわち、作業ロボッ
トが上部格子板、炉心支持板、シュラウドサポートレ
グ、ジェットポンプディフューザ、ジェットポンプライ
ザ管の順序でジェットポンプに接近する場合、上記各炉
内構造物にそれぞれ適した固定手段によってケーブル取
扱装置を固定することができる。
【0042】本願請求項11に係る移動ロボットは、前
記請求項1の移動ロボットにおいて、作業ロボットとケ
ーブル取扱装置の移動手段は車輪あるいはカタピラーか
らなり、前記ケーブル取扱装置の固定手段は前記車輪あ
るいはカタピラーを制動する手段からなることを特徴と
するものである。
【0043】上記請求項11に記載の移動ロボットによ
れば、作業ロボットとケーブル取扱装置の移動手段が車
輪あるいはカタピラーからなり、床面を走行するのに適
した作業ロボットを得ることができる。この場合、ケー
ブル取扱装置が所定点で停留してケーブルを送るには、
制動手段によって車輪あるいはカタピラーの回転を停止
し、ケーブル送り手段によってケーブル送りを行う。
【0044】本願請求項12に係る移動ロボットは、前
記請求項1の移動ロボットにおいて、前記作業ロボット
の移動手段は車輪あるいはカタピラーからなり、前記ケ
ーブル取扱装置は、アクチュエータと多関節リンクによ
って構成された可変構造レールと、前記可変構造レール
に沿って移動可能に設けられた、固定手段を備えた少な
くとも一つの走行車とからなることを特徴とするもので
ある。
【0045】上記請求項12に記載の移動ロボットによ
れば、ケーブル取扱装置が自由に形状を変化させる可変
構造レールと、この可変構造レールに沿って走行する走
行車とからなる。この移動ロボットによれば、作業ロボ
ットの目標位置に応じて、可変構造レールが作業ロボッ
トの移動経路に沿うように形状を変化させる。走行車
は、可変構造レールに沿って作業ロボットととともに移
動する。なお、本ケーブル取扱装置は、走行車に能動的
な移動手段を備えることも、作業ロボットによって牽引
されて移動する受動的な移動手段を備えることも可能で
ある。
【0046】本願請求項13に係る移動ロボットは、前
記請求項12の移動ロボットにおいて、走行車は、可変
構造レールを介して動力と制御信号を供給され、能動的
に前記作業ロボットを追随する手段を有していることを
特徴とするものである。
【0047】上記請求項13に記載の移動ロボットによ
れば、各走行車が能動的に移動する移動手段を備えてい
る。この移動ロボットによれば、作業ロボットの繰り出
し時に各走行車が作業ロボットに従って走行し、適当な
位置で最後方の走行車から停止してケーブル送りを行
う。その他の作用については請求項12の移動ロボット
と同様である。
【0048】本願請求項14に係る移動ロボットは、前
記請求項12または13の移動ロボットにおいて、制御
装置は、目標物の位置と作業ロボットの初期位置と周辺
の構造物の位置を取り込んで前記作業ロボットの移動経
路を予め算出し、前記移動経路に沿った形状に前記可変
構造レールを変形させた後に、前記作業ロボットと前記
ケーブル取扱装置の走行車を移動させることを特徴とす
るものである。
【0049】上記請求項14に記載の移動ロボットによ
れば、制御装置が作業ロボットの目標物の位置と作業ロ
ボットの初期位置と周辺の構造物の位置とを取り込ん
で、作業ロボットの移動経路を予め算出して設定する。
作業ロボットの移動経路算出後、制御装置は可変構造レ
ールのアクチュエータを制御し、可変構造レールを作業
ロボットの移動経路に沿った形状に変形させる。次に、
制御装置は作業ロボットとケーブル取扱装置とを制御し
て、変形した可変構造レールに沿って走行させ、予め設
定した適当な箇所で最後方のケーブル取扱装置からケー
ブル取扱装置を配置し、ケーブル送りを行う。
【0050】本移動ロボットによれば、作業ロボットの
目標物の位置を構造物の配置を示すコンピュータ画面上
で指示することにより、制御装置が作業ロボットの移動
経路をCAD等の設計データ等から自動的に設定でき
る。これにより、運転員が作業ロボットの移動を操作す
る必要がなくなり、運転員の負担を軽減することができ
る。
【0051】本願請求項15に係る移動ロボットは、前
記請求項12または13の移動ロボットにおいて、制御
装置は、目標物の位置と現在の作業ロボットの位置と周
辺構造物の位置データを取り込んでその時点における最
適な移動経路と前記ケーブル取扱装置の配置を計算し、
計算結果と一致するように前記可変構造レールの変形と
前記走行車の移動を制御することを特徴とするものであ
る。
【0052】上記請求項15に記載の移動ロボットによ
れば、制御装置が目標物の位置と現在の作業ロボットの
位置と周辺構造物の位置データを取り込んでその時点に
おける最適な移動経路と前記ケーブル取扱装置の配置を
計算し、計算結果と一致するように前記可変構造レール
の変形と前記走行車の移動とを制御する。本移動ロボッ
トによれば、作業途中で追加の作業項目や検査項目が生
じたときに、その追加の目標物の位置を構造物の配置を
示すコンピュータ画面上で指示すれば、制御装置が作業
ロボットの移動経路、ケーブル取扱装置の配置等を自動
的に設定し、可変構造レール、作業ロボット、ケーブル
取扱装置等を移動させることができる。
【0053】本願請求項16に係る移動ロボットは、垂
直あるいは傾斜した壁面に吸着しながら移動する手段
と、作業あるいは検査を行う手段とを有する作業ロボッ
トと、動力および信号を伝達するケーブルと、前記ケー
ブルを巻き取るケーブル巻取装置と、固定手段とケーブ
ル送り手段とを有する少なくとも一つのケーブル取扱装
置と、前記作業ロボットとケーブル巻取装置とケーブル
取扱装置の動作を制御する制御装置と、からなり、前記
作業ロボットは、前記ケーブル取扱装置を搭載、運搬す
る構造の本体を有し、本体に搭載した前記ケーブル取扱
装置を把持して壁面に押し付けて固定させるケーブル取
扱装置固定用手段を有していることを特徴とするもので
ある。
【0054】上記請求項16に記載の移動ロボットによ
れば、作業ロボットは垂直あるいは傾斜した壁面に吸着
して移動する手段により、垂直あるいは傾斜した壁面上
を転落することなく移動することができる。また、作業
ロボットの繰り出し時には、作業ロボットはケーブル取
扱装置を搭載して移動し、壁面の段差部、曲がり部等の
必要な場所で、ケーブル取扱装置を下ろしてこれを固定
する。固定されたケーブル取扱装置は、ケーブル送り手
段によって作業ロボットの動きに同調してケーブルを送
る。
【0055】反対に作業ロボットを回収する時には、作
業ロボットはケーブル上で最も作業ロボットに近いケー
ブル取扱装置に接近し、これを作業ロボットに積み込
み、次のケーブル取扱装置に向かう。このようにして作
業ロボットが出発地点に戻ったときは、すべてのケーブ
ル取扱装置を回収することができる。
【0056】本願請求項17に係る移動ロボットは、前
記請求項16の移動ロボットにおいて、ケーブル巻取装
置は、前記作業ロボットの位置に応じて前記ケーブルの
引き回し状態を変更するように壁面に吸着しながら移動
する手段を備えていることを特徴とするものである。
【0057】上記請求項17に記載の移動ロボットによ
れば、請求項16の移動ロボットにおいて壁面に下ろさ
れたケーブル取扱装置自体が壁面に吸着しながら移動す
ることができる。本移動ロボットによれば、作業ロボッ
トが複数の目標物に次々に接近するような場合、ケーブ
ル取扱装置が目標物の位置に応じてその配置を変更し
て、ケーブルの引き回しを最短のものとすることができ
る。
【0058】本願請求項18に係る移動ロボットは、前
記請求項1ないし17のいずれかの移動ロボットにおい
て、前記制御装置は、前記作業ロボットの繰り出し時に
は、前記作業ロボットとともに前記ケーブル取扱装置を
移動させ、所定の地点で前記ケーブル巻取装置に最も近
いケーブル取扱装置から固定させ、固定したケーブル取
扱装置を制御して前記ケーブルを前記作業ロボットへ向
かって送らせ、前記作業ロボットの回収時には、前記ケ
ーブル取扱装置を制御して前記ケーブルを前記ケーブル
巻取装置に向かって送らせ、前記作業ロボットが近づい
たケーブル取扱装置から固定を解除して前記作業ロボッ
トとともに移動させることを特徴とするものである。
【0059】上記請求項18に記載の移動ロボットによ
れば、作業ロボットの繰り出し時に制御装置が、ケーブ
ル取扱装置を作業ロボットとともに移動させ、適当な場
所でケーブル巻取装置に近いケーブル取扱装置からケー
ブル取扱装置を逐次固定させる。また、制御装置は固定
したケーブル取扱装置を制御して作業ロボットに向かっ
てケーブルを送らせる。反対に作業ロボットを回収する
時は、制御装置が各ケーブル取扱装置を制御してケーブ
ル巻取装置に向かってケーブルを送らせ、作業ロボット
に近づいたケーブル取扱装置から固定を解除して作業ロ
ボットとともに回収する。
【0060】このように、作業ロボットの移動経路に沿
ってケーブル取扱装置を配置するので、予めケーブル取
扱装置を固定する必要がなく、任意の配置の構造物内で
構造物に接触することなくケーブルを引き回すことがで
きる。さらに、各ケーブル取扱装置が作業ロボットに向
かってケーブルを送ることができるので、作業ロボット
自体のケーブル牽引力を低減でき、装置の小型化に寄与
することができる。また、繰り出されたケーブルは必要
最小限の長さであるので、ケーブルが作業ロボットの移
動の支障になることがない。
【0061】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係わる移動ロボ
ットの第一実施形態を添付の図面を用いて説明する。
【0062】最初に、本実施形態の構成について説明す
る。図1に示すように、本実施形態の移動ロボット1
は、2系統の作業ロボットを有している。一系統の作業
ロボットは、撮影装置2aを搭載した作業ロボット3a
と、動力や信号を伝達するケーブル4aと、ケーブル4
上に設けられた複数のケーブル取扱装置5a〜5eとか
らなり、他の系統の作業ロボットは、撮影装置2bを搭
載した作業ロボット3bと、動力や信号を伝達するケー
ブル4bと、ケーブル4b上に設けられた複数のケーブ
ル取扱装置5a〜5eとからなる。この2系統の作業ロ
ボットは、ケーブル巻取装置6a,6bを介して制御装
置7に接続している。
【0063】この移動ロボット1によって原子炉圧容器
8内のジェットポンプ9、シュラウド10、上部格子板
11、炉心支持板12、等の炉内構造物13や主蒸気配
管14内、給水配管(図示せず)内を点検する場合に
は、原子炉圧力容器8に水を張った状態で行う。作業ロ
ボット3a,3bは、クレーン15によって原子炉圧力
容器8内に吊り降ろされる。
【0064】クレーン15と制御装置7の間には、ケー
ブル巻取り装置6a,6bが配設されいる。制御装置7
は、ケーブル巻取装置6a,6bを制御して、先頭の作
業ロボット作業ロボット3a,3bの移動量に従って、
ケーブル4a,4bの長さを調整する。制御装置7は、
ケーブル4a,4bの長さを独立に調整し、作業ロボッ
ト3a,3bをそれぞれ独立に制御することができる。
【0065】図2、図3は、先頭の作業ロボット3aを
示している(作業ロボット3bについても全く同一の構
成を有している)。作業ロボット3aの先端には、撮像
装置2aが設けられ、気密ケース16a周囲には、推進
機17a〜17dが配設されている。また、作業ロボッ
ト2aの後端には、ケーブル4aが接続されている。
【0066】気密ケース16aの外周に取り付けられた
推進機17a〜17cは、気密ケース16aの中心軸と
推進機17a〜17c内に設けられたスクリュー18a
〜18cの回転軸が平行になるように設けられている。
そして、横方向の推進機17dは、気密ケース16aの
中央部で気密ケース16aの中心軸と推進機17d内の
スクリュー18dの回転軸が垂直になるように設けられ
ている。
【0067】図4は、推進機17aの構造をさらに詳し
く示している(推進機17b,17cも全く同一の構成
を有している)。
【0068】図4に示すように、作業ロボット3aの推
進機17aの駆動力は、給電線19が接続しているモー
タ20によって供給されている。このモータ20は、気
密ケース16a内に配置されており、その出力軸21は
ベアリング22によって支持され、他端にはプーリ23
が接続されている。推進機17a内には、ベアリング2
4a,24bによって支持されたスクリュー18aが配
設されている。このスクリュー18aの外周にはプーリ
25が配設されている。スクリュー18aに接続された
プーリ25と出力軸21に接続されたプーリ23には、
タイミングベルト26が掛け回され、駆動力が伝達され
る構成になっている。推進機17aのスクリューハウジ
ング27とスクリュー18aの間には、Oリング28
a,28bが設けられ、気密ケース16a内に液体が進
入しないように構成されている。
【0069】ケーブル取扱装置5a〜5eとケーブル取
扱装置5f〜5jは、図1に示すように、それぞれケー
ブル4a,4b上に取り付けられている。各々のケーブ
ル取扱装置5a〜5jには、図示しないが、スクリュー
推進機等の移動手段と、周辺の構造物の屈曲部や狭隘部
や不連続部等に固定可能なクランプ手段、吸盤や磁石等
による吸着手段等の固定手段と、ケーブルを把持して所
定方向に送るケーブル送り手段とが備えられている。
【0070】上記ケーブル取扱装置5a〜5jは、先頭
の作業ロボット3a,3bの運動を妨げないように、流
体抵抗の少ない流線形状を有している。また、ケーブル
取扱装置5a〜5jは、浮力と自重が釣り合うように自
重補償の処理(図示せず)がなされている。
【0071】次に、本実施形態の作用について説明す
る。図1において、作業ロボット3aは、クレーン15
によって原子炉圧容器8に吊り下ろされるが、最初に最
後方のケーブル取扱装置5eが原子炉圧力容器8の内面
上端部に固着し、作業ロボット3aに向かってケーブル
4aを送る。残るケーブル取扱装置5a〜5dは、作業
ロボット3aとともに原子炉圧容器8を目標のジェット
ポンプ9に向かって移動する。次にこれら作業ロボット
3aとケーブル取扱装置5a〜5dが上部格子板11を
通過するときに、その時点で最後方のケーブル取扱装置
5dが上部格子板11に固着し、ケーブル4aを作業ロ
ボット3aへ向かって送る。同様にして炉心支持板12
を通過するときに、炉心支持板12にケーブル取扱装置
5cが固着してケーブル4aを送る。このように、ケー
ブル取扱装置5a〜5eが次々と、構造物の屈曲部や狭
隘部や不連続部等に固着し、ケーブル4aを作業ロボッ
ト3aに向かって送る。これらケーブル取扱装置5a〜
5eのケーブルの送りは、作業ロボット3aの動きと同
調して行われる。
【0072】作業ロボット3bの場合、ケーブル取扱装
置5f〜5jは、作業ロボット3bとともに主蒸気配管
14内に進入し、最後方のケーブル取扱装置から主蒸気
配管19の出口、主蒸気配管19の屈曲部の順に固着し
てケーブル4bを前方に送る。
【0073】上記ケーブル取扱装置5a〜5jのケーブ
ル4a,4bの送り速度は、好ましくは作業ロボット3
a,3bの動きに同調され、ケーブル4a,4bに過大
な引張力がかかったり、ケーブル4a,4bに弛みが生
じないようにする。
【0074】目標に到達した作業ロボット3a,3bの
作業が終了すると、ケーブル巻取装置6a,6bがケー
ブル4a,4bを巻き取って作業ロボット3a,3bを
回収する。このとき、ケーブル4a,4bの巻取り張力
が過大にならないように、ケーブル巻取装置6a,6b
の巻取り速度および巻取りトルクはケーブル4a,4b
を痛めないように制限される。このとき、ケーブル取扱
装置5a〜5jのケーブル送り速度を、ケーブル巻取装
置6a,6bに同調させることによって、各ケーブル取
扱装置5a〜5j間でもケーブル4a,4bを一定の長
さに維持することができる。
【0075】ケーブル4a,4bは一定の速度で巻取ら
れるので、ケーブル4a,4bを辿る方向で、作業ロボ
ット3a,3bが逆行する。このとき、ケーブル巻取装
置6a,6bの巻取り量を検出することにより、作業ロ
ボット3a,3bが固定されているケーブル取扱装置5
a〜5jに接近したことを検知することができる。
【0076】作業ロボット3a,3bがケーブル取扱装
置5a〜5jに接近したと判断したときは、ケーブル巻
取装置6a,6bとケーブル取扱装置5a〜5jのケー
ブル巻取り動作を一旦停止し、作業ロボット3a,3b
が接近したケーブル取扱装置5a〜5eの固定を解除す
る。固定を解除されたケーブル取扱装置5a〜5eは、
ケーブル4a,4bを把持する。しかる後に、ケーブル
巻取装置6a,6bと残るケーブル取扱装置によるケー
ブル巻取りを再開し、同様の動作を繰り返して、作業ロ
ボット3a,3bを回収する。
【0077】本実施形態の移動ロボット1によれば、原
子炉圧力容器8内のジェットポンプ9、シュラウド1
0、上部格子板11、炉心支持板12等の炉内構造物1
3や主蒸気配管14内、給水配管(図示せず)内など、
一部狭隘な空間を通過して点検しなければならない目標
物に対しても、ケーブル4a,4bと炉内構造物13の
凹凸部とを干渉させることなく、作業ロボット3a,3
bを接近させることができるので、広範囲に渡って点検
等を行うことができる。
【0078】また、ケーブル4a,4bは、先頭の作業
ロボット3a,3bの移動に従って送り出されるので、
ケーブル4a,4bの長さが必要以上に余剰することが
ない。このようにケーブル4a,4bが必要かつ十分な
長さだけ繰り出されることは、ケーブル4a,4bが不
測の原因によって傷つけられる可能性を最小限にし、シ
ステムの信頼性を向上させる。
【0079】また、ケーブル4a,4bは、ケーブル取
扱装置5a〜5j間で最短に引き回されるので、ケーブ
ル4a,4bの全長に対する先頭の作業ロボット3a,
3bの移動距離を最大限に確保することができる。
【0080】また、一定の距離離れた目標物に対して、
必要最低限のケーブル4a,4bの長さを用意すれば良
いので、ケーブル4a,4b内部の電線の抵抗値、ノイ
ズの影響、流体配管の圧損を低減する効果が得られる。
【0081】さらに、本実施形態によれば、作業ロボッ
ト3a,3bの繰出しの過程で、固定したケーブル取扱
装置5a〜5jがケーブル4a,4bを送るので、作業
ロボット3a,3bがケーブル4a,4bを牽引する力
が軽減される。これによって、作業ロボット3a,3b
の推進力を有効に利用することができ、ケーブル4a,
4bの長さが長くなった場合でも、安定した推進力を得
ることができる。
【0082】また、ケーブル取扱装置5a〜5jが作業
ロボット3a,3bの推進力の一部を負担しているの
で、作業ロボット3a,3bの推進力の分散化が図られ
る。この結果、作業ロボット3a,3bの推進機等の小
型化が図られ、小型の作業ロボット3a,3bを得ら
れ、狭隘な空間に接近可能な作業ロボット3a,3bを
得ることができる。
【0083】上述したように本実施形態の移動ロボット
1によれば、固定されたケーブル取扱装置5a〜5j間
で、ケーブル4a,4bが必要十分な長さで引き回さ
れ、かつ、ケーブルの送りや巻取りに過大な引張力が発
生しないので、作業ロボット1の操作作業員は、移動経
路途中のケーブル4a,4bの状態に注意する必要がな
くなり、操作のための負担が著しく軽減しされ、作業効
率を向上させることができる。
【0084】また、先頭の作業ロボット3a,3bに不
具合が発生して航行不可能になった場合でも、ケーブル
4a,4bの絡まり等がほとんどないので、ケーブル4
a,4bを巻き取って容易に作業ロボット3a,3bと
ケーブル取扱装置5a〜5jを回収することができる。
【0085】本実施形態の移動ロボット1の第一の変形
例は、ケーブル取扱装置5a〜5jに撮影装置(図示せ
ず)を設けたものである。撮影装置は、好ましくはケー
ブル取扱装置5a〜5jがケーブル4a,4bを把持す
る部分に設けられ、ケーブル4a,4bの伸張方向に向
けて撮影アングルを固定しておく。
【0086】本変形例によれば、上記移動ロボット1の
基本的な作用・効果のほかに、撮影装置によってケーブ
ル4a,4bの状態を目視監視することができる。本変
形例の移動ロボットは、撮影装置によってケーブル取扱
装置5a〜5j間のケーブル4a,4bの状態を監視す
ることができるので、ケーブル4a,4bが構造物等に
引っ掛かった場合は、監視装置によって引っ掛かった場
所やその状態を確かめられ、対策を容易にたてることが
できる。
【0087】また、ケーブル取扱装置5a〜5j間のい
ずれかでケーブル4a,4bに弛みや過度の緊張が生じ
ている場合に、目視によって確かめられ、ケーブル4
a,4bの送り量の調整ができるようになり、システム
の信頼性が向上する。
【0088】本実施形態の移動ロボット1の第二の変形
例は、ケーブル取扱装置5a〜5jに超音波探触子、検
査用撮影装置、レーザピーニング装置等の作業装置を設
けたものである。
【0089】本変形例によれば、上記移動ロボット1の
基本的な作用・効果のほかに、各ケーブル取扱装置5a
〜5jの作業装置によって同時に多数の作業を行うこと
ができる。すなわち、本変形例の1によれば、各ケーブ
ル取扱装置5a〜5jが点検もしくは表面改質等の作業
を行う必要がある場所に停留し、作業ロボット3a,3
bと平行して点検、表面改質等の作業を行うことができ
る。
【0090】従って、点検の結果、不具合が発見された
場合でも、先頭の作業ロボット3a,3bは点検を続行
し、ケーブル取扱装置5a〜5jのいずれかが、不具合
箇所に移動し、作業ロボット3a,3bの移動に応じて
ケーブル4a,4bを送り出しながら、超音波探傷等の
詳細点検やレーザピーニング等の保全作業、補修等を連
続して行うことができる。このように点検から補修まで
の一連の作業を連続して行うことにより、作業効率を向
上させることができる。
【0091】本実施形態の移動ロボット1の第三の変形
例は、ケーブル4a,4b上に長さを示す目盛りと距離
表示を施し、ケーブル取扱装置5a〜5jに長さの目盛
りや距離表示を読みとることができる撮影装置を取り付
けたものである。前記撮影装置は、ケーブル取扱装置5
a〜5eに設ける代わりにケーブル巻取装置6a,6b
等適当な場所に設けることができる。また、先頭の作業
ロボット3a,3bに、深度計(図示せず)を登載する
こともできる。
【0092】本変形例によれば、上記移動ロボット1の
基本的な作用・効果のほかに、ケーブル4a,4bの繰
出し量から、作業ロボット3a,3bの到達距離を知る
ことができる。原子炉圧力容器8内の深い部位に作業ロ
ボット3a,3bを移動させる場合においても、ケーブ
ル4a,4bを必要以上に送り出すことなく、適正な長
さを保ちながら移動および作業することができる。ま
た、ケーブル取扱装置5a〜5jに設けた撮影装置によ
って、各ケーブル取扱装置5a〜5j間のケーブル長さ
を把握でき、ケーブル取扱装置5a〜5j間のいずれか
で生じたケーブルの引っかかりを検知することができ
る。
【0093】本実施形態の移動ロボット1の第四の変形
例は、ケーブル4a,4b上にバーコードや、所定間隔
ごとに設けた検出可能な目盛り等の長さ情報を与える表
示を施し、ケーブル取扱装置5a〜5jにCCDカメラ
等の撮像装置(図示せず)や、磁気あるいはレーザーに
よる検出器を設けたものである。
【0094】以下にこの第四変形例による移動ロボット
1の作用について説明する。原子力発電施設内などの予
め構造物の配置が設計値によって判っている環境に対し
ては、CAD等の設計値から現在の作業ロボット3a,
3bとケーブル取扱装置5a〜5jの位置と間隔を知る
ことができる。
【0095】未知の環境に対しては、先頭の作業ロボッ
ト3a,3bの移動軌跡の記録から、現在の作業ロボッ
ト3a,3bとケーブル取扱装置5a〜5jの位置と間
隔を知ることができる。
【0096】一方、各ケーブル取扱装置5a〜5j間の
ケーブル4a,4bの長さは、ケーブル取扱装置5a〜
5jの検出器が読み取った値の差によって算出すること
ができる。
【0097】これらのケーブル取扱装置5a〜5jの位
置やケーブル4a,4bの長さの情報は、制御装置7に
集められる。制御装置7内では、ケーブル取扱装置5a
〜5j間の実際の距離データと、ケーブル取扱装置5a
〜5j間のケーブル4a,4bの長さを比較し、ケーブ
ル取扱装置5a〜5jのケーブル4a,4bの送り出し
量とケーブル巻取装置6a,6bのケーブルの繰り出し
量を算出する。
【0098】ケーブル取扱装置5a〜5j間のいずれか
の区間の距離とその両端のケーブル取扱装置5a〜5e
のいずれか2つの送り量がほぼ等しい場合には、ケーブ
ル4a,4bに必要以上の張力が作用している可能性が
あるので、その区間より制御装置7に近い側の全てのケ
ーブル取扱装置5a〜5jの送り量およびケーブル巻取
装置6a,6bのケーブル繰り出し量を増やす。
【0099】また、ケーブル取扱装置5a〜5j間のい
ずれかの区間の距離に対してケーブル4a,4bの長さ
が必要以上に大きいときは、ケーブル4a,4bが余っ
ているか、どこかに引っ掛かっている可能性がある。こ
の場合は、その区間より制御装置7により近い側の全て
のケーブル取扱装置5a〜5jの送り量およびケーブル
巻取装置6a,6bの繰り出し量を減らす。仮にケーブ
ル4a,4bが引っかかっている場合には、最終的にケ
ーブル取扱装置5a〜5jの送り出し量およびケーブル
巻取装置6a,6bの繰り出し量は0になる。この場合
は、自動的にケーブル4a,4bの巻取りを停止し、こ
のときの各々のケーブル取扱装置5a〜5j間の実際の
距離とケーブル長の値の偏差の大きな区間でケーブル4
a,4bが引っかかっていると診断するができる。
【0100】上述したことから明らかなように、本変形
例によれば、本発明の第一実施形態の移動ロボット1の
基本的な作用・効果のほかに、ケーブル取扱装置5a〜
5j間のケーブル4a,4bの緊張の具合を診断・制御
することができる。ケーブル4a,4bの弛みや過度の
緊張が発生している場合は自動的に修正でき、また、引
っかかり等が発生した場合も、その発生箇所を素早く判
断できる。これにより、作業監視者は、ケーブル取扱装
置5a〜5jのケーブル4a,4bの送り出し機能の健
全性の監視および補正を容易に行うことができ、操作の
ための負担が大幅に軽減される。
【0101】次に本発明による移動ロボットの第二実施
形態について図5〜図10を用いて以下に説明する。
【0102】本実施形態の移動ロボットは、水等で満た
された配管内の点検・作業に適したものである。図5と
図6にその全体構成と、配管に進入する様子を示す。
【0103】図5に示すように、本実施形態の移動ロボ
ット21は、スクリュー推進機等の移動手段と撮影装置
等を備えた作業ロボット22と、動力や信号を伝達する
ケーブル23と、ケーブル23上に設けられた複数のケ
ーブル取扱装置24a〜24cと、ケーブル巻取装置2
5と、制御装置26とからなる。
【0104】なお、ケーブル23は、作業ロボット22
と各ケーブル取扱装置24a〜24cへ動力と情報を送
る複数本のケーブルからなる。また、ケーブル巻取装置
25は、独立に各ケーブルを巻取りあるいは繰出しする
複数のものからなる。
【0105】本実施形態の移動ロボット21は、第一実
施形態の移動ロボット1と同様に、作業ロボット22の
繰出し時には、ケーブル取扱装置24a〜24cが作業
ロボット22を追随し、配管の開口部や湾曲部等で制御
装置26に近いケーブル取扱装置24a〜24cから停
留・固定し、ケーブル23を作業ロボット22へ向かっ
て送る。これらケーブル取扱装置24a〜24cは、自
重補償の処置(図示せず)が施されており、作業ロボッ
ト22の動きを妨げないように構成されている。
【0106】図5は、原子炉圧力容器(図示せず)等の
水を張ったプール27に開口部28を有する配管29内
に、作業ロボット22が進入したところを示している。
このとき、最後方のケーブル取扱装置、すなわち制御装
置26に最も近いケーブル取扱装置24cは膨張して配
管29の開口部28に固定する。固定したケーブル取扱
装置24cは、作業ロボット22の移動速度に合わせて
ケーブル23を前方へ送る。
【0107】図6は、作業ロボット22がさらに配管2
9内を進み、2つの湾曲部29a,29bを通過したと
ころを示している。この場合、ケーブル取扱装置24b
は配管の湾曲部29aに、ケーブル取扱装置24cは配
管の湾曲部29bにそれぞれ固定して、作業ロボット2
2の動きに合わせてケーブル23を作業ロボット22へ
送る。
【0108】ケーブル取扱装置24a〜24cが膨張し
て配管29内に固定する機構を以下に説明する。
【0109】図7〜図9は、ケーブル取扱装置24a〜
24cの一例を示している。ケーブル取扱装置24a〜
24cには、ケース30内部に固定された能動クローラ
31と、それと正対する位置に押し付けばね32a〜3
2cで弾性支持された受動クローラ33と、それと90
度の方向にケーブル23の位置決めをするガイド車輪3
4a,34bが配設されている。
【0110】能動クローラ31、受動クローラ33、ガ
イド車輪34a,34bによって、ケーブル取扱装置2
4a〜24cは、ケーブル23を挟み込むように構成さ
れている。
【0111】能動クローラ31は、タイミングベルト3
5を介してモータ36に接続されている。ケース30の
外周には気室37が形成されている。
【0112】気室37は、拡開・収縮可能な弾性シート
38によって画成され、その内部に枢動可能な気室構造
部材39a〜39hを有している。気室37には給気管
40と、排気管41が連通されている。
【0113】気室構造部材39a〜39hはケース30
に対して一端が回転自由に接続されており、図8に示す
ように通常は回転ばね42a〜42hによって、ケース
30の外周に沿って折り畳まれている。気室37に給気
管40を通じて空気が供給されると、気室構造部材39
a〜39hは回転ばね42a〜42hの力に逆らって図
9に示すように枢支点を中心に放射状に拡開する。弾性
シート38は、気室構造部材39a〜39hによって押
し広げられ、気室37は膨張する。これによってケーブ
ル取扱装置24a〜24cの外径が増大し、配管29内
に固定される。
【0114】空気の供給および排気は、図7のように別
途ケーブルが直接接続される場合(図示せず)と、ケー
ブル取扱装置24a〜24cが搬送する場合とが考えら
れる。
【0115】図10は、他の構成の気室を有するケーブ
ル取扱装置24a〜24cを示している。このケーブル
取扱装置24a〜24cによれば、ケース30内にボン
ベ43を有し、電磁弁44の入出力ポート45aと入出
力ポート45bを開放し、入出力ポート45cを閉鎖す
ることによって給気を行う。排気は、電磁弁44の入出
力ポート45aと入出力ポート45cを開放し、入出力
ポート45bを閉鎖し、ポンプ46によってボンベ43
内に回収する。なお、ボンベ43に回収する代わりに、
ケース30内圧を下げておくことによって、ケース30
内に回収する場合、もしくは排気は外部に放出する場合
も考えられる(図示せず)。
【0116】気室37内の圧力を測定するため、気室3
7の内部には圧力センサ47が配設されている。なお、
気室37は、単に弾性シート38と、給排気手段とによ
って構成してもよい。
【0117】以下に本実施形態の作用についてさらに説
明する。本実施形態の作業ロボット22は、図2の第一
実施形態の点検作業ロボット作業ロボット3a,3bと
同様に推進機を正転もしくは逆転させることによって、
プール27及び配管29内を3次元運動することができ
る。
【0118】作業ロボット22が、配管29内に進入
し、開口部28もしくは屈曲点29a,29bに位置す
ると、最後方のケーブル取扱装置24a〜24cの気室
37に給気管40を介して空気が供給される。これによ
って、最後方のケーブル取扱装置24a〜24cは配管
29内で気室37が拡大し、固定される。固定状態の検
出は、ケーブル取扱装置の存在する水深と気室52内部
の圧力測定値の比較によって行う。
【0119】作業ロボット22がさらに進行する場合に
は、固定されたケーブル取扱装置24a〜24cの能動
クローラ31は、作業ロボット22の進行速度に合わせ
てケーブル23を送り出す。これによって作業ロボット
22は、配管29内を目標位置まで進み、検査や表面改
質等の作業を行う。
【0120】作業が終了すると、ケーブル巻取り装置2
5がケーブル23の巻取りを行い、作業ロボット22を
回収する。その間、ケーブル取扱装置24a〜24c
は、制御装置26側にたぐり寄せる方向にケーブル23
を送る。作業ロボット22が回帰の途中で接近したケー
ブル取扱装置24a〜24cは、ケーブル23の送りを
停止し、配管29内での固定を解除して、作業ロボット
22とともに配管29の開口部28に向かって移動す
る。
【0121】本実施形態によれば、内径が作業ロボット
22及びケーブル取扱装置24a〜24cの縮小時の外
径寸法以上の配管の内部を点検、検査、表面改質を行う
ことができる。
【0122】原子炉圧力容器内の主蒸気配管や給水配管
など、配管の内部を点検しなければならない場合、配管
の開口部や湾曲部でケーブル取扱装置24a〜24cが
固定してケーブルケーブル23を送るので、ケーブル2
3を案内して引っかかりと摩耗を防止することができ
る。
【0123】また、ケーブル23は先頭の作業ロボット
22の移動に従って送り出され、ケーブル23の長さは
必要以上に余剰することがないので、余剰のケーブル2
3が湾曲部等で摩耗することを防止でき、システムの信
頼性を向上させることができる。
【0124】また、ケーブル23は、ケーブル取扱装置
24a〜24c間で最短距離で結ばれることにより、一
定長さのケーブル23に対する作業ロボット22の移動
距離を最大限確保することができる。
【0125】さらに、目標移動距離に対して必要最低限
のケーブル23が引き回されるので、ケーブル23内部
の電線の抵抗値、ノイズの影響、流体配管の圧損を低減
する効果が得られる。
【0126】また、ケーブル取扱装置24a〜24cに
よるケーブル23を送る力が、作業ロボット22の推進
力の一部となるので、作業ロボット22の推進力を有効
に利用できる。これによって、ケーブル23の長さが長
くなった場合でも、安定した推進力を得ることができ
る。
【0127】また、ケーブル取扱装置24a〜24cの
ケーブルを送る力が作業ロボット22の推進力の一部を
負担することになるので、推進力の分散化が図られ、先
頭の作業ロボット22の推進用アクチュエータ等の小型
化が図れる。この結果、先頭の作業ロボット40の小型
化が可能になり、狭い場所での作業を可能にする。
【0128】さらに、作業ロボット22の操作作業員
は、移動経路途中のケーブル23の状態に注意する必要
がないため、作業ロボット22の操作に専念でき、負担
が大幅に軽減され、作業効率が向上する。
【0129】また、作業ロボット22に不具合が発生し
て、航行不可能になった場合でも、ケーブル23を巻き
取って順次作業ロボット22とケーブル取扱装置24a
〜24cを回収することにより、容易に回収することが
できる。
【0130】また、本実施形態によるケーブル取扱装置
24a〜24cの配管29内部での固定方法によれば、
気室37が配管29の内部で拡大し、表面全体で均等に
配管29内面と接触し、かつ、固定力は圧力センサ47
によってコントロールしているので、配管29の一部に
集中荷重がかかることなく、配管29の内面を保護する
効果が得られる。
【0131】次に、上記第二実施形態による移動ロボッ
トの第一変形例を図11および図12を用いて説明す
る。
【0132】本変形例の移動ロボット48は、図11に
示すように、推進機49と超音波探触子、撮像装置、表
面改質装置などの作業装置50を備えた作業ロボット5
1と、図示しない制御装置と、図示しないケーブル巻取
り装置と、動力及び情報を伝達するケーブル52と、ケ
ーブル52に沿って連設されたケーブル取扱装置53a
〜53cとからなる。
【0133】図12は、本変形例のケーブル取扱装置5
3a〜53cの一構成例を示している。本変形例のケー
ブル取扱装置53a〜53cは、外殻ケース54上に推
進機55a,55bを備えている。外殻ケース54は、
ベアリング56a,56bを介して内殻ケース57によ
って支持され、ケーブル52に直交する軸に関して回転
可能に構成されている。内殻ケース57に取り付けられ
たモータ58は、回転軸の先端に平歯車59a,59b
を有し、モータ58の回転によって外殻ケース54の角
度、すなわち、推進機55a,55bの推進方向を変え
ることができる。
【0134】推進機55a,55bは、モータ60a,
60bを動力として、タイミングベルト61a,61b
を介してスクリュー62a,62bを回し、推進力を得
る構造を有している。
【0135】内殻ケース57内には、一端を内殻ケース
57に取り付けたリニアガイドロッド63a〜63cに
沿って、内殻ケース57との間にばね64a〜64cと
リニアブッシュ(図示せず)を挟んで、半径方向に直動
可能な受動クローラ65が配設されている。受動クロー
ラ65は、ばね64a〜64cによって弾発的にケーブ
ル52を押し付けている。
【0136】上記受動クローラ65とケーブル52を挟
んで対向する位置に能動クローラ66が配設されてい
る。能動クローラ66は、モータ67を動力とし、タイ
ミングベルト68を介して、正逆両方向に回転し、これ
によって、ケーブル52を前後方向に送り出すことがで
きる。
【0137】なお、ケーブル取扱装置53a〜53cの
ケーブル52の出入口には、自在車69a〜69dが取
り付けられている。
【0138】以下に本変形例による移動ロボット48の
作用について説明する。
【0139】本移動ロボット48によれば、最初にケー
ブル巻取り装置(図示せず)が、作業ロボット48の移
動に合わせてケーブル52を繰り出し、ケーブル取扱装
置53a〜53cは作業ロボット51に従って移動す
る。
【0140】図10に示すように、作業ロボット51が
配管70内へ進入すると、まずケーブル取扱装置53c
が開口部70aに停留し、ケーブル52の送り出しを行
う。同様に湾曲部70b、湾曲部70cにおいて、各々
のケーブル取扱装置53b,53aが停留し、ケーブル
52の送り出しを行う。このようにして作業ロボット5
1が作業場所まで移動する。このとき、ケーブル取扱装
置53a〜53cの推進機55a,55bの推進方向
は、ケーブル52が凸状構造物から離れるように独立に
制御される。
【0141】作業が終了したら、作業ロボット51はケ
ーブル52に沿って後退する。ケーブル巻取り装置(図
示せず)は、作業ロボット51の移動に同調して、ケー
ブル52の巻取りを行う。作業ロボット51が接近した
配管湾曲部70cに停留中のケーブル取扱装置53a
は、ケーブル52の送りと停留を中止し、作業ロボット
51ととも戻る。以下同様の方法によって、進入時と逆
の過程を経て、作業ロボット51は配管70から脱出す
る。
【0142】本移動ロボット48は、上述した第二実施
形態の移動ロボット21の効果を基本的に有している。
このほかに、本移動ロボット48によれば、配管70内
部に接触することがなく、ケーブル取扱装置53a〜5
3cが停留するので、配管70に荷重をかけることがな
く、これを保護することができる。また、配管70の内
部に高度に放射化されたクラッドが付着している場合で
も、ケーブル取扱装置53a〜53cが配管70の内部
に接触しないので、移動ロボット48全体の汚染を抑え
る効果が得られる。
【0143】また、本移動ロボット48によれば、配管
70の湾曲部70b,70cの内径がケーブル取扱装置
53a〜53cの外径寸法より著しく大きい場合にも、
ケーブル取扱装置53a〜53cを接触させて固定する
必要がないので、検査・作業等を行うことができる。ま
た、配管70内径が変化するような場合でも、最小の内
径以下となるようにケーブル取扱装置53a〜53cの
外径寸法を設計すれば、対応することができるという効
果が得られる。
【0144】次に、本実施形態の移動ロボットの第2の
変形例について図13と図14を用いて以下に説明す
る。本変形例の移動ロボットは、周囲の構造物に応じ
て、種々のケーブル取扱装置を組み合わせたものであ
る。
【0145】図12は、原子炉圧力容器8内のジェット
ポンプ9、ディフューザ9aおよびライザ管9bの内部
を点検する本変形例による移動ロボット71を示してい
る。本移動ロボット71の作業ロボット72、ケーブル
73、ケーブル巻取装置74、および制御装置75は、
本発明第二実施形態の移動ロボット21と同様の構成を
有している。
【0146】ケーブル73上には、複数のケーブル取扱
装置76a〜76gが取り付けられている。これらケー
ブル取扱装置76a〜76gは、ケーブル73を挟み込
む形で取り付けられ、自重の補償がされており、ケーブ
ル取扱装置24a〜24cと同じようなケーブル73を
送り出す手段を備えている(図7参照)。
【0147】ただし、これらケーブル取扱装置76a〜
76gは、上部格子板11、炉心支持板12、シュラウ
ドサポートレグ77、ジェットポンプのディフューザ9
aおよびライザ管9b等への固定もしくは停留に最も好
適な固定手段をそれぞれ有している。すなわち、この移
動ロボット71の場合、予めケーブル取扱装置76a〜
76gと固定もしくは停留する構造物の対応づけができ
るので、ケーブル取扱装置76a〜76gは、構造物の
形状に応じて、構造物の面への吸着、張り出し、浮遊停
留といった固定手段を有している。
【0148】次に本移動ロボット71の作用について説
明する。作業ロボット72をジェットポンプ9内に進入
させるには、最初に点検対象となるジェットポンプ9に
最も近い燃料棒(図示せず)、燃料支持金具(図示せ
ず)、制御棒(図示せず)、制御棒案内管(図示せず)
を縦一列に上方に取り外す。次に、図13に示すクレー
ン15によって、作業ロボット72とケーブル取扱装置
76a〜76gを原子炉圧容器8内に吊り降ろす。
【0149】作業ロボット72とケーブル取扱装置76
a〜76gは一緒に移動し、上部格子板11通過時に最
後方のケーブル取扱装置76gが上部格子板11に固定
して、ケーブル73の送りを開始する。ケーブル取扱装
置76gには、上部格子板11に固定しやすい吸盤・磁
石等の固定手段を予め備えるようにする。
【0150】以下、図14に拡大して示すように、炉心
支持板12、シュラウドサポートレグ77、ジェットポ
ンプのディフューザ9a、ライザ管9bの出口の順に、
ケーブル取扱装置76f,76e,76d,76cを固
定し、ケーブル73の送出を先端の作業ロボット72に
向かって行う。また、作業ロボット72の動きを妨げな
いように、ケーブル巻取装置74とケーブル取扱装置7
6a〜76gは、余剰のケーブル73が送られないよう
に送り速度を調節する。
【0151】ケーブル取扱装置76a〜76fの構造物
への固定方法に関しては、その一例として、炉心支持板
12、シュラウドサポートレグ77、ジェットポンプの
ディフューザ9aの出口には、吸盤などの吸着装置によ
って固定し、ジェットポンプのライザ管9bの内部で
は、第二実施形態のケーブル取扱装置24a〜24cの
ような気室(図8参照)により固定する。
【0152】作業ロボット72の点検・作業が終了する
と、ケーブル巻取装置74によってケーブル73を巻き
取る。このケーブル巻取装置74の巻取動作と連動し
て、ケーブル取扱装置76a〜76gは逆方向にケーブ
ル73を送り、作業ロボット72を回収する。作業ロボ
ット72が回収の途中で接近したケーブル取扱装置76
a〜76gは、ケーブル73の送り動作を停止し、固定
を解除して作業ロボット72と共に進入したのと逆の方
向に移動する。以上の動作を繰り返すことによって、作
業ロボット72は、ケーブル73を辿ってスタート地点
に戻る。
【0153】本移動ロボット71によれば、原子炉圧力
容器8内のジェットポンプ9を分解することなく、シュ
ラウド、原子炉圧力容器8、ジェットポンプ9の外部表
面などの定期検査と同時に、ジェットポンプ9のディフ
ューザ9a及びライザ管ライザ管9bの内部を点検する
ことができる。
【0154】このとき、本移動ロボット71によれば、
上部格子板11、炉心支持板12、シュラウドサポート
レグ77、ディフューザ9a出口、ライザ管9b内部に
おいて、ケーブル73の引っかかりと摩耗を防止するこ
とができ、システムの信頼性を向上させることができ
る。
【0155】ケーブル73の必要最小限の長さを引き回
すことによって、ケーブル73の長さを有効に利用でき
る点、ノイズ等を軽減できる点、作業ロボット72の推
進力を軽減し、小型化できる点、操作作業員の負担が軽
減される点等は、移動ロボット21と同様である。
【0156】次に、本発明に係わる移動ロボットの第三
実施形態について図15、図16を用いて説明する。
【0157】図15および図16は、原子力発電所施設
内の機器を原子炉運転中に点検および保守作業する本実
施形態の移動ロボット80を示している。本実施形態の
移動ロボット80は、作業ロボット81と、動力と信号
を伝達するケーブル82と、制御装置83と、制御装置
83に内蔵された図示しないケーブル巻取装置と、ケー
ブル82を把持するように複数取り付けられたケーブル
取扱装置84a〜84cとからなる。
【0158】作業ロボット81は、各種作業用のアーム
85a,85bと、点検用の振動計(図示せず)と、撮
像装置86a,86b等の各種センサが登載されてい
る。また、作業ロボット81は、移動手段として駆動装
置を有する車輪87と、固定手段として車輪87を制動
する手段(図示せず)とを有している。
【0159】ケーブル取扱装置84a〜84cには、図
示しないケーブル送り手段と、駆動装置を有する車輪8
7と、車輪87を制動する固定手段(図示せず)とを有
している。
【0160】次に本実施形態の作用について以下に説明
する。図15と図16は、作業ロボット81が原子力発
電所施設内の構造物88を迂回する前後の状態を示して
いる。
【0161】まず、制御装置83から出発して直線走行
する場合には、図15に示すように先頭の作業ロボット
81に追随して、ケーブル取扱装置84a〜84cが作
業ロボット81とともに移動する。このとき、制御装置
83の内部のケーブル巻取装置は作業ロボット81の移
動速度に合わせてケーブル82を繰り出す。
【0162】次に、構造物88を迂回する場合は、作業
ロボット81が進路を変更したことを制御装置83が検
出し、その進路変更点で最後方のケーブル取扱装置84
cを停止させる。停止したケーブル取扱装置84cは、
作業ロボット81の移動速度に合わせてケーブル82を
送る。構造物88を迂回し終わったところでは、制御装
置83が、作業ロボット81が曲線走行から直線走行に
進路を変更したことを検出し、その進路変更点でその時
の最後方のケーブル取扱装置84bを停止させ、ケーブ
ル送りを行わせる。
【0163】このように、コーナリングの度にコーナリ
ングの始点と終点でケーブル取扱装置84a〜84cを
停止させ、ケーブル送りを行わせ、作業ロボット81が
目標の作業場所に到達する。
【0164】作業場所での作業が終了したら、作業ロボ
ット81は、ケーブル82を辿るように後退する。この
とき、ケーブル取扱装置84a〜84cは、作業ロボッ
ト81の後退に合わせてケーブル82を制御装置83の
ケーブル巻取装置に向かって送る。図15の状態から、
作業ロボット81とケーブル取扱装置84aが、ケーブ
ル取扱装置84bに接近すると、ケーブル取扱装置84
bは、ケーブル82の送りを停止し、作業ロボット81
とともにケーブル82を辿る方向に後退する。以下同様
にしてケーブル取扱装置84cも回収され、全部がスタ
ート地点に戻る。
【0165】本実施形態の移動ロボット80によれば、
原子力発電所施設内のCRDポンプ室(図示せず)等の
放射線線量の高い区域で、原子炉運転中に点検員に代わ
って点検、保守作業を行うことができる。これによって
点検員の被曝の機会を低減させることができる。
【0166】また、本実施形態の移動ロボット80は、
第一実施形態や第二実施形態と同様の以下の効果を有す
る。すなわち、ケーブル取扱装置84a〜84cが必要
以上の余剰のケーブル82を送り出すことがないので、
ケーブル82の引っかかりと摩耗、および余剰のケーブ
ル82による作業ロボット81の移動の妨害等を防止す
ることができ、全体としてシステムの信頼性を向上させ
ることができる。
【0167】また、ケーブル82がケーブル取扱装置8
4a〜84c間で最短距離を引き回されるので、一定の
長さのケーブル82に対して、ケーブルの長さを有効に
活用して作業ロボット81を可能な限り遠くに到達させ
ることができる。
【0168】また、所定の距離の目標点に対しては、必
要最低限の長さのケーブル82を引き回すことになるの
で、ケーブル82内部の電線の抵抗値、ノイズの影響、
流体配管の圧損を低減する効果が得られる。
【0169】また、ケーブル取扱装置84a〜84cに
よるケーブル82を送る力が、作業ロボット81の移動
のための力の一部となるので、作業ロボット81の駆動
力を有効に利用することができ、ケーブル82の長さが
長くなった場合でも、安定した駆動力を得ることができ
る。
【0170】ケーブル82が必要最小限の長さ引き回さ
れ、引っかかり等を生じないことにより、作業ロボット
81の操作作業員は、移動経路途中のケーブル82の状
態に注意する必要がないため、操作のための負担が著し
く軽減され、作業効率を向上させることができる。
【0171】また、ケーブル取扱装置84a〜84cが
作業ロボット81の駆動力の一部を負担することによ
り、作業ロボット81の駆動力の分散化が図られ、先頭
の作業ロボット81の駆動用アクチュエータの小型化を
図ることができる。この結果、先頭の作業ロボット81
の小型化が可能になり、狭い機器や構造物の間でも移動
でき、広範囲の点検対象に接近することができるように
なる。
【0172】次に、本発明に係わる移動ロボットの第四
実施形態を図17ないし図23を用いて以下に説明す
る。
【0173】図17および図18は、原子力発電所施設
内の機器を原子炉運転中に点検および保守する第四実施
形態の移動ロボット90を示している。本実施形態の移
動ロボット90は、作業ロボット91と、動力と信号を
伝達するケーブル92と、制御装置93と、制御装置9
3に内蔵された図示しないケーブル巻取装置と、形状が
変更可能な多関節の可変構造レール94と複数の走行車
95とからなるケーブル取扱装置96とからなる。
【0174】可変構造レール94は、多数の関節を有
し、各関節部分にはアクチュエータ97を備えている。
各アクチュエータ97が独立して作動することにより、
各関節の角度が変化し、全体として可変構造レール94
の形状が変化する。
【0175】図19と図20はさらに詳しい可変構造レ
ール94の構造を示している。
【0176】可変構造レール94の各関節間のリンク9
8の端部には、給電線99によって動力を供給されるア
クチュエータ97が設けられている。アクチュエータ9
7は、関節軸101と直結し、隣接するリンク98を回
転させることができるように構成されている。
【0177】各々の関節軸101間には、自重補償の作
用をするシリンダ102及び回転ピストン103が関節
軸101に回転自在に接続されている。回転ピストン1
03のハウジング104は、シリンダ102の直動方向
と同一方向に摺動できるように直動ベアリング105を
介してリンク98に支持されている。シリンダ102及
び回転ピストン103に配管106を通じて液圧もしく
は空圧を供給して一定の長さに制御することによって、
関節軸101に垂直な軸回りにモーメントが発生し、可
変構造レール94の自重による撓みを打ち消すことがで
きる。
【0178】可変構造レール94の下方には、可撓性の
樹脂製レール部材107が取り付けられている。レール
部材107には細長いガイド穴108が開けられてい
る。関節軸101の下端部は、レール部材107のガイ
ド穴108を貫通し、下端に止め具109が設けられて
おり、落下を防止している。
【0179】レール部材107は、湾曲及び可変構造レ
ール94の長手方向に多少動くことができるので、可変
構造レール94が屈曲姿勢を取った場合でも、レール部
材107はそれ自体の弾性特性によって、連続なレール
形状を保つことができる。このレール部材107に前記
走行車95が取り付けられている。
【0180】本実施形態の走行車95は、受動的な移動
手段、すなわち、自由車輪を有している。また、ケーブ
ル送り手段を有していないが、走行車95同士が接近し
たときでもケーブル92が床に接触しないように、床か
ら走行車95までの高さの2倍以下の間隔を開けてケー
ブル92を把持している。これにより、走行車95は、
作業ロボット91に牽引されてレール部材107に沿っ
て移動し、互いに接近した場合でも、ケーブル92床に
接触することを防止することができる。
【0181】以下に本実施形態の作用を説明する。本実
施形態の移動ロボット90によれば、図17に示すよう
に、最初に作業ロボット91の移動経路110が決定す
ると、アクチュエータ97が作動して移動経路110に
沿った形状に可変構造レール94が変形する。
【0182】上記の可変構造レール94の形状を変える
方法について図21〜図23を用いて以下に説明する。
最初に、目標地点の位置と周囲の構造物の配置とから作
業ロボット91の移動経路を決定する。図21に示すよ
うに、構造物111を迂回してその背後の目標地点に移
動する場合、構造物111の配置などの環境データをC
ADデータなどから取得する。次に、構造物111の凸
点などの特徴点から作業ロボット93が干渉しないだけ
の一定距離が離れた数個の点を抽出し、それらの点を4
次もしくはそれ以上の次数関数に当てはめたり、あるい
は最小自乗法などを利用して、前記抽出した複数の点を
曲線で結び、構造物111と干渉しない範囲で可変構造
レール94の曲率半径が可能な限り大きく、曲率の変化
が可能な限り小さい移動経路110を決定する。
【0183】次に、所定の時間経過後の可変構造レール
94の形状を決定する。最初に、先頭の作業ロボット9
1の各時間における目標移動位置112を移動経路11
0上に決定する。作業ロボット91の各目標移動位置1
12を、その時点における可変構造レール94の先端の
リンク98Lの先端の位置とする。次に、各時点におけ
る先端のリンク98Lの先端の位置と各リンク98a〜
98Lの長さの情報とから、移動経路110と可変構造
レール94の軌道が一致するように、順次先端のリンク
98Lから各関節軸101a〜101Lの位置を決定す
る。
【0184】例えば、図22においては、関節軸101
L,101kが、移動経路110上に位置しているが、
所定時間経過後の図23では、関節軸101h〜101
Lが移動経路110上に位置している。このようにし
て、移動経路110の目標地点まで到達するまで、各時
点におけるリンク98a〜98Lの姿勢が決定される。
【0185】可変構造レール94の制御装置93付近で
余剰するリンク(図22ではリンク98a〜98j、図
23ではリンク98a〜98g)に関しては、余剰リン
ク98のほぼ中央に位置する関節軸101(例えば図2
2においては、関節軸101k,101f、101a、
図23においては、関節軸101h,101e,101
a)のみを駆動し、その他の関節軸101(図22にお
いては、関節軸101b〜101e,101g〜101
j、図23においては、関節軸101b〜101d,1
01f,101g)を固定して、模擬的に3関節のリン
ク系を構成させる。
【0186】移動経路110上に沿ったリンク98の中
で最も制御装置93に近い関節軸101(図22では関
節軸101k、図23では関節軸101h)と、可変構
造レール94の根元の関節軸101a、余剰リンクから
選定された駆動関節軸(図22では関節軸101f、図
23では関節軸101e)から、移動経路110に沿っ
たリンク98の中で最も後方のリンク(図22ではリン
ク98k、図23ではリンク98h)の位置と姿勢か
ら、逆問題を解いて各関節軸101の関節角度を求め、
可変構造レール94の姿勢を決定する。そのときの関節
角度のデータによって、可変構造レール94を軌道に沿
って駆動する。
【0187】模擬3関節リンク系の作動領域不足(リー
チ不足)などの理由により、余剰リンク98の駆動3関
節角度の解が得られない場合には、模擬的な3関節リン
ク系の見かけ上のリンク長さ(図22では駆動関節軸1
01k〜101f,101f〜123a、図23では関
節軸101a〜101e,101e〜101h間の長
さ)が長くなるように固定関節軸101を駆動し、再
度、逆問題による関節角度を求めるルーチンを繰り返
す。
【0188】上記のようにして移動経路110の経路と
作業ロボット91の目標移動位置112が決定される
と、作業ロボット91を決定した経路に沿って移動さ
せ、その後を追随するように、走行車95を移動させ
る。
【0189】この場合、走行車95は、床面までの高さ
の2倍以下の間隔でケーブル92を把持しているので、
いかなる位置にあってもケーブル92が床面に接触する
ことがない。また、作業ロボット91の移動経路110
が作業ロボット91が構造物111に接触しないように
決定されるので、ケーブル92は構造物111に接触す
ることがない。このようにして作業ロボット91は移動
し、目標地点に到達して作業を行うことができる。
【0190】作業が終了すると、繰出し時と逆の経路に
沿って作業ロボット91が移動し、走行車95を押しな
がら、スタート地点に戻る。
【0191】本実施形態によれば、原子力発電所施設内
のCRDポンプ室(図示せず)等の放射線線量の高い区
域を原子炉運転中に点検員に代わって点検、保守作業を
行うことができるので、点検員の被曝低減の効果が得ら
れる。
【0192】このとき、走行車95が作業ロボット91
の移動に追随していくので、構造物111のコーナー部
によってケーブル92の引っかかりと摩耗が生じるのを
防止することができる。また、ケーブル92は床と接触
することもないので、ケーブル92は保護され、システ
ムの信頼性が向上する。
【0193】本実施形態によれば、走行車95が作業ロ
ボット91の移動に従ってケーブル92を搬送するの
で、ケーブル92の重さが94によって支持され、作業
ロボット91の移動負荷が低減される。これにより、作
業ロボット91が遠くに移動した場合でも、作業ロボッ
ト91の安定した走行を得ることができる。
【0194】したがって、作業ロボット91の操作作業
員は、移動経路途中のケーブル92の状態に注意する必
要がないため、作業ロボット91の操作中の負担が著し
く軽減される。
【0195】次に、本第四実施形態の第1の変形例につ
いて説明する。本変形例の移動ロボットは、第四実施形
態の作業ロボット91と、可変構造レールと走行車とか
らなるケーブル取扱装置96と、制御装置93と同様
の、作業ロボットとケーブル取扱装置と制御装置とを有
している。ただし、本変形例の走行車は、能動的に移動
するための車輪駆動装置と、ケーブルを把持してこれを
送り出す機構を有している。この走行車の車輪駆動装置
とケーブル送り手段に動力と制御信号を送るために、本
移動ロボットは、可変構造レール内にトロリ線を有して
いるか、可変構造レール内にマイクロ波によって動力と
信号を供給する装置を有しているか、あるいは走行車内
にバッテリーと無線信号を授受する機器とを有してい
る。
【0196】この第1変形例の移動ロボットによれば、
作業ロボットの移動経路が決定して可変構造レールがそ
れに沿って変形するまでは、第四実施形態の移動ロボッ
ト90と同様である。本移動ロボットでは、作業ロボッ
トの移動に従って走行車が可変構造レールに沿って能動
的に走行する。構造物や各種機器のコーナーで、作業ロ
ボットの移動経路が曲がる場合、追随している走行車の
うちで最後方の走行車が停止し、ケーブルの送り出しを
行う。この場合、ケーブル送りは、ケーブルが床面に垂
れ下がらないように制御される。
【0197】作業が終了すると、作業ロボットの繰出し
時と逆の経路を辿って作業ロボットが移動する。その作
業ロボットの回帰の途中で、作業ロボットが停止中の走
行車に接近した場合は、接近された走行車は、ケーブル
送りの動作を中止し、作業ロボットとともに戻る。以下
同様にして、すべての走行車は、作業ロボットとともに
スタート地点に戻る。
【0198】本変形例の移動ロボットは、基本的に第四
実施形態の移動ロボット90と同様の作用と効果を奏す
る。このほかに、本変形例の移動ロボットによれば、必
要最低限のケーブルのみを繰り出せば足りるという利点
を有する。すなわち、本変形例の移動ロボットでは、各
走行車間で、ケーブルは緊張しない程度に引き回され
る。これによって、ケーブルの長さが有効に活用され、
遠方まで点検することができる。また、ケーブル内部の
電線の抵抗値、ノイズの影響、流体配管の圧損を低減す
る効果が得られる。
【0199】さらに、本変形例の走行車によれば、走行
車のケーブル送り手段が、作業ロボットの駆動力の一部
となるので、ケーブルの長さが長くなった場合でも作業
ロボットの安定した走行を実現でき、作業ロボットの小
型化も可能となる。
【0200】次に、本第四実施形態の第2の変形例につ
いて説明する。本変形例の移動ロボットは、上記第1変
形例と概ね同一の構成を有している。すなわち、第四実
施形態の作業ロボット91と、可変構造レールと走行車
とからなるケーブル取扱装置96と、制御装置93と同
様の、作業ロボットとケーブル取扱装置と制御装置とを
有している。また、本変形例の走行車は、第四実施形態
の第い変形例と同様に、能動的な移動手段とケーブル送
り手段とを有している。
【0201】ただし、本変形例の移動ロボットは、無線
によって走行車に動力と信号を送る。このために、可変
構造レール内にマイクロ波によって動力と信号を供給す
る装置、あるいは走行車内にバッテリーと無線信号を授
受する機器、を有している。また、本変形例の移動ロボ
ットは、制御装置が作業ロボットの移動の途中でも、目
標地点を変更し、それに応じて可変構造レールの形状と
走行車の配置を変更することができるように制御を行
う。
【0202】本変形例によれば、第1変形例と同様に、
作業ロボットの繰出し時に走行車が能動的に作業ロボッ
トを追随し、移動経路の湾曲点など所定の位置に停留
し、ケーブル送りを行う。また、作業ロボットの回収時
には、作業ロボットが接近した走行車は、ケーブル送り
を中止し、作業ロボットとともに回帰する。したがっ
て、本変形例の移動ロボットは、第1変形例の作用・効
果を基本的に有している。
【0203】これに加えて、本変形例の移動ロボットに
よれば、作業ロボットは実時間で移動経路を決定され、
その移動経路に従って可変構造レールの形状を実時間で
変更する。また、走行車も、実時間でその配置が変更す
るので、それに合わせて移動するとともに、ケーブル送
りを行う。
【0204】このように、変形例の移動ロボットは、ケ
ーブルを機器および床面に接触させることなく、作業ロ
ボットを移動させ、作業を行うことができる。また、移
動の途中で移動経路の変更も容易なので、リアルタイム
の制御に適している。
【0205】また、走行車への信号線及び動力線は接続
しないので、送り出すケーブルは、先頭の作業ロボット
へのケーブルだけとなるので、ケーブルを送り出す機構
が簡単な構造になり、ケーブルのメンテナンスも容易に
なる。
【0206】次に、本発明の第五実施形態の移動ロボッ
トについて図24ないし図34を用いて以下に説明す
る。本実施形態の移動ロボットは、垂直や傾斜した壁面
に沿って移動し、移動経路の途中にケーブル取扱装置を
配置し、配置したケーブル取扱装置にケーブル送りを行
わせるものである。
【0207】図24と図25は、原子炉運転中に原子力
発電所施設内の機器あるいは構造物を点検および保守作
業を行うことができる本実施形態による移動ロボット1
15を示している。
【0208】本実施形態の移動ロボット115は、作業
ロボット116と、動力や信号を伝達するケーブル11
7と、図示しない制御装置と、図示しないケーブル巻取
装置と、ケーブル117上にケーブル117を把持する
ように連設された複数のケーブル取扱装置118とを有
している。
【0209】作業ロボット116は、点検・作業用の手
段として、撮影装置119や点検用の振動計(図示せ
ず)等の各種センサを搭載している。また、作業ロボッ
ト116は、壁面に着脱可能に吸着する吸着装置120
を備えた移動用の脚121と、図示しない脚駆動装置と
を有している。さらに、作業ロボット116は、ケーブ
ル取扱装置118を壁面を押し付けたり、取り外したり
するアーム122を有している。
【0210】ケーブル取扱装置118はそれぞれ、ケー
ブル送り手段(図示せず)を内蔵し、機器および構造物
の壁面に固定するための吸盤123を備えている。ま
た、このケーブル取扱装置118は、作業ロボット11
6の後尾部に搭載されるように構成されている。
【0211】以下に、本実施形態の作用を説明する。図
24に示すように、機器や構造物の稜線等のコーナー部
では、作業ロボット116は、搭載してあるケーブル取
扱装置118のうちの最後方のものをアーム122によ
って掴み、機器等の表面に押しつける。機器等の表面に
押しつけられたケーブル取扱装置116は、吸盤123
の作用で壁面に固定する。
【0212】固定されたケーブル取扱装置116は、作
業ロボット116の移動に合わせてケーブル117の送
り出しを行う。作業ロボット116は、機器や構造物の
稜線を横切る度に上記動作を繰り返しながら作業場所に
到達し、そこで作業を行う。
【0213】作業が終了した時は、作業ロボット116
は、ケーブル117を辿るように後退する。ケーブル取
扱装置117は、作業ロボット116動きに合わせてケ
ーブル117を送り戻す。作業ロボット116が回帰の
途中で、固定されているケーブル取扱装置118の一つ
に接近すると、そのケーブル取扱装置118は、ケーブ
ル117の送り戻しを停止し、アーム122によって掴
み上げられ、作業ロボット116に積み込まれる。上記
動作を繰り返して、作業ロボット116は、すべてのケ
ーブル取扱装置118を回収してスタート地点に戻る。
【0214】本実施形態の移動ロボット115によれ
ば、原子力発電所内の機器や構造物の壁面や傾斜面を移
動して点検保守作業を行うことができる。この移動ロボ
ット115によって、原子炉運転中に原子力発電所内の
機器や構造物の高所を点検・保守することにより、点検
作業員の被曝低減、及び高所作業の安全を確保すること
ができる。
【0215】本移動ロボット115によれば、機器のコ
ーナーなどの角部において、ケーブル取扱装置118を
配置してケーブル117のガイドおよび送りを行うの
で、ケーブル117の引っかかりと摩耗を防止すること
ができる。これによって、システム全体の信頼性を向上
させることができる。
【0216】また、本移動ロボット115によれば、ケ
ーブル巻取装置とケーブル取扱装置118が先頭の作業
ロボット116の移動に合わせてケーブル117を送る
ので、ケーブル117の長さは、ケーブル取扱装置11
8間で必要以上に余剰することがなく、ケーブル117
の長さを有効に活用して、遠方の目標物まで点検するこ
とができる。
【0217】また、一定の距離の目標物に対しては、必
要最低限のケーブル117の長さが目標物と制御装置間
で引き回されるので、ケーブル117内部の電線の抵抗
値、ノイズの影響、流体配管の圧損を低減する効果を得
られる。
【0218】さらに、ケーブル取扱装置118がケーブ
ル117を把持して送り出しを行っているので、ケーブ
ル117の重さが直接作業ロボット116にかかること
がない。また、ケーブル取扱装置118がケーブル11
7を送る力が、作業ロボット116の移動のための力の
一部となるので、作業ロボット116の駆動力を有効に
利用することができ、ケーブル117の長さが長くなっ
た場合でも、安定した移動を得ることができる。
【0219】また本移動ロボット115によれば、移動
経路途中のケーブル117の状態に注意する必要がない
ことにより、移動ロボット115の操作作業員の操作中
の負担が軽減され、作業効率を向上させることができ
る。
【0220】また、不具合が生じて、作業ロボット11
6の吸着力が低減して機器等の壁面から離れ、落下した
場合でも、ケーブル取扱装置118の吸着力によって、
床面に衝突するのを防止し、もしくは衝突時の破損を低
減することができる。
【0221】次に、この第五実施形態による移動ロボッ
トの一適用例について図26〜図34を用いて説明す
る。図31は本移動ロボットの全体構成を示している。
図31において、本移動ロボットの作業ロボット124
は、原子炉圧力容器8内のシュラウド10外側のアニュ
ラス部125に進入し、シュラウド10の外面、原子炉
圧力容器8の内面、ジェットポンプ9の外面の検査、表
面改質などの保全作業、ボードサンプリング、溶接など
の補修作業を行う。
【0222】上方の作業台車126には、補助ホイスト
127と作業ロボット124及びケーブル取扱装置12
8a〜128fの制御装置129が設けられている。こ
の制御装置129からケーブル130が延び、ケーブル
取扱装置128a〜128fを通って作業ロボット12
4に接続している。各ケーブル取扱装置128a〜12
8fはケーブル130を把持するようにケーブル130
上に連設されている。また、図示しないが、制御装置1
26にはケーブル130の長さを調整するケーブル巻取
装置が設けられている。
【0223】図27は、先頭の作業ロボット124を拡
大して示している。図27に示すように、先頭の作業ロ
ボット124は、先端に吸着用の吸盤131を備えた脚
132と、ケーブル取扱装置128a〜128fをシュ
ラウド10等の構造物に押し付けるケーブル取扱装置固
定用のアーム133と、先端に検査、予防保全、補修作
業を行う作業工具134を取り付けた作業用アーム13
5を備えている。なお、図27においては、作業ロボッ
ト124はケーブル取扱装置128c〜128fを搭載
している。
【0224】図28と図29は作業ロボット124の移
動手段の構成とその移動の様子を示している。図28と
図29に示すように、作業ロボット124の脚132
は、吸盤131によって、シュラウド10などの構造物
に本体を吸着させることができる。
【0225】脚132の両端部には、モータ136a〜
136dが配設されいる。作業ロボット124は、これ
らモータ136a〜136dを駆動することによって壁
面を移動することができる。また、吸盤131の歩幅及
び関節角度を変更することによって、シュラウド10な
ど吸着した壁面からの距離及び、姿勢を変更することが
できる。
【0226】作業用アーム132には、モータ137a
〜137cが各関節に配設されており、アーム先端に取
り付けられた作業工具134を走査、位置決めすること
ができる。
【0227】ケーブル取扱装置固定用アーム133に
は、モータ138a,138bが各関節に配設されてい
る。また、アーム先端には、ケーブル取扱装置128a
〜128fをシュラウド10等の構造物に押し付けるシ
リンダピストン139が配設されている。
【0228】図30と図31は、ケーブル取扱装置固定
用のアーム133の作動の様子を示している。図30に
示すように、ケーブル取扱装置固定用アーム133は、
ケーブル取扱装置128a〜128fを固定するとき
は、対象となるケーブル取扱装置128bに先端のシリ
ンダピストン139を位置決めし、ケーブル取扱装置1
28bを掴む。次に図31に示すように、ケーブル取扱
装置128bをシュラウド10上の所定の位置に移動
し、シリンダピストン139を伸展することによって、
対象となるケーブル取扱装置128bをシュラウド10
等の構造物の壁面に押し付ける。
【0229】図32と図33は、ケーブル取扱装置12
8a〜128fの固定手段を示している。ケーブル取扱
装置128a〜128fは、下部に吸盤140を備えて
いる。吸盤140は、ベアリング141を介してケース
142に回転自在に接続されている。ケース142内部
には、ケーブル130を取り囲むように回転自在に配設
された自在ローラー143a〜143cが配設されてい
る。自在ローラー143a,143bは、シャフト14
4に中通しされたリニアブッシュ145に回転軸が支持
されており、バネ146の力によって、ケーブル130
を能動ローラー147側に常に押し付けれれている。能
動ローラー147は、プーリー148とタイミングベル
ト149を介して、モータ150に接続されている。モ
ータ150は、回転することによって、その動力をプー
リー148とタイミングベルト149を介して能動ロー
ラー147に伝え、ケーブル130を送り出すように構
成されている。
【0230】次に、本適用例の作用について説明する。
図34に示すように、作業ロボット124は、作業台車
126の補助ホイスト127によって、ワイヤ151を
用いて原子炉圧力容器8とシュラウド10の間のアニュ
ラス部125に吊り下ろされる。このとき、作業ロボッ
ト124は図27に示すような姿勢をとり、ジェットポ
ンプ9間のシュラウド10の壁面に近づき、図27や図
28のように、脚132の吸盤131をシュラウド10
の上部胴に固定させる。
【0231】最初に、シュラウド10の上部胴とケーブ
ル130が接触・摩擦するのを避けるために、図30と
図31に示すように、ケーブル取扱装置固定用アーム1
33によって、ケーブル取扱装置128aをシュラウド
10の上部胴の外壁面に押し付け、吸盤140aを真空
引きすることによってこれを固定する。
【0232】ケーブル取扱装置128aを固定した後
に、作業ロボット124が移動する場合には、固定され
たケーブル取扱装置は、そのモータ150(図33参
照)を駆動し、作業ロボット124の動きに合わせてケ
ーブル130を送り出す。作業ロボット124に搭載さ
れたケーブル取扱装置128bから固定されたケーブル
取扱装置128aまでのケーブル130の長さは適正な
長さ以内となるように管理され、前記適正な長さを超え
る場合には次のケーブル取扱装置が固定される。
【0233】作業ロボット124の移動の途中で作業要
求があれば、吸盤131の間隔と脚132の角度を制御
することによって、作業工具134のシュラウド10表
面からの距離や押し付け量を制御し、その状態で作業用
アーム135を操作することによって、作業工具134
を位置決めして各種作業を行う。
【0234】シュラウド10の上部胴から中間部胴に、
作業ロボット124が移動する場合には、作業ロボット
124の前後の脚132の角度を独立に制御し、それぞ
れの吸盤131の吸着を確実にして段差部を横断する。
横断の際には、上部胴と中間部胴の段差部、すなわちシ
ュラウド10の上部胴の下端に、ケーブル取扱装置12
8bを固定する。
【0235】シュラウド10の下方に作業ロボット12
4が進入して作業を行う場合には、図26に示すよう
に、ジェットポンプ9の上方近傍、ジェットポンプ9の
ライザブレースアーム152の上方近傍、ライザブレー
スブラケット153の上方近傍、シュラウド下部リング
154の上方近傍にケーブル取扱装置128c〜128
fを順次固定して、ケーブル130の送り出しを行う。
【0236】作業ロボット124が作業場所に移動して
作業が終了したら、ケーブル130を辿るように作業ロ
ボット124は回帰する方向に移動する。この作業ロボ
ット124の動きに合わせて、ケーブル取扱装置128
a〜128fはケーブル130を送り戻す。作業ロボッ
ト124が回帰の途中に接近したケーブル取扱装置12
8a〜128fは、ケーブル130の送りの動作を停止
し、吸盤140の真空引きを停止し、シュラウド10な
どの構造物の壁面から離れる。離れたケーブル取扱装置
128a〜128fは、モータ150をケーブル130
を送り戻す方向に駆動することによって、作業ロボット
124に接続してあるケーブル130の付け根まで移動
し、モータ150の駆動を停止し、作業ロボット124
と一体となって移動する。
【0237】作業ロボット124は、以上の動作を繰り
返してケーブル取扱装置128a〜128fを回収して
シュラウド10の上部胴の上端まで移動する。そこから
作業ロボット124は、作業台車126の補助ホイスト
127によって吊り上げられる。シュラウド10の上部
胴の上端まで移動したときに、他の作業要求があれば、
作業工具134を交換して、その作業の場所に移動す
る。また、同一の作業を作業場所を変更して行う場合に
は、別のジェットポンプ9の隙間に移動し、同様の操作
を繰り返す。全ての作業が完了した場合には、作業ロボ
ット124を補助ホイスト127によって原子炉圧力容
器8の上方に引き上げられる。
【0238】本実施形態によれば、原子力発電所内の原
子炉圧力容器8内のシュラウド10の外面、原子炉圧力
容器8の内面、ジェットポンプ9の外面の検査、表面改
質などの保全作業、ボードサンプリング、溶接などの補
修作業を遠隔操作によって行うことができる。
【0239】本移動ロボットによれば、シュラウド10
の上端部、シュラウド10の上部胴の下端、ジェットポ
ンプ9の上端、ライザブレースアーム152、ライザブ
レースブラケット153、シュラウド下部リング154
などの角部あるいは段差部において、ケーブル取扱装置
128a〜128fを設置し、ケーブル送りを行うの
で、ケーブル130の引っかかりと摩耗を防止すること
ができ、システムの信頼性を向上させることができる。
【0240】ケーブル取扱装置128a〜128fは、
先頭の作業ロボット124の移動に合わせてケーブル1
30を送り出すので、ケーブル130の長さはケーブル
取扱装置128a〜128f間で必要以上に余剰するこ
とがない。これにより、ケーブル130の長さを有効に
活用して、遠方まで作業ロボット124を送って点検等
を行うことができる。
【0241】また、一定の目標移動距離に対しては、作
業ロボット124の移動経路に沿って必要最低限長さの
ケーブル130を引き回すので、ケーブル130内部の
電線の抵抗値、ノイズの影響、流体配管の圧損を低減さ
せることができる。
【0242】さらに、ケーブル取扱装置128a〜12
8fがケーブル130を把持して作業ロボット124の
動きに合わせてケーブル130を送るので、ケーブル1
30の重さが直接作業ロボット124にかかることな
く、かつ、ケーブル130を送る力が作業ロボット12
4の推進力の一部となる。これにより、作業ロボット1
24が遠方に移動してケーブル130の長さが長くなっ
た場合でも、安定した推進力を得ることができる。
【0243】また、作業ロボット124の操作作業員
は、移動経路途中のケーブル130の状態に注意する必
要がないため、作業ロボット124の操作に専念でき、
操作のための負担が著しく軽減され、作業効率を向上さ
せることができる。
【0244】また、不具合が生じて作業ロボット124
の吸着力が低減し、シュラウド10の外面からはがれ
て、落下した場合でも、ケーブル取扱装置128の吸着
力によって、作業ロボット124が原子炉圧容器8の底
部に衝突するのを防止でし、もしくは衝突時の作業ロボ
ット124の損傷を低減することができる。
【0245】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による移動ロボットは、作業ロボット繰出し時に複数の
ケーブル取扱装置を作業ロボットとともに移動させ、作
業ロボットの移動経路上の適当な場所にケーブル取扱装
置を設置し、設置したケーブル取扱装置に作業ロボット
の移動に合わせて能動的にケーブル送りを行わせるの
で、以下の種々の効果を奏する。
【0246】まず、本移動ロボットによれば、予め作業
ロボットの移動経路に沿ってケーブル取扱装置を設置す
る必要がない。すなわち、本移動ロボットは、作業ロボ
ットの移動経路に沿ってその都度ケーブル取扱装置を設
置するので、予めケーブル取扱装置を設置する必要はな
く、また、移動ロボットの移動可能な範囲を広くなり、
かつ、ケーブル取扱装置を設置する工事等の手間と費用
を省略することができる。
【0247】また、本移動ロボットによれば、設置した
ケーブル取扱装置がケーブルを把持し、かつ、作業ロボ
ットの動きに合わせて能動的にケーブルを送ることがで
きる。これにより、作業ロボットが遠方に移動してケー
ブルの長さが長くなった場合でも、ケーブルの重さがケ
ーブル取扱装置に支持され、直接先頭の作業ロボットに
かかることがない。これにより、ケーブルの重さによっ
て、作業ロボットの移動が困難になったり、壁面を移動
中の作業ロボットが壁面から落下したりすることを防止
することができる。また、ケーブル取扱装置がケーブル
を送る力が作業ロボットの移動のための力の一部となる
ので、作業ロボットが遠方に移動してケーブルの長さが
長くなった場合でも作業ロボットの移動を円滑に行うこ
とができる。また、ケーブル取扱装置が作業ロボットの
走行のための力を一部負担することにより、作業ロボッ
トの移動手段のアクチュエータを小型化でき、これによ
って、狭隘な空間に接近可能な作業ロボットを得ること
ができる。
【0248】本移動ロボットによれば、作業ロボットの
移動経路の途中の構造物の凸部や段差部等にケーブル取
扱装置を設置してケーブル送りを行うので、ケーブルと
周辺の構造物の角部等との接触を防止できる。これによ
り、ケーブルが摩擦等によって破損するのを防止でき、
ケーブルの信頼性が高い移動ロボットを得ることができ
る。
【0249】また、本移動ロボットによれば、作業ロボ
ットの移動の途中で固定されたケーブル取扱装置間で、
ケーブルの長さが周辺の構造物に接触しない程度であっ
て、過大な張力がかからない長さに制御されるので、余
剰のケーブルによって作業ロボット124の移動が妨げ
られることを防止できる。また、ケーブルの長さを有効
に活用できるので、一定の長さのケーブルに対して最大
限の作業ロボットの移動距離が確保できる。また、一定
の距離離れた目標地点に対しては、必要最小限の長さの
ケーブルをケーブル取扱装置間で引き回すことになるの
で、電線の抵抗値を必要最小にし、、相対的に低電圧出
力で伝送でき、ノイズの影響も軽減し、流体配管の圧損
を低減することができる。
【0250】また、本移動ロボットによれば、ケーブル
取扱装置間でケーブルが過不足なく引き回されるので、
移動ロボットの操作作業員もしくは監視員は、移動経路
上のケーブルの状態に注意する程度が軽減され、作業ロ
ボットの操作に専念でき、作業効率を大幅に向上させる
ことができる。
【0251】このように、本発明の移動ロボットによれ
ば、遠隔操作によって原子力発電所内等の広範囲の目標
物に対して自由に接近することができるので、原子力発
電所内等の高度に放射化された環境における作業を作業
員に代わって行うことができ、作業員の安全を確保して
種々の点検、検査、作業等を行う移動ロボットを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子炉圧力容器内の検査・作業に適用した本発
明の第一実施形態による移動ロボットの全体構成を示し
た図。
【図2】本発明の第一実施形態による移動ロボットの作
業ロボットの側面図。
【図3】本発明の第一実施形態による移動ロボットの作
業ロボットの正面図。
【図4】本発明の第一実施形態による移動ロボットの作
業ロボットの推進機の構成を示した断面図。
【図5】本発明の第二実施形態による移動ロボットの全
体構成と、この移動ロボットが配管内に進入した初期の
段階の状態を示した図。
【図6】本発明の第二実施形態による移動ロボットの全
体構成と、この移動ロボットが配管の湾曲部を曲がった
後の状態を示した図。
【図7】本発明の第二実施形態による移動ロボットのケ
ーブル取扱装置の構成を示した軸方向断面図。
【図8】本発明の第二実施形態による移動ロボットのケ
ーブル取扱装置の気室拡開前の軸に直角方向の断面図。
【図9】本発明の第二実施形態による移動ロボットのケ
ーブル取扱装置の気室拡開後の軸に直角方向の断面図。
【図10】本発明の第二実施形態による移動ロボットの
他の構成を有するケーブル取扱装置の軸方向断面図。
【図11】本発明の第二実施形態による移動ロボットの
第1変形例の全体構成と、配管内に進入後そのケーブル
取扱装置を固定させたところを示した図。
【図12】本発明の第二実施形態による移動ロボットの
第1変形例のケーブル取扱装置の構成を示した軸方向断
面図。
【図13】本発明の第二実施形態による移動ロボットの
第2変形例の全体構成と、この移動ロボットをジェット
ポンプの検査等に適用した様子を示した図。
【図14】ジェットポンプの検査等に適用した本発明の
第二実施形態による移動ロボットの第2変形例の先端部
分を拡大して示した図。
【図15】本発明の第三実施形態による移動ロボットの
作業ロボット繰出し時の直進の様子を示した斜視図。
【図16】本発明の第三実施形態による移動ロボットの
作業ロボット繰出し時の構造物を迂回した様子を示した
斜視図。
【図17】本発明の第四実施形態による移動ロボットの
作業ロボット繰出し時の直進の様子を示した斜視図。
【図18】本発明の第四実施形態による移動ロボットの
作業ロボット繰出し時の構造物を迂回した様子を示した
斜視図。
【図19】本発明の第四実施形態による移動ロボットの
可変構造レールの構造を示した軸方向断面図。
【図20】本発明の第四実施形態による移動ロボットの
可変構造レールの底面図。
【図21】本発明の第四実施形態による移動ロボットの
可変構造レールの形状を変える方法を経時的に説明した
図。
【図22】本発明の第四実施形態による移動ロボットの
可変構造レールの形状を変える方法を経時的に説明した
図。
【図23】本発明の第四実施形態による移動ロボットの
可変構造レールの形状を変える方法を経時的に説明した
図。
【図24】本発明の第五実施形態による移動ロボットの
全体の構成を示した斜視図。
【図25】本発明の第五実施形態による移動ロボットの
作業ロボットの側面図。
【図26】本発明の第五実施形態による移動ロボットの
全体構成と、原子炉圧容器の検査・作業に適用した様子
を示した図。
【図27】原子炉圧容器の検査・作業に適用した本発明
の第五実施形態による移動ロボットの作業ロボット部分
を拡大して示した斜視図。
【図28】原子炉圧容器の検査・作業に適用した本発明
の第五実施形態による移動ロボットの作業ロボット部分
を拡大して示した斜視図。
【図29】原子炉圧容器の検査・作業に適用した本発明
の第五実施形態による移動ロボットの作業ロボット部分
を拡大して示した側断面図。
【図30】原子炉圧容器の検査・作業に適用した本発明
の第五実施形態による移動ロボットのケーブル取扱装置
を固定する様子を経時的に示した側断面図。
【図31】原子炉圧容器の検査・作業に適用した本発明
の第五実施形態による移動ロボットのケーブル取扱装置
を固定する様子を経時的に示した側断面図。
【図32】本発明の第五実施形態による移動ロボットの
ケーブル取扱装置の斜視図。
【図33】本発明の第五実施形態による移動ロボットの
ケーブル取扱装置の構造を示した縦断面図。
【図34】原子炉圧容器の検査・作業のために補助ホイ
ストによって作業ロボットを吊り下ろすところの本発明
の第五実施形態による移動ロボットを示した断面図。
【図35】一定の長さのケーブルを有する従来の移動ロ
ボットを示した図。
【図36】走行レールとケーブル牽引車とケーブル貯線
装置とを有し、ケーブルを巻取りあるいは繰出す従来の
移動ロボットを全体構成を示した斜視図。
【図37】走行ロボットの走行経路周辺の構造物のコー
ナー部にケーブルガイドを予め設け、これらのケーブル
ガイドにケーブルを係合させながら走行する走行ロボッ
トを有する従来の移動ロボットを全体構成を示した図。
【符号の説明】
1 移動ロボット 2 撮影装置 3 作業ロボット 4 ケーブル 5 ケーブル取扱装置 6 ケーブル巻取装置 7 制御装置 16a 気密ケース 17 推進機 18 スクリュー 21 移動ロボット 22 作業ロボット 23 ケーブル 24 ケーブル取扱装置 25 ケーブル巻取装置 26 制御装置 30 ケース 31 能動クローラ 32 押し付けばね 33 受動クローラ 34 ガイド車輪 35 タイミングベルト 36 モータ 37 気室 38 弾性シート 39 気室構造部材 40 給気管 41 排気管 42 回転ばね 43 ボンベ 44 電磁弁 45 入出力ポート 46 ポンプ 47 圧力センサ 48 移動ロボット 49 推進機 50 作業装置 51 作業ロボット 52 ケーブル 53 ケーブル取扱装置 54 外殻ケース 55 推進機 56 ベアリング 57 内殻ケース 58 モータ 59 平歯車 60 モータ 61 タイミングベルト 62 スクリュー 63 リニアガイドロッド 64 ばね 65 受動クローラ 66 能動クローラ 67 モータ 68 タイミングベルト 69 自在車 71 移動ロボット 72 作業ロボット 73 ケーブル 74 ケーブル巻取装置 75 制御装置 76 ケーブル取扱装置 80 移動ロボット 81 作業ロボット 82 ケーブル 83 制御装置 84 ケーブル取扱装置 85 アーム 86 撮像装置 87 車輪 88 構造物 90 移動ロボット 91 作業ロボット 92 ケーブル 93 制御装置 94 可変構造レール 95 走行車 96 ケーブル取扱装置 97 アクチュエータ 98 リンク 99 給電線 101 関節軸 102 シリンダ 103 回転ピストン 104 ハウジング 105 直動ベアリング 106 配管 107 レール部材 108 ガイド穴 109 止め具 110 移動経路 111 構造物 115 移動ロボット 116 作業ロボット 117 ケーブル 118 ケーブル取扱装置 119 撮影装置 120 吸着装置 121 脚 122 アーム 123 吸盤 124 作業ロボット 126 作業台車 127 補助ホイスト 128 ケーブル取扱装置 129 制御装置 130 ケーブル 131 吸盤 132 脚 133 ケーブル取扱装置固定用のアーム 140 吸盤 141 ベアリング 142 ケース 143 自在ローラー 144 シャフト 145 リニアブッシュ 146 バネ 147 能動ローラー 148 プーリー 149 タイミングベルト 150 モータ 151 ワイヤ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動手段と、作業あるいは検査を行う手段
    を有する作業ロボットと、 動力および信号を伝達するケーブルと、 前記ケーブルを巻き取るケーブル巻取装置と、 前記ケーブル上に複数配設され、それぞれが移動手段
    と、固定手段と、ケーブル送り手段とを有する少なくと
    も一つのケーブル取扱装置と、 前記作業ロボットとケーブル巻取装置とケーブル取扱装
    置の動作を制御する制御装置と、を有することを特徴と
    する移動ロボット。
  2. 【請求項2】前記ケーブル取扱装置にケーブル監視用の
    視覚装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の移
    動ロボット。
  3. 【請求項3】前記ケーブル取扱装置に作業あるいは検査
    を行う手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    移動ロボット。
  4. 【請求項4】前記ケーブル表面に長さの目盛りと距離表
    示を施し、現在繰り出しているケーブルの長さを目視監
    視可能な視覚装置を設けたことを特徴とする請求項1に
    記載の移動ロボット。
  5. 【請求項5】前記ケーブル表面に長さの情報を与える表
    示を施し、前記ケーブル取扱装置に前記長さ情報の表示
    からケーブルの把持位置を読みとる検出器を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
  6. 【請求項6】前記作業ロボットとケーブル取扱装置の移
    動手段はスクリュー推進機からなることを特徴とする請
    求項1に記載の移動ロボット。
  7. 【請求項7】前記ケーブル取扱装置の固定手段は、前記
    ケーブル取扱装置の外殻に取り付けられた複数の枢動可
    能な気室構造部材と、前記気室構造部材の外側に設けら
    れた伸縮可能な弾性シートと、給排気手段とを有する膨
    張・収縮可能な気室からなることを特徴とする請求項6
    に記載の移動ロボット。
  8. 【請求項8】前記ケーブル取扱装置の固定手段は、前記
    ケーブル取扱装置の外殻に設けられ、伸縮可能な弾性シ
    ートによって画成された気室と、前記気室のガスを供給
    あるいは排気する手段とからなることを特徴とする請求
    項6に記載の移動ロボット。
  9. 【請求項9】前記ケーブル取扱装置の固定手段は、前記
    ケーブル取扱装置の外側に取り付けられた推進方向が可
    変な推進機からなることを特徴とする請求項6に記載の
    移動ロボット。
  10. 【請求項10】前記ケーブル取扱装置の固定手段は、前
    記作業ロボットの移動経路周辺の構造物に応じて、クラ
    ンプ手段、吸盤あるいは磁石による吸着手段、請求項7
    あるいは請求項8に記載した気室、請求項9に記載の推
    進機を組み合わせたものからなることを特徴とする請求
    項6に記載の移動ロボット。
  11. 【請求項11】前記作業ロボットとケーブル取扱装置の
    移動手段は車輪あるいはカタピラーからなり、前記ケー
    ブル取扱装置の固定手段は前記車輪あるいはカタピラー
    を制動する手段からなることを特徴とする請求項1に記
    載の移動ロボット。
  12. 【請求項12】前記作業ロボットの移動手段は車輪ある
    いはカタピラーからなり、 前記ケーブル取扱装置は、アクチュエータと多関節リン
    クによって構成された可変構造レールと、前記可変構造
    レールに沿って移動可能に設けられた少なくとも一つの
    走行車とからなることを特徴とする請求項1に記載の移
    動ロボット。
  13. 【請求項13】前記走行車は、可変構造レールを介して
    動力と制御信号を供給され、能動的に前記作業ロボット
    を追随する手段を有していることを特徴とする請求項1
    2に記載の移動ロボット。
  14. 【請求項14】前記制御装置は、目標物の位置と作業ロ
    ボットの初期位置と周辺の構造物の位置を取り込んで前
    記作業ロボットの移動経路を予め算出し、前記移動経路
    に沿った形状に前記可変構造レールを変形させた後に、
    前記作業ロボットと前記ケーブル取扱装置の走行車を移
    動させることを特徴とする請求項12または13に記載
    の移動ロボット。
  15. 【請求項15】前記制御装置は、目標物の位置と現在の
    作業ロボットの位置と周辺構造物の位置データを取り込
    んでその時点における最適な移動経路と前記ケーブル取
    扱装置の配置を計算し、計算結果と一致するように前記
    可変構造レールの変形と前記走行車の移動を制御するこ
    とを特徴とする請求項12または13に記載の移動ロボ
    ット。
  16. 【請求項16】垂直あるいは傾斜した壁面に吸着しなが
    ら移動する手段と、作業あるいは検査を行う手段とを有
    する作業ロボットと、 動力および信号を伝達するケーブルと、 前記ケーブルを巻き取るケーブル巻取装置と、 固定手段とケーブル送り手段とを有する少なくとも一つ
    のケーブル取扱装置と、 前記作業ロボットとケーブル巻取装置とケーブル取扱装
    置の動作を制御する制御装置と、からなり、 前記作業ロボットは、前記ケーブル取扱装置を搭載、運
    搬する構造の本体を有し、本体に搭載した前記ケーブル
    取扱装置を把持して壁面に押し付けて固定させるケーブ
    ル取扱装置固定用手段を有していることを特徴とする移
    動ロボット。
  17. 【請求項17】前記ケーブル巻取装置は、前記作業ロボ
    ットの位置に応じて前記ケーブルの引き回し状態を変更
    するように垂直あるいは傾斜した壁面に吸着しながら移
    動する手段を備えていることを特徴とする請求項16に
    記載の移動ロボット。
  18. 【請求項18】前記制御装置は、前記作業ロボットの繰
    り出し時には、前記ケーブル取扱装置を前記作業ロボッ
    トとともに移動させ、所定の地点で前記ケーブル巻取装
    置に最も近いケーブル取扱装置から固定させ、固定した
    ケーブル取扱装置を制御して前記ケーブルを前記作業ロ
    ボットへ向かって送らせ、 前記作業ロボットの回収時には、前記ケーブル取扱装置
    を制御して前記ケーブルを前記ケーブル巻取装置に向か
    って送らせ、前記作業ロボットが近づいたケーブル取扱
    装置から固定を解除して前記作業ロボットとともに移動
    させることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか
    に記載の移動ロボット。
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