JP3726596B2 - 遠隔点検検査システムと遠隔保修システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本特許は遠隔点検検査システムに関し、特に原子力施設などの通常人間の入ることのできない部屋の狭隘部に位置する機器の点検検査に適した遠隔点検検査システムである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平07−063740号「配管用超音波探傷装置」にあるように検査対象の配管に人間が検査装置を取り付けて配管の超音波探傷検査を遠隔で行う装置の概念は示されていた。また、特開平05−034323号「配内超音波自動探傷装置」にあるように検査対象の配管の管内から入れて配管内面から自動探傷を行う装置の概念は示されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、放射線レベルが高い場所で人間が容易に近づけない場所で、また、検査対象の配管の途中に機器やバルブなどがあり管内に検査装置を挿入して検査対象部位まで装置を挿入することもできないような場所に検査対象部位がある場合にも、安全、確実に検査対象部位の点検や検査を遠隔で行えるようにすることについては、あまり考慮されていなかった。また、配管などの遠隔保修についても考慮されていなかった。
【0004】
本発明の目的は、人間が容易に近づけない場所でかつ大きな装置でアクセスできない狭隘な場所で、また、検査対象の配管の途中に機器やバルブなどがあり管内に検査装置を挿入して検査対象部位まで装置を挿入することもできないような場所に検査対象部位がある場合にも、安全、確実に検査対象部位の点検や検査さらには保修を遠隔で行える遠隔点検検査及び保修システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段
第1の手段は、挿入場所から点検検査対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置には姿勢制御機構を介して着脱ユニットを設け、着脱ユニットを介して単一あるいは複数のセンサを有する移動式点検検査装置を装着することである。
【0006】
第2の手段
第2の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置は複数の車輪機構がリンク接続され点検検査対象部位である配管などの円筒部材を円筒部材の円周方向に把持するように巻き付く把持機構とその把持機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して把持/非把持を制御する把持制御部を有するようにすることである。
【0007】
第3の手段
第3の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置は永久磁石あるいは電磁石の吸着機構、あるいは真空吸着機構、あるいはそれらを組み合わせた吸着機構とその吸着機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して吸着/非吸着を制御駆動する吸着制御部を有するようにすることである。
【0008】
第4の手段
第4の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、点検検査対象部位の近傍に移動式点検検査装置に適合した専用軌道を設けておくことである。
【0009】
第5の手段
第5の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置は専用軌道を掴むように開閉する機構の付いた対となる車輪機構が1対あるいは複数対からなるとともに、その開閉する機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して開/閉を制御する開閉制御部を有するようにすることである。
【0010】
第6の手段
第6の手段は、挿入場所から点検検査対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介してセンサを持ったマニピュレータ機構を設けるようにすることである。
【0011】
第7の手段
第7の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検装置には回収用命綱を取付けて、万一の場合には操作部から遠隔にて把持機構を非把持に、あるいは吸着機構を非吸着に、あるいは開閉する機構を開に制御可能とした非常時回収機能を設けることである。
【0012】
第8の手段
第8の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、万一の場合には操作部から遠隔にてマニピュレータ機構にあるいはマニピュレータ機構と姿勢制御機構の両方に各動作軸を外力で動くフリーの状態にすることのできる非常時回収機能を設けることである。
【0013】
第9の手段
第9の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検装置から出ているケーブルを遠隔にて着脱可能な遠隔コネクタ部を設けて、万一の場合には操作部から遠隔にて把持機構を非把持に、あるいはは吸着機構を非吸着に、あるいは開閉する機構を開に制御可能とし、さらに移動式点検装置から出ているケーブルを遠隔コネクタ部にて外すことを可能とした非常時切離機能を設けることである。
【0014】
第10の手段
第10の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置の吸着機構の永久磁石の吸着力が命綱を引き戻す牽引力より小さくなるようにすることである。
【0015】
第11の手段
第11の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置のセンサ情報を一時的に記録する記録装置あるいは移動式点検検査装置の制御装置を移動式点検装置あるいは着脱ユニットあるいは姿勢制御機構あるいは挿入装置の先端部近くに設けることである。
【0016】
第12の手段
第12の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、点検検査を行う時に記録装置や制御装置が停止する位置の周囲に周囲環境から防護する防護部材を設置することである。
【0017】
第13の手段
第13の手段は、挿入場所から点検検査対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置には姿勢制御機構を介して、複数に分割された仮設軌道をリンク接続して、点検検査対象部位である配管などの円筒部材を円周方向に装着する仮設軌道装着機構を設け、仮設軌道には単一又は複数のセンサを有した移動式点検検査装置を装着することである。
【0018】
第14の手段
第14の手段は、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介して所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構を設けることである。
【0019】
第15の手段
第15の手段は、前記遠隔保修システムにおいて、挿入場所から保修対象部位近くまで布設しておくガイドレールは遠隔点検監視システムのものと共用可能とすることである。
【0020】
第16の手段
第16の手段は、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置を少なくとも2式以上設けることである。
【0021】
第17の手段
第17の手段は、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを2本以上布設し、各挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置をおのおの設け、各挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置を設けることである。
【0022】
第18の手段
第18の手段は、ガイドレールを配管などの長物部材の保修対象部位の正面及び左右の3箇所にガイドレールの先端部がくるように3本布設して、まず正面のガイドレールに保修対象部位を把持可能なマニピュレータ機構を設けた挿入装置を挿入して、保修対象部位の中央部を把持させ、その状態で左右のガイドレールからおのおの切断装置を持ったマニピュレータ機構を挿入して正面のマニピュレータ機構が把持している保修対象部位の両側をおのおの切断し、保修対象部位の両側を切断したらば、正面の保修対象部位を把持しているマニピュレータを保守対象部位を把持したまま戻して、次に保修対象部位と交換する正常な部品をマニピュレータ機構に持たせて正面から挿入して、所定の場所に交換部品がくるように位置と姿勢を制御して、その状態で、両側のガイドレールから交換部品を接続するための装置を設けたマニピュレータ機構をおのおの挿入して、交換部品の両側の接続が完了してから正面のマニピュレータの把持を解除してマニピュレータ機構を戻す手順にて、当該個所の保修を行う方法とすることである。
【0023】
第19の手段
第19の手段は、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを1本以上布設し、各挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置をおのおの設け、各挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置を設け、保修対象部位には少なくとも両端切断時において保修対象部位を保持するための保持機構を設けることである。
【0024】
第1手段
第1手段では、挿入場所から点検検査対象部位近くまでガイドレールを布設しておくので、挿入場所から点検検査対象部位近くまではガイドレールに沿って挿入装置は遠隔にて安全、確実に挿入される。そして、挿入装置の先端部には姿勢制御機構を介して着脱ユニット、さらに着脱ユニットを介してセンサを有する移動式点検検査装置を装着しているので、安全、確実に点検検査対象部位近くまで姿勢制御機構、着脱ユニット、移動式点検検査装置を挿入することができる。ここで、ガイドレールに沿って移動式点検検査装置が挿入されてくるとガイドレールがたとえばパイプなどの部材で構成され、その中を押込まれて挿入されてきた場合、挿入機構の途中でねじれなどが生じ、先端に来た時の移動式点検装置の向きは点検検査対象部位に対してずれた方向を向いている場合があるが、その場合にも姿勢制御機構があれば、移動式点検装置をガイドレール端部の先に位置する検査対象部位に所定の姿勢に向かい合うように制御することが可能となる。そのため検査対象部位に点検検査装置は所定の姿勢でアクセスすることが可能となる。また、点検対象部位は配管のような円筒状でその裏なども点検検査する必要のある場合がよくあるが、移動式点検検査装置が着脱ユニットで切り離せるようにしておくことにより、移動式点検検査装置は配管の裏側までに移動して点検検査対象部位を広範囲に点検検査することができるので、人が近づいて装置を装着しなくても配管の外部から遠隔で安全に検査対象部位の点検検査のできる点検検査システムを提供することが可能となる。
【0025】
第2の手段
第2の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置は複数の車輪機構がリンク接続され点検検査対象部位である配管などの円筒部材を円筒部材の円周方向に把持するように巻き付く把持機構としたことにより、配管の直径が各種まちまちであった場合にも各車輪機構のリンク接続部が配管の直径に合うように折れ曲がり、さらに把持機構が配管を把持するように各車輪機構を配管に押し付けるので、移動式点検検査装置が配管に直接巻き付き取り付くことができる。さらに、その把持機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して把持/非把持を制御するようにすることで、確実に移動式点検検査装置が配管を把持した状態になってから、着脱ユニットで挿入機構本体から移動式点検検査装置を切り離すことができるので、確実に移動式点検検査装置を配管へ乗り移らせることが可能となる。また、回収する場合にも着脱ユニットで確実に移動式点検検査装置を装着してから、移動式点検検査装置の把持機構を非把持に制御できるので、配管から移動式点検検査装置が落下するようなことなく、確実に回収することも可能となる。
【0026】
第3の手段
第3の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置は永久磁石あるいは電磁石の吸着機構、あるいは真空吸着機構、あるいはそれらを組み合わせた吸着機構を設ける。吸着機構を設けることにより、配管などの円筒状の点検検査対象部位の周方向に特別な把持機構など設けなくても取り付くことが可能となる。そして、その吸着機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して吸着/非吸着を制御駆動する吸着制御部を有するようにすることで、確実に移動式点検検査装置が配管に吸着した状態になってから、着脱ユニットで挿入機構本体から移動式点検検査装置を切り離すことができるので、確実に移動式点検検査装置を配管へ乗り移らせることが可能となる。また、回収する場合にも着脱ユニットで確実に移動式点検検査装置を装着してから、移動式点検検査装置の吸着機構を非把持に制御できるので、配管から移動式点検検査装置が落下するようなことなく、確実に回収することも可能となる。
【0027】
第4の手段
第4の手段は、前記遠隔点検検査システムにおいて、点検検査対象部位の近傍に移動式点検検査装置に適合した専用軌道を設けておくことである。配管などがステンレス製の非磁性体の場合には移動式点検検査装置に磁気吸着機構が使えないが、磁性体の専用軌道を設置しておくことにより、非磁性体の配管の点検検査も可能となる。また、移動式点検検査装置を車輪駆動式にする場合などには配管全体をリンク機構で周方向に把持するように配管に乗り移るため、リンク機構が周方向に巻きつく長さが必要となるので、長くなり移動機構そのものの寸法は大きく、重量は重くなるが、専用軌道を設けて専用軌道を把持するような車輪機構を設ければ、周方向に短い寸法の車輪機構を乗り移らせることができるので、移動式点検検査装置を小型、軽量なものにすることができる。移動式点検検査装置が小型、軽量なものとできれば、ガイドレール及びガイドレールに沿って移動式点検検査装置を挿入する挿入機構も小型、軽量化することができ、狭隘部にある点検検査対象部位近傍へもアクセス可能な点検検査システムとすることが可能となる。また、専用軌道を点検検査対象部位近傍にのみ設けて、そこまでのアクセスは別のガイドレールを設けることにより、移動式点検検査装置に適した専用軌道、挿入機構に適したガイドレールと分けて、おのおの両者の目的に最適な構造とすることができるので、それぞれの最も小型軽量化を図ることが可能となり、従って点検検査システム全体の小型軽量化が実現可能となる。
【0028】
第5の手段
第5の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置は専用軌道を掴むように開閉する機構の付いた対となる車輪機構が1対あるいは複数対からなるようにしたことにより、前述のように周方向の装置寸法の短い、すなわち小型、軽量な移動式点検検査装置とすることが可能となる。そして、その開閉する機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して開/閉を制御する開閉制御部を有するようにすることで、確実に移動式点検検査装置が専用軌道を掴んだ状態になってから、着脱ユニットで挿入機構本体から移動式点検検査装置を切り離すことができるので、確実に移動式点検検査装置を専用軌道へ乗り移らせることが可能となる。また、回収する場合にも着脱ユニットで確実に移動式点検検査装置を装着してから、移動式点検検査装置の開閉する機構を開に制御できるので、専用軌道から移動式点検検査装置が落下するようなことなく、確実に回収することも可能となる。
【0029】
第6の手段
第6の手段では、挿入場所から点検検査対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介してセンサを持ったマニピュレータ機構を設けるようにする。この手段は挿入機構の先端に移動式点検検査装置を装着しないで、配管などの点検検査対象部位の裏側を含む広範囲の点検検査を可能とする手段を提供するものである。この手段は先端にセンサをもったマニピュレータ機構を設けることによって、マニピュレータ関節の自由度アーム長を生かして配管の裏側とかガイドレール先端部から離れた部位の点検検査もマニピュレータにアームを伸ばして点検検査を行うことを可能とするものである。このとき、固定装置を挿入機構の先端部に設けることいより、マニピュレータ動作時の反力によりマニピュレータの根元がガイドレール内のガタなどにより動くことを防止して、マニピュレータ先端のセンサを所定の点検検査対象部位に位置決め制御することが容易に実現可能とすることができる。
【0030】
第7の手段
第7の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検装置には回収用命綱を取付けて、万一の場合には操作部から遠隔にて把持機構を非把持に、あるいは吸着機構を非吸着に、あるいは開閉する機構を開に制御可能とした非常時回収機能を設ける。切り離された移動式点検検査装置と挿入機構間の制御データ、センサデータの送受信を無線で行ってもよいし、有線で行ってもよいが、無線の場合にはまったくつながりがないため、万一、移動式点検検査装置が故障して動かなくなった場合には、現場から回収困難となり、検査対象部位の検査も実施不可能となってしまうが、移動式点検検査装置に回収用命綱を設けておくことにより、万一の場合にはその命綱を引っ張ることにより、ガイドレールに沿って挿入入り口まで安全、確実に回収することが可能となる。無線でなく有線とした場合には有線のケーブルを命綱と兼用させてもよいし、ケーブルに張力を期待できない場合には別に回収用命綱を設けて、同様に万一の場合には安全確実に回収できるよにするものである。操作部から遠隔にて移動式点検検査装置の把持機構を非把持に、あるいは吸着機構を非吸着に、あるいは開閉する機構を開に制御可能とした非常時回収機能を設けることによって、回収用命綱を引く場合に必要な最大牽引力を最小にすることができるので、命綱を細いワイヤなどにできるので、装置自身をよりいっそう小型、軽量なものにすることが可能となる。故障した装置の回収が可能となれば、装置を修理するとか、正常な装置をあらたに挿入することにより、点検検査対象部位の検査を継続実施することが可能となる。
【0031】
第8の手段
第8の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、万一の場合には操作部から遠隔にてマニピュレータ機構にあるいはマニピュレータ機構と姿勢制御機構の両方に各動作軸を外力で動くフリーの状態にすることのできる非常時回収機能を設けることである。各関節をフリー状態にすることにより、ガイドレールの先端の引き込み口にマニピュレータの姿勢によっては引っかかる場合もあるが、関節がフリーになっているとなじんでマニピュレータの姿勢が障害物に当たっても容易に変形して、ガイドレール内に小さな力で引き込み、挿入口まで小さな力で回収することが可能となる。
【0032】
第9の手段
第9の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検装置から出ているケーブルを遠隔にて着脱可能な遠隔コネクタ部を設けて、万一の場合には操作部から遠隔にて把持機構を非把持に、あるいは吸着機構を非吸着に、あるいは開閉する機構を開に制御可能とし、さらに移動式点検装置から出ているケーブルを遠隔コネクタ部にて外すことを可能とした非常時切離機能を設けることである。これは回収用命綱で回収しないでも、検査対象部位の検査を継続実施可能とするもうひとつの手段を提供するものである。操作部から遠隔にて故障した移動式点検検査装置の把持機構を非把持に、あるいは吸着機構を非吸着に、あるいは開閉する機構を開に制御することにより、移動式点検検査装置は配管あるいは専用軌道などから外すことができる。そして、ケーブルもこのとき遠隔コネクタにて外すことができれば、故障した移動式点検検査装置は下に落下させることができる。点検検査対象部位の下部にあらかじめ、受け台を設置しておくことにより、安全に故障した移動式点検検査装置を切り離して下へ落とすことが可能となる。この状態で挿入装置を引き抜いて元に戻せば、正常な移動式点検検査装置を取り替えて、点検検査対象部位の検査を継続実施することが実現可能となる。
【0033】
第10の手段
第10の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置の吸着機構の永久磁石の吸着力が命綱を引き戻す牽引力より小さくなるようにする。これにより、移動式点検検査装置の安定動作を行うための必要吸着力をPn(N)、磁石の吸着力をP(N)、命綱の牽引力をF(N)とした場合に、移動式点検検査装置を極力小型軽量化することにより、必要吸着力Pnを小さくなるようにし、磁石の吸着力Pが、Pn<P<Fの条件となるように設計することで、安定動作時には必要十分な吸着力が得られ、故障時には命綱で強制的に引き離すことが可能となる。これによって、操作部から遠隔にて吸着機構を非吸着に制御可能とした非常時回収機能を設けることなく、非常時の回収が可能となるので、点検検査システムを単純かつ移動式点検検査装置も小型軽量にすることが可能となる。
【0034】
第11の手段
第11の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、移動式点検検査装置のセンサ情報を一時的に記録する記録装置あるいは移動式点検検査装置の制御装置を移動式点検装置あるいは着脱ユニットあるいは姿勢制御機構あるいは挿入装置の先端部近くに設ける。本手段により、移動式点検検査装置のデータ収録制御とか移動制御そのものを挿入機構の先端部に設けた記録装置や制御装置で行うことが可能となり、操作部から当該記録装置や制御装置までの指令信号、応答信号を単純にすることができるので、双方向のデータ通信量を少なくすることができ、従って、移動式点検検査装置から挿入機構を介して操作部までのケーブルを細く、軽量なものとすることが可能となる。ゆえに、挿入機構も小型軽量なものにでき、点検検査システム全体も小型、軽量なものとすることが可能となる。
【0035】
第12の手段
第12の手段では、前記遠隔点検検査システムにおいて、点検検査を行う時に記録装置や制御装置が停止する位置の周囲に周囲環境から防護する防護部材を設置する。たとえば放射線から防護するための遮へい体を設置すれば、これにより、長い時間、挿入機構を同じ位置に停止させている点検検査の時に受ける放射線被ばくを抑えることができるので、記録装置や制御装置に寸法重量は小型軽量で高性能であるが放射線に弱い電子部品も採用することが可能となり、小型軽量、高機能な点検検査システムとすることが可能となる。
【0036】
第13の手段
第13の手段では、挿入場所から点検検査対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置には姿勢制御機構を介して、複数に分割された仮設軌道をリンク接続して、点検検査対象部位である配管などの円筒部材を円周方向に装着する仮設軌道装着機構を設け、仮設軌道には単一又は複数のセンサを有した移動式点検検査装置を装着しておく。これにより、仮設軌道は姿勢制御機構により所定の位置と姿勢に制御するので、次に仮設軌道の遠隔装着が容易になる。仮設軌道装着機構は配管を把持するように各仮設軌道を配管に押し付けて、仮設軌道を所定の位置に固定するので、仮設軌道を配管に安定に取付けることができる。そして、センサを搭載した移動式点検検査装置はあらかじめ仮設軌道に装着されているので、移動式点検検査装置を遠隔で着脱することなく、対象部位の点検検査が可能となるので、遠隔操作を安全、容易に行うことができる。
【0037】
第14の手段
第14の手段では、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介して所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構を設けるので、保修対象部位まで挿入されたマニピュレータは保修に有効なエンドエフェクタを持っているので、保修対象部位の保修を遠隔にて行うことが可能となる。
【0038】
第15の手段
第15の手段では、前記遠隔保修システムにおいて、挿入場所から保修対象部位近くまで布設しておくガイドレールは遠隔点検監視システムのものと共用可能とするので、点検検査のためのガイドレールが布設してあれば、あらためて保修のためのガイドレールを布設する必要がないので、合理的な保修システムとするっことができる。
【0039】
第16の手段
第16の手段は、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを布設し、挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置を少なくとも2式以上設ける。マニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置を少なくとも2台以上設けることにより、1台のマニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置は保修対象部位を安定に把持固定した状態でもう1台のマニピュレータ機能にて、切断とか、溶接の保修作業を行えることが可能となるので、安全、確実に所定の保修作業を行うことができる。
【0040】
第17の手段
第17の手段は、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを2本以上布設し、各挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置をおのおの設け、各挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置を設ける。これにより、少なくとも1本以上の挿入装置のマニピュレータ機構に保修対象部位を把持するエンドエフェクタを設けて、その他のマニピュレータ機構には保修対象部位を切断あるいは溶接するエンドエフェクタを設けることができるので、切断、あるいは溶接保修などを行うときに安定に保修対象部位を固定しておくことが可能となる。また、各マニピュレータのガイドレールを独立に設けることから、各エンドエフェクタをアクセスしたい個所へ一番適切な位置までガイドレールを布設しておくことができるので、各ガイドレール先端部からマニピュレータが出てからすぐ近くに対象部位があるので効率よく遠隔保修作業を可能とすることもできる。
【0041】
第18の手段
第18の手段は、前記遠隔保修システムにおいて、ガイドレールを配管などの長物部材の保修対象部位の正面及び左右の3箇所にガイドレールの先端部がくるように3本布設して、まず正面のガイドレールに保修対象部位を把持可能なマニピュレータ機構を設けた挿入装置を挿入して、保修対象部位の中央部を把持させ、その状態で左右のガイドレールからおのおの切断装置を持ったマニピュレータ機構を挿入して正面のマニピュレータ機構が把持している保修対象部位の両側をおのおの切断し、保修対象部位の両側を切断したらば、正面の保修対象部位を把持しているマニピュレータを保守対象部位を把持したまま戻して、次に保修対象部位と交換する正常な部品をマニピュレータ機構に持たせて正面から挿入して、所定の場所に交換部品がくるように位置と姿勢を制御して、その状態で、両側のガイドレールから交換部品を接続するための装置を設けたマニピュレータ機構をおのおの挿入して、交換部品の両側の接続が完了してから正面のマニピュレータの把持を解除してマニピュレータ機構を戻す手順にて、当該個所の保修を行う方法とする。真中正面のマニピュレータが対象部位を安定に把持固定している状態で、両側の切断や溶接などの接続作業を平行して行うことができ、部品の持ち替え操作などをしないで済む、安全、確実に遠隔保修が可能となる。
【0042】
第19の手段
第19の手段は、挿入場所から保修対象部位近くまでガイドレールを1本以上布設し、各挿入場所からガイドレールに沿って挿入される挿入装置をおのおの設け、各挿入装置の先端にはガイドレールに挿入装置自身を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用保修検査装置を設け、保修対象部位には両端切断時において少なくても保修対象部位を保持するための保持機構を設ける。この保修対象部位の保持機構を設けることにより、両側切断時に保修対象部位を納入するマニピュレータ機構などで保持しておく必要がなくなるので、ガイドレールの本数も少なくとも1本以上あれば十分で本数を少なくすることができる。さらに、保守対象部位の両側も保持するようにすれば、切断中や溶接中にもより安全確実に安定して保修対象部位を保持可能となる。挿入装置から必ずしも保持するための機構を挿入しなくても保修が可能となるので、保修設備を単純化、ガイドレールの本数も少なくすることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0044】
図1は本発明を適用したの基本的な一実施例のシステム構成の基本的な一例を示す。本システムの構成は検査保修対象部位5のある部屋へ貫通しているプラグ開口部2のある挿入場所から点検検査対象部位5近くまでガイドレール100を布設し、プラグ開口部2のある挿入場所からガイドレール100に沿って挿入される挿入装置200を設け、挿入装置200には姿勢制御機構300を介して着脱ユニット400を設け、着脱ユニット400を介して単一あるいは複数のセンサ600を有する移動式点検検査装置500を装着したものである。プラグ開口部2の部屋の中には別な用途なども兼ねたスペース3が確保されている。従って、本実施例ではガイドレール100はスペース3を避けた位置から点検検査対象部位5の近くまで布設されている。本事例のガイドレール100はパイプとしている。ガイドレールは途中、配管機器などの障害物4が多々ある場合にはそれを回避して布設される。挿入装置200は曲がりくねったガイドレール100の中に滑らかに挿入可能な数珠220を駆動装置240が駆動することで、挿入、引き抜きを可能としている。数珠220は先端までの挿入に十分な長さが必要であり、ドラム230に巻き取る構造としている。ドラム230の回転方向及び回転速度は駆動装置240と同期して自動的に回転するようにしておいても良いし、ドラム230の回転軸をフリーにしておき、駆動装置240の挿入、引き出し自然と追従するようにしても良いし、作業者が補助しても良い。挿入装置を使用する場合には、台車に乗った挿入装置を開口部2のところまでもってきて、まず矢印1aの方向に伸縮可能な伸縮パイプ210の縮んだ状態で回転部211で上下方向1b及び左右方向1cに回転可能な先端のパイプ212はまっすぐな状態にしておき、先端のパイプ212からを開口部2の中へ入れる。次に伸縮パイプ210を伸ばして先端のパイプ212の向きを回転部211で首振りさせて、先端パイプの先をガイドレールのパイプ100の入り口のところに向ける。点検装置500などを先端に設けた数珠220は駆動装置240の先から伸縮パイプ210、回転部211、先端のパイプ212の中を滑らかにガイドされるようにしておき、ガイドレールのパイプ100の中へ挿入可能なようにしておく。あるいは、点検装置500などは先端パイプ212近傍にはじめから位置させておき、伸縮パイプ210を伸ばすのに合わせて数珠220を挿入送り出すようにすることでも良い。次に引き続き、伸縮パイプ210、回転部211、先端パイプ212を経由してガイドレールパイプ100の中へ駆動装置240にて押し込んでいく。数珠220の先端には姿勢制御機構300を介して点検装置500が付いているので、ガイドレール先端から出たときは途中でねじれたり、ガタなどにより対象部位5に対して適切な姿勢でない可能性があるが、姿勢制御機構300で上下方向1f、回転方向1eを制御補正することができる。前後方向1dの位置は挿入装置200の挿入量で制御可能である。姿勢制御機構300には上下方向1dと直行する左右方向の調整軸を設けて、より微妙な姿勢制御ができるようにしても良い。点検装置500が対象部位5に対して所定の位置、姿勢になったらば、移動式点検装置500を着脱ユニット400にて切り離して点検対象部位5の点検検査をセンサ600で点検するものである。移動式点検検査装置500は挿入機構数珠220から切り離されるので、良好な機動性を発揮でき、点検対象部位の裏側とか、場合によっては周辺部まで広い範囲を点検検査行うことが可能となる。このとき、移動式点検検査装置への動力供給、信号伝送は有線ケーブルをコイルばね状にして少し余長を持たせておけば、移動時にも支障はない。なた、動力源としてバッテリを搭載して信号伝送を無線通信にして、ケーブルレスにて着脱ユニット400で切り離し可能としてよりいっそう機動性を良くしても良い。また、開口部2の中のスペース3を確保しないで良い場合には、ガイドレールパイプ100を開口部2近くから布設し、伸縮パイプ210、回転機構211などない構造でも良い。また、開口部2の直径が挿入パイプ212より十分大きな場合には斜めに挿入してその延長線上でスペース3の外側にガイドレールパイプ100を布設しておき、ガイドレールパイプ100をスペース3の外側に設置でき、しかも回転機構211を挿入方向を斜めとすることで、不要とすることでも良い。
【0045】
図2は前記システムの移動式点検検査装置500の基本的な一実施例の一つを示す。リンク車輪巻付方式の一例である。複数の車輪機構502a、502b、502c、502dがリンク接続され、各リンク関節には回転用のモータ503a、503b、503c、503dが設けてあり、点検検査対象部位である配管などの円筒部材5を円筒部材5の円周方向に把持するように巻き付く把持機構を構成している。各車輪機構には車輪機構502aと同様に車輪501がある。車輪機構502cには走行駆動用モータ504があり、車輪501aを回転駆動可能としている。本例では同様な走行駆動モータを車輪機構502bにも設けている。挿入機構200の数珠220a、220bは軸方向に開口部のある球面軸受などのユニバーサル継手でつながって数珠200を構成している。各数珠を球形にして、ガイドパイプ100の中を滑らせても良いが、各数珠に車輪221を設けてパイプ100の中を滑らかに移動可能とする。これによって、挿入時の抵抗が小さくなるので、駆動装置240の負荷も少なくでき、装置をよりいっそう小型軽量なものにできる。数珠の先端220aには姿勢制御機構として回転機構310、首振り回転機構320が設けてあるので、移動式点検検査装置500を先端に装着している場合には操作部から遠隔にて制御できるようになっている。また、姿勢制御機構320の先には着脱ユニット400の挿入機構側部品410が設けられており、移動式点検検査装置500にはもう片方側の着脱ユニット420が設けてあり、勘合可能な構造としている。図示では省略しているが、面取して挿入時にはめあいしやすくする。遠隔着脱にはどのような方法を用いてもかまわないが、ここでは電磁石411をユニット410の内部に組み込む方式の実施例を示した。この部分は機械式のドッキング機構でもよいし、一方がもう一方を把持する機構にしてもかまわない。移動式点検検査装置本体部500には車輪機構502bと502cが接続されているので本体部500は全体の中央部に位置する。また、本体部500には超音波センサ600と接触媒体注入用タンク610が搭載されている。超音波センサ600はばねなどで安定に検査面に押し付けられるようなものがよい。接触媒体注入用タンク610はアキュムレータでもよい。あらかじめ与圧しておき、バルブ614を遠隔制御して開閉することで、ノズル615の先端から接触媒質を検査対象面に塗布されるように注入可能としている。ノズル615の先端部形状、材質などは検査面に接触媒質が満遍なく均一に塗布できるように工夫するのがよい。超音波センサ600は検査対象配管5の軸方向のスキャンができるように機械的な軸方向の走査機構を設けてもよいし、アレイセンサを用いて電子スキャンする方式でもよい。超音波センサ600からのケーブル620は、移動式点検検査装置500が移動するときに十分な余長を持たせて挿入機構のたとえば数珠220aの側面にケーブル引き込み口を設けて、そこから中へ引き込んで、数珠220の連結部222の継手部の中央を通すことによって、数珠がガイドパイプ100の中でどのように折れ曲がって変形、移動しても邪魔にならず、またケーブル長も変わらないので、ケーブルに無理な力をかけないようにすることができる。モータ、バルブ、電磁石などからの他のケーブルも同じように操作部まで通しておく。ケーブルは複合ケーブルにして1本化を図ってもよい。
【0046】
この機構において、モータ503a、503b、503c、503dを隣り合うリンク状の車輪機構の角度が小さくなるように制御すれば配管5を把持することができ、逆に回すと開くことができる。この把持、非把持の制御は把持制御部505で行われる。また、着脱ユニットの着脱制御は、本実施例の場合、電磁石であるので、電磁石410に電流を流すか切るかの制御を着脱制御部405で行う構成としている。把持制御部505は着脱制御部405から制御状態信号を受けて所定のタイミングで同期して把持/非把持を制御する。すなわち、着脱ユニット410と420はドッキングした状態で本装置は挿入されてきて、ガイドパイプ100の先端から出ると把持制御部でリンク機構を開いて、姿勢制御機構310、320で姿勢制御して、配管5を掴むように位置と姿勢を定めて、把持制御して配管を把持する。確実に配管を把持したらば、着脱制御部405から電流を切り、着脱ユニット410と420を切り離す制御を行う。この状態で少し挿入機構を引き戻せば、検査装置本体500はよりいっそう動きやすくなる。検査装置500での検査が終了したら、もとの位置まで戻って、挿入装置を再度奥まで挿入するとともに姿勢制御で着脱ユニット410を420のところまでもって来て挿入ドッキングさせる。機械的にドッキングしたのを確認して着脱制御405の電流を流せば電磁石411が励磁して完全に装着される。この確実に装着したことを確認してから把持制御部505はリンク機構を開いて配管を非把持の状態にする。このインターロック制御を着脱制御部405と把持制御部505は互いの状態信号をやり取りしながら、適切なタイミングで乗り移り、回収が可能なようにする。確実に把持、装着したことの確認はTVカメラを設けてモニタを操作者が見て押しボタンスイッチでインターロックをとってもよいし、把持状態検出センサ、装着状態検出センサを設けて、その信号によりインターロックを組んでもよい。なお、挿入機構先端410には前方が見えるような小型TVカメラ、移動式検査装置本体500にも小型TVカメラを設けて、操作部からの遠隔操作が容易にできるようにするのがよい。
【0047】
図3は前記システムの移動式点検検査装置500の基本的な一実施例の一つを示す。吸着機構を用いた方式の一例である。吸着機構としては永久磁石あるいは電磁石の吸着機構、あるいは真空吸着機構、あるいはそれらを組み合わせた吸着機構でもよいが、ここでは実装性と制御性のよい電磁石方式の場合で実施例の説明を行う。移動式検査装置500にはモータ503a、503bを介して車輪付き臨機機構502aと502bがその両側に設けられ、モータにより開閉可能となっている。ただし、この実施例ではリンク数が少ないので配管5を包み込むように把持することはできないが、リンク数が少ない分小型なものにすることができる。車輪付きリンク502a、502bには電磁石510a、510bが設けられており、配管5が磁性体であれば、電磁石で移動式検査装置500は配管5に吸着することが可能となっている。移動式検査装置500の走行は走行用モータ504が車輪501aを駆動して、吸着した配管の周囲を移動可能となっている。その他、超音波センサ600、着脱ユニット400、挿入機構220は図2の実施例と同じであるので、ここでの説明は省略する。吸着制御部はモータ503a、503bを把持、非把持のように開閉するとともに電磁石510a、510bを励磁、非励磁することで吸着制御を行う。吸着制御部505は着脱ユニット400の着脱制御と所定のタイミングで同期して吸着/非吸着を制御駆動する。制御駆動のタイミングは図2の場合と基本的に同じインターロックであるので、ここでの説明は省略する。この場合も図1の実施例と同様に移動式検査装置500を切り離して、安全、確実に乗り移り、また回収ができる。
【0048】
図4は前記システムの移動式点検検査システムで専用軌道を設ける場合の基本的な一実施例の一つを示す。移動式点検検査装置500は磁気クローラ式吸着機構を用いた方式の一例である。挿入機構220、姿勢制御機構300、着脱ユニット400は図2の実施例と同じなので、ここでの説明は省略する。本実施例は点検対象部位の配管5の近傍に専用軌道150をサポート159にて取り付けている。この場合、移動式検査装置500は磁気クローラ520を設けたものであるので、磁性体の材料で製作することにより、磁気クローラ520は、軌道150の面に吸着可能となる。また、磁気クローラが配管5の円周方向にまっすぐ進むことができるように専用軌道150には溝151を設けておけば、移動式検査装置500の下部にガイドローラ521を溝151に滑らかにガイドさせながら、まっすぐ走行させることができる。ガイドローラ521は周方向に2個以上設けておくのがよい。また、装着時スムーズに溝151にローラ521が入るように溝及びローラは面取りしておくのがよい。磁気クローラ車500には回転アーム631aがモータ630aに付いており、その先端には回転アーム631bがモータ630bを介して付いており、スカラ型のマニピュレータを構成している。このマニピュレータによって、超音波センサ600を溶接線などの検査対象部位5aの周囲にアクセスさせ、配管5の軸方向にセンサ600をスキャンさせることを可能としている。超音波センサ600はばねで安定に押し付けられる構造になっているが、収納できるように上下1zの方向に動く電動シリンダの先端に設けてある。さらにセンサ600は回転アーム631cの先端にモータ630cを介して設けてある。モータ630cはスカラマニピュレータの姿勢に応じてセンサ600の向きを制御可能としたものである。本実施例の場合、専用軌道150をあらかじめ設けておくので、移動式検査装置500は図2の実施例のように配管5を包み込むような長さリンク機構を設けないで済むので、移動式検査装置500をより一層小型軽量化できる。本実施例ではセンサ600の軸方向スキャンを機械式に行う一例で示したが、アレイセンサを用いて、電子スキャンで軸方向の走査制御を行ってもよい。そうすることで、より一層小型軽量化可能となる。本実施例の場合も図2、図3の実施例と同じく、移動式検査装置500を先端に装着して挿入して、軌道150に磁気クローラ520が完全に吸着してから着脱ユニット410と420を切り離し、回収時も逆に着脱ユニット410と420が完全にドッキングしてから磁気クローラ520の吸着を切り離すことで、安全確実な乗り移りと回収を可能とできる。磁気クローラを電磁石式にすれば容易に磁気クローラの吸着/非吸着の制御は可能となる。
【0049】
図5は専用軌道を設ける場合のもう一つの基本的な一実施例の一つを示す。移動式点検検査装置500は軌道を把持する車輪機構を用いた方式の一例である。本実施例も挿入機構220、姿勢制御機構300、着脱ユニット400は図2の実施例を同じであるので、ここでの説明は省略する。本実施例では専用軌道150aと150bの2本をサポート159などで検査対象部位5aの両側にあらかじめ設置しておくものである。専用軌道150a、150bは6角形の断面にしたが、4角形でも5角形でもかまうものではない。移動式検査装置500は掴むように開閉する機構としてアーム532aに車輪531aが、走行用モータ534aの先に付いている車輪535aと対をなすように設けられている。モータ534aを駆動することで、アーム531aが開閉するので、軌道150aを車輪で挟みこみ把持することが可能となっている。同様な機構が軌道150bの側にも設けてある。モータ535aを矢印1iの方向へ回すと開となり、モータ533b1は矢印1jの方向に回すと閉じる制御が可能となる。両側も開閉する車輪機構は本体500に付いており、また、本体500にはボールねじとリニアガイドからなる軸方向の走査機構633に超音波センサ600を設けてあり、配管5の軸方向1y方向のスキャンができるようになっている。当然、この軸方向のスキャンはアレイセンサを用いた電子スキャンで行ってもかまわない。車輪についているモータ534a、534bにて、軌道を周方向1xの方向に本体500は移動可能となっている。本実施例の場合も着脱ユニット制御部405と車輪機構の廃兵制御部との制御タイミングは基本的に図2、図3の実施例の場合と同じである。この場合はモータ533a1、533a2、533b1、533b2を駆動して車輪の開閉制御を行うものである。本実施例でも確実に車輪が軌道を把持しれから、着脱ユニット410と420を切り離し、回収時にも着脱ユニット410と420が確実にドッキングしてから、車輪を開いて軌道から外すインターロック制御を行うものである。それによって、安全、確実に移動式検査装置500を専用軌道150に乗り移らせ、また回収することができる。
【0050】
図6は前記システムの遠隔点検監視システムで挿入機構の先端にセンサを持ったマニピュレータを装着した場合の基本的な一実施例の一つを示す。本実施例では挿入機構220は図2などの実施例と同じであるが、先端の数珠220aに固定機構750が設けられている。固定機構750は先端にガイドパイプ100内面との摩擦係数の大きなアタッチメント部材752を電動シリンダ751でガイドパイプ内面に押し付け可能となっている。このユニットをパイプ100の円周方向に複数配置して、複数セットのシリンダ751を伸ばすとパイプ100の内面でつっぱるので、挿入機構の先端部を安定に固定することが可能となる。その固定機構750の先にはマニピュレータ700が超音波センサ600を把持している。超音波センサ600はばね603で検査対象5の面に垂直方向1zの方向に安定に押し付けられるようになっている。固定機構の電動シリンダ751からのケーブルはセンサケーブル620などと同じように先端の数珠220aの横の開口部229から挿入機構の中へ引き込んでいる。マニピュレータ700は先端位置を決める回転軸自由度α1、α2、α3と先端のセンサ600を配管5の法泉方向に直角に当てられるように姿勢制御する自由度α4、α5、α6を有するものとした。これによって、センサ600を配管5の軸方向及び周方向にスキャンさせることが可能となる。もちろんアレイセンサを持って、効率よく走査制御してもよい。また、マニピュレータにさらに動作軸を持たせて障害物を回避しながら所定の場所にセンサ600をアクセスできるように冗長性を持たせてもよい。本実施例には図示していないが、遠隔操作を容易にするために雲台機構付きTVカメラやマニピュレータの先端にTVカメラを持たせて、センサ600を持ったマニピュレータの制御を走査部でモニタTVを見ながら容易にできるようにしてもよいし、初期の位置が決まったら、マニピュレータを自動運転して、自動的に必要個所の検査を行えるようにしてもよい。また、図2〜図6までの実施例共通のことであるが、センサ600は超音波センサに限るものではない。それは小型の超倍率のレンズ付きTVカメラでピンホールの有無の検査をさせても良いし、渦電流センサで配管5の表面の健全性検査をするものでもよいし、複数のセンサを組み合わせて使用してもかまうものではない。
【0051】
図7は図1の実施例において回収用命綱を設ける場合の基本的な一実施例の一つを示す。挿入機構220、着脱ユニット400、移動式点検検査装置500は基本的に図2の実施例で説明したものと同じであるので、ここでの説明は省略する。ここでは回収用命綱800を設ける一例として、着脱ユニット420の中央に先端部を取り付け、着脱ユニット410の中央から引き込んで外に出すようにして、挿入機構の各数珠にガイド部801a、801bなどを設けて、そこを通して、操作部までもう一方の端部を通しておく。途中までドラム230にいっしょに巻き付けておいてもよい。着脱ユニット410、420の中央を通したのは、命綱を引いて回収する場合、移動式検査装置本体500を中央に引き付けることができるので、ガイドパイプ100の中に引き込みやすいからであるが、必ずしも中央でなくてもよい。また、命綱800をリングガイド801で通しておくのは、移動式検査装置が移動した場合には軽い力で引き出せて、回収時に抵抗が小さくなるようにするためにしたが、ケーブル620など他のケーブルといっしょに通しても命綱800を引くことができればそれでもよい。この場合、車輪付きリンク機構が配管5を把持していると命綱800を引いて回収できないので、把持制御部505が制御できなくなった場合には非常用スイッチ999でモータ503a、503b、503c、503dの励磁電流を切ることができるようにしておくことにより、把持機構の把持力をなくすことができるので、命綱800を矢印1kの方向に引いて本体500を回収することが可能となる。もちろん専用の命綱800を設けなくてもケーブル620など本体500から出ているケーブルの全部あるいは一部を命綱と兼用して引いて回収するようにしてもよい。
【0052】
図8は図6マニピュレータを装着した場合の基本的な一実施例に故障時の回収機能を設けた場合の一実施例を示す。マニピュレータの各軸α1、α2、α3、α4、α5、α6はマニピュレータ制御部505で所定の関節角度になるように制御される。固定機構750の電動シリンダ751(4本)は固定装置制御部755で固定/固定解除の制御が行われる。この構成で万一制御不能となった場合には挿入装置の数珠を引いて戻せば、マニピュレータは先端についているので回収できるが、そのときの姿勢によっては、ガイドパイプ100の中にスムーズに入らないで引っかかる場合がある。そこで、各関節の駆動機構を電源OFFで外力で容易に動くようにしておき、マニピュレータ制御部505からの電源を切れる非常用スイッチ999を設けておくことである。モータは減速機にハーモニック減速機でなく、遊星歯車などを用いれば用意に実現可能である。この時固定機構の制御が故障して固定解除できなくなる場合も想定されるので、電動シリンダ751は励磁OFFで軽く戻るものとしておき、固定機構の制御装置755と電動シリンダ751の途中にも非常用スイッチ999で切ることができるようにしておくのがよい。これによって図6の実施例に示すような先端に多関節のマニピュレータをつけた場合でも万一故障時に回収できる安全、確実な点検検査システムとすることができる。
【0053】
図9は図2の実施例で遠隔着脱コネクタで移動式検査装置を切り離して故障時には回収可能とする方法の基本的一実施例を示す。挿入機構220、着脱ユニット410、420及び車輪リンク式の移動式点検検査装置500は図2の実施例と同じであるので、ここでの説明は省略する。ここではケーブル620やその他のケーブルを途中で着脱できるようにコネクタ810を設けた。レセプタクル810aは挿入機構側に固定されており、プラグ810bは切り離し可能となっている。たとえば、これも切り離す一方法であるが、電動シリンダ812を設けておきレバー811を動かすことで、プラグ810bをレセプタクル810aから遠隔で外せるようにした。これによって、万一、装置が故障して納入機構220を引き抜こうとしても移動式検査装置本体500がその姿勢、状態によってはガイドパイプ100の中に引き込めない場合が生じる恐れがあるが、本実施例のように非常スイッチ998で着脱ユニット400の電磁石411をOFFにして、電動シリンダ812を動作させてコネクタ810を遠隔で外すことによって、車輪付きリンク機構の把持用モータ503a、503b、503c、503dへの電源も切られ、さらに機械的なケーブルによるつながりも切り離すことができるので移動式検査装置本体500は下へ落下させることができる。検査部位5の下には受け皿を置いておくことにより、万一の場合には所定の場所に検査装置を切り離して回収することができる。本体500が切り離しできれば、挿入機構220は戻すことができるので、再度新たな移動式検査装置を装着して、再挿入して、点検対象部位の検査を継続実施することが可能となる。
【0054】
図10は吸着機構に永久磁石を用いた場合の移動式点検検査装置の基本的な一実施例の一つである。専用軌道を設けておき、磁気クローラ方式を用いた一実施例である。専用軌道は軌道150aと軌道150bの2本を設け、磁性体の材料で製作しておく。表面には塗装しておいてもかまわない。軌道は検査対象部位5aの両側にあらかじめサポート159を介して設置しておくのがよい。挿入機構220、姿勢制御機構300、着脱ユニット400は図2の実施例と基本的には同じであるのでここでの説明は省略する。移動式点検検査装置本体500は左右に磁気クローラ520a、520bを移動機構として設けている。磁気クローラ520a、520bは懸架装置ばね520Sを介して検査装置本体(車体)500を支えている。また、本体500の左右にガイドローラ521a、521bが設けてあり、軌道150a、150bの側面を滑らかにガイドして軌道上を外れないでまっすぐ配管5の周方向(矢印1xの方向)に走行可能となっている。配管5の軸方向(矢印1yの方向)へのセンサ600のスキャンは図5の実施例と同じボールねじとガイドロッドからなる機械式走査機構633を本体500の下部に設けた。当然、磁気クローラは前進と後退ができるので、本体500は配管5の半周を前進方向と後退方向に進めば配管5の検査対象部位5aの全周を検査可能である。もちろん軸方向の走査機構633の代わりにアレイセンサを用いて電子スキャン方式にしてもよい。本実施例では走査機構633は搭載するが、感度の高い単一センサを搭載して、検査性能を重視した構造としている。本実施例では磁気クローラ520a、520bに永久磁石を用いている。そのため吸着/非吸着の制御を不用にできるとともに、吸着力の強い永久磁石を採用できるので、小型軽量な磁気クローラとすることができる。ここで、磁気クローラ520a、520bを軌道150a、150bから引き離す場合には着脱ユニット410と420をドッキングさせて挿入機構220を引き戻せば引き離すことは可能である。当然挿入機構220の引き抜き力は磁気クローラ吸着力より大きくしておく必要がある。ここで、注意を要するのは回収用命綱800を設けた時に、命綱は細いワイヤなどを使用するので、万一、検査装置本体が軌道上で故障した場合に命綱で回収できるようにしておくことである。磁気クローラの位置が離れている場合には、磁気クローラの走行系にクラッチなどを設けておけば、磁気クローラの駆動モータへの電源をOFFして、クラッチを開となるようにしておけば、命綱800を引けば軌道上を回って、着脱ユニットで装着できる位置まで持ってくることは可能である。問題はこのときに姿勢制御機構310、320の回転駆動ができなくなるとか、着脱ユニット410、420がドッキングできない場合である。その場合に命綱800を引いて磁気クローラを軌道から引き離せなければならない。そのためには磁気クローラの吸着力を安定、確実に吸着することだけを考えて高吸着力にすると挿入機構では十分引き抜けるように設計できても、細い命綱で引き離すことは困難となる場合がある。そのため、本実施例のように検査装置本体500を極力小型軽量化して、必要吸着力Pn(N)をできる限り小さくなるように設計し、磁石の吸着力P(N)を適切な余裕を持たせPn<Pとなるように設計する。そして、その上で命綱の牽引力をF(N)とした場合に、Pn<P<Fとなるような命綱を選定する。これによって、命綱を必要最小限の強度のものとでき、最も細くいものが採用でき、通常の挿入、引き抜き動作に支障をきたさないように挿入機構220の内部に容易に命綱をガイドさせながら実装することが可能となる。また、磁気クローラの懸架ばね520sは着脱ユニット410と420のドッキング時に多少位置がずれていても懸架装置のばね520Sで吸収されるので、姿勢制御機構310、320にて姿勢制御を精度良く行わなくても着脱ユニットのドッキングが可能とできるので、挿入機構220の先端に小型TVカメラを設けてそのモニタ映像を見ながら操作する場合においても操作が容易になる。
【0055】
図11は移動式検査装置の制御、伝送ユニットを挿入機構に先端部に実装する場合の基本的な一実施例を示す。挿入機構220、固定機構750、マニピュレータ700などは図6の実施例と基本的に同じであるのでここでの説明は省略する。図6の実施例の場合、センサ600からのセンサ信号ケーブル620とか、その他マニピュレータ各関節のモータの動力配線ケーブル、各関節の回転角度を検出するポテンショメータなどの角度センサの信号ケーブル、超音波センサ用の接触媒質を注入するバルブの開閉駆動制御を行う制御ケーブル、固定機構750のシリンダを駆動制御するケーブル、その他小型TVカメラを搭載した場合にはその映像ケーブルや電源ケーブルも必要となり、多数のケーブルを挿入機構220の内部を通さなければならなくなる。そうすると複合ケーブルで概観上1本のケーブルにまとめたとしても太いケーブルとなり、挿入機構220やガイドパイプ100は太いものになってしまう。ガイドパイプが太くなると曲げ半径も大きくなり、狭隘部に布設することが困難となる。そこで、本実施例ではそれらのケーブルをいったん挿入機構の数珠220aの中に引き込んでそこに制御伝送ユニット910を設けている。たとえば制御伝送ユニット910で信号を多重化して光変換すれば、制御伝送ユニット910から操作部へのケーブル920は光ファイバケーブル2芯(双方向用)と電源ケーブル(2芯)を束ねた1本の複合ケーブルにすることができる。また、操作部側にマニピュレータ等の制御装置を設けても良いが、その場合には各駆動軸の制御指令情報を操作部から送り、マニピュレータ側からは関節角度情報、その他のセンサ情報などをリアルタイムで伝送しなければならない。そこで、制御伝送ユニット910の中にマイクロコンピュータを搭載して、基本的なコマンド信号でマニピュレータや、センサバルブ、固定機構などの制御を制御伝送ユニット910の中に搭載したマイクロコンピュータで一部あるいはすべて行うようにしてもよい。そうすると信号をリアルタイムに送受信しなくてもよくなるので、制御伝送ユニット910自身を小型軽量なものにすることも可能となる。当然小型TVカメラを搭載していれば、その映像信号なども多重化して伝送する必要がある。光ケーブルにすれば細く、軽くできて、挿入機構内への実装が容易となるが、同軸ケーブルを用いて多重伝送することでもかまうものではない。基本的なインターロックも制御伝送ユニット910の中に搭載したマイクロコンピュータ部で行うようにすれば、応答性が早くなり、挿入機構内部の伝送路を通さない分信頼性も向上させることが可能となる。
【0056】
図12は図11の実施例においてガイドパイプ先端部に環境防護部材として放射線遮へい体を設置した場合の一例を示す。本実施例では放射線などからの防護を考慮して鉄や鉛の遮へい体930を設置した。点検検査装置500を挿入して停止する位置は先端の所定の位置に決めることができるので、点検検査中の長い時間その場所に停止している制御伝送ユニット910を防護するように配置する。通常、超音波センサ、電磁ソレノイド、モータ、ポテンショメータなどは放射線に比較的強いが、制御伝送ユニット910を小型軽量とするために使用するマイクロコンピュータとか半導体IC部品は放射線に比較的弱い。そのため、その制御伝送ユニット910が停止する部分のみを防護すればシステム全体の連続運転可能時間をより長くすることが可能となる。環境が高温な場合には放射線遮へい体930の代わりに電子冷却ユニットとかファンあるいは外部空調設備から冷却空気をダクトで引いてきて対象部位に吹き付けるなどの局部冷却ユニットを設置してもよいし、冷却機能と遮へい機能の両方の機能を持たせたものとしてもよい。
【0057】
図13は前記システムの移動式点検検査装置500のもう一つの基本的な一実施例の一つを示す。仮設レール着脱方式の一例である。挿入機構220は図2の実施例と基本的には同じである。本実施例は挿入機構の先端にねじりと上下、左右の3軸を有する姿勢制御機構300を介してモータ503a、503bにて開閉駆動制御可能なアーム502a、502bが設けてある。両アームの先端には回転軸を介して配管5への当て物部材121a、121bの付いた2つ割の仮設軌道120a、120bが設けてあるので、アーム502a、502bを開閉制御することで、2つ割の仮設軌道120a、120bを配管5に装着したり、外したりすることが可能となっている。仮設軌道120aにはセンサ600を搭載した移動式検査装置500aが装着されており、検査装置500aは車輪501で仮説起動120a、120b上を走行可能となっている。仮設軌道120aと120bは合わさった場合に両端部は勘合するようにしておくことにより、検査装置本体500aは両方の軌道120aと120bを乗り移り可能となる。本実施例の場合、仮設軌道の直径は複数のリンク機構を設けて可変にはしていないので、検査対象配管5のサイズによって、あらかじめ適用可能なサイズの仮設軌道を装着して、挿入機構から挿入することになる。台車500aは操作部900の移動台車制御部500bにより、前進、後退、停止の制御が行われる。また、仮設軌道の装着は仮設軌道装着制御部125がモータ503a、503bを制御して、アーム502a、502bを開閉駆動することにより行われる。本実施例の場合には着脱ユニットを不要にできるので、万一着脱ユニットのドッキングができなくなり、回収不可能となる心配はない。従って、図7の実施例のように回収用命綱を設けておく必要もない。
【0058】
図14は本発明を適用した遠隔保修システムの基本的な一実施例のシステム構成の基本的な一例を示す。本システムの構成は挿入機構などは基本的に図1の実施例の構成と同じであるので、ここでの説明は省略する。本実施例は挿入機構220の先端には固定機構750を介して補修用エンドエフェクタ790を持たせたマニピュレータ700を設けた構成である。本システム構成により、エンドエフェクタ790を持ったマニピュレータ700を保修対象部位5の近くまで挿入アクセスして、対象部位の保修を可能とするものである。挿入方向(矢印1d)の位置決めは挿入機構220の挿入量を制御することで行うことが可能である。
【0059】
図15は前記システムの保修用エンドエフェクタを持ったマニピュレータの基本的な一実施例を示す。挿入機構220、固定機構750、マニピュレータ700は基本的には図11の実施例と同じであるのでここでの説明は省略する。本実施例ではマニピュレータ700の先端に保修用のエンドエフェクタ790を装着している。エンドエフェクタとしては切断用としてはプラズマトーチとかレーザ切断トーチである。この場合のケーブル792は電源供給ケーブルとか動作ガスの供給ホースをまとめたものとなる。溶接保修する場合には溶接トーチを持たせることとなる。もちろん挿入機構220の先端やマニピュレータ700の先端に小型TVカメラを取り付けて遠隔での保修作業がモニタTVを見ながら安全円滑に行えるようにする。もちろん切断した面については次に溶接接合する場合にはそれが可能となるように開先加工する専用のエンドエフェクタをトーチと交換装着して挿入するものである。また、溶接などを行った後には図1〜図13に示すような点検検査装置を挿入して溶接保修した個所の健全性を確認することも可能である。このような保修エンドエフェクタとマニピュレータを挿入できれば、点検検査で異常が発見された場合にも保修して設備を再度継続使用可能にすることができる。また、溶接を行う場合に不活性ガスで周囲を満たす場合にはあらかじめ保修対象部位(溶接を行う可能性のある場所)に隔離用ケースを設けておき、不活性ガスをそのケースの中に注入しながら溶接をするようにしても良いし、エンドエフェクタである溶接トーチ周辺に小型フードを設けてその中に不活性ガスを吹き込むようにする。不活性ガスを吹き込むホースは挿入機構内を通しても良いし、あらかじめ部屋の中に供給ラインを設けておいてもよい。あるいは部屋全体を不活性ガスで充満させて溶接を行うようにしても良い。
【0060】
図16は図14の遠隔保修システムにおいて、挿入機構の先端にエンドエフェクタを装着したマニピュレータを2本取り付けた場合の遠隔保修装置の基本的な一実施例である。納入機構220、固定機構750は基本的に図11の実施例と同じなのでここでの説明は省略する。本実施例では固定機構750のベースに間にエンドエフェクタ790aを装着したマニピュレータ700aとエンドエフェクタ790bを装着したマニピュレータ700bが取り付けてある。エンドエフェクタ790aは切断トーチとか溶接トーチである。エンドエフェクタ790bは把持機構になっているので、マニピュレータ700aが切断作業や溶接作業を行うときに保修対象の配管5を把持して安定に固定することができる。また、配管5の異常個所を交換する場合には、異常個所の両側を切断したときや新しい交換部品を持ってきて両側をまだ接合していないときは、交換部分の配管を所定の場所に保持しなければならないので、そのための把持機構790bを装着したマニピュレータ700bに相当するものは少なくとも1本以上必要なものとなる。本実施例ではガイドパイプ100は1本でよい。
【0061】
図17は図14の遠隔保修システムにおいて、ガイドパイプ100をあらかじめ3本布設しておく場合の基本的な一実施例である。ガイドパイプ100a、100b、100cをおのおの保修対象部位の適した場所まで布設しておく。配管5の接合部5aに亀裂5bが発生して保修が必要となった場合の状況を示している。中央のパイプ100bは保修対象部位5の正面に布設しておき、挿入したマニピュレータ700bの先端には把持機構のエンドエフェクタ790bが装着されているので、はじめに挿入して交換部分を把持して引き抜くまで把持させておくことが可能である。両側のガイドパイプ100a、100cはその両側に布設して、そこから切断トーチ790a、790cを装着したマニピュレータ700a、700cを挿入して両側の切断を同時に効率よく実施することが可能となる。このようにガイドパイプを複数布設すれば、それぞれその場所に必要な専用のエンドエフェクタを装着したマニピュレータを挿入できるので、エンドエフェクタを付け替えるためにマニピュレータを引き出して、再挿入を何度も繰り返さないで済み効率よく遠隔保修作業が可能となる。
【0062】
図18は図17のように3本のガイドパイプを布設した場合も効率的な保修手順の一実施例を示したものである。まず、処理1001では図17に示すガイドレール100bにハンド790bを装着したマニピュレータ700bを挿入して、保修対象部5を把持させる。次に処理1002ではガイドレール100aと100cに切断装置790a及び切断装置790cを装着したマニピュレータ700a及び700cを挿入して保修対象部5の両端を切断する。切断中はハンド790bが保修対象部5を安定に把持している。次に、両端部の切断切り離しができたらば、処理1003にてガイドレール100bに挿入しているハンド790bを保修部5を把持したまま挿入装置を引き抜いて戻す。これによって、保修部5は部屋の外まで引き出すことが可能となる。次に処理1004ではガイドレール100aと100cに開先加工機790aをと790cを装着して挿入して、切断した保修部端面の開先などの加工を行う。この状態の時には保修部5とマニピュレータ700bは引き抜いた状態になっているので、実際の位置関係によってはガイドレール100bから開先加工機790bを挿入して両側の端面加工を行ってもよい。次に処理1005ではガイドレール100bに保修部5の交換部品をハンド790bに把持させてマニピュレータ700bを挿入し、交換部品を所定の位置、姿勢に設定する。このときにガイドレール100aと100cには補助ハンドを挿入して、保修部5の位置と姿勢を決めるときに保修部5の両側の既存の配管部との位置合わせが重要となるので、たとえば補助ハンドで保修部5の配管と相手側の配管をいっしょに把持して、そのとき矯正させられる方向、姿勢にマニピュレータ700bは従動するような制御を行い、交換部材5の中心軸が、両側の配管と合うように一決めするようにするのがよい。このときの補助ハンドは配管の外形に合わせた反割の筒状の治具にしてもよい。保修部5の両端のギャップの調整は中心軸があった状態でマニピュレータ700bで保修部5を左右軸方向に動かすことでマニピュレータ先端の左右の移動量が両側のギャップの合計となるので、片側のギャップがその1/2の寸法になるようにマニピュレータの位置決め制御を行い、保修部5を所定の位置に精度良くあわせることができる。次に処理1006ではガイドレール100aと100cに溶接装置790a及び溶接装置790cを装着したマニピュレータ700a及び700cを挿入して、交換部品の両端を接合する。保修する部材によっては接着材を塗布して接合してもよいし、機械式圧着機構を挿入して締め付けることで配管を接続してもそれはそれでかまうものではない。次に保修部5が接続されればマニピュレータ700bは把持不要となるので、処理1007ではマニピュレータ700bを戻す作業を行うものである。次に溶接した場合には溶接部の健全性を検査する必要があるので、処理1008にようにガイドレール100aと100cに溶接部検査装置790a及び790cを装着したマニピュレータ700a及び700cを挿入して、接合した部分の健全性を確認する。保修部位5とガイドレールの位置関係によっては、ガイドレール100bへ溶接部検査装置790bを挿入して両側の溶接部検査を行うこととしてもよい。溶接部検査は表面探傷検査でもよいし、図1〜図13の実施例で示したような超音波探傷でもよい。溶接部の健全性が確認されたらば保修は終了で処理1009にてすべてのマニピュレータを引き上げて戻すことで、保修作業は完了する。万一、溶接部の検査で異常部が見つかった場合には再度機械加工装置や溶接トーチを装着したマニピュレータを挿入して異常部分の保修溶接を行うこととなる。以上の手順によれば、ガイドレール100は3本必要であるが、おのおの適した場所に適したエンドエフェクタを装着して作業ができるので、挿入装置による引出し、再挿入の回数を最小限にした効率のよい遠隔保修作業を可能となる。なお、図17は概念を示しているので厳密ではないが、実際には保修部を把持しているマニピュレータ700bがガイドレール100b内へ戻ったとき両端が切断された保修部5がガイドレール100b内へ入る寸法関係にガイドレールの内径などを決めることは必要である。
【0063】
また、ガイドレール100の本数を多く布設するのは工事が大変となり、また、狭隘な場所では布設するスペースが得られない場合もある。その場合には2本布設することでも3本の場合よりは効率が低下するが、遠隔保修作業は実施可能である。この場合には1本のマニピュレータのハンドで把持して、もう一方のマニピュレータで切断したのち反対側を切断する場合には、まず切断用マニピュレータを一度戻して、ハンドを装着して再挿入して、先に保修部を把持しているハンドと持ち替えて、はじめに挿入していたハンドを戻して切断装置を装着して再挿入してから反対側の切断を行う手順とできる。接合する場合も同様に2本のマニピュレータにハンドを装着して、部品を持ち替えるステップを設けることとなる。1本のマニピュレータの長さが十分長く、保修部の両端に1箇所のガイドレールの出口から届く場合には、ハンドとハンドでも持ち替えは不用にできる。なお、ガイドレールを2本、3本布設する場合、太い配管1本に内部に仕切りを入れて機能上2本分、3本分のガイドができるようにしてもよいし、施工上1本の太い配管の中に細い配管を2本あるいは3本など複数本入れて、見かけ上1本の配管の施工で2本や3本の配管に相当するようにしてもよい。
【0064】
図19は1本のガイドレールで遠隔保修を実現可能とするための保修対象部位の保持機構の基本的な一実施例の一つを示す。ガイドレールを複数本設置するスペースがない狭隘な場所では挿入引き出し回数が多少多くなってもガイドレールの本数を1本にするほうが優先な場合もある。ガイドレールを1本とした場合は図16のようにどうしても両端を切断したときに保修部を把持するハンドが必要となるが、本実施例ではそれを不用とする保持機構の一例を示すものである。これが実施できればマニピュレータも1本で済むので、ガイドレールも図16に示す実施例の場合より細いものにでき、狭隘な場所によりいっそう適用しやすくなるものである。図19の保修部5は接合面5aに亀裂5bが生じており、その両端の5A1と5B1の位置で切断して交換しなければならない場合を示している。配管部5Aは配管サポート6a1にUボルト6a2とナット6a3にて固定されている。反対側の配管5Bもサポート6b1にUボルト6b2とナット6b3で固定されている。ここで、切断あるいは交換後の接続個所5A1と5B1を切断あるいは接合している間に保修部5が保持されていれば、1本のマニピュレータ、1本のガイドレールでの保修が可能となる。本実施例の保持機構はあらかじめ部品5の両端で切断、接合個所5A1、5B1の内側の位置に挿入ピン7a1、7b1を止め金具7a2、7b2で固定している。挿入ピン7a1、7b1は挿入穴のあいたサポートロッド7a3、7b3に挿入され保持される。本構造であれば、交換部品5を挿入する前に挿入ピン7a1、7b1をあらかじめ付けておけば、保修部5を引き抜いて取り出したあと、挿入ピン付き交換部品を挿入できるので、再度、サポートロッド7a3、7b3にピンを挿入して保持させることが容易に実現可能となる。ピンとロッドには挿入しやすいように面取りしておくのは当然であるが、挿入蒔に固定されるように挿入ピンにふくらみを設けておいてもよいし、別途、抜け止めピンを横から挿入して、抜け止めピンを抜かないと挿入ピンが抜けない構造としてもよい。
【0065】
図20は前記保持機構の別な構造の基本的な一実施例の一つを示す。本実施例では配管5をサポート7a10で支持するが、抜け落ちないように上部保持金具7a11を蝶番7a12で回転可能としておき、容易にかぶせられるようにしている。さらに上部保持金具が容易に開かないようにサポート7a10に取り付けたフック7a16のピン7a17が蝶番7a15を介して取り付けた取っ手7a13の穴7a14にはまる構造にした例である。本実施例のような保持機構とすれば1本のマニピュレータで容易に取っ手7a13を把持して、上部保持金具7a11の開閉、ロックが容易に行うことが可能である。図20の保持機構も図19のサポートロッド7a3、7b3位置に設けることによって、1本のマニピュレータで遠隔保修を容易に実現することが可能となる。
【0066】
また、本実施例のピン付き金具7a1、7b1や、固定金具7a10、7a11を図4、図5、図10の専用軌道と共用化する構造にしてもかまわない。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、人間が容易に近づけない場所でかつ大きな装置でアクセスできない狭隘な場所で、また、検査対象の配管の途中に機器やバルブなどがあり管内に検査装置を挿入して検査対象部位まで装置を挿入することもできないような場所に検査対象部位がある場合にも、安全、確実に検査対象部位の点検や検査さらには保修を遠隔で行える遠隔点検検査及び保修システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した遠隔点検検査システムの基本的な一実施例のシステム構成の一例を示す図。
【図2】前記システムの移動式点検検査装置の基本的な一実施例の一つでリンク車輪巻付方式の一例を示す図。
【図3】前記システムの移動式点検検査装置の基本的な一実施例の一つで吸着機構を用いた方式の一例を示す図。
【図4】前記システムの移動式点検検査システムで専用軌道を設ける場合の基本的な一実施例の一つを示す図。
【図5】専用軌道を設ける場合のもう一つの基本的な一実施例の一つで移動式点検検査装置は軌道を把持する車輪機構を用いた方式の一例を示す図。
【図6】前記システムの遠隔点検監視システムで挿入機構の先端にセンサを持ったマニピュレータを装着した場合の基本的な一実施例の一つを示す図。
【図7】図1の実施例において回収用命綱を設ける場合の基本的な一実施例の一つを示す図。
【図8】図6のマニピュレータを装着した場合の基本的な一実施例に故障時の回収機能を設けた場合の一実施例を示す図。
【図9】図2の実施例で遠隔着脱コネクタで移動式検査装置を切り離して故障時には回収可能とする方法の基本的一実施例を示す図。
【図10】吸着機構に永久磁石を用いた場合の移動式点検検査装置の基本的な一実施例の一つで、専用軌道を設けておき、磁気クローラ方式を用いた一実施例を示す図。
【図11】移動式検査装置の制御、伝送ユニットを挿入機構に先端部に実装する場合の基本的な一実施例を示す図。
【図12】図11の実施例においてガイドパイプ先端部に環境防護部材として放射線遮へい体を設置した場合の一例を示す図。
【図13】前記システムの移動式点検検査装置のもう一つの基本的な一実施例の一つで仮設レール着脱方式の一例を示す図。
【図14】本発明を適用した遠隔保修システムの基本的な一実施例のシステム構成の基本的な一例を示す図。
【図15】前記システムの保修用エンドエフェクタを持ったマニピュレータの基本的な一実施例を示す図。
【図16】図14の遠隔保修システムにおいて、挿入機構の先端にエンドエフェクタを装着したマニピュレータを2本取り付けた場合の遠隔保修装置の基本的な一実施例を示す図。
【図17】図14の遠隔保修システムにおいて、ガイドパイプ100をあらかじめ3本布設しておく場合の基本的な一実施例を示す図。
【図18】図17のように3本のガイドパイプを布設した場合も効率的な保修手順の一実施例を示す図。
【図19】1本のガイドレールで遠隔保修を実現可能とするための保修対象部位の保持機構の基本的な一実施例を示す図。
【図20】前記保持機構の別な構造の基本的な一実施例を示す図。
【符号の説明】
2…部屋の開口部、3…部屋内のスペース、4…部屋内の機器や配管、5…点検検査対象部位あるいは保修対象部位、5a…溶接などの接合部分、6a1、6a2、6a3…配管サポート、7a1、7a2、7a3、7a10、7a11…保持機構、100、100a、100b、100c…ガイドレール(ガイドパイプ)、120a、120b…仮設軌道、125…仮設軌道装着制御部、150、150a、150b…専用軌道、200…挿入機構、221…ガイドローラ、222…球面軸受(中空ユニバーサルジョイント)、210…挿入機構の伸縮パイプ、220、220a、220b、220c…挿入機構の数珠、230…挿入機構の巻取ドラム、240…挿入機構の駆動装置、300、310、320…姿勢制御機構、400、410、420…着脱ユニット、411…着脱ユニット用電磁石、405…着脱制御部、500、500a…移動式点検検査装置本体、500b…移動台車制御部、501…車輪、503a、503b、503c、503d…リンク駆動用モータ、504…走行駆動用モータ、505…把持制御部等、510a、510b…吸着用電磁石、520、520a、520b…磁気クローラ、521a、521b…ガイドローラ、532a、532b…車輪付きアーム、533a1、533a2、533b1、533b2…車輪付きアームの開閉駆動用モータ、600…センサ、603…センサ押付用ばね、610…接触媒質供給タンク、614…電磁バルブ、615…接触媒質供給ノズル、620…センサケーブル、633…ボールねじとガイドバーによる走査機構、700、700a、700b、700c…マニピュレータ、750…固定機構、751…固定機構の電動シリンダ、755…固定装置制御部、790、790a、790b、790c…エンドエフェクタ、792…エンドエフェクタからのケーブル類、800…回収用命綱、810a、810b…遠隔着脱コネクタ、815…遠隔コネクタ制御部、900…操作部、910…制御・伝送ユニット、920…制御・伝送ユニットからのケーブル、930…遮へい体、998…切離用非常スイッチ、999…回収用非常スイッチ、1001〜1009…手順フローのブロック。
Claims (18)
- 挿入場所から点検検査保修装置を挿入して点検検査保修対象部位の点検検査保修を操作部から遠隔にて行う遠隔点検検査保修システムにおいて、挿入場所から点検検査保修対象部位近くまで管状のガイドパイプを布設し、挿入場所からガイドパイプに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端には姿勢制御機構を介して着脱ユニットを設け、着脱ユニットを介して単一あるいは複数のセンサを有するとともに、点検検査保修対象部位或いはその点検検査保修対象部位に沿って設けた専用軌道を外側から把持する把持機構或いは外側から吸着する吸着機構を有する移動式点検検査保修装置を装着したことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項1の移動式点検検査保修装置の把持機構は、複数の車輪機構がリンク接続され点検検査保修対象部位である配管などの円筒部材を円筒部材の円周方向に把持するように巻き付く把持機構とその把持機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して把持/非把持を制御する把持制御部を有することを特徴とする請求項1の遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項1の移動式点検検査保修装置の吸着機構は、永久磁石あるいは電磁石の吸着機構、あるいは真空吸着機構、あるいはそれらを組み合わせた吸着機構とその吸着機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して吸着/非吸着を制御駆動する吸着制御部を有することを特徴とする請求項1の遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項1の遠隔点検検査保修システムにおいて、点検検査対象部位の近傍に移動式点検検査保修装置に適合した専用軌道を点検検査対象部位の外側からサポートで支持して設けておくことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項4の移動式点検検査保修装置の把持機構は、専用軌道を掴むように開閉する機構の付いた対となる車輪機構が1対あるいは複数対からなるとともに、その開閉する機構を着脱ユニットの着脱制御と所定のタイミングで同期して開/閉を制御する開閉制御部を有することを特徴とする請求項4の遠隔点検検査保修システム。
- 挿入場所から点検検査保修装置を挿入して点検検査保修対象部位の点検検査を操作部から遠隔にて行う遠隔点検検査保修システムにおいて、挿入場所から点検検査対象部位近くまで管状のガイドパイプを布設し、挿入場所からガイドパイプに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドパイプに挿入装置の先端部分を固定する固定装置を介してセンサを持ったマニピュレータ機構を設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項2あるいは請求項3あるいは請求項5の遠隔点検検査保修システムにおいて、移動式点検検査保修装置には回収用命綱を取付けて、万一の場合には操作部から遠隔にて請求項2の場合には把持機構を非把持に、請求項3の場合には吸着機構を非吸着に、請求項5の場合には開閉する機構を開に制御可能とした非常時回収機能を設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項6の遠隔点検保修検査システムにおいて、万一の場合には操作部から遠隔にてマニピュレータ機構にあるいはマニピュレータ機構と姿勢制御機構の両方に各動作軸を外力で動くフリーの状態にすることのできる非常時回収機能を設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項2あるいは請求項3あるいは請求項5の遠隔点検検査保修システムにおいて 、移動式点検検査保修装置には移動式点検検査保修装置から出ているケーブルを遠隔にて着脱可能な遠隔コネクタ部を設けて、万一の場合には操作部から遠隔にて請求項2の場合には把持機構を非把持に、請求項3の場合には吸着機構を非吸着に、請求項5の場合には開閉する機構を開に制御可能としさらに移動式点検検査保修装置から出ているケーブルを遠隔コネクタ部にて外すことを可能とした非常時切離機能を設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項7の移動式点検検査保修装置の吸着機構に永久磁石による吸着機構を用いた永久磁石は、その永久磁石の吸着力が命綱を引き戻す牽引力より小さくなるようにしたことを特徴とする特許請求項7の移動式点検検査保修装置の吸着機構に永久磁石による吸着機構を用いた遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項1あるいは請求項6の遠隔点検検査保修システムにおいて、移動式点検検査保修装置のセンサ情報を一時的に記録する記録装置あるいは移動式点検検査保修装置の制御装置を移動式点検検査保修装置あるいは着脱ユニットあるいは姿勢制御機構あるいは挿入装置の先端部近くに設けることを特徴とした遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項11の遠隔点検検査保修システムにおいて、点検検査保修を行う時に記録装置や制御装置が停止する位置の周囲に周囲環境から防護する防護部材を設置することを特徴とした遠隔点検検査保修システム。
- 挿入場所から点検検査保修装置を挿入して点検検査保修対象部位の点検検査保修を操作部から遠隔にて行う遠隔点検検査保修システムにおいて、挿入場所から点検検査保修対象部位近くまで管状のガイドパイプを布設し、挿入場所からガイドパイプに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置には姿勢制御機構を介して、複数に分割された仮設軌道がリンク接続され、点検検査保修対象部位である配管などの円筒部材を円周方向に装着する仮設軌道装着機構を設け、仮設軌道には単一又は複数のセンサを有した移動式点検検査保修装置を装着したことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 挿入場所から点検検査保修装置を挿入して点検検査保修対象部位の保修を操作部から遠隔にて行う遠隔点検検査保修システムにおいて、挿入場所から点検検査保修対象部位近くまで管状のガイドパイプを布設し、挿入場所からガイドパイプに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドパイプに挿入装置の先端部分を固定する固定装置を介して所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構を設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 挿入場所から点検検査保修装置を挿入して点検検査保修対象部位の保修を操作部から遠隔にて行う遠隔点検検査保修システムにおいて、挿入場所から点検検査保修対象部位近くまで管状のガイドパイプを布設し、挿入場所からガイドパイプに沿って挿入される挿入装置を設け、挿入装置の先端にはガイドパイプに挿入装置の先端部分を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用点検検査保修装置を少なくとも2式以上設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 挿入場所から点検検査保修装置を挿入して点検検査保修対象部位の点検検査保修を操作部から遠隔にて行う遠隔点検検査保修システムにおいて、挿入場所から点検検査保修対象部位近くまで管状のガイドパイプを2本以上布設し、各挿入場所からガイドパイプに沿って挿入される挿入装置をおのおの設け、各挿入装置の先端にはガイドパイプに挿入装置の先端部分を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用点検検査保修装置を設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 前記請求項16の遠隔点検検査保修システムにおいて、ガイドパイプを配管などの長物部材の点検検査保修対象部位の正面及び左右の3箇所にガイドパイプの先端部がくるように3本布設して、まず正面のガイドパイプに点検検査保修対象部位を把持可能なマニピュレータ機構を設けた挿入装置を挿入して、点検検査保修対象部位の中央部を把持させ、その状態で左右のガイドパイプからおのおの切断装置を持ったマニピュレータ機構を挿入して正面のマニピュレータ機構が把持している点検検査保修対象部位の両側をおのおの切断し、点検検査保修対象部位の両側を切断したらば、正面の点検検査保修対象部位を把持しているマニピュレータを点検検査保守対象部位を把持したまま戻して、次に点検検査保修対象部位と交換する正常な部品をマニピュレータ機構に持たせて正面から挿入して、所定の場所に交換部品がくるように位置と姿勢を制御して、その状態で、両側のガイドレールから交換部品を接続するための装置を設けたマニピュレータ機構をおのおの挿入して、交換部品の両側の接続が完了してから正面のマニピュレータの把持を解除してマニピュレータ機構を戻す手順にて、当該個所の点検検査保修を行うことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
- 挿入場所から点検検査保修装置を挿入して点検検査保修対象部位の点検検査保修を操作部から遠隔にて行う遠隔点検検査保修システムにおいて、挿入場所から点検検査保修対象部位近くまで管状のガイドパイプを1本以上布設し、各挿入場所からガイドパイプに沿って挿入される挿入装置をおのおの設け、各挿入装置の先端にはガイドパイプに挿入装置自身を固定する固定装置を介しておのおの所定のエンドエフェクタを持ったマニピュレータ機構あるいは専用点検検査保修検査装置を設け、少なくとも点検検査保修対象部位には両端切断時においても点検検査保修対象部位を保持するための保持機構を設けたことを特徴とする遠隔点検検査保修システム。
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